WO2006054725A1

WO2006054725A1 - ラベル付きインモールド成型体およびインモールド用ラベル

Info

Publication number: WO2006054725A1
Application number: PCT/JP2005/021297
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Koike; Seiichiro Iida; Masaaki Yamanaka
Original assignee: Yupo Corporation
Priority date: 2004-11-18
Filing date: 2005-11-18
Publication date: 2006-05-26
Also published as: US8182902B2; US20080118718A1

Abstract

　熱可塑性樹脂を含む基層（Ａ）と、ヒートシール樹脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層（Ｂ）とを含むインモールド用ラベル（Ｃ）が成型体（Ｄ）に付されたラベル付きインモールド成型体（Ｅ）であって、該ラベル付きインモールド成型体（Ｅ）を４０°Cの水に４日間浸してもインモールド用ラベル（Ｃ）と成型体（Ｄ）が剥離しないことを特徴とする。このラベル付きインモールド成型体（Ｅ）では、ラベルの密着性とデラベリング性が両立している。

Description

明細書

ラベル付きインモールド成型体およびインモールド用ラベル技術分野

[0001] 本発明は、ラベル付きインモールド成型体とその製造に用いるインモールド用ラベルに関する。より具体的には、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)とヒートシール層 (B)とを含むインモールド用ラベル (C)と、該インモールド用ラベル (C)が成型体 (D)に密着性良く付されて、て特定条件下におけるデラベリング性に優れて、るラベル付きィンモールド成型体 (E)に関する。

背景技術

[0002] ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニノレ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの成型品は、軽量で落下や衝撃などに強くガラスや陶器に比べ安全性が高いことから、包装容器として広い分野で活用されている。特に、ポリエチレンテレフタレートを代表とするポリエステル榭脂からなる延伸ブロー成型によるボトルは、透明性、表面光沢、耐薬品性、耐内圧性において優れており、一般に包装容器として有利な特性を備えている。このため、食品、洗剤など、広い分野で多く使用されている。

[0003] 延伸ブロー成型は、ブロー金型内に挿入されたプリフォームを延伸ブローして所定の形状の延伸ブロー成型体となるように成型するものである。このとき、ブロー金型内にあらかじめラベルを取付けておき、延伸ブローにともなって延伸ブロー成型体の表面へのラベルの貼り付けも行うインモールドラベル成型が行われており（例えば特開 2002— 355886号公報）、実際に多方面で利用されている。

[0004] 一方、容器包装に係わる分別収集および再商品化の促進等に関する法律 (容器包装リサイクル法)の制定にともない、成型体をリサイクルすることが社会的に求められるようになっている。このため、成型体とラベルを分離して、成型体をリサイクルする技術が提案されてヽる（例えば実開平 06— 55727号公報)。

[0005] し力しながら、この技術ではラベルが成型体に完全に密着して、な、ことから、ラベルが自然に剥がれてしまうという欠点があった。また、密着性を強くしょうとして糊を多量に使用すると、成型体とラベルを分離した後に成型体に糊が残ってしまい、実際にはリサイクルできな、と、う欠点があった。

発明の開示

[0006] このように従来の技術では、成型体に対するラベルの密着性と、糊残り無く成型体力ラベルを分離すること（以後、デラベリング性と表記)を両立させることができなかつた。そこで本発明は、これら従来技術の課題を解決し、成型体に対するラベルの密着性とデラベリング性を両立させ、成型体のリサイクルが可能なラベル付きインモールド成型体を提供することを目的とした。また、そのような成型体の製造を可能にするインモールド用ラベルを提供することも目的とした。

[0007] 本発明者は鋭意検討を進めた結果、特定の構成と機能を有するヒートシール層、或ヽは該ヒートシール層と印刷層とを有するインモールド用ラベルをインモールド成型することによって、所期の特性を有するラベル付きインモールド成型体を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。

[0008] すなわち本発明は、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)と、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)とを有するインモールド用ラベル（C)が成型体（D )に付されたラベル付きインモールド成型体 (E)であって、該ラベル付きインモールド成型体 (E)を 40°Cの水に 4日間浸してもインモールド用ラベル (C)と成型体 (D)が剥離しな!、ラベル付きインモールド成型体 (E)を提供する。また本発明は該インモールド用ラベル (C)も提供する。

[0009] 本発明のインモールド用ラベル (C)は、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)、ヒートシ一ル層 (B)および印刷層（F)を順に有するインモールド用ラベル (C)であっても良く、印刷層（F)の印刷面積がラベル全体の 1〜90%、好ましくは 5〜80%のものであつても良い。

[0010] 本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)は、 80°Cの 1. 5重量％水酸化ナトリウム水溶液に 15分間浸したとき、インモールド用ラベル (C)が成型体 (D)から剥離し、成型体 (D)にヒートシール層 (B)が残らないものであることが好ましい。

[0011] なかでも、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)と、融点 50〜120°Cの熱可塑性榭脂 30 〜99重量⁰ /₀および水溶性バインダー 70〜1重量⁰ /₀を含むヒートシール層（B)とを含むインモールド用ラベル（C)を用いることが好まし！/、。

本発明では、基層（A)の密度は 0. 40〜0. 98gZcm³であり、基層（A)の熱可塑性榭脂はポリオレフインであることが好ましい。また、ヒートシール層 (B)は、ヒートシ一ル榭脂と水溶性バインダーを含む水性塗料を基層 (A)上に塗布して乾燥することにより形成されたものであることが好ましい。ここで、水溶性バインダーはカチオン性水溶性バインダーであることが好ましい。さらに、成型体 (D)は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩ィ匕ビ二ノレ、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドまたはポリスチレンからなり、また、インジェクション成型、ダイレクトブロー成型、インジェクションブロー成型、延伸ブロー成型、サーモフォ一ミング成型または圧縮成型により成型されたものであることが好ましい。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 以下において、本発明のラベル付きインモールド成型体およびインモールド用ラベルについて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。

