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ファヴニル・ダインスレイフ

登録日:2022/02/24 Thu 4:25:00
更新日:2024/12/11 Wed 08:25:48
所要時間:約 5 分で読めます





おまえが奴を目指すというなら、まずは欲望竜(おれ)を獲ってみろ

でなくば不死身になれないぞ?でなくば光になれないぞ?破滅の魔剣をその手に宿し──

竜殺しを成し遂げて、見事英雄になるがいい!俺を下した奴のようになァァ!





ファヴニル・ダインスレイフとは『シルヴァリオ トリニティ』の登場人物である。
CV:ほうでん亭ノドガシラ(PC版)/檜山修之(CS版)



◆概要

アンタルヤ商業連合国に属する悪名高い傭兵団“強欲竜団(ファブニル)”の頭領。
東部戦線を主戦場とし、アドラー撃滅に命を懸けるテロリスト。反帝国の象徴とも言える存在。
今は亡きヴァルゼライド総統閣下に強い執着を持っていることで知られており、いつか己の手で英雄を滅ぼすことを最大の目的としている。

ヴァルゼライドの死の報は聞いているが特に問題とも思っておらず、復活、新生、再誕──あるいは後継。どのような方法でかはわからなくてもあの男は必ず蘇ると確信している。



◆来歴

ダインスレイフがその名を轟かせる19年前の話である。かつて帝国の東部国境付近に、ニルヴァーナという「ミツバ」の庇護を秘密裏に受けながら麻薬を売りさばいていた巨大組織があった。
当時の彼はそこに属する末端の構成員であり、現在とは打って変わって怠惰な小悪党だった。
貧しい家に生まれたわけではなく、真面目に働けばそれなりには幸せを得られる境遇だったが、だからこそ楽に生きられる道がありながら、なぜわざわざ苦労するやり方を選ぶのかが彼には皆目わからなかった。
その楽な道が中毒者の人生を踏みにじることで舗装されたものであろうと…自分が楽ならそれでいいし、もっと分け前が欲しいと思ったことは何度もあったが、危険や責任が増えるのは御免だからのし上がるつもりもない。
どこにでもいる小悪党、屍肉にたかる蝿の一匹でしかないくだらない男。夢や野望を嘲笑し、必死になるなんて馬鹿のすること、努力が報われる保証はこの世のどこにもない。──そんな彼に転機が訪れる。

クリストファー・ヴァルゼライドの登場である。
断罪の刃が多数の構成員をまとめて斬殺した際、その刃に巻き込まれて傷を負い、衝撃で崩れた瓦礫の下敷きになる。命を取り留めたのはただの幸運である。
血まみれの視界に映ったのは、一人の男の冗談みたいな快進撃。悪を裁く浄滅の祈りに敵は無し。
なんて、圧倒的な英雄譚。奴は本気で怒っているのだ。奴は本気で挑んでいるのだ。全体重をかけて、全存在をかけて、全身全霊をかけて。
"もし"とか"たら"とか"れば"とか、そんなものの介在する余地の一切ないほどの本気で。

自分はああまで真剣に生きたことが今まであっただろうか?──いいや、一度だってない。
努力が報われるという保証はないから?意志の力で何とかなるなど夢物語?
なんて馬鹿な勘違いだったのだろう。目の前にこれ以上ないほどの実例がこうして存在しているというのに。
人間は不断の努力で、これほどまでに限界を超えられる。
人間は意志の力で、どこまでも不可能を可能にするのだ。

掃討を終え、自分から遠ざかっていく背中に手を伸ばす。
殺されることは怖くない。ただ唯一、アレの視界に映らないまま死ぬことだけが恐ろしかった。
「待て──待ってくれ不死身の英雄(ジークフリート)、俺を置いて行かないでくれ」

この日人知れず男は死に、竜が小さくその産声を上げた。



強欲竜団(ファブニル)

