WO2006006539A1

WO2006006539A1 - 使い捨て着用物品

Info

Publication number: WO2006006539A1
Application number: PCT/JP2005/012690
Authority: WO
Inventors: Kaiyo Nakajima; Yoshitaka Mishima
Original assignee: Uni-Charm Co., Ltd.
Priority date: 2004-07-09
Filing date: 2005-07-08
Publication date: 2006-01-19
Also published as: EP1767176A4; CN1984627B; US7563257B2; US20090234316A1; US20060009746A1; KR20070024714A; CN1984627A; TWI272940B; JPWO2006006539A1; JP4791362B2; TW200612874A; MY138454A; KR100782962B1; US8029486B2; EP1767176A1

Abstract

　使い捨て着用物品（３０Ａ）では、肌当接パネル（４０Ａ）が股下域（３２）の前半分（３２Ａ）に配置され、不透液性仕切り（４１）が横中心線（Ｌ１）近傍に配置されている。パネル（４０Ａ）は、物品（３０Ａ）の両側部（３５）に固着された両側縁部（４８）と、両側縁部（４８）の間に位置する中間部（４９）とを有する。仕切り（４１）は、パネル（４０Ａ）に固着された上縁部（５０）と、表面シート（３６）に固着された下縁部と、両側部（３５）に固着された両側縁部（５３）と、上縁部（５０）と下縁部の間に位置する中央部とを有する。物品（３０Ａ）では、パネル（４０Ａ）の中間部（４９）が表面シート（３６）の上方に向かって横方向へ弧を画き、仕切り（４１）の中央部が物品（３０Ａ）の厚み方向へ展開して排泄物の流動を阻止する袋状の障壁を形成する。

Description

明細書

使い捨て着用物品

技術分野

[0001] 本発明は、排泄物を吸収、保持する使い捨て着用物品に関する。

背景技術

[0002] 前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを有するとともに、前後胴周り域に横方向へ延びる両端部と、前後胴周り域間に縦方向へ延びる両側部とを有し、肌当接側に位置する透液性表面シートおよび肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が収縮可能に取り付けられて表面シートの上方へ起立性向を有する一対の不透液性防漏カフと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、コアに縦方向へ所定寸法離間して横方向へ延びる複数の隆起部が形成され、表面シートにその外面から上方へ起立可能なシート部材が取り付けられた使い捨て着用物品がある (特許文献 1参照)。

[0003] 隆起部は、物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の後半分と後胴周り域とに形成されている。シート部材は、横中心線近傍に配置されている。この物品は、股下域の後半分と後胴周り域とに排泄された軟便の流動が隆起部とシート部材とによって阻止され、軟便が股下域の前半分と前胴周り域とへ流動することがなぐ軟便による性器の汚れを防ぐことができる。

特許文献 1：特開平 11— 318976号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 特許文献 1に開示の物品では、着用者の股間部で股下域が横方向内方へ押圧されつつ股下域に着用者の体圧がかかると、シート部材が容易に倒伏する。シート部材が倒伏すると、シート部材が軟便の流動を阻止する障壁として機能せず、軟便がシート部材を乗り越えて股下域の前半分と前胴周り域とに向力つて流動してしまう場合がある。この物品は、着用者の性器が表面シートの外面に接し、性器が表面シート力も離れることがないので、軟便が股下域の前半分と前胴周り域とに流動すると、表面シートの外面を拡散する軟便によって性器が汚れてしまう場合がある。

[0005] 本発明の目的は、軟便の流動を阻止することができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる使い捨て着用物品を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 前記課題を解決するための本発明の第 1の前提は、前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを有するとともに、前後胴周り域に横方向へ延びる両端部と、前後胴周り域間に縦方向へ延びる両側部とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成された使い捨て着用物品である。

[0007] 前記第 1の前提における本発明の第 1の特徴は、表面シートの外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネルが、前胴周り域と物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、表面シートとパネルとの間に介在して横方向へ延びる仕切りが、横中心線近傍に配置され、パネルが、物品の両側部に固着された両側縁部と、両側縁部の間に位置する中間部とを有し、仕切りが、パネルに固着された上縁部と、表面シートに固着された下縁部と、物品の厚み方向へ畳まれた中央部とを有することにある。本発明は、物品の着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの両側縁部間の離間寸法が縮まるとともに、パネルの中間部が横方向へ弧を画きつつ表面シートの外面から上方へ離間し、パネルと表面シートとの間に延びる仕切りの中央部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がる障壁を形成する。

[0008] 前記第 1の特徴を有する本発明は、以下の実施態様を有する。

(1)物品力表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏カフを有し、防漏カフが、両側部に固着されて縦方向へ延びる基部と、基部に並行して縦方向へ延びていて表面シートの上方へ起立性向を有する先端部と、横方向へ倒伏した状態で物品の両端部に固着された両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、防漏カフの先端部に収縮可能に取り付けられ、パネルと仕切りとが、防漏カフの間に配置され、パネルの中間部のうちの少なくとも横中心線の側に位置する内端部分の両側が、防漏カフの先端部に固着され、パネルの中間部が、防漏カフの先端部の起立にともなって表面シートの上方へ持ち上げられ、仕切りの中央部が、表面シートとパネルとの間に排泄物に対する障壁を形成している。

(2)弹性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスぺーサ力表面シートとパネルとの間に伸長下に配置され、スぺーサが、パネルの両側縁部に固着された両端縁部と、両端縁部の間に位置する部分とを有し、パネルの両側縁部どうし力スぺーサの収縮力によって物品の横方向へ引き寄せられ、パネルの中間部が、表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画き、仕切りの中央部が、表面シートとパネルとの間に排泄物に対する障壁を形成してヽる。

[0009] 前記課題を解決するための本発明の第 2の前提は、前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを有するとともに、前後胴周り域に横方向へ延びる両端部と、前後胴周り域間に縦方向へ延びる両側部とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏カフと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、防漏カフが、両側部に固着されて縦方向へ延びる基部と、基部に並行して縦方向へ延びていて表面シートの上方へ起立性向を有する先端部と、横方向へ倒伏した状態で物品の両端部に固着された両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、防漏カフの先端部に収縮可能に取り付けられた使い捨て着用物品である。

