WO2023286545A1

WO2023286545A1 - 灯具

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Publication number: WO2023286545A1
Application number: PCT/JP2022/024852
Authority: WO
Inventors: 翔平柳津; 優太田
Original assignee: 株式会社小糸製作所
Priority date: 2021-07-16
Filing date: 2022-06-22
Publication date: 2023-01-19
Also published as: US20240334580A1; EP4373217A4; EP4373217A1

Abstract

第１基板（Ｋ１）に設けられ、電源電圧（Ｖｂａｔ）に基づいて所定電圧を生成する電源回路（２０）と、第２基板（Ｋ２）に設けられ、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる駆動電流を調整する調整部と、を含み、前記所定電圧を電源とする光源（３０）と、第３基板（Ｋ３）に設けられ、前記調整部を制御する制御部（４０）と、前記第１基板（Ｋ１）に設けられ、温度を検出する第１温度検出回路（５０）と、前記第２基板に設けられ、温度を検出する第２温度検出回路（６０）と、を有する灯具。

Description

灯具

　本開示は、灯具に関する。

　例えば、車両に用いられる灯具（車両用灯具）として、複数の発光素子を並べて配置し、各発光素子の点灯を切り替えることによって、配光パターンの配光を可変に制御する配光可変ヘッドランプ（ＡＤＢ:Adaptive Driving Beam)が知られている（例えば、特許文献１参照）。

日本国特開２０１６－１０７７４３号公報

　複数の発光素子を並列に接続する場合、点灯させる発光素子の数に応じた電流（駆動電流）を供給する必要がある。このため、発光素子が多数設けられていると、大電流が必要になることがあり、発熱が大きくなって、その結果、電子部品が熱破壊に至るおそれがある。また、電子部品が複数の基板に設けられている場合、各基板で電子部品が発熱し熱破壊するおそれがある。

　本開示は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、発熱を抑制し、電子部品の破壊を防ぐことが可能な灯具を提供することにある。

　前述した課題を解決するため、本開示の灯具は、第１基板に設けられ、電源電圧に基づいて所定電圧を生成する電源回路と、第２基板に設けられ、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる駆動電流を調整する調整部と、を含み、前記所定電圧を電源とする光源と、第３基板に設けられ、前記調整部を制御する制御部と、前記第１基板に設けられ、温度を検出する第１温度検出回路と、前記第２基板に設けられ、温度を検出する第２温度検出回路と、を有し、前記制御部は、前記第１及び第２温度検出回路のそれぞれの検出結果のうちの温度の高い方の検出結果と、前記複数の発光素子の点灯条件を示す信号と、に基づいて、前記調整部を制御する。

　また、前述した課題を解決するため、本開示の灯具は、電源電圧に基づいて所定電圧を生成する電源回路と、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる駆動電流を調整する調整部と、を含み、前記所定電圧を電源とする光源と、前記電源回路が配置された基板に設けられ、温度を検出する温度検出回路と、前記温度検出回路からの第１信号と、前記複数の発光素子の点灯条件を示す第２信号と、に基づいて、前記調整部を制御する制御部と、を備える。

　本開示によれば、発熱を抑制し、電子部品の破壊を防ぐことが可能な灯具を提供することができる。

第１実施形態の車両用灯具１を含むシステム構成の一例を示すブロック図である。第１実施形態におけるＡＤＢユニット５の構成を示すブロック図である。図２に示す電源基板Ｋ１に配置された回路の構成例を示す図である。図２に示すＬＥＤ基板Ｋ２に配置された回路の構成例を示す図である。第１実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第１実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第１実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第２実施形態のＡＤＢユニット１５の構成を示す図である。第２実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第２実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第２実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第２実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第３実施形態の車両用灯具１００１を含むシステム構成の一例を示すブロック図である。第３実施形態におけるＡＤＢユニット１００５の構成例を示す図である。第３実施形態における検出回路１０５０の構成を示す図である。温度検出回路１０５１の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。温度検出回路１０５１の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。温度検出回路１０５１の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。第４実施形態における検出回路１１５０の構成を示す図である。第５実施形態における検出回路１２５０の構成を示す図である。第６実施形態における検出回路１３５０の構成を示す図である。温度検出回路１０５５の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。温度検出回路１０５５の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。温度検出回路１０５５の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。温度検出回路１０５５の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。

　本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

＝＝＝＝＝第１実施形態＝＝＝＝＝
　図１に示すシステムは、車両側に設けられた車両ＥＣＵ（Electronic Control Unit）１０と、ランプ側の車両用灯具１を含む。

　車両ＥＣＵ１０は、ランプ側の車両用灯具１の灯具ＥＣＵ２とＣＡＮ（Controller Area Network）などの制御ラインを介して接続されており、車両用灯具１を統合的に制御する。本実形態の車両ＥＣＵ１０は、車両の運転席などからの車両情報や、車載カメラからのカメラ情報を受信し、それらの情報に基づき、車両用灯具１を制御する信号を灯具ＥＣＵ２に送る。

　車両用灯具１は、例えば車両の前端部に設けられる前照灯（ヘッドランプ）であり、「灯具」に相当する。なお、車両用灯具１は、車両の右側と左側にそれぞれ設けられているが、左右両側の構成は同じなので、図１では片側（例えば右側）のみの構成を示している。本実施形態の車両用灯具１は、灯具ＥＣＵ２と、Ｌｏ光源３と、Ｈｉ光源４と、ＡＤＢユニット５とを備えている。

　灯具ＥＣＵ２は、車両用灯具１の各光源の点灯を制御する装置である。灯具ＥＣＵ２には、車両ＥＣＵ１０から車両情報、カメラ情報などを含む信号が入力される。この信号に基づき、灯具ＥＣＵ２は、Ｌｏ光源３、Ｈｉ光源４、ＡＤＢユニット５のＡＤＢ光源３０（後述）を適宜点灯させる。なお、灯具ＥＣＵ２は、ＡＤＢユニット５の制御回路４０（後述）に、ＡＤＢ光源３０の点灯条件（配光パターンなど）を示す信号ＳＡを送信する。

　また、灯具ＥＣＵ２には、車両用のバッテリー（図２に示すバッテリー６）からの電源電圧Ｖｂａｔの電源ラインや、接地レベルの電圧の接地ラインが入力される。そして、灯具ＥＣＵ２は、Ｌｏ光源３、Ｈｉ光源４、ＡＤＢユニット５に電源供給を行う。

　Ｌｏ光源３は、ロービーム用の光源である。ロービームは、自車近傍を所定の照度で照明するものであって、対向車や先行車にグレアを与えないよう配光規定が定められており、主に市街地を走行する場合に用いられる。

　Ｈｉ光源４は、ハイビーム用の光源である。ハイビームは、前方の広範囲および遠方を比較的高い照度で照明するものであり、主に対向車や先行車が少ない道路を高速走行する場合に用いられる。

　ＡＤＢユニット５は、配光パターンの配光を可変に制御する配光可変ヘッドランプ（ＡＤＢ:Adaptive Driving Beam)を構成するユニットである。なお、ＡＤＢとは、車両の前方の先行車、対向車や歩行者の有無を車載カメラにより検出し、車両あるいは歩行者に対応する領域を減光するなどして、車両あるいは歩行者に与えるグレアを低減するものである。

＜＜ＡＤＢユニット５の構成＞＞
　図２は、第１実施形態におけるＡＤＢユニット５の構成を示すブロック図である。また、図３は、図２に示す電源基板Ｋ１に配置された回路の構成例を示す図であり、図４は、図２に示すＬＥＤ基板Ｋ２に配置された回路の構成例を示す図である。

　図１～図４に示すように、本実施形態のＡＤＢユニット５は、電源基板Ｋ１、ＬＥＤ基板Ｋ２、コントローラ基板Ｋ３を備えている。また、電源基板Ｋ１には、電源回路２０と検出回路５０が配置されており、ＬＥＤ基板Ｋ２にはＡＤＢ光源３０と検出回路６０が配置されており、コントローラ基板Ｋ３には制御回路４０が配置されている。なお、電源基板Ｋ１は、「第１基板」に相当し、ＬＥＤ基板Ｋ２は、「第２基板」に相当し、コントローラ基板Ｋ３は、「第３基板」に相当する。また各基板間はハーネス等の信号線で接続されている。

＜電源回路２０＞
　電源回路２０は、車両のバッテリー６から供給される電源電圧Ｖｂａｔ（例えば１２Ｖ）に基づいて、所定電圧（例えば５Ｖ）を生成する電圧レギュレータである。本実施形態の電源回路２０は、降圧型のＤＣ－ＤＣコンバータ（例えば、スイッチングレギュレータ）である。ただし、これには限られず、例えば、リニアレギュレータでもよいし、昇圧回路と降圧回路を含む構成（昇圧した後に降圧する構成）であってもよい。

　電源回路２０は、いわゆる同期整流型の回路であり、図３に示すように、コンデンサＣ１，Ｃ２、トランジスタＭ１，Ｍ２、コイルＬ１、抵抗Ｒ１，Ｒ２，Ｒ３、及び制御ＩＣ２１を含んで構成されている。

　コンデンサＣ１は入力側のコンデンサであり、一端は電源ラインに接続され、他端は接地ラインに接続（接地）されている。

　トランジスタＭ１，Ｍ２は、それぞれ、ＮＭＯＳＦＥＴであり、トランジスタＭ１のドレインは、コンデンサＣ１の一端に接続され、トランジスタＭ１のソースは、トランジスタＭ２のドレイン及びコイルＬ１の一端に接続されている。トランジスタＭ２のソースは接地されている。また、トランジスタＭ１，Ｍ２のゲートは、制御ＩＣ２１に接続されており、トランジスタＭ１，Ｍ２は、制御ＩＣ２１によってオンオフが制御される。

　コイルＬ１の他端は、抵抗Ｒ１を介して、出力側のコンデンサＣ２の一端に接続されている。また、コンデンサＣ２の他端は、接地されている。なお、コンデンサＣ２の両端に発生する電圧が出力電圧になる。

