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はじまりはビープ音

ドリームキャストのことを中心にゲーム関係の気になったことを書いていくつもりです。

ボタン含めて厚さ約13mm、Kailh X Switchを使ってスマホサイズの薄型レバーレスを作ってみたよ

GP2040によってコントローラー作成が手軽になり、気になるスイッチもあったのでちょっと試しに作ってみました。

目標

Kailh PG1425を使った薄型レバーレスを作る

以前、自作の薄型レバーレス「Mille-feuille」をベースにしてRaspberry Pi Pico(以下Pico)を使ったレバーレスを作ってみましたが、今回はそれとは別の形でレバーレスを作ってみることにしてみました。

これまで使っていたボタン部分のスイッチはKailh Choc v1のロープロファイルと呼ばれる高さの低いものを使っていましたが、今回はさらに低いKailh PG1425を使って薄型のものを作ろうと思います。

Kailh PG1425とは

Kailhから販売されているキーボード向けのスイッチで「X Switch」とも呼ばれているようです。Kailh製のキースイッチの中でも特に薄いスイッチとなっています。

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現状はタクタイル、クリッキータイプしかなく、ゲーム向けのスイッチとして適しているリニアタイプがありません。また、入手先が限られていたり他のスイッチより少々割高。加えて他のスイッチとの互換性もなく、キーキャップも専用のものしか使えません。そのため、現時点では積極的にゲーム用のデバイスに使うものではないと思います。

なので今回は実用性を求めるというより面白いスイッチがあるのでとりあえず作ってみたという感じです(重要)。

入手先
フットプリント

基板設計時に必要となるフットプリントはこちらを活用させてもらいました。

使用するファームウェア

ベースとするのはお馴染みGP2040*1。OLEDやボタンLEDも使います。

なお、今回はPicoではなく「RP2040 Stamp」を使用します。Pico同様にRP2040チップを積んでおり互換性のあるものです。Picoの半分くらいのサイズで高さもPicoより若干低いものとなっています。ただし、USB端子がないため別途取り付ける必要があります。元々USB Type-Cにするつもりなので、そこはむしろ好都合です。

基板設計

今回スイッチは専用の四角形のキャップを使用するため円形のキャップが使えません。その代わりスイッチ同士の間隔をキーボードのように詰めることができます。とはいえ詰め過ぎると押しにくいので程良い感じで調整はしています。

OLEDは見やすいように中央に配置。オプション系のスイッチも厚みの少ないもの選び、上から押すタイプではなくサイドから押すタイプに。

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基板設計完了したらアクリル加工用のデータも調整しそれぞれ発注。極力薄くしたかったので、基板の厚さは0.8mmにしました。

動作確認・完成

ちまちまと半田付けをして組み立て完了。使用するGPIOの通りに設定を変更したGP2040のファームウェアをインストール。

スイッチ、ボタンLED、OLEDの各種動作の挙動を確認。問題なし。

サイズとしてはボタンキャップ含めておよそ161.5mm x 69.1mm x 12.8mm。上記写真で並べているiPhone 11 Proは144.0mm x 71.4mm x 8.1mmです。参考までにiPhone 13 Pro Maxは160.8mm x 78.1mm x 7.65mmです。

Mille-feuilleは220mm x 125mm x 17mmなので厚さは4mmほど軽減。

同じスイッチを使用してケースを使わない形で7.3mmの薄さの自作キーボードを実現している人もいるので、工夫次第ではまだまだ行けそうです。

なお、重量は121g(料理用の秤なので大まかな数値)でiPhoneよりも軽いです。組み立て終えて持ってみたところ、びっくりするぐらい軽かったです。

使ってみた感想

当初の懸念であったスイッチの押し心地はやはりゲーム向きではありません。押下圧50gで非常に重く、加えてタクタイルのため押し切る前に引っかかりがあります。

ボタンの配置については初めてキーボード並の間隔のボタン配置で作ってみましたが、意外と操作できることがわかりました。慣れればある程度は使えそうですが小型化を目指す場合以外は無理にこの配置で作る必要はないと思いました。

まとめ

作る前からわかっていたことですが、ゲームに重要なスイッチの押し心地が致命的なので実用性はありません。今後リニアタイプのスイッチが出たら試してみたいところです。

サイズ感としては小さすぎるからダメ、というわけではなくまぁ許容範囲かなと思っています。スマホサイズに仕上げたこともあり、持ち運びの懸念がないのがいい感じです。対戦会などのちょっとしたネタ的なデバイスとして使えるかもしれません。

また何か面白そうなパーツやデバイスが登場したり、良いアイデアが浮かんだら作ってみようと思います。