WO2016194164A1 - 車体フレームのボルト締結構造 - Google Patents

Abstract

ボルト締結作業中にボルトが車体フレームの閉断面の底面へ脱落することを防止することが可能な車体フレームのボルト締結構造を提供する。　車体フレームのボルト締結構造１は、閉断面を構成するとともに、ボルトＢを前記閉断面内に挿通可能な孔部３１ａが形成されるアッパサイドメンバ３と、孔部３１ａから閉断面内に挿通されたボルトＢによってアッパサイドメンバ３と締結されるダンパベース４０と、アッパサイドメンバ３の閉断面内に設けられ、閉断面の下壁部２２へのボルトＢの脱落を防止するボルト脱落防止用ブラケット６０と、を備える。

Description

車体フレームのボルト締結構造

　本発明は、車体フレームのボルト締結構造に関する。

　従来の車両において、閉断面を構成する車体フレームとパネルとを車幅方向に並べた状態で互いに連結する構造として、特許文献１には、パネルの上面から延設される延長部を車体フレームの上面と重ね合わせ、上方からボルト締結する構造が記載されている。
　また、特許文献２には、車体フレームの側面とパネルの側面とを溶接によって接合する構造が記載されている。

特開平４－１９７８８０号公報 特開２００９－２９２０１号公報

　しかし、特許文献１に記載の構造では、パネルの上面と車体フレームの上面との高さを合わせる必要があり、レイアウトの自由度が下がってしまう。
　また、特許文献２に記載の構造では、例えば前突荷重が車体フレームに伝達された場合に、車体フレームとパネルとが剥離しやすくなるおそれがある。

　かかる問題を解決する構造として、車体フレームに孔部を形成し、ボルトをかかる孔部から車体フレームの閉断面内に挿通して車体フレームの側面とパネルの側面とをボルト締結することが考えられる。
　しかし、かかる構造では、車体フレームの閉断面内においてボルト締結作業を行うことになり、締結作業が上手くいかなかった場合に、ボルトが車体フレームの閉断面内の底面に脱落するおそれがある。

　本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ボルト締結作業中にボルトが車体フレームの閉断面の底面へ脱落することを防止することが可能な車体フレームのボルト締結構造を提供することを課題とする。

　前記した課題を解決するために、本発明の車体フレームのボルト締結構造は、閉断面を構成するとともに、ボルトを前記閉断面内に挿通可能な孔部が形成される車体フレームと、前記孔部から前記閉断面内に挿通されたボルトによって前記車体フレームと締結されるパネルと、前記車体フレームの前記閉断面内に設けられ、前記閉断面の底面への前記ボルトの脱落を防止するボルト脱落防止用ブラケットと、を備えることを特徴とする。

　かかる構成によると、車体フレームの閉断面内にボルト脱落防止用ブラケット６０を備えるので、ボルト締結作業中にボルトが車体フレームの閉断面の底面へ脱落することを防止することができる。

　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記ボルトを挿通可能な作業孔が形成される縦壁部と、前記縦壁部の下端部から延設されており、前記車体フレームの閉断面内の底面へ脱落しようとする前記ボルトを支持することが可能な底壁部と、を一体的に備え、前記底壁部は、前記作業孔の軸線視で当該作業孔の下方に位置するとともに、中間部が最も低い下に凸の円弧形状を呈する構成であってもよい。

　かかる構成によると、底壁部が作業孔の軸線視で当該作業孔の下方に位置するとともに中間部が最も低い下に凸の円弧形状を呈するので、底壁部が車体フレーム内で脱落しようとするボルトを支持し、作業者による当該ボルトの取出作業を容易化することができる。

　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記縦壁部の周縁部から延設されており、前記車体フレームの内面に取り付けられる脚部を備える構成であってもよい。

