登録日:2023/03/14 Tue 00:13:32
更新日:2024/12/14 Sat 23:03:39
所要時間:約 19 分で読めます
『
忍風戦隊ハリケンジャーVSガオレンジャー』とは2003年3月14日に発売された特撮オリジナルビデオ作品である。
監督 :竹本昇
脚本 :酒井直行
〇概要
スーパー戦隊VSシリーズ第9作で『
忍風戦隊ハリケンジャー』と『
百獣戦隊ガオレンジャー』のクロスオーバー作品。
従来のVSシリーズではタイトルに"VS"とあっても、実際に戦隊同士が戦う場面はほとんど無かった。そこで本作では敵が変身した偽者ではあるが、ハリケンジャーとガオレンジャーが実際に戦う展開が繰り広げられる。
VSシリーズにて両戦隊の
追加戦士(6人目の戦士)が初めて揃い踏みしたことで総勢12人名乗りが実現した。
さらに玩具の仕様を活用した両戦隊の垣根を越えたスペシャルな合体も誕生した。
『ハリケンジャー』における時系列は『
轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊』での「スーパー戦隊住所録」では2002年10月に起きた出来事とされている。
〇あらすじ
いつものようにジャカンジャと戦うハリケンジャーの3人。そんな彼らの前に現れたのは地球の命を守るために戦っていた正義の戦士・ガオレンジャー。
「ジャカンジャの敵は俺たちの敵」という信念のもと、彼らはゴウライジャーも巻き込んで戦いを仕掛けてくる。
そしてハリケンジャーにとどめを刺そうとするガオレンジャーの前に、ガオホワイト・大河冴が止めに入る。実はここに現れたガオレンジャーは偽物で、本物のガオレンジャーはパワーを奪われどこかの洞窟に拘束されていた。
真相を知ったハリケンジャー達地球忍者はガオレンジャーの救出のために戦うのだった――
〇登場人物
◆ハリケンジャーとその協力者達
一年前から人里離れた忍風館で修行していたため、ハリケンジャー達はガオレンジャーの活躍を知らず日向親子から情報を得る。
ジャカンジャの一員として攻撃を仕掛けたガオレンジャーを一度は憎むが、彼らが正義の戦士だと知ると戦いを躊躇う。
冴から真相を聞かされた後は、他のメンバーの救出のために奔走する。
お馴染み空忍。
レッド繋がりでガオレッドと共闘し、チュウボウズ相手にハヤテ丸を縦に振り下ろし敵を切り裂く「忍風・真っ向斬り」をお見舞いする。
巨大戦の最中に左腕が流血・骨折してしまい、EDとラストシーンでは腕にギブスを巻いている。
お馴染み水忍。
女性戦士繋がりでガオホワイトと共闘し、二人で女性幹部達を相手にする。年齢が同じなため彼女を「冴ちゃん」と呼び、EDでは一緒にショッピングを楽しんでいた。
お馴染み陸忍。
イエロー繋がりでガオイエローと共闘し、ヤバイバを超忍法・869号で撃退する。EDでは岳との特訓でハヤテ丸とイーグルソードを交わし実力を認め合った。
お馴染み
電光石火ゴウライジャーの角忍。
街中でガオレンジャーと戦闘し二重連ダブルガジェットを発射しようとしたところをハリケンジャーに制止される。
真相を知った後はハリケンジャーとガオレンジャー救出に協力し、救助を妨害してくる偽ガオレンジャーを弟やシュリケンジャーと食い止める。
巨大戦以降はガオブラックと共闘し、EDでは草太郎と相撲を取る。
お馴染み
電光石火ゴウライジャーの牙忍。
ジャカンジャに味方するガオレンジャーに憤慨していたが本編序盤でそのジャカンジャに味方していたゴウライジャーはあまり人のことを言えない気がする…同族嫌悪の意味もあるだろうが。
青系の男性戦士繋がりでガオブルーと共闘しサーガインと戦う。EDでは海と街中へ出かけ、多数の女性に囲まれ狼狽えていた。
お馴染み20の顔を持つ天空忍者。
大体の話はunderstandした上でハリケンジャーの前に颯爽と現れ、偽ガオレンジャーの相手をゴウライジャーと共に引き受けた。
追加戦士繋がりでガオシルバーと共闘し超忍法・分身魔球と破邪聖獣球の合わせ技で暗黒七本槍をまとめて撃退する。
戦いの後仲間に何も言わず立ち去ろうとする月麿を発見し彼を見送る。去り行く月麿を
「You are キザ」と評し、彼から
「貴様もな」と返された。
お馴染みシノビマシン発進係のメカニック。
鷹介達と違いガオレンジャーの存在を認知しておりコンピュータで調査したガオレンジャーの活躍を解説した。
父親と違いスペシャル合体に対して「あたしはそないなると思っとったで、スペシャルやしな」とどっしり構えていた。
お馴染み
ハムスターと化した館長。
