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デザスト(仮面ライダーセイバー)

登録日:2021/02/03 Wed 22:43:11
更新日:2024/11/23 Sat 02:01:17
所要時間:約 5 分で読めます


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Will save us アルターライドブック エターナルフェニックス キメラ シリアスな笑い ダウナー ダークライダーズ デザスト トリックスター ハンミョウ バトルジャンキー バトルマニア フェンリル フリーダム マフラー メギド ライダー怪人 ワンダーライドブック 不気味 不遜 予測不能 令和の地獄兄弟 令和ライダー 仮面ライダー 仮面ライダーアウトサイダーズ 仮面ライダーセイバー 仮面ライダーデザスト 仮面ライダーファルシオン 内山昂輝 剣士 合成メギド 声優ライダー 好戦的 実力者 岡田和也 嵐属性 幹部? 幻獣 強敵 怪人 怪人ライダー 悪役ライダーリンク 意外とフレンドリー 憎めない悪役 戦闘狂 本の魔人メギド 本編より先に立った項目 榮男樹 歌う骨 残忍 準レギュラー 無銘剣虚無 物語 特撮オタクを煽る内山 生物 神出鬼没 第三勢力 紅生姜 聖剣ソードライバー 自由人 自由気まま 蛇足 覇剣ブレードライバー 身軽 酉澤安施 配信限定ライダー 骸骨 骸骨忍者伝 髑髏 魔人 魔物 黒嵐剣漆黒




封印されしメギド…。今こそ、その鎖を解き放て……。


デザスト!


匂うな。世界と本と剣が擦れ合う、最低で最高に楽しそうな匂いだ…!


本の外に出るのは15年ぶりか。どんな気分だ?

フン…!お前に言う必要があるか?


デザストとは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーセイバー』に登場する怪人である。

CV内山昂輝 / スーツアクター:岡田和也→榮男樹 / クリーチャーデザイン:酉澤安施


【データ】

種族:本の魔人メギド
アルターライドブック:デザスト
身長:206.4cm
体重:121kg
特色 / 力:幻獣・生物・物語の力 / 剣技


【概要】

本の魔人メギドの一体だが、
……の3つの属性の力を組み合わせる事で誕生した経緯を持つ、メギドの中でも異彩を放つ特殊な個体で、乱暴な表現をすれば仮面ライダーセイバー仮面ライダーブレイズ仮面ライダーエスパーダが変身するワンダーライドブック3冊同時使用のメギド版とも言える。
実際、それを裏付けるかのように両肩がフェンリルの黒い狼、全身がハンミョウの鎧のような甲殻、顔面が「歌う骨」の赤い髑髏を彷彿とさせる形状となっている他、封印元である「デザストアルターライドブック」も通常のものと異なり、表紙「ジェイルバインディング」が赤く染まり、内部ページも黒く変色している。

15年間封印されていたが、第4章にて仮面ライダーカリバーの手で解き放たれ、現代に復活した


【人物】

一人称「俺」
常に気怠げな言動を取り、相手が誰であろうと不遜な態度を崩さないダウナーな性格で、相対する人物や状況を何かしらの「匂い」で表現する癖の持ち主。
神出鬼没であり、敵であるはずの剣士達に対しても砕けた態度で自然に話しかけたりと、その真意はかなり読めない。

しかし、その本性は残忍な戦闘狂であり、自分自身が楽しめられるのであれば、同族のメギドであろうと平気でその手にかける。
勿論、ストリウスレジエルズオス達幹部への忠誠心は持っておらず、封印されていたのも恐らくはその予測不能な性格による危険性が原因と思われる。

その正体はストリウスが単なる気紛れで適当に生み出した戦闘生命体。
後述の戦闘能力を持ちながらも、その存在は彼らの作戦や計画に一切組み込まれておらず、単なる戦力以外では存在価値を見出されていない。
恐らく、その気だるげな態度や幹部達に対する忠誠心の無さも、こうした誕生経緯や後述の体質による影響で「」という概念が存在せず、自分が存在し続ける事に意味を見出せていないからとも考えられる。

