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2015-02-02

闘会議2015のアナログゲームエリア、とある運営スタッフの感想

週末に、闘会議2015が行われた。これはアナログゲームの上級エリアの運営スタッフであった筆者による感想記事である。

筆者は名を江添亮と言う。闘会議ではカタンのインスト要員として参加した。当日はスキンヘッドで口ヒゲを伸ばしていたのが筆者である。

さて、今回の闘会議では、アナログゲームエリアとして、様々なボードゲームを遊べる場所が設置された。

今回初めてとなる闘会議では、色々と突貫作業であり、ボードゲームの理解の浅い人間が企画をしたようで、色々と準備に難があった。

まずボードゲームのインストを出来るスタッフが絶望的に足りないということだ。ドワンゴのボドゲ部員にスタッフ参加の応援要請が来て、開催日の数日ぐらい前に打ち合わせをしたほどだ。

前日にリハーサルで現地を見てみると、ボードゲーム用に用意された机は表面がツルツルと滑り、しかも細長い机を二つ並べたもので、隙間があって使いづらかった。テーブルクロスが欲しいところだが、そのようなものは用意されていなかった。しかたなく100円ショップで安い布切れを買ってきた。

ボードゲームの選択としては、

初級:おばけキャッチ、ワードバスケット、どうぶつしょうぎ、よんろのご

中級:ポーカー、ラブレター、ワンナイト人狼、赤ずきんは眠らない、ゴキブリポーカー、エセ芸術家ニューヨークへ行く。

上級:カタン、モノポリー、カルカソンヌ、スコットランドヤード、将棋、麻雀

初級や中級のボードゲームの選択が実に残念だ。もっとボードゲームらしい面白いゲームで、プレイ時間もそれほどかからないものがたくさんあるというのに。例えば、ダンジョンオブマンダム、クー、ブラフなど。

上級ボードゲームの選択もやや難がある。モノポリーやカタンは運要素があるようにみえて、経験者と初心者の実力差が圧倒的に開き、もし恐ろしいガチ勢がやってきた場合、初心者は何もできないまま時間を浪費することになるのだが、その懸念を全く考えていないようであった。

また、将棋は指導できるほど強いスタッフがおらず、麻雀は完璧に点数計算できるスタッフがいない。初心者がやってきたらどうすればいいのか。この懸念に対し企画者は「え、麻雀って点数計算面倒なんですか?」と言い出す始末。当日が思いやられる。

そもそも、幕張メッセにぽつねんと置かれた将棋盤や手積みの麻雀卓など、成立するのだろうかという懸念もある。

そして、何よりも人員が足りなすぎる。ボードゲームをインストをする必要があるので、誰でもよいというわけではない。

こうして不安なまま迎えた闘会議一日目の朝。スタッフなので、午前7時半に会場入りするため、筆者は午前5時に起きて家を出た。

入場開始時間を待つ間、アナログゲームの上級エリアにどのように人が集まるかについて予想していた。おそらく、開始から30分ぐらいは上級エリアには人は来ないであろう。というのも、上級エリアのボードゲームは、いずれも時間がかかるものばかりであるからだ。最初に成立する卓はどれであろうか。筆者は、麻雀か将棋であろうと予想した。古典的で有名なボードゲームであるし、常に機会さえあれば打ちたいという熱狂者は存在するものだ。

入場時間の午前10時になると、人がなだれ込んできて、アナログゲームの上級エリアを素通りして奥のブースに向かっていった。これは予想通りだ。

とそこへ、一人のオッサンがやってきて、目ざとく麻雀牌を見つけ、近寄ってきた。

「お、麻雀があるやん。やっていこかな」
「麻雀のルールとかは分かりますか?」
「はい、大丈夫です」
「あと3人集まる必要がありまして」
「待ちます」

ドサッと、オッサンは椅子に深く座り、待ちの姿勢に入った。

幸いにして、このオッサンは長く待つ必要がなかった。すぐに同じような面子が3人、椅子に座り、麻雀卓が成立したのであった。あとは話が早い。

「えっと、麻雀は分かりますか?」
東「大丈夫です」
西「大丈夫です」
南「大丈夫です」
北「大丈夫です」
「東風戦で、60分打ち切りで、ありありで・・・」
東西南北、無言でうなづく。
「それではどうぞ」
ジャラジャラジャラジャラ

4人の雀士たちは無言で牌を混ぜ始めた。

なお、当日は任天堂から貸し出された麻雀牌が2セットあったが、二卓目も同様にしてすぐに成立した。麻雀卓の周りには、一歩出遅れたがために卓につけなかった者達が指をくわえてうらやましそうに眺めているではないか。

ここは闘会議2015の会場、幕張メッセである。今は開場直後である。今ここで麻雀を打っている面子は、闘会議のチケットを買い、朝早くに海浜幕張までやってきて、入場列の前列に並んでいたはずの者達である。それがこうして粗末なパイプ椅子に座り、手積みの麻雀卓で無言で麻雀をしているとは。しかも周りを取り囲む観戦客も増えるばかりで一向に減らないときている。