ガオレンジャーについてハリケンジャーに解説し、正義の戦士である彼らが悪に屈したことに疑問を抱いていた。
その後紆余曲折あって誕生したドリームチームやスペシャル合体には大興奮であった。
EDでは走の診療を受け彼にキスされた。
◆ガオレンジャーとその協力者達
ハリケンジャー結成の一年前、地球の命を守るために邪気より生み出されし鬼と戦った戦士達だったがジャカンジャの軍門に降った――
というのは誤りで、ヤバイバ&ツエツエから情報を得たチュウボウズにGフォンとガオの宝珠を奪われ、生体エネルギーを吸い取るお札を張られどこかの洞窟に捕らわれていた。
最終回(Final Quest)の展開を反映して当初はお互いを本名で呼び合っていたが、ガオジャケットを取り戻してからはガオの戦士としての決意表明からか再び色名呼びに戻った。
お馴染み灼熱の獅子。
他の三人やテトムと共に洞窟に捕らわれ、ヤバツエコンビにいたぶられるが諦めずに抵抗する。ハリケンジャーの活躍によりお札が剥がれ洞窟を脱出し冴と再会、ハリケンジャーにお礼を述べた。
EDでは獣医として
ハムスター館長を診察しキスまでしたが元の人間には戻せなかった。
お馴染み孤高の荒鷲。髪が茶髪になったが変身バンクでは金髪に戻る。
お馴染み怒涛の鮫。
ガオシャークだけでなくガオジュラフまでも偽ガオレンジャーの手に堕ちたことに苦悩する。
EDでは街中で女性にナンパをしたが一鍬の方に人気が集中したため彼に嫉妬していた。
お馴染み鋼の猛牛。短髪だったり坊主頭だった髪が伸びている。
お馴染み麗しの白虎。髪が茶髪になった。
彼女のみ他のメンバーの計らいで救助のために脱走し、旋風神にとどめを刺そうとする
ガオキングを寸でのところで食い止める。
鷹介達にガオレンジャーの身に起こった真実を語り共に行動する。
お馴染み鮮烈の銀狼。
Final Questの後、一人旅に出ていたのでジャカンジャに力を奪われずに済んでいた。
とある遺跡に立ち寄った時に風を感じ、ウルフローダーに乗って仲間のもとへ駆けつけ、テトムから渡されたGブレスフォンを通じてパワーアニマルに呼びかけ偽ガオレンジャーを弱らせた。
戦いが終わった後、テトムにGブレスフォンとガオジャケットを返却、「奴らの顔を見ると別れにくくなる」という理由でガオレンジャー5人には何も言わず彼女とシュリケンジャーにのみ見送られ再び一人旅立った。
お馴染みガオの巫女。
Final Questの後、月で眠っていたところをチュウボウズに叩き起こされ一緒に封印されていたGフォンを奪われる。
ガオレンジャー共々洞窟に捕らわれるが救出される。
EDではおぼろの
パソコンを勝手に触り、爆発させたことで彼女に叱られた。
お馴染みガオレンジャーのパートナーである精霊達。
偽ガオレンジャーに惑わされ百獣召喚・百獣合体し旋風神&轟雷神を攻撃する。しかし冴の叫びを聞きガオレンジャーが偽者だと気づき合体を解除した。
終盤では月麿の声を聴き偽ガオレンジャーを弱らせたり、カラクリ巨人への百獣合体を提案したりと戦士達に貢献する。
暗黒七本槍の面々はチュウボウズから受け取ったGフォンを使い
偽ガオレンジャーに変身する。
変身前の姿に変装している時は
黄色の手袋をつけ、色に準えた煽り文句でハリケンジャー達を挑発。
正体が判明した後は七本槍自身の能力も駆使し、ハリケンジャーと変身できない走達5人を追い詰める。
しかし、唯一力を奪われなかった月麿と彼の呼びかけに応じたパワーアニマルにより動きが鈍ったところを、ハリケンジャーの生身での超忍法・影の舞を喰らい力を取り戻された。
お馴染みタザやんジャカンジャの首領。
作戦成功の暁にはチュウボウズに二の槍の座を渡すことを約束する。
お馴染みジャカンジャの採点係の宇宙コギャル。偽ガオホワイト担当。
正体を表す直前、冴の姿で棒読みを再現しつつハリケンジャーに落第を宣告する。ガオホワイトの名乗りは「にゃいーん」と猫のポーズを取る。
お馴染みジャカンジャの予言者。偽ガオブラック担当。
乱戦では炎の騎馬に乗りカブトライジャーのバリサンダー、ウルフローダーとの
バイク対決を繰り広げる。
お馴染みジャカンジャのセクシーな
巨大化担当。偽ガオブルー担当。
正体を表す直前、海の姿で女口調でしゃべる。唯一異性の戦士に変身するが、後の
ゴーカイチェンジと違いスカートは付いていない。
乱戦ではガオホワイトに顔に引っかき傷をつけられた。
お馴染みジャカンジャの発明王。偽ガオイエロー担当。
正体を表す直前、岳の顔を割って中身の本体を露出させるショッキングな絵面を披露する。
貴様ら今日こそ地獄に送ってやる!