戦闘能力

15年の加齢というハンデもあったとはいえ、ソードオブロゴスのベテラン剣士にして『最強の剣士』たる仮面ライダーバスターすらも苦戦させる実力を誇る。
また、彼に葬られた剣士も少なくないらしく、その証拠に倒した剣士が所持していたとされるワンダーライドブックを強奪し、自らのものとしている。

戦闘面では刀身部に赤い髑髏の装飾が造形された長剣「グラッジデント」を振るいつつ、身軽な動きで敵を翻弄する戦い方を得意とする他、首元に巻いた伸縮自在の赤いマフラーで敵を捕らえて締め上げたり、打ち据える攻撃も行う。

他にもメギド共通の特性として、封印元のアルターライドブックが失われない限り、たとえ倒されても何度でも甦るという厄介さも持ち合わせているが、彼の場合はその再生能力が尋常ではないまでに高く、たとえ爆死する程のダメージを負ってもアルターライドブックを操作する人物を介する事なく自力で瞬時に復活出来てしまう。

  • カラミティ・ストライク
高速回転しながら勢いよく突撃し、目にも止まらぬ速さで紫色に輝く斬撃を連続で放つか、グラッジデンドを振るって赤い炎を纏った紫色のエネルギー刃を放つ。
なお、ご丁寧に発動前には技名を呼称する。
後述のファルシオン変身時には「不死鳥無双斬り」と同時に発動し、背面から翼を発生させると同時に紫とオレンジのエネルギーを纏い、高速回転しながらグラッジデントと無銘剣虚無による斬撃を食らわせるパターンを使用した。


【仮面ライダーファルシオン】



何がおかしい?

物語の結末に必要な、最後のピースが揃いそうで、つい…。

そうか?なら俺がお前を倒す。

何故?

まだまだ十分楽しんでねぇ!その前に世界が無くなるのは…困るんだよ!


エターナルフェニックス!


抜刀…!

……変身。


エターナルフェニックス!!


虚無!

漆黒の(つるぎ)が、無に帰す……!


第38章における刃王剣十聖刃及び仮面ライダークロスセイバー誕生後のどさくさに紛れる形で、バハトが残した無銘剣虚無を人知れず入手し、第41章にて変身を果たした。
無銘剣虚無に加えて自身が持つ「グラッジデント」と合わせた二刀流で相手を圧倒する他、デザスト自身の不死性不死鳥モチーフの神獣「エターナルフェニックス」の力が合わさった事により、バハトに匹敵する程の再生力を獲得した。
ファルシオンについての詳細はこちらを参照。


【関連人物】

『最強の剣士』にして『最強の子育て王』を自称する土の剣士
曰く「長い付き合い」であり、スピンオフ『仮面ライダーセイバー 剣士列伝』第1話の回想シーンにおける15年前の戦いを始め、本編でも第4章を皮切りに幾度となく彼の前に立ちはだかっている。
また、『仮面ライダーセイバー Blu-ray COLLECTION 1』収録のオリジナルスピンオフドラマ『ソードオブロゴスサーガ 前編』では、15年前の戦いにおいて彼の眼前で「先代エスパーダ=新閃恭一郎」と「先代剣斬=鏡天祢」の命を奪った事も明かされている。

本編で初めて彼を倒した若き風の剣士
しかし、『剣士列伝』第2話では戦いの中でただひたすらに強さを求める姿を見て「強さの果てを見たくないか?」「俺と一緒に来るか?」と冗談とも本気ともつかない態度で誘いをかけた他、戦いの後に「奴は間違いなくこっち側だ」と呟くなど、どこか自身と似たものを感じ取っている様子だが……?