　かかる構成によると、ボルト脱落防止用ブラケットが車体フレームの内面に取り付けられる脚部を備えるので、車体フレームの閉断面の形状に応じてボルト脱落防止用ブラケットを取り付けることが可能であるとともに、ボルト脱落防止用ブラケットと車体フレームの内面との間隔を好適に設定してボルトが車体フレームの底面に脱落することをより確実に防止することができる。

　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記底壁部の先端部から下方へ延設される折り曲げフランジ部を備える構成であってもよい。

　かかる構成によると、ボルト脱落防止用ブラケットが折り曲げフランジ部を備えるので、ボルト脱落防止用ブラケットの剛性を確保しつつ、薄肉化及び軽量化を実現することができる。

　前記車体フレームは、フロントピラーから前方へ延設されるアッパサイドメンバであり、前記パネルは、ダンパが取り付けられるダンパベースである構成であってもよい。

　かかる構成によると、アッパサイドメンバ及びダンパベースに適用されているので、前突時のアッパサイドメンバとダンパベースとの剥離をボルトによって防止して衝撃吸収性能を向上することができる。

　前記アッパサイドメンバは、車幅方向内側壁部及び上壁部を構成する第一板部と、車幅方向外側壁部及び下壁部を構成する第二板部と、を閉断面を構成するように組み合わせることによって形成されており、車体フレームのボルト締結構造は、前記第二板部を補強する補強部材を備え、前記第二板部は、前記フロントピラーに他のボルトによって締結されている構成であってもよい。

　かかる構成によると、第二板部が補強部材によって補強されるとともにフロントピラーにボルト締結されているので、車両の前突荷重が第二板部からフロントピラーに伝達されるようになり、前突時における第一板部とダンパベースとの剥離荷重を低減することができる。

　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記第二板部又は前記補強部材に接合されている構成であってもよい。

　かかる構成によると、ボルト脱落防止用ブラケットが第二板部又は補強部材に接合されているので、かかる接合状態で第二板部と第一板部とを組み合わせることが可能であり、閉断面を呈する車体フレームを容易に形成することができる。

　本発明によると、ボルト締結作業中にボルトが車体フレームの閉断面の底面へ脱落することを防止することができる。

本発明の実施形態に係る車体フレームのボルト締結構造を車幅方向外側から見た側面図である。 メンバ外板部、補強部材及びボルト脱落防止用ブラケットを示す分解斜視図である。 ボルト脱落防止用ブラケットを示す拡大斜視図である。 図１のＸ矢視断面図である。

　本発明の実施形態について、本発明の車体フレームのボルト締結構造を、車体前部構造において、車体フレームとしてのアッパサイドメンバをパネルとしてのダンパベースにボルト締結する場合を例にとり、図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図中に矢印で示される「前後」は、車体前後方向を示し、「上下」は、車体上下方向を示し、「左右」は、運転席から見た左右方向（車体幅方向）を示している。なお、添付図面では、本発明の車両の車体フレームのボルト締結構造を車両の右側構造に適用した場合が示されているが、本発明は、車両の左側構造にも適用可能である。

　図１に示すように、本発明の実施形態に係る車両の車体フレームのボルト締結構造１は、フロントピラー２の外板部１０と、メンバ内板部２０及びメンバ外板部３０によって構成されるアッパサイドメンバ３と、ダンパベース４０と、補強部材５０と、ボルト脱落防止用ブラケット６０と、を備える。

＜フロントピラー＞
　フロントピラー２は、車両のフロントウィンドウの車幅方向端部に設けられる金属製の支柱である。
　フロントピラー２は、当該フロントピラー２の車幅方向外側壁部を構成するピラー外板部１０を備える。

＜アッパサイドメンバ＞
　アッパサイドメンバ３は、車両の前後方向に延設されている金属製の構造部材である。
　アッパサイドメンバ３の後端部は、フロントピラー２の中間部に連結されている。
　アッパサイドメンバ３は、メンバ内板部２０と、当該メンバ内板部２０よりも車幅方向外側に設けられるメンバ外板部３０と、を組み合わせることによって、正面視で閉断面形状すなわち中空形状を呈するように形成されている。

