WO2012172903A1

WO2012172903A1 - 建設機械

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Publication number: WO2012172903A1
Application number: PCT/JP2012/062296
Authority: WO
Inventors: 小林　敬弘; 剛志中村; 謙輔佐藤; 宏行東
Original assignee: 日立建機株式会社
Priority date: 2011-06-14
Filing date: 2012-05-14
Publication date: 2012-12-20
Also published as: EP2722446A4; EP2722446B1; JP5615763B2; KR20140036180A; CN103608524A; JP2013002082A; US9027697B2; EP2722446A1; US20140023473A1

Abstract

　上部旋回体（３）を構成する旋回フレーム（５）の右前側には、作動油タンク（１１）と燃料タンク（１２）とを配置する。この作動油タンク（１１）と燃料タンク（１２）の前側には、内部に収容空間（１３Ａ）を形成する機器収容ケース（１３）を設ける。この上で機器収容ケース（１３）内の収容空間（１３Ａ）には、作動油の給排を制御する制御弁ユニット（２０）とエンジン（８）の排気ガスに含まれる窒素酸化物を除去するための尿素水を貯える尿素水タンク（２４）とを一緒に配置する。

Description

建設機械

　本発明は、油圧ショベル、油圧クレーン等の建設機械、特に排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去するための尿素選択還元触媒と尿素水タンクを搭載した建設機械に関する。

　一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とによって構成されている。

　上部旋回体は、支持構造部材をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載されたエンジンと、前記作業装置の左側に添うように前記旋回フレームの左前側に設けられたキャブとにより構成されている。キャブ内には、オペレータが着座する運転席等が設けられている。

　旋回フレームには、作業装置の右側に位置して前記エンジンに供給する燃料を貯える燃料タンクが設けられている。燃料タンクの前側には、工具、グリースガン、各種消耗品等の物品を収容する工具箱が設けられている。

　一方、油圧ショベルのエンジンにはディーゼルエンジンが用いられている。このディーゼルエンジンは、窒素酸化物（以下、ＮＯｘという）等を多く排出するとされている。そこで、ディーゼルエンジンの排気ガスの後処理装置として、ＮＯｘを浄化するためのＮＯｘ浄化装置がある。このＮＯｘ浄化装置は、例えばエンジンの排気管に設けられ排気ガス中の窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒と、還元剤としての尿素水溶液（尿素水）を貯える尿素水タンクと、尿素選択還元触媒よりも排気ガスの流れ方向の上流側に配置され排気ガスに尿素水を噴射する尿素水噴射弁と、尿素水タンクと尿素水噴射弁との間を接続する接続配管とにより構成されている。

　ここで、油圧ショベルに尿素水タンクを設ける場合、給水回数を少なくするためにタンク容量を大きく設定することが望まれる。しかし、油圧ショベルには多くの機器が搭載されているから、新たに尿素水タンクを設置するスペースを確保するのは困難である。そこで、従来技術による油圧ショベルには、工具等を収容する工具箱内に尿素水タンクを収容する構成としたものがある（特許文献１）。

特開２００８－２４０６７６号公報

　ところで、上述した特許文献１によるものでは、工具箱内に尿素水タンクを収容する構成としているから、タンク容量を大きくした場合、工具箱本来の容量が小さくなり、工具や消耗品等の収容スペースが減少してしまうという問題がある。

　工具箱内に尿素水タンクを収容した場合、工具箱内の工具等が邪魔になって尿素水タンクにアクセスし難くなる虞があり、尿素水タンクへの給水作業に手間を要してしまうという問題がある。

　一方、油圧ショベルには、道路工事などで車両が通行する車線を確保するため、または旋回時に後端が人等と接触する心配を低減させるため、後端半径を小さくした機種（後方小旋回型油圧ショベル）が知られている。この後方小旋回型油圧ショベルは、旋回半径を小さくするために上部旋回体を極力小型化しているから、工具箱内の空間が狭い場合や工具箱自体が無い場合があり、工具箱内に尿素水タンクを収容することを実現するのが困難である。

　本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、上部旋回体上の狭隘なスペースを有効に利用して尿素水タンクを搭載することができるようにした建設機械を提供することにある。

　（１）．本発明による建設機械は、下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームと、該旋回フレームの後側に搭載され油圧ポンプを駆動するエンジンと、該エンジンの前側で前記旋回フレームの左，右方向の一側に配置され前記エンジンに供給される燃料または油圧アクチュエータに供給される作動油を貯える貯油タンクと、該貯油タンクの前側に位置して前記旋回フレーム上に設けられ内部に収容空間を形成する機器収容ケースと、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータとの間で作動油の給排を制御するため、多数の制御弁等の集合体からなる制御弁ユニットと、前記エンジンの排気管の途中に設けられ排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒を備えたＮＯｘ浄化装置と、前記尿素選択還元触媒よりも前記排気ガスの流れ方向の上流側に位置して前記排気管内を流れる前記排気ガスに還元剤である尿素水を噴射する尿素水噴射弁と、該尿素水噴射弁と接続され、前記尿素水を貯えるために中空な容器からなる尿素水タンクとを備えている。

　上述した課題を解決するために、本発明が採用する構成の特徴は、前記機器収容ケースは、前記貯油タンクの前面と、前記収容空間の左，右方向の内側面を形成するために前記貯油タンクから前方に延びる内側板と、前記収容空間の左，右方向の外側面を形成するために前記貯油タンクから前方に延びる外側板と、前記貯油タンクと前記旋回フレームの前端との間に位置して前記内側板と前記外側板の上側を覆う上閉塞板とにより構成し、前記機器収容ケース内の収容空間には、前記制御弁ユニットと前記尿素水タンクとを一緒に配置したことにある。

　この構成によれば、機器収容ケースを、貯油タンクの前面、内側板、外側板及び上閉塞板により構成することにより、当該機器収容ケース内に収容空間を形成することができる。従って、機器収容ケース内の収容空間には、制御弁ユニットと尿素水タンクを一緒に配置することができる。この結果、上部旋回体上の狭隘なスペースを有効に利用して尿素水タンクを配置することができ、小型の建設機械にも尿素水タンクを搭載することができる。