幹部クラスのメギドの1人。
一応自身の上司に当たるため、彼の前では「様」付けで呼んでいるが、上記の通り忠誠心は皆無であり、本人のいないところでは小馬鹿にしたような態度で「ズオスちゃん」と呼んでいた。

幹部クラスのメギドの1人にしてデザストの創造主。
ただし、ストリウスにとっては気紛れで適当に作っただけの存在でしかなく、「私の物語には不要な存在」と評して存在価値を見出していない。

ソードオブロゴスを裏切り、メギド側に与した闇の剣士
彼にとっては自分を解放してくれた恩人のような存在であるが……。


【劇中での活躍】

上記の通り第4章にてカリバーの手で解放されると、サンショウウオメギド(ハンザキメギド)から尾上亮の一人息子・そらを救うために駆けつけた神山飛羽真達の前に出現。
15年ぶりの相手として、息子の救出を飛羽真と新堂倫太郎に任せたバスターと一進一退の攻防の末に必殺技の打ち合いで相打ちとなるが、その隙を突かれてストームイーグルワンダーライドブックを奪還されてしまう。
しかし、怒るどころか寧ろ高笑いと共に「いいぜ、これからもっと楽しくなるんだ。そいつはくれてやる!」とワンダーライドブックを餞別としてそのまま明け渡して去っていった。

続く第5章ではワンダーワールドの目印となる虹色の泡の調査を進めていた倫太郎と須藤芽依の前に「そうだな、考えてやっても良いかな」まるで漫才のような自然な口振りで話しかけながら接触。
2人に「良い事を教えてやろう。俺達はワンダーワールドを浸食し、乗っ取って支配する」と自分達メギドの目的を明かすも、口封じに現れたズオスの横槍を受けてその場から姿を消した。

その後、第6章で一度は剣斬の手で倒されるも、第7章で復活してからは幹部達の指示に従ってメギド達の作戦を手伝いつつ、剣士達との戦いを愉しんでいたが、第15章にて『目次録』内部の空間に侵入し、セイバーとの一騎討ちの末に敗北したカリバー=上條大地の隙を突いて背中から刺し貫き、彼が持っていたデザストアルターライドブックを強奪。
今まで幹部やカリバー達に従っていたのも、全ては自身を封印する力を持つデザストアルターライドブックの回収のためだったのである。
そして首尾よく目的を果たすと「これで俺は、完全に自由だ……!」と言い放ち、そのまま行方を晦ましたのだった。

それからしばらくは姿を見せなかったが、第20章にてセイバー・レジエル・剣斬の三つ巴の戦いに参加。
レジエルから「引っ込んでろ、デザスト!!」と一喝されるも、既にデザストアルターライドブックを手に入れ、自身を縛る枷から解き放たれると同時に幹部達に従う理由も無くなったため、直後にレジエルに一撃を見舞い、自分の思うままに動く事を宣言した。


お前が消えろ!

どういうつもりだ!?

俺は自由なんだ!

何ィ!?

俺がもっと面白くしてやる。この世界を……俺好みに染めてなぁ!

そのままセイバー達と戦う中、偶然にも剣斬とシンクロしながら同じタイミングで攻撃を繰り出した事で、自分と蓮が同類であると確信を抱くと、どこか嬉しそうに「やっぱりお前はこっち側だな!」と発言。
その言葉を否定するかのように怒りに任せて斬りかかる剣斬を茶化しながら軽々往なすと、そのまま戦線離脱した。

それからしばらくして第28章では戦闘には参加せず、富加宮賢人がカリバーとなって復活した後、風双剣翠風を封印されて失意に暮れる蓮の姿を物陰から観察し、第30章では風の力を失い、ソードオブロゴスを抜けた蓮に付きまとい、「お前は強くなりたいんだろ?」「強くなりたいなら、俺と来い」などとしつこく勧誘。
当然の如く彼からは一蹴されていたが、何らかの確信があるのか「お前は必ず来る。フッフッフッフッフッ……!」と不敵に笑いながらそう言い放つと、その場は退散していった。

「仮面ライダーを闇堕ちさせようとしている前期のヴィラン」と、やっている事を簡単に纏めればシリアスな立ち位置にあるデザストだが、その実態は洗脳するでも脅迫するでもなく、付きまとって勧誘し続けるという地味なものであり、背景やこれまでの行動とのギャップからコメディリリーフ的な印象を受けるが、果たしてそんな彼の真意は……?