お馴染みダジャレ好きの仮面忍者。偽ガオレッド担当。
自分は「タザやん」呼びしながらチュウボウズのタウ・ザントへの態度を叱ったり、ガオレッドの変身時に「灼熱の4×4=16 ガオレッドだぞ~!!」と名乗ったり、終盤の乱戦ではサボろうとしたりと相変わらずふざけた態度をとる。
偽ガオレッドの時は、ライオンファングだけでなくファルコンサモナーも使用した。
かつてハリケンジャーとゴウライジャーに敗れ戦死したジャカンジャの幹部。
弟の宇宙忍法・兄貴魔神魂召喚の術によって復活…したが轟雷旋風神のパンチ一発であっさり消滅した。
チュウボウズの宇宙忍法・中忍復活の術によって復活した中忍たち。メンバーはギリギリガイ師、
カンガルーレット、ジン・ギローン。
カンガルーレットはガオキングソード&シールドのイビルクラッシャーとガオハンタージャスティスのビーストハリケーンで倒され、ギリギリガイ師とジン・ギローンは、轟雷旋風神ソード&シールドの風雷百獣斬りに倒された。
かつて地球に災厄をもたらすべく悪事を繰り広げていたデュークオルグの二人組。Final Questで拠点の鬼洞窟の崩落に巻き込まれていたが実は生き延びていた。
ガオレンジャーへの恨みを晴らすべくチュウボウズと手を組み、彼にガオレンジャーについての情報を与える。
捕らわれたガオレンジャー四人をテトムの目の前でいたぶっていたが、お札が外れたことで四人が復活し逃走。
その先でジャカンジャと合流し、追い詰められたガオレンジャーの姿を見て涙を流したり、ハイネスデュークの名を挙げながら歓喜に酔いしれた束の間、月麿の加勢で形勢逆転される。
戦いの末、五重連ビクトリーガジェットと破邪百獣剣の同時攻撃を喰らい、散り際に「あの世では一緒になろうな」とプロポーズのような約束を交わし二人で手を組みながら爆散、ついにオルグの残党は本当の最期を迎えた。
彼ら以外のオルグは全滅したのか新規のオルグ魔人やオルゲットは登場しない。
◆オリジナルキャラクター
声:岸祐二
ハリケンジャー達地球忍者に倒された
二の槍 チュウズーボの弟。
チュウズーボ同様大柄な体躯と巨大な槍、様々な宇宙忍法を武器とするが、青白い肌と
モヒカンのような頭部を持ちレザージャケットに
ピアス、半ズボンとスニーカーというストリート系のようなファッションを身に纏う。
チュウズーボを「兄貴」と呼んで慕っており、地球忍者への敵討ちと暗黒七本槍の二の槍の座を狙って行動をする。
堅物な兄と違い偽ガオレンジャーの活躍を「オイラのおかげ」と自慢したり、タウ・ザントに物怖じせずに二の槍の座を貰うことを約束させたりと調子のいい性格。その軽さからサタラクラからは
「チュウ坊」と呼ばれている。
ヤバツエコンビからガオレンジャーの情報を入手し、ガオレンジャー5人とテトムを拉致し、生体エネルギーを奪う特殊なお札を貼ったうえで彼らを監禁。さらにそのお札からコピーした生体データを七本槍がつけるペンダントに転送し、彼らの偽ガオレンジャーへの変身を可能にさせる。
ガオレンジャーの力で地球忍者を苦しめるが、腰の制御装置がハリケンジャーに破壊されガオレンジャーの脱走を許す。さらに加勢した月麿の協力でガオレンジャーの力を取り戻されてしまう。
七本槍と共に二大戦隊に挑み宇宙忍法・兄貴直伝・巨大二の槍で攻撃するがレッドコンビに圧された上に五重連ビクトリーガジェットと破邪百獣剣の同時攻撃を喰らう。
悪足掻きに
再生巨大化の術の巻物で
巨大化し宇宙忍法で復活させた中忍軍団や「兄貴」をけしかける。
中忍と共に強大なエネルギー波を放って
精霊王を合体解除に追い込み、轟雷旋風神の右腕を破壊しハリケンレッドの左腕を負傷させ追い詰める。
しかし、轟雷旋風神ソード&シールドに中忍を倒され、自身も天空轟雷旋風神とパワーアニマルの「絶対究極奥義・ワイルドサンダーハリケーン」を受け
「ズボーーーーーッ!!」と断末魔の叫びをあげ爆散した。
声を担当する岸はご存知
猿顔の一般人レッドレーサー/陣内恭介を始め戦隊シリーズ常連の俳優。『ハリケンジャー』巻之三十五にも滑川数馬役で顔出し出演し『ガオレンジャー』にはカメラオルグの声として出演していた。