　（３）．本発明によると、前記機器収容ケース内には、前記旋回フレーム上に立設された脚部と該脚部の上端側に設けられた支持板とを有するブラケットを設け、前記制御弁ユニットを前記ブラケットの支持板上に搭載し、前記尿素水タンクは、前記ブラケットの支持板と前記旋回フレームとの間に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、制御弁ユニットを搭載するためのブラケットの支持板と旋回フレームとの間に形成される空間を利用して尿素水タンクを配置することができる。従って、機器収容ケース内の上，下方向のスペースを利用することにより、尿素水タンクを効率よく配置することができる。

　（４）．本発明によると、前記機器収容ケース内の収容空間には、前記制御弁ユニットよりも上側に位置してタンク支持部材を設け、前記尿素水タンクは、前記上閉塞板の裏面側に位置して前記タンク支持部材上に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、制御弁ユニットの上側には、タンク支持部材を介して尿素水タンクを配置する構成としているから、収容空間を覆う上閉塞板の裏面側のスペースに尿素水タンクを配置することができる。これにより、制御弁ユニットと尿素水タンクを上，下方向に並べて配置でき、尿素水タンクを効率よく配置することができる。

　（５）．本発明によると、前記作業装置と前記旋回フレームとは連結ピンを用いて着脱可能に連結する構成とし、前記内側板には、前記作業装置と前記旋回フレームとを着脱するために前記連結ピンが左，右方向に移動するのを許す連結ピン移動孔を設け、前記尿素水タンクは、前記連結ピンの移動方向を表すピン移動軌跡の範囲内に着脱可能に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、尿素水タンクを、連結ピンの移動方向を表すピン移動軌跡の範囲に配置しているから、制御弁ユニットは、前記ピン移動軌跡を避けて配置でき、連結ピンを抜き差しする作業の邪魔にならない位置に配置することができる。この場合、連結ピンを抜き差しするために使用できなかったスペースを有効的に利用して尿素水タンクを配置することができる。

　（６）．本発明によると、前記貯油タンクの前面には、その一部を後方に窪ませることにより前記収容空間の一部を形成する切欠部を設け、前記尿素水タンクは、前記切欠部内に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、機器収容ケースの後壁である貯油タンクの前面に切欠部を設けることにより、機器収容ケース内の収容空間を拡張することができる。従って、切欠部によって拡張されたスペースを利用することにより、収容空間に配置された制御弁ユニットと尿素水タンクのメンテナンス作業等を効率よく行うことができる。

　（７）．本発明によると、前記外側板は、前記収容空間を開く開位置と閉じる閉位置との間で回動する開閉カバーとして形成し、前記尿素水タンクは、当該開閉カバーの内面に配置する構成としたことにある。

　この構成によれば、収容空間を覆う外側板を開閉カバーとして形成しているので、該開閉カバーを開くことにより、その内面に配置した尿素水タンクを外部に移動させることができ、尿素水タンクへの給水作業を容易に行うことができる。さらに、開閉カバーを開位置とし、尿素水タンクを収容空間の外部に移動した状態では、収容空間に大きな作業スペースを確保することができ、制御弁ユニットに対するメンテナンス作業等を容易に行うことができる。

本発明の第１の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す正面図である。第１の実施の形態に適用される油圧ショベルを示す斜視図である。第１の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を外側板を取り外した状態で示す要部破断の正面図である。第１の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を上閉塞板を取り外した状態で示す要部拡大の平面図である。排気ガス後処理装置の構成をエンジン等と共に示す構成図である。第２の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を外側板を取り外した状態で示す要部破断の正面図である。第２の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を上閉塞板を取り外した状態で示す要部拡大の平面図である。第３の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を外側板を取り外した状態で示す要部破断の正面図である。尿素水タンクを取り外した状態を示す図８と同様な要部破断の正面図である。第３の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を上閉塞板を取り外した状態で示す要部拡大の平面図である。第４の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を外側板を取り外した状態で示す要部破断の正面図である。尿素水タンクを取り外した状態を示す図１１と同様な要部破断の正面図である。第４の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を上閉塞板を取り外した状態で示す要部拡大の平面図である。第５の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を示す要部拡大の正面図である。第５の実施の形態による収容空間、制御弁ユニット、尿素水タンク等を上閉塞板を取り外した状態で示す要部拡大の平面図である。

　以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。

　図１ないし図５は本発明の第１の実施の形態を示している。この第１の実施の形態では、機器収容ケース内で、制御弁ユニットを搭載するブラケットの支持板と旋回フレームとの間に尿素水タンクを配置した場合を例示している。

　図１において、１は土砂の掘削作業等に用いられる建設機械としての油圧ショベルである。この油圧ショベル１は、自走可能なクローラ式の下部走行体２と、該下部走行体２上に旋回可能に搭載された上部旋回体３と、該上部旋回体３の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置４とにより大略構成されている。

　上部旋回体３は、後述の旋回フレーム５、キャブ６、カウンタウエイト７、エンジン８、作動油タンク１１、燃料タンク１２、機器収容ケース１３、排気ガス後処理装置２１、尿素水タンク２４等により構成されている。

　旋回フレーム５は、上部旋回体３の支持構造体を構成し、この旋回フレーム５は、前，後方向に延びる厚肉な底板５Ａと、該底板５Ａ上に立設され、左，右方向に所定の間隔をもって前，後方向に延びた左縦板５Ｂ，右縦板５Ｃと、該各縦板５Ｂ，５Ｃから左，右方向の外向きに延び前，後方向に間隔をもって配置された複数本の張出しビーム（図示せず）と、左，右方向の外側に位置して各張出しビームの先端に取り付けられ、前，後方向に延びた左サイドフレーム５Ｄ，右サイドフレーム５Ｅと、前記各縦板５Ｂ，５Ｃの前側に設けられた前横板５Ｆとにより構成されている。

