WO2006082774A1

WO2006082774A1 - スピーカ

Info

Publication number: WO2006082774A1
Application number: PCT/JP2006/301423
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Yano; Kazuki Honda; Masahide Sumiyama
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2005-02-07
Filing date: 2006-01-30
Publication date: 2006-08-10
Also published as: EP1799011A1; JP2006217452A; TW200642513A; EP1799011A4; US20080056528A1; CN101040563A

Abstract

磁気ギャップを有する磁気回路を結合したフレームと、このフレームに外周が結合されると共に上記磁気ギャップに嵌まり込むボイスコイルを中心に結合した振動板からなるスピーカにおいて、上記振動板裏面とボイスコイル内部との間に形成される空隙部を外部と連通させる連通構造を設けたスピーカを提供する。このようにして、振動板裏面の空気の流通経路を短くして振動板に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。

Description

明細書

スピーカ

技術分野

[0001] 本発明は各種音響機器や情報通信機器に使用されるスピーカに関し、特に、携帯電話等に適した小型、薄型のスピーカに関する。

背景技術

[0002] 各種音響機器や情報通信機器の小型化、多機能化に伴ってこれらに使用されるスピー力も従来にも増して小型化が進み、特に携帯電話に使用されるスピーカにおいては小型化のみならず高音質ィ匕ゃステレオ対応までも要求されている。

[0003] 図 18は、この種の従来のスピーカの構成を示す断面図である。磁気回路 31は、壷形のヨーク 32内に円板状のマグネット 33とプレート 34とが積層結合されて円環状の磁気ギャップ 35を形成することにより構成されている。

[0004] 磁気回路 31を中央に結合したフレーム 36には、通気孔 36aが設けられている。振動板 37の外周部はフレーム 36に結合されると共に、磁気ギャップ 35に嵌まり込むボイスコイル 38を中心に結合している。エッジ部 37aは振動板 37の周縁に一体で設けられている。エッジ部 37aの外周がフレーム 36の周縁に結合されている。一般に榭脂製の振動板が多く用いられている。このように構成された従来のスピーカは、磁気回路 31を構成するマグネット 33に高エネルギー積を有する希土類マグネットを用い、これにより小型 ·薄型で高性能なスピーカを実現している。このような構成を有するスピーカが特開 2003— 134585号公報に開示されている。

[0005] しかしながら上記従来のスピーカでは、振動板 37裏面の空気はボイスコイル 38によって流通経路を遮断された構造のため、振動板 37の振幅運動に伴って次のように移動する。すなわち、振動板 37裏面の空気はボイスコイル 38に沿ってボイスコイル 3 8の内周から外周へと磁気ギャップ 35内を移動し、最終的にフレーム 36に設けられた通気孔 36aを介して排出、またはこれとは逆に導入される。従って、空気の流通経路が長くなつて空気抵抗が大きくなるために、振動板 37の振幅運動に制動が加わることになる。その結果、低域の再生音圧が抑制される可能性があるという課題があつた。

発明の開示

[0006] 本発明は、磁気ギャップを有する磁気回路と、磁気回路を結合したフレームと、磁気ギャップに嵌まり込むボイスコイルと、フレームに外周が結合されると共にボイスコィルを中心に結合した振動板と、振動板裏面とボイスコイル内部との間に形成される空隙部を外部と連通させる連通構造とを有するスピーカを提供する。

[0007] このような構成により、振動板裏面の空気の流通経路を短くして振動板に加わる空気の流通抵抗を低減することができる。その結果、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]図 1は本発明の実施の形態 1によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 2]図 2は図 1に示すスピーカに使用されるボイスコイルのボビン上端を示す正面図である。

[図 3]図 3は図 2に示すボイスコイルのボビン上端を振動板に結合した状態を示す正面図である。

[図 4]図 4は図 1に示すスピーカと従来のスピーカの周波数特性を比較する図である。

[図 5]図 5は本発明の実施の形態 2によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 6A]図 6Aは図 5に示すスピーカに使用されるヨークの平面図である。

[図 6B]図 6Bは図 6Aに示すヨークの正面断面図である。

[図 7]図 7は図 5に示すスピーカと従来のスピーカの周波数特性を比較する図である。

[図 8]図 8は本発明の実施の形態 3によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 9A]図 9Aは図 8に示すスピーカに使用されるヨークの平面図である。

[図 9B]図 9Bは図 9Aに示すヨークの正面断面図である。

[図 10]図 10は本発明の実施の形態 4によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 11A]図 11 Aは図 10に示すスピーカに使用されるヨークの平面図である。

[図 11B]図 11Bは図 11Aに示すヨークの正面断面図である。

[図 12]図 12は本発明の実施の形態 5によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 13A]図 13Aは図 12に示すスピーカに使用されるプレートの平面図である。 [図 13B]図 13Bは図 13Aに示すプレートの正面断面図である。

