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VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた

登録日:2024/08/17 Sat 11:52:03
更新日:2024/12/30 Mon 13:24:55
所要時間:約 8 分で読めます





VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた』とは、七斗七による日本のライトノベル作品及び同作を原作としたアニメである。
略称は「ぶいでん」。既刊9巻(コミカライズ版は1巻)。




【概要】

本作のテーマは『VTuber』。そして『素の自分の肯定&周囲との折り合わせ』。
清楚キャラを売りにしていた主人公が、配信の切り忘れで全世界に清楚とは程遠い素の性格を露呈してしまうが、それをきっかけに人気を博していく、という物語。

主人公のヤバさが目を惹きがちだが、主人公以外のVTuber達も奇人・変人・変態のオンパレードで(普段は常識人の側面が強いキャラでも例外ではない)、パロディネタ(原作では特撮ネタが多い)や下ネタ(特に百合ネタ)が躊躇なく飛び出てくる。そして何人かは劇中内で主に主人公のせいで新たな性癖に覚醒していき、より掛け合いがカオスになっていく。
しかし、互いの仲の良さや善性が随所で描かれており、何だかんだで最低限のコンプライアンスは保っているため、キャラのヘイト管理がしっかりしているのが特長。

また、小説内に度々登場する「カステラ」 *1 の多くや視聴者コメントはWeb上で実際に寄せられた読者感想コメントから採用されており、実際のVTuberとリスナーのノリや距離感、支え合いの関係といった空気を醸し出すのに一役買っている。アニメ版においても一部採用されており、オリジナルのコメントも違和感のない雰囲気になっている。

一方、作者が元々シリアスな物語の執筆を志望していたのもあって、一部のキャラの過去は中々重い。

当初はweb小説投稿サイトの「ハーメルン」や「カクヨム」で連載していたが、後に『ファンタジア文庫』で書籍化。
現在は「ハーメルン」版は通常検索では出ない「チラシの裏」に移動しており、メインは「カクヨム」となっている。
またコミカライズ版が『月刊コンプエース』にて連載されているほか、2024年7月よりアニメ版も放送されている。


【あらすじ】

数々の華やかなVTuberが所属する大手運営会社ライブオン。
その三期生で『清楚』VTuberの心音淡雪が、不注意から配信を切り忘れた結果――

「やっぱロング缶の鳴る音は最高だぜ!」

「は?どちゃしこなんだが?」

「わたしがママになるんだよ!」

素の性格(酒カス・女好き・清楚(VTuber))がバレてしまい!?

そして翌日

「めちゃくちゃ切り抜かれてる!?トレンド世界1位!?なにこの同接数!!!!」

大炎上するかと思ったら、ギャップがウケて大バズ!

その結果

「おっしゃー配信始めるどー!」

開き直った彼女は、大人気VTuberへ駆け上がっていく!!


TVアニメ公式サイトイントロダクションより抜粋


【用語】

  • ライブオン
作中のVTuber達が所属している、IT&VTuberマネジメント企業。
所属するVTuber達(全員女性)は色々と癖の強い人物達 *2 であり、箱外からは蠱毒のように扱われている。
物語開始時点では3期生の加入から3ヶ月程度だったが、単行本9巻時点では5期生まで増えている(総勢14人)。


【キャラクター】

  • 心音淡雪(こころねあわゆき)田中雪(たなかゆき)

「皆様こんばんは、今宵もいい淡雪が降っていますね、心音淡雪です」

CV:佐倉綾音
本作の主人公。ライブオン3期生。愛称は「あわちゃん」。初登場時20歳。
アバターは水色のドレスに紺色の長髪を持ち、雪の結晶の髪飾りをつけた女性。
ブラック企業社員で、労働に疲弊していた所にライブオンの配信を見て元気を貰っていた。
そんなある日、ネット上で3期生募集の広告を見て応募し、面接を経て無事採用されたのだった *3

配信開始から3ヶ月間は外見通りの清楚キャラで通していたが、パンチの強すぎる他の面子に比べると人気が伸び悩んでいた *4
そんなある日、不注意&機材の不調で配信を切り忘れてしまい、それに気づかず
  • ガチゼロ *5 を一気飲みし、素のざっくばらんな口調を露呈
  • 同期(光)のゲーム実況で「私がママになるんだよ!」「どちゃしこ」などのセクハラ発言
  • 同期(ちゃみ)の耳かきASMRを聞いて半ば発情しながら寝落ち
  • マネージャーからの電話で気がつき、ショックと二日酔いで嘔吐しながら配信終了
などの醜態を全世界にさらし、SNSのトレンド一位にまでなってしまう。