[0013] 本発明のインモールド用ラベル (C)は、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)と、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)とを有する。典型的な本発明のインモールド用ラベル (C)の構造の具体例を図 1に示す。

また、本発明の別の様態によるインモールド用ラベル (C)は、熱可塑性榭脂を含む基層 (A)、ヒートシール榭脂 (B)、および印刷層（F)を有する。本発明の別の様態によるインモールド用ラベル (C)の構造の具体例を図 2に示す。

本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)は、インモールド成形によってインモ一ルド用ラベル (C)が成型体 (D)に付された構造を有する。

[0014] [基層 (A) ]

本発明の基層 (A)は、熱可塑性榭脂を含む層であり、インモールド用ラベル (C)の支持体となる層である。熱可塑性榭脂を含有することにより耐水性や安定性の優れたインモールド用ラベル (C)を得ることができる。

[0015] (材質）本発明の基層 (A)は熱可塑性榭脂を含有し、耐水性が優れたものであればその材質は特に制限されない。基層 (A)に含まれる熱可塑性榭脂の例としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、プロピレン系榭脂、ポリメチル 1 ペンテン等のポリオレフイン系榭脂、エチレン '酢酸ビュル共重合体、エチレン •アクリル酸共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン等の官能基含有ポリオレフイン系榭脂、ナイロン 6、ナイロン 6, 6等のポリアミド系榭脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系榭脂、ポリカーボネート、ァタクティックポリスチレン、シンジォタクティックポリスチレン等を挙げることができる。これらの熱可塑性榭脂の中では、加工性に優れることからポリオレフイン系榭脂を用いることが好ましい。

[0016] ポリオレフイン系榭脂のより具体的な例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロ口プレン、メチル 1—ペンテンなどのォレフィン類の単独重合体、および、これらォレフィン類 2種類以上力なる共重合体、および、スチレン、 α—メチルスチレン、酢酸ビュル、ビュルアルコール、アクリル酸誘導体、ビュルエーテル類などの官能基含有モノマーとの共重合体などが挙げられる。

[0017] 更に、これらポリオレフイン系榭脂の中でも、プロピレン系榭脂が、耐薬品性、コストの面など力も好ましい。プロピレン系榭脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックなヽしはシンジォタクティックおよび種々の程度の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、 1—ブテン、 1—へキサン、 1 ヘプタン、 4ーメチルー 1 ペンテン等の (Xーォレフインとを共重合させた共重合体を主成分として使用することが望ましい。この共重合体は、 2元系でも 3元系以上でもよぐまたランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。プロピレン系榭脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い榭脂を 2〜25重量％配合して使用することが好ましい。そのような融点が低い榭脂として、高密度ないしは低密度のポリェチレンを例示することができる。

[0018] 基層 (Α)には、必要に応じて無機微細粉末、有機フィラー、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤などを添加することができる。無機微細粉末を添加する場合は、粒径が通常 0. 01〜15 111、好ましくは0. 01〜5 /ζ πιのものを使用する。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、白土、タルク、二酸化チタン、硫酸バリゥム、アルミナ、ゼォライト、マイ力、セリサイト、ベントナイト、セピオライト、バーミキユラィト、ドロマイト、ワラストナイト、ガラスファイバーなどを使用することができる。更に無機微細粉末を使用する場合は、事前にその表面を親水性処理および Ζまたは親油性処理等で表面処理しておくことが望ましぐ表面処理により分散性を向上させ、また基層（Α)に印刷性、塗工適性、耐擦過性、ラベリング適性、 2次カ卩工適性等の様々な性能を付与することが可能である。表面処理剤としては公知の物が使用でき、具体的には、有機フィラーを添加する場合は、主成分である熱可塑性榭脂とは異なる種類の榭脂を選択することが好ましヽ。例えば熱可塑性榭脂フィルムがポリオレフイン系榭脂フィルムである場合には、有機フイラ一としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン 6、ナイロン 6, 6、ポリ環状ォレフイン、ポリスチレン、ポリメタタリレート等の重合体であって、ポリオレフイン系榭脂の融点よりも高、融点（例えば 170〜300°C)な、しはガラス転移温度 (例えば 1 70〜280°C)を有し、かつ非相溶のものを使用することができる。

[0019] (成形）

これらの材料を用いてフィルム化することにより、本発明の基層（A)を成形することができる。基層 (A)の成形する際には、スクリュー型押出機に接続された単層または多層の Tダイや Iダイを使用して溶融榭脂をシート状に押し出すキャスト成形、円形ダィを使用し溶融榭脂をチューブ状に押し出し内部の空気圧力で膨張させるインフレーシヨン成形、混練された材料を複数の熱ロールで圧延しシート状に加工するカレンダー成形、圧延成形などを用いることができる。

[0020] (積層）

基層 (A)は公知の種々の方法により積層することが可能である。具体例としては、フィードブロック、マルチマ-ホールドを使用した多層ダイス方式と、複数のダイスを使用する押出しラミネーシヨン方式などが挙げられる。また、多層ダイスと押出しラミネーシヨンを組み合わせて使用することも可能である。

[0021] (延伸）基層 (A)は通常用いられる種々の方法のいずれかによつて延伸することも可能である。

延伸の温度は、基層 (A)に主に用いる熱可塑性榭脂のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下の熱可塑性榭脂の延伸に好適な公知の温度範囲内で行うことができる。具体的には、基層 (A)の熱可塑性榭脂がプロピレン単独重合体 (融点 155 〜167°C)の場合は 100〜166°C、高密度ポリエチレン（融点 121〜136°C)の場合は 70〜135°Cであり、融点より 1〜70°C低い温度である。また、延伸速度は 20〜35 OmZ分とするのが好まし、。