≪メンバ内板部（第一板部）≫
　図４に示すように、メンバ内板部２０は、車幅方向内側壁部２１と、車幅方向内側壁部２１の下端部から車幅方向外側へ延設される下壁部２２と、を一体的に備える第一板部である。

　車幅方向内側壁部２１には、ボルトＢの軸部Ｂ１を挿通可能な孔部２１ａが形成されている。

≪メンバ外板部（第二板部）≫
　図２及び図４に示すように、メンバ外板部３０は、車幅方向外側壁部３１と、車幅方向外側壁部３１の上端部から車幅方向内側へ延設される上壁部３２と、車幅方向外側壁部３１の下端部から車幅方向外側へ延設されるフランジ部３３と、上端部３２の車幅方向内側端部から上方へ延設されるフランジ部３４と、を一体的に備える第二板部である。本実施形態において、メンバ外板部３０は、車両の動力搭載室と車室とを前後に区画するダッシュボードアッパと一体的に形成されている。

　車幅方向外側壁部３１は、下に向かうにつれてメンバ内板部２０の車幅方向内側壁部２１から離間する傾斜面を呈する。
　車幅方向外側壁部３１には、ボルトＢを挿通可能な孔部３１ａが形成されている。

　また、車幅方向外側壁部３１の後端部には、ボルトＢの軸部を挿通可能な孔部３１ｂ，３１ｃが形成されており、フランジ部３４の後端部には、ボルトＢの軸部を挿通可能な孔部３４ａが形成されている。
　孔部３１ｂ，３１ｃ，３４ａは、補強部材５０と重ならない部位に形成されている。
　メンバ外板部３０は、かかる孔部３１ｂ，３１ｃ，３４ａにボルトＢが挿通されることによって、フロントピラー２のピラー外板部１０にボルト締結されている（図１参照）。

　フランジ部３３は、メンバ内板部２０の下壁部２２にスポット溶接等によって接合されている。フランジ部３４は、メンバ内板部２０の車幅方向内側壁部２１にスポット溶接等によって接合されている。

＜ホイールハウス構成部材＞
　図４に示すように、本実施形態において、車体フレームのボルト締結構造１は、ホイールハウスを構成するホイールハウス構成部材７０をさらに備える。
　ホイールハウス構成部材７０は、車両の車輪（前輪）を上方から覆う側面視円弧形状を呈するハウジング本体部７１と、当該ハウジング本体部７１の車幅方向内側端部から上方へ延設される側壁部７２と、を一体的に備える金属製のパネル部材である。

　ハウジング本体部７１は、下壁部２２の下側に重ねられており、側壁部７２は、車幅方向内側壁部２１の車幅方向内側に重ねられている。

　側壁部７２は、平面視Ｕ字形状を呈するダンパハウジング（図示せず）の車幅方向外側端部を塞ぐように設けられている。
　側壁部７２には、ボルトＢの軸部Ｂ１を挿通可能な孔部７２ａが形成されている。
　側壁部７２は、メンバ内板部２０の車幅方向内側壁部２１とダンパベース４０のダンパベース側壁部４２とに挟まれている。

　図４の断面位置において、フランジ部３３は、下壁部２２よりも延設されているハウジング本体部７１にスポット溶接等によって接合されている。
　すなわち、本実施形態において、ホイールハウス構成部材７０は、前記したメンバ内板部２０とともにアッパサイドメンバ３の車幅方向内側壁部及び下壁部２２を構成する第一板部の一部であるといえる。

