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オーブ連合首長国(ガンダムSEED)

登録日:2024/08/10 Sat 15:32:45
更新日:2024/12/01 Sun 14:01:38
所要時間:約 72 分で読めます





お前も知っているだろ?
オーブは他国を侵略しない。他国の侵略を許さない。そして、他国の争いに介入しない

――カガリ・ユラ・アスハ


本当にとんでもない国だね、オーブは。何考えてたんだか

上手く立ち回って、甘い汁だけ吸おうと思っていたんでしょう。卑怯な国です

――ムルタ・アズラエルとウィリアム・サザーランドの会話


俺の家族はアスハに殺されたんだ!
国を信じて、あんた達の理想とかってのを信じて、そして最後の最後に、オノゴロで殺された!
だから俺はあんた達を信じない! オーブなんて国も信じない! そんなあんた達の言う綺麗事を信じない!
この国の正義を貫くって……あんた達だってあの時、自分達のその言葉で誰が死ぬことになるのかちゃんと考えたのかよ!

――シン・アスカ


偽装解除。目標はレクイエムの制圧、または完全破壊である
全機、武器使用自由! オーブに死の刃を向けた者を、決して許すな!!!

――アマギ一尉



オーブ連合(れんごう)首長国(しゅちょうこく)とは、機動戦士ガンダムSEED及びその続編に登場する架空の国家。
実在する「アラブ首長国連邦」と混同してかたまに間違われるがオーブ首長国連合(・・)でもオーブ首長国連邦(・・)でもオーブ連邦(・・)首長国でもない。
オーブ連合(・・)首長国である。


【概要】

所在地はソロモン諸島からマーシャル諸島にかけての大小20の島々。
現実世界においてナウル共和国などがあるオーストラリアの右上辺りだが、後述する大きな島は現実には無い。

特に出番の多いオノゴロ島を始め、多くの島に火山がある島国である。

西暦末期に発生した第三次世界大戦、別名「再構築戦争」により「日本」という国家は消滅し、中国・モンゴル・朝鮮半島などと一体化した東アジア共和国と化したため*1、新天地を求めた日系移民が南太平洋の現地住民と共に開拓・建国したのが後のオーブである。

ざっくりと言えば「コズミック・イラ世界の日本」。

民間人すら天寿を全うするのが難しい激動&混迷の世界たるコズミック・イラ世界で、この言ってしまえば小国が独立を保っていられるのは、半国営企業モルゲンレーテ社の非常に高い工業力と世界的に貴重な設備であるマスドライバーを保有していることにある。
そして国力の低い小国でありながらも地球連合にもプラントにも与しない中立を標榜している。

ほんの小さな火種が世界ごと灰にしかねない勢いで簡単かつ猛烈に燃え上がる時代に於いてある意味最も困難な道を選んだ国家、それがオーブである。


【体制・文化】

日系移民による文化の影響が随所に見られ、人名には日系が目立つ。公用語もカガリがキラに宛てた手紙などを見るに日本語と見られる。
どういう存在なのかは具体的に語られていないが、元々現地民が信仰していたものか「ハウメア」という神*2を信仰する文化やその加護を祈る場面は散見される。

オーブでの改修に際してアークエンジェルに「天使湯」なる純和風の温泉が設置されたように火山国家らしく温泉文化もあるようだ。
劇中の描写をよく見ると車道も左側通行となっているが、現実の南太平洋諸国も左側通行なのでこれはあまり関係ないかもしれない。

現地住民と日系移民により建国されたオーブは国家体制として、現地住民でも有力だった一族「氏族」の代表者である「首長」達の合議と、一般市民で構成される「議会」で国政を営む特殊な立憲君主制をとる。

氏族の中でも特に有力なものは五大氏族と呼ばれる。その首長達をウズミやカガリが属する「アスハ家」のように取り纏めるのが「代表首長」であり、オーブの国家元首である。
アスハ家は長らく代表首長を務めているが、五大氏族は何等かの理由で下位の氏族と入れ替わる事もあり、『SEED DESTINY』では軍部・暗部との繋がりの深い「サハク家」が離脱し、繰り上がった「セイラン家」が新たな五大氏族に収まっている。
また、反コーディネイター思想の根強い大西洋連邦などとは異なり、「コーディネイター=悪と見做し攻撃させる大西洋連邦には同調できない」とする数少ない国家であり、地球国家としては珍しく「オーブの理念と法を守る者ならば誰でも入国、居住を許可する」としてコーディネイターを受け入れる。

尤もウズミは「全て上手く行っている訳ではない」とも語っており、後述のエリカ・シモンズの振る舞いなど多少なりと課題は残っている。


【中立国】

オーブはその理念として中立主義、「他国を侵略しない」「他国の侵略を許さない」「他国の争いに介入しない」の三つを掲げている。
その一方で軍を装備し兵器開発にも余念がない面もある所から、作中のカガリや視聴者からは「中立国と言いながら武力を保有・研究するのはいかがなものか」との意見が度々出ている。

しかし大前提として「中立」とは「誰とでもお友達になる」思想でも、「侵略しないので、故にどこからも侵略されない」「なので軍事力は放棄する」思想でもない
むしろ誰ともお友達にはならない(≠誰とも敵対・孤立する*3)からこそ、戦うべき時には戦う思想。

  • 国防を友好的な外国に依存、または戦時下でのみ軍を用いる、もしくは軍事力を一切用いずに独立を目指す「非武装中立」。
  • 他国の力を一切借りず、武力衝突の場合には自国が保有する軍事力によって国防を行う武闘派の「武装中立」。

中立にはこの二種類が存在し、これは「中立」を周りに認めてもらうか力尽くで認めさせるかの違いと言い換えることができる。
つまり中立は、非暴力主義、平和主義、無抵抗主義という「武力の一切放棄」を意味するものではないので、中立主義が武闘派でもあってもおかしな話ではない

喧嘩にたとえるなら、「我が家の前で喧嘩する分には勝手だがどっちにも肩入れしない」「しかし何処の誰だろうと勝手に一歩でも我が家に踏み入ったら……」という所までは同じで、
  • 「どこの誰だろうが即警察呼ぶからな! or 蹴られても殴られてもお前の言う事絶対聞かんからな!」が非武装中立
  • 「どこの誰だろうが一家総出で殺す。何なら庭ごと爆破してでも殺す。たとえ皆殺しにされても最後の一人がお前を殺す」が武装中立
といったところか。

新機動戦記ガンダムWのサンクキングダムが相当する非武装中立*4然り、「他国の争いに介入しない」ために武力を保有し、完全に独力で国防を行う姿勢のオーブの武装中立然り、どちらも並大抵では済まない覚悟があってこそ務まる思想である。
オーブのような武装中立は「どこの組にも属さず、ショバ代も払わず、用心棒も雇わず、しかし店を荒らしに来るならたとえ相手が関東最大極道組織だろうが超巨大ロシアンマフィアだろうが自力で迎え撃つ」「治安の悪い地域住みなので、窓ガラスは防弾、鍵も三重、メシ中でも風呂中でもいつでも金属バットとショットガンを手に取れるようにする」を国家規模でやっているようなもので、
激動のコズミック・イラで「中立を謳うオーブが巨大な武力を持つのはどうなのか」と言われたところで、「どうもこうも、武力を持つのは当たり前だろ。ウチら別に無抵抗主義じゃないんで」で本来済む話ではあるのである。

ちなみに中立国といえば「一家に一つ核シェルターと小銃常備は当たり前」「徴兵制度も当たり前」「第二次大戦中は枢軸だろうが連合だろうが国土に侵入した飛行機は全部落とす(本当に数十機ほど撃墜している)」「場合によっては焦土作戦も厭わない」なスイスが代表的。
スイスが中立を維持できたのはこの壮絶極まりない覚悟に加えて「魅力の無さ」も大きな理由の一つ。
ここで言う「魅力の無さ」とは決してスイスという国家や国民やその文化等々を侮辱するものではなく、「侵略を行う戦略的な意味と値打ち」を指す。
山奥という「非常に攻めにくい土地」を「尋常ならざる構えの国民が守り固め」、それを突破したところで「大量の希少資源や世界最先端の超重要技術が得られる訳でもない」……
戦争は無傷で終えられないし非常に金もかかる。勝って得るもの――少なくとも失った以上のものが得られる目算がなければ戦争などという「非常に非効率的な外交手段」に出る意味自体が無い。
本気を出せば落とす事は訳なかっただろうかつての大国達は、「無理に攻め落としたところで全く割に合わないし、何もしない限り向こうも何もして来ないので、なら放っておくのが一番」と、スイスに手出ししなかった(・・・・・)のだ。

対する非常に高い技術力を持つモルゲンレーテ社と世界的に希少なマスドライバーを保有するオーブは、山奥よりは攻めやすく、かつ多少無理してでも落としたい魅力に溢れる点でスイスと大きく事情が異なる。
その点でオーブはスイスより余程難しい状況に置かれていたと言って良い。

また、本編開始前に地球連合軍と結託して新兵器の開発を行い、こっそり自国の兵器開発に利用したり、序盤でもアークエンジェルを密かに匿う条件として実働データや技術協力を要求したりなど、完全な中立とは言えないのが実情*5
言うなれば「笑顔でポケットに入れた片手でナイフを握りながら握手」ならぬ「笑顔で片手で相手の財布から札ビラを掠め取りながら握手」である。
視聴者間は元より作中でさえ「裏でコソコソやって恩恵と安寧だけ得ようとする卑怯な連中」といったような反感の声もまま見られたがなんの事は無い、
動乱に満ちたC.E.世界で現実でさえ難しい中立を保つにはこれくらい平気でやれないと到底生き残れないという切実な事情も関係している。
また連合の技術を勝手に盗用するなど「与したら同じ分だけ損害も与える」という形で釣り合いを取っている様子も見られる。

まあ、実際そこまでやってさえ地球連合とプラントの両方から侵略されたのだが
その反省か、カガリが代表に復帰して以降の『SEED FREEDOM』では、中立として平和維持に奔走すると同時に「中立を維持するとはどういう事か」を視聴者にまざまざと見せつけた


【軍事】

「侵略せず、侵略させず、介入せず」の理念に伴い、他国への侵略を否定するオーブは、中立を維持する為にイージス艦、護衛艦、戦闘ヘリ、リニアガンタンク等の軍備を備えている。ヘリオポリスで開発されていたプロトアストレイシリーズの完成後は、プラントに次いでM1アストレイを主戦力として配備した。
オーブ解放作戦での専守防衛プラン実施に伴い、多大な被害が発生した事を受けてか、C.E.73年頃には「上陸前に向かって来る敵を全て海上で潰す」ため、航空戦力やMSを海上まで運ぶための大型MS空母を投入している。

M1アストレイはGAT-XシリーズがロールアウトしたC.E.71年1月からアークエンジェルがオーブに寄港した4月までの数ヵ月で量産体制には入っていたもの、ナチュラルにも操縦可能なOSは未完成であり、オーブの専守防衛の思想からか、実戦投入は同年6月のオーブ解放作戦が初。お披露目自体は地球連合のストライクダガーとほぼ同時期である。
なお、島国ながらも水陸両用機は開発していない。
空母と単独飛行MSによる先制攻撃を優先し、地上では動きが鈍る水陸両用機は上陸直後を狙い撃つという方針なのだろう。

世界支配を目標に軍備拡張を進めていたサハク姉弟は別として、「力が無ければ独立は保てないが、力を持ち過ぎれば狙われる」と必要悪としての保有も増強もある程度までは認めていたウズミに対して、『SEED』時点でのカガリは非武装中立寄りであり、『SEED DESTINY』序盤も大戦後に新兵器の開発と配備を進めるデュランダルに抗議する様子もあったが、物語終盤では自国の防衛の為とあれば軍を動かす事にも躊躇いが無くなっており、忌避していた新兵器の極秘開発すら主導している。
繰り返しになるが、「中立主義(を前提とした平和を望む心や反戦の志)」と「軍事力の保有・開発」は一切の矛盾なく両立する
カガリの軍事に対する姿勢は『想い(理念)だけでも、力(武力)だけでもダメ』を地で行くためと言えよう。