[0022] 延伸方法としては、キャスト成形フィルムを延伸する場合は、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを使用した横延伸、圧延、テンターオーブンとリユアモーターの組み合わせによる同時二軸延伸などを挙げることができる。また、インフレーシヨンフィルムの延伸方法としては、チューブラー法による同時二軸延伸を挙げることができる。

[0023] 延伸倍率は特に限定されず、基層 (A)に用いる熱可塑性榭脂の特性等を考慮して適宜決定する。例えば、熱可塑性榭脂としてプロピレン単独重合体ないしはその共重合体を使用する時には、一方向に延伸する場合は通常約 1. 2〜12倍、好ましくは 2〜10倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で通常 1. 5〜60倍、好ましくは 4〜50倍である。その他の熱可塑性榭脂を使用する時には、一方向に延伸する場合は通常 1. 2〜10倍、好ましくは 2〜5倍であり、二軸延伸の場合には面積倍率で通常 1. 5〜20倍、好ましくは 4〜12倍である。

[0024] このようにして得られる積層フィルムは、次式（1)で算出された空孔率が通常 5〜60 %、好ましくは 10〜45%の微細な空孔をフィルム内部に多数有するものである。空孔の存在により、空孔が存在しない延伸フィルムと比較してよりしなやかになる。

空孔率 (％) =〔 0— _P ) Z /o 0〕X lOO · ' · (1)

(上式において、は真密度であり、 ρは密度である。 )

[0025] 延伸前の材料が多量の空気を含有するものでない限り、真密度は延伸前の密度にほぼ等しい。

また、空孔を形成することにより基層（Α)の密度が下がり、ラベル付きインモールド成型体 (E)からインモールド用ラベル (C)を分離する際に比重分離し易くなり、インモールド成型体のリサイクルが容易となる。本発明の基層（A)の密度は好ましくは 0. 40〜0. 98gZcm³、より好ましくは 0. 50〜0. 96gZcm³、更に好ましくは 0. 60〜0 . 96gZcm³の範囲である。基層（A)の密度が 0. 98gZcm³以下であれば水での比重分離が容易であり、 0. 40gZcm³以上であればインモールド用ラベル (C)の強度も十分である。

[0026] 基層（A)の肉厚は通常 10〜500 /ζ πι、好ましくは 20〜300 /ζ πιの範囲である。 10 μ m以上であれば印刷やラベルへの加工時に腰が強くて加工が容易になり、また、ラベルとしてのラベリング適性も良好である。 500 μ m以下であれば、インモールド用ラベル (C)全体の肉厚が適度な厚さになるため、ラベル付きインモールド成型体 (E) の形状に影響することもない。

[0027] 基層 (A)は少なくとも 1軸に延伸されていることが好ましい。 2層構造、 3層以上の多層構造のものであってもよぐこの多層構造の延伸軸数が例えば 1軸 Z1軸、 1軸 Z2 軸、 2軸 Z1軸、 1軸 Z1軸 Z2軸、 1軸 Z2軸 Z1軸、 2軸 Z1軸 Z1軸、 1軸 Z2軸 Z 2軸、 2軸 Z2軸 Z1軸、 2軸 Z2軸 Z2軸であっても良い。基層（A)の多層化により印刷性、塗工適性、耐擦過性、ラベリング適性、 2次加工適性等の様々な機能の付カロが可能となる。

[0028] [ヒートシール層 (B) ]

本発明のヒートシール層 (B)は、基層 (A)上に塗工等により設けることができる。本発明のヒートシール層 (B)は、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含んでいるために優れた耐水性を示すとともに、所定のアルカリ水溶液等で処理すればヒートシ一ル層 (B)を選択的に基材 (A)と共に成型体 (D)力も剥離できる。

[0029] ヒートシール層（B)に用いることができる水溶性バインターは、「水溶性'水分散型高分子材料の最新技術動向と工業応用」（日本科学情報社刊）にも詳しく記載されているが、以下に例示されるバインダーが使用可能である。

[0030] まず天然物由来のバインダーとして、澱粉、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシェチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、プノレラン、アルギン酸、グァーガム、ローカストビーンカム、キサンタンガム、ぺクチン、カラギーナン、アラビアガム、ガティガム、クラャガム、トラガントガム、サイリウムシームガム、大豆多糖類、タマリンドシードガム、タラガム、寒天、ファーセレラン、ダルコマンアン、微結晶セルロール、ゥエランガム、カードラン、ジエランンガム、デキストラン、キサンザンガム、キチン、キトサン等が挙げられる。

[0031] さらに化学合成により製造されるバインダーとして、ポリビュルアルコール、ポリアタリル酸系ポリマー、エチレンイミン系ポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸系ポリマー、ポリエチレン誘導体、ポリビニルピロリドン系共重合体、ポリビュルァセトアミド、ポリジォキソシラン、ポリビュルフエノール、ポリグリセリン、ポリマレイン酸系共重合体、ポリイタコンサン酸系共重合体、 2—アタリロアミノー 2メチルプロパンスルホン酸ソーダ系共重合物、ナフタレンスルホン酸縮合物、ポリスチレンスルホン酸アンモ-ゥム塩、（メタ）ァクロィルォキシェチルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ポリジァリルジメチルアンモ -ゥムクロライド、ジシアンジアミド系縮合物、ェピクロジメチルァミン縮合物、ジメチルアミン.エチレンクロライド縮合物、アミノメチル系ポリアクリルアミド、ポリビュルァミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリビュルイミダゾリン、ポリビュルべンジルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ポリビニルァセトアミド.ビニルァミン共重合物等が挙げられる。

