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Mr.ゲーム&ウォッチ

登録日:2022/02/27 Sun 13:30:00
更新日:2024/08/10 Sat 11:54:18
所要時間:約 8 分で読めます




平面世界の住人


Mr.ゲーム&ウォッチは、1980年に発売された元祖携帯ゲーム機、ゲーム&ウオッチにて登場する黒いキャラクターの総称。
見た目は黒一色の人型で、非常にシンプルである。

もっとも発売当時はキャラクターに名前はなく、項目名でもある「Mr.ゲーム&ウォッチ」の名前は『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に参戦するに当たって付けられたもの。
加えてキャラクター名としてはMr.ゲーム&ウ「」ッチ、ゲーム機の名前はゲーム&ウ「」ッチとそれぞれ微妙に異なるので注意。

主な登場作品

ゲーム&ウオッチシリーズ

初登場作品。
現在のゲーム機のようにカセットを抜き差ししたりゲームをダウンロードするような形ではなく、電卓サイズで液晶画面付きのゲーム機本体に、最初から1つのゲームおよびデジタル時計機能が内蔵されている。
余談だが、ゲーム&ウオッチの開発のきっかけになったのは、横井軍平氏がある日、
新幹線の車内で暇潰しに電卓をいじる大人を見て、『暇潰しにプレイできる携帯ゲーム機』のアイデアが思い浮かんだ事から。
時計機能も当初は入れる予定は無かったものの、『時計機能を付ける事によって大人が時計代わりに購入するであろう』と考えたもので、『大人の暇潰しのための玩具』というコンセプトであった。
だが、実際には小中学生が主な購買層であった。時計機能も親にねだる時の言い分として『これ、時計だから!』と言える要素にもなったのである。
ちなみに、子供達は遠足で時計代わりに持ってバスの中で黙々とウオッチで遊んでいたそうらしい。
このヒットが後に任天堂をゲーム機路線へと変える重要なハードとなっているという事は言うまでも無い。

1980年4月28日に発売された「ボール」から様々な作品が登場し、実質的にその全てにMr.ゲーム&ウォッチが出演している。

2020年には40周年を迎え、記念として限定版のゲーム&ウォッチが発売された(スーパーマリオゼルダの2種類)。こちらはフルカラー液晶・複数作品収録など、時代に合わせた豪華機能になっている。

ゲームボーイギャラリーシリーズ

ゲーム&ウオッチの名作がゲームボーイで遊べるシリーズ。
Mr.は、原作を再現した「むかしモード」で出演。
『ゲームボーイギャラリー4*1』ではマリオと共にゲームの解説などを行うが、普通に喋る

メイド イン ワリオシリーズ

ナインボルトゲームジャンル、ニンテンドーのプチゲームとして登場。
ほとんどのシリーズに登場しており、単体のミニゲームになる事もしばしば。

リズム天国シリーズ

『みんなのリズム天国』及び『リズム天国 ザ・ベスト+』にて登場
「はたらくまんじゅう」と言うゲームにて、ゲーム中の画面左側にて作業をしているMr.ゲーム&ウォッチ*2が確認できる。

スーパーマリオメーカー

キャラマリオの1つで登場。
ジャンプする際にパラシュートを開いたり、水中で泳ぐ際にオクトパスのダイバーの見た目になったりと、原作再現度が高い。
2ではキャラマリオが無いため未登場。

大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ

シリーズ2作目である『スマブラDX』にて参戦。
パックマンと並んで初出作品が最も古いファイターであり、*3
その為かオールスターモードでは毎回最初か最後のどちらかで戦う。
以降はシリーズを通して隠しキャラクターのポジションを貫いている。

当シリーズにおける彼の最大の特徴として、体が平面と言う事が挙げられる。
そして技の動作が全てコマ送り風になっている唯一無二の特徴を持っており、技そのものも独特の挙動を取る。
ちなみに正確に言うとゲーム内に3Dモデル自体はあるのだが、それを2D化し輪郭以外塗りつぶす専用ルーチンが走っている。
ステージ「フラットゾーン」で他キャラも平面化されるのは、この仕組みを他ファイターにも施しているため。