黒き魔物、緑の風向きを変える。

その後、第33章にて風双剣翠風を回収しようとする神代玲花/仮面ライダーサーベラをなし崩し的とはいえ共闘して退けた事から、遂に蓮を自分の側に引き込む事に成功する。
……というと一大事に思えるかもしれないが、実際の所はそうして蓮と合流しても悪事らしい悪事は一切働かず、2人であてもなく各地を転々とするという「闇堕ち」とは名ばかりの何とも緩すぎる状態になった。
それと同時に、一度組織の柵から解放された事で本当の意味で悩み始める蓮に対し、偏りこそあれど本人なりに親身に受け止めてアドバイスまでし始めるなど、彼とは腐れ縁の悪友のような関係になっていく。
なお、放浪中の食事は2人共豚骨味のカップ麺だが、彼の場合は紅ショウガ入りが好みらしく、その存在価値について蓮と口論になり、そこから遠回しで蓮が本当の強さを手に入れられない理由がそこにあると指摘した事も。

そんなこんなで蓮と気ままに行動を共にし続けるデザストであったが、第41章にてマスターロゴスに止めを刺し、オムニフォースワンダーライドブックを奪ったストリウスと対峙。
世界を終わらせようとする彼に対し、上記の理由からファルシオンに変身して矛を交える事になる。
最初こそ拮抗していたものの、ストリウスがカリュブディスを召喚した事で手数的に押され始めていき、「不死鳥無双斬り」の威力を上乗せした「カラミティ・ストライク」を繰り出して一度は倒すがすぐさま復活。
再びストリウスと刃を交える中、カリュブディスの不意討ちを受けて右半身を喰われて変身解除した挙句、自身の核であるデザストアルターライドブックも酷く損傷してしまう。
それでも無銘剣虚無を投げつけて撃破するも、「なんか、白けちまったな……!と吐き捨てて戦線離脱した。

その後、蓮の元へ帰るデザストであったが、火花を散らす自身のアルターライドブックを見てもはや命が長くないと悟ると彼にグラッジデントを突き付ける。


俺と戦え、本気でな。

さもなきゃ前の風の剣士みてぇに、お前も死ぬ事になる……。

激突、存在する価値。

第42章では応じた蓮と対決するも、これまでの迷走を経て「本当の強さ」について感得しつつあった蓮は「こんな事してても、意味無いよ」と戦いを中断。
近くのベンチで揃ってカップ麺を啜っていた時には、上記の通り紅生姜の有無で口論になる一幕もあった。

その後、「蓮が迷い続ける原因は炎の剣士にある」と見なしたデザストはストリウスに挑まんとする飛羽真を急襲し、その中でストリウスから自身の出生に纏わる真実を聞かされながらもクロスセイバーと一戦交えるが、その最中に「自身と蓮が似ている」と指摘され、苛立ったところを「激土クロス斬り」の一撃で敗退。
欠損した肉体の再生が追い付かなくなった事をクロスセイバーに感付かれながらも、その場から撤退した。

そして第43章。
力を振り絞って肉体を再生させ、廃工場を一人彷徨っているところに再び姿を現す蓮。


苦悩と決意に満ちた、甘くて苦々しい匂いがする……。

……お望み通り、お前と戦ってやるよ。

へぇ…。どういう風の吹き回しだ?

……まあいい。…来いよ!

今度は打って変わって自ら勝負を挑んできた彼を訝しみながらも、嬉々として受けて立つデザストに、ブレイズの剣技を真似た剣斬の一撃が放たれるが、


あ~あ……。そりゃねえだろ……。

なあ!おい!?そうじゃねえだろ!!

と、この期に及んで繰り出した技が「借り物」という蓮の成長のなさに呆れ、はっきりとした失望を露わにすると、今度は一方的に彼を攻め立て変身解除に追い込んだ。
自身の非力さに対し、「何で俺こんなに弱えんだよ!?」と絶叫し、生身のまま切り掛かられて逃げ回る蓮にデザストは「お前の存在意義は無い……」と吐き捨て、そのまま無銘剣虚無の一振りで斬り殺さんとする。
だが……


強さの果てを見たくないか?