[0010] 前記第 2の前提における本発明の第 2の特徴は、表面シートの外面の側に位置して防漏カフ間を横方向へ延びる肌当接パネルが前胴周り域と物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、表面シートとパネルとの間に介在して防漏カフ間を横方向へ延びる仕切りが横中心線近傍に配置され、パネルが、防漏カフの先端部に固着された両側縁部と、両側縁部の間に位置して物品に非固着の中間部とを有し、仕切りが、パネルに固着された上縁部と、表面シートに固着された下縁部と、上下縁部の間に位置して物品の厚み方向へ少なくとも 2つ折りに畳まれた中央部とを有することにある。本発明は、防漏カフの先端部の起立にともなって、パネルの両側縁部と中間部とが表面シートの上方へ持ち上げられて表面シートの外面から上方へ離間し、パネルと表面シートとの間に延びる仕切りの中間部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がる障壁を形成する。

[0011] 前記第 1および第 2の特徴を有する本発明は、以下の実施態様を有する。

(3)パネルが少なくとも 1枚の吸水性シートから形成されて、る。

(4)パネルが、少なくとも 1枚の吸水性シートと、吸水性シートに包被された吸収性芯材とから形成され、吸収性芯材が親水性繊維とフォーム材との!ヽずれか一方である。

(5)パネルが、肌当接側に位置する少なくとも 1枚の吸水性シートと、肌非当接側に位置する不透液性シートと、吸水性シートと不透液性シートとの間に介在する吸収性芯材とから形成され、吸収性芯材が親水性繊維とフォーム材との!ヽずれか一方である。

発明の効果

[0012] 本発明に係る使い捨て着用物品が着用されると、着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されて、肌当接パネルの両側縁部間の離間寸法が縮まるとともに、パネルの中間部が横方向へ弧を画きつつ表面シートの外面から上方へ離間する。同時に、パネルと表面シートとの間に延びる仕切りの中間部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がり、仕切りの中間部が股下域力前胴周り域に向かって延びるチャネルを構成する障壁を形成し、股下域の前半分や前胴周り域への軟便の流動が仕切りによって阻止される。この物品は、着用者の性器が表面シートの上方へ向かつて弧を画くパネルの外面に当接し、性器を表面シートの外面力確実に離すことができる。このように、軟便が性器に付着することはなぐ軟便による性器の汚れを防ぐことができる。この物品は、仕切りの中央部が軟便の流動を阻止する障壁を形成するので、軟便が表面シートの外面を拡散したとしても、軟便が股下域の前半分や前胴周り域へ流動することがなぐ軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。

[0013] パネルの中間部のうちの少なくとも横中心線の側に位置する内端部分の両側が防漏カフの先端部に固着された物品は、防漏カフの先端部の起立にともなって、パネルの中間部が表面シートの上方へ持ち上げられて表面シートの外面から上方へ離間し、仕切りの中央部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がり、仕切りの中央部が股下域力ゝら前胴周り域に向かって延びるチャネルを構成する障壁を形成する。この物品は、その着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの両側縁部間の離間寸法が縮まり、表面シートの上方へ持ち上げられたパネルの中間部が横方向へ弧を画きつつ防漏カフの先端部の上方へ突出する。このように、パネルに当接する性器を表面シートから確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。さらに、仕切りの中央部が軟便の流動を阻止する障壁を形成するので、軟便が表面シート上を拡散したとしても、股下域の前半分や前胴周り域への軟便の流動を確実に防ぐことができる。

[0014] 弹性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスぺーサが表面シートとパネルとの間に伸長下に配置された物品は、パネルの両側縁部どうしがスぺーサの収縮力によって物品の横方向内方へ引き寄せられ、仕切りの中央部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がり、仕切りの中央部が股下域力前胴周り域に向かって延びるチャネルを構成する障壁を形成する。この物品は、着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの両側縁部間の離間寸法が縮まるとともに、パネルの中間部が表面シートの上方に向かって確実に弧を画く。このようにして、パネルに当接する性器を表面シートから確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。さらに、仕切りの中央部が軟便の流動を阻止する障壁を形成するので、軟便が表面シートの外面を拡散したとしても、股下域の前半分や前胴周り域への軟便の流動を確実に防ぐことができる。

[0015] パネルの両側縁部が防漏カフの先端部に固着された物品は、防漏カフの先端部の起立にともなって、パネルの両側縁部と中間部とが表面シートの上方へ持ち上げられて表面シートから上方へ離間し、表面シートとパネルとの間に延びる仕切りの中央部が展開して物品の厚み方向へ立ち上がる。その結果、仕切りの中央部が股下域から前胴周り域に向カゝつて延びるチャネルを構成する障壁を形成する。この物品は、着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの両側縁部間の離間寸法が縮まるとともに、表面シートの上方へ持ち上げられたパネルの中間部が横方向へ弧を画きつつ防漏カフの先端部の上方へ突出する。このようにして、パネルに当接する性器を表面シートから確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。さらに、仕切りの中央部が軟便の流動を阻止する障壁を形成するので、軟便が表面シート上を拡散したとしても、股下域の前半分や前胴周り域への軟便の流動を確実に防ぐことができる。

[0016] パネルが少なくとも 1枚の吸水性シートから形成された物品は、排泄された尿が吸水性シートに吸収され、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができる。このようにして、大便の流動化を防ぐことができ、流動化した大便による着用者の肌の汚れを防ぐことができる。

[0017] パネルが吸水性シートと吸水性シートに包皮された吸収性芯材とから形成された物品は、パネルに排泄された尿が吸水性シートを透過して吸収性芯材に吸収保持される。このように、パネルに多量の尿を吸収させることができる。この物品は、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、流動化した大便による着用者の肌の汚れを確実に防ぐことができる。

[0018] パネルが吸水性シートおよび不透液性シートとそれらシートの間に介在する吸収性芯材とから形成された物品は、パネルに排泄された尿が吸水性シートを透過して吸収性芯材に吸収保持されるので、パネルに多量の尿を吸収させることができる。この物品は、パネルに吸収された尿が不透液性シートを透過することがなぐ尿が表面シートに達することがない。このようにして、パネルに多量の尿を吸収させることができる。この物品は、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を確実に防ぐことができるとともに、流動化した大便による着用者の肌の汚れを確実に防ぐことができる。図面の簡単な説明