　抵抗Ｒ２と抵抗Ｒ３は、抵抗Ｒ１とコンデンサＣ２の一端との接続点と、接地との間に直列接続されている。また、抵抗Ｒ２と抵抗Ｒ３との接続点の電圧（出力電圧を抵抗Ｒ２と抵抗Ｒ３で分圧した電圧）が制御ＩＣ２１に取り込まれている。

　制御ＩＣ２１は、電源回路２０の出力電圧が所定電圧となるように、抵抗Ｒ２と抵抗Ｒ３との接続点に発生する電圧に基づいて、トランジスタＭ１，Ｍ２をスイッチングさせる。

　トランジスタＭ１がオン、トランジスタＭ２がオフの場合、コイルＬ１の一端には入力電圧（コンデンサＣ１の電圧）が印加される。トランジスタＭ１がオフ、トランジスタＭ２がオンの場合、コイルＬ１の一端には接地ラインの電圧（接地電圧）が印加される。

　上記の動作が繰り返されることにより、電源回路２０の出力電圧は、入力電圧（電源電圧Ｖｂａｔ）よりも低くなり、所定電圧（例えば５Ｖ）に制御される。

＜ＡＤＢ光源３０＞
　ＡＤＢ光源３０は、電源回路２０の出力電圧（所定電圧）を電源とする光源であり、「光源」に相当する。

　図４に示すように、ＡＤＢ光源３０は、複数（Ｎ個）の発光素子Ｄ１～ＤＮと、複数（Ｎ個）の電流源３１_１～３１_Ｎと、配光調整回路３２とを備えている。

　複数の発光素子Ｄ１～ＤＮと、複数の電流源３１_１～３１_Ｎは、それぞれ、電源ラインと接地ラインとの間に直列に接続されている。すなわち、ＡＤＢ光源３０には、直列接続された発光素子と電流源との複数の組み合わせが、並列に配置（並列接続）されている。

　発光素子Ｄ１～ＤＮは、駆動電流が供給されて点灯する素子であり、本実施形態ではＬＥＤ（発光ダイオード）が用いられている。複数の発光素子Ｄ１～ＤＮは、並列接続されているとともに、配光パターンを形成可能にすべく、例えばアレイ状に並んで配置されている。

　電流源３１_１～３１_Ｎは、電源回路２０の出力電圧に基づいて、それぞれ、対応する発光素子に駆動電流を供給する。

　配光調整回路３２は、制御回路４０の指示（制御回路４０から入力される信号ＳＣ）に応じて、電流源３１_１～３１_Ｎを制御し、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮに流れる駆動電流を調整する。これにより、車両の状況に応じた配光パターンで点灯を行うことができる。なお、配光調整回路３２は、「調整部」に相当する。

　配光調整回路３２による駆動電流の調整方法としては、特に限定されず、例えば、ＰＷＭ制御や、アナログ制御を適用できる。本実施形態では、電流源３１_１～３１_Ｎを電流ミラー回路で構成し、一つの発光素子に流れる駆動電流の大きさを調整することで、それに応じて、他の発光素子に流れる動電流の大きさも変わるようにしている。

＜制御回路４０＞
　制御回路４０は、灯具ＥＣＵ２からの信号ＳＡ（及び、後述する検出回路５０，６０からの信号ＳＢ１，ＳＢ２）に基づいて、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮの点消灯、輝度パターンなどを一括指示する信号ＳＣを生成してＡＤＢ光源３０の配光調整回路３２に出力する。これにより、制御回路４０は、配光調整回路３２を制御し、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮを、それぞれ、所望の明るさで点灯させる。なお、制御回路４０は、「制御部」に相当する。

　前述したように、本実施形態のＡＤＢ光源３０では、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮが並列に接続されている。この場合、点灯させる発光素子の数が多いほど大電流が必要になる。例えば、発光素子の数を１０００個、１つ当たりの点灯に必要な電流を１０ｍＡとした場合、合計で１０Ａ（＝１０ｍＡ×１０００個）の電流供給能力が必要になる。このため、電源を供給する電源回路２０やＡＤＢ光源３０における発熱が大きくなり、電子部品が熱破壊するおそれがある。

　そこで、本実施形態のＡＤＢユニット５では、電源回路２０が配置された電源基板Ｋ１に温度を検出可能な検出回路５０を設け、ＡＤＢ光源３０が配置されたＬＥＤ基板Ｋ２に温度を検出可能な検出回路６０を設けている。そして、検出回路５０の検出結果及び検出回路６０の検出結果のうちの一方（温度の高い方）と、灯具ＥＣＵ２からの点灯条件を示す信号ＳＡとに基づいて、温度の上昇に応じて消費電力を下げる温度ディレーティングを行なうようにしている。

＜検出回路５０＞
　検出回路５０は、電源回路２０が配置された電源基板Ｋ１に設けられており、温度検出回路５１と、インターフェース回路（以下、Ｉ／Ｆ回路）５２とを有する。

　温度検出回路５１は、電源基板Ｋ１に設けられ、温度を検出する回路である。なお、温度検出回路５１は、「第１温度検出回路」に相当する。本実施形態の温度検出回路５１は、温度に応じた周波数の信号ＳＤ１を出力する発振回路で構成されている。図３に示すように、温度検出回路５１は、抵抗Ｒ４～Ｒ６、コンデンサＣ３，Ｃ４、サーミスタＲｔｈ１、オペアンプＯＰ１を備えている。

　抵抗Ｒ４と抵抗Ｒ５は、直列に接続されており、一端（抵抗Ｒ４の一端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ５の他端）は接地されている。

　コンデンサＣ３の一端は、直列接続された抵抗Ｒ４と抵抗Ｒ５との接続点に接続され、他端は接地されている。

　オペアンプＯＰ１の反転入力端子（－端子）は、コンデンサＣ４を介して接地されているとともに、サーミスタＲｔｈ１を介して、オペアンプＯＰ１の出力に接続されている。なお、サーミスタＲｔｈ１は、温度の変化に応じて、抵抗値が変化する電子部品である（図５参照）。

　また、オペアンプＯＰ１の非反転入力端子（＋端子）は、抵抗Ｒ４と抵抗Ｒ５の接続点に接続されているとともに、抵抗Ｒ６を介して、オペアンプＯＰ１の出力に接続されている。

　この温度検出回路５１は、オペアンプＯＰ１を用いた発振回路において、抵抗の一部（－端子と出力との間に接続される抵抗）をサーミスタＲｔｈ１に置き換えたものである。温度に応じて、サーミスタＲｔｈ１の抵抗値が変化することにより、出力信号（信号ＳＤ１）の周波数が変化する。なお、温度検出回路５１としては、サーミスタＲｔｈ１の抵抗値に応じた周波数の信号ＳＤを出力できれば良いため、例えば、ハートレー発振回路、ウィーンブリッジ発振回路を用いても良い。

　Ｉ／Ｆ回路５２は、温度検出回路５１の出力信号（信号ＳＤ１）を、論理レベルの信号（信号ＳＢ１）に変換する回路である。論理レベルの信号とはハイレベル（以下Ｈレベル）とローレベル（以下Ｌレベル）が切り替わる矩形波状の信号である。なお、Ｉ／Ｆ回路５２は、「第１インターフェース回路」に相当する。

　Ｉ／Ｆ回路５２は、トランジスタＭ３、抵抗Ｒ７～Ｒ９、コイルＬ２、コンデンサＣ５を備えている。また、コイルＬ２及びコンデンサＣ５は、制御回路４０の内部のプルアップ抵抗（不図示）に接続されている。

　トランジスタＭ３は、ＮＰＮトランジスタであり、エミッタは接地されており、コレクタは、抵抗Ｒ９を介してコイルＬ２の一端に接続されている。なお、ＮＰＮトランジスタＭ３のコレクタには、例えば制御回路４０から電源が供給される。また、ＮＰＮトランジスタＭ３のベースは、温度検出回路５１の出力（オペアンプＯＰ１の出力）と接地との間に直列接続された抵抗Ｒ７と抵抗Ｒ８との接続点に接続されている。すなわち、ＮＰＮトランジスタＭ３のベースには、温度検出回路５１の出力（信号ＳＤ１）を抵抗Ｒ７と抵抗Ｒ８で分圧した電圧が印加される。

　コンデンサＣ５の一端は、コイルＬ２の他端に接続され、コンデンサＣ５の他端は接地されている。なお、コイルＬ２とコンデンサＣ５はノイズ除去用のフィルタを構成している。また、コンデンサＣ５の両端電圧が検出回路５０の出力となる。

　以上の構成により、ＮＰＮトランジスタＭ３がオンすれば、Ｌレベルの信号が出力され、ＮＰＮトランジスタＭ３がオフすれば、Ｈレベルの信号が出力される。これにより、Ｉ／Ｆ回路５２の出力（信号ＳＢ１）は、信号ＳＤ１に基づいて、温度情報を示す矩形波の信号（論理レベルの信号）になる。これにより、コントローラ基板Ｋ３の制御回路４０に、ハーネスを介して、送信する際においても、信号ＳＢ１が矩形波であることにより、ノイズの影響を受けにくくする（ノイズ耐性を高める）ことができる。

＜検出回路６０＞
　検出回路６０は、ＡＤＢ光源３０が配置されたＬＥＤ基板Ｋ２に設けられており、温度検出回路６１と、Ｉ／Ｆ回路６２とを有する。

　温度検出回路６１は、ＬＥＤ基板Ｋ２に設けられ、温度を検出する回路である。なお、温度検出回路６１は、「第２温度検出回路」に相当する。本実施形態の温度検出回路６１は、温度に応じた周波数の信号ＳＤ２を出力する発振回路で構成されている。図４に示すように、温度検出回路６１は、抵抗Ｒ１０～Ｒ１２、コンデンサＣ６，Ｃ７、サーミスタＲｔｈ２、オペアンプＯＰ２を備えている。なお、温度検出回路６１の構成については、温度検出回路５１と同様であるので、説明を省略する。