オーブ軍の階級は自衛隊のものと似た独特の呼称が採用されており、以下がC.E.73年時点の階級と階級章の一覧である。
胸章 襟章 階級
(幅2本分) 将軍
(幅2本分) 准将
一佐
二佐
三佐
一尉
二尉
三尉
曹長
一~三曹
士長
一~三士
これだと一曹から三士までの7階級は階級章だけでは区別が付かない事になるがその辺りの事情は不明。
また『SEED FREEDOM』では「海将」という階級が言及されたが、これは准将と将軍の間に「将」が実は存在したという事なのか、『SEED DESTINY』後に新設されたのか、オーブ海軍の将軍が「海将」なのかは不明。

軍服はC.E.71年時点では地球連合軍の軍服と似た赤紫主体の詰襟状の軍服に黄色のスカーフを合わせたものだったが、C.E.73年頃までに薄菫色と青色のピーコートに似たデザインにリニューアルされスカーフも廃止された*6
なお将官用の制服の色合いはリニューアル前後に関わらず青と白で、更に左胸に飾緒を着ける。
リニューアル後版はこれに加えて、
  • 将官用は襟の縁取りが金色で先端は赤色。また袖口に金色のラインが1本入る。
  • 佐官用は襟の縁取りが青色(尉官以下と同じ)で襟の先端は黄色
という特徴がある。

またパイロットスーツも、以前は男性用は深緑色、女性用は朱色を基調とした曲線的なデザインのものが用いられていたが、C.E.73年時には直線的なデザインに改められている。
インナーには薄紫、赤、緑、紫などいくつかのバリエーションがあるが、特に階級や役職や性別で分けられている様子は無く詳細不明。
因みに、実際に准将に就いていたキラの制服は「佐官の制服」「将官の胸章と袖口」「将軍の襟章」というバラバラなものになっている。
また階級の設定に錯綜が見られる『SEED DESTINY』のアスランは作中では(アークエンジェル合流直後を除き)基本的に二佐の制服と階級章を着けている。


(ザフト以外C.E.は大体そうだが)オーブ軍の正確な編成は詳しくは分かっていない。
正式にオーブ軍に編入された際にアークエンジェルは「第二宇宙艦隊」の所属となったが、艦隊と言いつつも僚艦の姿が見当たらない事からアークエンジェル一隻しか所属していない可能性がある。
するとオーブ軍の宇宙戦力はイズモ級数隻に留まる事になるのだろうか?
実際オーブはあくまで専守防衛の国なので(アメノミハシラ等もあるとはいえ)本土から遠く離れた宇宙に大規模な軍を整備する必要はそこまでなく、宇宙艦隊が小規模な可能性は十分考えられる。
他にもキサカの台詞などから「オーブ陸軍空挺部隊」や「第二護衛艦群(艦隊)」などの存在が語られている。


誤解される事も多いが、1次大戦の停戦条約であるユニウス条約は地球連合とプラントの間で結ばれた条約なのでオーブは『SEED DESTINY』の時代でもNJCやミラージュコロイドの軍事利用に制限は無い
NJC自体が希少資源を必要とするのと専守防衛の理念もあって積極的には使用されなかったが、仮にオーブが大々的に核エンジン搭載MSを投入していても「ユニウス条約自体には」一切違反ではない事に留意。
勿論、2017年に核兵器禁止条約が定められた2020年代現在の現実社会でも、核保有国が条約に批准していなくても白眼視されるのと同様、条約違反ではないからといってオーブが大手を振って核エンジン搭載機を配備しても誰も咎めないかどうかは別問題である。


【保有兵器】

ヘリオポリスにて地球軍の試作MS「GAT-Xシリーズ」の開発・建造に協力する傍ら、オーブも主力MSを独自開発すべくそのデータを盗用して極秘裏に開発した試作MS群。
組み立て前のものを含め全五機が存在するが、クルーゼ隊のヘリオポリス襲撃に伴うコロニー崩壊で散逸、オーブとして運用できたのはゴールドフレーム1機のみだった。

詳細は個別項目を参照。


プロトアストレイシリーズ、特にレッドフレームの量産型に当たるオーブ軍主力MS。劇中では専ら「M1」と呼ばれている。
モルゲンレーテ本社の地下秘密工場にて量産されていたが、当初はOSが未完成だったためナチュラルではモタモタ歩くのが精一杯(しかもそれで以前より倍近く早くなった)という有様だったが、
キラが開発した(外伝ではそれに加えて叢雲劾が改良した)新型OSによりナチュラルでも十二分に性能を発揮できるようになった。
『SEED DESTINY』の時代以降は空中戦に対応できるようフライトユニット「シュライク」を装備させたものが主力となっているが、速度や航続距離不足は否めず旧式化しつつあったため、後述する後継機のムラサメが主力機として配備されたこともあって支援機としての運用が主となっている。

詳細及び派生機は個別項目を参照。


カガリ専用機。左肩にはそれを示す「花を一輪咥えた白い獅子」のエンブレムが描かれている。
オーブ出港後のストライクとイージスの戦闘でイージスの自爆により大破したストライクを回収、修復した際に同時に密かにデータを盗み出し、修復の為に製造した予備パーツの余剰分で組み立てられたもの。
言わばストライクのデッドコピー機。
建造に当たり新型バッテリー「パワーエクステンダー」が装備された事で稼働時間が延長され、色も赤系になった。
「他国の最新鋭機を第三国が勝手に解析したり再建造したりなんてして良いのか?」という一部の視聴者からの疑問の声は枚挙に暇がないが、現実ではままある事である。
なので大丈夫……という事もなく、現実は元よりC.E.の世界でも限りなく黒に近いが、(特に動乱に満ちた世界の)中立国は多少汚いくらいでないとやって行けないものである。

詳細及び派生機は個別項目を参照。


『SEED DESTINY』の時代で配備が進みつつある新型主力機。
M1の後継機に当たるがオーブ軍のドクトリン変化に伴いその設計と運用思想は大幅に変化しており、機動力に優れる航空形態と運動性に優れるMS形態を随時切り替える事ができる可変MSである。

C.E.75年にはバージョンアップ型の「ムラサメ改」に更新されつつある。

詳細及び派生機は個別項目を参照。


ウズミの指示により初期GAT-Xシリーズと同時期から極秘裏に開発が始まっていたフラグシップMS。
ビームを反射させる事ができる特殊装甲「ヤタノカガミ」を持ち、その影響で全身が金色という非常に目を引く外見となっている。
非常に強力な防御力こそを最大の特徴とし、攻撃しない限りは目立つだけだが迂闊に攻撃したら猛反撃を食らう性質は正しく「オーブの理念が形になったMS」と言える。
なお、本機の登場により当初はGAT-Xシリーズの開発を「全く感知していなかった」とされていたウズミは、実際には「黙認しつつも対外的には知らなかった事にしていた(それでいてオーブのG兵器開発関与というスキャンダルを自分一人に押し付けた)」という事になる。

ウズミの遺言によりカガリに託された機体であるが、いつしか『不可能を可能にする男』の専用機になっているのはご愛敬。

詳細は個別項目を参照。


  • エクリプスガンダム
漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』にて登場。オーブの国際災害救助組織「ODR」が保有している。例の如く正式名称は単に「エクリプス」。
第1次大戦後にフリーダムを回収し修復した際に機体を解析し得られたデータを元に建造した可変MSで、MA形態では超音速飛行も可能となる正に比類なき超高速機。
その開発目的は言うなればMSの戦略爆撃機化で、オーブの理念とは正反対の超長距離からの先制攻撃を可能とするための試作機である。
その任務の性質を鑑みオーブは勿論、連合系ともザフト系ともつかない「どこが開発したのか一見謎」という独特のデザインがなされている。

偶然手元に転がり込んだザフトの最新鋭機を勝手に解析し、おまけに隠密性を高めるためのミラージュコロイドが装備され、2号機に至っては更に核エンジンまで搭載されているという、
オーブがユニウス条約を締結していないのを良い事にデタラメな開発経緯と仕様と性能を持たされているMS。
当然ながら幾ら何でも「他国を侵略しない中立国」が持って良い類の兵器ではなく、新型試作兵器なのにオーブ軍ではなくオーブ外務省所属の災害救助隊が保有しているのも大人の事情である。
「エクリプス(日食)」という機体名も存在が明るみに出れば、(オーブのシンボルである)太陽を覆い隠し、闇を齎すという本機の危険性を皮肉ったもの。

しかしその必要以上の危険性実はよく考えるとちぐはぐな設計思想「太陽が隠れる現象」という命名には全く別の思惑が隠されていた……。


  • リニアガン・タンク
  • 自走リニア榴弾砲
共に地球軍の主力兵器だがオーブにも多数が配備されている。
どちらもカラーリングは変更されており、地球軍のリニアガン・タンクはカーキ、リニア榴弾砲は青紫だが、オーブ仕様は共にオリーブドラブになっている。
劇場版では地球軍カラーのリニアガン・タンクも登場している。


  • 戦闘ヘリコプター
オーブ軍の戦闘ヘリ。
箱型の本体の前方にタンデム複座型のコクピット、上部に並列2基のローターが設置された構造で、本体内には後部ハッチから数名の人員を搭載できる。
ローター部分はV-22 オスプレイの様に90度回転させコンパクトに折り畳む事が可能。
武装として機首に35mm機関砲を2門、本体左右にミサイルランチャーを備え、イージス艦との連携を前提に多数が配備されているとの事だが、
戦闘シーンでの活躍は特に無く、どちらかと言えばウズミやカガリが操縦したり『SEED FREEDOM』でトーヤらを避難させたりと、政府高官の足代わりに使用されている場面の方が目立っている。


  • アルバトロス
MSの運搬が可能なサイズを持つ要人輸送用大型飛行艇
主翼の先端は折れ曲がり、着水時にフロートになる構造。(同じ構造の飛行艇イギリスのブラックバーンが開発している)
イージスを自爆させた後、浜辺で意識を失っていたアスランが目を覚ましたのもこれの内部の医務室である。


  • イージス艦
オーブの海上戦力の主力の一つ。艦級名は不明。
全長200mという大型艦で、実在するイージス艦(大体150m前後)よりかなり大きく船体規模で言えば旧日本軍の重巡洋艦、高雄に近い。
トリマラン型の船体が特徴的で、本体後部と左右に3つのヘリポートを持つ。
武装も250mm単装砲、25mm対空ガトリング砲三基、VLS182基という重武装が施されている*7。後に対空ミサイルを対空ビームに改修したものもある。
また主砲弾(小説版ではミサイル)には「八式弾」と呼ばれる自己鍛造弾を浴びせる榴散弾頭が用意されている。
速力も50ノットと地球軍の主力海上艦を上回るスピードを有する。

同型艦にソコワダツミが存在する。
『SEED FREEDOM』では「ミサイル巡洋艦」という名称でほぼ同一デザインのヨシツネが登場している。


  • クラオミカミ級護衛艦
オーブ艦隊の中で最も多い艦。船体後部にヘリ1機が離発着可能な甲板を持つ。
武装は連装砲・ミサイル発射管、CIWSなど。
第1次大戦の時点で既に旧式化しているが、艦隊の護衛艦に、沿岸警備にと多用されている。
『SEED FREEDOM』の時代でも健在。

同型艦にクラミツハ、イワサクが存在しており、いずれも日本神話に登場する神の名前。


  • 補給艦
四基のクレーンが特徴的な補給艦。
ヘリやMSの発着が可能になっているが武装は無い。
『SEED DESTINY』第1話にてアスカ一家が乗り込もうとしていた艦はこれ。


  • タケミカヅチ級空母
トリマラン型の船体と二段の甲板を持つ大型空母。
多数のMSとその発進カタパルトを装備する他、対空機関砲やミサイルランチャーを備える。
『SEED DESTINY』中盤、黒海に向けて派遣されたオーブ艦隊の旗艦を務め、多数のMSを発進させミネルバを苦しめた。
しかしその戦法はオーブ兵を当て馬として使い潰すものであり、地球軍側の口車にまんまと乗せられた形であった。