＜ダンパベース＞
　図１に示すように、ダンパベース４０は、平面視Ｕ字形状を呈するダンパハウジング（図示せず）の上端部を塞いでダンパハウジングの頂部及び外壁部を構成する鋼製部材である。
　図４に示すように、ダンパベース４０は、ダンパが取り付けられるダンパベース上壁部４１と、ダンパベース上壁部４１の周縁部から下方へ向けて延設されるダンパベース側壁部４２と、を一体的に備える。
　前輪用のダンパは、ダンパベース上壁部４１に取り付けられた状態で、ダンパハウジング、ダンパベース側壁部４２及びホイールハウス構成部材７０の側壁部７２によって構成される空間内に収容される。

　ダンパベース側壁部４２には、ボルトＢを挿通可能な孔部４２ａが形成されている。
　ダンパベース側壁部４２の車幅方向内側面には、孔部４２ａに合わせてナットＮが溶接固定されている。

＜補強部材＞
　図１に示すように、補強部材５０は、アッパサイドメンバ３の閉断面内に設けられており、メンバ外板部３０を補強する金属製の部材である。
　図２に示すように、補強部材５０は、側壁部５１と、側壁部５１の上端部から車幅方向内側へ延設される上壁部５２と、上壁部５２の車幅方向内側端部から上方へ延設されるフランジ部５３と、を一体的に備える。
　補強部材５０の側壁部５１、上壁部５２及びフランジ部５３は、それぞれ、メンバ外板部３０の車幅方向外側壁部３１、上壁部３２及びフランジ部５３に沿う形状を呈する。

　側壁部５１には、ボルトＢを挿通可能な孔部５１ａが形成されている。

＜ボルト脱落防止用ブラケット６０＞
　図１に示すように、ボルト脱落防止用ブラケット６０は、アッパサイドメンバ３内に設けられており、ボルトＢがアッパサイドメンバ３の閉断面内において下壁部（底面）２２へ脱落しようとすることを防止する金属製の部材である。
　図３に示すように、ボルト脱落防止用ブラケット６０は、縦壁部６１と、縦壁部６１の下端部から車幅方向外側へ延設される底壁部６２と、縦壁部６１の前後端部から延設される一対の脚部６３と、底壁部６２の車幅方向外側端部から下方へ延設される折り曲げフランジ部６４と、を一体的に備える。

　縦壁部６１には、ボルトＢを挿通可能な作業孔６１ａが形成されている。
　作業孔６１ａ、補強部材５０の孔部５１ａ及びメンバ外板部３０の孔部３１ａは、メンバ内板部２０の孔部２１ａ、ホイールハウス構成部材７０の孔部７２ａ及びダンパベース４０の孔部４２ａ及びナットＮのネジ孔と対向する位置に配置されている。

　底壁部６２は、作業孔６１ａの下方において、アッパサイドメンバ３の閉断面内の下壁部（底面）２２へ脱落しようとするボルトＢを支持する部位である。
　底壁部６２は、上壁部２２と下壁部３２との中間であって、孔部２１ａ，３１ａ，４２ａ，５１ａ，７２ａ及びナットＮよりも低い位置に配置されている。
　底壁部６２は、作業孔６１ａの軸線視で当該作業孔６１ａの下方に位置するとともに、中間部が最も低い下に凸の円弧形状を呈する。
　本実施形態では、底壁部６２は、作業孔６１ａの同心円の一部の円弧となるように設定されているため、底壁部６２は、作業孔６１ａから等距離となる内周面（上面）を有している。
　底壁部６２の前後方向長さは、作業孔６１ａの直径よりも大きい。

　脚部６３は、補強部材５０の側壁部５１と当接するように傾斜して設けられている。脚部６３、補強部材５０の側壁部５１及びメンバ外板部３０の車幅方向外側壁部３１は、３点スポット溶接によって互いに接合されている。

　脚部６３は、縦壁部６１の前端部又は後端部から車幅方向外側へ延設される壁部６３ａと、壁部６３ａの車幅方向外側端部から前方又は後方へ延設されて側壁部５１に接合される取り付けフランジ部６３ｂと、を一体的に備える。