[0019] [図 1]一例として示す使い捨て着用物品の斜視図。

[図 2]図 1の 2— 2線矢視断面図。

[図 3]図 1の 3— 3線矢視断面図。

[図 4]着用状態で示す図 1の物品の斜視図。

[図 5]他の一例として示す使い捨て着用物品の斜視図。

[図 6]図 5の 6— 6線矢視断面図。

[図 7]図 5の 7— 7線矢視断面図。圆 8]着用状態で示す図 5の物品の斜視図。

[図 9]他の一例として示す使い捨て着用物品の斜視図。

[図 10]図 9の 10— 10線矢視断面図。

[図 11]図 9の 11 11線矢視断面図。

[図 12]図 9の 12— 12線矢視断面図。

[図 13]着用状態で示す図 9の物品の斜視図。

[図 14]他の一例として示す使い捨て着用物品の斜視図。

[図 15]図 14の 15— 15線矢視断面図。

[図 16]図 14の 16— 16線矢視断面図。

[図 17]着用状態で示す図 14の物品の斜視図。

[図 18]他の一例として示す使い捨て着用物品の斜視図。

[図 19]図 18の 19 19線矢視断面図。

[図 20]図 18の 20— 20線矢視断面図。

[図 21]着用状態で示す図 18の物品の斜視図。

符号の説明

30A 使い捨て着用物品

30B 使い捨て着用物品

30C 使い捨て着用物品

30D 使い捨て着用物品

30E 使い捨て着用物品

31 前胴周り域

32 股下域

32A 前半分

33 後胴周り域

34 両端部

35 両側部

36 透液性表面シート

37 不透液性裏面シート不透液性防漏カフ吸液性コア

A 肌当接パネル

B 肌当接パネル

C 肌当接パネル

D 肌当接パネル

不透液性仕切り基部

先端部

A 上縁

両端部

伸縮性弾性部材親水性繊維不織布層親水性繊維不織布層両側縁部

中間部

上縁部

下縁部

中央部

両側縁部

親水性第 1繊維不織布層親水性第 2繊維不織布層吸液性コア

内端部分

ウレタンフォームスぺーサ

両端縁部

中間部 81 親水性繊維不織布層

82 プラスチックフィルム

L1 横中心線

発明を実施するための最良の形態

[0021] 添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。

[0022] 図 1は、一例として示す使い捨て着用物品 30Aの斜視図である。図 2は、図 1の 2— 2線矢視断面図である。図 3は、図 1の 3— 3線矢視断面図である。図 1では、横方向を矢印 L、縦方向を矢印 Mで示し、厚み方向を矢印 Nで示す。

[0023] 物品 30Aは、縦方向に前胴周り域 31および後胴周り域 33と、それら胴周り域 31, 33の間に位置する股下域 32とを有するとともに、前後胴周り域 31, 33に横方向へ延びる両端部 34と、前後胴周り域 31, 33間に縦方向へ延びる両側部 35とを有する。物品 30Aは、肌当接側に位置する透液性表面シート 36と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート 37と、表面シート 36の外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の不透液性防漏カフ 38と、表裏面シート 36, 37の間に介在してそれらシート 36, 37の内面に接合された吸液性コア 39とから構成されている。コア 39は、両端部 34と両側部 35とを除く前後胴周り域 31, 33と股下域 32とに配置されている。股下域 32 の両側部 35は、物品 30Aの横方向内方へ向かって弧を画いており、物品 30Aは、その平面形状が砂時計型を有する。防漏カフ 38の間には、横方向へ延びる肌当接パネル 40Aと不透液性仕切り 41とが配置されている。

[0024] 表面シート 36には、親水性繊維不織布が使用されている。裏面シート 37には、 2枚の疎水性繊維不織布をラミネートした複合不織布が使用されている。防漏カフ 38〖こは、撥水処理が施された疎水性繊維不織布が使用されている。コア 39は、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーと親水性繊維、例えばフラッフノルプとの混合物、または、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプと熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所定の厚みに圧縮されている。コア 39は、その剛性が表裏面シート 36, 37や防漏カフ 38のそれよりも大きい。コア 39は、それの型崩れを防止するため、全体がティッシュペーパー（図示せず）に包被されている。 [0025] 防漏カフ 38は、両側部 35に固着されて縦方向へ延びる基部 42と、基部 42に並行して縦方向へ延びていて表面シート 36の上方へ起立性向を有する先端部 43と、物品 30Aの横方向内方へ倒伏した状態で両端部 34に固着された両端部 44とから形成されている。基部 42と先端部 43とは、物品 30Aの両端部 34間に延びている。先端部 43の上縁 43Aには、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材 45が収縮可能に取り付けられており、弾性部材 45は、縦方向へ所定の倍率に伸長された状態で上縁 43A に固着されている。弾性部材 45が収縮すると、物品 30Aが表面シート 36を内側にして縦方向へ湾曲するとともに、防漏カフ 38の先端部 43が表面シート 36の上方へ起立して排泄物に対する障壁を形成する。物品 30Aは、起立する防漏カフ 38の先端部 43によって排泄物の横漏れが防止される。

[0026] ノネル 40Aは、横長矩形を有し、表面シート 36の外面の側であって物品 30Aの縦寸法を二分する横中心線 L1で区画された股下域 32の前半分 32Aに配置されている。パネル 40Aは、互いに重なり合う 2層の親水性繊維不織布層 46, 47から形成されており、それらは吸水性である。不織布層 46, 47は、それらの対向面が接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。パネル 40Aは、物品 30Aの両側部 35に位置する両側縁部 48と、両側縁部 48の間に位置する中間部 49とを有する。

[0027] 仕切り 41は、横中心線 L1近傍、すなわちパネル 40Aの中間部 49の横中心線 L1 の側に位置する内端部分 72に配置されている。仕切り 41は、表面シート 36とパネル 40 Aとの間に介在している。仕切り 41には、不透液性プラスチックフィルムが使用されている。仕切り 41は、横方向へ延びる上縁部 50および下縁部 51と、上下縁部 50 , 51の間に位置して物品 30Aの厚み方向へ延びる中央部 52と、物品 30Aの両側部 35に位置する両側縁部 53とを有する。上縁部 50は、パネル 40Aの内面に固着されており、下縁部 51は、表面シート 36の外面に固着されている。仕切り 41は、物品 30 Aの厚み方向へ 3つ折りに畳まれ、その断面形状が図 2に示すようにジグザグ状を有する。

