日本橋高島屋S.C.、2018年9月25日グランドオープン-4館体制の「都市型ショッピングセンター」に

東京都中央区日本橋で開発が進められていた「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」が完成を迎え、核となる「日本橋高島屋S.C.」が9月25日に全面開業を迎える。

日本橋高島屋S.C.

高島屋の旗艦店、再開発を機に都市型SCに業態転換

高島屋日本橋店は1900年に高島屋東京店として開業。現在の本館(日本生命館ビル)は1933年竣工、地上8階・地下2階建てで、売場面積は44,808㎡。
本館の設計は帝国ホテル新本館を手掛けた高橋貞太郎、1952年増築部分の設計はそごう大阪店や丸栄を手掛けた村野藤吾によるもので、2009年に百貨店建築初となる重要文化財指定を受けている。

本館の館内。

今回の再開発・都市型ショッピングセンター化は「日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業」(2014年着工)の一環として、高島屋、三井不動産、太陽生命など複数の企業が参加する日本橋二丁目地区市街地再開発組合により計画されたもの。
高島屋周辺では、すでに2015年に時計専門館「タカシマヤ ウォッチメゾン 東京・日本橋」(地上1~2階、売場面積約800㎡)が、2018年春に「日本橋高島屋S.C.東館」(地上4~5階、売場面積約2,000㎡)が先行開業しており、9月25日の「日本橋高島屋S.C.新館」(地下1階~地上7階、売場面積約17,000㎡)の開業により同店は4館体制となる。

2018年春に先行開業した日本橋高島屋S.C.東館。


東館の核テナント「ポケモンセンタートウキョーDX」。

新館には日本初含む115店舗が出店、客層拡大図る

日本橋高島屋S.C.全面開業後の売場面積は約66,000㎡。
全体コンセプトに「『美しい暮らしスタイル』を発信する店」、新館コンセプトに「『日本橋生活者』のための場の提供」を掲げ、従来から高島屋を利用していた顧客に加え、近隣商圏のオフィスワーカーや居住者、国内外からの観光客を想定ターゲットにした施設づくりを目指すとしている。

日本橋高島屋S.C.のフロア構成。

本館地下1階の和洋菓子売場には、高島屋和洋菓子バイヤーによる“かつてないギフトに特化した洋菓子セレクトショップ”「THE BEST CHOICE」、伝統的フランス焼菓子のサブレ専門店「Sabléya」(サブレヤ)、ショコラ専門店「ル・ショコラ・アラン・デュカス」、静岡県浜松市の老舗和菓子店「巖邑堂」、大阪のチョコレート専門店「Cacaotier Gokan」、河田勝彦氏による老舗パティスリーの新業態「オーボンヴュータンシャルキュトリー」など、百貨店初となるブランド、業態が多数出店。
本館1階には“コト・体験型”を切り口としたトータルビューティーサロン「ベルサンパティック」や地域最大級の婦人靴売場「SHOEWORLD」(売場面積約1,000㎡)、化粧品5ブランド、本館4階には上質で本物志向のインナーを取り揃えた「マイボディルーム」(売場面積約460㎡)、本館6階にはファッションディレクター・干場義雅氏監修の「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」(売場面積55㎡)が新たに導入。本館8階にはパリ最高峰のレストラン「タイユヴァン」が手掛ける「LES CAVES de TAILLEVENT TOKYO」(売場面積約100㎡)が出店する。
LES CAVES de TAILLEVENT TOKYO(イメージ)

本館ガレリア部分と新館には、115店舗が新規出店する。(9月6日時点)

