D値とは、音が壁を通過する間にどの程度レベルが下がるかを表すもので、音響透過損失といい、壁の遮音性能を表す指標です。
外部の音源が壁を通過して、室内で聞こえる音量を測定します。単位はdB(デシベル)で、周波数500Hz(ヘルツ)の音源を用いて、例えば外部音源が85dBで、室内で聞こえる音が35dBの場合には、その壁の透過損失は50dB(85dB-35dB)となり、D値はD-50となります。
D値は数値が大きいほど、遮音性能に優れています。
住宅性能表示制度による等級では、D-45以上(等級2)が基本的な遮音性能が確保されている程度、D-50以上(等級3)が優れた遮音性能が確保されている程度、D-55以上(等級4)が特に優れた遮音性能が確保されている程度、となっています。
住宅性能表示制度
住宅性能表示制度とは、住宅の性能を適切に評価するための制度です。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいて、2000年に制定されました。
住宅の性能を分かりやすく表示するために、構造耐力、省エネルギー性、遮音性などに関して共通の表示ルールと評価基準を設け、専門の第三者機関が性能評価を行い、「住宅性能評価書」を交付します。「住宅性能評価書」は、国土交通大臣によって指定を受けた「指定住宅性能評価機関」に申請し、設計段階で審査を受ける「設計住宅性能評価書」と工事完了後に審査を受ける「建設住宅性能評価書」があります。
新築住宅では、構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理への配慮、省エネ対策、シックハウス対策、窓の面積、遮音対策、高齢者への配慮、防犯対策の10分野について、等級や数値で評価されます。また、新築住宅で契約書に住宅性能評価書を添付した場合には、評価書に表示された性能が契約とみなされます。また、建設住宅性能評価書が交付された住宅に万一トラブルが発生した場合には、指定住宅紛争処理機関が紛争処理に当たってくれます。
中古住宅では、現況検査と性能評価が行われます。