カガリの二度に渡る介入とそれに対する不義、考えているのは自分の保身と面子の事ばかりというユウナに遂に愛想を尽かした艦長のトダカにより、
負けると分かった上で*8ミネルバに特攻、オーブは勇敢に戦ったという地球連合への義理立てと同時に敗戦の責任を自分に押し付ける為にユウナを文字通り艦橋から叩き出し、
乗組員の脱出とカガリと思いを同じくする軍人達をアークエンジェルに向けて移動させた後、全ての責任を取るべく一人残ったトダカと共にソードインパルスにより沈められた。

『SEED FREEDOM』には同型艦ワダツミが登場、護衛艦に守られつつ避難民を乗せて移動していた。
またオノゴロ島の軍港にはタケミカヅチ級と見られる艦が2隻停泊している。ワダツミがそのどちらかかどうかは不明。


オーブ軍の宇宙艦。
総数は不明だが少なくとも4隻が確認でき、それぞれが異なる塗装が施されている。
サハク家が保有する1番艦イズモは黒、本編で主に登場する2番艦クサナギは青、『SEED DESTINY』に登場したスサノヲ、ツクヨミは赤紫。
アークエンジェルはイズモ級を参考にされた面があり、ブリッジの構造や船体各部のデザイン、武装などに影響が見て取れる。

詳細は個別項目を参照。



【地理・保有設備】

  • ヘリオポリス
『SEED』第1話の舞台。
L3に位置するスペースコロニーで、シリンダー型コロニーに資源衛星が合体したよう外見。
オーブ保有のコロニーなのでヘリオポリス自体も中立コロニーなのだが、それを隠れ蓑にして地球連合は新型MS「GAT-Xシリーズ」とその運用母艦アークエンジェルを建造、オーブもまたその技術を盗用して「アストレイシリーズ」を秘密裏に開発していた。
ザフトのクルーゼ隊もこれを察知、強奪作戦を実行し、いろいろあった末にコロニー自体がバラバラに崩壊するという幕切れを迎えた。

「ヘリオポリス」とは古代エジプトに存在した都市のギリシャ語名。現エジプトの首都カイロ近郊辺りに相当する。意味は「太陽の町」。
日本的な命名が目立つオーブにしては珍しいネーミングだがオーブのシンボルである太陽に因んだ命名とも言える。

因みに、初代ガンダムの第1話の舞台であるサイド7もL3に設置されている。


  • アメノミハシラ
オーブが保有する宇宙ステーション。本編には全く登場しないがASTRAYシリーズでは度々登場する重要な施設の一つ。
スペースコロニーを多数建造できる時代なので宇宙ステーションといっても現代の人間がイメージするような「狭苦しいパイプ状の小さな施設」なんて可愛らしいものではなく、
オノゴロ島に匹敵する大規模軍事工場や多数の人間が居住できる程の設備を有する、むしろルナツーやアクシズのような衛星基地に近い感覚の巨大施設。
元々は軌道エレベーターの頂点となる予定で、ウズミが首長に就任すると同時に建設され作中の時代では頂点部分としては完成していたが、大戦勃発の影響で軌道エレベーター計画は一時中断されている。
オーブの軍備増強のための宇宙軍事拠点としてサハク家が管理・運用している他、オーブ陥落後は地上の国民が流入して来ており、最終的にはオーブですらない「フリー」な立場になる。

「アメノミハシラ(天の御柱)」とは、イザナギイザナミが地上最初の島「オノゴロ島」に立てた大きな柱の名前。


  • オーブ本島(ヤラファス島)
オーブ首都オロファトと他4都市が存在する島。大きさは台湾、もしくは首都圏一帯に静岡と長野を合わせたのとほぼ同等
オーブの電力生産を担う地熱発電所が置かれているハウメア火山と比較的小さな2つの火山、首長や代表氏族らが会議を開く「行政府」などがある。
行政府は地上のみならず地下深くにも軍施設などが設置されている。

誤解されがちだがモルゲンレーテ本社が設置されていたりオーブ解放作戦やオペレーション・フューリーの主戦場となったのはこの島ではない
公式も時々混同している事がある。


  • オノゴロ島
本島の南にある島。本島と比べてかなり小さく(それでも比率的に房総半島の半分くらいはある)、火山らしきものも1つ確認できる。
上記の通り、劇中で特に目立っているだけでオノゴロはオーブ本島ではない。
キサカが「軍とモルゲンレーテの島」と称する通り、オーブ軍司令部(国防総省)や大きな軍港、後述のモルゲンレーテ本社や工廠などが置かれるなど、オーブの軍事部門の中枢と言える島なだけあって厳重な警備が敷かれており、
重要施設の多くが衛星からも確認不可能な地下に秘匿されているなど外部の者の侵入や偵察は容易ではない。
軍関係施設だけでなく市街地も存在し、ヘリオポリスがそうだったようにオノゴロ市街もまた潜入したザラ隊の面々が呆れるほど「平和そのもの」という風景が広がっていた。
また、シン・アスカの一家もこの島で暮らしていたものと思われる。
重要度の高さから第1次大戦の「オーブ解放作戦」では激戦地となり多大な被害が発生した。
劇中には直接登場しないが、敵の上陸地点として「イザナギ海岸」なる地名が『SEED』『SEED DESTINY』通して言及されている。

「オノゴロ島」とは、イザナギイザナミが巨大な矛「天沼矛」で海上を漂っていた陸地をかき混ぜ引き上げた後、矛から滴った潮によって形成された「最初に生まれた島」の名前。
なお作中では「オノゴロとう」と呼ばれるが日本神話の方の読み方は「オノゴロじま」である。


  • モルゲンレーテ本社
オノゴロ島に設置されている。
オーブの半国営企業モルゲンレーテ社の本社社屋で、十字状の地上の社屋と地下工場や地下ドック、ガスタンク、港、空港などで構成されている広大な施設。
ある意味軍事施設以上にオーブの軍機の塊なためかイザーク曰く「軍港より警戒が厳しい」
モルゲンレーテはオーブの非常に高い工業力を支える大企業であり、GAT-Xシリーズとその武装、アークエンジェル、アストレイシリーズ……と、優秀な兵器を多数開発・製造している。
ミラージュコロイドとPS装甲はブラックボックス化していたためヘリオポリスでは再現不可能だったが、後に機体自体を解析した事でそれらの技術も身に着けている。
第1次大戦でも自らで利用すべく地球連合が接収を狙っていたが、それを防ぐべくウズミらが自爆させた事で主要な施設は全て崩壊した。

その2年後にはほぼ完璧に元通りに再建され再び元気にオーブの開発・生産を担っていた他、マリューやマードックらが偽名で働いていた。
アークエンジェルにミネルバと、異なる主人公艦を二度に渡って修理したという稀有な実績も持っている。

「モルゲンレーテ(Morgenröte)」とはドイツ語で「日の出」「朝焼け」の意味。


  • 国防総省
オノゴロ島に設置されている。
巨大な球体状レドームが設置されている施設。
その名の通りオーブ軍の中枢で、有事にはここが総司令部として機能する。


  • 戦没者慰霊碑
オノゴロ島に設置されている。
キラとシンが初めて出会い、そして『SEED DESTINY』ラストの舞台となった地。
オーブ解放作戦の犠牲者を弔う為の石碑と花壇が設置され公園として綺麗に整備されているが、シンにはそれが「一見綺麗に見えるよう悲劇を上から塗り固め、過去に蓋をした」様にしか見えず、
ブレイク・ザ・ワールドの影響で潮を被り間も無く枯れてしまうだろう花を前に「誤魔化せないって事かも」「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす」と激しい怒りと共に皮肉った。

オペレーション・フューリーの余波により、石碑は無事に残っていたもののまたしても荒れ果ててしまったが、
献花に訪れたシンと再会したキラは「いくら吹き飛ばされても、僕等はまた花を植えるよ」とかつてのシンの言葉に返答し、一緒に平和な世界を作る為に戦う事を語った。

『SEED FREEDOM』では再整備され再び綺麗になっている。


  • カグヤ
オノゴロ島に程近いカグヤ島に設置されているマスドライバー施設。
長大なリニアカタパルトレールを持ち、これで宇宙船を初期加速させる事で大質量もしくは大量の物資を低コストで宇宙に上げる事ができる。
C.E.時代に於いても宇宙への玄関口であるマスドライバーは貴重な施設であり、オーブの中立を保たせ、その価値と危険性を同時に高める存在。
長大なカタパルトレールの他、格納庫やドックなどが併設されている。

モルゲンレーテ本社と同じく、地球連合の手に渡らせないよう自爆させた事で一度は完全に崩壊したが、『ECLIPSE』によると翌年中に再建された。
正確にはこの時に崩壊したマスドライバーレールは破損したまま『SEED DESTINY』時代でも残されているため別の場所に再建されたと考えられるが、
一方で『SEED FREEDOM』では後述の慰霊碑が傍にあることから「自爆したカグヤ」自体も後で再建されたようでもある。
となるとC.E.75年のオーブにはマスドライバーが2本以上存在する状態となっているのだろうか?

近くにはモルゲンレーテと一緒に自爆した当時の首長らの慰霊碑も置かれている。
この慰霊碑はTV放送当時は日本語で文字が刻まれていたがリマスター化に伴い英語に変更された。


  • アカツキ島
アスハ家が保有する島。マルキオ導師の孤児院や教会がある。位置はオーブ本島から少し離れてマーシャル諸島に属する。
トールが死亡し、互いにSEEDを発動させたキラとアスランが全力で殺し合い、その末にイージスを自爆させたのがこの島。
この戦闘でストライクに切り落とされ海岸に転がったイージスの頭は(ジャンク屋のロウが居合わせていたにも関わらず)誰にも回収も撤去もされず2年が経過した後……どころか更にもう1年経っても未だそのままにされている。
地下にはウズミが極秘裏に用意したMSアカツキや、1次大戦後に秘匿されていたアークエンジェルの為の秘密ドック、エリカ・シモンズの秘密研究室などが設置されている。
さながらアスハ家専用秘密基地といったところ。


  • アマノイワト
『SEED FREEDOM』に登場。
対災害用大型地下シェルター。
いつ頃作られたかは不明だが、南太平洋の小島にして価値の高過ぎる中立国という災禍も戦禍も激しく降り注ぐオーブには欠かせない施設。

「アマノイワト」とは、日本神話にて嵐神スサノオの乱暴振りに激怒した太陽神アマテラスが引きこもった洞窟の名前。
この「岩戸隠れ」により太陽が不在となった地上は様々な災厄に見舞われたため、対災害シェルターに名付けるには少々縁起が悪いというか皮肉気味なネーミングである



【関連人物】

本編登場人物

主要登場人物の一人。
当時のオーブ代表首長ウズミの娘だが、作中当初は半ば家出状態であり、ヘリオポリスに単独で潜り込んだりアフリカでゲリラ活動に参加したり……と奔放さを見せつつも世間や戦争の本質を学んで行く。
当初は理想が先行し現実が見えていない夢想家・シリーズのテーマである「思いと力」のどちらかに偏った未熟な為政者としての側面が強かったが、次第に逞しく成長する。

詳細は個別項目を参照。


  • ウズミ・ナラ・アスハ
『SEED』開始時点のオーブ代表首長。その絶大なカリスマ性と手腕から「オーブの獅子」の異名で世界的に知られる大物。
中立というオーブの理念を掲げつつも、連合に肩入れしつつその技術を掠め取るなど中立を維持する為には多少の清濁は併せ呑むという理想と現実の両方を適宜使い分けられる人物。
そのある意味では二枚舌三枚舌外交そのものというスタイルは、実直かつ理想と血気に逸りがちなカガリには理解できず当初は反発されていた。
ウズミもまた、カガリに「『黙って見ていられないから戦場に出る』程度の安っぽい正義感では戦争を止める事はできない」「戦争とは銃の撃ち合いだけではない。戦争を止めたければその根を学べ」と厳しくも優しく諭している。