[0032] 上記水溶性バインダーは、親水基の種類により非イオン性水溶性バインダーと、ィオン性バインダーに大別され、さらにイオン性水溶性バインダーはカチオン性、ァニオン性もしくは両イオン性バインダーに細分ィ匕される。本発明では、基層（A)との密着性を維持するために、イオン性水溶性バインダーを用いることが好ましぐ特に基層（A)にポリオレフイン系榭脂を含有する場合は、カチオン性水溶性バインダーを用いるのが基層 (A)との密着性が優れており、より好ましい。

[0033] カチオン性水溶性バインダーの例としては、上記水溶性ポリマー例示物中、ェチレンィミン系ポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビュルァセトアミド、（メタ）ァクロィルォキシェチルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ポリジァリルジメチルアンモ -ゥムクロライド、ジシアンジアミド系縮合物、ェピクロジメチルァミン縮合物、ジメチルァミン.エチレンク口ライド縮合物、アミノメチル系ポリアクリルアミド、ポリビュルァミン、ポリアクリル酸ヒドラジド、ポリビュルイミダゾリン、ポリビュルべンジルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ポリビニルァセトアミド 'ビニルァミン共重合物等が挙げられる。

カチオン性水溶性バインダーの中でも、エチレンイミン系ポリマーが好ましい。

[0034] 本発明のヒートシール層 (B)はヒートシール榭脂を含有する。ヒートシール榭脂は熱可塑性榭脂であることが好まし、。特に融点 50〜120°Cの熱可塑性榭脂であることが実用上好ましぐ融点 60〜110°Cの熱可塑性榭脂であることが特に好ましい。融点が 50°C以上であれば、ベタつきによるラベル同士のブロッキングをより効果的に防ぐことができ、 120°C以下であれば、成型体 (E)への密着性をより高くしゃすい。

[0035] ヒートシール層 (B)に用いることができるヒートシール榭脂としては、例えば、アタリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合体、塩化ビニル系重合体、塩ィ匕ビ-リデン系重合体、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ榭脂、石油榭脂、ロジンエステル、シリコン榭脂、アルキッド榭脂、ポリブタジエン、ブタジエン共重合体、ポリブテン、ブチルゴム、ポリプロピレン、ポリクロ口プレン、ポリイソプレンなどの榭脂が使用できる。これらの中では、アクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、スチレン系重合体が好ましぐより具体的な例としては、エチレン 'アクリル酸共重合体、エチレン 'メタアクリル酸共重合体、エチレン 'アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン.酢酸ビュル共重合体、スチレン.ブタジエン共重合体などが挙げられる。

[0036] 本発明のヒートシール層 (B)におけるヒートシール榭脂と水溶性バインダーの配合割合は、ヒートシール榭脂 30〜99重量％に対して水溶性バインダー 70〜1重量⁰ /₀ であることが好ましぐヒートシール榭脂 50〜99重量％に対して水溶性バインダー 50 〜1重量％であることがより好ましぐヒートシール榭脂 75〜99重量％に対して水溶性バインダー 25〜1重量％であることがさらに好ましい。水溶性バインダーの割合が 70重量％以下であれば密着性をより高くしゃすぐ 1重量％以上であればデラベリング性をより高くしゃすい。

[0037] ヒートシール層 (B)は水溶性バインダーを含むことから水性塗料として調製することが好ましい。具体的には、該成分を調製した水性塗料を基層 (A)の表面に塗布して乾燥することによりヒートシール層（B)を形成することが好ましい。環境面でも溶剤を使用しな、水性塗料を用いることが望ま、ことから、ヒートシール榭脂は例えばエマルジョン重合されたものや、懸濁重合したもの、あるいは押し出し機などで機械的に粉砕して水溶媒中に分散させたもの等の水系ディスパージヨンを用いて調製することが好ましい。

[0038] ヒートシール層 (B)には、耐水性を更に向上するために、架橋剤を含有することが好ましぐその具体的な例としては、エポキシ化ポリアミドポリアミン、尿素 'ホルマリン榭脂、メラミン 'ホルマリン榭脂、ジアルデヒドデンプン、多官能エポキシ系架橋剤、力ルボジイミド系架橋剤、ダリオキザール、ォキサゾリン系架橋剤、ホウ砂、硝酸ジルコ -ゥム塩等が挙げられる。更には必要に応じて、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、水性染料、着色顔料等を適宜添加することができる。

[0039] 基層 (A)とヒートシール層 (B)の積層は、公知の塗工方法により行われる。具体的には、ロール塗工、ブレード塗工、バー塗工、エアーナイフ塗工、グラビア塗工、リバース塗工、ダイ塗工、リップ塗工、スプレー塗工、コンマ塗工、サイズプレス塗工、またはこれらの組み合わせによる塗工手段を用いることができる。

[0040] ヒートシール層 (B)の乾燥塗工量は、使用する基材フィルムにより適宜選択される 1S 通常 ίま 0. 05〜30g/m²力 S女子ましく、 0. l〜20g/m²力り女子ましく、 0. 2〜： LOg /m²が更に好ましい。

[0041] 乾燥塗工量が 0. 05gZm²以上であれば、インモールド成型の際に十分な接着強度を発揮することができる。また乾燥塗工量が 30gZm²以下であれば、インモールド成型する際に溶融したヒートシール層 (B)がラベルからはみ出て金型に付くことがなぐ連続成型しても金型にラベル形状が残ってラベル付きインモールド成型体 (E)の見栄えが悪くなることもない。

また塗工量が多くなると、 1回の塗工では塗工しきれず、複数回の重ね塗工が必要となり生産コストも高くなること等の問題が生じる。

[0042] [印刷層（F) ]

