高速道の最高速度120キロまで容認 新東名や東北道で試行
警察庁は24日、高速道路の一部区間の最高速度を現行の100キロから段階的に120キロへ引き上げる方針を決めた。カーブや勾配が緩やかで事故発生率が低い区間を対象とする。走行実態と規制速度のギャップを埋め、利用効果を高めるのが狙い。2017年以降に新東名と東北道で110キロへの引き上げを試行した後、全国の高速道で見直しを進める。
100キロ超への引き上げは1963年に日本で最初の名神高速が開通して以来初めて。トラックなどの大型貨物車は現行の80キロを維持する。車種で速度の違いが大きくなるリスクへの対策や速度違反者への取り締まり強化が課題となる。
道路の速度は道路法の基準によりカーブや勾配などの規格に応じて決まる。高速道の一部区間は最高120キロを想定し設計されているが、事故増加を防ぐため最高速度は100キロになっている。
走行実態とずれているとの指摘があり、警察庁は引き上げが可能かどうか検討。過去の事故を分析した結果、設計速度120キロの区間が20キロメートル以上続き、交通量が少ないなどの条件を満たせば、引き上げても事故増加は防げると判断した。
試行を始めるのは静岡県の新東名の御殿場―浜松いなさジャンクション間(距離144.6キロメートル)、岩手県の東北道の花巻南―盛岡南インターチェンジ間(同30.6キロメートル)。対象区間と時期は静岡と岩手の公安委員会が決める。
警察庁は試行の検証結果を踏まえ、東名、新東名、東北道、常磐道、関越道、東関東道、九州道などの一部区間で引き上げを検討する。