1月13日、午後9時19分ごろ日向灘を震源とする最大震度5弱の地震が発生した。同日、気象庁は南海トラフ地震の発生可能性は高まっていないと発表した。歴史評論家の香原斗志さんは「江戸時代には2度、南海トラフ地震が発生している。いずれ起きる災害に備えるために、その被害を知ることは有益だろう」という――。
南海トラフ地震の30年以内の発生確率は70~80%
1月13日月曜日。この日からはじまったフジテレビの月9ドラマ「119エマージェンシーコール」を観ていたら、地震発生の「緊急速報」が入った。21時19分ごろ、宮崎県の日向灘を震源とする最大震度5弱の地震が発生したという。その後、もう一度「緊急速報」が入ると、番組自体が中断してしまった。
切り替わった画面では地震と津波の情報が伝えられ、気象庁が南海トラフ地震との関連を調べるとのことだった。南海トラフ沖では、今後30年以内にマグニチュード8~9の巨大地震が発生する可能性が70~80%におよぶとされており、それとの関連を指摘されればさすがに不安になる。
月9ドラマはしばらくして再開したそうだが、私は不安に駆られたゆえに、再開すると思わずに見逃してしまった。それはともかく、気象庁は23時45分に「巨大地震発生の可能性は平時と変わらない」と発表し、今回の地震と南海トラフ地震との関連についての調査を終了した。
したがってホッと一息ではあるが、比較的残されている江戸時代の南海トラフ地震の記録は途轍もない内容で、知るほどに緊張を強いられる。こうした機会に、それを確認して近い将来への備えにするのは悪いことではなかろう。