　キャブ６は、旋回フレーム５の左前側に搭載されている。このキャブ６は、オペレータが搭乗するもので、その内部には、オペレータが着座する運転席、各種操作レバー、空調装置等（いずれも図示せず）が配設されている。

　カウンタウエイト７は、旋回フレーム５の後端部に取り付けられ、該カウンタウエイト７は、作業装置４との重量バランスをとるものである。ここで、油圧ショベル１は、カウンタウエイト７の後面の旋回半径を小さくした後方小旋回型油圧ショベルとして形成されている。このため、カウンタウエイト７は、上部旋回体３の旋回中心に近い位置に配置された上で、カウンタウエイト７の後面は、上方からみて上部旋回体３の旋回中心を中心とした円弧上に形成されている。

　エンジン８は後述する油圧ポンプ９を駆動するもので（図１参照）、該エンジン８は、ディーゼルエンジンが採用されている。エンジン８は、カウンタウエイト７の前側に位置して、旋回フレーム５上に左，右方向に延びる横置き状態で搭載されている。油圧ポンプ９は、エンジン８の右側に取付けられ、該油圧ポンプ９は、エンジン８によって駆動されることにより、作動油タンク１１からの作動油を圧油として吐出するものである。

　ここで、エンジン８は、ディーゼルエンジンが採用されているので、高効率で耐久性に優れているが、窒素酸化物（ＮＯｘ）等の有害物質が排気ガスと一緒に排出されてしまう。そこで、図５に示すように、エンジン８の排気管８Ａには、後述の排気ガス後処理装置２１が取り付けられ、該排気ガス後処理装置２１は、窒素酸化物（ＮＯｘ）を除去するＮＯｘ浄化装置２３を備えている。なお、エンジン８はエンジンカバー１０によって覆われている（図２参照）。

　１１はエンジン８の前側に位置して旋回フレーム５の右側に設けられた貯油タンクとしての作動油タンクを示している。図４に示すように、作動油タンク１１は、前面１１Ａ、後面（図示せず）、左側面１１Ｂ、右側面１１Ｃ、上面１１Ｄ及び下面（図示せず）によって囲まれた直方体状のタンクとして形成されている。作動油タンク１１を構成する前面１１Ａは、後述する機器収容ケース１３の後壁として構成されている。

　１２は作動油タンク１１に隣接し、旋回フレーム５の右側に設けられた貯油タンクとしての燃料タンクを示している。燃料タンク１２は、前面１２Ａ、後面（図示せず）、左側面１２Ｂ、右側面１２Ｃ、上面１２Ｄ及び下面（図示せず）によって囲まれた直方体状の耐圧タンクとして形成されている。燃料タンク１２は、規定の稼働時間作業するのに十分な燃料を貯えるために用いられる。燃料タンク１２を構成する前面１２Ａは、後述する機器収容ケース１３の後壁として構成されている。さらに、上面１２Ｄには、燃料を給油するための給油口１２Ｅが上側に突出して設けられている。

　次に、後述する制御弁ユニット２０と尿素水タンク２４を収容する機器収容ケース１３について説明する。

　１３は作動油タンク１１、燃料タンク１２の前側に位置して旋回フレーム５の右前側に設けられた機器収容ケースである。この機器収容ケース１３は、作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａと、後述する内側板１４と外側板１５と上閉塞板１６とにより構成されている。機器収容ケース１３は、内部が収容空間１３Ａとして画成され、機器収容ケース１３内には、後述する制御弁ユニット２０、尿素水タンク２４及び必要な工具類（図示せず）が収容されている。

　内側板１４は機器収容ケース１３の内側面を構成するもので、この内側板１４は、上部旋回体３の左，右方向の内側位置、即ち、右縦板５Ｃと平行に対面するように、作業装置４に近接して配置されている。内側板１４は、旋回フレーム５の底板５Ａから立設され、右縦板５Ｃと僅かな間隔をもって対面し、作動油タンク１１の左側面１１Ｂと同一平面を形成した状態で、当該作動油タンク１１の前面１１Ａから旋回フレーム５の前端に向けて延出するものである。この場合、内側板１４は、作動油タンク１１から旋回フレーム５の前端に向けて前下りに傾斜（湾曲）している。

　外側板１５は機器収容ケース１３の外側面を構成するもので、該外側板１５は、開閉カバーとして構成されている（以下、外側板１５を開閉カバー１５として述べる）。この開閉カバー１５は、その内面１５Ａにより機器収容ケース１３の収容空間１３Ａを開閉可能に閉塞するものである。開閉カバー１５は、右サイドフレーム５Ｅの上側となる上部旋回体３の左，右方向の外側に配設され、制御弁ユニット２０、尿素水タンク２４等を挟んで内側板１４と対面している。図４に示すように、開閉カバー１５は、全体として凸湾曲状に形成され、燃料タンク１２の右側面１２Ｃと同一平面で形成した状態で、当該燃料タンク１２の前面１２Ａから旋回フレーム５の前端に向けて延出するものである。この場合、開閉カバー１５も、内側板１４と同様に、燃料タンク１２から旋回フレーム５の前端に向けて前下りに傾斜（湾曲）している。

　ここで、開閉カバー１５の後端側は、ヒンジ部材１５Ｂを介して旋回フレーム５に支持されており、開閉カバー１５の前端側には、把手部１５Ｃ（図１参照）が設けられている。これにより、開閉カバー１５は、ヒンジ部材１５Ｂを中心として機器収容ケース１３の収容空間１３Ａを開く開位置（図４の位置）と閉じる閉位置（図２の位置）との間で回動する。従って、作業者は、把手部１５Ｃを把持して開閉カバー１５を回動することにより、収容空間１３Ａを開閉し、後述する制御弁ユニット２０のメンテナンス作業や、尿素水タンク２４への給水を容易に行うことができる。