　Ｉ／Ｆ回路６２は、温度検出回路６１の出力信号（信号ＳＤ２）を、論理レベルの信号（信号ＳＢ２）に変換する回路である。なお、Ｉ／Ｆ回路６２は、「第２インターフェース回路」に相当する。Ｉ／Ｆ回路６２は、トランジスタＭ４、抵抗Ｒ１３～Ｒ１５、コイルＬ３、コンデンサＣ８を備えている。また、コイルＬ３及びコンデンサＣ８は、制御回路４０の内部のプルアップ抵抗（不図示）に接続されている。なお、Ｉ／Ｆ回路６２の構成については、Ｉ／Ｆ回路５２と同様であるので説明を省略する。

＜＜温度ディレーティングについて＞＞
　制御回路４０は、検出回路５０（換言すると温度検出回路５１）の検出結果及び検出回路６０（換言すると温度検出回路６１）の検出結果のうちの一方と、灯具ＥＣＵ２からの配光パターン（点灯条件）を示す信号ＳＡとに基づいて温度ディレーティングを行う。

　図５～図７は、第１実施形態における温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。なお、ここでは、温度検出回路５１（サーミスタＲｔｈ１）の温度情報について説明するが、温度検出回路６１（サーミスタＲｔｈ２）についても同様である。図５～図７の横軸は、サーミスタＲｔｈ１の温度を示している。また、図５の縦軸は、サーミスタＲｔｈ１の抵抗値であり、図６の縦軸は、温度検出回路５１の温度情報（信号ＳＤ１の発振の周波数）を示し、図７の縦軸は、ＡＤＢ光源３０における出力電流（発光素子に流れる駆動電流）の大きさを示している。

　図５に示すように、サーミスタＲｔｈ１は、温度が上昇するのに応じて抵抗値が小さくなる。これにより、図６に示すように、温度の上昇に応じて、信号ＳＤ１（信号ＳＢ１）の発振の周波数が高くなる。温度検出回路６１においても同様に、温度の上昇に応じて、信号ＳＤ２（信号ＳＢ２）の発振の周波数が高くなる。

　制御回路４０は、検出回路５０から受信した信号ＳＢ１と、検出回路６０から受信した信号ＳＢ２のうち周波数の高い方（換言すると温度の高い方)を選択する。そして、その温度の高い方の検出結果と、点灯条件を示す信号ＳＡとに基づいて、図７に示すように温度ディレーティングを行う。すなわち、周波数の上昇（温度の上昇）に応じて、消費電力（発光素子に流れる駆動電流）が小さくなるような信号ＳＣを生成し、配光調整回路３２を制御する。

　本実施形態において制御回路４０は、温度ディレーティングを行う際、発光素子Ｄ１～ＤＮのうちの点灯させる個数を変えずに、発光素子Ｄ１～ＤＮのそれぞれに流れる駆動電流が小さくなるように、配光調整回路３２を制御する。これにより、配光パターンに影響を与えずに、消費電力を低減（発熱を抑制）できる。ただし、これには限られず、例えば、各発光素子に流れる駆動電流の上限値を下げるようにしてもよいし、あるいは、配光パターンを変更するようにしてもよい。こうすることにより、電源基板Ｋ１及びＬＥＤ基板Ｋ２における発熱を効率的に抑制することができ、電子部品の破壊を防ぐことが可能である。

　なお、温度ディレーティングを行う温度情報（周波数）の範囲（温度Ｔａ～Ｔｂに対応する範囲）は、情報の受信側である制御回路４０の仕様に併せて設計されている。この温度範囲が広く、発振動作が不安定になる場合、発振回路とは別にトリガーとなる温度検出回路（不図示）を、電源基板Ｋ１、ＬＥＤ基板Ｋ２にそれぞれ設け、その回路の出力に基づいて、温度ディレーティングを実行又は停止するようにしてもよい。

＝＝＝＝＝第２実施形態＝＝＝＝＝
　第２実施形態ではＡＤＢユニットの構成が、第１実施形態と異なる。
　図８は、第２実施形態のＡＤＢユニット１５の構成を示す図である。図８において、第１実施形態と同一構成の部分には同一符号を付し説明を省略する。

　第２実施形態では、電源基板Ｋ１に電源回路２０と検出回路１５０が配置され、ＬＥＤ基板Ｋ２にＡＤＢ光源３０と検出回路１６０が配置され、コントローラ基板Ｋ３に制御回路４０と電圧変換回路７０（及びバッファ回路７１）が配置されている。

　検出回路１５０は、電源基板Ｋ１に設けられており、温度を検出する温度検出回路５３と、バッファ回路５４を備えている。

　温度検出回路５３は、抵抗Ｒ１６とサーミスタＲｔｈ３を含んで構成されている。抵抗Ｒ１６とサーミスタＲｔｈ３は、直列接続されており、その一端（サーミスタＲｔｈ３の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１６の端）は接地されている。なお、第２実施形態において、温度検出回路５３は、「第１温度検出回路」に相当する。

　バッファ回路５４は、入力インピーダンスに応じて出力電圧が変動してしまうことを防止する回路であり、出力が負帰還されたオペアンプＯＰ３（ボルテージフォロア）で構成されている。オペアンプＯＰ３の＋端子には、温度検出回路５３の出力電圧（抵抗Ｒ１６とサーミスタＲｔｈ３の接続ノードの電圧）が印加され、オペアンプＯＰ３の出力は信号ＳＥ１としてコントローラ基板Ｋ３に送信される。

　検出回路１６０は、ＬＥＤ基板Ｋ２に設けられており、温度を検出する温度検出回路６３と、バッファ回路６４を備えている。

　温度検出回路６３は、抵抗Ｒ１７とサーミスタＲｔｈ４を含んで構成されている。なお、温度検出回路６３は、温度検出回路５３と同様の構成なので説明を省略する。なお、第２実施形態において、温度検出回路６３は、「第２温度検出回路」に相当する。

　バッファ回路６４は、バッファ回路５４と同様の機能を有する回路であり、出力が負帰還されたオペアンプＯＰ４（ボルテージフォロア）で構成されている。オペアンプＯＰ４の＋端子には、温度検出回路６３の出力電圧（抵抗Ｒ１７とサーミスタＲｔｈ４の接続ノードの電圧）が印加され、オペアンプＯＰ４の出力は信号ＳＥ２としてコントローラ基板Ｋ３に送信される。

　電圧変換回路７０は、温度検出回路５３及び温度検出回路６３のそれぞれの検出結果を、階段状の電圧波形（図１１参照）に変換する回路であり、抵抗Ｒ１８～Ｒ２６と、コンパレータＣＯＭ１～ＣＯＭ３と、スイッチＳＷ１とを含んで構成されている。

　抵抗Ｒ１８～Ｒ２１は、直列接続されており、その一端（抵抗Ｒ１８の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ２１の端）は接地されている。

　また、抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６は、直列されており、その一端（抵抗Ｒ２５の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ２６の端）は接地されている。

　スイッチＳＷ１は、コンパレータＣＯＭ１～ＣＯＭ３のそれぞれの反転入力端子（－端子）への入力を、検出回路１５０の検出結果（信号ＳＥ１）、又は、検出回路１６０の検出結果（信号ＳＥ２）に切り替えるためのスイッチである。なお、本実施形態では、スイッチＳＷ１の切り替えは、タイマー等により所定時間（例えば１分）毎に自動的に行われるようになっている。ただし、これには限られず、例えば、制御回路４０が、温度検出の対象を選択する（スイッチＳＷ１を切り替える）ようにしてもよい。

　コンパレータＣＯＭ１の非反転入力端子（＋端子）には、抵抗Ｒ２０と抵抗Ｒ２１の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ１の出力は、抵抗Ｒ２２を介して、抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６の接続点に接続されている。

　コンパレータＣＯＭ２の＋端子には、抵抗Ｒ１９と抵抗Ｒ２０の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ２の出力は、抵抗Ｒ２３を介して、抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６の接続点に接続されている。

　コンパレータＣＯＭ３の＋端子には、抵抗Ｒ１８と抵抗Ｒ１９の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ３の出力は、抵抗Ｒ２４を介して、抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６の接続点に接続されている。

　なお、コンパレータＣＯＭ１，ＣＯＭ２，ＣＯＭ３は、それぞれ、オープンドレインのコンパレータであり、＋端子の電圧が－端子の電圧よりも大きい場合はオープン（ハイインピーダンス）、＋端子の電圧が－端子の電圧よりも小さい場合はＬレベル（接地レベル）の電圧を出力する。

　バッファ回路７１は、バッファ回路５４，６４と同様の機能を有する回路であり、出力が負帰還されたオペアンプＯＰ５（ボルテージフォロア）で構成されている。オペアンプＯＰ５の＋端子には、電圧変換回路７０の出力電圧（抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６の接続ノードの電圧）が印加される。そして、電圧変換回路７０の出力は、バッファ回路７１（オペアンプＯＰ５）を介して制御回路４０に入力される。

　次に、第２実施形態の温度ディレーティングの動作について説明する。

　図９～図１２は、第２実施形態における温度情報と温度ディレーティングとの関係を示す図である。なお、ここでは、スイッチＳＷ１において検出回路１５０の検出結果（信号ＳＥ１）が選択された場合について説明するが、検出回路１６０の検出結果（信号ＳＥ２）が選択された場合についても同様である。図９～図１２の横軸は、サーミスタＲｔｈ３の温度を示している。また、図９の縦軸は、サーミスタＲｔｈ３の抵抗値を示し、図７１０の縦軸は、各コンパレータ（コンパレータＣＯＭ１，ＣＯＭ２，ＣＯＭ３）の－端子の入力の大きさを示している。また、図１１の縦軸は、電圧変換回路７０の出力電圧（温度情報）を示し、図１２の縦軸は、ＡＤＢ光源３０における出力電流（各発光素子に流れる駆動電流）の大きさを示している。