当然、運営側に電話越しに土下座で謝罪したが、視聴者からの批判が少なくむしろ好評だったことと、運営側も淡雪の本性に薄々気が付いていたを通り越して「そもそもこの暴走を見て人気が出ると判断して採用した」こと、何ならマネージャーに至っては素で清楚キャラ設定自体も要所で本性バラしてバズらせるための戦略と勘違いしていた事で快く許される。
それ以降は、ましろから「シュワちゃん」の愛称と酔っ払った立ち絵を貰ったことで、清楚(笑)キャラと酒カスキャラの二重人格設定として配信を続けるようになる。

そうやって配信を続ける内に関わりの薄かったましろ以外の同期や先輩達との交流が増えていき、自分の素を肯定できるようになっていく。

元々情深い性格であり、両親と不仲だった反動か仲間達の事は劣情も込みで本心から大切に思っている。
配信切り忘れの際や酔っている際でも一線を超えるような発言はしていなかったりする辺り善性がうかがえる。

なお、アニメ化決定前からYouTubeの宣伝動画において佐倉氏が淡雪の声を担当している。

  • 朝霧晴(あさぎりはれる)最上日向(もがみひなた)

「やほー!皆の心の太陽、朝霧晴が昇ってきたよ!」

CV:日笠陽子
ライブオン1期生。愛称は「ハレルン」。
アバターは白いセーラー服姿に黒いショートカットで、目玉焼きの髪飾りをつけた少女。
リアルは身長145cmぐらいで中学生と間違えられる容姿をしており、車を運転しているとよく警察に止められるとか。
IQ160というガチの天才で幼少期からあらゆる事をそつなくできる万能の人だが、運要素が絡むと途端にポンコツになる。
なおシラフの淡雪をシュワちゃん化させられる謎の能力の持ち主。ただこの方法でシュワちゃん化すると記憶を失う模様 *6

強烈な個性を発揮してライブオンをVTuber業界で躍進させた張本人にして、人呼んで「ライブオンの諸悪の根源」
またVTuberであると同時にライブオンの社員でもあり、大学時代の友人4人と立ち上げた会社を助けるためにVTuberになった。
後輩達が育ったら引退しようかとも考えていたが、淡雪の覚醒でVTuberを続けたいという思いが芽生え、本格的にそちらを本業にした。


  • 宇月聖(うつきせい)鏑木聖羅(かぶらぎせいら)

「やあ諸君!皆の聖様が登場だよ!」

CV:小林ゆう
ライブオン2期生。愛称は「聖様」「性様」。
アバターは赤色の露出度の高い服装で、赤い長髪と2本の角を持ったサキュバス
元レズ専門のAV女優であり、百合ネタを中心とした下ネタ発言やエロゲー関連の配信に定評がある。
事あるごとに仲間のVTuberにセクハラしているが、これはキャラ付けではなく、ガチで恋愛対象が女性である *7

晴と並んでライブオンのイメージを決定づけた人物で、淡雪は「聖がいなかったら配信切り忘れ事件はもっと否定的に見られていただろう」と分析している。
事実、デビュー当初は晴や他の同期とのギャップと初配信における前世(しかもAV女優と言う、まぁ一般に晒すのがマズい代物)カミングアウトにドン引かれた事と初配信から下ネタを自重抜きで飛ばしまくって運営に止められた事から否定的な評価が多かったが、シオンとのコラボでウケた事で解消され、その縁か彼女とはよく一緒にいる。

なお、アニメ化決定前からYouTubeの宣伝動画において小林氏が聖の声を担当している。

  • 神成(かみなり)シオン一ノ瀬詩織(いちのせしおり)

「こんみこー!皆のママこと神成シオンだよー!」

CV:諸星すみれ
ライブオン2期生。愛称は「シオンママ」。初登場時20歳。
アバターは周囲に青い人魂が浮遊し、小さな狐面と九本の尻尾を持った巫女服姿の狐娘。
面倒見が良く、アクの強いメンバーを纏めるのがお約束になっている為、ママ呼ばわりされている。
特に複数人によるコラボの際は、各人が喋り倒して収拾がつかなくなるのでシオンが司会を担当している。

しかし、手のかかる面子を相手している内に自身の内なる母性に目覚め、仲間達を赤ちゃん扱いし始めるように。
それ以降は、淡雪に哺乳瓶で飲酒させたり、再教育として胎内に宿そうとしたりと常識を捨て去ってしまったのだった……

  • 昼寝(ひるね)ネコマ鈴鳴凛(すずなりりん)