　上閉塞板１６は内側板１４と開閉カバー１５の上面及び前面を閉塞するものである。この上閉塞板１６は、作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａの上端部と旋回フレーム５の前端との間を前，後方向に延び、内側板１４の上側と開閉カバー１５の上側とを閉塞している。ここで、図３に示すように、上閉塞板１６は、旋回フレーム５の前端から後側に湾曲しつつ上側に延びた前端板１６Ａと、該前端板１６Ａの上端から後方に向けて水平方向に延出する下段ステップ板１６Ｂと、該下段ステップ板１６Ｂの後端から上方に向け垂直に延出する垂直板１６Ｃと、該垂直板１６Ｃの上端から後方に向けて水平方向に延出する中段ステップ板１６Ｄと、該中段ステップ板１６Ｄの後端から上方に向け垂直に延出する垂直板１６Ｅと、該垂直板１６Ｅの上端から後方に位置する作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａの上端に向けて水平方向に延出する上段ステップ板１６Ｆとにより構成されている。

　１段目のステップ板１７は上閉塞板１６の前側に位置して旋回フレーム５の前端から前方に突設されている。２段目のステップ板１８はステップ板１７の上段に位置して前端板１６Ａから前方に突設されている。これにより、下部走行体２上から各ステップ板１７，１８、上閉塞板１６の各ステップ板１６Ｂ，１６Ｄ，１６Ｆに順番に足を掛けることにより、上部旋回体３上に容易に乗ることができ、作動油タンク１１、燃料タンク１２への給油作業等を容易に、かつ安全に行うことができる。

　１９は機器収容ケース１３内に設けられたブラケットを示し、該ブラケット１９は、後述の制御弁ユニット２０を支持するものである。ここで、図３、図４に示すように、ブラケット１９は、水平方向に延びる長方形状の板体からなる支持板１９Ａと、該支持板１９Ａの四隅から下向きに延びた先端が旋回フレーム５の底板５Ａ上に立設された４本の脚部１９Ｂとにより支持台として構成されている。このブラケット１９の支持板１９Ａ上には制御弁ユニット２０が載置される。なお、支持板１９Ａを支持する脚部１９Ｂは４本に限らず、３本、５本としてもよく、また、板材を逆Ｕ字状に折り曲げた脚部を用いて支持板を支持する構成としてもよい。

　この場合、ブラケット１９の脚部１９Ｂは旋回フレーム５の底板５Ａから上方に大きく突出しており、ブラケット１９の支持板１９Ａと旋回フレーム５の底板５Ａとの間には、後述の尿素水タンク２４を配置することができる。

　２０は機器収容ケース１３内に配置された制御弁ユニットで、該制御弁ユニット２０は、多数の制御弁、パイロット弁等の集合体として構成されている。この制御弁ユニット２０は、ブラケット１９の支持板１９Ａ上に搭載された状態で機器収容ケース１３内に収容されている。

　制御弁ユニット２０は、油圧ポンプ９から吐出される圧油を走行モータ、旋回モータ（図示せず）、作業装置４の各油圧シリンダ等の油圧アクチュエータに給排することにより、油圧ショベル１の車体や作業装置４をオペレータの運転操作に応じて作動させるものである。

　次に、ＮＯｘ浄化装置２３等を備えた排気ガス後処理装置２１の構成について、図５等を参照しつつ述べる。

　２１はエンジン８の排気管８Ａに接続して設けられた排気ガス後処理装置である。この排気ガス後処理装置２１は、排気ガス中の粒子状物質（ＰＭ：Particulate Matter）を捕集して除去するＰＭ捕集装置２２と、排気ガス中に含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を還元剤となる尿素水（尿素水溶液）を用いて浄化する後述のＮＯｘ浄化装置２３とにより構成されている。

　ＰＭ捕集装置（粒子状物質除去装置）２２はエンジン８の排気管８Ａの出口側に接続して設けられている。このＰＭ捕集装置２２は、排気ガス中に含まれる粒子状物質（ＰＭ）を捕集して除去するものである。ＰＭ捕集装置２２は、円筒状容器として形成された筒状ケース２２Ａと、該筒状ケース２２Ａ内に収容されたＰＭ捕集フィルタ２２Ｂとにより大略構成されている。このＰＭ捕集フィルタ２２Ｂは、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集し、捕集した粒子状物質を燃焼させて除去するものである。

　ＮＯｘ浄化装置２３はＰＭ捕集装置２２の下流側に接続して設けられている。このＮＯｘ浄化装置２３は、尿素水を利用して排気ガス中の窒素酸化物（ＮＯｘ）を浄化するものである。ＮＯｘ浄化装置２３は、円筒状容器として形成された筒状ケース２３Ａと、該筒状ケース２３Ａの入口側をＰＭ捕集装置２２の出口側に接続する中間配管２３Ｂと、前記筒状ケース２３Ａの出口側から上側に延びた尾管２３Ｃと、前記筒状ケース２３Ａ内に収容された尿素選択還元触媒２３Ｄと、該尿素選択還元触媒２３Ｄの下流側に設けられた酸化触媒２３Ｅと、前記尿素選択還元触媒２３Ｄの上流側となる中間配管２３Ｂに設けられた尿素水噴射弁２３Ｆとにより構成されている。尿素水噴射弁２３Ｆは、尿素水供給路２５、供給ポンプ２６を介して後述の尿素水タンク２４に接続されている。

　ここで、ＮＯｘ浄化装置２３は、尿素水噴射弁２３Ｆにより排気ガス中に尿素水溶液を噴射し、尿素選択還元触媒２３Ｄにより尿素水溶液から生成されたアンモニアを用いて排気ガス中のＮＯｘを還元反応させ、水と窒素に分解し、酸化触媒２３Ｅでは、ＮＯｘを還元した後に残った残留アンモニアを酸化することにより、水と窒素に分離することができる。

　次に、機器収容ケース１３内に設けられた第１の実施の形態による尿素水タンク２４について、図３、図４等を参照しつつ述べる。

　２４はＮＯｘ浄化装置２３と接続して設けられた尿素水タンクで、該尿素水タンク２４は、尿素水噴射弁２３Ｆから中間配管２３Ｂに噴射するための尿素水を貯えるものである。尿素水タンク２４は、作動油タンク１１、燃料タンク１２の前側に位置する機器収容ケース１３内の収容空間１３Ａに制御弁ユニット２０と一緒に収容されている。尿素水タンク２４は、その具体的な形状を例示すれば、前，後方向と左，右方向に延びる扁平なボックス状の中空な容器として形成されている。尿素水タンク２４には、開閉カバー１５側の側面に位置して給水用の給水口２４Ａが設けられている。一方、尿素水タンク２４の下端部には、後述する尿素水供給路２５が接続されている。

