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【10リスト】UNISON SQUARE GARDEN、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】UNISON SQUARE GARDEN、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
UNISON SQUARE GARDENは2004年7月の結成以来、常に音楽シーンに驚きをもたらしてきたロックバンドである。ライブハウスシーンで圧倒的な存在感を見せ、そして2008年のメジャーデビュー以降はアニメ作品とのタイアップ曲を多数手がけるなど、さらに多くのファンを獲得。実験的なサウンドアプローチと卓越したポップセンスを併せ持ち、かつ、圧倒的技量で繰り出されるバンドアンサンブルは、現在もジャンルを問わず多くの音楽ファンを魅了し続けている。常に音楽性の拡張、進化を見せてくれる彼らだけに、今後この10リストも不定期の更新を余儀なくされると思うが、長いキャリアの中でも「まずこの曲は押さえておくべし」という、いわば必修の10曲をまとめて紹介する。(杉浦美恵)

※2024/10/17 更新


①フルカラープログラム


2008年、メジャーデビューの約半年前にリリースされたインディーズミニアルバム『流星前夜』に収録。2015年の結成10周年記念アルバムにも再RECして収録されており、ライブでの定番となるほど、今やユニゾンの代名詞とも言える楽曲。ポップとロックの融合と、爽やかに疾走するメロディは、今思えば、この曲がユニゾンの方向性を決定付けたと言ってもいいほど。それが何年経っても新鮮さがあるのは、彼らが初心からブレていないことを物語っている。(中川志織)

②スカースデイル

斎藤が作詞作曲を務めた楽曲。田淵以外が制作した楽曲はこれが初めてとなった。4thシングルとしてリリースされ、MVに登場するモフモフキャラクター「デイルくん」は、バンドのグッズのキャラクターとなっている。「スカースデイル」とは、斎藤の生まれ故郷・アメリカの地名とのこと。斎藤のギターの旋律が美しく、その歌声の爽やかさが存分に発揮された楽曲で、《1.2.3》のフレーズで背中を押してくれるような、勇気を貰える楽曲。斎藤自身は、現在はソロでの楽曲制作も行っているが、この時からその実力の高さは折り紙付きだったことがわかる。(中川志織)

③オリオンをなぞる

UNISON SQUARE GARDENの名を一気に世に知らしめた楽曲と言っていいだろう。5thシングルとしてリリースされ、アニメ『TIGER & BUNNY』のヒットとともに、OP曲として書き下ろされたこの楽曲も一躍有名となった。そしてこの楽曲から、ユニゾンとアニメの関係がさらに深くなっていったと言える。《半信半疑あっちこっち》という、聴いたら頭から離れないようなワードを含め、ここでも独特の耳心地が好い歌詞の連続で、ユニゾンの楽曲としての存在感と、アニメを盛り上げるようなワクワク感のあるポップな楽曲になっている。(中川志織)

④シャンデリア・ワルツ

2013年にリリースされた4thアルバム『CIDER ROAD』収録だが、シングルで出したかった楽曲ということもあり、アルバムでも重要な位置付けの楽曲。曲名に「ワルツ」とあるが、3拍子でなくサビのシンコペーションが特徴的な速いBPMの楽曲となっている。さらに、《ワルツ・ワルツで》の部分が3連符になっていたりと、曲の中でリズムの抑揚が幅広く、斎藤のギターテクニックや、鈴木のドラムテクニックの高さはもちろん、そんな楽曲を生み出す田淵の感性の自由さとセンスに脱帽する。(中川志織)

⑤桜のあと (all quartets lead to the?)

思わず大合唱したくなるような、8thシングル曲。アニメ『夜桜四重奏 ~ハナノウタ~』のOP曲となった。《じゃじゃじゃじゃーん 足りない! キック、リズムを打て!/ベース&ギター おまけに僕が歌えば四重奏》と、3ピースバンドが歌っていることにも面白さがあるが、ここでの「四重奏」は《喜怒哀楽》という4つの感情を示しているように思う。また、「桜」や「四重奏」と、『夜桜四重奏』に関連するワードが盛り込まれているが、アニメにリンクしつつ、ユニゾンらしさも全面に出された楽曲となっている。(中川志織)