本発明のインモールド用ラベル (C)は、必要に応じて、ヒートシール層（B)の外側に印刷層（F)を設けることができる。この印刷層（F)を介してインモールド用ラベル（ C)を透明な成型体 (D)に付することにより、成型体 (D)を通して印刷層（F)に施した図形や文字を見ることができる（図 4)。この場合、従来よりも装飾性が優れたインモールド成型体 (E)を得ることができる。また、この様なインモールド用ラベル (C)を得る方法として、ヒートシール層 (B)を形成する前に基層 (A)に印刷層（F)を設ける手法もあるが、印刷後に都度ヒートシールカ卩ェをしなければならないので、加工が面倒でありヒートシール層（B)の品質が安定しない欠点がある。このため本発明では、基層（ A)上にヒートシール層 (B)を形成したうえで、さらにそのヒートシール層 (B)の上に印刷層（F)を設ける。本発明によれば、印刷層（F)の面積率により成型体 (D)に対するインモールド用ラベル (C)の密着性を制御することが可能であり、成型体 (D)とインモールド用ラベル (C)の分離を容易にすることができる。

[0043] 本発明のインモールド用ラベル (C)はヒートシール層 (B)上に印刷層（F)を設けることができるが、ラベル全面の 90%を超えて、例えばヒートシール層（B)の全面に印刷してしまうと成型体 (D)への充分な密着性が得られない。また、本発明は成型体（ D)を通して印刷層（F)の図形や文字が見える様に設計することが望ましいことから、印刷層（F)の印刷面積はインモールド用ラベル (C)全体に対して通常 1〜90%、好ましくは 5〜80%、より好ましくは 5〜70%の範囲にする。

[0044] 印刷層（F)の形成はオフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタ一プレス印刷、インクジット記録方式、感熱記録方式、熱転写記録方式、電子写真記録方式などの公知の手法を用いることが可能である。また、印刷層（F)の形成に用いるインクは、公知文献 (印刷インキ入門相原次郎著印刷学会出版部発行）に詳しく説明されているすべてのインクが適用可能である力印刷インキ盛量が少なぐかつ色彩諧調性に優れたオフセットインク、フレキソインクが好ましい。インクの乾燥方式としては、基材との密着性に優れた酸化重合乾燥型、熱重合乾燥、光重合乾燥型インクが好ましい。具体的には、オフセットインクとしては、東洋インキ製造 (株)社製 TSP- 400、T&K ΤΟΚΑ社製ベスト- SPおよび同社製 BC- 161等が、フレキソィンクとしては、久保井インク（株）社製 UV-Ace FX- 1、Τ&Κ ΤΟΚΑ社製フレキソ Ρ AC- MPおよび同社製 UVフレキソ CF等が挙げられる。

[0045] [その他の印刷]

本発明のインモールド用ラベル (C)は、必要により基材 (A)の表面 (ヒートシール層 (B)を設ける面とは反対の面）にも印刷を行うこともできる。力かる印刷には、上記の印刷層 (F)と同様の手法を用いることができる。該表面には金属蒸着等、印刷以外の公知の装飾を施しても良、。

[0046] [成型体 (D) ]

本発明のインモールド用ラベル (C)は、種々の材質を有する成型体 (D)にインモールド成形により付することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレンなど力もなる成型体に使用でき、中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを用いるのが好ましい。溶融温度の高いポリエチレン、ポリプロピレン等と組み合わせて使用すると、より強い密着性が得られ好ましい。比重が水よりも重いポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン等と組み合わせて使用すると、ラベル (C)と成型体 (D)の比重による分離が容易であり好ましい。

[0047] 成型体 (D)の成型には公知の手法が用いられる。たとえば溶融した榭脂を金型に流し込むインジェクション成型、溶融した榭脂を円形のダイ力チューブ状に押出し金型内部で溶融状態のまま膨らませるダイレクトブロー成型、インジェクション成型により形成されたプリフォーム (小型容器形状成型体)を適宜成型温度に調整後に容器形状に膨らませるインジェクションブロー成型、成型したプリフォームを榭脂の融点より低い温度で延伸ロッドと空気圧により容器形状に膨らませる延伸ブロー成型、シート状に成型した榭脂を加熱により軟化させ差圧により金型形状に加工するサーモフォ一ミング成型、金型内で榭脂を溶融して圧力により金型形状に加工する圧縮成型などが挙げられる。

本発明はこれら成型手法何れにも適応でき、特に成型温度が低く従来のインモールド用ラベルでは充分な密着力を得ることが困難で有った延伸ブロー成型にも対応できる利点を有する。

[0048] [インモールド用ラベルの密着性]

本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)におけるインモールド用ラベル (C)と成型体 (D)は、密着性が高ぐ水に対する耐久性が高い。すなわち、ラベル付きインモールド成型体 (E)を手などで変形させても、成型体 (D)へのラベル (C)の追従性が高く剥がれにくい。また、ラベル付きインモールド成型体 (E)を 40°Cの水に 4日間浸しても、ラベル (C)と成型体 (D) [例えばポリエチレンテレフタレート成型体 (D) ]は剥離しない。なお、ここでいう「剥離しない」とは、まったくラベル (C)が成型体 (D)から剥がれて、な、状態と、部分的には剥がれて、るものの過半量は剥がれて、な!/、 (ラベル (C)の全面積の 50%未満は剥がれて、るが 50%以上は成型体 (D)に付、てヽる）状態との両方を含む。

[0049] [インモールド用ラベルのデラベリング性]

本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)におけるインモールド用ラベル (C)と成型体 (D)は、 40°Cよりも高い温水中に浸すことにより分離する。かかる温水の温度は、好ましくは 70〜100°C、より好ましくは 75〜100°C、更に好ましくは 80〜95°Cであり、通常の温水であっても良いしアルカリ水であっても良い。短時間で分離を達成するためにはアルカリ水を用いるのが好ましい。アルカリ水を使用する場合は、 PET ボトルリサイクル推進協議会の自主設計ガイドラインに記載されている様な 1. 5重量 %アルカリ濃度水が望ま、。インモールド用ラベル (C)を成型体 (D)から分離する際には、温水やアルカリ水の中で本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)を静置してもよいし、温水やアルカリ水を攪拌したり、ラベル付きインモールド成型体 (E) に振動を与えてもよい。また、インモールド用ラベル (C)に集中的に温水やアルカリ水を放水してもよい。さらに、インモールド用ラベル (C)の上力圧力をかけて前後に振動させること〖こよって、分離時間を短縮してもよい。本発明のラベル付きインモールド成型体 (E)では、これらの分離操作によってヒートシール層 (B)が成型体 (D)上に残存しな!ヽと!ヽぅ特徴を有する。

