JP4599096B2

JP4599096B2 - 使い捨て着用物品

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Publication number: JP4599096B2
Application number: JP2004160757A
Authority: JP
Inventors: 祥宜三嶋; 海陽中嶋
Original assignee: Uni Charm Corp
Current assignee: Uni Charm Corp
Priority date: 2004-05-31
Filing date: 2004-05-31
Publication date: 2010-12-15
Anticipated expiration: 2024-05-31
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Description

本発明は、排泄物を吸収、保持する使い捨て着用物品に関する。

横方向へ延びる前後端部と縦方向へ延びる両側部とを有するとともに、前後端部間に前後胴周り域とそれら胴周り域の間に位置する股下域とを有し、肌当接側に位置する透液性表面シートおよび肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が収縮可能に取り付けられて表面シートの上方へ起立性向を有する一対の不透液性防漏シートと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、コアに縦方向へ所定寸法離間して横方向へ延びる複数の隆起部が形成され、表面シートにその外面から上方へ延びる仕切シートが取り付けられた使い捨て着用物品がある（特許文献１参照）。

隆起部は、物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の後半分と後胴周り域とに形成されている。仕切シートは、横中心線近傍に配置されている。この物品は、股下域の後半分と後胴周り域とに排泄された軟便の流動が隆起部と仕切シートとによって阻止され、軟便が股下域の前半分と前胴周り域とへ流動することがなく、軟便による性器の汚れを防ぐことができる。
特開平１１−３１８９７６号公報

特許文献１に開示の物品では、その着用中に着用者の股間部で股下域が横方向内方へ押圧されつつ股下域に着用者の体圧がかかると、仕切シートが容易に倒伏する。仕切シートが倒伏すると、仕切シートが軟便の流動を阻止する障壁として機能せず、軟便が仕切シートを乗り越えて股下域の前半分と前胴周り域とに向かって流動してしまう場合がある。この物品は、その着用中に着用者の性器が表面シートの外面に接し、性器が表面シートから離れることはないので、軟便が股下域の前半分と前胴周り域とに流動すると、表面シートの外面を拡散する軟便によって性器が汚れてしまう場合がある。

本発明の目的は、軟便が股下域の前半分と前胴周り域とに向かって流動したとしても、軟便による性器の汚れを防ぐことができる使い捨て着用物品を提供することにある。

前記課題を解決するための本発明の第１の前提は、横方向へ延びる前後端部と縦方向へ延びる両側部とを有するとともに、前後端部間に前後胴周り域とそれら胴周り域の間に位置する股下域とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成された使い捨て着用物品である。

前記第１の前提における本発明の第１の特徴は、表面シートの外面の側に位置して横方向へ延びるとともに、縦方向および横方向に連続して形成される肌当接パネルが前胴周り域と物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、パネルが物品の両側部に固着された固定両側部と固定両側部の間に位置して物品に非固着の自由中間部とを有し、弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが、前記表面シートと前記パネルとの間に伸長下に配置され、前記スペーサが、前記パネルの両側部に固着された固定両端部と、前記固定両端部の間に延びていて前記パネルに非固着の自由中央部とを有し、前記パネルの固定両側部どうしが、前記スペーサの収縮力によって前記物品の横方向内方へ引き寄せられ、前記パネルの自由中間部が、前記表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画くことにある。

前記課題を解決するための本発明の第２の前提は、横方向へ延びる前後端部と縦方向へ延びる両側部とを有するとともに、前後端部間に前後胴周り域とそれら胴周り域の間に位置する股下域とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏シートと、表裏面シートの間に介在して前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、防漏シートが、両側部に固着されて縦方向へ延びる固定側部と、固定側部に並行して縦方向へ延びていて表面シートの上方へ起立性向を有する自由部と、横方向へ倒伏した状態で前後端部に固着された固定両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が防漏シートの自由部に収縮可能に取り付けられた使い捨て着用物品である。

前記第２の前提における本発明の第２の特徴は、表面シートの外面の側に位置して防漏シート間を横方向へ延びるとともに、縦方向および横方向に連続して形成される肌当接パネルが前胴周り域と物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、パネルが防漏シートの自由部に固着された固定両側部と固定両側部の間に位置して物品に非固着の自由中間部とを有し、弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが、前記表面シートと前記パネルとの間に伸長下に配置され、前記スペーサが、前記パネルの両側部に固着された固定両端部と、前記固定両端部の間に延びていて前記パネルに非固着の自由中央部とを有し、前記パネルの固定両側部どうしが、前記スペーサの収縮力によって前記物品の横方向内方へ引き寄せられ、前記パネルの自由中間部が、前記表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画くことにある。

前記第１の特徴を有する本発明は、以下の実施態様を有する。
（１）物品が表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏シートを有し、防漏シートが、両側部に固着されて縦方向へ延びる固定側部と、固定側部に並行して縦方向へ延びていて表面シートの上方へ起立性向を有する自由部と、横方向へ倒伏した状態で前後端部に固着された固定前後端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が防漏シートの自由部に収縮可能に取り付けられ、パネルが防漏シートの間に配置され、パネルの自由中間部のうちの少なくとも横中心線の側に位置する部分の両側が防漏シートの自由部に固着され、自由中間部が防漏シートの自由部の起立にともなって表面シートの上方へ持ち上げられている。
（２）弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが表面シートとパネルとの間に伸長下に配置され、スペーサが、パネルの固定両側部に固着された固定両端部と、固定両端部の間に延びていてパネルに非固着の自由中央部とを有し、パネルの固定両側部どうしがスペーサの収縮力によって物品の横方向内方へ引き寄せられ、パネルの自由中間部が表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画いている。

前記第１および第２の特徴を有する本発明は、以下の実施態様を有する。
（３）パネルが少なくとも１枚の吸水性シートから形成されている。
（４）パネルが、少なくとも１枚の吸水性シートと、吸水性シートに包被された吸収性芯材とから形成され、吸収性芯材が、吸液性コアと内部に複数の気泡を有するフォームとのいずれか一方である。
（５）パネルが、肌当接側に位置する少なくとも１枚の吸水性シートと、肌非当接側に位置する不透液性シートと、吸水性シートと不透液性シートとの間に介在する吸収性芯材とから形成され、吸収性芯材が、吸液性コアと内部に複数の気泡を有するフォームとのいずれか一方である。

