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Dジェネシス ダンジョンができて3年

登録日:2023/10/01 (日曜日) 22:00:00
更新日:2024/12/01 Sun 18:07:05
所要時間:約 15 分で読めます





彼らは、フォボスとダイモスの間で瞬間移動装置の実験でも行っていたのか?


概要

『Dジェネシス ダンジョンができて3年』は、(この) 貫紀(つらのり)による、小説家になろうにおいて2019年6月から連載されているライトノベルである。連載当初のタイトルは『ダンジョンが出来て3年。いきなり世界ランク1位になった俺は、会社を辞めてゆるゆると生きてます。』だった。
書籍版はKADOKAWAから出版されており、2024年9月現在で既刊9巻+短編集1巻*1。イラストはttl(トタル)
書籍版をもとにしたコミカライズも月刊コンプエースにて連載されており、こちらは同月現在で既刊6巻。作画は(たいら) 未夜(みや)

この物語の最大の特徴は、現代の地球に突如として生まれた「ファンタジー世界の産物のようなダンジョン群」を舞台としていることであり、ある意味では2023年夏ごろに流行りだした「ダンジョン配信系」などの現代ダンジョン系のはしりともいえるかもしれない。*2
物語の主役となる二人が理系の研究者ということもあり、なぜダンジョンが存在するのか、ダンジョンを攻略することで不思議な力やアイテムが得られるのはなぜか、その力はどのような理由で作用するのか、といった謎に対して科学的にアプローチして解き明かそうとしているという点でも、かなりユニークな世界観を有している。
また、ダンジョンによって生み出される魔法のようなアイテム類や人間の「進化」といった産物が巻き起こす人間社会への影響も、政治、軍事、経済、宗教、農業や鉱業、スポーツといった様々な面において描かれていく。
そして、結果としてダンジョンが人類を次のステージへ進ませようとしている(ように見える)のはなぜか、という疑問がこの物語全体を貫く最大の謎となっており、一見はなろう系ファンタジーのようでいて、ガチガチのSFとしても読むことができる作品となっている。
ちなみに、作者の趣味かキャラクターの会話にはサブカルチャーやら神話やら武器・兵器やら酒やらの雑学的なネタも、碩学を超えて衒学趣味といえるほど多分に入っており、なかなか独特の読み味がある。
また、都内の有名(高級)飲食店での食事描写も多く、店名こそすこし捩っているものの元ネタを探すことは容易であり、一種のグルメガイドとしても使えるかもしれない。

なお、書籍版はウェブ版と比べると、主要キャラクターなどの基本設定はほぼそのままで物語の中心となる人物に書籍オリジナルのキャラクターなどもいないが、ウェブ版で語られていなかったエピソードが挿入されていたり、一部エピソードの発生順が入れ替わったり、それに伴って一部キャラクターの知識や保有能力に若干の違いが発生していたりもする。
あと、ウェブ版で投げっぱなしになっていた長編エピソードに、ちゃんとした決着をつけていたりもする。
そのせいで、両方を読んでいる読者は、少し混乱することがあるかもしれない。どうも作者自身もたまに混乱しているフシがある。


あらすじ

2015年。アメリカ ネバダ州の地下施設に建設されたLHCにおいて、粒子衝突によってマイクロブラックホールを作成する研究が行われていた。実験は成功し、無事にマイクロブラックホールは生まれ……消滅しなかった。
マイクロブラックホールによって生まれた、ほんのわずかな空間の歪み。その歪みはやがて、地下施設をまるごと、ファンタジーの怪物が跋扈する謎の空間へと繋げてしまう。
これが、後に「ザ・リング」と呼ばれるようになる、世界最初のダンジョンの誕生だった。
(本項目冒頭のセリフは、「ザ・リング」がダンジョンとなった直後の映像に、オークやトロールといった怪物が映っていたのを見た軍関係者のものである)

そして2018年。世界には数々のダンジョンが生まれ、ダンジョンを攻略しようとする国や軍隊、ダンジョン攻略のための装備やダンジョン産のマジックアイテムの取引など、世界はダンジョンの存在を受け入れ、政治も経済も動いていた。
化学メーカー『北谷マテリアル』で研究職をしていた芳村(よしむら) 圭吾(けいご)はある日、大深度のダンジョン発生に居合わせ、そしてたまたま近くに止まっていたトレーラーに積まれていた鉄筋が発生直後のダンジョンに落下。やはり発生直後のダンジョンボスに直撃したことで撃破判定を得てしまい、世界トップのダンジョンエクスプローラーを遥かに上回る経験値(とそれによって底上げされた身体能力)と、人類にとって未知のスキルオーブ『メイキング』を手に入れる。
彼は、『メイキング』によってダンジョンの謎を解き明かしながら、やがて謎の世界トップエクスプローラー「ファントム」として、ダンジョンの存在が世界に与える様々な衝撃の、その中心人物となる……