動きに強いクセがあるため扱いは難しいが、攻撃力・機動力は全ファイターの中でも上位に入っており、挙動に慣れさえできれば多くのキャラと互角以上に渡り合える。
ペラペラな見た目通り体重が軽くふっとばされやすいことも含めて上級者向けのキャラクターである。任天堂キャラの重鎮なのに吹っ飛ばされやすい。
なお技は全て元ネタがあり、スマブラオリジナルの物が一切無いのも特徴(詳細は後述)。

DX

初参戦。
ゲーム中最後に参戦するファイターで、全ゲーマーを困惑と驚愕の渦に巻き込んだ。

X

ストーリーモードである亜空の使者にて、亜空軍側で登場。
善悪の概念が存在せず、無尽蔵に影虫を生み出す存在で、ハルバードを自分たちのコピーと操縦していた。
しかしスネークに不意をつかれ、甲板に落とされてしまうが、影虫の暴走によりデュオンとなりファイター達と戦う。
倒された後はフィギュアの状態でフォックスにとどめを刺されそうになるが、ピーチに復活させてもらい、味方側に付いた。
この時、ピーチに傘を貰って喜ぶゲーム&ウォッチが見られる。可愛い。
終盤に登場するため活躍の場はあまり多いとは言えないが、とにかく可愛いところを見せてきやがる。
なぜか名前のテロップがでない。ファイターとしては唯一。

3DS/Wii U

今作に合わせ、各種ファイターのamiiboが登場し、ゲーム&ウォッチも勿論登場する。
が、ゲーム&ウォッチは他ファイターより製作コストが安いためか、4つのポーズが用意されており、台座に抜き差ししてポーズを変える事が出来ると言う優遇仕様。
今作のMr.ゲーム&ウォッチの解放条件は前作・前前作と比べるとかなり楽になっている。
同期のパックマンが参戦した際のPVでは自分達の出典がドンキーコングよりも古い事をネタにしていた。

SP

大半の技を使用した際に、その技の原作に沿った見た目に変わると言う変更点が追加され、より原作再現度と表情の豊かさが増した。

技各種

前述したとおり、Mr.ゲーム&ウォッチの技は全て原作から持ってきたものである。
上述の通りSPでは大半の技でその技の元ネタに沿った見た目になる。

  • 弱攻撃(グリーンハウス)
殺虫剤を相手に吹きかける技。ボタンを連打すると連続攻撃になる。
SPでは技使用時に原作のような帽子を被ったキャラに。
元ネタは、殺虫剤を片手に梯子を上下しながら花に襲い掛かろうとする害虫を退治していくというもの。

  • ダッシュ攻撃(ヘルメット)
ヘルメットを被りながら転び、頭突きする技。
原作は雨あられのように降ってくる工具を避けながらゴールまで進むゲーム&ウオッチ全タイトル中トップクラスにシチュエーションが意味不明なゲームとして有名。
タイトルの割にヘルメットは頭を守ってくれない。

  • 横強攻撃(ライオン)
椅子を突き出して攻撃する。
『SP』では技使用時に原作のような飼育員の見た目になる。
原作は、檻から脱走しようとするライオンを、椅子を持った飼育員を操作して押し返すというもの。

  • 上強攻撃(フラッグマン)
旗を振り上げて攻撃する。
『SP』では技使用時に原作のような横縞の服を着た少年になる。
元ネタは、少年が掲げた旗に書かれているのと同じ数字のボタンを押していくというもの。
上げられた旗に対応したボタンを瞬時に押していく反射神経を試すモードと旗の上げられた順番を記憶するモードがある。
余談だが『ワリオランド2』でもリメイクされたものが完全クリア後にミニゲームとして登場する。

  • 下強攻撃(マンホール)
マンホールを使って相手を空中に撥ね上げる技。
リーチが短く、見た目通り地上の相手にしか当たらないが、当たれば異様に強く吹っ飛ばす。
『SP』では技使用時に原作のようなポーズを取りながらマンホールを持つ人になり、技の仕様も大幅に変更された。
元ネタは、道に空いた穴をマンホールで塞ぐことで通行人を落とさないようにするもの。