本発明に係る使い捨て着用物品によれば、その着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、肌当接パネルの固定両側部間の離間寸法が縮まるとともに、パネルの自由中間部が横方向へ弧を画きつつ表面シートの外面から上方へ離間するので、パネルの外面に当接する性器を表面シートの外面から確実に離すことができる。この物品は、その着用中に着用者の性器が表面シートの上方へ向かって弧を画くパネルの外面に当接し、性器が表面シートの外面に接することがないので、軟便が表面シートの外面を拡散したとしても、軟便が性器に付着することはなく、軟便による性器の汚れを防ぐことができる。

パネルの自由中間部のうちの少なくとも横中心線の側に位置する部分の両側が防漏シートの自由部に固着された物品は、防漏シートの自由部の起立にともなってパネルの自由中間部が表面シートの上方へ持ち上げられ、自由中間部が表面シートの外面から上方へ離間する。この物品は、その着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの固定両側部間の離間寸法が縮まるとともに、表面シートの上方へ持ち上げられたパネルの自由中間部が横方向へ弧を画きつつ防漏シートの自由部の上方へ突出するので、パネルの外面に当接する性器を表面シートから確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。

弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが表面シートとパネルとの間に伸長下に配置された物品は、パネルの固定両側部どうしがスペーサの収縮力によって物品の横方向内方へ引き寄せられ、パネルの自由中間部が表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画く。この物品は、その着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの固定両側部間の離間寸法が縮まるとともに、パネルの自由中間部が表面シートの上方に向かって確実に弧を画くので、パネルの外面に当接する性器を表面シートの外面から確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。

パネルの固定両側部が防漏シートの自由部に固着された物品は、防漏シートの自由部の起立にともなってパネルの固定両側部と自由中間部とが表面シートの上方へ持ち上げられ、固定両側部と自由中間部とが表面シートの外面から上方へ離間する。この物品は、その着用中に着用者の股間部によって股下域が横方向内方へ押圧されることで、パネルの固定両側部間の離間寸法が縮まるとともに、表面シートの上方へ持ち上げられたパネルの自由中間部が横方向へ弧を画きつつ防漏シートの自由部の上方へ突出するので、パネルの外面に当接する性器を表面シートから確実に離すことができ、軟便による性器の汚れを確実に防ぐことができる。

パネルが少なくとも１枚の吸水性シートから形成された物品は、排泄された尿が吸水性シートに吸収され、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、大便の流動化による着用者の肌の汚れを防ぐことができる。

パネルが吸水性シートと吸水性シートに包皮された吸収性芯材とから形成された物品は、パネルに排泄された尿が吸水性シートを透過して吸収性芯材に吸収保持されるので、パネルに多量の尿を吸収させることができる。この物品は、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、大便の流動化による着用者の肌の汚れを確実に防ぐことができる。

パネルが吸水性シートおよび不透液性シートとそれらシートの間に介在する吸収性芯材とから形成された物品は、パネルに排泄された尿が吸水性シートを透過して吸収性芯材に吸収保持されるので、パネルに多量の尿を吸収させることができる。この物品は、パネルに吸収された尿が不透液性シートを透過することがなく、尿が表面シートに達することがないので、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を確実に防ぐことができ、大便の流動化による着用者の肌の汚れを確実に防ぐことができる。

添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨て着用物品の詳細を説明すると、以下のとおりである。

図１，２は、一例として示す使い捨て着用物品２０Ａの斜視図と、図１の２−２線矢視断面図とであり、図３は、図１の３−３線矢視断面図である。図１では、横方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、厚み方向を矢印Ｎで示す。なお、表裏面シート２７，２８や防漏シート２９、パネル３１Ａの内面とは、コア３０に対向する面をいい、それらの外面とは、コア３０に非対向の面をいう。

物品２０Ａは、互いに並行して横方向へ延びる前後端部２１，２２と、縦方向へ延びる両側部２３とを有するとともに、前後端部２１，２２間に縦方向へ並ぶ前胴周り域２４および後胴周り域２６と、それら胴周り域２４，２６の間に位置する股下域２５とを有する。物品２０Ａは、肌当接側に位置する透液性表面シート２７と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート２８と、表面シート２７の外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の不透液性防漏シート２９と、表裏面シート２７，２８の間に介在してそれらシート２７，２８の内面に接合された吸液性コア３０とから構成されている。コア３０は、前後端部２１，２２と両側部２３とを除く前後胴周り域２４，２６と股下域２６とに配置されている。股下域２６の両側部２３は、物品２０Ａの横方向内方へ向かって弧を画いている。物品２０Ａは、その平面形状が砂時計型を有する。防漏シート２９の間には、表面シート２７の外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネル３１Ａが配置されている。

表面シート２７には、親水性繊維不織布３２が使用されている。裏面シート２８には、疎水性繊維不織布３３と通気不透液性プラスチックフィルム３４とをラミネートした複合シートが使用されている。防漏シート２９には、撥水処理が施された疎水性繊維不織布３５が使用されている。コア３０は、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプとの混合物、または、粒子状や繊維状の高吸収性ポリマーとフラッフパルプと熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所定の厚みに圧縮されている。コア３０は、その剛性が表裏面シート２７，２８や防漏シート２９のそれよりも大きい。コア３０は、それの型崩れを防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。

防漏シート２９は、両側部２３に固着されて縦方向へ延びる固定側部３６と、固定側部３６に並行して縦方向へ延びていて表面シート２７の上方へ起立性向を有する自由部３７と、物品２０Ａの横方向内方へ倒伏した状態で前後端部２１，２２に固着された固定前後端部３８とから形成されている。固定側部３６と自由部３７とは、前後端部２１，２２間に延びている。

自由部３７の頂部分３９には、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材４０が収縮可能に取り付けられている。弾性部材４０は、縦方向へ所定の倍率に伸長された状態で頂部分３９に固着されている。弾性部材４０が収縮すると、物品２０Ａが表面シート２７を内側にして縦方向へ湾曲するとともに、防漏シート２９の自由部３７が縦方向へ縮んで表面シート２７の上方へ起立し、自由部３７が排泄物に対する障壁を形成する。物品２０Ａは、起立する防漏シート２９の自由部３７によって排泄物の横漏れが防止される。

パネル３１Ａは、横長矩形を有し、物品２０Ａの縦寸法を二分する横中心線Ｌ１で区画された股下域２５の前半分に配置されている。パネル３１Ａは、互いに重なり合う２枚の親水性繊維不織布４１（吸水性シート）から形成されている。不織布４１は、それらの対向面が接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。パネル３１Ａは、物品２０Ａの両側部２３に固着された固定両側部４２と、固定両側部４２の間に位置して物品２０Ａに非固着の自由中間部４３とを有する。