どうやら、筆者は麻雀というものをあまく見ていたらしい。麻雀がこんなにも人の気を惹きつけるほどの魅力があるものだとはつゆ思わなかった。

こうして、アナログゲーム上級エリアの麻雀卓は、終日人が絶えることがなく、観戦客も周りに満ち満ちていたのであった。当初の懸念である、点数計算や、そもそも麻雀のルールを知らない者が来るかもしれないという懸念は、まったくの的はずれであった。

この様子では、麻雀卓があればあるだけ成立するだろう。二卓しか用意していないのが残念だ。当日の運営スタッフがやるべきことは、にわかに「テンゴで」などと言い出したりしないかどうかを監視することだけであった。

将棋卓も同様にして、途切れることなく成立していった。

さて、筆者が担当するカタンは、そうすぐには人が集まらなかった。3人集まったので、やむことを得ずして仕方なく筆者も卓に着いてプレイせざるを得なかった。ただし、それは最初の一ゲームだけで、周りには常に観戦客が4人以上いて、次の4人のプレイヤーに不足することはなかった。実に残念・・・いや良かった。

実に様々な面々がカタンをプレイしていった。カタン未経験者はカタンというボードゲームの名前は知っていて、つねづねやりたいとは思っていたが、やる機会に恵まれない者達であった。中には、カタンを持っているにもかかわらず、一度もやったことがない者までいた。これは無理もない話で、カタンを習得するには先達が必要である。今回、筆者は何十人ものカタン未経験者にカタンを教えることができたので、満足であった。これをいい機会に、外でもカタンをプレイしてほしいものだ。休憩の暇がなかったが。

また、用意されたカタンは一卓しかなかったのだが、筆者は個人的な私物のカタンも持ち込んでいて、ゲリラ的に二卓立てた。また、別のボードゲームも個人的に持ち込んでゲリラ的に行った。このような裁量がもっと強く発揮できればよかったのだが、来年の闘会議に期待したい。

カタンにも周りに観戦客が多く、もう一卓あればよかったのにと思う。また、初心者も参加できる卓と、上級者のみのガチ卓という区別があればよかったように思う。ガチ卓は地獄の様相の飾り付けをして、「この卓に座るものは一切の希望を捨てよ」とイタリア語で書いておくと雰囲気が出るのではないか。

また、あまりにも運営スタッフが最初から最後までインストして出しゃばり過ぎる必要はないように思う。ボードゲームなのだから、卓に座ってプレイするもの同士で交流を促したほうがよい。そういう意味で、もっと卓が欲しかった。

もうひとつ思ったこととして、外でボードゲームをする機会を増やせないかと漠然と思った。ボドゲは好きであるが、時間、友人、対人能力など、様々な理由により、あまりボードゲームができていない人がいるようだ。ドワンゴでは昼からボドゲをしている社員までいるので恵まれていると言える。何とかこういう特別の機会にたよらずに広くボードゲームができるようにならないものか。

闘会議2日目

寝坊して6時半に起きた。開場には何とか間に合った。

またもや開場とともに人がなだれ込んでくる。2日目とあって目当てのブースが定まっているのか、迷わず一直線にブースまで走っていく人が多かった。

その中で、悠然と上級エリアに歩み寄ってくる者達がいた。座った椅子はもちろん、麻雀卓である。すぐに卓が埋まり、麻雀が始まった。周りには初日と同じく、指をくわえてうらやましそうにながめている者達がいる。

程なくしてカタン卓も人が埋まった。二日目は実に残念、いや、良かったことに、カタン卓は初日に増して盛況で、筆者がプレイする余地は一切なかった。

ところで、初級、中級エリアは凄い人だかりで、列をなしていた。初級中級のボードゲームは、あまりにも簡単すぎるので、筆者にとっては最高に面白い選択ではないように思うのだが、これは意外だ。どうやら、説明に30秒以上を要するようなボードゲームは、重いと判断されてしまうのかもしれない。筆者としては、もう少しルールが複雑だが面白いボードゲームを体験して欲しいのだが。

次の超会議や闘会議に、筆者の裁量で自由にボードゲームが出来るボドゲ卓スペースが欲しいとまで思った。

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ドワンゴでは昼間から会社でボドゲを行う社員がいる。

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CC BY-ND 4.0: Creative Commons — Attribution-NoDerivatives 4.0 International — CC BY-ND 4.0

2 comments:

Anonymous said...

ニコニコのユーザー層のいいところはカジュアルユーザーがそれなりにいることだと思います。
皆が皆ゲーマーではないのです。
ニコニコの懐の深さというところはそういうところに現れていて人気を誇っていることはご存知ですよね。
人間の半分はやりたいけどできないワナビーデス。それをどうにか導いてやってください。
まぁ、とにかく。企画が成功したご様子でよかったと思います。

Anonymous said...

参加してオッサン呼ばわりされるのは嫌だけど、面白そうなイベントだと思った。