用語

ダンジョン

「ザ・リング」が生み出されてから、把握されているだけでも地球全体で年に40個ほどが発生しているとされる、謎の異空間。
突然、上空から地表に向けて透明で巨大な針が刺されたかのように穴が空き、その穴の中の空間が置き換わるような形で発生する。だが、ダンジョンの内部は実際に穴が空いた体積以上の異空間となっており、さらに複数の階層で区切られている。
各階層はまた、それぞれ違った異空間となっているようであり、石造りの通路のいかにもダンジョンという階層があれば、屋外の森林が大部分を占める階層、険しい渓谷地帯の階層、一面の墓所となっている階層などなど、バラエティ豊かな環境となっている。
ダンジョンの入り口がある層を一層として、階層をつなぐ階段状の通路を降りるたびに、二層、三層と数えられる。一層くらいであれば一般人が入っても命に係わるほどの危険に遭遇することは少ないが、階層を進むたびに出現するモンスターは強力になっていく。
物語開始時点で人間が到達している限界に近い三十層ともなると、軽機関銃でも有効なダメージを与えることができないモンスターが出てくることもざらにある、というレベル。かといって、それ以上の火力ともなると人間が携行できず、そもそも深層に持ち込むことが困難である。
モンスターに倒されて死ねばそれで終わりであり、(少なくとも作中時点では)蘇生の魔法なども存在しない。
しかし、奥に進めば進むほど、モンスターを倒した際に得られるドロップアイテムもまた非常に強力なものとなっていく。それが、世界のパワーバランスを変えうるものともなるため、各国はリスクを負ってでも精鋭をダンジョンの深層に送り込もうとしている。

ダンジョン産のマジックアイテム

モンスターからドロップするアイテムには、ファンタジー世界のRPGのように様々な種類があるが、ここでは特に重要なものについて説明する。

ダンジョンカード

通称Dカード。くすんだ銀色のカードで、その人間が初めてモンスターを倒したときに、その人間の名前が書かれたカードがドロップする。
記載されるのは氏名、ダンジョンカードが発現したエリア、ランク、所有しているスキルとなっている。
このうちエリアは、地球上の経度10度の幅ごとに区切られた区域を差し、日本の半分ほどはエリア12に位置する*3。ランクは、モンスターを倒したときの経験値が個人ごとにカウントされ、その累計取得経験値を多いほうから並べた時の順位になる。Dカードの取得者は1億人程度いるが、このランクはリアルタイムに書き換わるようになっており、どこかで集計されているようである。

ポーション

アニヲタWikiを見ているようなユーザーには詳しい説明は不要であろう魔法のポーションであり、主に怪我を治すことのできるヒールポーションと病気を治すことのできるキュアポーションとがある。
それぞれ、治癒が可能な度合いによってレベルがあり、「ヒールポーション(1)」「キュアポーション(5)」などと名づけられている。
たとえばヒールポーションであれば(1)でも単純骨折を瞬時に修復させることができるレベルであり、(5)以上ともなれば欠損でさえも修復可能となる。
同様にキュアポーションも高レベルのものは不治の病すら治してしまう。
そういったアイテムが、ファンタジー世界ではなく現実に存在しているわけであり、その価値は計り知れない。が、レベル1のポーションですらドロップ率は低く、レベル5以上となるとあまりにも少なすぎて流通しないほど。レベル5以上のポーションの取引価格としては1億円~が目安とされているが、その額を出したところで確実に手に入るようなものではない。

スキルオーブ

こちらは、人間にある種の能力を付与することができる、使い捨てのアイテム。
使用する際には、『俺は人間を辞めるぞ!』と叫ぶことがお約束になっている。
わかりやすいところでは「火魔法」「水魔法」といった魔法を使えるようになるものや、「生命探知」「危機察知」といったダンジョン攻略に役立つものなどが存在する。
また、魔法のスキルオーブについては、『火魔法(I)』のようにローマ数字がついたものと、無印のものがある。数字付きのものは、その数字に対応した魔法のみを覚えることができる一方で、数字なしのものはその魔法属性の範囲で自由な魔法を使うことができるが習得の難易度が高いというデメリットがある。
こちらはポーションとは違って、基本的には流通することはない。というのも、スキルオーブがドロップしてから使用されないまま23時間56分4秒*4が経過すると、消滅してしまうため。
浅い階層はともかく、深層になると戻ってくるだけで10時間以上を必要とするため、取得して地上に持ち帰った時点で残り時間は半日程度であり、流通しようがない存在となっている。