　図９に示すように、サーミスタＲｔｈ３は、温度が上昇するのに応じて抵抗値が小さくなる。これにより、サーミスタＲｔｈ３と抵抗Ｒ１６との接続ノードの電圧は、温度の上昇に応じて高くなる。すなわち、図１０に示すように、温度の上昇に応じて、各コンパレータ（コンパレータＣＯＭ１，ＣＯＭ２，ＣＯＭ３）の－端子の入力電圧が高くなる。

　図１１に示す、温度Ｔｃ以下では、コンパレータＣＯＭ１，ＣＯＭ２，ＣＯＭ３はオープンになっている。このため、電圧変換回路７０からは、電圧Ｖｃｃを抵抗Ｒ２５と抵抗Ｒ２６で分圧した電圧が出力される。

　温度Ｔｃを超えると、コンパレータＣＯＭ１において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ１の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ２２が接地されることになり、図１１に示すように、温度Ｔｃ以下のときと比べて電圧変換回路７０の出力電圧（温度情報）が低くなる。

　また、温度Ｔｄ（＞Ｔｃ）を超えると、コンパレータＣＯＭ２において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ２の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ２３が接地されることになり、図１１に示すように、電圧変換回路７０の出力電圧がより低くなる。

　さらに、温度Ｔｅ（＞Ｔｄ）を超えると、コンパレータＣＯＭ３において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ３の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ２４が接地されることになり、図１１に示すように、電圧変換回路７０の出力電圧がさらに低くなる。

　このように、電圧変換回路７０は、図７のＢに示す温度に比例した電圧（アナログ電圧）を、図１１のような階段状の電圧に変換する。

　スイッチＳＷ１が所定タイミングで切り替えられることにより、制御回路４０には、検出回路１５０（温度検出回路５３）の検出結果を電圧変換回路７０で変換した温度情報と、検出回路１６０（温度検出回路６３）の検出結果を電圧変換回路７０で変換した温度情報が取り込まれる。

　そして、制御回路４０は、その温度情報（検出結果）のうち温度の高い方と、信号ＳＡとに基づいて、配光調整回路３２を制御する。

　例えば、図１２において、温度Ｔｃ以下では、温度ディレーティングを行わない。すなわち、制御回路４０は、温度Ｔｃ以下では温度情報（検出結果）に関わらず、灯具ＥＣＵ２からの信号ＳＡに基づいて、ＡＤＢ光源３０の複数の発光素子Ｄ１～ＤＮを点灯させる。

　温度Ｔｃを超えると、制御回路４０は、各発光素子に流れる駆動電流が小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの８０％に）なるように、配光調整回路３２を制御する。

　また、温度Ｔｄを超えると、制御回路４０は、各発光素子に流れる駆動電流がより小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの６０％に）なるように、配光調整回路３２を制御する。

　また、温度Ｔｅを超えると、制御回路４０は、各発光素子に流れる駆動電流がさらに小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの４０％に）なるように、配光調整回路３２を制御する。

　このように、制御回路４０は、温度Ｔｃを超えると、配光調整回路３２を制御して温度ディレーティングを行う。これにより、電源基板Ｋ１とＬＥＤ基板Ｋ２における発熱を抑制し、電子部品の熱破壊を防ぐことができる。なお、温度ディレーティングを行う際には、第１実施形態と同様に、発光素子Ｄ１～ＤＮのうちの点灯させる個数を変えずに、発光素子Ｄ１～ＤＮのそれぞれに流れる駆動電流が小さくなるように、配光調整回路３２を制御する。これにより、配光パターンに影響を与えずに、消費電力を低減（発熱を抑制）できる。

　本実施形態では、コントローラ基板Ｋ３に電圧変換回路７０を配置していたが、電源基板Ｋ１とＬＥＤ基板Ｋ２のそれぞれに電圧変換回路７０を設け、階段状の電圧波形（図１１）をコントローラ基板Ｋ３の制御回路４０に送るようにしてもよい。この場合、ノイズ耐性を高めることができる。一方、本実施形態のように、電圧変換回路７０をコントローラ基板Ｋ３に設けると、温度検出回路５３の検出結果と、温度検出回路６３の検出結果に対して共通に使用できるので、部品数削減及び省スペース化を図ることができる。

＝＝＝＝＝第３実施形態＝＝＝＝＝
＜＜＜システム構成＞＞＞
　図１３は、第３実施形態の車両用灯具１００１を含むシステム構成の一例を示すブロック図である。

　図１３に示すシステムは、車両側に設けられた車両ＥＣＵ（Electronic Control Unit）１０１０と、ランプ側の車両用灯具１００１を含む。

　車両ＥＣＵ１０１０は、ランプ側の車両用灯具１００１の灯具ＥＣＵ１００２とＣＡＮ（Controller Area Network）などの制御ラインを介して接続されており、車両用灯具１００１を統合的に制御する。本実形態の車両ＥＣＵ１０１０は、車両の運転席などからの車両情報や、車載カメラからのカメラ情報を受信し、それらの情報に基づき、車両用灯具１００１を制御する信号を灯具ＥＣＵ１００２に送る。

　車両用灯具１００１は、例えば車両の前端部に設けられる前照灯（ヘッドランプ）である。なお、車両用灯具１００１は、車両の右側と左側にそれぞれ設けられているが、左右両側の構成は同じなので、図１３では片側（例えば右側）のみの構成を示している。本実施形態の車両用灯具１００１は、灯具ＥＣＵ１００２と、Ｌｏ光源１００３と、Ｈｉ光源１００４と、ＡＤＢユニット１００５とを備えている。

　灯具ＥＣＵ１００２は、車両用灯具１００１の各光源の点灯を制御する装置である。灯具ＥＣＵ１００２には、車両ＥＣＵ１０１０から車両情報、カメラ情報などを含む信号が入力される。この信号に基づき、灯具ＥＣＵ１００２は、Ｌｏ光源１００３、Ｈｉ光源１００４、ＡＤＢユニット１００５のＡＤＢ光源１０３０（後述）を適宜点灯させる。なお、灯具ＥＣＵ１００２は、ＡＤＢユニット１００５の制御回路１０４０（後述）に、ＡＤＢ光源１０３０の点灯条件（配光パターンなど）を示す信号ＳＡを送信する。この信号ＳＡは、「第２信号」に相当する。

　また、灯具ＥＣＵ１００２には、車両用のバッテリー（図１４に示すバッテリー１００６）からの電源電圧Ｖｂａｔの電源ラインや、接地レベルの電圧の接地ラインが入力される。そして、灯具ＥＣＵ１００２は、Ｌｏ光源１００３、Ｈｉ光源１００４、ＡＤＢユニット１００５に電源供給を行う。

　Ｌｏ光源１００３は、ロービーム用の光源である。ロービームは、自車近傍を所定の照度で照明するものであって、対向車や先行車にグレアを与えないよう配光規定が定められており、主に市街地を走行する場合に用いられる。

　Ｈｉ光源１００４は、ハイビーム用の光源である。ハイビームは、前方の広範囲および遠方を比較的高い照度で照明するものであり、主に対向車や先行車が少ない道路を高速走行する場合に用いられる。

　ＡＤＢユニット１００５は、配光パターンの配光を可変に制御する配光可変ヘッドランプ（ＡＤＢ:Adaptive Driving Beam)を構成するユニットである。なお、ＡＤＢとは、車両の前方の先行車、対向車や歩行者の有無を車載カメラにより検出し、車両あるいは歩行者に対応する領域を減光するなどして、車両あるいは歩行者に与えるグレアを低減するものである。

＜＜ＡＤＢユニット１００５の構成＞＞
　図１４は、ＡＤＢユニット１００５の構成例を示す図である。また、図１５は、第３実施形態における検出回路１０５０（及び電源回路１０２０）等の構成を示す図である。

　図１３～図１５に示すように、本実施形態のＡＤＢユニット１００５は、電源基板Ｋ１００１、ＬＥＤ基板Ｋ２、コントローラ基板Ｋ１００３を備えている。また、電源基板Ｋ１００１には、電源回路１０２０と検出回路１０５０が配置されており、ＬＥＤ基板Ｋ２にはＡＤＢ光源１０３０が配置されており、コントローラ基板Ｋ１００３には制御回路１０４０が配置されている。また各基板間はハーネス等の信号線で接続されている。

＜ＡＤＢ光源１０３０＞
　ＡＤＢ光源１０３０は、後述する電源回路１０２０の出力電圧（所定電圧）を電源とする光源であり、「光源」に相当する。

　図１４に示すように、ＡＤＢ光源１０３０は、複数（Ｎ個）の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎと、複数（Ｎ個）の電流源３１_１００１～３１_１００Ｎと、配光調整回路１０３２を備えている。

　複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎと、複数の電流源３１_１００１～３１_１００Ｎは、それぞれ、電源ラインと接地ラインとの間に直列に接続されている。すなわち、ＡＤＢ光源１０３０には、直列接続された発光素子と電流源との複数の組み合わせが、並列に配置（並列接続）されている。

　発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎは、駆動電流が供給されて点灯する素子であり、本実施形態ではＬＥＤ（発光ダイオード）が用いられている。複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎは、並列接続されているとともに、配光パターンを形成可能にすべく、例えばアレイ状に並んで配置されている。

　電流源３１_１００１～３１_１００Ｎは、電源回路１０２０の出力電圧に基づいて、それぞれ、対応する発光素子に駆動電流を供給する。

　配光調整回路１０３２は、制御回路１０４０の指示（制御回路１０４０から入力される信号ＳＣ）に応じて、電流源３１_１００１～３１_１００Ｎを制御し、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎに流れる駆動電流を調整する。これにより、車両の状況に応じた配光パターンで点灯を行うことができる。なお、配光調整回路１０３２は、「調整部」に相当する。