[0028] 物品 30Aの両端部 34は、コア 39の端縁 54から縦方向外方へ延びる表裏面シート 36, 37の端部 55, 56と防漏カフ 38の端部 44と力も形成されている。両端部 34では、表裏面シート 36, 37の端部 55, 56が防漏カフ 38の端部 44と重なり合い、表裏面シート 36, 37の内面どうしが固着され、表面シート 36の外面が防漏カフ 38の内面と固着されている。後胴周り域 33の端部 34には、横方向へ延びる帯状の胴周り用弾性部材 57が収縮可能に取り付けられている。胴周り用弾性部材 57は、表面シート 3 6の端部 55と裏面シート 37の端部 56との間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれらシート 36, 37の内面に固着されている。

[0029] 物品 30Aの両側部 35は、表裏面シート 36, 37の側部 59, 60と防漏カフ 38の基部 42と力も形成されている。両側部 35では、表面シート 36の側部 59がコア 39の側縁 5 8から横方向外方へわずかに延び、側部 59からさらに横方向外方へ裏面シート 37の側部 60と防漏カフ 38の基部 42とが延びている。両側部 35では、表裏面シート 36, 3 7の佃 J咅 60と防漏カフ 38の基咅42と力重なり合!/ヽ、表裏面シート 36, 37の内面どうしが固着され、表裏面シート 36, 37の内外面と防漏カフ 38の内面とが固着されている。

[0030] 両側部 35には、縦方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材 61が収縮可能に取り付けられている。脚周り用弾性部材 61は、裏面シート 37を形成する 2層の不織布層の間に介在し、縦方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれら不織布の対向面に固着されている。パネル 40Aの両側縁部 48は、表面シート 36の側部 59と防漏カフ 3 8の基部 42との間に介在し、それらシート 36,カフ 38の内外面に固着されている。仕切り 41の両側縁部 53は、表面シート 36の側部 59とパネル 40Aの側縁部 48との間に介在し、シート 36の外面とパネル 40Aの内面とに固着されている。

[0031] 後胴周り域 33の両側部 35には、プラスチックフィルム力も形成された可撓性のテープファスナ 62が取り付けられている。テープファスナ 62は、横方向へ延びる基端部 6 3と先端部 64とを有する。基端部 63は、裏面シート 37の側部 60と防漏カフ 38の基部 42との間に介在し、それらシート 37,カフ 38の内面に固着されている。先端部 64 の内面には、複数のフックを有する雄型のメカ-カルファスナ 65が取り付けられている。先端部 64は、物品 30Aの横方向内方へ向力つて折曲され、フックを介して防漏カフ 38の基部 42の外面に着脱可能に仮止めされている（図 2参照)。なお、先端部 6 4には、メカ-カルファスナ 65ではなぐ粘着剤が塗布されていてもよい。

[0032] 前胴周り域 31には、テープファスナ 62の先端部 64を着脱可能に止着する可撓性のターゲットテープ 66が取り付けられている。ターゲットテープ 66には、プラスチックフィルムとフィルムから突出する複数のループとから形成された雌型のメカ-カルファスナが使用されている。ターゲットテープ 66は、横長矩形を呈し、裏面シート 37の外面に固着されている。テープファスナ 62の先端部 64に粘着剤を塗布する場合は、タ一ゲットテープ 66にプラスチックフィルムが使用される。

[0033] 図 4は、着用状態で示す図 1の物品 30Aの斜視図であり、前後胴周り域 31, 33の一方の側部 35を破断して示している。物品 30Aを着用するには、後胴周り域 33の両側部 35を前胴周り域 31の両側部 35の外側に重ね合わせた後、テープファスナ 62 の先端部 64をターゲットテープ 66に押し付けてフックとループとを係合させ、それによって、先端部 64をターゲットテープ 66に止着する。そのようにして、前胴周り域 31 と後胴周り域 33とが連結され、胴周り開口 67と脚周り開口 68とが形成される。

[0034] 物品 30Aの着用中では、着用者 100の臀部が表面シート 36の外面に当接し、着用者 100のペニス 101 (性器）がパネル 40Aの中間部 49の外面に当接する。物品 3 OAの股下域 32が着用者 100の大腿によって横方向内方へ押圧され、パネル 40A の両側縁部 48間の離間寸法が縮まる。その結果、中間部 49が表面シート 36の上方に向かって横方向へ弧を画き、中間部 49が表面シート 36の外面から上方へ離間する。中間部 49が表面シート 36の外面から上方へ離間することにともなって、表面シート 36とパネル 40Aとの間に延びる仕切り 41の中央部 52が物品 30Aの厚み方向へ展開し、それによつて、中央部 52が物品 30Aの厚み方向へ立ち上がり、中央部 52が股下域 32から前胴周り域 31に向力つて延びるチャネルを構成する障壁を形成する。物品 30Aの着用中では、表面シート 36の上方へ弧を画くパネル 40Aが仕切り 41を吊り上げ、仕切り 41の中央部 52の起立状態が維持される。それゆえ、中央部 52が不用意に倒伏することはなぐ仕切り 41が障壁としての機能を失うことはない。物品 3 OAに排泄された尿はパネル 40Aに吸収され、股下域 32の後半分 32Bや後胴周り域 33に排泄された軟便は表面シート 36を透過してコア 39に吸収保持される。パネル 40Aに吸収しきれな、尿は、股下域 32の前半分 32Aや前月同周り域 31にお、て表面シート 36を透過してコア 39に吸収保持される。

[0035] 物品 30Aは、その着用中に着用者 100のペニス 101がパネル 40Aの外面に当接し、パネル 40Aの中間部 49が表面シート 36の外面から離間することにともなってぺニス 101が表面シート 36の外面から上方へ離れるので、ペニス 101が表面シート 36 に接することがない。仕切り 41の中央部 52が袋状の障壁を形成するので、股下域 3 2の後半分 32Bと後胴周り域 33とに排泄された軟便が表面シート 36の外面を拡散したとしても、軟便の流動が仕切り 41によって阻止され、軟便が股下域 32の前半分 32 Aや前月同周り域 31へ流動することがない。物品 30Aに多量の軟便力排泄されたとしても、そのような多量の軟便は仕切り 41に収容され、軟便が仕切り 41を乗り越えてパネル 40Aの外面に達することはな!/、。

[0036] 物品 30Aは、表面シート 36とペニス 101との接触を防ぐことができるとともに、軟便の流動を防ぐことができる。それによつて、軟便によるペニス 101の汚れを確実に防ぐことができる。物品 30Aに排泄された尿の股下域 32の後半分 32Bや後胴周り域 33 への流動が仕切り 41によって阻止され、大便の股下域 32の前半分 32Aや前胴周り域 31への移動が仕切り 41によって阻止される。このようにして、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、それによつて着用者 100の肌の汚れを防ぐことができる。