ステータス

トップクラスのダンジョン探索者は人間離れした身体能力を持っているようだ、とは経験則として知られていたのだが、芳村が後述する「メイキング」のスキルを得たことにより、数値化されたステータスを確認できるようになった。内容は以下のとおり。
  • SP(ステータス・ポイント):モンスターを倒して得られる経験値のようなものであり、これがある程度たまると、各ステータスへと割り振られる。
  • HP(ヒット・ポイント):おそらくは一般的なRPGのHPそのものだとは思われるのだが、芳村自身は慎重策をとってHPが減るような事態を徹底的に避けるため、怪我や疲労といった身体の異常とどう関連づいているのかは謎のままである。
  • MP(マジック・ポイント):一般的なRPGのMPそのものであり、これを消費して魔法を使うことができる。消費したMPは時間で回復する模様。
  • STR:肉体の力や筋力を示す。うっかり上げすぎると、カップを持っただけでヒビを入れるなど、日常生活への支障が出てしまうのはお約束。
  • VIT:おそらく、スタミナやタフネスといったものを表す。
  • INT:RPG的には魔法の効果や、召喚魔法の同時召喚数に影響する。また、知力という意味でも、INTを上げることで理解力や記憶力が向上しているようである。
  • AGI:自分が動く速さのほか、動体視力にも影響しており、相手の動きをより詳細に見ることができるようになる。これが高いと穴冥も安定してクリアできるようになるとのこと。つまり素でクリアできるプレイヤーは人間を辞めているということ
  • DEX:これを上げることにより、自分の身体を、より理想的に動かすことができるようになる。高いAGIで観察した動きを、高いINTで理解し、高いDEXで身体操作する……とあら不思議、身体を動かすものなら楽器でも演技でもスポーツでも、どんな分野でも理想の動きをコピーしてミスなく再現できることになる。
  • LUC:ダンジョン内ではドロップ率に影響する。ダンジョン外で、一般的な意味での運の良さにも影響するのかは、検証が難しいせいなのか不明。

ダンジョン=パッセージ説と「異界言語理解」

ダンジョン=パッセージ説はとは、ダンジョンがどこかに繋がる通路だという説のこと。
ダンジョン内が異世界のようなものであることから、その先には、元となった異世界があるのではないかという噂レベルの話だったのだが、ある時ロシアのダンジョンで「異界言語理解」というスキルオーブがドロップしたことから、それが真実である可能性が世界に提示された。
「異界言語理解」のスキルを使うと、ダンジョン内で稀に見つかる謎の碑文を読むことができるようになるということであり、碑文曰く「ダンジョンは地球に『魔素』をもたらすもの」「ダンジョンの128層を超えると、魔素で満たされた異界へ渡ることができる」とのこと。


WDA(世界ダンジョン協会)

ダンジョン産のアイテムによる秩序崩壊を防ぐために、各国が協力して立ち上げた団体。
発生したダンジョンは原則としてWDAが所有し、産出したアイテムの取引におけるルールを策定するなど、ダンジョンにおける活動に一定のルールを敷いて管理をしている。
下部組織として国ごとのダンジョン協会が設置されており、日本においてはJDAがその役目を負っている。

主な登場人物

Dパワーズ関係者

芳村(よしむら) 圭吾(けいご)