　ここで、尿素水タンク２４は、制御弁ユニット２０を載置しているブラケット１９の内部、即ち、ブラケット１９の支持板１９Ａと旋回フレーム５の底板５Ａとの間に配置されている。このように、ブラケット１９の脚部１９Ｂの高さ寸法を高くして、支持板１９Ａの下部に所定の空間を確保し、その内部空間に尿素水タンク２４を配置することにより、機器収容ケース１３内の上，下方向のスペースを利用して、制御弁ユニット２０と尿素水タンク２４とを効率よく収容することができる構成となっている。

　尿素水供給路２５は、尿素水タンク２４と尿素水噴射弁２３Ｆとを接続して設けられたものである。この尿素水供給路２５の途中には供給ポンプ２６が設けられている。これにより、尿素水タンク２４内の尿素水は、供給ポンプ２６によって加圧され、尿素水噴射弁２３Ｆから中間配管２３Ｂ内に噴射される構成となっている。

　第１の実施の形態による油圧ショベル１は上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。

　オペレータは、キャブ６に搭乗し、エンジン８を始動して油圧ポンプ９を駆動する。オペレータは、走行用のレバー等を操作することにより、下部走行体２を前進または後退させることができる。一方、オペレータは、作業用のレバーを操作することにより、作業装置４を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。

　ここで、エンジン８の運転時には、その排気管８Ａから有害物質である窒素酸化物（ＮＯｘ）が排出される。このときには、尿素水タンク２４内の尿素水を、供給ポンプ２６を用いて尿素水供給路２５からＮＯｘ浄化装置２３の尿素水噴射弁２３Ｆに供給する。ＮＯｘ浄化装置２３は、尿素水噴射弁２３Ｆから排気ガス中に尿素水を噴射してアンモニアを生成する。尿素選択還元触媒２３Ｄは、窒素酸化物を水と窒素に還元し、酸化触媒２３Ｅは、ＮＯｘを還元した後に残った残留アンモニアを酸化して水と窒素に分離することにより、窒素酸化物（ＮＯｘ）の排出量を低減することができる。

　尿素水タンク２４に尿素水を補給する場合には、開閉カバー１５を図４に示す開位置へと移動させる。これにより機器収容ケース１３内に配置された尿素水タンク２４の給水口２４Ａに容易に手を伸ばすことができ、尿素水タンク２４内に尿素水を簡単に給水することができる。

　かくして、第１の実施の形態によれば、機器収容ケース１３内に設けられたブラケット１９の支持板１９Ａ上に制御弁ユニット２０を載置すると共に、ブラケット１９の脚部１９Ｂを高くすることにより、旋回フレーム５の底板５Ａと支持板１９Ａとの間に内部空間を確保し、その内部空間に尿素水タンク２４を配置する構成としている。

　この結果、機器収容ケース１３内に画成した収容空間１３Ａの上，下方向のスペースを有効に利用し、後方小旋回型の油圧ショベル１の狭隘な上部旋回体３上のスペース内に制御弁ユニット２０と尿素水タンク２４とを効率よく配置することができる。従って、従来技術のように工具箱内に尿素水タンクを配置する必要がなく、工具箱のスペースを大きく確保することができる。一方、工具箱を設けていない機種でも尿素水タンク２４を搭載することができ、小型の油圧ショベル１でも排気ガスの後処理を行うことができる。

　機器収容ケース１３を構成する上閉塞板１６には、旋回フレーム５の前端から作動油タンク１１、燃料タンク１２上に上がるための複数段からなる階段、即ち、下段ステップ板１６Ｂ、中段ステップ板１６Ｄ、上段ステップ板１６Ｆを設ける構成としている。これにより、下部走行体２上から上閉塞板１６に設けた各ステップ板１６Ｂ，１６Ｄ，１６Ｆに足を掛けることにより、上部旋回体３上に容易に乗ることができ、作動油タンク１１、燃料タンク１２への給油作業等を容易に、かつ安全に行うことができる。

　次に、図６及び図７は本発明の第２の実施の形態を示している。第２の実施の形態の特徴は、機器収容ケース内の収容空間には、制御弁ユニットよりも上側に位置してタンク支持部材を設け、尿素水タンクを、上閉塞板の裏面側に位置してタンク支持部材上に配置したことにある。なお、第２の実施の形態では、前述した第１の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

　３１は第２の実施の形態に用いるタンク支持部材を示し、該タンク支持部材３１は、作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａから上閉塞板１６の下段ステップ板１６Ｂに向けてほぼ水平に伸びている。このタンク支持部材３１は、鉛直方向に延びる取付部３１Ａと水平方向に延びる支持部３１ＢとによりＬ字状に形成されている。タンク支持部材３１は、その取付部３１Ａが作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａに設けられた厚肉な平板状の取付板３２にボルトにより固定されている。これにより、タンク支持部材３１の支持部３１Ｂは、上閉塞板１６を構成する中段ステップ板１６Ｄの下側まで延び、支持部３１Ｂと中段ステップ板１６Ｄとの間には、後述の尿素水タンク３３を配置する空間が形成される。

　３３は第１の実施の形態による尿素水タンク２４に代えて用いられた第２の実施の形態による尿素水タンクを示している。この尿素水タンク３３は、第１の実施の形態による尿素水タンク２４とほぼ同様に、前，後方向と左，右方向に延びる扁平なボックス状の中空な容器として形成され、開閉カバー１５側の外側面には、給水用の給水口３３Ａが設けられている。尿素水タンク３３の下面には、平板状の取付フランジ３３Ｂが設けられている。一方、尿素水タンク３３の下端部には、該尿素水タンク３３と図３に示す尿素水噴射弁２３Ｆとの間を接続する尿素水供給路３４が接続されている。