アークエンジェルがオーブに入港した頃には首長を退き「元代表」となっているが、これは中立のオーブが連合に与してヘリオポリスでGAT-Xシリーズを開発していた大スキャンダルで引責辞任したため。
しかしその絶大なカリスマに因む影響力の高さは代表首長の座を弟ホムラに譲って尚も健在であり、当時のオーブは事実上の院政状態にあった。
パナマ基地陥落後は地球連合のモルゲンレーテとカグヤの接収を目的とした事実上の併合要求と、おそらくはその防衛の為のカーペンタリア基地からの協力の申し出の両方を断り単独での徹底抗戦の構えに出る。
結果としてオーブの防衛は完遂できなかったが、おそらくはその責任を全て自分に擦り付けるのと地球連合に利する事になるのを避ける目的で側近や他の首長らと共にモルゲンレーテ・カグヤ諸共自爆、アークエンジェルとクサナギに乗り込んだカガリや生き残った氏族らに後を託して死亡した。
ちなみに「パナマ基地陥落後の時期に代表首長に再就任した」と言われているが、オーブからの回答を読み上げているアズラエルからは「流石はアスハ代表、期待を裏切らない人ですねぇ」と言われている。

実はキラとカガリの出生の秘密を知る数少ない人物でもあるが、ヤマト夫妻同様にカガリにそれを明かすつもりは無く、当初はその秘密は墓まで持って行くつもりだった。
しかし最後はカガリを脱出させるべく、「父と別れても独りぼっちではない」とキラと姉弟(兄妹)関係である事と「カガリの父でいられて幸せだった」事を伝えている。

人によって評価が激しく分かれ、また放送当初とその後の再考察で評価が大幅に変わった人物の一人。
かつては作中のサハク姉弟やシンの様に「理念を守って国民を守らなかった理想主義者」「手前勝手な理想で国民を死なせ、その責任も取らない内に手前勝手に死んだ暗君」の様に評される事が多かったが、
放送後や続編を踏まえての再考察や現実社会の時流の変化等により作中の行動に理解を示す声も増えてきている。

また同時に放送当初と続編終了時で人物像も大きく変わっている。
当初は本編でも語られていた通り、オーブ(モルゲンレーテ)が連合と共にG兵器を開発していたのは、「オーブの一部の独断専行でウズミは本当に何も知らなかった」とされていたのだが、
『ASTRAY』の描写や後にGと同時期にアカツキをウズミ主導で建造していた事が判明した事、それらに関係する制作陣の情報開示により、
「G兵器の開発協力は本当にサハク家が勝手に進めていた事だが、ウズミは後で知りつつも黙認していた」「事が明るみに出た際は何も知らなかった事にして自分だけを切り捨てつつも実力だけは確保していた」「アカツキの封印解除と同時に流れたあの遺言めいたメッセージは『SEED』の初めの方に録音したもの」という事になり、
当初は「質実剛健にして謹厳実直な猛者」ようなイメージで語られがちだったのが実際には「二枚舌上等、権謀術数上等、国を守るためなら多少汚かろうが何でもやる強かな男」というイメージに近い元首となった。
上記の通り、実際には『SEED』の頃から清濁併吞の姿勢は見せてはいたが。


  • ホムラ
ウズミの弟、カガリの叔父に当たる人物。
ウズミがGAT-Xシリーズの極秘開発の件で辞任したため代表に就任したが、影響力が大き過ぎて半分飾り状態だったため代表としての手腕の程は不明。
『SEED DESTINY』には登場していない。


  • ティリング
アークエンジェルがオーブ領海に侵入してしまった際に出動したオーブ艦隊の司令官。
人となりが窺える場面は無いが、オノゴロに入港しようとするアークエンジェルとザフトに堂々と警告を行いつつ、アークエンジェルに攻撃したフリをさせるなど熟練の軍人らしい落ち着きが見て取れる。


  • レドニル・キサカ
カガリのお目付け役。事実上の補佐・側近的な立ち位置。
カガリがアフリカでゲリラ活動していた時期はどう見てもランボーそのものという恰好でカガリをサポートしていたが、その当初からカガリの正体の伏線的な発言をいくつか残している。
その正体はオーブ陸軍特殊空挺部隊一佐であり、カガリの護衛や補佐などを行いつつ度々諜報活動も行っている。
小説版ではオーブ解放作戦発動までの間に地球軍に潜り込んで後期GAT-Xシリーズについて調べて来たり、『SEED DESTINY』でも東アジア共和国軍に潜入して脱走しシンに撃墜されたアスランとメイリンを回収したり*9といった活躍を見せている。
『SEED FREEDOM』でもラクス奪還作戦に参加、キラ達を援護している。


  • エリカ・シモンズ
モルゲンレーテのエンジニアにしてアストレイシリーズの設計主任。
実はコーディネイターなのだが、夫以外には自身の素性を周囲には隠している身。というのも幼少期の頃はナチュラルの社会にいて、その中で「エリカは産まれたときからズルしている」と謂れのない悪口を叩かれ、自身をコーディネイターとして産んだ両親からも内心「能力」しか見ていないことを見抜いていたのもあり、トラウマとなっていたため。そのせいかコーディネイターに対して同族意識はほぼないと言っていい。両親のオーブ移住の提案がなければそれこそブルーコスモスになってもおかしくなかった
小説版『ASTRAY』ではナチュラルとして生きるためトロくタイピングしたり、ナチュラルの同僚の前でついコーディネイター故の高い能力による高速タイピングをしてしまい、戯れにデタラメな入力をしたように装ってごまかした事もあるなど苦労している様子も語られている。
「ナチュラルもコーディネイターも等しく受け入れる国、オーブ」の、ある意味では限界と現実を示す人物であり、結局生物学的にはどこまでいっても「ヒト」「ホモ・サピエンス」でしかないことを示す人物でもある。
リョウタという息子もいる*10。彼女曰く「約束は滅多に(・・・)破らない」らしい。

M1の開発を行いつつも自力ではアストレイのナチュラル用OSを開発できず、キラにOS改良を要請した。
総集編であるTV放送版第27話ではナレーションを務め、MSという兵器を開発・運用するにはコーディネイターの力が不可欠である事、そしてキラがSEEDを持つ者である可能性をレポートに纏めている場面も。
オーブ陥落後もクサナギに同乗、宇宙に上がった後もアストレイ隊をサポートした。
後続作品にも登場しているが『SEED DESTINY』ではアカツキを、『SEED FREEDOM』ではストフリ、デスティニー、インパルスの三機をと、視聴者からはヤバいMSをヤバいところから掘り出して来るヤバい人の様に見られがち。

オーブの技術者という点からASTRAYシリーズでも出番が多くサハク姉弟とも繋がりがあったが、彼らからカガリの暗殺を命じられるも拒否、サハク家とは決別している。


  • アサギ・コードウェル
  • マユラ・ラバッツ
  • ジュリ・ウー・ニェン
総じて通称アストレイ三人娘
M1アストレイテストパイロットを務めていた若い女性三人組。
正に女三人寄れば何とやら、出て来る度にきゃいきゃいしている全体的に陰鬱な『SEED』という物語の清涼剤的存在。

詳細は個別項目を参照。


  • マーナ
カガリの侍女。
その名の通り「まぁー! まぁー! まぁー!」が口癖(?)
アークエンジェルに乗り込み嫌がるカガリを無理矢理脱がしてドレスを着せる、全体的に声が大きめというバイタリティに溢れるオバハンである。
『SEED DESTINY』にも登場し、カガリに託された手紙をキラに渡していた。



『SEED』主人公とその友人たち。
忘れられがちだが彼らを始めとするヘリオポリスの住民は大体がオーブ国民である。
(例外は大西洋連邦からの留学生であるフレイなど)

詳細は個別項目を参照。


  • カリダ・ヤマト
キラの母。オーブの一般市民。小説版によると無宗教。
当初はヘリオポリス(本編以前はコペルニクス)に住んでいたが、コロニー崩壊に伴い本国に移住した。
カリダはアスランの母、レノア・ザラや幼少期のアスランとも親交があり、アスランの事も可愛がっていた様子。
するとオーブという国の姿勢もあるとはいえナチュラルとコーディネイターの対立の激しかった時代でコーディネイターに偏見が全く無いどころかあちらからも好かれていた事になる。

実はキラの実の親ではなく、キラ(とカガリ)の実母ヴィアの妹でありキラ・カガリにとっては『叔母』にあたる人物*11
ウズミ同様にキラとカガリの秘密を知る数少ない人物であると同時にそれを終生秘密にするつもりでいた。
しかし何の運命のいたずらか本人達が巡り合ってしまった挙句に秘密を知ってしまったものの、キラもヤマト夫妻も今までと変わらず「親子」でいる事を選んだ。
『SEED DESTINY』でもキラ達と共に孤児達の面倒を見ていた他、ラクス暗殺未遂を経て再び戦場に戻る決意をしたキラを「あなたの家で待つ」と見送った。

クルーゼも驚く程にキラが「何の陰も無い普通の子」に育ったのはヤマト夫妻がそのように育てたからであり、つまりガンダム主人公の親にありがちな育児放棄や家庭内不和の類がヤマト夫妻には一切無かった事を示している。
実の親ではなかったとはいえ、毒親の見本市状態のガンダム主人公の親の中では最高クラス……を通り越して、夫と共に例外に近い聖人というのが視聴者からの認識である。*12
というか最高の操舵手ランキングのノイマンよろしく「ガンダム主人公の良い親」の話題での扱いは最早殿堂入りに近い。他の親に関しては原点の人の項目で。
キラへの対応の他にも上記の通り幼少期のアスランの面倒を見たり、キラが連れてきたこれまた複雑な立場であるラクスを受け入れた上に花嫁修業に付き合ったりと非常に面倒見のいい人たちである。
なお、アスランは何故かカリダの写真を持っているため、初恋はカリダという説がある*13


  • ハルマ・ヤマト
キラの(義)父。
カリダ同様、当初はキラらの秘密を明かすつもりは無かった。
カリダと比べて出番が少なく『SEED DESTINY』には登場しないなど比較的地味だが、「自分らが動揺しては子供達にも伝わる」と秘密を知るからこそ堂々とする必要を説いたり、
敢えて対面しない事を選択したキラに無言のまま応援と無事を祈るような視線を送るなど、こちらもガンダム主人公の親に似合わない出来た人である。
そもそもカリダとは違い本当にキラと血の繋がりがない事を思えば、キラの父親になる事を受け入れたのは並大抵の覚悟ではない。

『SEED FREEDOM』には久々に登場、カリダと共に慰霊碑の前に居た。


  • マルキオ導師
オーブ国民かは不明だが、オーブに伝道所を構え孤児と共に暮らしている盲目の男性。ナチュラル。
元々は何らかの宗教家だったが、ジョージ・グレンが持ち帰った宇宙クジラの化石を前に紛糾する宗教界に失望、現在は宗教界から離れナチュラルもコーディネイターも関係ない融和を訴える独自の活動に動いている。
そのためナチュラル・コーディネイター・連合・プラント(ザフト)・ジャンク屋組合問わず顔が効き、その何れからも一定の人気と信頼を得ているという何気に凄まじい人物。
それもあってジャンク屋組合の権利獲得に尽力する、事実上の地球連合の使者として「オルバーニの譲歩案」を託されプラントに提出しに行く、シーゲルのNジャマーキャンセラーの極秘リークに関わるなど、本編内外で度々大事件に関わっている。

『SEED DESTINY』でも孤児達やキラ・ラクスらと共に暮らしていたが、ブレイク・ザ・ワールドの被害で教会が流されてしまったためカガリの別荘に移り、後にキラ達の出航を見送った。


  • アークエンジェルクルー
地球連合軍が保有する大規模戦略兵器サイクロプスを使用する際の「捨て艦」にされて以降はオーブに身を寄せる。
艦長マリュー・ラミアス、エースパイロットムウ・ラ・フラガ、操舵手アーノルド・ノイマンはナチュラル屈指の有能人材であり、これだけの人材流出を招いた地球連合軍上層部は(結果論だが)「無能」と視聴者になじられている。


『SEED DESTINY』主人公。元オーブ国民。
元々は「普通の一般家庭」で生まれ育った「普通のオーブ国民」だったが、オーブ解放作戦にて戦火から避難中に流れ弾が家族に命中、只一人生き残った彼は天涯孤独の身となってしまう。
その後は偶然その場に居合わせたトダカ一尉(当時)が面倒を見、その勧めでプラントに渡った。
家族が国の思想の犠牲になったという経験からオーブとその指導者だったアスハ家を激しく憎んでいるという、「中立としてのオーブ」の負の側面を象徴する人物として鮮烈に登場したキャラクター。