　配光調整回路１０３２による駆動電流の調整方法としては、特に限定されず、例えば、ＰＷＭ制御や、アナログ制御を適用できる。本実施形態では、電流源３１_１００１～３１_１００Ｎを電流ミラー回路で構成し、一つの発光素子に流れる駆動電流の大きさを調整することで、それに応じて、他の発光素子に流れる動電流の大きさも変わるようにしている。

＜制御回路１０４０＞
　制御回路１０４０は、灯具ＥＣＵ１００２からの信号ＳＡ（及び、後述する検出回路１０５０からの信号ＳＢ）に基づいて、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎの点消灯、輝度パターンなどを一括指示する示す信号ＳＣを生成してＡＤＢ光源１０３０（配光調整回路１０３２）に出力する。これにより、制御回路１０４０は、配光調整回路１０３２を制御し、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎを、それぞれ、所望の明るさで点灯させる。なお、制御回路１０４０は、「制御部」に相当する。

　なお、前述したように本実施形態のＡＤＢ光源１０３０では、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎが並列に接続されている。この場合、点灯させる発光素子の数が多いほど大電流が必要になる。例えば、発光素子の数を１０００個、１つ当たりの点灯に必要な電流を１０ｍＡとした場合、合計で１０Ａ（＝１０ｍＡ×１０００個）の電流供給能力が必要になる。このため、電源を供給する電源回路１０２０における発熱が大きくなり、電源回路１０２０を構成する電子部品が熱破壊するおそれがある。

　そこで、本実施形態のＡＤＢユニット１００５では、電源回路１０２０が配置された電源基板Ｋ１００１に検出回路１０５０を設けている。そして、検出回路１０５０の出力の信号ＳＢと、灯具ＥＣＵ１００２からの点灯条件を示す信号ＳＡとに基づいて、温度の上昇に応じて消費電力を下げる温度ディレーティングを行なうようにしている。

＜電源回路１０２０＞
　電源回路１０２０は、車両のバッテリー１００６から供給される電源電圧Ｖｂａｔ（例えば１２Ｖ）に基づいて、所定電圧（例えば５Ｖ）を生成する電圧レギュレータである。本実施形態の電源回路１０２０は、降圧型のＤＣ－ＤＣコンバータ（例えば、スイッチングレギュレータ）である。ただし、これには限られず、例えば、リニアレギュレータでもよいし、昇圧回路と降圧回路を含む構成（昇圧した後に降圧する構成）であってもよい。

　電源回路１０２０は、いわゆる同期整流型の回路であり、図１５に示すように、コンデンサＣ１００１，Ｃ１００２、トランジスタＭ１００１，Ｍ１００２、コイルＬ１００１、抵抗Ｒ１００１，Ｒ１００２，Ｒ１００３、及び制御ＩＣ１０２１を含んで構成されている。

　コンデンサＣ１００１は入力側のコンデンサであり、一端は電源ラインに接続され、他端は接地ラインに接続（接地）されている。

　トランジスタＭ１００１，Ｍ１００２は、それぞれ、ＮＭＯＳＦＥＴであり、トランジスタＭ１００１のドレインは、コンデンサＣ１００１の一端に接続され、トランジスタＭ１００１のソースは、トランジスタＭ１００２のドレイン及びコイルＬ１００１の一端に接続されている。トランジスタＭ１００２のソースは接地されている。また、トランジスタＭ１００１，Ｍ１００２のゲートは、制御ＩＣ１０２１に接続されており、トランジスタＭ１００１，Ｍ１００２は、制御ＩＣ１０２１によってオンオフが制御される。

　コイルＬ１００１の他端は、抵抗Ｒ１００１を介して、出力側のコンデンサＣ１００２の一端に接続されている。また、コンデンサＣ１００２の他端は、接地されている。なお、コンデンサＣ１００２の両端に発生する電圧が出力電圧になる。

　抵抗Ｒ１００２と抵抗Ｒ１００３は、抵抗Ｒ１００１とコンデンサＣ１００２の一端との接続点と、接地との間に直列接続されている。また、抵抗Ｒ１００２と抵抗Ｒ１００３との接続点の電圧（出力電圧を抵抗Ｒ１００２と抵抗Ｒ１００３で分圧した電圧）が制御ＩＣ１０２１に取り込まれている。

　制御ＩＣ１０２１は、電源回路１０２０の出力電圧が所定電圧となるように、抵抗Ｒ１００２と抵抗Ｒ１００３との接続点に発生する電圧に基づいて、トランジスタＭ１００１，Ｍ１００２をスイッチングさせる。

　トランジスタＭ１００１がオン、トランジスタＭ１００２がオフの場合、コイルＬ１００１の一端には入力電圧（コンデンサＣ１００１の電圧）が印加される。トランジスタＭ１００１がオフ、トランジスタＭ１００２がオンの場合、コイルＬ１００１の一端には接地ラインの電圧（接地電圧）が印加される。

　上記の動作が繰り返されることにより、電源回路１０２０の出力電圧は、入力電圧（電源電圧Ｖｂａｔ）よりも低くなり、所定電圧（例えば５Ｖ）に制御される。

＜検出回路１０５０＞
　検出回路１０５０は、電源回路１０２０が配置された電源基板Ｋ１００１に設けられており、温度検出回路１０５１と、インターフェース回路（以下、Ｉ／Ｆ回路）１０５２とを有する。

　温度検出回路１０５１は、電源基板Ｋ１００１に設けられ、温度を検出する回路である。本実施形態の温度検出回路１０５１は、温度に応じた周波数の信号ＳＤを出力する発振回路で構成されている。図１５に示すように、温度検出回路１０５１は、抵抗Ｒ１００４～Ｒ１００６、コンデンサＣ１００３，Ｃ１００４、サーミスタＲｔｈ１００１、オペアンプＯＰ１００１を備えている。

　抵抗Ｒ１００４と抵抗Ｒ１００５は、直列に接続されており、一端（抵抗Ｒ１００４の一端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１００５の他端）は接地されている。

　コンデンサＣ１００３の一端は、直列接続された抵抗Ｒ１００４と抵抗Ｒ１００５との接続点に接続され、他端は接地されている。

　オペアンプＯＰ１００１の反転入力端子（－端子）は、コンデンサＣ１００４を介して接地されているとともに、サーミスタＲｔｈ１００１を介して、オペアンプＯＰ１００１の出力に接続されている。なお、サーミスタＲｔｈ１００１は、温度の変化に応じて、抵抗値が変化する電子部品である（図１６参照）。

　また、オペアンプＯＰ１００１の非反転入力端子（＋端子）は、抵抗Ｒ１００４と抵抗Ｒ１００５の接続点に接続されているとともに、抵抗Ｒ１００６を介して、オペアンプＯＰ１００１の出力に接続されている。

　この温度検出回路１０５１は、オペアンプＯＰ１００１を用いた発振回路において、抵抗の一部（－端子と出力との間に接続される抵抗）をサーミスタＲｔｈ１００１に置き換えたものである。温度に応じて、サーミスタＲｔｈ１００１の抵抗値が変化することにより、出力信号（信号ＳＤ）の周波数が変化する。この信号ＳＤは、「第１信号」に相当する。なお、温度検出回路１０５１としては、サーミスタＲｔｈ１００１の抵抗値に応じた周波数の信号ＳＤを出力できれば良いため、例えば、ハートレー発振回路、ウィーンブリッジ発振回路を用いても良い。

　Ｉ／Ｆ回路１０５２は、温度検出回路１０５１の出力である信号ＳＤを、論理レベルの信号（信号ＳＢ）に変換する回路である。論理レベルの信号とはハイレベル（以下Ｈレベル）とローレベル（以下Ｌレベル）が切り替わる矩形波状の信号である。

　Ｉ／Ｆ回路１０５２は、トランジスタＭ１００３、抵抗Ｒ１００７～Ｒ１００９、コイルＬ１００２、コンデンサＣ１００５を備えている。また、コイルＬ１００２及びコンデンサＣ１００５は、制御回路１０４０の内部のプルアップ抵抗（不図示）に接続されている。

　トランジスタＭ１００３は、ＮＰＮトランジスタであり、エミッタは接地されており、コレクタは、抵抗Ｒ１００９を介してコイルＬ１００２の一端に接続されている。なお、ＮＰＮトランジスタＭ１００３のコレクタには、例えば制御回路１０４０から電源が供給される。また、ＮＰＮトランジスタＭ１００３のベースは、温度検出回路１０５１の出力（オペアンプＯＰ１００１の出力）と接地との間に直列接続された抵抗Ｒ１００７と抵抗Ｒ１００８との接続点に接続されている。すなわち、ＮＰＮトランジスタＭ１００３のベースには、温度検出回路１０５１の出力（信号ＳＤ）を抵抗Ｒ１００７と抵抗Ｒ１００８で分圧した電圧が印加される。

　コンデンサＣ１００５の一端は、コイルＬ１００２の他端に接続され、コンデンサＣ１００５の他端は接地されている。なお、コイルＬ１００２とコンデンサＣ１００５はノイズ除去用のフィルタを構成している。また、コンデンサＣ１００５の両端電圧が検出回路１０５０の出力となる。

　以上の構成により、ＮＰＮトランジスタＭ１００３がオンすれば、Ｌレベルの信号が出力され、ＮＰＮトランジスタＭ１００３がオフすれば、Ｈレベルの信号が出力される。これにより、Ｉ／Ｆ回路１０５２の出力（信号ＳＢ）は、信号ＳＤ（発振信号）に基づいて、温度情報を示す矩形波の信号（論理レベルの信号）になる。これにより、コントローラ基板Ｋ１００３の制御回路１０４０に、ハーネスを介して、送信する際においても、信号ＳＢが矩形波であることにより、ノイズの影響を受けにくくする（ノイズ耐性を高める）ことができる。

　図１６～図１８は、温度検出回路１０５１の温度情報と温度ディレーティングの関係を説明するための図である。図１６～図１８の横軸は、サーミスタＲｔｈ１００１の温度を示している。また、図１６の縦軸は、サーミスタＲｔｈ１００１の抵抗値であり、図１７の縦軸は、温度検出回路１０５１の温度情報（信号ＳＤの発振の周波数）を示し、図１８の縦軸は、ＡＤＢ光源１０３０における出力電流（発光素子に流れる駆動電流）の大きさを示している。