　尿素水タンク３３は、タンク支持部材３１の支持部３１Ｂ上に載置された状態で、取付フランジ３３Ｂをボルト３３Ｃによって支持部３１Ｂに固定することにより、階段状に形成された上閉塞板１６の中段ステップ板１６Ｄの裏面側に配置されている。

　このように、第２の実施の形態においては、尿素水タンク３３を、作動油タンク１１及び燃料タンク１２の前面側に設けられたタンク支持部材３１と機器収容ケース１３を覆う上閉塞板１６に形成された中段ステップ板１６Ｄの裏面との間に形成される所定の空間内に配置する構成としている。換言すれば、階段状の上閉塞板１６の裏面側に形成された凹状空間を尿素水タンク３３を配置する場所として利用している。

　この結果、第２の実施の形態では、機器収容ケース１３を覆う上閉塞板１６の裏面側の階段状の凹凸形状を利用して、制御弁ユニット２０の上方に尿素水タンク３３を効率よく配置している。従って、機器収容ケース１３内の上，下方向のスペースを有効に利用し、後方小旋回型の油圧ショベル１の狭隘な上部旋回体３上のスペース内に制御弁ユニット２０と尿素水タンク３３とを効率よく配置することができる。

　なお、第２の実施の形態では、タンク支持部材３１を作動油タンク１１、燃料タンク１２の前面１１Ａ，１２Ａに固着した取付板３２に固定する構成としたが、例えば、タンク支持部材３１を機器収容ケース１３の内側板１４、上閉塞板１６等に固着する構成としてもよい。

　第２の実施の形態では、尿素水タンク３３の給水口３３Ａを開閉カバー１５側の側面に設けた場合を例示したが、例えば、給水口３３Ａを尿素水タンク３３の前面または上面に設ける構成としてもよい。

　次に、図８ないし図１０は本発明の第３の実施の形態を示している。第３の実施の形態の特徴は、尿素水タンクを、機器収容ケースのうち、旋回フレームと作業装置とを連結する連結ピンの移動方向を表すピン移動軌跡の範囲に着脱可能に配置したことにある。なお、第３の実施の形態では、前述した第１の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

　４１は作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａから制御弁ユニット２０の上方に向けてほぼ水平に延びたタンク支持部材を示している。このタンク支持部材４１は、鉛直方向に延びる取付部４１Ａと水平方向に延びる支持部４１ＢとによりＬ字状に形成されている。タンク支持部材４１は、その取付部４１Ａが作動油タンク１１の前面１１Ａ及び燃料タンク１２の前面１２Ａに設けられた厚肉な平板状の取付板４２にボルトにより固定されている。これにより、タンク支持部材４１の支持部４１Ｂと上閉塞板１６を構成する上段ステップ板１６Ｆとの間には、後述の尿素水タンク４３を配置する空間が形成される。

　４３は第１の実施の形態による尿素水タンク２４に代えて用いられた第３の実施の形態による尿素水タンクを示している。この尿素水タンク４３は、上，下方向と左，右方向に延びるボックス状の中空な容器として形成され、開閉カバー１５側の側面には、給水用の給水口４３Ａが設けられている。一方、尿素水タンク４３の下端部には、該尿素水タンク４３と尿素水噴射弁２３Ｆとの間を接続する尿素水供給路４４が接続されている。

　固定具４５は、尿素水タンク４３を機器収容ケース１３内に着脱可能に取り付けるものである。図１０に示すように、この固定具４５は、尿素水タンク４３の左，右の側面と前面とに嵌合するために薄肉な帯状の平板をＵ字状に折り曲げてなるバンド部４５Ａと、該バンド部４５Ａの両端部に設けられ各タンク１１，１２側の取付板４２と対面する取付部４５Ｂとにより構成されている。固定具４５は、尿素水タンク４３をタンク支持部材４１の支持部４１Ｂ上に載置した状態で、尿素水タンク４３の左，右の側面と前面とにバンド部４５Ａを嵌合し、各取付部４５Ｂをボルト４６を用いて取付板４２に取り付ける。これにより、尿素水タンク４３を制御弁ユニット２０の上方に配置することができる。

　ここで、図８及び図９に示すように、機器収容ケース１３を構成する内側板１４には、作業装置４と旋回フレーム５の左縦板５Ｂ，右縦板５Ｃとを回動可能に連結している連結ピン４７が、着脱作業時に左，右方向に移動するのを許す連結ピン移動孔１４Ａを設けている。これにより、作業者は、開閉カバー１５を開放し、連結ピン移動孔１４Ａを通じて連結ピン４７を抜き差しすることにより、作業装置４と旋回フレーム５との連結作業、または取り外し作業を行うことができる。図１０に示すように、このときの連結ピン４７の移動方向は、ピン移動軌跡Ｏ－Ｏとして表すことができる。

　第３の実施の形態においては、尿素水タンク４３は、連結ピン４７の移動方向となるピン移動軌跡Ｏ－Ｏの範囲に配置され、かつ尿素水タンク４３は、固定具４５を用いてタンク支持部材４１の支持部４１Ｂ上に着脱可能に取り付ける構成としている。

　従って、図９に示すように、旋回フレーム５の左縦板５Ｂ，右縦板５Ｃと作業装置４とに対し連結ピン４７の抜き差し作業を行うときには、固定具４５を取付板４２から取り外して尿素水タンク４３を連結ピン４７の移動方向となるピン移動軌跡Ｏ－Ｏの範囲から離脱させることにより、連結ピン４７を抜き差しするためのスペースを確保でき、抜き差し作業を円滑に行うことができる。

　このように、第３の実施の形態では、旋回フレーム５の左縦板５Ｂ，右縦板５Ｃと作業装置４とを連結する連結ピン４７の移動方向となるピン移動軌跡Ｏ－Ｏの範囲の空間内に尿素水タンク４３を着脱可能に配置する構成としている。従って、制御弁ユニット２０は、ピン移動軌跡Ｏ－Ｏを避けて配置でき、連結ピン４７を抜き差しする作業の邪魔にならない位置に配置することができる。さらに、尿素水タンク４３の設置場所として、連結ピン４７を抜き差しするために使用できなかったスペースを用いることで、収容空間１３Ａ全体を有効に利用して、制御弁ユニット２０と尿素水タンク４３とを配置することができる。