　壁部６３ａは、底壁部６２よりも車幅方向に長く形成されており、ボルトＢが底壁部６２の前端部又は後端部からアッパサイドメンバ３の下壁部２２へ脱落しようとするのを防止することができる。

　折り曲げフランジ部６４は、ボルト脱落防止用ブラケット６０の剛性を確保するための部位である。
　折り曲げフランジ部６４には、ボルト脱落防止用ブラケット６０をプレス加工によって形成する際の基準となるプレス加工基準孔部６４ａが形成されている。

　図４に示すように、アッパサイドメンバ３の車幅方向内側壁部２１とボルト脱落防止用ブラケット６０の縦壁部６１との間隔Ｓ１は、ボルトＢの全長Ｌ１よりも短く設定されており、より好ましくは、ボルトＢの頭部Ｂ２の径Ｌ２よりも小さく設定されている。
　また、補強部材５０の側壁部５１とボルト脱落防止用ブラケット６０の底壁部６２との間隔Ｓ２は、ボルトＢの頭部Ｂ２の径Ｌ２よりも小さく設定されている。
　これらの間隔Ｓ１，Ｓ２は、脚部６３の形状及び大きさによって設定される。

＜ボルト締結＞
　アッパサイドメンバ３をダンパベース４０にボルト締結する際には、作業者は、図４に示すように、電動ドライバ（インパクタ）ＤにセッティングされたボルトＢを孔部３１ａ，５１ａ及び作業孔６１ａに挿通し、さらにボルトＢの軸部Ｂ１を孔部２１ａ，７２ａ，４２ａに挿通した状態で電動ドライバＤを操作してボルトＢをナットＮに螺合させる。
　ここで、ボルト締結がうまく行かなかった場合には、ボルトＢは、頭部Ｂ２が下となる状態でボルト脱落防止用ブラケット６０の底壁部６２によって支持される。
　作業者は、ボルト脱落防止用ブラケット６０の底壁部６２によって支持されたボルトＢを手作業で取り出すことができる。

　本発明の実施形態に係る車体フレームのボルト締結構造１は、アッパサイドメンバ３の閉断面内にボルト脱落防止用ブラケット６０を備えるので、ボルト締結作業中にボルトＢがアッパサイドメンバ３の底壁部２２へ脱落することを防止することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、底壁部６２が作業孔６１ａの軸線視で当該作業孔６１ａの下方に位置するとともに中間部が最も低い下に凸の円弧形状を呈するので、底壁部６２がアッパサイドメンバ３内で脱落しようとするボルトＢを支持し、作業者による当該ボルトＢの取出作業を容易化することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、ボルト脱落防止用ブラケット６０が車体フレーム３の内面に取り付けられる脚部６３を備えるので、車体フレーム３の閉断面の形状に応じてボルト脱落防止用ブラケット６０を取り付けることが可能であるとともに、ボルト脱落防止用ブラケット６０と車体フレーム３の内面との間隔Ｓ１，Ｓ２を好適に設定してボルトＢが車体フレーム３の底面に脱落することをより確実に防止することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、ボルト脱落防止用ブラケット６０が折り曲げフランジ部６４を備えるので、ボルト脱落防止用ブラケット６０の剛性を確保しつつ、薄肉化及び軽量化を実現することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、アッパサイドメンバ３及びダンパベース４０に適用されているので、前突時のアッパサイドメンバ３とダンパベース４０との剥離をボルトＢによって防止して衝撃吸収性能を向上することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、メンバ外板部３０が補強部材５０によって補強されるとともにフロントピラー２のピラー外板部１０にボルト締結されているので、車両の前突荷重がメンバ外板部３０からピラー外板部１０に伝達されるようになり、前突時におけるメンバ内板部２０とダンパベース４０との剥離荷重を低減することができる。