前後端部２１，２２は、コア３０の端縁４４から縦方向外方へ延びる表裏面シート２７，２８の端部４５，４６と防漏シート２９の端部３８とから形成されている。前後端部２１，２２では、表裏面シート２７，２８の端部４５，４６と防漏シート２９の端部３８とが重なり合い、表裏面シート２７，２８の内面どうしが固着され、表面シート２７の外面と防漏シート２９の内面とが固着されている。後端部２２には、横方向へ延びる帯状の胴周り用弾性部材４７が収縮可能に取り付けられている。胴周り用弾性部材４７は、表面シート２７の端部４５と裏面シート２８の端部４６と間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれらシート２７，２８の内面に固着されている。

両側部２３は、コア３０の側縁４８から横方向外方へ延びる表裏面シート２７，２８の側部４９，５０と防漏シート２９の側部３６とから形成されている。両側部２３では、表面シート２７の側部４９がコア３０の側縁４８から横方向外方へわずかに延び、側部４９からさらに横方向外方へ裏面シート２８の側部５０と防漏シート２９の側部３６とが延びている。両側部２３では、表裏面シート２７，２８の側部４９，５０と防漏シート２９の側部３６とが重なり合い、表裏面シート２７，２８の内面どうしが固着され、表裏面シート２７，２８の内外面と防漏シート２９の内面とが固着されている。パネル３１Ａの固定両側部４２は、表面シート２７と側部４９と防漏シート２９の側部３６との間に介在し、それらシート２７，２９の内外面に固着されている。両側部２３には、縦方向へ延びる複数条の脚周り用弾性部材５１が収縮可能に取り付けられている。脚周り用弾性部材５１は、裏面シート２８を形成する不織布３３とフィルム３４との間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態でそれらの対向面に固着されている。

後胴周り域２６の両側部２３には、プラスチックフィルムから形成された可撓性のテープファスナ５２が取り付けられている。テープファスナ５２は、横方向へ延びる固定端部５３と自由端部５４とを有する。固定端部５３は、不織布３３とフィルム３４との間に介在し、それらの対向面に固着されている。自由端部５４の内面には、複数のフックを有する雄型のメカニカルファスナ５５が取り付けられている。自由端部５４は、物品２０Ａの横方向内方へ向かって折曲され、フックを介して防漏シート２９の側部３６の外面に着脱可能に仮止めされている（図２参照）。なお、自由端部５４には、メカニカルファスナ５５ではなく、粘着剤が塗布されていてもよい。

前胴周り域２４には、テープファスナ５２の自由端部５４を着脱可能に止着する可撓性のターゲットテープ５６が取り付けられている。ターゲットテープ５６には、プラスチックフィルムとフィルムから突出する複数のループとから形成された雌型のメカニカルファスナが使用されている。ターゲットテープ５６は、横長矩形を呈し、裏面シート２８（不織布３３）の外面に固着されている。テープファスナ５２の自由端部５４に粘着剤を塗布する場合は、ターゲットテープ５６にプラスチックフィルムが使用される。

図４は、着用状態で示す図１の物品２０Ａの斜視図である。図４では、前後胴周り域２４，２６の一方の側部２３を破断して示している。物品２０Ａを着用するには、後胴周り域２６の両側部２３を前胴周り域２４の両側部２３の外側に重ね合わせた後、テープファスナ５２の自由端部５４をターゲットテープ５６に押し付けてフックとループとを係合させ、テープファスナ５２の自由端部５４をターゲットテープ５６に止着する。自由端部５４をターゲットテープ５６に止着すると、前胴周り域２４と後胴周り域２６とが連結され、胴周り開口５７とその下方に一対の脚周り開口５８とが形成される。

物品２０Ａの着用中では、着用者１００の臀部が表面シート２７の外面に当接し、着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ａの自由中間部４３の外面に当接する。物品２０Ａは、その股下域２５が着用者１００の股間部によって横方向内方へ押圧され、パネル３１Ａの固定両側部４２間の離間寸法が縮まって自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって横方向へ弧を画き、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ離間する。物品２０Ａは、その着用中に排泄された尿がパネル３１Ａ（親水性繊維不織布４１）に吸収され、排泄された軟便が表面シート２７を透過してコア３０に吸収保持される。

物品２０Ａは、その着用中に着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ａの外面に当接し、ペニス１０１が表面シート２７の外面に接することがなく、股下域２５の後半分と後胴周り域２６とに排泄された軟便が表面シート２７の外面を拡散して股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに向かって流動したとしても、表面シート２７とペニス１０１との間に介在するパネル３１Ａがペニス１０１に対する軟便の付着を防ぐので、軟便によるペニス１０１の汚れを防ぐことができる。

物品２０Ａは、その着用中にパネル３１Ａの自由中間部４３が横方向へ弧を画いて表面シート２７の外面から上方へ離間するので、軟便が表面シート２７からパネル３１Ａに滲入することがなく、さらに、自由中間部４３が表面シート２７の外面から離間することにともなってペニス１０１が表面シート２７の外面から上方へ離れるので、軟便によるペニス１０１の汚れを確実に防ぐことができる。物品２０Ａは、排泄された尿がパネル３１Ａに吸収され、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、大便の流動化による着用者１００の肌の汚れを防ぐことができる。

図５，６は、他の一例として示す使い捨て着用物品２０Ｂの斜視図と、図５の６−６線矢視断面図とであり、図７は、図５の７−７線矢視断面図である。図５では、横方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、厚み方向を矢印Ｎで示す。なお、第１および第２繊維不織布５９，６０の内面とは、コア６１に対向する面をいい、それら不織布５９，６０の外面とは、コア６１に非対向の面をいう。

物品２０Ｂは、横方向へ延びる前後端部２１，２２と、縦方向へ延びる両側部２３とを有するとともに、縦方向に前胴周り域２４および後胴周り域２６と、それら胴周り域２４，２６の間に位置する股下域２５とを有する。物品２０Ｂは、透液性表面シート２７および不透液性裏面シート２８と、縦方向へ延びる一対の不透液性防漏シート２９と、表裏面シート２７，２８の間に介在する吸液性コア３０とから構成されている。防漏シート２９の間には、表面シート２７の外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネル３１Ｂが配置されている。表面シート２７には、図１のそれと同一の親水性繊維不織布３２が使用され、裏面シート２８には、図１のそれと同一の複合シートが使用されている。コア３０は、図１のそれと同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。