この物語の主人公であり、先述のように元は化学企業の研究職。
ダンジョン発生に巻き込まれ、誕生直後の超深層にいたボスモンスターを撃破した(ことになった)ことによって、膨大な経験値とスキル「メイキング」を得る。
それがタイミング良く(悪く)、嫌な上司の尻拭いをさせられた上に責任を被せられたばかりのところだったため、一獲千金を求めて退職、ダンジョン探索者として生きることを決める。
だが、その「メイキング」が後述のように、ダンジョンと世界の在り方を変えてしまえるほどの能力だったことに加えて、研究者としての探求心でスキルを使い倒した結果として、様々な事件を巻き起こす中心人物となる。が、そのような能力を持っていることが知られると普通の生活を送ることができなくなるために、自らが表に立つことはしない。
とはいえ、身体能力的な意味でも金銭的な意味でも、普通の人間としての人生を送れる域を軽く超えてしまっているのだが、小市民的な性格と研究者として有する倫理観から、世界に混乱を招くような事態はできるだけ避けようと動く。それはそれとして、研究者としての興味から、世に出るととんでもない混乱を引き起こすような知識やアイテムを大量に生み出している。
なろう系主人公の常としてか周囲には美女が集まるが、恋愛とかそういう方面にはまず発展しない。本人曰く「草食系ではないし肉を食べたい(がモテない)」とのことだが、いい雰囲気になりそうな状況であっても一歩引いてしまうため、はたから見れば立派な草食系男子である。
▼保有する主なスキル
  • メイキング
作中で明らかになっている範囲でも、「取得した経験値を自由に能力値に割り振ることができる能力」「モンスターを倒した数が100匹を数えるたびに、その100匹目のモンスターが落とす可能性のあるスキルオーブを確定で取得できる能力」というゲームバランスぶっ壊れ級の2種類の能力を持つ。
  • 保管庫
スライムから取得したスキルオーブ*5で俗にいうところの「アイテムボックス」であり、容量の制限*6こそあるが、生物以外は手を触れずとも自在に出し入れすることができ、さらに保管庫内では時間も経過しない。
時間が経過しないということは食料や料理、科学的に不安定な薬品などを作ったときの状態のまま保てることが可能であり、物流的な意味では数十トンの貨物をほぼゼロコストで輸送できる……と、この時点でとんでもない価値を秘めている。
さらに、法的規範を無視するのであれば、武器・兵器や違法薬物などの密輸密売を証拠を残さずにできるわけであり、このスキルを有していることどころかスキルの存在自体が知られるだけでも、各方面へ多大な影響を与えることが予想される。そのため、三好の格納庫スキルともども、Dパワーズにおけるトップシークレットとして扱われている。

三好(みよし) (あずさ)

芳村が北谷マテリアルで教育係を担当していた、後輩の新人。
見た目は小動物系の美人であるが、性格はさっぱりしているタイプ。
芳村から自身に起こった話と退職する旨を聞き、表に立ちたくない芳村の代理人をするという建前で、同じく会社を辞めて彼と同行、ダンジョンパーティー「Dパワーズ」を結成する。
自ら「近江商人」を称し、Dパワーズの利益を増やしつつ、それでいて面倒な事態を含めた不利益を最小化するように立ち回る。
実際問題として、彼女がいなかった場合には、芳村は様々なトラブルに対処できず、どこかの国(日本とは限らない)に飼い殺しされていた可能性も高いと思われる。
Dパワーズの事務所を買ってからは、同じ屋根の下に暮らすことになったが、お互いに恋愛感情はないようで、仲のいい先輩後輩兼ビジネスパートナーとしてつきあっている。

▼保有する主なスキル
  • 収納庫
保管庫と同じくスライムから取得*7したスキルで、こちらは容量制限がほぼない一方で、内部の時間は停止ではなく進み方が遅くなる。
中の物を加速度を付けながら取り出すことも可能なため、大量の鉄球を購入・保管し、それを撃ち出す攻撃手段としても使用される。
  • 鑑定
名前からわかるとおり、ダンジョン産のアイテムを鑑定・識別することができる。鑑定結果には具体的な数値を含む効果が書かれているが、なぜかフレーバーテキストまで書かれているとのこと。
  • 闇魔法(IV)
モンスターであるヘルハウンドを召喚する。彼女は「カヴァス」「アイスレム」「グレイシック」「ドゥルトウィン」と、アーサー王一行の犬の名前をつけて召喚し、まとめて「アルスルズ」と呼んでいる。
ちなみにこのアルスルズ、通常のモンスターとして現れるヘルハウンドより明らかに強く、誰かの影を通して異空間に潜むこと、任意の対象をその異空間に引きずり込むことが可能である。その能力を生かし、ダンジョンの内外を問わずDパワーズとその関係者の影に潜み、悪意を持って近づいてくる人間には接触前に異空間に拘束、ライフルの銃弾すら発射から着弾までに対処可能と、半ばチートじみた防護を提供している。
ぶっちゃけ、身体能力こそ人外の域にあるが本質的には一般人である芳村が、プロの諜報員や暗殺者に幾度となく狙われても無事でいられるための舞台装置にもなってしまっているような。


JDA関係者

鳴瀬(なるせ) 美晴(みはる)