詳細は個別項目を参照。


『SEED DESTINY』にて登場。
第1次大戦後のオーブを主導する新五大氏族の一つ、セイラン家の次期当主。
いかにも嫌味な優男という人物だが、その一方で理想主義的なカガリに対して現実的な思想を持ち合わせる。
しかし実の所は現実主義というよりは現状追認主義に近く、心から国民の事を考えて現実を見据えているというよりも日和見的な事なかれ主義の延長と呼ぶ方が合っている。
情勢が難しくなるにつれ、政治力の低さと「単に正論っぽい事を言っているだけのモラハラ男」という本性が明らかになって行く。

セイラン家を含む詳細は個別項目を参照。


  • ウナト・エマ・セイラン
『SEED DESTINY』にて登場。
セイラン家当主にして、C.E.73年時点のオーブの宰相。禿げた頭部とオレンジのサングラスが特徴的。
大西洋連邦寄りの思想を持ち、ブレイク・ザ・ワールドによる反コーディネイターの機運の高まりに乗じて地球連合との同盟締結を進めようとする。
大西洋連邦の乱暴振りとブレイク・ザ・ワールド直後の情勢下ではある意味現実的な判断ではあり、ジブリールが敵と見做せば民間人でも平気で虐殺を命じるイカレ野郎である事を知っていたなら仕方ない面も全くないとは言えないのだが、地球連合が劣勢となり反ロゴス、反ジブリールの機運が高まっている中でもジブリールを匿うという最悪な選択を行う。
彼の言う「宣戦布告と同時に核をブッ放すような連中を敵に回すのは危険」「被災者に手を差し伸べす世論にも乗らず、プラントに寄ろうとすればそんな危険な連中から敵と見做されかねない」「国に二度目の戦火を持ち込む事だけは避けねばならない」という主張は尤もではあるのだが、
その真意は国の為を思ってというより「ジブリールと親交があるから対立したくはない」「物量的に勝てそうな地球連合に着いておきたい=勝ち馬に乗りたい」という理由が主で、その本質は国民よりも自分の安寧が大事な奸臣である。
小説版では、その理由をジブリールの危険性を知ってというよりジブリールとは別に親しくはないのだが、地球連合が勝ってくれないと大西洋連邦寄りの自分が失脚する事は間違いないからを理由としており余計に悪化している。
結局あれほど嫌がる風に言っていた「国を再び焼く」事態を個人的な理由で招き寄せておきながら保身だけは図るなど、およそ優れた指導者とは言い難い。

オペレーション・フューリーでも軍の指揮も国民への指示もせずに真っ先にシェルターに逃げ込み、機を見てジブリールと共に宇宙へ逃げる腹積もりだったが、突っ込んで来たジオグーンによるシェルター崩壊で死亡した。
ユウナ共々、口では尤もらしい事を言いつつも、実際は自己保身と私利私欲しか考えていない現実主義者の皮を被った日和見主義者だった事が浮き彫りとなった最期と言えよう。


  • タツキ・マシマ
『SEED DESTINY』にて登場。
セイラン親子と共にカガリに同盟締結に向けて説得していた首長の一人。言動からしておそらくセイラン派。
ウナトらと同じく、尤もではある理由でオーブの同盟締結を勧める。

オペレーション・フューリーにて、迫り来るザフト部隊を前にしてオーブ軍の指揮を執るでもなく速攻でシェルターに逃げ込んでいた所をウナトと同時に死亡。

ウミトの言っていた凡庸な当主は彼だと思われる。


『SEED DESTINY』にて登場。
オーブ軍人の一人。『DESTINY』第1話でシンを助け、一時期世話をした軍人。
義を重んじる人物にしてセイラン家を良く思わないアスハ派であり、度々命令を無視する形でミネルバやアークエンジェルを間接的に補助していた。

詳細は個別項目を参照。


  • アマギ一尉
『SEED DESTINY』にて登場。
トダカの副官。
こちらもアスハ派であり、信念を捨て仁義もへったくれも無いセイラン家のやり方には嫌悪感を示している。
最終的にユウナの思想への決別を示したトダカに共感し自らも彼と運命を共にしようとするが、トダカの最後の命令を受け同志と共に脱出、アークエンジェルに渡る。
以降はアークエンジェル副長としてカガリを支え、最終決戦を前にアークエンジェルがオーブ軍に正式に編入されて以降はクサナギに乗艦、大戦を戦い抜く。

『SEED FREEDOM』でも登場、オーブを脅かしたファウンデーションに応報すべくクサナギ艦長として宇宙艦隊を率いて戦いに臨んだ。
階級章を見るに階級は未だ一尉のままの様子。一尉(大尉)の艦長というのも中々凄まじい。


  • 馬場一尉(ババ一尉)
『SEED DESTINY』にて登場。
タケミカヅチ所属のムラサメ隊のパイロットの一人。
セイラン家の支配を良く思わないトダカやアマギを始めとしたアークエンジェル移乗組とは異なり、「何であれ指導者に従うのが軍人の仕事」という矜持と信念を持ち(本心ではユウナを良く思っていない事は示唆されている)、
ユウナが指揮するオーブ軍に殉じることを決意、戦闘を止めようとするカガリを振り切り部下を率いてミネルバに特攻を仕掛け副砲イゾルデを破壊し大ダメージを与えるのと引き換えに戦死した。

TV放送当時は「軍人でありながら上官の命令より自分の気持ちを優先したトダカ」と比較され必要以上に持ち上げられた人物だが、
「現指導者と国家に忠誠を捧げた責務に忠実な軍人」と「誤った指導者の誤った命令による不必要な犠牲をこれ以上出したくない軍務に誠実な軍人」の違いとして見ればどちらが恥ずべきという単純な話ではない。
戦功欲しさに部下に無理を強いる無能に付いて行けなくなり遂に見限ったトダカの行為は「戦場における士官の死因の二割が部下によって殺されたものらしいですよ」と似たようなものである。

何故か名前の表記が安定しない人物で、スタッフロールでは「馬場」な一方ゲーム作品では「ババ」だったりもする。
主人公のキラを始め日系のネーミングのキャラも一人二人ではない本作で一人だけ漢字表記の理由は不明。
一説には「『ババ』は関西の方言で『糞』の意味なのでカタカナ表記では印象が悪いと判断したのではないか」とも囁かれるがあくまで想像の域を出ていない。


  • イケヤ
  • ゴウ
  • ニシザワ
『SEED DESTINY』にて登場。
タケミカヅチ所属のムラサメ隊のパイロット三人組。全員階級は一尉。
色黒で茶髪を七三分けにしているリーダー格がイケヤ、癖毛の赤毛をしているのがゴウ、金髪でサングラスを掛けているのがニシザワ。
トダカの遺志を継ぎアマギらと共にアークエンジェルに渡りカガリを支援する事を決意した元タケミカヅチ所属パイロット達の中でも一際腕が立つエースパイロット達。
デストロイによるベルリン襲撃時には黙って見ていられず出撃し、カオスを相手取った末に連携攻撃で撃墜してみせた。多対一かつカオスが地球では宇宙ほど本領を発揮できない機体とはいえ量産機で強化人間が乗ったガンダムを落とした事があるという何気に凄い経歴の持ち主達である。
オペレーション・フューリーや最終決戦にも参加し、いずれも生き延びている。

『SEED FREEDOM』でも登場、今回はパイロットとしてではなく歩兵としてラクス奪還作戦に加わった。


  • ソガ一佐
『SEED DESTINY』にて登場。
オペレーション・フューリーの時に国防本部に居たオーブ軍人の一人。
ジブリールの身柄引き渡し要求にスットボケた回答をした上に軍にも民間にも何の指示も出ていないことに「セイランは何を……」と毒づいたり、
「ジブリールは居ないと言っているのに」と発表を無視して攻撃開始されたことに苛立つユウナに「嘘だと知ってるからですよ!」「政府は何故あんな馬鹿げた回答をしたのです!?」と激しく憤りながら詰め寄り、
果てはカガリからのユウナ逮捕の命令を迷わず実行しユウナの顔面に左ストレートをブチ込んで文字通り殴り飛ばすなど、内心はどうあれ一応はユウナの顔を立てていたトダカや馬場とは異なり、ユウナの失策と無様な言動に対する不快感を全く隠さなかった。
ある意味では地位の割にかなり実直なタイプの軍人だったと言えよう。もしトダカの代わりにタケミカヅチに乗っていたらユウナはクレタで死んでいたかも

その後もアマギらと共に宇宙に上がり、クサナギ艦長としてメサイア攻防戦を戦い抜いた。


  • トーヤ・マシマ
『SEED FREEDOM』にて登場。
カガリの秘書を務める14歳の少年。カガリの事は「カガリ姉様」と呼んでいる。
幼いながらも賢く、次期首長として勉強中の身。
C.E.73年時の首長の一人にしてオペレーション・フューリーで死亡したタツキ・マシマと同姓なため、明言はされていないがマシマ家の跡取りの可能性がある。


ASTRAY関連人物

  • サハク姉弟
オーブの暗部と軍事部門を担って来た五大氏族の一つ、サハク家の跡取りの双子。弟がロンド・ギナ・サハク、姉がロンド・ミナ・サハク。性別は異なるがどちらも見た目は瓜二つである。
サハク家は中立かつ比較的穏健派のアスハ家や代表のウズミとは対立しており、サハク姉弟の目的もウズミとは真逆の「世界支配」。
オーブの技術力と工業力もそれを実現する武器として見ており、地球連合の「G兵器」開発計画を独断で承認、ヘリオポリスで建造させると共にその技術を盗用しオーブの力とすべくアストレイシリーズを極秘裏に開発していた。
当時のブルーコスモス盟主アズラエルとも繋がりがあり、第三次ビクトリア攻防戦に参加するのと引き換えにオーブ不可侵の約束を取り決めていたが、アズラエルはそれを反故にして侵攻を行う。
2人はウズミを「信念を優先して国民を守らなかった理想主義者」の様に批判していたが、ヘリオポリス崩壊やオーブ侵攻を(間接的に)招いたのはほぼ個人的な野望で地球連合に接触し続けたサハク姉弟の方と言える。

ASTRAYの主人公格であるロウや劾とは当初敵対関係にあり、ギナは後に劾に倒されるもミナがその後を継ぐ。
しかしミナはロウとの出会いを経て考えを改め『SEED DESTINY』の時代では善玉化しており、時期は不明だがウズミの後継であるカガリへの姿勢も軟化している。

詳細はミナの個別項目を参照。


  • ユン・セファン
元モルゲンレーテ本社社員にしてエリカ・シモンズの部下だった人物。一言で表すなら「どいつもこいつもガンギまったコズミック・イラ世界に似合わないどんくさい女性」。
オーブ解放作戦にて自爆・放棄されたモルゲンレーテ本社からの退避に手間取っている内に遅刻し、クサナギと一緒に宇宙に上がるはずが本土に取り残されてしまった
その後焼け野原状態のオーブを前に途方に暮れていた所をジャンク屋のコバヤシマルに拾われ、そのままジャンク屋に移籍する。

度を越したとんでもないドジっ子だが技術者としての腕だけは確かで、アウトフレームのバックホームに風呂を追加した他、民間用MSレイスタの開発者でもある。
適当にサイドテールに結ったボサボサ髪にそばかすの目立つ顔と見た目もいかにもぼんやりとして野暮ったいイケてない感じの女性だが、この手のキャラの御多分に漏れず本気でメイクアップしたら飛び切りの美女に変身する。


地球連合に協力することとなったオーブが貸し与えたパイロットたち。文字通りマーシャンを倒すために組織された。
全員が下級氏族だが腕利きのパイロットであり、野心を持って連合のファントムペインに協力する。
…が、実際の彼らの役割はストライカーパックの運送要員くらいにしか見られていなかった。

結果的に緒戦で2人が死亡、残った3人もファントムペインに身を寄せると堕ちるところまで堕ちてしまうものの、最終的に生き残った者達は自分なりの道を見つけて生き続けることを選んだ。
詳細は項目を参照。