この物品２０Ｂが図１のそれと異なるのは、パネル３１Ｂが第１および第２繊維不織布５９，６０と全体がそれら不織布５９，６０に被覆された吸液性コア６１とから形成されている点と、パネル３１Ｂの自由中間部４３が防漏シート２９の自由部３７に固着されている点とであり、その他の構成は図１の物品２０Ａと同一であるので、図１の物品２０Ａと同一の符合を付してこの物品２０Ｂにおけるその他の構成の説明は省略する。

パネル３１Ｂは、横長矩形を有し、横中心線Ｌ１で区画された股下域２５の前半分に配置されている。パネル３１Ｂは、肌当接側に位置する親水性第１繊維不織布５９（吸水性シート）と、肌非当接側に位置する親水性第２繊維不織布６０（吸水性シート）と、第１および第２繊維不織布５９，６０の間に介在する吸液性コア６１（吸収性芯材）とから形成されている。それら不織布５９，６０は、コア６１の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合った状態で固着されている。コア６１は、それら不織布５９，６０の対向面に接着剤（図示せず）を介して断続的に接合されている。コア６１は、コア３０と同一の混合物であり、その全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。コア６１は、その剛性が第１および第２繊維不織布５９，６０のそれよりも大きい。

パネル３１Ｂは、物品２０Ｂの両側部２３に固着された固定両側部４２と、固定両側部４２の間に位置して物品２０Ｂに非固着の自由中間部４３とを有する。固定両側部４２は、コア６１を除く第１および第２繊維不織布５９，６０から形成されている。固定両側部４２は、表面シート２７の側部４９と防漏シート２９の側部３６との間に介在し、それらシート２７，３６の内外面に固着されている。自由中間部４３は、横中心線Ｌ１の側に位置する部分６２の両側が弾性部材４０の近傍において防漏シート２９の自由部３７（頂部分３９）に固着されている。部分６２は、接着剤６３を介して自由部３７に固着されている。自由中間部４３は、防漏シート２９の自由部３７の起立にともなって表面シート２７の上方へ持ち上げられ、表面シート２７の外面から上方へ離間している。なお、自由中間部４３の両側全体が弾性部材４０の近傍において防漏シート２９の自由部３７に固着されていてもよい。

図８は、着用状態で示す図５の物品２０Ｂの斜視図である。図８では、前後胴周り域２４，２６の一方の側部２３を破断して示している。物品２０Ｂを着用する手順は、図１の物品２０Ａのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品２０Ｂの着用中では、着用者１００の臀部が表面シート２７の外面に当接し、着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｂの自由中間部４３の外面に当接する。

物品２０Ｂは、その股下域２５が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧され、パネル３１Ｂの固定両側部４２間の離間寸法が縮まって自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって横方向へ弧を画き、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ離間する。物品２０Ｂは、防漏シート２９の自由部３７に固着されたパネル３１Ｂの自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ持ち上げられており、物品２０Ｂの着用中にパネル３１Ｂの自由中間部４３が横方向へ弧を画くと、自由中間部４３が防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出する。物品２０Ｂは、その着用中に排泄された尿が第１繊維不織布５９を透過してコア６１に吸収保持され、排泄された軟便が表面シート２７を透過してコア３０に吸収保持される。

物品２０Ｂは、その着用中に着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｂの外面に当接し、ペニス１０１が表面シート２７の外面に接することがなく、股下域２５の後半分と後胴周り域２６とに排泄された軟便が表面シート２７の外面を拡散して股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに向かって流動したとしても、表面シート２７とペニス１０１との間に介在するパネル３１Ｂがペニス１０１に対する軟便の付着を防ぐので、軟便によるペニス１０１の汚れを防ぐことができる。

物品２０Ｂは、その着用中に股下域２４が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧されることで、パネル３１Ｂの自由中間部４３が横方向へ弧を画いて防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出し、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ離間するので、軟便が表面シート２７からパネル３１Ｂに滲入することがなく、さらに、自由中間部４３が表面シート２７の外面から離間することにともなってペニス１０１が表面シート２７の外面から上方へ離れるので、軟便によるペニス１０１の汚れを確実に防ぐことができる。

物品２０Ｂは、排泄された尿が第１繊維不織布５９を透過してコア６１に吸収保持されるので、パネル３１Ｂに多量の尿を吸収させることができる。この物品２０Ｂは、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を確実に防ぐことができ、大便の流動化による着用者１００の肌の汚れを防ぐことができる。

図９，１０は、他の一例として示す使い捨て着用物品２０Ｃの部分破断斜視図と、図９の１０−１０線矢視断面図とであり、図１１は、図９の１１−１１線矢視断面図である。図９では、横方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、厚み方向を矢印Ｎで示す。なお、第１および第２繊維不織布６４，６５の内面とは、ウレタンフォーム６６に対向する面をいい、それら不織布６４，６５の外面とは、ウレタンフォーム６６に非対向の面をいう。

物品２０Ｃは、横方向へ延びる前後端部２１，２２と、縦方向へ延びる両側部２３とを有するとともに、縦方向に前胴周り域２４および後胴周り域２６と、それら胴周り域２４，２６の間に位置する股下域２５とを有する。物品２０Ｃは、透液性表面シート２７および不透液性裏面シート２８と、縦方向へ延びる一対の不透液性防漏シート２９と、表裏面シート２７，２８の間に介在する吸液性コア３０とから構成されている。防漏シート２９の間には、表面シート２７の外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネル３１Ｃが配置されている。表面シート２７には、図１のそれと同一の親水性繊維不織布３２が使用され、裏面シート２８には、図１のそれと同一の複合シートが使用されている。コア３０は、図１のそれと同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。

この物品２０Ｃが図１のそれと異なるのは、パネル３１Ｃが第１および第２繊維不織布６４，６５と全体がそれら不織布６４，６５に被覆されたウレタンフォーム６６とから形成されている点と、表面シート２７とパネル３１Ｃとの間に横方向へ延びるスペーサ６７が配置されている点とであり、その他の構成は図１の物品２０Ａと同一であるので、図１の物品２０Ａと同一の符合を付してこの物品２０Ｃにおけるその他の構成の説明は省略する。

パネル３１Ｃは、横長矩形を有し、横中心線Ｌ１で区画された股下域２５の前半分に配置されている。パネル３１Ｃは、肌当接側に位置する親水性第１繊維不織布６４（吸水性シート）と、肌非当接側に位置する親水性第２繊維不織布６５（吸水性シート）と、第１および第２繊維不織布６４，６５の間に介在するウレタンフォーム６６（吸収性芯材）とから形成されている。それら不織布６４，６５は、ウレタンフォーム６６の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合った状態で固着されている。ウレタンフォーム６６は、その内部に独立した複数の気泡６８を有する。ウレタンフォーム６６は、それら不織布６４，６５の内面に接着剤（図示せず）を介して断続的に接合されている。なお、吸収性芯材には、ウレタンフォーム６６の他に、セルローススポンジ、ナイロンスポンジ、スチレンフォームのいずれかを使用することもできる。