[0037] 図 5は、他の一例として示す使い捨て着用物品 30Bの斜視図である。図 6は、図 5 の 6— 6線矢視断面図である。図 7は、図 5の 7— 7線矢視断面図である。図 5では、横方向を矢印 L、縦方向を矢印 Mで示し、厚み方向を矢印 Nで示す。

[0038] この物品 30Bが図 1のそれと異なるのは、パネル 40Bが第 1および第 2繊維不織布層 69, 70と全体がそれら不織布層 69, 70に被覆された吸液性コア 71とカゝら形成されている点と、パネル 40Bの中間部 49が防漏カフ 38の先端部 43に固着されている点とであり、その他の構成は物品 30Aと同一である。物品 30Aと同一の符合を付してこの物品 30Bにおけるその他の構成の説明は省略する。

[0039] パネル 40Bは、横長矩形を有し、表面シート 36の外面の側であって横中心線 L1で区画された股下域 32の前半分 32Aに配置されている。パネル 40Bは、肌当接側に位置する親水性第 1繊維不織布層 69と、肌非当接側に位置する親水性第 2繊維不織布層 70と、第 1および第 2繊維不織布層 69, 70の間に介在する吸液性コア 71とから形成されている。それら不織布層 69, 70は、コア 71の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合った状態で固着されている。コア 71は、それら不織布層 6 9, 70の内面に接着剤（図示せず)を介して断続的に接合されている。コア 71は、コァ 39と同一の混合物であり、その全体がティッシュペーパー（図示せず）に包被されている。コア 71は、その剛性が第 1および第 2繊維不織布層 69, 70のそれよりも大きい。

[0040] パネル 40Bは、物品 30Bの両側部 35に位置する両側縁部 48と、両側縁部 48の間に位置する中間部 49とを有する。両側縁部 48は、コア 71を除く第 1および第 2繊維不織布層 69, 70から形成されている。中間部 49は、横中心線 L1の側に位置する内端部分 72の両側が弾性部材 45の近傍にぉ、て防漏カフ 38の先端部 43、好ましくは上縁 43Aに固着されている。内端部分 72の両側は、接着剤 73を介して防漏カフ 3 8の先端部 43に固着されている。中間部 49は、防漏カフ 38の先端部 43が弹性的に起立するのにともなって表面シート 36の上方へ持ち上げられ、表面シート 36の外面力も上方へ離間している。なお、中間部 49の両側全体が弾性部材 45の近傍において防漏カフ 38の先端部 43、好ましくは上縁 43Aに固着されていてもよい。パネル 40 Bの両側縁部 48は、表面シート 36の側部 59と防漏カフ 38の基部 42との間に介在し、それらシート 36,カフ 38の内外面に固着されている。

[0041] 図 8は、着用状態で示す図 5の物品 30Bの斜視図であり、前後胴周り域 31, 33の一方の側部 35を破断して示している。物品 30Bを着用する手順は、物品 30Aのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品 30Bの着用中では、着用者 100の臀部が表面シート 36の外面に当接し、着用者 100のペニス 101 (性器）がパネル 40B の中間部 49の外面に当接する。中間部 49が、防漏カフ 38の先端部 43に固着されて、るので、より一層横方向へ弧を画、て表面シート 36の外面力も離間するように表面シート 36の外面から上方へ持ち上げられ易!、。

[0042] 物品 30Bは、排泄された尿が第 1繊維不織布層 69を透過してコア 39だけでなくコァ 71にも吸収保持されるので、パネル 40Bに多量の尿を吸収させることができる。

[0043] 図 9は、他の一例として示す使い捨て着用物品 30Cの斜視図である。図 10は、図 9 の 10— 10線矢視断面図である。図 11は、図 9の 11 11線矢視断面図である。図 1 2は、図 9の 12— 12線矢視断面図である。図 9では、横方向を矢印 L、縦方向を矢印 Mで示し、厚み方向を矢印 Nで示す。

[0044] この物品 30Cが図 1のそれと異なるのは、パネル 40Cが第 1および第 2繊維不織布層 69, 70と全体がそれら不織布層 69, 70に被覆されたウレタンフォーム 74と力も形成されている点と、表面シート 36とパネル 40Cとの間に横方向へ延びるスぺーサ 75 が配置されている点とであり、その他の構成は物品 30Aと同一である。物品 30Aと同一の符合を付してこの物品 30Cにおけるその他の構成の説明は省略する。

[0045] パネル 40Cは、横長矩形を有し、表面シート 36の外面の側であって横中心線 L1で区画された股下域 32の前半分 32Aに配置されている。パネル 40Cは、肌当接側に位置する親水性第 1繊維不織布層 69と、肌非当接側に位置する親水性第 2繊維不織布層 70 (それらは吸水性である）と、第 1および第 2繊維不織布層 69, 70の間に介在するウレタンフォーム 74 (吸収性である）とから形成されている。それら不織布層 69 , 70は、ウレタンフォーム 74の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合つた状態で固着されている。ウレタンフォーム 74は、その内部にオープンセルを有する。ウレタンフォーム 74は、それら不織布層 69, 70の内面に接着剤（図示せず)を介して断続的に接合されている。なお、吸収性芯材には、ウレタンフォーム 74の他に、セルローススポンジ、ナイロンスポンジ、スチレンフォームのいずれかを使用することもできる。

[0046] パネル 40Cは、物品 30Cの両側部 35に位置する両側縁部 48と、両側縁部 48の間に位置して物品 30Cに非固着の中間部 49とを有する。両側縁部 48は、ウレタンフォーム 74を除く第 1および第 2繊維不織布層 69, 70から形成されている。パネル 40C の両側縁部 48は、表面シート 36の側部 59と防漏カフ 38の基部 42との間に介在し、それらシート 36,カフ 38の内外面に固着されている。