実施例

[0050] 以下に実施例、比較例および試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。

以下に示す材料、使用量、割合、操作等は、本発明の精神力ゝら逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。

[0051] 本発明の製造例に使用する榭脂組成物を表 1にまとめて示す。 sl〔〕^ mili0052Q

1 〔5 ジァリルアミン塩酸塩（60重量％濃度水溶液） 500重量部と、アクリルアミド (40重量 %濃度水溶液） 13重量部および水 40重量部を入れ、窒素ガスを流入させながら系内温度を 80°Cに昇温した。攪拌下で、滴下ロートを用いて重合開始剤と過硫酸アンモニゥム（25重量％濃度水溶液) 30重量部を 4時間に渡り滴下した。滴下終了後 1 時間反応を続け、粘稠な淡黄色液状物を得た。これを 50g取り、 500ml中のアセトン中に注いで白色の沈殿を生じさせた。沈殿を濾別しさらに 2回 100mlのアセトンでよく洗浄した後、真空乾燥して白色固体状の重合体 (水溶性カチオンコポリマー)を得た。得られた重合体の GPCより求めた重量平均分子量は 55, 000であった。

[0053] (調製例 2)表面処理重質炭酸カルシウムの調製

重質炭酸カルシウム (平均粒子径 8 m、日本セメント社製乾式粉砕品) 40重量％と水 60重量％を充分に攪拌混合してスラリー状とし、調製例 1にて製造した表面処理剤を重質炭酸カルシウム 100重量部当たり 0. 06重量部加え、テーブル式アトライタ一型媒体攪拌ミル（直径 1. 5mmのガラスビーズ、充填率 170%、周速 lOmZsec) を用いて湿式粉砕した。次いで、主成分が炭素数 14のアルカンスルホン酸ナトリウムと炭素数 16のアルカンスルホン酸ナトリウムの混合物（2重量％濃度水溶液） 50部を加えて攪拌した。次いで 350メッシュのスクリーンを通して分級し、 350メッシュを通過したスラリーを媒体流動乾燥機 ( (株)奈良機械製作所製 MSD— 200)で乾燥した。得られた炭酸カルシウムの平均粒子径をマイクロトラック（日機装 (株)製)測定したところ 1. であった。このものは表 1中の熱可塑性榭脂組成物 dの材料として用いている。

[0054] (製造例 1)基層 Aの製造 1

熱可塑性榭脂組成物 aを 230°Cに設定した押出機にて混練した後、 250°Cに設定した押出ダイに供給しシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを 140°Cに加熱して縦方向に 4倍延伸した。可塑性榭脂組成物 cを 250°Cに設定した押出機で混練した後、シート状に押し出し、上記 4倍延伸フィルムの裏面に積層し、更に熱可塑性榭脂組成物 dを 250°Cに設定した押出機で混練した後、シート状に押し上記 4倍延伸フィルムの表面に積層し、 3層構造の積層フィルムを得た。次いで、この 3層構造の積層フィルムを 60°Cまで冷却し、テンタ一オーブンを用、て再び約 140°Cに加熱して横方向に 10倍延伸した後、 160°Cに調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後 60°Cに冷却して耳部をスリットし、 3層〔（(17&7じ）= (30740730) ^ 111 :延伸層構成（1軸72軸71軸)〕構造の肉厚 100 /ζ πι、密度 0. 86gZcm³の白色積層フィルムを得た。

[0055] (製造例 2)基層 Aの製造 2

熱可塑性榭脂組成物 aと熱可塑性榭脂組成物 bを、それぞれ 230°Cに設定した押出機にて混練した後、 250°Cに設定した一台の共押出ダイに供給し、ダイ内で bZa Zbの順に積層したものをシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して 3層の無延伸シートを得た。この無延伸シートを 150°Cに加熱して縦方向に 5倍延伸した。次、で 60°Cまで冷却した後、再び 150°Cまで加熱してテンターで横方向に 8倍延伸し、 160°Cでアニーリング処理し、 60°Cまで冷却した。その後、コロナ放電処理し、次いで耳部をスリットし、 3層〔(bZaZb) = (10Z60ZlO) /z m:延伸層構成（2軸 Z2 軸 Z2軸)〕構造の肉厚 m、密度 0. 76gZcm³の白色積層フィルムを得た。

[0056] (製造例 3)基層 Aの製造 3

熱可塑性榭脂組成物 eを 230°Cに設定した押出機にて混練した後、 250°Cに設定した押出ダイに供給しシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートをコロナ放電処理し、次いで耳部をスリットし、肉厚 100 μ m、密度 0. 89gZcm³の透明フィルムを得た。

[0057] (製造例 4)基層 Aの製造 4

熱可塑性榭脂組成物 eを 230°Cに設定した押出機にて混練した後、 250°Cに設定した押出ダイに供給しシート状に押し出し、これを冷却装置により冷却して無延伸シートを得た。この無延伸シートを 150°Cに加熱して縦方向に 5倍延伸した。この縦延伸フィルムを 60°Cまで冷却し、テンターオーブンを用、て再び約 150°Cに加熱して横方向に 8倍延伸した後、 160°Cに調整した熱セットゾーンにより熱処理を行った。その後 60°Cに冷却して耳部をスリットし、肉厚 80 m、密度 0. 91gZcm³の透明フィルムを得た。