  • 横スマッシュ攻撃(ファイアアタック)
松明を相手に振り下ろす技。
炎の部分の吹っ飛ばし力は重量級ファイターのスマッシュ攻撃並に高い。
『SP』では原作と同じ頭に羽根飾りが付いたネイティブアメリカンになる...はずだったが、
発売前にこの見た目が明かされた際、「人種差別的だ」と言う抗議が来て、製品版では羽根飾りが削除された。
それもそのはず、原作は開拓者を操作して、拠点に火を放とうとする先住民をひたすらハンマーで退治するというものなのである。
原作を再現しすぎた悲劇である。
これはゲームボーイギャラリー4にファイアアタックが収録された際にも同様の措置がとられていた。

  • 上スマッシュ攻撃(オクトパス/オクトパスヘッドバット)
潜水士のヘルメットを被り、思いっ切り頭を振って攻撃する技。
頭には無敵判定が付いている上に隙が小さいので非常に使いやすい。
『X』以降は最後の切りふだにも同じ原作が採用されたため技名が変わっている。
元ネタは潜水士を操作し、大蛸の攻撃を掻い潜りながら沈没船のお宝を回収するというもの。大蛸については後述。

  • 下スマッシュ攻撃、起き上がり攻撃(バーミン)
左右にハンマーを振り下ろす技。
下スマッシュ攻撃の先端には相手を埋める効果があり、命中すればそのまま横スマッシュ攻撃が確定する
『SP』では技使用時に原作のような髪が生えた男の子に。
ダウンからの起き上がり攻撃では、ハンマーを前→後ろの順に振り下ろす。
元ネタはもぐら叩き。「バーミン」とは「害獣」を意味する英語である。

  • 通常空中攻撃(DX)上必殺ワザ(X以降)(パラシュート)
『DX』ではパラシュートを広げる攻撃。
『X』以降は上必殺技後に展開してふわふわ落下するために広げる技。
原作はヘリコプターからパラシュートで降下してくる人達を明らかに二人程しか乗れない手漕ぎボートで受け止め続けるというものである。

  • 通常空中攻撃(X以降)(トロピカルフィッシュ)
金魚鉢から魚を出して攻撃する技。
原作は日本未発売。水槽から飛び出した魚を金魚鉢で受け止めて水槽に戻すというもの。魚は金魚鉢からも飛び出す。

  • 前空中攻撃(forまで)(セメントファクトリー)
荷物を運ぶ際の動きで相手を攻撃する。
原作『マリオズセメントファクトリー』の舞台はセメント工場。PCであるマリオは上下する足場を渡りながらレバーを操作し、自動で補充されるセメントが容器から溢れない内に下のトラックへ落とす。
セメントを溢れさせたり、足場に潰されたりするとミス。

  • 前空中攻撃(SP)(ボンアウェイ)
爆弾を落として攻撃する。
原作『マリオズボンアウェイ』は、マリオが爆弾を前線へ運んでいくというもの。
上から火を点けようとする敵兵や味方が捨てた葉巻から地面のガソリンを伝ってくる炎を躱し、右端の兵士に5つ(敵兵の数と同じ)渡せばステージクリア。
哀れ敵兵は爆発四散!

  • 後空中攻撃(タートルブリッジ)
亀を取り出して相手に攻撃する。
亀が噛み付いているのか切り裂き音が出る。
原作は、浮き沈みする亀の群れを足場として対岸へ渡るというもの。

  • 上空中攻撃(スピットボールスパーキー)
口から息を吹きかけて攻撃する。
持続とリーチが長いので、浮いた相手に連続で当たりやすい強技。
『SP』では原作のような目が付いた見た目に。
元ネタは所謂「ブロック崩し」。

  • 下空中攻撃(ドンキーコングJR.)
を下方向にぶっ刺して攻撃する。技の出がかりの瞬間だけ、相手を相手を下方へ勢いよく吹っ飛ばすメテオ効果がある。
『X』以降は急降下するようになっており、奇襲に使える。
「この技のどこにドンキーコング要素が?」と思うかもしれないが、原作はマリオに囚われたドンキーコング(初代)をJr.が助けに行くというもので、この鍵はドンキーコングが囚われている檻を開けるために使うものである。