　また、車体フレームのボルト締結構造１は、ボルト脱落防止用ブラケット６０がメンバ外板部３０又は補強部材５０に接合されているので、かかる接合状態でメンバ外板部３０とメンバ内板部２０とを組み合わせることが可能であり、閉断面を呈するアッパサイドメンバ３を容易に形成することができる。

　以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、車体フレームのボルト締結構造１は、アッパサイドメンバ３及びダンパベース４０以外のボルト締結構造にも適用可能である。また、ボルト脱落防止用ブラケット６０は、補強部材５０ではなくメンバ内板部２０及びメンバ外板部３０の一方に接合されている構成であってもよい。また、ボルト脱落防止用ブラケット６０の形状は、前記したものに限定されず、例えば縦壁部６１が省略されて底壁部６２がボルトＢを支持するような形状であってもよい。

　１　　　車体フレームのボルト締結構造
　２　　　フロントピラー
　３　　　アッパサイドメンバ（車体フレーム）
　１０　　ピラー外板部
　２０　　メンバ内板部（第一板部）
　２１　　車幅方向内側壁部
　２２　　下壁部
　３０　　メンバ外板部（第二板部）
　３１　　車幅方向外側壁部
　３２　　上壁部
　４０　　ダンパベース（パネル）
　４１　　ダンパベース上壁部
　４２　　ダンパベース外側壁部（パネル）
　４２ａ　孔部
　５０　　補強部材
　６０　　ボルト脱落防止用ブラケット
　６１　　縦壁部
　６１ａ　作業孔
　６２　　底壁部
　６３　　脚部
　６４　　折り曲げフランジ部
　７０　　ホイールハウス構成部材（第一板部）
　７１　　ハウジング本体部（第一板部）
　Ｂ　　　ボルト

Claims (7)

1. 　閉断面を構成するとともに、ボルトを前記閉断面内に挿通可能な孔部が形成される車体フレームと、
   　前記孔部から前記閉断面内に挿通されたボルトによって前記車体フレームと締結されるパネルと、
   　前記車体フレームの前記閉断面内に設けられ、前記閉断面の底面への前記ボルトの脱落を防止するボルト脱落防止用ブラケットと、
   　を備えることを特徴とする車体フレームのボルト締結構造。
2. 　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、
   　前記ボルトを挿通可能な作業孔が形成される縦壁部と、
   　前記縦壁部の下端部から延設されており、前記車体フレームの閉断面内の底面へ脱落しようとする前記ボルトを支持することが可能な底壁部と、
   　を一体的に備え、
   　前記底壁部は、前記作業孔の軸線視で当該作業孔の下方に位置するとともに、中間部が最も低い下に凸の円弧形状を呈する
   　ことを特徴とする請求項１に記載の車体フレームのボルト締結構造。
3. 　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記縦壁部の周縁部から延設されており、前記車体フレームの内面に取り付けられる脚部を備える
   　ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の車体フレームのボルト締結構造。
4. 　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記底壁部の先端部から下方へ延設される折り曲げフランジ部を備える
   　ことを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の車体フレームのボルト締結構造。
5. 　前記車体フレームは、フロントピラーから前方へ延設されるアッパサイドメンバであり、
   　前記パネルは、ダンパが取り付けられるダンパベースである
   　ことを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一項に記載の車体フレームのボルト締結構造。
6. 　前記アッパサイドメンバは、車幅方向内側壁部及び上壁部を構成する第一板部と、車幅方向外側壁部及び下壁部を構成する第二板部と、を閉断面を構成するように組み合わせることによって形成されており、
   　前記第二板部を補強する補強部材を備え、
   　前記第二板部は、前記フロントピラーに他のボルトによって締結されている
   　ことを特徴とする請求項５に記載の車体フレームのボルト締結構造。
7. 　前記ボルト脱落防止用ブラケットは、前記第二板部又は前記補強部材に接合されている
   　ことを特徴とする請求項６に記載の車体フレームのボルト締結構造。

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