[0047] スぺーサ 75は、図 12に示すように、表面シート 36とパネル 40Cとの間に介在し、仕切り 41の近傍、すなわち中間部 49の内端部分 72の側に配置されている。スぺーサ 75は、親水性または疎水性の 2層の繊維不織布層 76, 77と、繊維不織布層 76, 77 に収縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材 78とから形成されている。弾性部材 78は、それら繊維不織布層 76, 77の間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布層 76, 77の対向面に接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。スぺーサ 75は、物品 30Cの両側部 35に位置する両端縁部 79と、両端縁部 79の間に位置する伸縮可能な中間部 80とを有する。両端縁部 79は、表面シート 36の側部 59とパネル 40Cの側縁部 48との間に介在し、シート 36の外面とパネル 40Cの内面とに固着されており、スぺーサ 75は横方向へ所定の倍率に伸長した状態にある。スぺーサ 75の伸長状態が解除され、両側縁部 48どうしがスぺーサ 75の収縮力によって物品 30Cの横方向内方へ引き寄せられ、パネル 4 OCの中間部 49が表面シート 36の上方に向かって横方向へ弧を画いている。

[0048] 図 13は、着用状態で示す図 9の物品 30Cの斜視図であり、前後胴周り域 31, 33の一方の側部 35を破断して示している。物品 30Cを着用する手順は、物品 30Aのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品 30Cの着用中では、着用者 100の臀部が表面シート 36の外面に当接し、着用者 100のペニス 101がパネル 40Cの外面に当接する。

[0049] 既に述べたとおり、物品 30Cは、スぺーサ 75の収縮力によってパネル 40Cの中間部 49が表面シート 36の上方に向かって弧を画いている。股下域 32が着用者 100の股間部によって横方向内方へ押圧されたときに、中間部 49が表面シート 36の上方に向かって確実に弧を画き、中間部 49が表面シート 36の外面力も上方へ確実に離間する。中間部 49が表面シート 36の外面から上方へ離間することにともなって、表面シート 36とパネル 40Cとの間に延びる仕切り 41の中央部 52が物品 30Cの厚み方向へ展開し、それによつて中央部 52が物品 30Cの厚み方向へ立ち上がり、中央部 5 2が股下域 32から前胴周り域 31に向カゝつて延びるチャネルを構成する障壁を形成する。物品 30Cの着用中では、表面シート 36の上方へ弧を画くパネル 40Cが仕切り 41を吊り上げ、仕切り 41の中央部 52の起立状態が維持される。それゆえ、中央部 5 2が不用意に倒伏することはなぐ仕切り 41が障壁としての機能を失うことはない。物品 30Cに排泄された尿は第 1繊維不織布層 69を透過してウレタンフォーム 74に吸収保持され、股下域 32の後半分 32Bや後胴周り域 33に排泄された軟便は表面シート 36を透過してコア 39に吸収保持される。

[0050] 物品 30Cは、排泄された尿が第 1繊維不織布層 69を透過してウレタンフォーム 74 に吸収保持されるので、パネル 40Cに多量の尿を吸収させることができる。スぺーサ 75の収縮力によって中間部 49の表面シート 36の上方へ弧を画く形態が維持される

[0051] 図 14は、他の一例として示す使い捨て着用物品 30Dの斜視図である。図 15は、図 14の 15— 15線矢視断面図である。図 16は、図 14の 16— 16線矢視断面図である。図 14では、横方向を矢印 L、縦方向を矢印 Mで示し、厚み方向を矢印 Nで示す。

[0052] この物品 30Dが図 1のそれと異なるのは、パネル 40Dが親水性繊維不織布層 81および不透液性プラスチックフィルム 82と全体が不織布層 81およびフィルム 82に被覆された吸液性コア 71とカゝら形成されている点と、パネル 40Dの中間部 49が防漏カフ 38の先端部 43に固着されている点と、表面シート 36とパネル 40Dとの間に横方向へ延びるスぺーサ 75が配置されている点とであり、その他の構成は物品 30Aと同一である。物品 30Aと同一の符合を付してこの物品 30Dにおけるその他の構成の説明は省略する。

[0053] ノネル 40Dは、横長矩形を呈し、表面シート 36の外面の側であって物品 30Dの縦寸法を二分する横中心線 L1で区画された股下域 32の前半分 32Aに配置されている。パネル 40Dは、肌当接側に位置する親水性繊維不織布層 81 (透水性である）と、肌非当接側に位置する不透液性プラスチックフィルム 82 (不透液性である）と、不織布層 81およびフィルム 82の間に介在する吸液性コア 71と力も形成されている。不織布層 81とフィルム 82とは、コア 71の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合った状態で固着されている。なお、パネル 40Dでは、不透液性プラスチックフィルム 82に代えて、疎水性繊維不織布を使用することもできる。コア 71は、不織布層 8 1とフィルム 82との内面に接着剤（図示せず)を介して断続的に接合されている。コア 71は、コア 39と同一の混合物であり、その全体がティッシュペーパー（図示せず）に包被されている。コア 71は、その剛性が不織布 81やフィルム 82のそれよりも大きい。

[0054] パネル 40Dは、物品 30Dの両側部 35に位置する両側縁部 48と、両側縁部 48の間に位置する中間部 49とを有する。両側縁部 48は、コア 71を除く不織布層 81とフィルム 82とから形成されている。中間部 49は、横中心線 L1の側に位置する内端部分 72の両側が弾性部材 45の近傍にぉヽて防漏カフ 38の先端部 43、好ましくは上縁 4 3Aに固着されている。なお、中間部 49の両側全体が弾性部材 45の近傍において防漏カフ 38の先端部 43に固着されていてもよい。パネル 40Dの両側縁部 48は、表面シート 36の側部 59と防漏カフ 38の基部 42との間に介在し、それらシート 36,カフ 38の内外面に固着されている。

[0055] スぺーサ 75は、表面シート 36とパネル 40Dとの間に介在し、仕切り 41の近傍、すなわち中間部 49の内端部分 72の側に配置されている。スぺーサ 75は、親水性または疎水性の 2層の繊維不織布層 76, 77と、繊維不織布層 76, 77に収縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材 78とから形成されて、る。弾性部材 78は、それら不織布層 76, 77の間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布層 76, 77の対向面に接着剤（図示せず)を介して断続的に固着されている。スぺーサ 75は、物品 30Dの両側部 35に位置する両端縁部 79と、両端縁部 79の間に延びている伸縮可能な中間部 80とを有する。両端縁部 79は、表面シート 36の側部 59とパネル 40Dの両側縁部 48との間に介在し、シート 36の外面とパネル 40Dの内面とに固着されており、スぺーサ 75は横方向へ所定の倍率に伸長した状態にある。

[0056] 物品 30Dでは、パネル 40Dの中間部 49が防漏カフ 38の先端部 43の起立にともなつて表面シート 36の外面力も上方に離間する。さらに、スぺーサ 75の伸長状態が解除され、両側縁部 48どうしがスぺーサ 75の収縮力によって物品 30Dの横方向内方へ引き寄せられ、パネル 40Dの中間部 49が表面シート 36の上方に向かって横方向へ弧を画いている。