……俺は、見てみたい……。だから、このままじゃ終われない……!

かつてデザストに掛けられた「強さの果て」という言葉を思い出し、ギリギリのところで持ち直した蓮は彼の一撃を躱すと、風双剣翠風を構えて再び立ち上がり、果敢に挑みかかった。
迷いも恐れも捨て、剣士として再起したその姿に、今度こそ本気の喜色を露わにして向き合うデザスト。


ハハハッ!!どうした?お前らしくなって来たじゃねぇか―――

“お前”じゃない!!俺は……緋道蓮だ!!

俺は……デザストだ!

……うおぉぉぉぉぉ!!変身ッ!!

今更のようなその名乗りは、互いの存在を確認するある種の儀式。
物語から切り離された剣士とメギドの決闘は激しさを増していく。

いいねぇ、“蓮”!!楽しくなって来たぜぇッ!!

しかし、今度は先程とは打って変わって、再変身した剣斬がデザストを終始圧倒。
アルターライドブックの損傷により再生力を失ったデザストは今度こそ追い詰められるが、全くそれを意に介さず戦いにのめり込んでいく。
ストリウスの気まぐれで生み出され、存在する理由も大義も無いデザストと、己の弱さに振り回されて道を見失った蓮。
言うなれば「意味の無い者」の対決は、己の存在意義を見出すための通過儀礼でもあり、そこに生死はもはや関係なかった。


俺の全存在をかけて……お前を倒す……。

……フフフフフッ……。ハハ、ハハハハハハッ……。来いよォォォォッ!!

剣斬のその宣告こそが、デザストの存在そのものだった。
風の剣士が己の全てをかけてでも倒すべきメギド。
借り物の技ではなく、「仮面ライダー剣斬」として持てる全てを叩き付けるべき敵。
意味も無く生まれ、意味も無く消える存在ではない。デザストはこの瞬間、確かに存在する価値を見出せたのだ。

これだよ、これ…!生と死が混じり合い、刃と刃が交じり合う……!ハハハッ……。最低で、最高の匂いだ!!

廃工場内に漏れる光の中、鍔迫り合う2人。


ったく…!お前になんか、声かけるんじゃなかったぜ。

ああ…お前となんか、出会わなきゃよかった。

もう会わねえよ……!

その刹那、剣斬が繰り出した渾身の一撃が、デザストの命を切り裂いた。


あぁ…つまんねぇな、もう終わりか……。

……お前はそのままでいいんだよ…。

ああ、それとな───紅生姜、ちゃんと食えよ?フフフフッ、ハッハッハッハッハッハッ……。

ハァ…。マジ…ないわ。

そのやり取りを最後に、デザストは静かに消滅した。
マフラーと破損したデザストアルターライドブックを手に、蓮は小さく呟く。

───楽しかったよ。……ありがとう。

それは奇しくも、蓮が初めてデザストを倒した時と同じ言葉だった……。

蓮にとっては仲間とも敵とも言えない奇妙な相棒だったデザスト。
たとえ誕生した理由や存在意義は無くとも、共に過ごした時間とその最期は蓮に「成長」という大きな意味を齎したのだった。

その後、デザストの遺言通りに紅生姜入りのカップ麺を啜る蓮の傍らには、風双剣翠風に加えて無銘剣虚無が置かれていた。
まるで彼に対する哀悼の意を示すかのように……。

……しょっぺ。

残された刃、残した爪痕。

デザストが残した無銘剣虚無と損傷したデザストアルターライドブックだが、その後は蓮が所持し、ストリウスとの決戦に向かう際には彼の腰にマフラーが巻かれていた。
「滅びの塔」で立ちはだかったロード・オブ・ワイズ スパルタンに対し、大秦寺哲雄/仮面ライダースラッシュと共に挑む剣斬は、往年の剣技に圧倒されながらもスラッシュの捨て身の反撃で糸口をつかむと猛反撃を開始。
風双剣翠風を投げつけると同時にスラッシュが放った銃撃を利用し、スパルタンの目の前で「疾風剣舞」を発動、不意を打たれたスパルタンは持っていた武器を弾かれて丸腰になってしまう。