[0058] (実施例 1〜5、比較例 1〜2)インモールド用ラベルおよびラベル付きインモールド成型体の製造表 2に記載したヒートシール性榭脂のディスパージヨン、水溶性バインダー、紙力増強剤、ブロッキング防止剤、および水を、表 3に記載される組成と固形分濃度になるように混合して水性塗料 (水系コート剤)を調製した。この水性塗料をスロットダイコータ一にてライン速度 20mZminで表 3に記載される製造例 1〜4の基層 (A)の表側にそれぞれ塗工し、 80°Cに設定した乾燥温度にて長さ 10mのオーブンで乾燥して、 7 種類のインモールド用ラベル (C)を得た。得られた各インモールド用ラベル (C)のヒ一トシール層 (B)の乾燥後塗工量は表 3の通りであった。

[0059] (実施例 6〜9、比較例 3)インモールド用ラベルおよびラベル付きインモールド成型体の製造

前記実施例 1〜4にて得たインモールド用ラベル (C)のヒートシール層 (B)に更に、下記の印刷条件にて図 2の如く網点の UVフレキソ印刷を施し、 5種類のインモールド用ラベル (C)を得た。比較例 3の面積率 100%はベタ印刷を行った。

得られたインモールド用ラベル (C)の印刷層（C)の面積率は表 3の通りであった。印刷機： MA- 830 (Mark Andy社製）

インク： UV- Ace FX- 1藍 (久保井インク (株)製）

ァ-ッロックスロール： 300線

印刷速度： 30mZmin

UV照射量： 80WZm²

[0060] [表 2]

表 2

[0061] 各実施例、比較例にて得たインモールド用ラベル（C)を高さ 70mm、幅 90mmに切り抜き、図 1, 2に示すインモールド用ラベルのヒートシール層（B)の反対のラベル基層表面 (A— 1)が、図 3に示す延伸ブロー成型機 (ョーキ産業 (株)製、商品名： P ET- 2W型）の 25°Cに設定された金型（2)の内壁（2— a)に接するように真空減圧吸引孔 (4)から減圧吸引して装着固定した。その後、予めインジェクション成型機にてプリフォーム（3,小型容器形状）に成型したポリエチレンテレフタレート（日本ュ- ペット (株)製、商品名：ュ-ペット RT543)を赤外線ヒーターにて 95°Cに加熱し、金型保持時間 10秒で延伸ブロー成型し、高さ 200mm、胴回り 210mmの円筒型ラベル付きインモールド成型体 (E)を得た。

[0062] また、これとは別に、各実施例、比較例にて得たインモールド用ラベル (C)を高さ 7 Omm、幅 90mm〖こ切り抜き、図 4に示すように、ヒートシール層（B)の反対のラベル基層表面 (A— 1)が中空容器製造用成型機の 25°Cに設定された金型（12)の内壁 ( 12— a)に接するように真空減圧吸引孔（14)力減圧吸引して装着固定した。その後 200°Cに加熱溶融したポリプロピレン（日本ポリプロピレン (株)製:商品名「EG8」）をショットサイクル 12秒でダイレクトブロー成型しラベル付きインモールド成型体（E) を得た。

[0063] 更に、各実施例、比較例にて得たインモールド用ラベル (C)を高さ 70mm、幅 90m mに切り抜き、図 4に示すように、ヒートシール層（B)の反対のラベル基層表面 (A—1 )が中空容器製造用成型機の 15°Cに設定された金型（ 12)の内壁（ 12— a)に接するように真空減圧吸引孔（14)力も減圧吸引して装着固定した。その後 180°Cに加熱溶融した高密度ポリエチレン（日本ポリエチレン (株)製:商品名「HB330」）をショットサイクル 18秒でダイレクトブロー成型しラベル付きインモールド成型体 (E)を得た。

[0064] (試験例）

得られた各ラベル付きインモールド成型体 (E)の密着性、耐水密着性、デラベリング性を以下のようにして評価した。

[0065] (1)密着性

ラベル付きインモールド成型体 (E)を手で変形させ、成型体へのラベルの追従性を観察して以下の 4段階で評価した。

極めて良好 (◎) ラベルが成型体の変形に追従し剥がれな、。

良好 (〇）ラベルが部分的に剥がれる。

やや良好 (△) ラベルの面積の半分以上が剥がれる。

不良（X ) ラベルが完全に剥がれる。

[0066] (2)耐水密着性

ラベル付きインモールド成型体 (E)を 40°Cの水（水道水）に 4日間浸し、成型体へのラベルの追従性を観察して以下の 4段階で評価した。

良好 (〇）ラベルが部分的に剥がれる。

やや良好 (△) ラベルの面積の半分以上が剥がれる。

不良（X ) ラベルが完全に剥がれる。

[0067] (3)デラベリング性ラベル付きインモールド成型体 (E)を水酸ィ匕ナトリウム (和光純薬製:試薬 1級)を 1 . 5重量％に溶解した 80°Cの温水（水道水）に 15分間浸け、ラベルの剥がれ具合を観察して以下の 4段階で評価した。

極めて良好（◎) 10分以内にラベルが剥離し、成型体にヒートシール層が残らない。

良好（〇） 15分以内にラベルが剥離し、成型体にヒートシール層が残らないやや良好（△) 剥離はするが成型体にヒートシール層が残る。

不良（X ) 剥離しない。

以上の評価の結果をまとめて表 3に記す。

[表 3]

[0069] 本発明のインモールド用ラベルを用いれば、成型体に対するラベルの密着性とデラベリング性がともに優れて、るラベル付きインモールド成型体を容易に製造することができる。また、本発明のラベル付きインモールド成型体は、清涼飲料、酒、醤油、油、洗剤容器などとして多方面に利用可能であり、応用範囲は極めて広い。また、使用後にラベルと容器の分離が容易であり、リサイクル性に優れていることから需要も多いと期待される。