JDAのダンジョン管理課に勤務する女性で、大学生時代にはミス慶応に選ばれたほどの美女。さらに頭脳明晰で三か国語を操る才女である。
たまたま、ダンジョン内で怪しい動きをしていた芳村に声をかけたことがきっかけでDパワーズと知り合い、その縁がもとでDパワーズが誰かと交渉や取引を行う場合の窓口担当となり、後には正式な役職としてDパワーズの専任管理監となってしまう。
この結果として、完全自由裁量の勤務と非常に高額な給料*8を得ることとなったが、その一方でDパワーズが発見した世界を揺るがすような情報を真っ先に相談され、「できるだけ混乱がないようにうまく取り扱ってくださいね」と押し付けられる立場となる。そしてそのまま、上司の斎賀に丸投げする。
さらには、Dパワーズにより、「そのスキルや知識を有していることが知られたら冗談抜きで国レベルでの介入が発生する」レベルの情報を押し付けられ、JDAにも秘密で、彼らの行動をサポートさせられることになってしまう。

斎賀(さいが) (みのる)

JDAダンジョン管理課の課長であり、鳴瀬の上司。
仕事のできる人間であり、Dパワーズから提供された情報を、時にはインパクトの大きさで机に突っ伏しながらも、適切に処理しようとする。
情報の内容によっては、JDAの上層部には完全に隠したまま*9内調や防衛省の知り合いにリークして、政府レベルで適切な対処が行えるようにするなど、混乱を望んでいるわけではないDパワーズにとっては最高のパートナーという立ち位置である。

ダンジョンエクスプローラー

御劔(みつるぎ) (はるか)斎藤(さいとう) 涼子(りょうこ)

芳村が知り合った美女二人組。
ボーイッシュで背が高く正統派美人なほうが新人モデルの御劔 遙、ガーリーでモテそうなほうが新人女優の斎藤 涼子。
どちらも、なにかしら仕事にプラスとなる「オーラ」が得られるのではないかと考え、ダンジョンに挑んでいた。
芳村はちょっとした下心と好奇心で彼女たちに協力し、経験値を得るためのバグめいたモンスター攻略法を教える。
だがそれは、プロの探索者のダンジョン攻略より遥かに高効率での経験値を蓄積できてしまう手段、ひいては超効率的な「ドーピング」により身体能力を向上させることが可能となる手段であり、結果としてスポーツ界や芸能界がダンジョンに注目するきっかけとなってしまう。

サイモン=ガーシュウィン

アメリカの有するトップエクスプローラーであり、Dカードのランクは(芳村が1位になる前は)2位、「チームサイモン」としてであれば、ダンジョン攻略チーム単位でみて世界トップ。軍属ではあるものの、大統領直属の部隊でありダンジョン攻略に関しては独立性のある地位を与えられている。
Dパワーズが開いた最初のスキルオーブのオークションでオーブを落札し、その取引の場にいた芳村こそが、謎の世界1位の探索者ではないかと疑う。
しかし敵対や必要以上の詮索はせず、ある意味では芳村の理解者として、アメリカの利益を忘れないようにしつつも、仲良く接している。

君津(きみつ) 伊織(いおり)

日本の自衛官であり、エクスプローラーとしては日本トップの実力を有する、凛々しい女性。
その容姿から、日本ではある種のアイドル的な人気を有している。
磁界操作のスキルを有しており、そのスキルによって特製の弾丸や鉄球などの磁性体を超高速で打ち出すことができ、その威力は重火器を上回りダンジョン深層のモンスターに対する切り札ともなるレベルである。


ダンジョンを踏破したら、追記・修正をお願いします。

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最終更新:2024年12月01日 18:07

*1 2巻~8巻までの発売時に、期間限定でWeb公開されていた短編の再録を集めたもの

*2 ただし、本作においては、主人公たちはダンジョン配信を行うわけではない。

*3 東経130度線(佐賀県など九州の西を通る)と東経140度線(秋田県の男鹿半島や千葉県の房総半島など東京のちょっと東を通る)の間がエリア12。

*4 この数字は地球の自転時間と一致している。

*5 本来のドロップ率は1000億分の一

*6 それでも20トンほどである。

*7 本来のドロップ率は70億分の一

*8 Dパワーズがアイテム取引で得た金額の一定割合が歩合給として支給される。一般的な場合であれば多くて数百万円の単位なのだが、Dパワーズの場合は文字通り桁が違うので……

*9 半官の民間組織であるため、部門ごとの縄張り争いや利権が存在しており、JDA内で処理しようとするとDパワーズの意に反する方向に転がる可能性が高いと判断しているため