パネル３１Ｃは、物品２０Ｃの両側部２３に固着された固定両側部４２と、固定両側部４２の間に位置して物品２０Ｃに非固着の自由中間部４３とを有する。固定両側部４２は、ウレタンフォーム６６を除く第１および第２繊維不織布６４，６５から形成されている。固定両側部４２は、防漏シート２９の側部３６と後記するスペーサ６７の固定両側部７１との間に介在し、それらに固着されている。

スペーサ６７は、自由中間部４３の部分６２の側に配置されている（横中心線Ｌ１の側に偏倚した位置）。スペーサ６７は、親水性または疎水性の２枚の繊維不織布６９と、繊維不織布６９に収縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材７０とから形成されている。弾性部材７０は、それら繊維不織布６９の間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布６９の対向面に接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。スペーサ６７は、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態でパネル３１Ｃに取り付けられている。スペーサ６７は、物品２１Ｃの両側部２３に位置する固定両端部７１と、固定両端部７１の間に延びていて物品２１Ｃやパネル３１Ｃに非固着の自由中央部７２とを有する。固定両端部７１は、表面シート２７の側部４９とパネル３１Ｃの固定両側部４２との間に介在し、それらの内外面に固着されている。物品２０Ｃでは、スペーサ６７の伸長状態が解除されてパネル３１Ｃの固定両側部４２どうしがスペーサ６７の収縮力によって物品２０Ｃの横方向内方へ引き寄せられ、パネル３１Ｃの自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって横方向へ弧を画いている。

図１２は、着用状態で示す図９の物品２０Ｃの斜視図である。図１２では、前後胴周り域２４，２６の一方の側部２３を破断して示している。物品２０Ｃを着用する手順は、図１の物品２０Ａのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品２０Ｃの着用中では、着用者１００の臀部が表面シート２７の外面に当接し、着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｃの外面に当接する。

物品２０Ｃは、スペーサ６７の収縮力によってパネル３１Ｃの自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって弧を画いているので、物品２０Ｃの着用中に股下域２５が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧されたときに、自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって確実に弧を画き、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ確実に離間する。物品２０Ｃは、その着用中に排泄された尿が第１繊維不織布６４を透過してウレタンフォーム６６に吸収保持され、排泄された軟便が表面シート２７を透過してコア３０に吸収保持される。

物品２０Ｃは、その着用中に着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｃの外面に当接し、ペニス１０１が表面シート２７の外面に接することがなく、股下域２５の後半分と後胴周り域２６とに排泄された軟便が表面シート２７の外面を拡散して股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに向かって流動したとしても、表面シート２７とペニス１０１との間に介在するパネル３１Ｃがペニス１０１に対する軟便の付着を防ぐので、軟便によるペニス１０１の汚れを防ぐことができる。

物品２０Ｃは、その着用中に股下域２４が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧されることで、パネル３１Ｃの自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって横方向へ確実に弧を画くとともに、スペーサ６７の収縮力によって自由中間部４３の表面シート２７の上方へ弧を画く形態が維持され、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ確実に離間するので、軟便が自由中間部４３に滲入することがなく、さらに、自由中間部４３が表面シート２７の外面から離間することにともなってペニス１０１が表面シート２７の外面から上方へ離れるので、軟便によるペニス１０１の汚れを確実に防ぐことができる。

物品２０Ｃは、排泄された尿が第１繊維不織布６４を透過してウレタンフォーム６６に吸収保持されるので、パネル３１Ｃに多量の尿を吸収させることができる。この物品２０Ｃは、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を確実に防ぐことができ、大便の流動化による着用者１００の肌の汚れを防ぐことができる。

図１３，１４は、他の一例として示す使い捨て着用物品２０Ｄの部分破断斜視図と、図１３の１４−１４線矢視断面図とであり、図１５は、図１３の１５−１５線矢視断面図である。図１３では、横方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、厚み方向を矢印Ｎで示す。なお、不織布７３およびフィルム７４の内面とは、コア７５に対向する面をいい、それらの外面とは、コア７５に非対向の面をいう。

物品２０Ｄは、横方向へ延びる前後端部２１，２２と、縦方向へ延びる両側部２３とを有するとともに、縦方向に前胴周り域２４および後胴周り域２６と、それら胴周り域２４，２６の間に位置する股下域２５とを有する。物品２０Ｄは、透液性表面シート２７および不透液性裏面シート２８と、縦方向へ延びる一対の不透液性防漏シート２９と、表裏面シート２７，２８の間に介在する吸液性コア３０とから構成されている。防漏シート２９の間には、表面シート２７の外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネル３１Ｂが配置されている。表面シート２７には、図１のそれと同一の親水性繊維不織布３２が使用され、裏面シート２８には、図１のそれと同一の複合シートが使用されている。コア３０は、図１のそれと同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。

この物品２０Ｄが図１のそれと異なるのは、パネル３１Ｄが親水性繊維不織布７３および不透液性プラスチックフィルム７４と全体が不織布７３およびフィルム７４に被覆された吸液性コア７５とから形成されている点と、パネル３１Ｄの自由中間部４３が防漏シート２９の自由部３７に固着されている点と、表面シート２７とパネル３１Ｄとの間に横方向へ延びるスペーサ６７が配置されている点とであり、その他の構成は図１の物品２０Ａと同一であるので、図１の物品２０Ａと同一の符合を付してこのおむつ２０Ｄにおけるその他の構成の説明は省略する。

パネル３１Ｄは、横長矩形を呈し、横中心線Ｌ１で区画された股下域２５の前半分に配置されている。パネル３１Ｄは、肌当接側に位置する親水性繊維不織布７３（透水性シート）と、肌非当接側に位置する不透液性プラスチックフィルム７４（不透液性シート）と、不織布７３およびフィルム７４の間に介在する吸液性コア７５（吸収性芯材）とから形成されている。不織布７３とフィルム７４とは、コア７５の周縁から周方向外方へ延びる部分が互いに重なり合った状態で固着されている。なお、パネル３１Ｄでは、不透液性プラスチックフィルム７４に代えて、疎水性繊維不織布または疎水性であって撥水処理が施された繊維不織布を使用することもできる。コア７５は、不織布７３とフィルム７５との対向面に接着剤（図示せず）を介して断続的に接合されている。コア７５は、コア３０と同一の混合物であり、その全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。コア３０は、その剛性が不織布７３やフィルム７４のそれよりも大きい。