ECLIPSE関連人物

  • キオウ家
ミヤビ・オト・キオウとその父、ウミト・ミツ・キオウが所属する氏族。
外交面を担当する氏族で、「オーブ外務省外郭団体国際協力機構管轄組織国際災害救助隊」{略してODR(オーダー)}もこの家の管轄。
本来は「文化面」を担当する氏族で、それゆえに政治・軍事・経済とは違う第4のルートと言える情報網を持っている。
それを生かして無茶振りをすることもあるが、「ウェアハウス」と通称される「なかったこと」情報のオンパレードといえる爆弾も抱えている。

先代の当主はウミトの義弟だが、当時五大氏族入りしていたのもあり、ウズミと共に心中したため、ウミトが現在当主になる。
そのウミトも本来なら彼こそが義弟の代わりに当主にならなければならないが、拒否したため、義弟から見放されてしまった。
ウミトはこんなノリの軽くチャランポランとしか言えない人物だが、「真のエクリプス計画」の内容と細かいアフターフォローを見ると「オーブの怪人」と称されるにふさわしい食えない人物である。

  • スセ家
ケン・ノーランド・スセが所属する氏族。ただしケンは当主の目的のために敢えて養子になった身の上であり、実質的に部外者扱いされている*14
家の出世以外考えていないため軽く見られているが、一応大氏族入りもした経歴もあるため侮れない…かもしれない。

ケンを利用し、キオウ家のウェアハウスを狙っていたが、アンティ・ファクティスと通じていたケンにエクリプス2号機強奪のために氏族であることを最大限利用されてしまい、落とし前も兼ねてウミトからむこう100年分表に立てないくらい政治生命を絶たせることになる。

その他、名前だけだが、トキノ家も氏族であることが判明している。



【歴史】

本編以前

オーブの成立時期は再構築戦争が終結したC.E.9年、大西洋連邦を始めとしたコズミック・イラ世界の国家群の誕生とほぼ同時期となる。
本編第1話の舞台となるヘリオポリスや、後にストーリーに大きく関わって来るカグヤはC.E.30年に建造が開始した。
C.E.50年代にはウズミが代表首長に就任し、それと同時に宇宙ステーション「アメノミハシラ」の建設も開始されている。*15

「コペルニクスの悲劇」に「未開理事会」と大事件が続き、理事国とプラントの関係修復は難しいどころか今や開戦秒読みという段階となったC.E.70年2月8日、
ウズミは「今後いかなる事態が起ころうとも、オーブは独立、中立を貫く」と、改めての中立宣言(「アスハ代表の中立宣言」)を行う。

それにもかかわらず、劇中のウズミ談「大西洋連邦の圧力に屈した一部の閣僚の独断と、モルゲンレーテの癒着」によりC.E.70年7月にはコロニー・ヘリオポリス内のモルゲンレーテの工場にて、
極秘でGAT-Xシリーズとアークエンジェル(そして更に密かにプロトアストレイシリーズ)の開発・建造が開始、翌年1月に完成し、これが後のオーブに大きな影響を齎す事になる。

C.E.70年4月の「エイプリル・フール・クライシス」により地球各国は深刻なエネルギー危機に見舞われたが、原子力発電ではなく地熱発電に頼るオーブはエネルギー事情の影響は受けなかった。


C.E.71年(『SEED』)

上記のXナンバー開発に伴う地球連合との癒着、延いてはオーブの中立違反はクルーゼ隊のG兵器強奪事件により明るみに出る。
これにより当時のウズミ代表は「自身の与り知らぬヘリオポリスの独断とはいえ事実は事実」と引責辞任するも、ウズミの強大なカリスマ性のお陰で院政同然の状況だった。
このことはカガリも指摘しており、「これでは引責辞任と言っても何も変わっていないのと同じではないか」と非難している。

中立国というだけあって以降しばらくストーリーには関わらないが、中盤頃に再びオーブが物語の舞台となる。
オーブ近海でアークエンジェルとアスラン率いるザラ隊が戦闘になった際、オーブは領海内に「墜落」したアークエンジェルを秘密裏に匿う。
二度目の中立違反になりかねないこの非常にリスキーな行為の真意はアークエンジェルに同乗していたウズミの娘カガリを救うため……ではなく「ストライクの戦闘データと、エンジニアとしてのキラの協力を得るため」
早い話が「大問題になる危険を承知で一時保護と修理と補給を許してやるから、代わりにお前らの最新鋭兵器のデータと技術の一部を寄越せ」という訳である(一応断っておくと、ウズミも「とんだ茶番」「人命だけ救ってアークエンジェルとストライクは海に沈めてやるべきではないかと相当迷った」と語っており、嬉々として受け入れたのではない)。
アークエンジェル側もこれには判断に迷うが結局受諾、2週間余りの滞在中にアークエンジェルとストライクの大規模整備と並行してキラによるM1の改良が行われ、量産機の製造は順調ながら制御OSが未完成で動く的同然だったオーブ初の主力MS、M1アストレイはこの時点でようやく実用可能レベルに達する。

アークエンジェルの出航後まもなくストライクはイージスとの戦闘でオーブ領内の小島(アカツキ島)にて大破、アークエンジェルから「人命救助」を依頼されたオーブ(というかカガリ)はストライクの機体内から消えていたキラの代わりにアスランと、ついでに擱座していたストライクを回収した。
この際、予備パーツを製作する為にストライクを解析しており、ブラックボックス化していたためプロトアストレイ建造時は盗用に失敗していたPS装甲の技術のコピーにも成功した
『ASTRAY』によるとこの少し前にストライクに切り落とされたブリッツの右腕も回収・解析しミラージュコロイドの技術まで習得している

地上本部のアラスカ基地を自爆させた上に最後のマスドライバーだったパナマ基地を失った地球連合は、プラントに対抗するプロパガンダ作戦「ワン・アースアピール」を実施、オーブを含む地上の中立各国に恫喝めいた地球連合加入要求を行う。
スカンジナビア王国や赤道連合といった他の中立国は程なくして折れ、「ワン・アースアピール」から2週間弱が経過した6月中旬にはオーブはそんな中で残った最後の中立国になっていた。
地球連合からすれば主力量産MSも完成したことで遂にプラント本国への総攻撃の準備……それ以前にこのまま地上からの補給が途絶えたままにしていたら早晩干上がってしまう月面のプトレマイオス基地の維持の為に一刻も早くマスドライバーを手に入れなければならず、その点「地球の小国」であるオーブは言ってしまえば「非常に丁度良い相手」だったと言える。
連合はザフトに占領されたビクトリア基地の奪還作戦と並行してオーブのマスドライバーの徴用を繰り返し要求するが、ウズミは断固拒否する。
ちなみに当時実質的に地球軍を牛耳っていたブルーコスモス盟主アズラエルと、それと裏で繋がっていたサハク家は本編の裏でサハクがビクトリア奪還作戦に参加する代わりにオーブの方は見逃す約束を結んでいたのだが、
モルゲンレーテの技術力に目を付けていたアズラエルはそれを反故にする形でオーブ侵攻を(おそらくは独断で)決定、地球軍第4艦隊とストライクダガー部隊、新兵器「後期GAT-Xシリーズ」を引き連れオーブ政府に事実上の無条件降伏を突き付ける。

「同じ地球の国家でありながら連合に参加せず自国の安寧のみを求めるオーブは、このままならばザフト支援国と見做す」「48時間以内の『アスハ代表退陣』『議会解散』『武装解除』が行われなければ軍事侵攻を行う」というムチャクチャな通告にウズミは「どういう茶番だそれは!?」と激怒、オーブはこの要求を拒否し話し合いによる解決を求め続けるがそれも無駄だと分かると遂に徹底抗戦の構えに出る。
「地球連合がオーブに無茶苦茶な要求を突き付けて来た」事はザフトにも伝わり、オーブに程近いザフト軍カーペンタリア基地(オーストラリア北部)も協力を打診するが、ウズミは「降伏にせよザフトの協力受諾にせよ、どう転んでもオーブはナチュラルかコーディネイターの殲滅作戦の尖兵に成り果てる」という判断から中立維持を決定、地球軍艦隊へ会談申し込みを続けつつも市民の避難とオーブ軍の展開を行う。
結局地球軍は話し合いには応じず、当初の降伏勧告の回答期限の48時間後に要求拒否を理由に「オーブ解放作戦」を発動、後期GAT-Xシリーズ3機と大量のストライクダガー部隊を投入し武力侵攻を開始する。
オーブも軍を展開、更にJOSH-Aで捨て駒にされた事で地球軍を脱走して以降再び保護されていたアークエンジェルと、それに加わったフリーダム、バスター、更に本来フリーダムの奪還任務を帯びていたジャスティスもオーブ軍に加勢、その奮戦により最初の一日目は凌ぎ切るも、翌日の侵攻は防ぎ切れず昼過ぎにはオノゴロ島放棄を決定、それから程なくしてオーブは陥落した。
しかしその直前にウズミはアークエンジェルとクサナギを宇宙に脱出させ、それを見届けてから他の首長達と共にモルゲンレーテとマスドライバーを地球連合の手に渡る前に自爆させ破壊した。
これは敗北してなお地球連合を利する事なく、そしておそらくは尚且つ敗北の責任を全て「勝手に徹底抗戦を主張した自分」に押し付けた上に、敢えて指導者層を壊滅させ国内に混乱を生む事でオーブにこれ以上の戦火を及ぼさないための策、
簡単に言えばオーブ国民への危険と、戦争責任と、これ以上オーブがこの戦争に巻き込まれる要因を、全て纏めてあの世に持ち逃げしたと考えられる。

先述の通り降伏もザフトの協力受諾もせず、オーブ単独による徹底抗戦という選択は長年非難の対象にされがちだったが、時代を経るごとに異なる意見も増えて来ている。
最初から連合に降伏し占領を許してしまえば、中立ではなくなった事でザフトはオーブに堂々と攻撃できるようになり、後でパナマの様にザフトのグングニールのEMP攻撃を市街地の近くで食らう可能性も十分に考えられる。そうなればどの道市民には計り知れない被害が発生してしまう。
当時のザフトがそこまでするかと言えば、ザフトも死に物狂いである以上絶対にしないとは言い切れないし、まして当時の国防委員長は遂に穏健派を実力で排除し始めた超タカ派のパトリック・ザラである。相手は民間人の多く住む地域なので穏当な手段をとってくれるなどという保証は無い。
しかもブルーコスモスの影響力が非常に強くコーディネイターヘイト思想に染まっていた当時の大西洋連邦に占領された場合、オーブで生活する多数のコーディネイターはどうなるのかという問題もある。
地球軍とてヒマではないので占領後即全員纏めて収容所送りだとか家々を巡って順に射殺……などという事は流石にすまいが、コーディネイター市民を弾圧に掛かるのはほぼ間違いないだろう。
そしてその後はオーブ軍は「地球の仲間として一緒に」プラントと戦うべく戦場に駆り出される事は確実であり、素直に降伏したらオーブ国民の流血を避けられていた筈、というのもまた理想論である。

ザフトの協力を受諾すれば、地球軍としては難癖付けるまでもなく、いよいよ名実共にプラント支援国となったオーブには何も気兼ねもせず戦力を投入できるようになるので、結局オーブが侵攻される事態は避けられない。
そもそもオーブ侵攻の目的はモルゲンレーテとカグヤの接収なので、ザフトが居ようが居まいがが侵攻そのものは防げなかっただろう。
しかもこの時期のザフト地上軍はオペレーション・スピットブレイク失敗で大幅に弱体化しているので、カーペンタリアの協力があったとしても地球軍の侵攻を確実に防げていたかはかなり疑わしい。
たとえ当座を凌げたとしても今度はプラントに「ザフトが協力してくれたお陰でオーブを防衛できた」という大きな借りを作ってしまう事になるので、「一緒に戦う仲間」が連合からプラントに変わるだけでその後の展開は同じと考えられる。

とどのつまり当時のオーブの置かれている状況は「連合と組めばプラントは敵! プラントと組めば連合は敵! たとえ連合に降り今日の争いを避けられたとしても、明日はパナマの二の舞ぞ! 陣営を定めれば、どの道戦火は免れぬ!」というウズミの台詞が示す通りで、近年は事実上選択の余地が無かった中でウズミは打てる手を精一杯打っていたのではないかとの声も多くなっている。
少なくとも48時間という僅かな時間の中で市民の避難や防衛線の展開など、(間に合い切れてはいなかったとはいえ)地球連合を迎え撃つ準備は整えてはいた。