「にゃにゃーん!香しい匂いに誘われて参上!昼寝ネコマだぞ!」

CV:大橋彩香
ライブオン2期生。愛称は「ネコマー」。
アバターは異世界もののような衣装を着て、縞模様の尻尾にオレンジ色のボブカットの猫娘。
世に蔓延るクソ映画やクソゲーなどの駄作を好んで実況・紹介しており、周囲からは「汚物ジャンキー」と称される。
また声真似が上手く、自身のアバターで晴が淡雪に話しかけた際には、淡雪はネコマが晴の真似をしていると思っていた。

汚物関連以外は比較的真面目な性格の為か、1~2期生の他の面子がハジケるにつれて苦労人属性と不憫さが目立ってきている。
他の面々よりはブッ飛んだ発言は少ないが、紹介したクソゲーを各人がソロ配信でプレイしたりと縁の下の力持ち的な存在。

  • (いろどり)ましろ桜火白(さくらびはく)

「どうもこんましろー。ましろんこと彩ましろです」

CV:水野朔
ライブオン3期生。愛称は「ましろん」。淡雪のママ一番の親友。
アバターは黒いベレー帽を被り、黒いパーカーとショートパンツ姿で白髪の少女。
イラストレーターとしての顔を持ち、淡雪のアバターデザインを手掛けたのも彼女である。
中性的な声を持つ常識人だが、絵に対しては並々ならぬ執念を持ち、またエロスを感じると暴走しだす。

ハジける前の淡雪が唯一まともに交流のあった相手で、馴れ初めや仲良くなった経緯は単行本で補完されている。
なお、アバターのみならずリアルでも貧乳である点を気にしており、その事をイジられると静かにキレるのがお約束。

  • 祭屋光(まつりやひかり)佐々木夏海(ささきなつみ)

「こんピカー!祭りの光は人間ホイホイ、祭屋光です!」

CV:Machico
ライブオン3期生。愛称は「光ちゃん」。淡雪の性癖開発被害者その1。
アバターは白いねじりはちまきを頭に巻き、黄色いツインテールと法被姿の少女。
元気いっぱいで天真爛漫な性格だが、潜在的に真正のドMで、その気質を活かした縛りプレイや耐久ゲーの配信に定評がある。
日常生活でも独特のルールで物事を判断しているが、高校生活や配信で人気者なあたり人に好かれる才能がある模様。

下ネタや性的な話題には疎く、自身に向けられた淡雪のセクハラ発言も意味を良く理解できていなかった。
しかし、喉を痛めて活動休止した際に、淡雪から受けたマッサージによって被虐欲のタガが外れてしまい……!?

  • 柳瀬(やながせ)ちゃみ藤田(ふじた)みちる

「みんなを癒しの極致に案内する柳瀬ちゃみお姉さんが来たわよ」

CV:菊池紗矢香
ライブオン3期生。愛称は「ちゃみちゃん」。淡雪の性癖開発被害者その2。
アバターは赤と水色のメッシュを入れた黄色の髪を持った、臍出し服の長身の女性。
ASMRを中心として活動しており、お姉さん的なイメージだが素の性格はあがり症&人見知り。
お泊まり会などのシチュエーションに物凄く憧れており、淡雪とのオフコラボでは内心大興奮していた。

そもそもアバターのデザインについても「外見を陽キャ寄りにする事で性格改善を図った結果、見た目陽キャの陰キャが誕生した」というせつない裏話が存在する。
その一方で、重度の声フェチで、声の話題になると淡雪がストッパーになるレベルで喋り倒してくる。曰く「VTuberはボイスS○Xイリュージョニスト」だとのこと……

  • 相馬有素(そうまありす)厳島歩(いつくしまあゆみ)

「はっ!相馬有素、ただいま参上したのであります!」

CV:田所あずさ
ライブオン4期生。愛称は「有素ちゃん」。淡雪の性癖開発被害者その3。
アバターは軍服の要素を含んだアイドル衣装に身を包んだピンク色のショートカットの少女で、軍人のような口調で話す。
アイドルグループ『ファランクス』のメンバーで、淡雪の配信を見て応募してきた現役大学生。
淡雪本人がドン引くレベルの淡雪信者で、淡雪のやる事なす事を変質的に全肯定してくるやべー奴。

両親と三人暮らしだが、この両親はどちらも芸人気質で、 厳島宅にお邪魔した淡雪が唖然とする謎のコントを披露した。
ちなみにアイドルをやっているのは設定ではない事が端々で匂わされているが、実際に活動している場面が出てきた事はない *8

  • 苑風(そのかぜ)エーライ山口飛鳥(やまぐちあすか)