　次に、図１１ないし図１３は本発明の第４の実施の形態を示している。第４の実施の形態の特徴は、貯油タンクの前面には、その一部を後方に窪ませることにより収容空間の一部を形成する切欠部を設け、尿素水タンクは、貯油タンクの切欠部内に配置したことにある。なお、第４の実施の形態では、前述した第１の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

　５１は燃料タンク１２に設けられた切欠部を示している。図１２、図１３に示すように、切欠部５１は、燃料タンク１２の前面１２Ａの上端部を後方に向けて窪ませるように切欠くことにより、後述の尿素水タンク５３の外形形状に対応した凹陥部として形成されている。この切欠部５１は、収容空間１３Ａの後側に開口し、該収容空間１３Ａの一部を形成している。

　燃料タンク１２の前面１２Ａに切欠部５１を設けることにより、燃料タンク１２の前面１２Ａの上端側には、切欠部５１の底面５１Ａと後面５１Ｂとが形成され、この切欠部５１は、収容空間１３Ａの一部を構成している。さらに、燃料タンク１２の前面１２Ａには、平板上の固定板５２が溶接により固着されている。この固定板５２は、切欠部５１の底面５１Ａから上方に突出することにより、尿素水タンク５３を切欠部５１に固定するものである。

　５３は第１の実施の形態による尿素水タンク２４に代えて用いられた第４の実施の形態による尿素水タンクを示している。この尿素水タンク５３は、上，下方向と左，右方向に延びるボックス状の中空な容器として形成され、その上面には、給水用の給水口５３Ａが設けられている。尿素水タンク５３の下端部には、尿素水タンク５３と尿素水噴射弁２３Ｆとの間を接続する尿素水供給路５４が接続されている。

　図１１に示すように、尿素水タンク５３は、燃料タンク１２の前面１２Ａに設けた切欠部５１の底面５１Ａ上に載置され、固定板５２に当接することにより、収容空間１３Ａの一部を形成する切欠部５１内に配置することができる。この場合、切欠部５１は、尿素水タンク５３の外形形状に対応させているので、尿素水タンク５３の上面と燃料タンク１２の上面とを同一平面とし、燃料タンク１２の給油口１２Ｅと尿素水タンク５３の給水口５３Ａとを前，後方向に隣接して配置することができる。

　このように、第４の実施の形態によれば、機器収容ケース１３の後壁を形成する燃料タンク１２の前面１２Ａに切欠部５１を設けることにより、機器収容ケース１３内の収容空間１３Ａを拡張することができる。従って、切欠部５１によって拡張されたスペースを利用することにより、機器収容ケース１３内に制御弁ユニット２０と尿素水タンク５３とを余裕をもって配置することができ、これらのメンテナンス作業等を効率よく行うことができる。

　なお、第４の実施の形態では、燃料タンク１２の前面１２Ａのみに切欠部５１を形成したが、例えば作動油タンク１１の前面１１Ａのみに切欠部を設けてもよく、作動油タンク１１の前面１１Ａと燃料タンク１２の前面１２Ａとの両方に切欠部を設ける構成としてもよい。

　次に、図１４及び図１５は本発明の第５の実施の形態を示している。第５の実施の形態の特徴は、尿素水タンクを開閉カバーの内面に配置したことにある。なお、第５の実施の形態では、前述した第１の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。

　６１は開閉カバー１５の内面１５Ａに設けられたタンク支持部材を示し、該タンク支持部材６１は、後述の尿素水タンク６２を支持するものである。このタンク支持部材６１は、長方形状の平板からなり、開閉カバー１５の内面１５Ａに溶接等の固着手段により固着されている。これにより、タンク支持部材６１は、開閉カバー１５を閉位置としたときに、該開閉カバー１５の内面１５Ａから機器収容ケース１３内の収容空間１３Ａに向けて水平に延出するものである。タンク支持部材６１は、その上面６１Ａに尿素水タンク６２を固定することにより、開閉カバー１５の閉位置では、尿素水タンク６２を収容空間１３Ａに配置することができる。

　６２は第１の実施の形態による尿素水タンク２４に代えて用いられた第５の実施の形態による尿素水タンクを示している。この尿素水タンク６２は、上，下方向と前，後方向に延びるボックス状の中空な容器として形成され、その前面には、給水用の給水口６２Ａが設けられている。尿素水タンク６２の下端部には、尿素水タンク６２と尿素水噴射弁２３Ｆとの間を接続する尿素水供給路６３が接続されている。

　尿素水タンク６２は、タンク支持部材６１を介して開閉カバー１５の内面１５Ａに取り付けられている。ここで、第５の実施の形態の尿素水タンク６２は、開閉カバー１５を開いたとき、閉じたときに一緒に移動することになる。従って、尿素水供給路６３は、伸縮可能な耐圧ホース６３Ａによって配管６３Ｂと尿素水タンク６２とを接続している。なお、開閉カバー１５の左，右方向の幅寸法を寸法Ｌとしたときに、尿素水タンク６２は、この幅寸法Ｌ内に収まる大きさに設定されている。

　このように、第５の実施の形態によれば、開閉カバー１５を閉位置としたときには、機器収容ケース１３内に制御弁ユニット尿素水タンク６２を収容することができる。一方、図１５に示すように、開閉カバー１５を開位置としたときには、尿素水タンク６２を機器収容ケース１３の外部に移動させることができる。従って、制御弁ユニット２０に対してメンテナンス作業を行う場合には、この制御弁ユニット２０の周囲に大きな作業スペースを確保することができ、メンテナンス作業の作業性を高めることができる。

　なお、尿素水タンクに貯えられた尿素水溶液は、－１０℃付近で凝固してしまう。そこで、各実施の形態において、尿素水タンクを断熱材にて断熱、保温してもよい。

　さらに、各実施の形態では、建設機械として、クローラ式の油圧ショベル１を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、ホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。