チュウボウズ軍団との戦闘中、合体攻撃で轟雷旋風神の右腕がもげてしまった際にガオシャーク、ガオタイガー、ガオエレファントが両腕に百獣合体(武装)した姿。合体の発案者はガオライオン。
大地の精霊とカラクリ式のマシンという明らかにシステムの違う者同士が合体している、がそこは「スペシャル」だから深く考えてはいけない。
パワーアニマルが合体したことで総重量が6940tとリボルバーマンモス系統に次いで重い。
必殺技はエレファントソードに風神エネルギーと雷神エネルギーとガオソウルを込めて敵を切り裂く「必殺奥義・風雷百獣斬り」。
VSシリーズ初の作品の垣根を越えた合体ロボであるが、この形態なんと
玩具でも再現可能。『ハリケンジャー』と『ガオレンジャー』の合体ロボ玩具のジョイント規格が共通していることを作品に取り入れたためである。
ちなみに海外版である『
パワーレンジャーシリーズ』には別作品のロボ同士の合体の前例はある。
轟雷旋風神の右腕に天空神を天空武装したカラクリ巨人。
劇場版や本編での最強合体ロボである「天雷旋風神」と名前と合体コンセプトが似ているが、トライコンドルの代わりに風雷丸と合体していること、ハリケンドルフィンがハブられていない真の六機合体であることが相違点。ただしスペックは天雷旋風神より劣る。
また各コックピットにはハリケンジャーとガオレンジャーが一人ずつ搭乗しており、シノビマシンとパワーアニマル両方のパワーが込められている。
必殺技は風神エネルギーと雷神エネルギーそして6人のメインパートナーのパワーアニマルの力を集約し、胸部からライオン型のエネルギー砲を放出する「絶対究極奥義・ワイルドサンダーハリケーン」。
〇余談
終盤で鷹介が負傷する場面があるが、本作の撮影の合間に鷹介役の塩谷瞬が自宅近くで本当に腕を骨折してしまうアクシデントに見舞われたためギブスを巻いたまま撮影を続行できるように脚本を修正したためである。
本作と同時に撮影していたと思われる本編巻之三十七~三十八でも別の理由で鷹介が骨折するように脚本の追加・修正して整合性を持たせている。
一甲と草太郎の相撲勝負は一甲役の白川裕二郎と草太郎が「元力士で怪我を理由に引退した後ヒーロー(の役を演じるよう)になった」という共通点から実現した。
さらに二人の中の人は後に結成した歌謡コーラスグループ「純烈」の一員として2023年現在まで活動している。
月麿が初登場したシーンの遺跡は『
五星戦隊ダイレンジャー』第5話に登場したダオス文明の遺跡の全体像が流用されている。
「決して諦めない。されば追記・修正はやってくる!」
『宇宙忍者ファイル、暗黒七本槍・新二の槍候補チュウボウズ。ちょっと生意気な若造です』
- 逆になんでハブられないパターンがコイツしかないのだ>天空轟雷旋風神 -- 名無しさん (2023-03-14 09:44:34)
- 冴の腹チラにしか目がいかなかった -- 名無しさん (2023-03-14 23:20:11)
- 幹部陣や復活中忍達の戦いは一部本編と同じ戦い方やバンクのものもあったね。 -- 名無しさん (2023-03-15 17:54:59)
- 化けている設定とはいえ、女性仕草するブルーは結構色っぽい -- 名無しさん (2023-03-15 19:46:11)
- 考えてみたら七本槍達が色で煽ったりブリブリ〜!とかやってたと思うと凄いじわじわくる -- 名無しさん (2023-03-16 07:42:34)
- 地味に海は一鍬の事一鍬ちゃんって呼んでるんだよね… -- 名無しさん (2023-03-16 20:43:56)
- 当時観た時は、脳破壊されたようなショックがあったなぁ。アイテム強奪全般に言えるけど。 -- 名無しさん (2023-04-20 11:08:00)
- 本編ではシリアスなマンマルバが他の暗黒七本槍と一緒にノリノリで変身するのはなんか微笑ましい -- 名無しさん (2023-12-27 23:57:13)
- 最新作の敵達が前作の戦隊に変身するってありそうでなかったから新鮮だったな -- 名無しさん (2024-06-01 12:21:34)
最終更新:2024年12月14日 23:03