「やっほ~みんな~!元気ですか~ですよ~!エーライ動物園の苑風エーライですよ!」

CV:M・A・O
ライブオン4期生。愛称は「園長」「組長」。淡雪の性癖開発被害者その4。
アバターは紫色のウェーブ髪に花飾りをつけ、白い民族衣装と魔導師の杖を持ったエルフ。
ゆるふわボイスで豊富な動物の知識を紹介するが、内容は下ネタかそうでなくてもゲテモノばかり。
素の性格はメタル系ファッションを好むレディース系(≒女ヤンキー)の人物で、キレたり焦ったりするとドスの効いた極道めいた口調になる。

淡雪に対しては「悪い人ではないが、関わった相手を無意識のうちに暴走させてしまう危険人物」と一歩引いたスタンスを取っており、淡雪になんだかんだ寛容な者が多いライブオン関係者では数少ない、辛辣なツッコミを入れられる人物である。

  • 山谷還(やまたにかえる)東雲奏(しののめかなで)

「山を越え、谷を越え、そしてやがて還る場所。山谷還の配信へようこそ」

CV:茅野愛衣
ライブオン4期生。愛称は「バブリエル」。キャラ性とは裏腹に最年長疑惑がある。
アバターは薄青色の長髪に神官の帽子を被り、露出度の高いスリット服を着た長身の女性。
色々あって就職活動が深刻なトラウマになっており、一生VTuberで食べていく覚悟を決めている。
あらゆる他者にバブりたい幼児退行癖の持ち主で、仕事であっても幼児退行癖を前面に出してしまう悪癖を持つ *9
普段からオムツを履いており、おしゃぶりを加えた立ち絵差分まであり、本物の赤子そっくりの泣き真似まで可能というガチ勢。


【テレビアニメ】

2024年7月からTVアニメが放送される。ティー・エヌ・ケーの制作。
特徴として、VTuber達の本名は出ておらず、現実世界でも(イメージとして)アバターの姿で描写されている *10
また、現実のVtuberやソーセージレジェンドなどの配信で人気のゲームも制作に協力しており、作中のVtuber達に混じってSNSなどに映っていたり、本家のゲームのプレイ画面が流れたりした *11 。ちなみにあれだけ擦っていたストゼロのサントリーさんは制作協力には入ってくれなかった *12まあ、今はストゼロじゃなくて-196だからね、仕方がないね。
なお、VTuber達と淡雪のマネージャー以外の人間は普通のモブとして描かれている事もあれば、頭のないペラペラ紙人間として描写されている事もある。
ちなみにVTuber達も「VTuberになる前の過去回想」と「視点人物に中の人だと認識されていない状態」ではこの紙人間になる。


追記・修正はガチゼロをキメてからお願いします。


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最終更新:2024年12月30日 13:24

*1 作中世界の匿名メッセージサービス。元ネタは「マシュマロ」。

*2 加えて、聖を筆頭に同性or両性愛的な嗜好の者が多い傾向にある。

*3 淡雪自身は覚えていないが、この際に強烈な個性を見せた、というかシュワちゃん化した。運営側はシュワちゃんの方を面白そうだと思って採用した模様。

*4 WEB版では毎日配信にも関わらずデビュー3ヶ月で収益化が通らない、同期比でも登録者も同時視聴者数も半数以下でどんどん離されていると明記されている。

*5 作中世界のアルコール飲料。元ネタはリンク先を参照。なおWeb版では「ストゼロ」と略称そのままに表記されており、書籍版でも初期はそのままだったが、多数のメディア展開が行われるに伴って、一部伏字表記になった後、本作オリジナルのこの名称に至り、アニメでもそのままオリジナル表記が使われた。

*6 採用面接時と、ライブオンオールメンバーの歌企画の収録時。

*7 単行本4巻ではそれが根底に関わる騒動が起こる事になり……

*8 淡雪に至っては公式のライバー紹介動画で「基本的に嘘」と発言しており、設定だと勘違いしている節がある。

*9 この関係で、かなり長い間アバターの設定が作中に登場せず、公式の挨拶も殆ど使っていなかった。

*10 現実世界でもアバターは書籍版で先に行われ、アニメ版、漫画版も踏襲している。ネコマ以外のVtuberの種族が設定されたのも書籍版から。

*11 原作での『リングフィットアドベンチャー』の様なゲームはパロディそのままであった。やはり任天堂は厳しかったか……。

*12 ちなみに作中でも、リスナーが「淡雪の飲み方がヤバ過ぎる」という理由で案件は難しいと推測する場面がある。