  • つかみ攻撃、ガケのぼり攻撃(アラーム)
ベルで相手を殴りつける。
元ネタはゲーム&ウオッチのウオッチ、つまりアラーム機能。

  • 前投げ、後投げ、上投げ、下投げ(ボール)
掴んだ相手をボールにして、お手玉をミスする形で相手を投げる。
上投げで相手を宙に浮かせてから通常空中攻撃や上空中攻撃で追撃するのが非常に強力。
『SP』では技使用時に原作のような関節が離れている見た目、相手がストックアイコンに。
元ネタは、玉を落とさないようにお手玉を続けるというもの。ゲーム&ウオッチで最初に発売されたゲーム。

  • 通常必殺ワザ・シェフ
フライパンから料理を飛ばして攻撃する飛び道具。フライパンにも攻撃判定あり。
料理は放物線上に不規則に飛ぶので、崖外に出た相手の復帰阻止にとても有効。
『SP』では技使用時に原作と同じシェフの見た目になるが、5回連続まで。
カービィコピーして使うと元のカラーに関係無く真っ黒になるので、みんなでコピーすると誰が誰だか分からなくなる。
元ネタは、料理をフライパンで跳ね上げて落とさないようにするというもの。

  • 横必殺ワザ・ジャッジ
看板から数字を表示しながらハンマーで攻撃する技。
運要素が強く、出た数字に応じた様々な効果を持つ。
『for』では下投げから確定でこの技が繋がるため、どんなに不利な状況でも掴みが入りさえすれば9分の1の確率で撃墜ができてしまうと言う恐ろしい性能だった。
『SP』では技使用時に原作のような顔が付いた。
実はどの数字が出るかは完全ランダムと言う訳ではなく、シリーズによって違った法則がある。
元ネタは、二人が数字の書かれたカードを掲げ、数の大きい側が攻撃し、小さい側は避けるというもの。早い話じゃんけんを数字比べに置き換えたじゃんけんヘルメット(叩いて被ってじゃんけんぽん)。対戦プレイ可能。

  • 上必殺ワザ・ファイア
消防隊にトランポリンを出してもらい、飛び上がる技。
技の出が早く、逃げ技としてもガーキャン技としても優秀。
特にSPでは発生3F(=ジャンプと同じ)な上に当たれば真上に吹っ飛ばすので空中での追撃も可能と、最強クラスのガーキャン技にまで昇華している。
元ネタは、火事になったビルから飛び降りてくる人々をトランポリンで受け止め、バウンドさせながら救急車に放り込むというもの。
なお、ファイターとしてのMr.ゲーム&ウォッチの見た目は本作の要救助者が元ネタ。

  • 下必殺ワザ・オイルパニック
相手のエネルギー系の飛び道具を吸収し、一定ダメージを溜めた時に使うとオイルを相手に放出する技。
このオイルはとても強力で、喰らったらひとたまりもない。
『SP』では技使用時に原作のような見た目になり、その上物理系の飛び道具を反射できるようになった。
反射と吸収を兼ね備えた優秀な技である。
原作は上下ダブルスクリーン。ガソリンスタンドが舞台であり、上画面は屋内で、下画面は屋外の全景。
上画面ではバケツを持つスタッフを操作し、天井のパイプから滴り落ちるオイルがコンロに引火しないように受け止める。3滴までが限界であり、適宜下画面のスタッフにオイルを渡す必要がある。
下画面ではCPUのスタッフが左右に往復しており、上画面のスタッフからオイルを受け止める役割を担う。
上画面でオイルを受け止めるか、下画面のスタッフにオイルを渡すとスコアが加算。
上画面でオイルを受け止め損ねたり、4滴目を受け止めようとして溢れさせると1ミス。また、下画面のスタッフに渡そうとして狙いを外すと、下のお客さんがオイルを被って1ミス。

巨大な蛸に変身し、相手に触手を伸ばして攻撃する技。
『SP』では相手を掴んで場外に追いやる技に変更された。




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最終更新:2024年08月10日 11:54

*1 日本においてはバーチャルコンソール配信のみで発売

*2 はたらくまんじゅうではマリオズセメントファクトリー、リミックス3ではコック、元祖はたらくまんじゅうではジャッジのMr.ゲーム&ウォッチが登場する

*3 アシストフィギュアを含めると1977年発売のテレビゲーム15が最古の作品となる