[0057] 図 17は、着用状態で示す図 13の物品 30Dの斜視図であり、前後胴周り域 31, 33 の一方の側部 35を破断して示している。物品 30Dを着用する手順は、物品 30Aのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品 30Dの着用中では、着用者 100 の臀部が表面シート 36の外面に当接し、着用者 100のペニス 101がパネル 40Dの外面に当接する。

[0058] 既に述べたとおり、物品 30Dは、パネル 40Dの中間部 49が防漏カフ 38の先端部 4 3の起立によって表面シート 36の外面から上方へ持ち上げられており、さらに、スぺーサ 75の収縮力によってパネル 40Dの中間部 49が表面シート 36の上方に向かつて弧を画いている。そのような構成により、物品 30Dの着用中に股下域 32が着用者 100の大腿によって横方向内方へ押圧されたときに、中間部 49が表面シート 36の上方に向力つて確実に弧を画くとともに、中間部 49が表面シート 36の外面から上方へ確実に離間する。物品 30Dに排泄された尿は繊維不織布層 81を透過してコア 71に吸収保持され、排泄された軟便は表面シート 36を透過してコア 39に吸収保持される

[0059] 物品 30Dでは、尿不透過性のフィルム 82によって尿の表面シート 36への移行が阻止され、仕切り 41によって大便の股下域 32の前半分 32Aや前胴周り域 31への移動が阻止される。このように、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、それによつて着用者 100の肌の汚れを防ぐことができる。物品 30Dは、排泄された尿が繊維不織布層 81を透過してコア 71に吸収保持され、パネル 40Dに多量の尿を吸収させることができる。スぺーサ 75の収縮力によって中間部 49の表面シート 36の上方へ弧を画く形態が維持される。

[0060] 図 18は、他の一例として示す使い捨て着用物品 30Eの斜視図である。図 19は、図 18の 19— 19線矢視断面図である。図 20は、図 18の 20— 20線矢視断面図である。図 18では、横方向を矢印 L、縦方向を矢印 Mで示し、厚み方向を矢印 Nで示す。

[0061] この物品 30Eが図 1のそれと異なるのは、パネル 40Aの両側縁部 48が防漏カフ 38 の先端部 43に固着されている点と、パネル 40Aが前胴周り域 31と股下域 32の前半分 32Aとに配置されている点と、仕切り 41の両側縁部 53が物品 30Eに固着されていない点とであり、その他の構成は物品 30Aと同一である。物品 30Aと同一の符合を付してこの物品 30Eにおけるその他の構成の説明は省略する。

[0062] パネル 40Aは、縦長矩形を有し、表面シート 36の外面の側であって前胴周り域 31 の後半分と横中心線 L1で区画された股下域 32の前半分 32Aとに配置されている。パネル 40Aは、互いに重なり合う 2層の親水性繊維不織布層 46, 47 (吸水性シート）から形成されている。不織布層 46, 47は、それらの対向面が接着剤（図示せず)を介して断続的に固着されている。パネル 40Aは、防漏カフ 38の先端部 43に固着された両側縁部 48と、両側縁部 48の間に位置して物品 30Eに非固着の中間部 49とを有する。両側縁部 48と中間部 49とは、防漏カフ 38の先端部 43の起立にともなつて表面シート 36の上方へ持ち上げられ、表面シート 36の外面から上方に離間している。

[0063] 仕切り 41は、表面シート 36とパネル 40Aとの間に介在し、横中心線 L1近傍、すなわちパネル 40Aの中間部 49の横中心線 L1の側に位置する内端部分 72に配置されている。仕切り 41は、上縁部 50および下縁部 51と、上下縁部 50, 51の間に位置する中央部 52と、物品 30Eの両側部 35に位置する両側縁部 53とを有する。中央部 52 と両側縁部 53とは、物品 30Eの厚み方向へ 3つ折りに畳まれている。両側縁部 53は、表面シート 36やパネル 40Aに固着されて!、な!/、。

[0064] 図 21は、着用状態で示す図 17の物品 30Eの斜視図であり、前後胴周り域 31, 33 の一方の側部を破断して示している。物品 30Eを着用する手順は、物品 30Aのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品 30Eの着用中では、着用者 100の臀部が表面シート 36の外面に当接し、着用者 100のペニス 101がパネル 40Aの外面に当接する。防漏カフ 38の先端部 43が表面シート 36の上方へ持ち上げられると、パネル 40Aの中間部 49が表面シート 36の外面と離間する。

[0065] 物品 30Eでは、仕切り 41の両側縁部 53が防漏カフ 38の先端部 43に固着されていなくても、仕切り 41の中央部 52が袋状の障壁を形成し、股下域 32の後半分 32Bと後胴周り域 33とに排泄された軟便が表面シート 36の外面を拡散したとしても、軟便が股下域 32の前半分 32Aや前胴周り域 31へ流動することを防止する。物品 30Eに多量の軟便力 S排泄されたとしても、そのような多量の軟便が仕切り 41によって形成された袋状の障壁に確実に収容され、軟便が仕切り 41を乗り越えてパネル 40Aの外面に達することはない。

[0066] 表面シート 36には、親水性繊維不織布に限らず、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムの、ずれかを使用することもできる。裏面シート 37には、複合不織布に限らず、疎水性繊維不織布、通気不透液性プラスチックフィルム、疎水性繊維不織布と通気不透液性プラスチックフィルムとをラミネートした複合シートのいずれかを使用することもできる。仕切り 41には、プラスチックフィルムに限らず、疎水性繊維不織布を使用することもできる。裏面シート 37や防漏カフ 38、仕切り 41には、高い耐水性を有するメルトブローン不織布の両面または片面に高い強度と良好な柔軟性とを有するスパンボンド不織布をラミネートした複合不織布（SM不織布、 SMS不織布、 SMMS不織布）を使用することもできる。

[0067] 繊維不織布層には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンドの各製法により製造された不織布層を使用することができる。不織布層の構成繊維には、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系を使用することができる。構成繊維には、芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、異型中空繊維、微多孔繊維、接合型複合繊維を使用することもできる。

