何歳になっても生き生きと過ごすには何をするといいか。心理学者の内藤誼人さんは「タモリさんが興味関心のある映画や音楽のように、認知活動を1つ増やすと、認知症になるリスクが33%減少することがわかっている」という――。
※本稿は、内藤誼人『タモリさんに学ぶ「人生のたたみ方」』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
芸術系の趣味が高齢者に向いている理由
タモリさんが芸術に造詣が深いことはよく知られています。もともとトランペット奏者を目指していたといいますから、音楽も大好きです。
「タモリさんの自宅の地下には映画室が、約4000枚もあるレコードを聴く専用の部屋があるといいます。芸術に触れ、心を癒す時間を作っているんでしょう」
(『週刊大衆』 2023年3月20日号 p195)
(『週刊大衆』 2023年3月20日号 p195)
音楽や絵画に興味を持つことはよいことですよ。
そういう趣味を持っていると、アルツハイマー型認知症にもなりにくくなる、という研究結果もあります。
米国シカゴにあるラッシュ大学のロバート・ウィルソンは、801名の高齢者に、どれくらい認知活動(音楽を聴く、美術館に行くなど)をやっているかと聞くと、平均3.57個という回答が得られました。
それから4、5年間の追跡調査を行なうと、801名のうち111名はアルツハイマー型認知症を発症したのですが、認知活動を1つ増やすと、認知症になるリスクが33%減少するという計算になることがわかりました。
芸術活動をしていると、脳に適度な刺激を与えることができ、それによって認知症になりにくくなるのだと考えられます。