[図 14A]図 14Aは図 12に示すスピーカに使用されるマグネットの平面図である。

[図 14B]図 14Bは図 14Aに示すマグネットの正面断面図である。

[図 15]図 15は本発明の実施の形態 6によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 16]図 16は図 15に示すスピーカと従来のスピーカの周波数特性を比較する図である。

圆 17]図 17は本発明の実施の形態 7によるスピーカの構成を示す断面図である。

[図 18]図 18は従来のスピーカの構成を示した断面図である。

符号の説明

1, 12, 16, 19, 23, 28 磁気回路

2, 10, 14, 17, 24 3 -ク

3, 21, 25 マグネッ卜

4, 20, 26 プレー卜

5, 11, 15, 18, 22, 27 磁気ギャップ

6 フレーム

6a 通:^孑し

7, 13 ボイスコイル

7a, 14a, 17a, 20a, 21a 切り欠き部

8, 29 振動板

8a, 29a エッジ部

9 接着剤

10a, 24a, 25a, 26a, 29b 孔

30 防塵部材

発明を実施するための最良の形態

以下本発明の実施の形態の一例を、図面を用いて説明する。図面は模式図であり、各位置関係を寸法的に正しく示すものではない。図 4、 7、 16はスピーカの周波数特性を表わすグラフであり、横軸は周波数、縦軸は再生音圧を示している。なお、本発明は本実施の形態に限定されない。 [0011] (実施の形態 1)

以下、図 1〜図 3を用いて実施の形態 1を説明する。磁気回路 1は、壷形のヨーク 2 内に円板状のマグネット 3とプレート 4を積層して結合することにより構成される。そして、これにより円環状の磁気ギャップ 5が形成される。榭脂製のフレーム 6は、磁気回路 1を中央に結合している。通気孔 6aはフレーム 6に設けられている。ボイスコイル 7 は磁気回路 1に形成された磁気ギャップ 5内に可動自在に嵌まり込む。複数の切り欠き部 7aがボイスコイル 7を構成するボビンの上端に設けられる。振動板 8はボイスコィル 7を中心に結合すると共に、その外周はフレーム 6の周縁に結合される。エッジ部 8 aは振動板 8の周縁に一体化して設けられる。エッジ部 8aの外周はフレーム 6の周縁に結合される。また、ボイスコイル 7と振動板 8との結合は接着剤 9を用いて行う。そして、図 3に示すように、ボイスコイル 7のボビン上端に設けられた切り欠き部 7aを接着剤 9が塞がな、ように結合されて、る。

[0012] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、ボイスコイル 7のボビン上端に設けた切り欠き部 7aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 7内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8の振幅運動に伴う振動板 8 の裏面の空気は切り欠き部 7aから直接外部に排出または導入されるようになる。このような連通構造により、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。図 4はこのような本実施の形態によるスピーカの周波数特性を測定した結果を、比較例としての従来品と比較して示している。図 4から明確なように、低域の再生音圧が上昇して、ることが分かる。

[0013] (実施の形態 2)

本実施の形態の連通構造は、実施の形態 1で説明したスピーカの振動板裏面とボイスコイル内部との間に形成される空隙部を外部と連通させる連通構造とは異なっている。これ以外の構成は実施の形態 1と同様であるため同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。

[0014] 図 5〜図 6Bを用いて説明する。壷形のヨーク 10の底面周縁に複数の孔 10aを設ける。これにより円環状の磁気ギャップ 11を形成した磁気回路 12が構成される。 [0015] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、ヨーク 10の底面周縁に設けた孔 10aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8の振幅運動に伴う振動板 8の裏面の空気は孔 10aから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。

[0016] 図 7は本実施の形態によるスピーカの周波数特性を測定した結果を、比較例としての従来品と比較して示したものである。図 7から明確なように、低域の再生音圧が上昇していることが分かる。

[0017] (実施の形態 3)

[0018] 図 8〜図 9Bを用いて説明する。壷形のヨーク 14の側壁に複数の切り欠き部 14aを設ける。これにより円環状の磁気ギャップ 15を形成した磁気回路 16が構成される。

[0019] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、ヨーク 14の側壁に設けた切り欠き部 14aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8の振幅運動に伴う振動板 8の裏面の空気は切り欠き部 14aから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる

[0020] (実施の形態 4)

本実施の形態の連通構造は、実施の形態 1で説明したスピーカの振動板裏面とボイスコイル内部との間に形成される空隙部を外部と連通させる連通構造とは異なっている。これ以外の構成は実施の形態 1と同様であるため同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。 [0021] 図 10と図 11を用いて説明する。壷形のヨーク 17の底面周縁から側壁に亘つて複数の切り欠き部 17aを設ける。これにより円環状の磁気ギャップ 18を形成した磁気回路 19が構成される。

[0022] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、ヨーク 17の底面周縁から側壁に亘つて設けた切り欠き部 17aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8の振幅運動に伴う振動板 8の裏面の空気は切り欠き部 17aから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8にカロわる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可會になる。