パネル３１Ｄは、物品２０Ｄの両側部２３に固着された固定両側部４２と、固定両側部４２の間に位置して物品２０Ｄに非固着の自由中間部４３とを有する。固定両側部４２は、コア７５を除く不織布７３とフィルム７４とから形成されている。固定両側部４２は、防漏シート２９の側部３６とスペーサ６７の固定両側部７１との間に介在し、それらに固着されている。自由中間部４３は、横中心線Ｌ１の側に位置する部分６２の両側が弾性部材４１の近傍において防漏シート２９の自由部３７（頂部分３９）に固着されている。なお、自由中間部４３の両側全体が弾性部材４１の近傍において防漏シート２９の自由部３７に固着されていてもよい。

スペーサ６７は、自由中間部４３の部分６２の側に配置されている（横中心線Ｌ１の側に偏倚した位置）。スペーサ６７は、親水性または疎水性の２枚の繊維不織布６９と、繊維不織布６９に収縮可能に取り付けられた横方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材７０とから形成されている。弾性部材７０は、それら不織布６９の間に介在し、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態で不織布６９の対向面に接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。スペーサ６７は、横方向へ所定の倍率に伸長させた状態でパネル３１Ｄに取り付けられている。スペーサ６７は、物品２０Ｄの両側部２３に位置する固定両端部７１と、固定両端部７１の間に延びていて物品２０Ｄやパネル３１Ｄに非固着の自由中央部７２とを有する。固定両端部７１は、表面シート２７の側部４９とパネル３１Ｄの固定両側部４２との間に介在し、それらの内外面に固着されている。

物品２０Ｄでは、パネル３１Ｄの自由中間部４３が防漏シート２９の自由部３７の起立にともなって表面シート２７の上方へ持ち上げられ、表面シート２７の外面から上方に離間し、さらに、スペーサ６７の伸長状態が解除され、パネル３１Ｄの固定両側部４２どうしがスペーサ６７の収縮力によって物品２０Ｄの横方向内方へ引き寄せられ、パネル３１Ｄの自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって横方向へ弧を画いている。

図１６は、着用状態で示す図１３の物品２０Ｄの斜視図である。図１６では、前後胴周り域２４，２６の一方の側部２３を破断して示している。物品２０Ｄを着用する手順は、図１の物品２０Ａのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品２０Ｄの着用中では、着用者１００の臀部が表面シート２７の外面に当接し、着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｄの外面に当接する。

物品２０Ｄは、パネル３１Ｄの自由中間部４３が防漏シート２７の自由部３７の起立によって表面シート２７の外面から上方へ持ち上げられており、さらに、スペーサ６７の収縮力によってパネル３１Ｄの自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって弧を画いているので、物品２０Ｄの着用中に股下域２５が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧されたときに、自由中間部４３が表面シート２７の上方に向かって確実に弧を画くとともに、弧を画いた自由中間部２７が防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出し、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ確実に離間する。物品２０Ｄは、その着用中に排泄された尿が繊維不織布７３を透過してコア７５に吸収保持され、排泄された軟便が表面シート２７を透過してコア３０に吸収保持される。

物品２０Ｄは、その着用中に着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ｄの外面に当接し、ペニス１０１が表面シート２７の外面に接することがなく、股下域２５の後半分と後胴周り域２６とに排泄された軟便が表面シート２７の外面を拡散して股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに向かって流動したとしても、表面シート２７とペニス１０１との間に介在するパネル３１Ｄがペニス１０１に対する軟便の付着を防ぐので、軟便によるペニス１０１の汚れを防ぐことができる。

物品２０Ｄは、その着用中に股下域２５が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧されることで、パネル３１Ｄの自由中間部４３が横方向へ弧を画いて防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出するとともに、スペーサ６７の収縮力によって自由中間部４３の表面シート２７の上方へ弧を画く形態が維持され、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ確実に離間するので、軟便が自由中間部４３に滲入することがなく、さらに、自由中間部４３が表面シート２７の外面から離間することにともなってペニス１０１が表面シート２７の外面から上方へ離れるので、軟便によるペニス１０１の汚れを確実に防ぐことができる。

物品２０Ｄは、排泄された尿が繊維不織布７３を透過してコア７５に吸収保持されるので、パネル３１Ｄに多量の尿を吸収させることができる。この物品２０Ｄは、パネル３１Ｄに吸収された尿がフィルム７４を透過することがなく、尿が表面シート２７に達することがないので、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができる。物品２０Ｄは、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を確実に防ぐことができ、大便の流動化による着用者１００の肌の汚れを確実に防ぐことができる。

図１７，１８は、他の一例として示す使い捨て着用物品２０Ｅの部分破断斜視図と、図１７の１８−１８線矢視断面図とであり、図１９は、図１７の１９−１９線矢視断面図である。図１７では、横方向を矢印Ｌ、縦方向を矢印Ｍで示し、厚み方向を矢印Ｎで示す。

物品２０Ｅは、横方向へ延びる前後端部２１，２２と、縦方向へ延びる両側部２３とを有するとともに、縦方向に前胴周り域２４および後胴周り域２６と、それら胴周り域２４，２６の間に位置する股下域２５とを有する。物品２０Ｅは、透液性表面シート２７および不透液性裏面シート２８と、縦方向へ延びる一対の不透液性防漏シート２９と、表裏面シート２７，２８の間に介在する吸液性コア３０とから構成されている。防漏シート２９の間には、表面シート２７の外面の側に位置して横方向へ延びる肌当接パネル３１Ａが配置されている。表面シート２７には、図１のそれと同一の親水性繊維不織布３２が使用され、裏面シート２８には、図１のそれと同一の複合シートが使用されている。コア３０は、図１のそれと同一の混合物であり、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等（図示せず）に包被されている。

この物品２０Ｅが図１のそれと異なるのは、パネル３１Ａの固定両側部４２が防漏シート２９の自由部３７に固着されている点と、パネル３１Ａが前胴周り域２４と股下域２５の前半分とに配置されている点とであり、その他の構成は図１の物品２０Ａと同一であるので、図１の物品２０Ａと同一の符合を付してこのおむつ２０Ｅにおけるその他の構成の説明は省略する。