ウズミらの自爆後は暫定政権が降伏勧告を受諾、以降は大西洋連邦の管理下に置かれるという結果だけ見れば「抵抗空しく占領された」という結末となるが、上記の通り占領する意味自体が無くなった事もあり、これ以降オーブが国を挙げてどうこうされたという話は無い。
とはいえ大西洋連邦による占領の煽りで少なからぬ国民がアメノミハシラやプラントに流出しており、伴ってオーブの技術の一部も後にプラントに利用される事となる。
また『SEED ECLIPSE』では占領兵がオーブ国民に対して略奪などの無法を働いたらしい事も示唆されている。
オーブ脱出後は実質的にジオン残党軍ならぬ「オーブ残党軍」と化したアークエンジェルとクサナギが、ザフトを脱走したエターナルと共に三隻同盟として大戦終結に向けて戦い、あわや人類滅亡という所まで行きかけた戦争を終結に導いた。

停戦条約「ユニウス条約」で「国境は戦前に戻す」と定められた事で、大西洋連邦に支配されていたオーブも独立を回復、戦後の代表首長には国民からの高い人気を持つカガリが収まった。


C.E.72年(『SEED ECLIPSE』)

オーブ外務省外郭団体国際協力機構管轄団体組織国際災害救助隊「ODR」が極秘裏に任務を遂行していたとされる時期。
組織の真の活動目的は「何も無かった事にする」なので、おそらくコズミック・イラ世界の歴史書にも詳細は残されていないと思われる。

本作によるとオーブは『SEED』でキラ主導で開発したナチュラル用MS操縦OSの特許料で大儲けしているとのこと。*16
その莫大な収益により前大戦で自爆したカグヤは1年足らずで既に再建が完了している
平たく言えば、間接的にキラがオーブを連合から買い戻した
ただこの早期に主権を回復できるだけの富は連合管理下でオーブの政治家が入れ替わりセイラン家を筆頭に『親連合派』が台頭。
彼らから連合に対し『経済協力金』という名の小国の国家予算並みの使途不明金の財源となってしまうなど良くない使われ方もしてしまった。

また収容したフリーダムを修復するついでに解析、G兵器のみならずファーストステージシリーズの技術も習得した。

一方で、10年くらい前に「オーブの闇」といえる不祥事クラスの出来事があったことが判明した。


C.E.73年(『SEED DESTINY』)

前作とは異なり本作ではオーブは主要な舞台の一つとなっており、ピックアップされる機会が非常に多い。

上記の通り戦後の代表首長にはカガリが就任したが、モルゲンレーテとカグヤの自爆時に当時の五大氏族首長は全滅したため、その顔触れは一新されている。
またサハク家は五大氏族を離脱したため下級氏族から繰り上がったセイラン家が五大氏族に加わっている。
この時代でもオーブという国としては中立を標榜しているが、五大氏族の中でも大きな発言力を持つ宰相ウナト・エマとその息子ユウナ・ロマのセイラン家親子は大西洋連邦寄り、他の氏族もセイラン家に同調気味、
そして当時のカガリは国民と軍からの人気だけは高かったものの、代表首長としてはまだまだ未熟で実力も基盤もまだ弱かったお陰で他の首長らを抑え切れず、
以前のような少なくとも表向きは毅然とした態度の中立でも、水面下で策を張り巡らせた取引が前提でもない、「ただの大西洋連邦への擦り寄り」に近い状況になりつつあった。

未曾有のテロ事件「ブレイク・ザ・ワールド」では世界各地に壊滅的被害が発生するが、オーブは「沿岸部には津波が発生するも幸い破片直撃は無く、致命的被害は無し」といった所で凌ぎ切る(『ASTRAY』を見るに、これはアメノミハシラから出撃したイズモが体当たりでオーブに直撃しかけた破片の軌道をずらしたお陰でもある模様)。
その主犯がジンに乗っていた=コーディネイターだった事と続く地球連合の宣戦布告同時攻撃(とその失敗)により、大西洋連邦は「世界安全保障条約」を発表、地球各国に参加を呼び掛ける。
「地球各地で発生したユニウスセブン落下を受けての地球国家の団結と、生じた壊滅的被害からの復興支援の円滑化を促す呼び掛け(・・・・)」と銘打たれてこそいたものの、
それが実質「反コーディネイター戦争再開に当たっての団結キャンペーン」である事は明々白々であり、事実上の二度目の「ワン・アースアピール」「地球連合への参加を求める恫喝」だった。
当然ながらウズミの遺志を引き継ぐつもりのカガリは猛反対するが、力の増大したセイラン家とそれに同調する他の首長を抑え切れず、遂には押し切られる形でオーブは大西洋連邦との同盟締結が決定される。
成り行きでカガリを乗せたままユニウスセブン落下阻止に尽力しそのままオーブに彼女を送り届けた形のザフトの新造艦ミネルバには、カガリとしてはその礼として最大限の便宜を図りたいと希望していたが大西洋連邦(と、ロゴス盟主にして大西洋連邦の黒幕ロード・ジブリール)にお近付きになりたいセイラン家のお陰で便宜どころか最悪の形でオーブを追い出す事になってしまった。

一応、先のオーブ解放作戦の時とは異なりこの時点ではウナトらの言い分も完全なる異常な判断、ではない。
  • コーディネイターが起こしたテロで地球全土に壊滅的被害が発生(もし事前察知できていなければ(もしくは遅れていれば)地球が完全に滅んでいた可能性すらあった)
  • それによって反プラント・反コーディネイターの機運が各地で高まっている
  • 地球連合はプラントに難癖を付けて開戦し、いきなり核攻撃した
  • プラントも色々言い訳しつつも何だかんだ地球に降下し武力行使に出た
  • もう同盟に参加していないのはオーブだけ
といった地球とプラント間、オーブと地球各国間の溝を深める出来事がいくつも発生しており、このような状況下で敵と見れば平気で核攻撃するような国の神経を逆撫でするような行為はそれはそれで危ういのも事実ではあった。
しかもシンから「オーブ解放作戦で家族は死んだ。中立維持を決めたウズミが殺したようなもの」と非難され中立の姿勢に少なからず動揺していた所に「同盟を結んだところで今すぐオーブ国民がどうこうされはしない」「最も重要なのは二度と国を焼かないこと」とまで言われては、カガリとしても折れるのは仕方ない事だったと言えよう。
ただし、ウナトやユウナの言う「意地を張って無闇に敵を作り、大西洋連邦を敵に回すのか」「ユニウスセブンの被害に遭った市民を無視し、ユニウスセブンを落とした方と仲良くするのか」という説得はかなり強めの大西洋連邦贔屓な誘導と話のすり替えが入っている
また先の大戦でのウズミのように「中立でありつつ国と国民を決して傷付けさせない」には内外の情勢がかなり難しかったのもあるが、この時期のカガリにはウズミが再三指摘していた一時の保身の為に長い物に巻かれる危うさ=味方した方の手先としていいように使われる危険性」「そもそもセイラン家が大西洋連邦に肩入れし過ぎている」ことを逆に糾弾できる実力と基盤が無かったのも状況を悪くしていたと言える。
何にせよ、この判断の結果最悪な形の跳ね返りが、それも何度も来る事になるのはまだ少し先の話。

数少ないウズミ体制継承路線のカガリは首長らの間で徐々に孤立して行く中、セイラン家は市民からの高い人気を集めるカガリを取り込み更なる影響力拡大を果たすべく、セイラン家の跡取り息子たるユウナとカガリの結婚を急遽取り決める。
国を守りたいとの一心で思い詰め正常な判断ができなくなりつつあったカガリは「これも国のため」と受け入れようとするが、オーブで隠遁していたキラとアークエンジェルチームはカガリの本心を悟って立ち上がり、カガリはユウナとの結婚式の真っ最中に彼らに拉致されてしまう。
カガリが行方不明となってしまった事で彼女の人気取り込みこそ失敗するが、代表首長の不在によりセイラン家は実質的にオーブの実権を掌握、大西洋連邦との同盟も正式に締結されこの時点で正式にオーブは中立を事実上破棄する
一方のカガリも当初は危険な行為に出たキラ達に憤慨するが、キラ達からの指摘で自身の未熟さ故に本当にすべき事が見えなくなっていた事を自覚、地球連合に取り込まれその手先になりつつあるオーブを止めるべく、アークエンジェルと共に文字通り水面下で活動を続けることを決意する。

拙速に過ぎた同盟締結とプラント(デュランダル議長)の迅速な対応により地球連合各地で反発が出始める中、ジブリールは未だ目立った損害の無いオーブ軍に目を付ける。
ジブリールはヨーロッパに於けるザフト占領地域の奪還をオーブ軍に命じ、当然ジブリールに擦り寄りたいユウナも一も二もなく了承、外国の手先としてオーブの為にならない戦場に出撃するというアスハ親子が憂慮していた事態が現実のものとなる。
なお実のところやる気に満ちていたのはユウナだけで、兵士側はというと未だカガリ(の体制)を支持する者や「今はセイラン家が指導者だから仕方ない」と無理矢理割り切る者など、決して士気が高いとは言えない状況にあった。
かつてウズミが語った「理念と法を捨て、与えられた敵と戦うだけの国」そのものと成り果ててしまった現状、士気が上がらないのは当然と言えよう。

黒海にクレタ島沖と、オーブ艦隊とミネルバの衝突に際してカガリはフリーダム・アークエンジェルと共にオーブ軍を止めるべく二度に渡って戦場に乱入し説得を試みるが、説得はどちらも失敗に終わる。
しかし保身と功名心しか頭に無く、兵士を磨り潰しカガリを無下にしてばかりのユウナに遂に我慢の限界に達したタケミカヅチ艦長のトダカ一佐は、クレタ沖での戦闘の終盤にユウナをタケミカヅチの艦橋から叩き出しつつ、いずれカガリが真のオーブを取り戻すと期待してカガリを慕うクルーを脱出させアークエンジェルに向かわせる。
インパルスの猛攻で既に壊滅しかかっていたオーブ艦隊敗北の責任を全て自身に被せたトダカは一人沈み行くタケミカヅチに残り戦死、オーブ艦隊も全滅した。
トダカの副官を務めていたアマギ一尉を始めとしたトダカの遺志を継いだ兵達は彼の遺言通りアークエンジェルと合流、以降カガリを支える貴重な仲間となる。
この時の「オーブ軍の戦闘を止めたいカガリ(とアークエンジェル)」「本当はカガリに従いたいトダカ達」「ユウナに従う馬場達」「大西洋連邦と仲良くしたいユウナ」はそれぞれが抱える事情や状況があまりに複雑な事もあり、
誰が正しかったのか間違っていたのか、誰がどうすれば良かったのかは放送から20年が経過した現在も未だに議論が紛糾する程に激しく意見が分かれている。

ジブリール他ロゴスメンバーが立て籠もっていた地球軍地上本部「ヘブンズベース」が対ロゴス同盟軍の総攻撃で陥落する直前、たった一人で脱出していたジブリールは事もあろうにオーブを潜伏先に選ぶ。
勿論、デュランダルのメディア戦略で世界中の嫌われ者と化しているジブリールをオーブが国を挙げて匿う訳はなく、これはジブリールと個人的に繋がりがあるウナトの独断であり、他の首長達は居場所どころかジブリールが国内に居る事自体を把握さえしていなかった
ユウナもオーブ近海に集結している対ロゴス同盟軍に「貴官等が引き渡しを要求するロード・ジブリールなる人物は我が国内には存在しない。また、このような武力を以ての恫喝は一主権国家としての我が国の尊厳を著しく侵害する行為として大変遺憾に思う。よって直ちに軍を引かれること要求する」と、
作中のほぼ全キャラに「バカにした回答」と呆れられる声明発表を、しかもいかにも相手をコケにしたような鷹揚な口調で行い、最早話し合いの余地なしと判断したデュランダル議長の命によりジブリール逮捕の為のオーブ侵攻作戦「オペレーション・フューリー」が発動、結局オーブに本土に二度目の戦火を招いてしまう。