[0023] (実施の形態 5)

[0024] 図 12〜14Bを用いて説明する。壷形のヨーク 2の内底面に、プレート 20とマグネット 21を積層して結合する。これにより円環状の磁気ギャップ 22を形成した磁気回路 2 3が構成される。また、プレート 20とマグネット 21の周縁には、複数の切り欠き部 20a と 21aが夫々設けられている。これによりプレート 20とマグネット 21を積層した状態で、切り欠き部 20aと 21aが繋がって一体に形成された状態になるように構成されている。

[0025] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、プレート 20とマグネット 21の周縁に夫々設けた切り欠き部 20aと 21aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8の振幅運動に伴う振動板 8の裏面の空気は切り欠き部 20aと 21aから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。 [0026] (実施の形態 6)

[0027] 図 15を用いて説明する。壷形のヨーク 24の内底面に、マグネット 25とプレート 26力 S 積層して結合されている。これにより円環状の磁気ギャップ 27を形成した磁気回路 2 8が構成されている。また、ヨーク 24、マグネット 25、プレート 26には、厚み方向に連通して繋がる孔 24a、 25a、 26aが夫々中心に設けられている。これによりヨーク 24とマグネット 25とプレート 26を積層した状態でこれらの孔 24a、 25a, 26aがー体となつて繋がった状態になるように構成されている。

[0028] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、ヨーク 24とマグネット 25とプレート 26の中心に夫々設けた孔 24a、 25a, 26aにより、振動板 8裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 8 の振幅運動に伴う振動板 8の裏面の空気は上記一体となった孔 24a、 25a, 26aから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 8裏面の空気の流通経路を短くして振動板 8に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。

[0029] 図 16は本実施の形態によるスピーカの周波数特性を測定した結果を、比較例としての従来品と比較して示したものである。図 16から明確なように、低域の再生音圧が上昇していることが分かる。

[0030] (実施の形態 7)

[0031] 図 17を用いて説明する。振動板 29の周縁にはエッジ部 29aが設けられている。振動板 29の中心には孔 29bが設けられている。振動板 29に設けられた孔 29bを塞ぐように、通気性を有した防塵部材 30が貼り付けられて、る。

[0032] このように構成された本実施の形態によるスピーカは、振動板 29の中心に設けた孔 29bにより、振動板 29裏面とボイスコイル 13内部との間に形成される空隙部が外部と連通するようになる。その結果、振動板 29の振幅運動に伴う振動板 29の裏面の空気は上記孔 29bから直接外部に排出または導入されるようになる。このようにして、振動板 29裏面の空気の流通経路を短くして振動板 29に加わる空気の流通抵抗を低減することができるようになるため、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。このとき、孔 29bの大きさは振動板の特性を低下させないように決定される。例えば、 0. 5〜2mm程度が好ましい。さらに、防塵部材 30の通気度を変化させることによつて空気の流通抵抗、即ち、音響負荷を調整し、最適な低域特性を得ることも可能になる。

[0033] なお、本発明において各部材に設けられる各種の切欠き部ゃ孔の形状、大きさは、各部材に応じて決定される。

産業上の利用可能性

[0034] 本発明は、振動板裏面の空気の流通経路を短くして振動板に加わる空気の流通抵抗を低減できるスピーカを提供する。このようにして、低域の再生音圧を上昇させることが可能になる。本発明のスピーカは、特に、小型高性能が要求される携帯電話用のスピーカ等として有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 磁気ギャップを有する磁気回路と、

前記磁気回路を結合したフレームと、

前記磁気ギャップに嵌まり込むボイスコイルと、

前記フレームに外周が結合されると共に前記ボイスコイルを中心に結合した振動板と、

前記振動板裏面と前記ボイスコイル内部との間に形成される空隙部を外部と連通させる連通構造と、

を有するスピーカ。

[2] 前記連通構造は、前記振動板と結合される前記ボイスコイルのボビン部上端に切り欠き部を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[3] 前記連通構造は、前記磁気回路を構成するヨークの底面周縁に孔を有する請求項 1 に記載のスピーカ。

[4] 前記連通構造は、前記磁気回路を構成するヨークの側壁に切り欠き部を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[5] 前記連通構造は、前記磁気回路を構成するヨークの底面周縁から側壁に亘つて切り欠き部を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[6] 前記連通構造は、前記磁気回路を構成するプレート及びマグネットの周縁に夫々と同形状を持つ切り欠き部を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[7] 前記連通構造は、前記磁気回路を構成するプレート、マグネット、ヨークに夫々厚み方向に連通して繋がる孔を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[8] 前記連通構造は、前記振動板の中心に孔を有する請求項 1に記載のスピーカ。

[9] 前記孔に貼り付けた通気性を持つ防塵部材を有する請求項 8に記載のスピーカ。