パネル３１Ａは、縦長矩形を有し、前胴周り域２４の後半分と横中心線Ｌ１で区画された股下域２５の前半分に配置されている。パネル３１Ａは、互いに重なり合う２枚の親水性繊維不織布４１（吸水性シート）から形成されている。不織布４１は、それらの対向面が接着剤（図示せず）を介して断続的に固着されている。パネル３１Ａは、防漏シート２９の自由部３７に固着された固定両側部４２と、固定両側部４２の間に位置して物品２０Ｅに非固着の自由中間部４３とを有する。固定両側部４２と自由中間部４３とは、防漏シート２９の自由部３７の起立にともなって表面シート２７の上方へ持ち上げられ、表面シート２７の外面から上方に離間している。

図２０は、着用状態で示す図１７の物品２０Ｅの斜視図である。図２０では、前後胴周り域２４，２６の一方の側部２３を破断して示している。物品２０Ｅを着用する手順は、図１の物品２０Ａのそれと同一であるので、その説明は省略する。物品２０Ｅの着用中では、着用者１００の臀部が表面シート２７の外面に当接し、着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ａの外面に当接する。

物品２０Ｅは、その股下域２５が着用者の股間部によって横方向内方へ押圧され、パネル３１Ａの固定両側部４２間の離間寸法が縮まって自由中間部４３が横方向へ弧を画き、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ離間する。物品２０Ｅは、パネル３１Ａの固定両側部４２と自由中間部４３とが表面シート２７の外面から上方へ持ち上げられており、物品２０Ｅの着用中にパネル３１Ａの自由中間部４３が横方向へ弧を画くと、自由中間部４３が防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出する。物品２０Ｅは、その着用中に排泄された尿がパネル３１Ａ（親水性繊維不織布）に吸収され、排泄された軟便が表面シート２７を透過してコア３０に吸収保持される。

物品２０Ｅは、その着用中に着用者１００のペニス１０１（性器）がパネル３１Ａの外面に当接し、ペニス１０１が表面シート２７の外面に接することがなく、股下域２５の後半分と後胴周り域２６とに排泄された軟便が表面シート２７の外面を拡散して股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに向かって流動したとしても、表面シート２７とペニス１０１との間に介在するパネル３１Ａがペニス１０１に対する軟便の付着を防ぐので、軟便によるペニス１０１の汚れを防ぐことができる。

物品２０Ｅは、その着用中にパネル３１Ａの自由中間部４３が横方向へ弧を画いて防漏シート２９の自由部３７の頂部分３９から上方へ突出し、自由中間部４３が表面シート２７の外面から上方へ離間するので、軟便が自由中間部４３に滲入することがなく、さらに、自由中間部４３が表面シート２７の外面から離間することにともなってペニス１０１が表面シート２７の外面から上方へ離れるので、軟便によるペニス１０１の汚れを確実に防ぐことができる。物品２０Ｅは、排泄された尿がパネル３１Ａに吸収され、尿と大便との混ざり合いを防ぐことができるので、尿と大便とが混ざり合うことによる大便の流動化を防ぐことができ、大便の流動化による着用者１００の肌の汚れを防ぐことができる。

表面シート２７には、親水性繊維不織布の他に、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することもできる。裏面シート２８には、疎水性繊維不織布、通気不透液性プラスチックフィルム、２枚以上の疎水性繊維不織布をラミネートした複合不織布のいずれかを使用することもできる。裏面シート２８や防漏シート２９には、高い耐水性を有するメルトブローン不織布の両面または片面に高い強度と良好な柔軟性とを有するスパンボンド不織布をラミネートした複合不織布（ＳＭ不織布、ＳＭＳ不織布、ＳＭＭＳ不織布）を使用することもできる。

繊維不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンドの各製法により製造された不織布を使用することができる。不織布の構成繊維には、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリ塩化ビニル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリスチレン系を使用することができる。構成繊維には、芯鞘型複合繊維、並列型複合繊維、異型中空繊維、微多孔繊維、接合型複合繊維を使用することもできる。

表裏面シート２７，２８どうしの固着、シート２７，２８と防漏シート２９との固着、シート２７，２８に対するコア３０の接合、シート２７，２９に対するパネル３１Ａ，３１Ｂ，３１Ｃ，３１Ｄの固着、シート２７，２８，２９に対する弾性部材４０，４７，５１の固着には、接着剤、または、ヒートシールやソニックシール等の熱による溶着手段を利用することができる。接着剤には、ホットメルト型接着剤やアクリル系接着剤、ゴム系接着剤を使用することができる。

接着剤は、表面シート２７や裏面シート２８、防漏シート２９にスパイラル状や波状、ジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されていることが好ましい。接着剤をそれらの態様でシート２７，２８，２９に塗布すると、それらシート２７，２８，２９に接着剤が塗布された塗布域と接着剤が塗布されていない非塗布域とが形成され、それらシート２７，２８，２９どうしが断続的に固着され、コア２９がシート２７，２８に断続的に接合されるとともに、弾性部材４０，４７，５１がシート２７，２８，２９に断続的に固着される。

図１と図１７とに示す物品２０Ａ，２０Ｅには、パネル３１Ａに代えて、図５や図９、図１３に示すパネル３１Ｂ，３１Ｃ，３１Ｄのいずれかを取り付けることもできる。図５に示す物品２０Ｂには、パネル３１Ｂに代えて、図１や図９、図１３に示すパネル３１Ａ，３１Ｃ，３１Ｄのいずれかを取り付けることもできる。図９に示す物品２０Ｃには、パネル３１Ｃに代えて、図１や図５、図１３に示すパネル３１Ａ，３１Ｂ，３１Ｄのいずれかを取り付けることもできる。図１３に示す物品２０Ｄは、パネル３１Ｄに代えて、図１や図５、図９に示すパネル３１Ａ，３１Ｂ，３１Ｃのいずれかを取り付けることもできる。また、図１や図５、図９、図１３に示す物品２０Ａ，２０Ｂ，２０Ｃ，２０Ｄは、パネル３１Ａ，３１Ｂ，３１Ｃ，３１Ｄが股下域２５の前半分と前胴周り域２４とに配置されていてもよい。図１７に示す物品２０Ｅは、パネル３１Ａが股下域２４の前半分に配置されていてもよい。

図１と図９とに示す物品２０Ａ，２０Ｃは、両側部２３に防漏シート２９が取り付けられていなくてもよい。この場合、図１に示す物品２０Ａではパネル３１の固定両側部４２が表面シート２７の側部４９の内面に固着され、図９に示す物品２０Ｃでは、パネル３１の固定両側部４２がスペーサ６７の固定両側部７１に固着される。