アークエンジェルを匿いつつ「もう既に出港した」とシラを切り通したまま凌ぎ切ったかつてとは状況が何もかも違う事に気付かないまま同じ事をしたお陰で対ロゴス同盟軍を本気で怒らせた上に碌な指示を出さなかったお陰でオーブは大混乱に陥り、防衛戦は次々に壊滅しオーブ陥落は時間の問題という状況まで追い詰められてしまう。
しかしそこにカガリが新専用機アカツキに乗り帰還、正に藁にも縋りたい思いだったユウナが本物と認めたためカガリは「本物の代表首長」としてユウナの拘束を命じ、そのカリスマ性で劣勢のオーブ軍を瞬く間に掌握・纏め上げ、戦況を一気に立て直す。
平行してジブリールの捜索も行うが既に脱出シャトルまで辿り着いていたジブリールは発見できず、結局カガリがその所在を掴んだのはシャトルが発進した後だった。

シャトルを見てからオーブ軍はムラサメを、ザフトはインパルスを急行させるも地球を脱出し宇宙を目指すシャトルに途中から追い付けるはずもなく、結果的にはオーブが匿ったせいでジブリールを取り逃がす始末となってしまう。
ミネルバ視点からすれば「世界の敵」たるジブリールをオーブが匿い、ジブリールを引きずり出そうとするザフトをキラやカガリが妨害し、そのお陰でジブリールが逃げ延びた様にしか見えないため、作中のタイミングでのカガリ達の乱入には視聴者からも疑問の声が上がる事もあるが、
カガリは軍令部を掌握後すぐにジブリールの捜索やマスドライバーの封鎖など打てる手は打っており、そう見えるにしても実際には「カガリ達がジブリールを庇った」のではないのは明確である。

なお対ロゴス同盟軍の目標はあくまでジブリールであってオーブの制圧ではない事からジブリールの脱出後に同盟軍はオーブから離脱した。ちなみにザフト軍が撤退したのはミネルバ艦長タリア・グラディスがアークエンジェルに沈められた旗艦に代わり戦闘停止命令を出したため。
自らの野望のためにここでオーブを陥落させておきたかったデュランダル議長は彼女を詰問したが、彼女の冷静な戦況判断と「あのまま戦っても、ただの消耗戦になるだけでした」との報告を受けたデュランダル議長はひとまずは引き下がったのだった。

またジブリールを匿った張本人であるウナトとそれに同調していたユウナはどちらも戦闘の余波で事故同然に死亡している。

クーデター同然に政権を奪回したカガリは、遂に公の場に姿を現した本物のラクスと共にデュランダル議長(とジブリール)を支持しない事を表明する。
その後の地球軍の大量破壊兵器レクイエムの発射とそれを巡る戦いは連合とプラント間の話という事もあってか一旦静観するが、
「一見して素晴らしい、今や世界のリーダーなデュランダル」には別の目的があるのではないかと警戒するカガリはアークエンジェルを正式にオーブ軍第二宇宙艦隊に編入、それから間もなく発表されたデスティニープランにも明確に反対する。
なお、ロゴス壊滅の影響で世界各国の政府に大きな混乱が生じている真っ只中という事もあり、ほとんどの国はデスティニープランに賛成も反対もできず、はっきりと反対を表明した(できた)のはオーブとスカンジナビア王国のみだった。

結局キラ達がかねてからデュランダルに抱いていた漠然とした不信感はレクイエムを占領・修復し、地球軍のアルザッヘル基地を「動きがあった」という理由でレクイエムで攻撃し地球軍の宇宙艦隊を壊滅状態に追いやるという形で的中、
プラントに甚大な被害を与えた大量破壊兵器を占領後修復し「反抗の兆しが見られた」だけの基地を破壊した今、明確に反対を表明しているオーブが次の標的になるのは間違いなく、デュランダルは実際そのつもりであった。
宇宙へ上がったアークエンジェルとオーブ艦隊は地球軍残存艦隊と共にレクイエム破壊作戦を実施、熾烈な攻防戦の末にレクイエムは破壊され、それとほぼ同時にザフトの切り札、機動要塞メサイアが陥落しデュランダル議長も死亡した。
この期に及んではそもそもは大西洋連邦との防衛戦争であってオーブへの攻撃が目的ではないプラントにもレクイエムやジェネシスを撃たれたりDPを強制されるのが嫌なだけでプラントを攻め滅ぼす意思はないオーブの双方に戦闘続行の意味が無くなった事でザフトとオーブ艦隊は停戦、C.E.74年にはオーブとプラントは正式に停戦に合意した。

実はオーブとプラントが正式に戦争状態に突入したような明確な言及は無く、ザフトのオーブ侵攻迎撃からの流れで宇宙に上がり、壊滅しかかった地球軍艦隊に代わってオーブ艦隊がレクイエムとメサイアを落とした流れでそのまま「オーブとプラント」が停戦に至った形である。
なので終盤のオーブは「(オペレーション・フューリーでの)オーブへの侵攻に対する防衛行動の延長」か、「世界安全保障条約の同盟国である大西洋連邦への集団的自衛権の行使」という状況だったと考えられる。
もし後者なら世界安全保障条約のせいでオーブ艦隊が犠牲となり、そして世界安全保障条約のお陰で二度目の大戦をオーブが終戦に持って行けたという皮肉な話となる。


C.E.75年(『SEED FREEDOM』)

引き続きカガリがオーブ代表首長を務め、彼女の主導により世界平和監視機構コンパスを設立、オーブ軍からアークエンジェルやムラサメ隊を戦力に提供した他、平行して秘密情報組織ターミナルも支援、カガリは各方面との調整に奔走している。
以前は理想が先行し過ぎて現実が見えていなかった感が強かったカガリもこの時代では為政者として格段に成長しており、以前は嫌ってさえいた「腹芸」も身に着けている。
国民からの支持率も、戦場の最前線で戦い二度に渡ってオーブを地球ごと救った功績と実質的に彼女の留守の間を任されていたセイラン親子の致命的なやらかしが相俟って増々高まっているという。

コンパスへの参加を打診して来たファウンデーションへの対応は「一時保留」。
各地でテロを起こすミケール大佐確保に繋がる有力な情報は是非とも欲しいが、ユーラシア連邦と仲の悪いファウンデーションを迂闊に受け入れ国際社会に独立国として認めさせてしまうと国際関係やコンパス支援国との関係が更に拗れる可能性を危惧しての事である。

今回はユーラシア連邦と宇宙がメインの舞台なので直接的な出番は少なく、カガリ周りの変化を除くとあまり特筆すべき事象は無い。




【余談】

「オーブ(Orb)」とは、英語で「球体・円形のもの」、転じて「宝玉」のような意味も持つ。



上の方でも触れているが、視聴者からの認識と扱いが放送当時と後年で大きく変わっている
作中でもそのような見方をされている事もあって「国民の命よりお題目を大事にする人命軽視の国」「中立を標榜しながら武力を持つ自己矛盾した国」「二勢力間のどちらにも良い顔をして甘い汁だけ吸おうとする狡い国」のように言われる事はかつては多かったが、
近年では「選択の余地の無い中で精一杯やってはいた」「現実主義っぽい事を言っている方こそ軽率な行為をしている」「この世界で中立を標榜するならこれくらいは致し方ない」といった声も増えている。
時代が進むにつれて「中立=非武装平和主義」というよくある誤解が「(武装)中立=攻め入りはしないが攻め入って来るなら誰とでも戦う」に正されつつある事や、
カガリの同志であるラクスにも同じ事が言えるが以前や以降のガンダムには武力を一切放棄する「完全平和主義」を唱えるリリーナや、同じく緊急時ですら武器を手に取る事を拒否したマリナといった「徹底した平和主義・非暴力主義者のヒロイン」*18が居り、それに比べて「軍縮すらしていない(正確には「本当はしてほしいとは思っているが状況が許さず結局できていない」)ヒロイン」「有事に備えて武力を保管していたヒロイン」のカガリやラクスは揶揄されやすい立場ではあったのも関係していると思われる。
ただし、揶揄する意味合いから理解を示す意味合いに変化しつつあるという違いはあれど地下にヤバいMSをいくつも隠し持っているやべー国という意見だけはかつてから一貫している。



『SEED FREEDOM』公開後辺りからネット上ではカガリもしくは「キラカガ」、アカツキ等オーブ軍MSのファン等はオーブ国民の通称で呼ばれるようになった。
人気投票でカガリが第一位、キラが二位と姉弟ワンツーフィニッシュという結果を収めた際はSNSで「カガリ」「キラ」のついでに「オーブ国民」までトレンドワードとなってしまった



おそらくは全くの偶然だが、愛知県西部には大府(おおぶ)という地名がある。
伊勢湾岸道を走っていると通過するので車で東西を行き来する人は見覚えもあるだろう。
公式で推される事もファンから聖地巡礼の対象になることもほぼ無いが興味が湧いたなら行ってみて損は無いだろう。長島スパーランドとも程近い。







追記修正は中立の理念それを脅かす者と戦う意思を併せ持つ方にお願いします。


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最終更新:2024年12月01日 14:01

*1 資料によっては北海道もユーラシア連邦に分離している

*2 元ネタはハワイの神話の豊穣の女神と思われる

*3 中立国も他国との貿易までは禁止されていない。軍事関連についても同様で、外国の兵器を輸入・採用したり自国の兵器を輸出する事もある。対人関係で言えば「挨拶はする程度の仲」といった所か

*4 サンクキングダムも「完全平和主義は無抵抗主義とは違う」と作中で語られてはいる。

*5 ちなみにガンダムシリーズ元祖の宇宙世紀でもサイド6が一年戦争中「中立コロニー」となっていたが、軍艦の整備に手を貸したり(1st第33話)、連邦軍の新兵器を開発する研究所があった(ポケ戦)などある意味恒例の展開。なお、こっちは双方最終的にジオン軍が全面戦争ではないものの「中立じゃないならぶっ壊してもいいよな」と言わんばかりに攻撃を仕掛けている。

*6 C.E.72年が舞台の『ECLIPSE』ではまだ旧デザインだった

*7 参考までに、米軍のアーレイバーク級は127mm単装砲一門、CIWS1~2基、VLS96基

*8 戦局自体、この時既にオーブ艦隊の壊滅は明らかな状況だった。

*9 小説版によると、あくまでザフトの情報収集のつもりでグフをサルベージしたのであって結果的にアスランを救出する事になったのは偶然だったとのこと。

*10 ちなみに彼女は「ナチュラルと結婚した」とされている。それが上述の夫なら、どちらかの連れ子でもない限り、リョウタ君はハーフコーディネイターとなるのだが…

*11 このことが判明したのは『SEED』最終盤なので、中盤頃までの放送中の書籍にはヤマト夫妻こそがキラをコーディネイターにした親という前提で考察するものもあった。

*12 あのクルーゼすら皮肉混じりとはいえ「御両親」と呼ぶほど。

*13 ちなみにアスランの好物のロールキャベツもカリダが作ったもの。

*14 ケン側の見返りは当主の愛人である母に安らかな余生を送らせること

*15 資料によってこの時期はC.E.50年だったり58年だったりと安定しない。

*16 オーブにとっては自国のMS運用が大きく改善され国防に貢献したが、同時に侵略した地球連邦にもアドバンテージを与えることにもなってしまった、だが連邦に属さない地球圏に存在する各国軍のMS、更にはオーブも意図しない経路で技術流出したとはいえ民生MS『レイスタ』)の大ヒットで民間でもナチュラル用OSが必須と軍民問わず幅広い需要がありまさに金のなる木になっている

*17 因みに「第二護衛艦群」といえば、クルーゼ隊との戦闘の末にオーブ領海に侵入したアークエンジェルに排除行動を取った艦隊である

*18 とはいえ両者とも過去や作中で自分の国が攻撃を受け占領または焦土化しておりその前後の国家運営にも上記のことに似た懸念が付きまとっている。もっとも武力についてはヒイロやノインらが義勇軍を立ち上げたり刹那らCBのガンダムが周辺で作戦を行うなど武力の方から来てしまっているが