　図１６に示すように、サーミスタＲｔｈ１００１は、温度が上昇するのに応じて抵抗値が小さくなる。これにより、図１７に示すように、サーミスタ温度の上昇に応じて、信号ＳＤの発振の周波数が大きくなる。

　制御回路１０４０は、温度検出回路１０５１の信号ＳＤと、灯具ＥＣＵ１００２からの配光パターン（点灯条件）を示す信号ＳＡとに基づいて、図１８に示すように、周波数の上昇（温度の上昇）に応じて、消費電力（発光素子に流れる駆動電流）が小さくなるような信号ＳＣを生成し、配光調整回路１０３２を制御する（温度ディレーティングを行う）。こうすることにより、発熱を抑制することができ、電子部品の破壊を防ぐことが可能である。なお、温度ディレーティングを行う温度情報（周波数）の範囲（温度Ｔａ～Ｔｂに対応する範囲）は、情報の受信側である制御回路１０４０の仕様に併せて設計されている。

　また、本実施形態において制御回路１０４０は、温度ディレーティングを行う際、発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎのうちの点灯させる個数を変えずに、発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎのそれぞれに流れる駆動電流が小さくなるように、配光調整回路１０３２を制御する。これにより、配光パターンに影響を与えずに、消費電力を低減（発熱を抑制）できる。ただし、これには限られず、例えば、各発光素子に流れる駆動電流の上限値を下げるようにしてもよいし、あるいは、配光パターンを変更するようにしてもよい。

＝＝＝＝＝第４実施形態＝＝＝＝＝
　図１９は、第４実施形態における検出回路１１５０の構成を示す図である。図１９において、図１５と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。第４実施形態では電源基板Ｋ１００１上に、電源回路１０２０と、検出回路１１５０が設けられている。

　検出回路１１５０は、温度検出回路１０５１と、Ｉ／Ｆ回路１０５２と、信号出力回路１０５３を有する。

　信号出力回路１０５３は、温度検出回路１０５１とは別に、温度ディレーティングを実施する際のトリガーとなる信号ＳＥを出力する回路であり、抵抗Ｒ１０１０～Ｒ１０１２と、サーミスタＲｔｈ１００２と、コンパレータＣＯＭ１００１とを含んで構成されている。なお、信号出力回路１０５３は、「出力回路」に相当し、信号ＳＥは「第３信号」に相当する。

　抵抗Ｒ１０１０と抵抗Ｒ１０１１は、直列接続されており、その一端（抵抗Ｒ１０１０の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１０１１の端）は接地されている。また、サーミスタＲｔｈ１００２と抵抗Ｒ１０１２も、直列接続されており、その一端（サーミスタＲｔｈ１００２の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１０１２の端）は接地されている。

　コンパレータＣＯＭ１００１の反転入力端子（－端子）は、抵抗Ｒ１０１０と抵抗Ｒ１０１１の接続点に接続され、非反転入力端子（＋端子）は、サーミスタＲｔｈ１００２と抵抗Ｒ１０１２との接続点に接続されている。そして、コンパレータＣＯＭ１００１は、＋端子の電圧と－端子の電圧とを比較し、その比較結果を出力する。なお、本実施形態のコンパレータＣＯＭ１００１は、オープンドレインタイプであり、＋端子の電圧が－端子の電圧よりも大きければオープン（ハイインピーダンス）、小さければＬレベル（接地レベル）の電圧を出力する。なお、抵抗Ｒ１０１０，Ｒ１０１１，Ｒ１０１２の各抵抗値は、サーミスタＲｔｈ１００２の抵抗の変化に応じて、コンパレータＣＯＭ１００１の出力が、図１６～図１８の温度Ｔａで切り替わるように設定されている。

　電源基板Ｋ１００１における温度が所定温度Ｔａよりも高い場合、サーミスタＲｔｈ１００２の抵抗が小さいため、コンパレータＣＯＭ１００１の＋端子の電圧が－端子の電圧よりも大きくなる。これにより、コンパレータＣＯＭ１００１の出力はオープンとなる。温度が所定温度Ｔａ以下になると、サーミスタＲｔｈ１００２の抵抗が大きくなり、コンパレータＣＯＭ１００１の－端子の電圧が＋端子の電圧よりも大きくなる。これにより、コンパレータＣＯＭ１００１の出力はＬレベルになる。このコンパレータＣＯＭ１００１の出力は、信号ＳＥとして制御回路１０４０に出力される。なお、所定温度Ｔａは「第２温度」に相当する。

　第４実施形態の制御回路１０４０は、信号ＳＢに加えて、信号出力回路１０５３の出力信号（信号ＳＥ）も取り込んでいる。そして、制御回路１０４０は、信号ＳＥがＬレベルになった場合、温度ディレーティングを行わない。すなわち、Ｉ／Ｆ回路１０５２の出力の信号ＳＢ（換言すると、温度検出回路１０５１の出力の信号ＳＤ）に関わらず、灯具ＥＣＵ１００２からの信号ＳＡに基づいて、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎを点灯させる。

　これにより、例えば温度Ｔａ付近で、温度検出回路１０５１（発振回路）の条件（オペアンプＯＰ１００１や各抵抗の抵抗値等）により発振動作が不安定になる場合においても、信号出力回路１０５３の出力（信号ＳＥ）をトリガーとして、温度ディレーティングを停止することができる。なお、本実施形態では、信号出力回路１０５３は、温度ディレーティングが必要な範囲の下限（温度Ｔａ）を検出したが、上限（温度Ｔｂ）を検出する回路も設けてもよい。これにより、温度ディレーティングが必要な温度範囲で、確実に温度ディレーティングを行うことができる。

＝＝＝＝＝第５実施形態＝＝＝＝＝
　図２０は、第５実施形態における検出回路１２５０の構成を示す図である。図２０において、図１５、図１９と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。第５実施形態では電源基板Ｋ１００１上に、電源回路１０２０と、検出回路１２５０が設けられている。

　検出回路１２５０は、温度検出回路１０５１と、Ｉ／Ｆ回路１０５２と、発振停止回路１０５４を有する。

　発振停止回路１０５４は、抵抗Ｒ１０１３～Ｒ１０１５と、サーミスタＲｔｈ１００３と、コンパレータＣＯＭ１００２とを含んで構成されている。図２０に示すように、発振停止回路１０５４は、第４実施形態（図１９）の信号出力回路１０５３と同一構成であるので説明を省略する。発振停止回路１０５４の出力（コンパレータＣＯＭ１００２の出力）は、温度検出回路１０５１のオペアンプＯＰ１００１の－端子と、サーミスタＲｔｈ１００１と、コンデンサＣ１００４との接続点に接続されている。なお、発振停止回路１０５４は、「停止回路」に相当する。

　電源基板Ｋ１００１における温度が、例えば図１６～図１８の温度Ｔａよりも高い場合、コンパレータＣＯＭ１００２の＋端子の電圧が－端子の電圧よりも大きくなる。これにより、コンパレータＣＯＭ１００２の出力はオープンとなる。よって、第３実施形態と同様に、温度検出回路１０５１において温度に応じた発振の動作（温度検出）が行われ、その結果に基づいて温度ディレーティングが行われる。

　一方、温度が温度Ｔａ以下の場合、サーミスタＲｔｈ１００３の抵抗が大きくなり、コンパレータＣＯＭ１００２の－端子の電圧が＋端子の電圧よりも大きくなる。これにより、コンパレータＣＯＭ１００２の出力はＬレベルになる。コンパレータＣＯＭ１００２の出力がＬレベルになることにより、オペアンプＯＰ１００１の－端子が接地レベルになり、オペアンプＯＰ１００１は発振しなくなる（発振の動作が強制的に停止される）。このように、発振停止回路１０５４は、温度が温度Ｔａ以下になると、温度検出回路１０５１の動作を止める。これにより、温度ディレーティングは行われない。なお、このときの温度Ｔａは「第１温度」に相当する。

　この第５実施形態においても、発振停止回路１０５４の出力をトリガーとして、温度ディレーティングを停止することができる。

＝＝＝＝＝第６実施形態＝＝＝＝＝
　図２１は、第６実施形態における検出回路１３５０の構成を示す図である。図２１において、図１５，図１９，図２０と同一構成の部分には同一符号を付し、説明を省略する。第６実施形態では電源基板Ｋ１００１上に、電源回路１０２０と、検出回路１３５０が設けられている。

　検出回路１３５０は、温度検出回路５５と、バッファ回路５６を有する。

　温度検出回路５５は、抵抗Ｒ１０１６～Ｒ１０２５と、コンパレータＣＯＭ１００３～ＣＯＭ１００５と、サーミスタＲｔｈ１００４を含んで構成されている。

　抵抗Ｒ１０１６～Ｒ１０１９は、直列接続されており、その一端（抵抗Ｒ１０１６の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１０１９の端）は接地されている。

　また、サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０は、直列接続されており、抵抗Ｒ１０１６～Ｒ１０１９と並列に設けられている。すなわち、直列接続されたサーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０の一端（サーミスタＲｔｈ１００４の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１０２０の端）は接地されている。

　また、抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５は、直列接続されており、その一端（抵抗Ｒ１０２４の端）には電圧Ｖｃｃが印加され、他端（抵抗Ｒ１０２５の端）は接地されている。

　コンパレータＣＯＭ１００３の反転入力端子（－端子）には、サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０との接続点の電圧が印加され、非反転入力端子（＋端子）には、抵抗Ｒ１０１８と抵抗Ｒ１０１９の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ１００３の出力は、抵抗Ｒ１０２１を介して、抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５の接続点に接続されている。