ダインスレイフを頭領とする、アンタルヤ商業連合国に根を張る傭兵団。主な支援者は十氏族が一つ「ミツバ」。
通常の傭兵とは在り方が異なり、金銭の多寡ではなく軍事帝国アドラーを害することのみを目的としている。
ダインスレイフが一代で興し、また彼以外に名のある構成員もいないワンマンチームだが、その何でもする強さと非道は広く知れ渡っている。
星辰奏者という強大な力を独占していた頃の帝国が古都プラーガを落とすまでに至らなかった大きな要因の一つにまで挙げられているほどの、帝国にとっての脅威。

星辰奏者技術流出によってダインスレイフが星辰奏者と化してからは三国にとって無視できない存在となっており、商国では十氏族にすら匹敵する発言力を彼は得ている。

  • 機甲星装兵(ワーグナー)
強欲竜団の新作兵器。
色々と改造を施すことで、ただの人間が意志なき爆弾人形兵へと新生。
武装は専用の銃砲で、そこから放たれる銃弾には星光が含まれるが、その感応は非常に不安定であり何時自分ごと爆発するか分からない。
この手の兵器の基本として苦痛や肉体の欠損を恐れる事もなく、対策無しに突っ込めば星辰奏者でも苦戦は免れない。



◆能力

元が劣等で、その半生は怠惰な小悪党であったため、意識改革後はヴァルゼライドに追いつくために狂気的な努力を重ねてきた。
具体的には、生死を彷徨う計37回に及ぶ人体改造を繰り返したことで骨格の大半及びいくつかの内蔵さえアダマンタイトになっており、心臓にはオリハルコンが埋め込まれている。見た目は人間でも薄皮の下には機械骨格が覗くサイボーグ同然。
「この一生にすべてを懸けるから」と改造の初期段階で生殖器も切り落とし、元の身体など現在は3割程度しか残っていない。

ギルベルトは施された改造手術を少なくとも5回と見積もっていたため、本人から手術回数を聞いた際は少なからず驚愕していた。
ここにヴァルゼライドに由来する「まだだ!」が加わり、その戦闘能力はチトセ、ギルベルトとほぼ互角
劣等の身から努力と根性で駆け上がったという経緯は憧れの英雄に近しいものがある。
ただし支払った対価もまたヴァルゼライドと同様であり、ダインスレイフの寿命は残り数年まで縮んでいる。

あのギルベルトですら強欲竜団を根絶できていないことからわかる通り、戦争屋としては非常に優秀。
ヴァルゼライドにもその危険性を認識されていたが、彼が討伐に赴くことは最後までなかった。*1



星辰光



創生せよ天に描いた星辰を──我らは煌めく流れ星

美しい──見渡す限りの財宝よ。父を殺して奪った宝石、真紅に濡れる金貨の山は、どうして此れほど艶めきながら、心を捉えて離さぬのか

煌びやかな輝き以外、もはや瞳に映りもしない。誰にも渡さぬ、己のものだ

毒の吐息を吹き付けて、狂える竜は悦に浸る

その幸福ごと乾きを穿ち、鱗を切り裂く鋼の剣。巣穴に轟く断末魔。邪悪な魔性は露と散り、英雄譚が幕開けた

恐れを知らぬ不死身の勇者よ。認めよう、貴様は人の至宝であり、我が黄金に他ならぬと

壮麗な威光を前に、溢れんばかりの欲望が朽ちた屍肉を蘇らせる
故に必ず喰らうのみ。誰にも渡さぬ。己のものだ。滅びと終わりを告げるべく、その背に魔剣を突き立てよう

超新星(Metal Nova)――邪竜戦記、英雄殺しの滅亡剣(Sigurdbane Dainsleif)

基準値 発動値 集束性 拡散性 操縦性 付属性 維持性 干渉性
B AAA B B C E D A


シグルズベイン・ダインスレイブ。
その能力は「物質に星光を流し、別の形に作り変える」。
路面、地面、建造物などを材料に竜の顎を模した剣山の群れを形成するのが主な使い方で、高い干渉性は広範囲に星を行き渡らせる。
操縦性が並であるため凝った細工はできないが、大雑把な広域殲滅という意味では随一。地形への影響力と、AAAというかつての英雄に匹敵する圧倒的出力の相乗はもはや人技を超えた怪獣のごとき暴威。
性質上、最も力を発揮するのは材料豊富な市街地だが、星を解放した時点で勝っても負けても周囲はただでは済まないため"守る戦い"にはまるで向かない。