[0068] 表裏面シート 36, 37どうしの固着、シート 36, 37と防漏カフ 38との固着、シート 36 , 37【こ対するコア 61の接合、構成要素 36, 37, 38【こ対するノネノレ 40A, 40B, 40 C, 40Dの固着、構成要素 36, 37, 38【こ対する弾' 14咅材 45, 57, 61の固着【こ ίま、接着剤、または、ヒートシールゃソニックシール等の熱による溶着手段を利用することができる。接着剤には、ホットメルト型接着剤やアクリル系接着剤、ゴム系接着剤を使用することができる。

[0069] 接着剤は、表面シート 36や裏面シート 37、防漏カフ 38にスノイラル状ゃ波状、ジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されていることが好ましい。接着剤をそれらの態様で構成要素 36, 37, 38に塗布すると、それら構成要素 36, 3 7, 38に接着剤が塗布された塗布域と接着剤が塗布されていない非塗布域とが形成され、それら構成要素 36, 37, 38どうしが断続的に固着され、コア 39が構成要素 36 , 37に断続的に接合されるとともに、弾性部材 45, 57, 61が構成要素 36, 37, 38 に断続的に固着される。

[0070] 物口 ¾30Α, 30Εに ίま、ノネノレ 40Αに代えて、ノネノレ 40Β, 40C, 40Dの!ヽずれ力を取り付けることもできる。物品 30Βには、パネル 40Βに代えて、ノネル 40Α, 40C, 40Dのいずれかを取り付けることもできる。物品 30Cには、パネル 40Cに代えて、パネル 40Α, 40Β, 40Dのいずれかを取り付けることもできる。物品 30Dは、ノネル 40 Dに代えて、ノネル 40Α, 40Β, 40Cのいずれかを取り付けることもできる。また、物 ρ¾30Α, 30Β, 30C, 30Diま、ノネノレ 40A, 40B, 40C, 40D力 ^股下域 32の前半分 32Aと前胴周り域 31とに配置されていてもよい。物品 30Eは、パネル 40Aが股下域 32の前半分 32Aのみに配置されていてもよい。物品 30A, 30Cは、両側部 35に防漏カフ 38が取り付けられて、なくてもょ、。

Claims

請求の範囲

[1] 前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを有するとともに、前記前後胴周り域に横方向へ延びる両端部と、前記前後胴周り域間に縦方向へ延びる両側部とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、前記表裏面シートの間に介在して前記前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成された使、捨て着用物品にお、て、

前記表面シートの外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネルが、前記前胴周り域と前記物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された前記股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、前記表面シートと前記パネルとの間に介在して横方向へ延びる仕切りが、前記横中心線近傍に配置され、前記パネルが、前記物品の両側部に固着された両側縁部と、前記両側縁部の間に位置する中間部とを有し、前記仕切りが、前記パネルに固着された上縁部と、前記表面シートに固着された下縁部と、前記物品の厚み方向へ畳まれた中央部とを有することを特徴とする前記着用物品。

[2] 前記物品が、表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏カフを有し、前記防漏カフが、前記両側部に固着されて縦方向へ延びる基部と、前記基部に並行して縦方向へ延びていて前記表面シートの上方へ起立性向を有する先端部と、横方向へ倒伏した状態で前記物品の前記両端部に固着された両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、前記防漏カフの先端部に収縮可能に取り付けられ、

前記パネルと前記仕切りとが、前記防漏カフの間に配置され、前記パネルの中間部のうちの少なくとも前記横中心線の側に位置する内端部分の両側が、前記防漏力フの先端部に固着され、前記パネルの中間部が、前記防漏カフの先端部の起立にともなつて前記表面シートの上方へ持ち上げられ、前記仕切りの中央部が、前記表面シートと前記パネルとの間に排泄物に対する障壁を形成している請求項 1記載の着用物品。

[3] 弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスぺーサが、前記表面シートと前記パネルとの間に伸長下に配置され、前記スぺーサが、前記パネルの両側縁部に固着された両端縁部と、前記両端縁部の間に位置する部分とを有し、前記パネルの両側縁部どうしが、前記スぺーサの収縮力によって前記物品の横方向へ引き寄せられ、前記パネルの中間部が、前記表面シートの上方に向力つて横方向へ弧を画き、前記仕切りの中央部が、前記表面シートと前記パネルとの間に排泄物に対する障壁を形成している請求項 1または請求項 2に記載の着用物品。

[4] 前胴周り域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する股下域とを有するとともに、前記前後胴周り域に横方向へ延びる両端部と、前記前後胴周り域間に縦方向へ延びる両側部とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、前記表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏カフと、前記表裏面シートの間に介在して前記前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、前記防漏カフが、前記両側部に固着されて縦方向へ延びる基部と、前記基部に並行して縦方向へ延びていて前記表面シートの上方へ起立性向を有する先端部と、横方向へ倒伏した状態で前記物品の前記両端部に固着された両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、前記防漏カフの先端部に収縮可能に取り付けられた使い捨て着用物品において、

前記表面シートの外面の側に位置して前記防漏カフ間を横方向へ延びる肌当接パネルが、前記前胴周り域と前記物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された前記股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、前記表面シートと前記パネルとの間に介在して前記防漏カフ間を横方向へ延びる仕切りが、前記横中心線近傍に配置され、

前記パネルが、前記防漏カフの先端部に固着された両側縁部と、前記両側縁部の間に位置する中間部とを有し、前記仕切りが、前記パネルに固着された上縁部と、前記表面シートに固着された下縁部と、前記上下縁部の間に位置して前記物品の厚み方向へ少なくとも 2つ折りに畳まれた中央部とを有し、前記仕切りの中央部が、前記表面シートと前記パネルとの間に排泄物に対する障壁を形成していることを特徴とする前記着用物品。

[5] 前記パネル力少なくとも 1枚の吸水性シートから形成されている請求項 1ないし請求項 4 、ずれかに記載の着用物品。

[6] 前記パネルが、少なくとも 1枚の吸水性シートと、前記吸水性シートに包被された吸収性芯材とから形成され、前記吸収性芯材が、親水性繊維とフォーム材とのいずれか一方である請求項 1ないし請求項 4いずれかに記載の着用物品。

[7] 前記パネルが、肌当接側に位置する少なくとも 1枚の吸水性シートと、肌非当接側に位置する不透液性シートと、前記吸水性シートと前記不透液性シートとの間に介在する吸収性芯材とから形成され、前記吸収性芯材が、親水性繊維とフォーム材との V、ずれか一方である請求項 1な、し請求項 4 、ずれかに記載の着用物品。