　コンパレータＣＯＭ１００４の－端子には、サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０との接続点の電圧が印加され、＋端子には、抵抗Ｒ１０１７と抵抗Ｒ１０１８の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ１００３の出力は、抵抗Ｒ１０２２を介して、抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５の接続点に接続されている。

　コンパレータＣＯＭ１００５の－端子には、サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０との接続点の電圧が印加され、＋端子には、抵抗Ｒ１０１６と抵抗Ｒ１０１７の接続点の電圧が印加される。またコンパレータＣＯＭ１００３の出力は、抵抗Ｒ１０２３を介して、抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５の接続点に接続されている。

　なお、コンパレータＣＯＭ１００３，ＣＯＭ１００４，ＣＯＭ１００５は、それぞれ、オープンドレインのコンパレータであり、＋端子の電圧が－端子の電圧よりも大きい場合はオープン（ハイインピーダンス）、＋端子の電圧が－端子の電圧よりも小さい場合はＬレベル（接地レベル）の電圧を出力する。

　バッファ回路５６は、入力インピーダンスに応じて出力電圧が変動してしまうことを防止する回路であり、出力が負帰還されたオペアンプＯＰ１００２（ボルテージフォロア）で構成されている。オペアンプＯＰ１００２の＋端子には、温度検出回路５５の出力電圧（抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５の接続ノードの電圧）が印加され、オペアンプＯＰ１００２の出力は信号ＳＢとして制御回路１０４０に送信される。

　次に、検出回路１３５０（温度検出回路５５）の動作について説明する。

　図２２～図２５は、温度検出回路５５の温度情報と温度ディレーティングとの関係を示す図である。図２２～図２５の横軸は、サーミスタＲｔｈ１００４の温度を示している。また、図２２の縦軸は、サーミスタＲｔｈ１００４の抵抗値を示し、図２３の縦軸は、各コンパレータ（コンパレータＣＯＭ１００３，ＣＯＭ１００４，ＣＯＭ１００５）の－端子の入力の大きさを示している。また、図２４の縦軸は、検出回路１３５０の出力（信号ＳＢ）を示し、図２５の縦軸は、ＡＤＢ光源１０３０における出力電流（各発光素子に流れる駆動電流）の大きさを示している。

　図２２に示すように、サーミスタＲｔｈ１００４は、温度が上昇するのに応じて抵抗値が小さくなる。これにより、図２３に示すように、サーミスタ温度の上昇に応じて、各コンパレータ（コンパレータＣＯＭ１００３，ＣＯＭ１００４，ＣＯＭ１００５）の－端子の入力電圧が高くなる。なお、この入力電圧は、温度に応じた「第１電圧」に相当し、サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０は、入力電圧（第１電圧）を発生する「電圧発生回路」に相当する。

　図２４に示す、温度Ｔｃ以下では、コンパレータＣＯＭ１００３，ＣＯＭ１００４，ＣＯＭ１００５はオープンになっている。このため、信号ＳＢとして、電圧Ｖｃｃを抵抗Ｒ１０２４と抵抗Ｒ１０２５で分圧した電圧が出力される。制御回路１０４０は、この温度Ｔｃ以下では温度ディレーティングを行わない。すなわち、本実施形態において温度Ｔｃは、「第２温度」に相当し、制御回路１０４０は、温度Ｔｃ以下では信号ＳＢに関わらず、灯具ＥＣＵ１００２からの信号ＳＡに基づいて、ＡＤＢ光源１０３０の複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎを点灯させる。

　温度Ｔｃを超えると、コンパレータＣＯＭ１００３において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ１００３の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ１０２１が接地されることになり、図２４に示すように、温度Ｔｃ以下のときと比べて出力電圧（信号ＳＢの電圧）が低くなる。この場合、制御回路１０４０は、各発光素子に流れる駆動電流が小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの８０％に）なるように、配光調整回路１０３２を制御し、温度ディレーティングを行う。

　また、温度Ｔｄ（＞Ｔｃ）を超えると、コンパレータＣＯＭ１００４において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ１００４の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ１０２２が接地されることになり、図２４に示すように、出力電圧（信号ＳＢの電圧）がより低くなる。この場合、制御回路１０４０は、各発光素子に流れる駆動電流がより小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの６０％に）なるように、配光調整回路１０３２を制御し、温度ディレーティングを行う。

　さらに、温度Ｔｅ（＞Ｔｄ）を超えると、コンパレータＣＯＭ１００５において－端子の電圧が＋端子の電圧よりも高くなり、コンパレータＣＯＭ１００５の出力がＬレベル（接地レベル）になる。これにより、抵抗Ｒ１０２３が接地されることになり、図２４に示すように、出力電圧（信号ＳＢの電圧）がさらに低くなる。この場合、制御回路１０４０は、各発光素子に流れる駆動電流がさらに小さく（例えば、温度Ｔｃ以下のときの４０％に）なるように、配光調整回路１０３２を制御し、温度ディレーティングを行う。

　この第６実施形態では、サーミスタ温度の上昇に応じて変化する電圧（各コンパレータの－端子の入力電圧）を、図２４に示すような階段状の電圧に変換している。この階段状の電圧は「第２電圧」に相当し、温度検出回路５５のうちサーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０を除く部位は、「電圧変換回路」に相当する。

　このように、第６実施形態においても、温度検出回路５５の検出結果に応じて温度ディレーティングを行うことにより、発熱を抑制し、電子部品の破壊を防ぐことができる。

　また、第６実施形態では、図２４に示すような階段状の波形（電圧）を形成することで、ハーネスを介して、温度検出回路５５から制御回路１０４０に信号を送信する際に、ノイズの影響を受けにくくする（ノイズ耐性を高める）ことができる。

＝＝＝まとめ＝＝＝
　以上、第１実施形態および第２実施形態の車両用灯具１について説明した。車両用灯具１は、車両に用いられる灯具であり、電源基板Ｋ１に設けられ、電源電圧Ｖｂａｔに基づいて所定電圧を生成する電源回路２０と、ＬＥＤ基板Ｋ２に設けられたＡＤＢ光源３０と、コントローラ基板Ｋ３に設けられた制御回路４０を備えている。ＡＤＢ光源３０は、所定電圧を電源とする光源であり、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮと、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮのそれぞれに流れる駆動電流を調整する配光調整回路３２と、を含む。また、第１実施形態の電源基板Ｋ１には、温度を検出する温度検出回路５１が設けられ、ＬＥＤ基板Ｋ２には温度を検出する温度検出回路６１が設けられており、制御回路４０は、温度検出回路５１，６１のそれぞれの検出結果のうちの温度の高い方の検出結果と、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮの点灯条件を示す信号ＳＡと、に基づいて、配光調整回路３２を制御する。これにより、電源基板Ｋ１及びＬＥＤ基板Ｋ２における発熱を効率的に抑制することができ、電子部品の破壊を防ぐことが可能である。

　また、温度検出回路５１，６１は、それぞれ、温度に応じた周波数で発振する発振回路である。これにより、電源基板Ｋ１、ＬＥＤ基板Ｋ２における温度をそれぞれ周波数から検出できる。

　また、電源基板Ｋ１には、温度検出回路５１の出力信号ＳＤ１を、論理レベルの信号ＳＢ１に変換するＩ／Ｆ回路５２が設けられ、ＬＥＤ基板Ｋ２には、温度検出回路６１の出力信号ＳＤ２を、論理レベルの信号ＳＢ２に変換するＩ／Ｆ回路６２が設けられている。これにより、ノイズによる影響を受けにくくする（ノイズ耐性を高める）ことができる。

　また、第２実施形態では、電源基板Ｋ１には、抵抗Ｒ１６とサーミスタＲｔｈ３を含む温度検出回路５３が設けられ、ＬＥＤ基板Ｋ２には、抵抗Ｒ１７とサーミスタＲｔｈ４を含む温度検出回路６３が設けられている。これにより、簡易な構成で電源基板Ｋ１、ＬＥＤ基板Ｋ２における温度をそれぞれ検出できる。

　また、温度検出回路５３の検出結果、及び温度検出回路６３の検出結果を、階段状の電圧波形に変換する電圧変換回路７０を有している。これにより、ノイズ耐性を高めることができる。

　また、電圧変換回路７０は、コントローラ基板Ｋ３に設けられている。これにより、温度検出回路５３の検出結果、及び温度検出回路６３の検出結果を一つの電圧変換回路７０で変換できるので、部品数削減及び省スペース化を図ることができる。

　また、制御回路４０は、温度ディレーティングを行う際、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮのうちの点灯させる個数を変えずに、複数の発光素子Ｄ１～ＤＮのそれぞれに流れる前記駆動電流が小さくなるよう調整部を制御する。これにより、配光パターンに影響を与えずに消費電力を下げることができる。

　また、本実施形態の灯具（車両用灯具１）は、車両の前照灯（特にＡＤＢ）に好適に用いることができる。ただし、これには限られず、例えば、街路灯に適用されても良い。この場合においても、同様の効果を得ることができる。

　また、第３～第６実施形態の車両用灯具１００１について説明した。車両用灯具１００１は、車両に用いられる灯具であり、電源電圧Ｖｂａｔを降圧した所定電圧を生成する電源回路１０２０と、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎと、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎのそれぞれに流れる駆動電流を調整する配光調整回路１０３２と、を含み、所定電圧を電源とするＡＤＢ光源１０３０を備えている。また、第３実施形態では、電源回路１０２０が配置された電源基板Ｋ１００１に設けられ、温度を検出する温度検出回路１０５１と、温度検出回路１０５１からの信号ＳＤと、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎの点灯条件を示す信号ＳＡと、に基づいて、配光調整回路１０３２を制御する制御回路１０４０と、を備えている。これにより、温度が上昇した場合に消費電力を抑えることができるので、発熱を抑制し、電子部品の破壊を防ぐことが可能である。

　また、第３～第５実施形態の温度検出回路１０５１は、温度によって抵抗が変化するサーミスタＲｔｈ１００１が用いられることにより、温度に応じた周波数の信号ＳＤを出力する発振回路である。これにより、発振の周波数から温度を検出することができる。