新館の建物と、本館を繋ぐ「日本橋ガレリア」。

地下1階「シティマルシェ」には、高島屋バイヤーによる月替わりポップアップショップや高品質食品スーパー「成城石井」、東京・青山のデリカデッセン「PARIYA」、スローフードスタンド「GREENBOWL」、日本橋にあるビストロの姉妹店「おかずフレンチ MANON」、「東京カレースタンドHATOMNOMORI」など15店舗が出店。うち12店舗がイートイン併設となるなど、美味しい「食」の便利を提供するフロアを目指す。
1階「プロムナード」には、オーストラリアの人気ジェラートショップが手掛ける「N2 Brunch Club」、JR東日本系の高級食品スーパー「紀ノ国屋アントレ」、代々木八幡のベーカリー「365日と日本橋」、お粥専門店「CAYU des ROIS」、サンドイッチ専門店「CAYU des ROIS 日本橋」など25店舗が出店。うち10店舗は7時30分から営業を行う。

新館と本館を繋ぐ「日本橋ガレリア」。

2階「クオリティークローゼット」には、セレクトショップ「TOMORROWLAND」の大型店、「martinique日本橋」、UNITED ARROWSが展開する「ドゥロワー」(日本橋三越から移転)など9店舗が出店。
3階「シティパークカジュアル」には、セレクトショップ「JOURNAL STANDARD」のインテリア雑貨専門店「journal standard Furniture」など16店舗が出店。
4階「日本橋スタジオ」には、中川政七商店グループの茶道教室・茶道具専門店「茶論(さろん)中川政七商店」、ティップネスの女性専用コンディショニング・ヨガスタジオ「libéry Yoga conditioning by TIPNESS」など、コト体験や好奇心に重点を置いたサービス店舗や雑貨店15店舗が出店。
5階「ガジェットハウス」には、校正・校閲事業に加え「かもめブックス」「歌舞伎町ブックセンター」を手掛ける鴎来堂の本棚専門新業態「HummingBird Bookshelf」、中目黒に本店を置く雑貨店「BRICK & MORTAR」など17店舗が出店。
6階「日本橋ダイニング」には、札幌・すすきのの人気寿司店「札幌鮨棗 日本橋」、五感で愉しむ鉄板焼店を謳う「虎幻庭」、1789年(寛政元年)創業の更科そば専門店「総本家 更科堀井」など10店舗が出店。
7階「日本橋テラス」には、表参道の「TWO ROOMS グリル&バー」のチームが手掛ける「SEPTIÈME Brasserie & Bar」、地元・人形町のグルメバーガー専門店「BROZERS’」、シーフード食堂スタイルのポルトガル料理専門店「マヌエル マリシュケイラ」などが7店舗が出店する。

「都内最大級」の屋上庭園は2019年春開業

日本橋高島屋S.C.では、2019年春に都内最大級となる屋上庭園「日本橋グリーンテラス」(約6,000㎡)の開設、VIP車輌やタクシーの乗降スペースの整備も予定されている。

日本橋グリーンテラス(イメージ)。

高島屋の競合店である日本橋三越本店も、2018年10月24日に隈研吾氏を起用した再開発(リモデル)プロジェクト第1期を完了させるべく、化粧品、雑貨、特選品フロアの一新やラウンジ、ウェルカムゲート(おもてなし拠点)の新設を進めている。

日本橋三越本店も改装を進める

日本橋高島屋S.C.は、老舗が集う日本橋だけに他の「高島屋系ショッピングセンター」とは一味違う、あくまでも「日本橋らしさ」「百貨店らしさ」を前面に押し出すかたちとなった一方、都内最大の屋上庭園やポケモンセンター、イートインの開設など、客層を広げるための新たな試みも垣間見える。
開業118年を迎える日本橋高島屋。時代にあった「進化」のその先に期待したい。

日本橋髙島屋S.C.

住所:東京都中央区日本橋2丁目4番1号
営業時間:午前10時30分~午後7時30分
9月25日から10月31日までは午後8時閉店(その他イベント時も延長)
地下2階・8階レストラン街、8階特別食堂:午前11時~午後9時30分
東館ポケモンセンタートウキョーDX:午前10時30分〜午後9時
東館ポケモンカフェ:午前10時30分〜午後10時

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