　１　油圧ショベル（建設機械）
　２　下部走行体
　３　上部旋回体
　４　作業装置
　５　旋回フレーム
　８　エンジン
　８Ａ　排気管
　９　油圧ポンプ
　１１　作動油タンク（貯油タンク）
　１１Ａ，１２Ａ　前面
　１２　燃料タンク（貯油タンク）
　１３　機器収容ケース
　１３Ａ　収容空間
　１４　内側板
　１４Ａ　連結ピン移動孔
　１５　開閉カバー（外側板）
　１５Ａ　内面
　１６　上閉塞板
　１６Ａ　前端板
　１６Ｂ　下段ステップ板
　１６Ｃ，１６Ｅ　垂直板
　１６Ｄ　中段ステップ板
　１６Ｆ　上段ステップ板
　１９　ブラケット
　１９Ａ　支持板
　１９Ｂ　脚部
　２０　制御弁ユニット
　２１　排気ガス後処理装置
　２２　ＰＭ捕集装置
　２３　ＮＯｘ浄化装置
　２３Ｄ　尿素選択還元触媒
　２３Ｅ　酸化触媒
　２３Ｆ　尿素水噴射弁
　２４，３３，４３，５３，６２　尿素水タンク
　３１，４１，６１　タンク支持部材
　４７　連結ピン
　５１　切欠部
　Ｏ－Ｏ　連結ピンのピン移動軌跡

Claims

　下部走行体（２）と、該下部走行体（２）上に旋回可能に搭載された上部旋回体（３）と、該上部旋回体（３）の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置（４）とからなり、
　前記上部旋回体（３）は、支持構造体をなす旋回フレーム（５）と、該旋回フレーム（５）の後側に搭載され油圧ポンプ（９）を駆動するエンジン（８）と、該エンジン（８）の前側で前記旋回フレーム（５）の左，右方向の一側に配置され該エンジン（８）に供給される燃料または油圧アクチュエータに供給される作動油を貯える貯油タンク（１１，１２）と、該貯油タンク（１１，１２）の前側に位置して前記旋回フレーム（５）上に設けられ内部に収容空間（１３Ａ）を形成する機器収容ケース（１３）と、前記油圧ポンプ（９）と前記油圧アクチュエータとの間で作動油の給排を制御するため、多数の制御弁等の集合体からなる制御弁ユニット（２０）と、前記エンジン（８）の排気管（８Ａ）の途中に設けられ排気ガス中に含まれる窒素酸化物を除去する尿素選択還元触媒（２３Ｄ）を備えたＮＯｘ浄化装置（２３）と、前記尿素選択還元触媒（２３Ｄ）よりも前記排気ガスの流れ方向の上流側に位置して前記排気管（８Ａ）内を流れる前記排気ガスに還元剤である尿素水を噴射する尿素水噴射弁（２３Ｆ）と、該尿素水噴射弁（２３Ｆ）と接続され、前記尿素水を貯えるために中空な容器からなる尿素水タンク（２４，３３，４３，５３，６２）とを備えてなる建設機械において、
　前記機器収容ケース（１３）は、前記貯油タンク（１１，１２）の前面（１１Ａ，１２Ａ）と、前記収容空間（１３Ａ）の左，右方向の内側面を形成するために前記貯油タンク（１１，１２）から前方に延びる内側板（１４）と、前記収容空間（１３Ａ）の左，右方向の外側面を形成するために前記貯油タンク（１１，１２）から前方に延びる外側板（１５）と、前記貯油タンク（１１，１２）と前記旋回フレーム（５）の前端との間に位置して前記内側板（１４）と前記外側板（１５）の上側を覆う上閉塞板（１６）とにより構成し、
　前記機器収容ケース（１３）内の収容空間（１３Ａ）には、前記制御弁ユニット（２０）と前記尿素水タンク（２４，３３，４３，５３，６２）とを一緒に配置したことを特徴とする建設機械。
　前記上閉塞板（１６）には、前記旋回フレーム（５）の前端から前記貯油タンク（１１，１２）に向けて複数段からなる階段を設ける構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記機器収容ケース（１３）内には、前記旋回フレーム（５）上に立設された脚部（１９Ｂ）と該脚部（１９Ｂ）の上端側に設けられた支持板（１９Ａ）とを有するブラケット（１９）を設け、前記制御弁ユニット（２０）を前記ブラケット（１９）の支持板（１９Ａ）上に搭載し、前記尿素水タンク（２４）は、前記ブラケット（１９）の支持板（１９Ａ）と前記旋回フレーム（５）との間に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記機器収容ケース（１３）内の収容空間（１３Ａ）には、前記制御弁ユニット（２０）よりも上側に位置してタンク支持部材（３１）を設け、前記尿素水タンク（３３）は、前記上閉塞板（１６）の裏面側に位置して前記タンク支持部材（３１）上に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記作業装置（４）と前記旋回フレーム（５）とは連結ピン（４７）を用いて着脱可能に連結する構成とし、前記内側板（１４）には、前記作業装置（４）と前記旋回フレーム（５）とを着脱するために前記連結ピン（４７）が左，右方向に移動するのを許す連結ピン移動孔（１４Ａ）を設け、前記尿素水タンク（４１）は、前記連結ピン（４７）の移動方向を表すピン移動軌跡（Ｏ－Ｏ）の範囲内に着脱可能に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記貯油タンク（１２）の前面（１２Ａ）には、その一部を後方に窪ませることにより前記収容空間（１３Ａ）の一部を形成する切欠部（５１）を設け、前記尿素水タンク（５３）は、前記貯油タンク（１２）の前記切欠部（５１）内に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。
　前記外側板（１５）は、前記収容空間（１３Ａ）を開く開位置と閉じる閉位置との間で回動する開閉カバーとして形成し、前記尿素水タンク（６２）は、当該開閉カバー（１５）の内面（１５Ａ）に配置する構成としてなる請求項１に記載の建設機械。