そこに無銘剣虚無を構えた剣斬が斬り込み、シンガンリーダーにデザストアルターライドブックを読み込ませて「カラミティ・ストライク」を発動。
幻影となって現れたデザストは、剣斬と共に高速移動しながら大量のグラッジデントによる連続攻撃を叩き込み、止めに前後からの挟み撃ちでスパルタンの完全撃破に成功。
すれ違う刹那に消えた幻影のデザストだが、彼が最後に残したのは満足げな含み笑いだった。

剣士達の剣技を作り上げた古強者たるロード・オブ・ワイズも、メギドであるデザストの技は知らず、ましてやそれを我流でアレンジした「剣斬のカラミティ・ストライク」を初見かつ無手の状態で捌く事は不可能。
デザストが残したものは蓮に確かな影響を与え、それは四賢神の一人を撃破するという形で結実したのであった。




【余談】

  • 名前の由来は恐らくフランス語で「天災」を意味する「デザストル(désastre)」から来ていると思われる。


  • 初登場した第4章にて、ストームイーグルワンダーライドブックを手に取りつつ「相変わらず、こういうので遊んでんのか?」と言い放つシーンがあるが、一部特撮ファンの心にグサリと刺さったのか「特撮オタクを煽る内山」とネタにされた事も。

  • 本作の東映公式Twitterでは、なんとアカウントを乗っ取って「#デザさんぽ」と称した、公園でのびのびと寝転がったりしている上條殺害後の彼の日常が、蓮と行動を共にするようになって以降は「#デザさんぽvs#剣斬ぽ」と銘打った対決動画を投稿するようになった。
    なお、『セイバー』Blu-ray COLLECTION 2にはこの「#デザさんぽvs#剣斬ぽ」にデザスト役の内山氏と蓮役の富樫慧士氏による台詞を新録した「完全版!デザさんぽ vs 剣斬ぽ」が映像特典として収録されている。


  • モチーフの一つであるハンミョウだが、人が近付いた際に飛び跳ねながら逃げる様子から「ミチシルベ」「ミチオシエ」などとも呼ばれており、興味本意だったとはいえ悩める蓮を諭す様子に合致している。
    また、紅生姜の材料である生姜花言葉「豊かな心」「信頼」「慕われる愛」「無駄な事」で、ハンミョウと同様に蓮とデザストの関係に通ずるものとなっている。

  • 蓮との最後の戦いではバラード曲「Will save us」が挿入歌として流れたが、この曲を歌っているのはなんと『セイバー』のヒロイン・須藤芽依役の川津明日香氏。




追記・修正と荒らしが擦れ合う、不快で最高に愉快な匂いがする……。

今度のWiki篭り達は、何人生き残れるかな?フハハハハハハ……!


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最終更新:2024年11月23日 02:01

*1 実在のグリム童話で、「怠け者の兄は手柄を横取りされまいと勤勉な弟を殺して橋の下に捨てたが、ある商人が偶然拾った弟の骨で笛を作ったところ、兄の悪行を語り出したので王様にも聞かせたら、兄の手柄を帳消しにして水に沈めて処刑した」というお話。一応勧善懲悪ではあるが、決してハッピーエンドと呼べるものではない。似たような話としてはアフリカやアメリカ黒人民話の「血まみれドクロ」、日本の「歌い骸骨/しゃれこうべの歌」が存在する。

*2 エレメンタルドラゴンワンダーライドブックはあくまで「未完の物語であるプリミティブドラゴンの続編」であり、経緯がどうあれ一応は『全知全能の書』に含まれる。スーパーヒーロー戦記ワンダーライドブックも映画『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』で飛羽真が書き記した本をベースとしているが、こちらはアガスティアベースに保管された禁書=歴代仮面ライダーと歴代スーパー戦隊の物語の総集編に当たる。