　また、第３～第５実施形態では、信号ＳＤを、論理レベルの信号ＳＢに変換するＩ／Ｆ回路１０５２を含んでいる。これにより、信号ＳＢを制御回路１０４０に送信する際に、ノイズ耐性を高めることができる。

　また、第５実施形態では、電源基板Ｋ１００１に設けられ、温度が温度Ｔａ以下になると、温度検出回路１０５１の動作を止める発振停止回路１０５４を有している。これにより、温度ディレーティングを実行する際の温度の精度を高めることができる。

　また、第６実施形態の温度検出回路５５は、温度に応じた電圧を発生する電圧発生回路（サーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０）と、その電圧を階段状の電圧に変換して信号ＳＢとして出力する電圧変換回路（温度検出回路５５のうちサーミスタＲｔｈ１００４と抵抗Ｒ１０２０を除く部位）を含んでいる。これにより、信号ＳＢを制御回路１０４０に送信する際に、ノイズ耐性を高めることができる。

　また、第３～第５実施形態の制御回路１０４０は、検出された温度が、温度Ｔａ（第６実施形態では温度Ｔｃ）以下である場合、信号ＳＢに関わらず信号ＳＡに基づいて、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎを点灯させる。これにより、温度ディレーティングが不要な温度範囲では、温度ディレーティングを行わないようにできる。

　また、第４実施形態では、温度がＴａ以下となったことを示す信号ＳＥを、制御回路１０４０に出力する信号出力回路を５３有している。これにより、温度ディレーティングを実行する温度の精度を高めることができる。

　また、制御回路１０４０は、温度ディレーティングを行う際、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎのうちの点灯させる個数を変えずに、複数の発光素子Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎのそれぞれに流れる前記駆動電流が小さくなるよう調整部を制御する。これにより、配光パターンに影響を与えずに消費電力を下げることができる。

　また、本実施形態の灯具（車両用灯具１００１）は、車両の前照灯（特にＡＤＢ）に好適に用いることができる。ただし、これには限られず、例えば、街路灯に適用されても良い。この場合においても、同様の効果を得ることができる。

　上記の実施形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。また、本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本開示にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。例えば、以下に示すような形態であっても良い。

　上記の実施形態では、制御回路４０及び配光調整回路３２は別体として設けられていたが、例えば、マイコンの一部が、制御部、調整部として機能することで構成されていても良い。

　また、第２実施形態では、温度検出回路５１，６１の検出結果を、電圧変換回路７０によって階段状の電圧に変換していたが、電圧を変換せずに（アナログ電圧のまま）、制御回路４０に取り込むようにしても良い。そして、検出結果の一方（温度の高い方）と信号ＳＡに基づいて、温度ディレーティングを行うようにしても良い。

　前述の実施形態では、ＡＤＢユニット１００５の各回路が、３つの基板（電源基板Ｋ１００１、ＬＥＤ基板Ｋ２、コントローラ基板Ｋ１００３）上に構成されていたが、１つの基板に構成されていてもよい。

　また、制御回路１０４０及び配光調整回路１０３２は、例えば、マイコンの一部が、制御部、調整部として機能することで構成されていてもよい。

　本出願は、２０２１年７月２６日出願の日本特許出願（特願２０２１－１２１２３７）、および、２０２１年７月１６日出願の日本特許出願（特願２０２１－１１７９４７）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本開示によれば、発熱を抑制し、電子部品の破壊を防ぐことが可能な灯具を提供できる。

１　車両用灯具
２　灯具ＥＣＵ
３　Ｌｏ光源
４　Ｈｉ光源
５，１５　ＡＤＢユニット
６　バッテリー
１０　車両ＥＣＵ
２０　電源回路
２１　制御ＩＣ
３０　ＡＤＢ光源
３１_1～３１_Ｎ　電流源
３２　配光調整回路
４０　制御回路
５０，６０　検出回路
５１，６１　温度検出回路
５２，６２　インターフェース回路
５３，６３　温度検出回路
５４，６４，７１　バッファ回路
７０　電圧変換回路
１５０，１６０　検出回路
Ｃ１～Ｃ８　コンデンサ
ＣＯＭ１～ＣＯＭ３　コンパレータ
Ｄ１～ＤＮ　発光素子、
Ｋ１　電源基板
Ｋ２　ＬＥＤ基板
Ｋ３　コントローラ基板
Ｌ１～Ｌ３　コイル
Ｍ１～Ｍ４　トランジスタ
ＯＰ１～ＯＰ５　オペアンプ
Ｒ１～Ｒ２６　抵抗
Ｒｔｈ１～Ｒｔｈ４　サーミスタ
ＳＡ，ＳＢ，ＳＢ１，ＳＢ２，ＳＣ，ＳＤ，ＳＤ１，ＳＤ２，ＳＥ１，ＳＥ２　信号
ＳＷ１　スイッチ
Ｖｂａｔ　電源電圧
Ｖｃｃ　電圧
１００１　車両用灯具
１００２　灯具ＥＣＵ
１００３　Ｌｏ光源
１００４　Ｈｉ光源
１００５　ＡＤＢユニット
１００６　バッテリー
１０１０　車両ＥＣＵ
１０２０　電源回路
１０２１　制御ＩＣ
１０３０　ＡＤＢ光源
３１_１００１～３１_１００Ｎ　電流源
１０３２　配光調整回路
１０４０　制御回路
１０５０　検出回路
１０５１　温度検出回路
１０５２　インターフェース回路
１０５３　信号出力回路
１０５４　発振停止回路
１０５５　温度検出回路
１０５６　バッファ回路
１１５０，１２５０，１３５０　検出回路
Ｃ１００１～Ｃ１００５　コンデンサ
ＣＯＭ１００１～ＣＯＭ１００５　コンパレータ
Ｄ１００１～Ｄ１００Ｎ　発光素子、
Ｋ１００１　電源基板
Ｋ１００２　ＬＥＤ基板
Ｋ１００３　コントローラ基板
Ｌ１００１，Ｌ１００２　コイル
Ｍ１００１，Ｍ１００２　トランジスタ
Ｍ１００３　ＮＰＮトランジスタ
ＯＰ１００１,ＯＰ１００２　オペアンプ
Ｒ１００１～Ｒ１０２５　抵抗
Ｒｔｈ１００１～Ｒｔｈ１００４　サーミスタ

Claims

　第１基板に設けられ、電源電圧に基づいて所定電圧を生成する電源回路と、
　第２基板に設けられ、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる駆動電流を調整する調整部と、を含み、前記所定電圧を電源とする光源と、
　第３基板に設けられ、前記調整部を制御する制御部と、
　前記第１基板に設けられ、温度を検出する第１温度検出回路と、
　前記第２基板に設けられ、温度を検出する第２温度検出回路と、
　を有し、
　前記制御部は、前記第１及び第２温度検出回路のそれぞれの検出結果のうちの温度の高い方の検出結果と、前記複数の発光素子の点灯条件を示す信号と、に基づいて、前記調整部を制御する、
　灯具。
　前記第１及び第２温度検出回路は、それぞれ、温度に応じた周波数で発振する発振回路である、
　請求項１に記載の灯具。
　前記第１基板には、前記第１温度検出回路の出力信号を、論理レベルの信号に変換する第１インターフェース回路が設けられ、
　前記第２基板には、前記第２温度検出回路の出力信号を、論理レベルの信号に変換する第２インターフェース回路が設けられている、
　請求項２に記載の灯具。
　前記第１及び第２温度検出回路は、それぞれ、抵抗とサーミスタを含んで構成される、
　請求項１に記載の灯具。
　前記第１及び第２温度検出回路のそれぞれの検出結果を、階段状の電圧波形に変換する電圧変換回路を有する、
　請求項４に記載の灯具。
　前記電圧変換回路は、前記第３基板に設けられている、
　請求項５に記載の灯具。
　前記制御部は、前記複数の発光素子のうちの点灯させる個数を変えずに、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる前記駆動電流が小さくなるよう前記調整部を制御する、
　請求項１～６の何れか一項に記載の灯具。
　前記灯具は、車両に用いられる、
　請求項１～７の何れか一項に記載の灯具。
　電源電圧に基づいて所定電圧を生成する電源回路と、
　複数の発光素子と、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる駆動電流を調整する調整部と、を含み、前記所定電圧を電源とする光源と、
　前記電源回路が配置された基板に設けられ、温度を検出する温度検出回路と、
　前記温度検出回路からの第１信号と、前記複数の発光素子の点灯条件を示す第２信号と、に基づいて、前記調整部を制御する制御部と、
　を備える灯具。
　前記温度検出回路は、温度に応じた周波数の前記第１信号を出力する発振回路である、
　請求項９に記載の灯具。
　前記第１信号を、論理レベルの信号に変換するインターフェース回路を含む、
　請求項１０に記載の灯具。
　前記基板に設けられ、温度が第１温度以下になると、前記発振回路の動作を止める停止回路を有する、
　請求項１０又は１１に記載の灯具。
　前記温度検出回路は、
　温度に応じた第１電圧を発生する電圧発生回路と、
　前記第１電圧を階段状の第２電圧に変換して前記第１信号として出力する電圧変換回路と、
　を含む、
　請求項９に記載の灯具。
　前記制御部は、検出された温度が、第２温度以下である場合、前記第１信号に関わらず前記第２信号に基づいて、前記複数の発光素子を点灯させる、
　請求項９～１３の何れか一項に記載の灯具。
　温度が前記第２温度以下となったことを示す第３信号を、前記制御部に出力する出力回路を有する、
　請求項１４に記載の灯具。
　前記制御部は、前記複数の発光素子のうちの点灯させる個数を変えずに、前記複数の発光素子のそれぞれに流れる前記駆動電流が小さくなるよう前記調整部を制御する、
　請求項９～１５の何れか一項に記載の灯具。
　前記灯具は、車両に用いられる、
　請求項９～１６の何れか一項に記載の灯具。