一例として示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。図１の２−２線矢視断面図。図１の３−３線矢視断面図。着用状態で示す図１の物品の斜視図。他の一例として示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。図５の６−６線矢視断面図。図５の７−７線矢視断面図。着用状態で示す図５の物品の斜視図。他の一例として示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。図９の１０−１０線矢視断面図。図９の１１−１１線矢視断面図。着用状態で示す図９の物品の斜視図。他の一例として示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。図１３の１４−１４線矢視断面図。図１３の１５−１５線矢視断面図。着用状態で示す図１３の物品の斜視図。他の一例として示す使い捨て着用物品の部分破断斜視図。図１７の１８−１８線矢視断面図。図１７の１９−１９線矢視断面図。着用状態で示す図１７の物品の斜視図。

符号の説明

２０Ａ使い捨て着用物品
２０Ｂ使い捨て着用物品
２０Ｃ使い捨て着用物品
２０Ｄ使い捨て着用物品
２０Ｅ使い捨て着用物品
２１前端部
２２後端部
２３両側部
２４前胴周り域
２５股下域
２６後胴周り域
２７透液性表面シート
２８不透液性裏面シート
２９不透液性防漏シート
３０吸液性コア
３１Ａ肌当接パネル
３１Ｂ肌当接パネル
３１Ｃ肌当接パネル
３１Ｄ肌当接パネル
３６固定側部
３７自由部
３８固定前後端部
３９頂部分
４０伸縮性弾性部材
４１親水性繊維不織布（透水性シート）
４２固定両側部
４３自由中間部
５９親水性第１繊維不織布（透水性シート）
６０親水性第２繊維不織布（透水性シート）
６１吸液性コア（吸収性芯材）
６２部分
６４親水性第１繊維不織布（透水性シート）
６５親水性第１繊維不織布（透水性シート）
６６ウレタンフォーム（吸収性芯材）
６７スペーサ
６８気泡
７１固定両側部
７２自由中央部
７３親水性繊維不織布（透水性シート）
７４不透液性プラスチックフィルム（不透液性シート）
７５吸液性コア（吸収性芯材）
Ｌ１横中心線

Claims

横方向へ延びる前後端部と縦方向へ延びる両側部とを有するとともに、前記前後端部間に前後胴周り域とそれら胴周り域の間に位置する股下域とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、前記表裏面シートの間に介在して前記前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成された使い捨て着用物品において、
前記表面シートの外面の側に位置して横方向へ延びるとともに、縦方向および横方向に連続して形成される肌当接パネルが、前記前胴周り域と前記物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された前記股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、前記パネルが、前記物品の両側部に固着された固定両側部と、前記固定両側部の間に位置して前記物品に非固着の自由中間部とを有し、
弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが、前記表面シートと前記パネルとの間に伸長下に配置され、前記スペーサが、前記パネルの両側部に固着された固定両端部と、前記固定両端部の間に延びていて前記パネルに非固着の自由中央部とを有し、前記パネルの固定両側部どうしが、前記スペーサの収縮力によって前記物品の横方向内方へ引き寄せられ、前記パネルの自由中間部が、前記表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画くことを特徴とする前記着用物品。
前記物品が、表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏シートを有し、前記防漏シートが、前記両側部に固着されて縦方向へ延びる固定側部と、前記固定側部に並行して縦方向へ延びていて前記表面シートの上方へ起立性向を有する自由部と、横方向へ倒伏した状態で前記前後端部に固着された固定前後端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、前記防漏シートの自由部に収縮可能に取り付けられ、
前記パネルが、前記防漏シートの間に配置され、前記パネルの自由中間部のうちの少なくとも前記横中心線の側に位置する部分の両側が、前記防漏シートの自由部に固着され、前記自由中間部が、前記防漏シートの自由部の起立にともなって前記表面シートの上方へ持ち上げられている請求項１記載の着用物品。
横方向へ延びる前後端部と縦方向へ延びる両側部とを有するとともに、前記前後端部間に前後胴周り域とそれら胴周り域の間に位置する股下域とを有し、肌当接側に位置する表面シートおよび肌非当接側に位置する裏面シートと、前記表面シートの外面の側に位置して縦方向へ延びる一対の防漏シートと、前記表裏面シートの間に介在して前記前後胴周り域間に延びる吸液性コアとから構成され、前記防漏シートが、前記両側部に固着されて縦方向へ延びる固定側部と、前記固定側部に並行して縦方向へ延びていて前記表面シートの上方へ起立性向を有する自由部と、横方向へ倒伏した状態で前記前後端部に固着された固定両端部とから形成され、縦方向へ延びる伸縮性弾性部材が、前記防漏シートの自由部に収縮可能に取り付けられた使い捨て着用物品において、
前記表面シートの外面の側に位置して前記防漏シート間を横方向へ延びるとともに、縦方向および横方向に連続して形成される肌当接パネルが、前記前胴周り域と前記物品の縦寸法を二分する横中心線で区画された前記股下域の前半分とのうちの少なくとも該股下域の前半分に配置され、前記パネルが、前記防漏シートの自由部に固着された固定両側部と、前記固定両側部の間に位置して前記物品に非固着の自由中間部とを有し、
弾性的な伸縮性を有して横方向へ延びるスペーサが、前記表面シートと前記パネルとの間に伸長下に配置され、前記スペーサが、前記パネルの両側部に固着された固定両端部と、前記固定両端部の間に延びていて前記パネルに非固着の自由中央部とを有し、前記パネルの固定両側部どうしが、前記スペーサの収縮力によって前記物品の横方向内方へ引き寄せられ、前記パネルの自由中間部が、前記表面シートの上方に向かって横方向へ弧を画くことを特徴とする前記着用物品。
前記パネルが、少なくとも１枚の吸水性シートから形成されている請求項１ないし請求項３いずれかに記載の着用物品。
前記パネルが、少なくとも１枚の吸水性シートと、前記吸水性シートに包被された吸収性芯材とから形成され、前記吸収性芯材が、吸液性コアと内部に複数の気泡を有するフォームとのいずれか一方である請求項１ないし請求項３いずれかに記載の着用物品。
前記パネルが、肌当接側に位置する少なくとも１枚の吸水性シートと、肌非当接側に位置する不透液性シートと、前記吸水性シートと前記不透液性シートとの間に介在する吸収性芯材とから形成され、前記吸収性芯材が、吸液性コアと内部に複数の気泡を有するフォームとのいずれか一方である請求項１ないし請求項５いずれかに記載の着用物品。