~ 追憶 武仲 ~
そしてその女の子は……、
懇願するような目で、あいつのことを見た。
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俺がここに住むようになって初めての、
由子さんがバイトに出かける夜のことだった。
「もしも今夜誰か女の子が来たら、すきにしていいから。
あ、でもサリが来たときだけは、掃除しろって言ってやって。
あいつは掃除が上手い」
初めて聞く名前だったけれど、誰がサリなのかはすぐに解ったので、
「了解」
と、
そう言って俺はバイトに行く由子さんを見送った。
その日の夜にサリは来ず、
他の、初めて見る女の子が来た。
「誰?由子さんは?」
と、
そう問われたので、
「今夜はバイトに行ってるんだけど……」
と、
そう答えると、
その女の子は黙って部屋に入ってきて、
部屋の中をぐるりと見回した後、
今自分が入って来た扉の鍵を、
自分で閉めた。
「一人ですよね?」
「え?…うん、そうだけど……」
「どうしたら良いですか?」
と、
そう言いながら、
その女の子は服を脱ぎだした……。
俺は意味が解らなかったので……、
と、
そう言ったら嘘になるけれど……、
理由は本当に解らなかったから
咄嗟に、
「えっ?いや、何もしなくていいよ?」
と、
そう言ったら、
その女の子も、
「えっ?」
と言った後、
「そんなの困ります……」
と、
そう言って俺の目を見て……、
俺の胸元に手を伸ばしてきた……。
俺が一歩引いてその手を躱すと、
さっきこの女の子が来たときと同じように、
インターホンが鳴った。
また別の女の子が来たのかと思い見に行くと、
あいつだった。
あいつはけっこう頻繁にここへ来る。
ここに来れば俺が居るからという理由では無く、
前々から、夜はよく来て居たらしい……。
理科の先生と一緒に来ることも在るけれど、
一人で来ることのほうが多いと思う。
理科の先生がテストの採点や、
教職員会議で遅くなる日は大抵来る。
女の子があいつに近付いて、
「あ、あの……」
と、
少し泣きそうな顔を見せた。
「どうしたの?」
あいつとこの子は面識が在るらしい。
「このひとが何もしなくていいって……」
あいつが俺の目を見て、
「ダメだよ……、来にくくなるじゃん……」
と、
そう言ってから今度は女の子に向かって、
「さっさと服脱げよ」
と、
言った。
あとは今夜と同じ。
蹴ったり……、色々………。
初めて見たときはさすがに驚いたけれど、
俺はあいつのことを常識人だと認識して居るので、
何か理由が在るのだろうと思い、
その一部始終を……、
ずっと黙って見て居ることにした。
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なんとなく訊きにくくて、あいつにも、由子さんにも訊けなくて……、
でも気になって………
ある日の夜のことだった。
俺が一人のときにサリが来て、
「どうします?掃除以外でも、両方でもしますけど?」
と、
いつもと違う笑みを浮かべながら、
いつも俺と話して居た声とは違う声で言ってきた。
その夜は、俺も手伝って二人でササッと掃除を済ませ、
それ以外のことをしながら
色々と教えて貰うことにした。
先ずは一番気になって居た、
ここに来る女の子達は、いったいどういう女の子達なのか?
サリのことも含めて、
それを教えて欲しいと思って居た。
「あ…、ごめんなさい……。
ベッドだと、たぶんわたし汚しちゃうから
床でも良いですか?
あとで掃除もし易いし……」
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「ねえ……、
ここに来る女の子達ってさぁ......、
どういう女の子達なの?」
俺はそう質問したのだけれど、
どうやらタイミングが悪かったらしく、
サリが言葉を詰まらせてしまったので、
「あ、ゴメンゴメン、あとでいいよ」
と言って、一回終わらせることにした。
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TO BE COMUGIKO
「平和な時代で………
よかったわぁ…………………
おかわりお願いしても…………………
良いかしら?……………………
あと8枚くらいで良いので………………♪♡」
藤子もなにげに……食べる子だよなぁ…………
「もちろん良いよ」
二枚目は納豆ピッツァにしてあげよう……
醤油かすにおかかも削って………
チーズは普通にシュレッドで…………
※納豆とおかかは旨味が強いし
これらと同様発酵食品で在る醤油かすを用いる為
チーズはリーズナブルな普通のシュレッドで充分なのです☆
玉落とし…………
ローズマリーは必須だね………
よし出来た☆
表面はパリッとさせつつ………
中はもっちりと………
よく聞く説明だと思うかもしれないけれど………
やっぱりこの感じが………
一番旨い☆
「はいどーぞ☆」
「ステキ♪♡
納豆ピッツァの香りって
ちょっとブルーチーズを彷彿させますよね♪♡♡♡」
店内納豆香ハンパ無くなるから……
他のお客さん居るときは絶対に焼けないんだよなぁ………