大阪府大阪市浪速区に本社を置く大手私鉄グループ「南海電鉄」は、観光塔運営会社「通天閣観光」株式の約70.8%を取得するかたちで、2024年12月27日を目途に子会社化する方針を12月4日に発表した。
大阪新世界のシンボル「通天閣」
通天閣観光は1912年に開業した通天閣(1943年消失)の再建を目的に、1954年に新世界連合会が立ち上げた創立事務所を母体として1955年7月に設立。資本金は1億500万円。
現在の通天閣は1956年10月に開業したもので、建物は地上6階地下1階建で延床面積は3,063㎡。高さは100m。
同施設は耐震構造の父と称される建築家「内藤多仲」設計により、世界初となる円形エレベーターや大阪市内を一望可能な展望台を備えていることもあり、2007年5月に登録有形文化財指定を受けている。また、2014年10月から2015年5月にかけて耐震改修工事を実施、商業フロアを含めた大規模リニューアルを図るなど、2024年現在も大阪新世界の象徴としての役割を担っている。
通天閣のライトアップ。屋外広告もLEDとなった。
南海電鉄との連携で経営基盤強化、企画きっぷも
南海電鉄による通天閣観光の子会社化は、通天閣の経営基盤安定化を目的としたもの。同施設はコロナ禍後の訪日外国人観光客によるインバウンド需要回復を受け、安定した集客を維持しているが、南海電鉄との関係強化により「グレーターなんば構想」を始めとしたエリアマネジメント戦略の協業、同施設入場券と南海電鉄乗車券を組合せた企画きっぷの展開を検討しているという。
なお、南海電鉄による通天閣観光の子会社化後も、通天閣の名称や日立製作所による屋外広告を含め、営業形態は原則変わらないものとなる。
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