ソニー、国内で2000人早期退職 岐阜の工場閉鎖
13年3月期末までに
ソニーは19日、デジタルカメラの交換レンズと従来型携帯電話の製造拠点である美濃加茂サイト(岐阜県美濃加茂市)を2013年3月期末に閉鎖すると発表した。携帯電話は国内生産から撤退する。工場従業員の一部も含め早期退職制度で今期中に国内で約2000人を減らす。4月に発表したグループ全体で1万人(全体の約6%)を削減する計画の一環。
同工場の社員840人の一部は他工場などに異動する。交換レンズ製造はデジカメの国内主力工場である幸田サイト(愛知県幸田町)に集約してコスト競争力を高める。携帯電話は国内生産をやめ、保守サービスを木更津サイト(千葉県木更津市)に移す。海外で生産するスマートフォン(高機能携帯電話)に経営資源を集中する。
美濃加茂サイトの閉鎖で、ソニーの国内組み立て工場は6拠点から5拠点になる。
ソニーはこれまで国内の人員削減数を「3000~4000人」としていた。同日発表した早期退職制度による約2000人と、9月末に他社に売却した化学事業の従業員約1800人と合わせ国内の人員削減数は計約3800人。ソニーグループの国内社員の約6%、同エレクトロニクス部門の約9%を占める。
今回早期退職を募る約2000人のうち、半数は本社を含む間接部門を見込む。東京・港の本社部門は人員削減と配置転換を通じ、今期中に現在の約3000人から約2割減らす。不振のテレビなどの事業部門の人員も10月末までに2割減らす計画だ。
ソニーは主力のテレビなどエレクトロニクス事業の不振で前期まで4期連続で連結最終赤字を計上した。コスト削減などを通じ、慢性的な赤字が続くテレビ事業を14年3月期までに黒字化させ、15年3月期にはグループ全体の営業利益率で5%以上を目指す。