図面の簡単な説明

[0070] [図 1]本発明のインモールド用ラベルの一様態の断面図である。

[図 2]本発明のインモールド用ラベルの別様態の断面図である。

[図 3]ラベル付き PETボトル製造用のインモールド成型機の断面図である。

[図 4]ラベル付きポリプロピレンボトルまたはポリエチレンボトル製造用のインモールド成型機の断面図である。

[図 5]本発明のラベル付きインモールド成型体の一様態の外観図である。 (a)は正面斜視図、（b)は背面斜視図である。

[0071] 図中、 Aは基層、 A—1はラベル基層表面、 Bはヒートシール層、 Cはインモールド用ラベル、 Dは成型体、 Eはラベル付きインモールド成型体、 Fは印刷層、 2と 12は金型、 2— aと 12— aは内壁、 3はプリフォーム、 4と 14は吸引孔、 5は延伸ロッド、 6はダイ、 7はパリソン、 8は空気吹き込みノズルである。

Claims

請求の範囲

[1] 熱可塑性榭脂を含む基層 (A)と、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)とを含むインモールド用ラベル (C)が成型体 (D)に付されたラベル付きインモールド成型体 (E)であって、該ラベル付きインモールド成型体 (E)を 40°Cの水に 4日間浸してもインモールド用ラベル (C)と成型体 (D)が剥離しな、ラベル付きインモールド成型体（E)。

[2] インモールド用ラベル (C)が熱可塑性榭脂を含む基層 (A)、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)、および印刷層（F)を順に有するものであつて、印刷層（F)の印刷面積がラベル全体の 1〜90%である請求項 1に記載のラベル付きインモールド成型体（E)。

[3] 印刷層（F)の印刷面積がラベル全体の 5〜80%である請求項 2に記載のラベル付きインモールド成型体（E)。

[4] ラベル付きインモールド成型体 (E)を 80°Cの 1. 5重量⁰ /₀水酸ィ匕ナトリウム水溶液に 15分間浸したとき、インモールド用ラベル (C)が成型体 (D)から剥離し、成型体 (D) にヒートシール層 (B)が残らない請求項 1〜3のいずれか一項に記載のラベル付きィンモールド成型体（E)。

[5] 水溶性バインダーがカチオン性水溶性バインダーである請求項 1〜4のヽずれか一項に記載のラベル付きインモールド成型体 (E)。

[6] ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含む水性塗料を基層 (A)上に塗布して乾燥することによりヒートシール層 (B)が形成された請求項 1〜5に記載のラベル付きィンモールド成型体（E)。

[7] ヒートシール層 (B)が融点 50〜120°Cの熱可塑性榭脂 30〜99重量％および水溶性バインダー 70〜1重量％を含む請求項 1〜6のいずれか一項に記載のラベル付きインモールド成型体（E)。

[8] 基層（A)の密度が 0. 40-0. 98gZcm³である請求項 1〜7のいずれか一項に記載のラベル付きインモールド成型体 (E)。

[9] 基層 (A)の熱可塑性榭脂がポリオレフインである請求項 1〜8の、ずれか一項に記載のラベル付きインモールド成型体 (E)。

[10] 成型体（D) iS インジェクション成型、ダイレクトブロー成型、インジェクションブロー成型、延伸ブロー成型、サーモフォーミング成型および圧縮成型からなる群より選択される成型法により成型された請求項 1〜9のいずれか一項に記載のラベル付きインモールド成型体（E)。

[11] 成型体 (D)力ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビュル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリカーボネートおよびポリスチレン力もなる群より選択される材料力もなる請求項 1〜： LOのいずれか一項に記

載のラベル付きインモールド成型体 (E)。

[12] 熱可塑性榭脂を含む基層 (A)と、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)とを含むインモールド用ラベル（C)であって、該インモールド用ラベル (C)を成型体 (D)に付したラベル付きインモールド成型体 (E)を 40°Cの水に 4日間浸してもインモールド用ラベル (C)と成型体 (D)が剥離しな、インモールド用ラベル ( C)。

[13] 熱可塑性榭脂を含む基層 (A)、ヒートシール榭脂と水溶性バインダーを含むヒートシール層 (B)、および印刷層（F)を順に有するインモールド用ラベル (C)であって、印刷層（F)の印刷面積がラベル全体の 1〜90%である請求項 12に記載のインモールド用ラベル (C)。

[14] 印刷層（F)の印刷面積がラベル全体の 5〜80%である請求項 13に記載のインモ一ルド用ラベル (C)。

[15] ラベル付きインモールド成型体 (E)を 80°Cの 1. 5重量⁰ /₀水酸ィ匕ナトリウム水溶液に 15分間浸したとき、インモールド用ラベル (C)が成型体 (D)から剥離し、成型体 (D) にヒートシール層 (B)が残らない請求項 12〜 14のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル (C)。

[16] ヒートシール層 (B)力融点 50〜120°Cの熱可塑性榭脂 30〜99重量％および水溶性バインダー 70〜1重量％を含む請求項 12〜 15のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル（C)。

[17] 水溶性バインダーがカチオン性水溶性バインダーである請求項 12〜16のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル (C)。

[18] 基層（A)の密度が 0. 40-0. 98gZcm³である請求項 12〜17のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル (C)。

[19] 基層 (A)の熱可塑性榭脂がポリオレフインである請求項 12〜18のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル (C)。

[20] 水性塗料を基層 (A)上に塗布して乾燥することによりヒートシール層 (B)が形成された請求項 12〜 19の、ずれか一項に記載のインモールド用ラベル (C)。

[21] 成型体 (D)力ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビュル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドおよびポリスチレン力もなる群より選択される材料力もなる請求項 12〜20のいずれか一項に記載のインモールド用ラベル（C)。