⑥天国と地獄

イントロから、「何かヤバイことが始まりそう……」な焦燥感を煽られ、斎藤のネイティブな英語で《Who is normal in this show?》のシャウトで一気に引き込まれる。MVはフカツマサカズ監督と初タッグを組み、不条理に巻き込まれる男性を描く。楽曲はヒリヒリとエッジが効いているかと思えば、Bメロの少しおどけた感じや、歌詞にはまた言葉遊びがふんだんに散りばめられていて、そのギャップがたまらない。そこに斎藤の少し荒っぽいような歌い方と、《ご回答めしませ》の特徴的な言い回しがまた癖になる。5thアルバム『Catcher In The Spy』のリード曲で、ライブの定番曲でもある。(中川志織)

⑦シュガーソングとビターステップ

もう説明が必要ないくらいの楽曲だと思うが、アニメ『血界戦線』のEDとして書き下ろされた楽曲。同アニメのEDでキャラクターたちがこの曲に合わせてダンスする映像も話題となった。またこの曲で、さらにユニゾンの世間的認知度が一層高まったと言える。聴くと思わずステップを踏んで踊りたくなるような楽曲で、アニメがNYが舞台になっていることもあり、陽気さとポップさを全面に出しつつ、《世界中を、驚かせ続けよう。》というユニゾンの意志も盛り込みながら、アニメの世界観に寄り添って作られていることがわかる。(中川志織)

⑧君の瞳に恋してない

2018年1月にリリースされた7thアルバム『MODE MOOD MODE』の最後に収録されているリード曲。ホーンやピアノによるスカアレンジが特徴的だ。結成10周年を経てからの彼らは、さらなる進化を遂げ、それは楽曲やライブに向かう姿勢にも顕著に表れていた。前作『Dr.Izzy』(2016年)では彼らのストイックな面を存分に出したかと思えば、今作では今の彼らの「モード」と言えるような、1曲ごとにより自由な、開けた楽曲が多いように感じた。リスナーとの向き合い方の変化を象徴するかのように、サウンドの幅の広がりが表現されていて、ユニゾンの新しい一面を見ることができる楽曲だ。(中川志織)

⑨春が来てぼくら

TVアニメ『3月のライオン』第2シリーズ第2クールのオープニングテーマとして書き下ろされ、2018年3月にリリースされた楽曲。これまでも数多くのアニメタイアップ曲を手がけてきたユニゾンだが、これほどあたたかな青春曲は初めてだったと思う。『3月のライオン』の物語に寄り添うものでありながら、今まさに青春を迎えている人にも、そしてすでに青春時代を過ぎた人にも、懐かしい景色を呼び覚ますように胸に響く、まさに普遍的な歌である。そこには、ストリングスの華やかにして繊細なアレンジや曲中に絶妙に入る転調など、ユニゾンならではのバランスで細部まで妥協なき音作りが施されている。育んだ思い出のあたたかさと未来へ歩み出す期待、そして少しの心許なさとが同時に滲む秀逸な歌詞にも注目したい。旅立ちの季節を描く曲として、J-POPならば桜をモチーフにするのが定石であるところを、アニメ作品のタイトルに寄せて「たんぽぽ(=ダンデライオン)」を描いた歌い出しも粋だ。春が来るたび思い出さずにいられない1曲。(杉浦美恵)

⑩カオスが極まる

タイトルがすべてを物語っていると言っていい。ユニゾンの型破りなポップセンスが気持ちよく炸裂し、打ち込みも生楽器もそれぞれが自在に暴れながら、最終的にはしっかりとひとつの場所へと着地する──まさにカオスの中でアンサンブルが極まるという、非常に高度にして痛快なロックチューンである。そしてこの攻めに攻めた曲が、TVアニメの主題歌として書き下ろされた曲であったというのも興味深い。TVアニメ『ブルーロック』が振り切れたサッカーアニメだったことも、よりこのカオスを加速させたと見ていいが、それにしてもこの変則的なアンサンブルの中毒性たるや。ギターのバッキングの重ね方や、ベースのフリーキーな跳ね方もすごいが、次々にリズムを変化させながら疾走する楽曲を牽引するドラムのエモーショナルさはとにかく凄まじい。田淵智也というソングライターの特異性、そしてそれを120%で表現できるUNISON SQUARE GARDENというバンドの技量をあらためて思い知らされた楽曲だった。(杉浦美恵)
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