詠唱の元ネタはゲルマン神話に出てくる龍「ファブニール」。
なお詠唱がヴァルゼライドへの並々ならぬ感情満載な点から、ファンからはヴァルゼライドへのラブレター扱いされている。


人造機竜


天昇せよ、我が守護星──鋼の恒星(ほむら)を掲げるがため


基準値 発動値 集束性 拡散性 操縦性 付属性 維持性 干渉性
A AAA AA AA B E C AAA


ミステルルート終盤にて、死したダインスレイフが新生した姿。
外見こそ以前と変わらないが、大半がアダマンタイトに置き換えられた骨格──心臓に内蔵されたオリハルコン──そして、特殊な才能を備えた亡骸(そたい)
これら複数の条件を満たし、かつ数%を下回る成功率を尋常ならざる本気で補ったことで、彼は遂に人類種を逸脱した。
新たな魔星人造惑星(プラネテス)の誕生である。

跳ね上がったステータスも脅威だが、それ以上に人造機竜と帝都に存在した魔星たちの間には戦闘技術の有無という一線を隔する点がある。
元々身体能力と超常の星辰光(カタログスペック)だけで星辰奏者を圧倒し、死体の山を作り出せる彼らには戦士としての技まで磨く意味と意義が薄く、大半の個体が性能頼りという特徴を有していた。しかしダインスレイフは違う
彼は人からいきなり機械へと生まれ変わったのではなく、徐々に機竜へと近づいていった改造兵器。
実戦を重ね技を一歩ずつ昇華させ、馴染ませては強化し、強化しては馴染ませての研鑽を十数年と繰り返してきた。
結果、人造機竜は史上初めて人外としての能力と人間としての技術を両立させた最新にして最強の魔星として完成するに至る。もしヴァルゼライドが存命であっても竜殺しを成し遂げられる保証はない。



◆本編の活躍

共通ルートでは戦いの中でアッシュの正体を訝しみ、いつでも殺せる一般的な精鋭レベルでありながら瞬間的にヴァルゼライドの片鱗を見せるそのチグハグな様に思案を巡らせる。
やがて一人合点すると狂ったように笑い出し、なぜか審判者の手腕を称賛するとその場は退散していく。

ミステルルートではアッシュが元強欲竜団の所属であり、囮として使い捨てたと思ったらギルベルトに捕らえられ実験用に再利用されたという真実を告げる。
終盤にミステルの光槍に飲まれて死亡するが、条件の達成と本気により「人造機竜」として復活。
レインを圧倒した後アッシュとミステルの2人と激突した。




おまえが語った通り、人類皆が揺るぎなき鋼の意志を備えていたらいったいどうなる?
極論、本気の覚悟で核爆弾を落とせるような輩ばかりの世界が……存続できると思っているのか?

目を覚ませダインスレイフ。人類の本気を受け止められるほど、地球は丈夫に出来ていない……!



ならば──ッ

この星を破壊する(・・・・・・・・)!俺は本気だ、やってやるぜぇぇッ──!!



覚醒は止まらず2人が至った「応報刃」にすら徐々に対応し始めるが、二十二度目の覚醒を果たそうとした瞬間に心臓以外(・・・・)が悲鳴を上げた。
つまりは自壊。その身を機械と化してなお、ダインスレイフの本気に身体がついて行けなかったのである。



◆余談

『トリニティ』人気投票の結果は4位。
『ラグナロク』発売後に行われたシリーズ全キャラ総選挙では7位。

37回の改造というと多さはともかくどうもキリの悪い印象だが、彼にとっては意味のある数字だったようで「よし、37回目は記念として大改造やっちまうか!」くらいの感覚で上機嫌でオリハルコンを埋め込んだらしい。
ちなみにクリストファー・ヴァルゼライドはアドラーの第37代総統である。






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最終更新:2024年12月11日 08:25

*1 帝都のカグツチ、魔星から目を離すわけにはいかないため