データ処理装置及ぴデータ処理方法
技術分野
本発明は、 番組を録画する技術に関する。 より具体的には、 本発 明
明は、 番組のデータをハードディスク等の大容量メディァに書き込 糸
む際に、 他の機器での視聴等のために、 DVD— RAM、 メモリ力 一ド等のより小さな容量のリムーバブルメディァにコピーまたは移 動することを容易にする技術に関する。
背景技術
放送番組等の録画装置として DVDレコーダが急速に普及しつつ ある。 DVDレコーダの多くは、 番組の映像および音声の信号を符 号化し、 そのデータを D VD— RAM等の光ディスクメディァに記 録することが可能である。 例えば、 映像は MP E G— 2 (Moving Picture Coding Experts Group 2) 規格に準拠した方式で圧縮符号 化される。
D VDレコーダのうち、 ハードディスクドライブ (以下 HD Dと 称す) を内蔵したモデルが人気を集めている。 多くのユーザは、 ま ず初めにハードディスクに番組を一旦録画し、 その後、 ハ一ドディ スク上の番組データを D V D— R A M等のリムーバブルメディアに 書き込むことによって番組を保存する、 という使い方をしている。
最近では、 録画した番組のデータをメモリカードにコピーして、 対応する再生機器で視聴する使い方も提案されている。 例えば八一 ドディスクに M P E G_ 4 (Moving Picture Coding Experts Group 4)規格に準拠した方式で記録し、 メモリカードにコピーすることに より、 再生に対応する携帯電話端末や携帯情報端末 (PDA) 等の モパイル機器で視聴することができる。
一般に、 ハードディスクに録画された番組のデータサイズは大き いため、 DVD— RAMやメモリカード等の容量のメディァには収 まりきらないことがある。 そのようなときは、 番組の全てを他の機 器で再生したい場合には、 編集等によって複数枚の D VD— RAM またはメモリカードに保存する必要がある。 日本国特開 2 0 0 3— 1 0 9 3 0 0号公報には、 ハードディスクに番組を録画する際に、 より小容量のメディァへ番組データ保存する際に利用可能なマーカ 一情報 (エントリーポイント情報) が開示されている。 具体的に説 明すると、 ハードディスクに、 映像データとこれを管理する管理情 報とを記録するときに、 あらかじめ管理情報に DVD— RAMメデ ィァの記録容量 (4. 7ギガバイ 卜) 単位でマーカ一情報 (ェント リポイント情報) を自動的に発生させている。 例えばダビング時に はマーカ一単位で映像データを D VD— RAMに保存することがで きる。
しかしながら、 上述した技術には以下のような問題点がある。 第 1の問題点は、 マーカー情報を他の目的に使用することができない ことである。 例えば、 番組中に挿入される CMの開始点や終了点に
ユーザが自らマーカ一情報を設定すると、 そのマーカー情報が 4 . 7ギガバイトの区切りを示しているのか、 C Mの開始 Z終了点を示 しているのかが判断できない。 よって、 ダビング時にマーカー単位 で D V D— R A Mへ保存すると、 正しく 4 . 7 G B単位で保存する ことができない。 また、 ュ一ザがあやまってマ一力一情報を消去し てしまうという可能性も考えられる。
次に、 第 2の問題点は、 マーカー情報による管理の仕組みが存在 しない記録フォーマツトでは、 この処理を利用できないことである。 例えば、 M P E G 4方式で記録する場合の多くは、 1つの番組デー 夕が 1つのフアイル単位で管理されており、 D V D— R A Mの記録 フォーマットのようなマーカー情報 (エントリーポイント情報) を 管理するための管理情報ファイルがない。 そのため、 容量の区切り を示す情報を付加することが困難である。
なお、 独自に管理情報ファイルを作成し、 マーカー情報を管理す ることは技術的に可能である。 しかしながら、 これでは録画機器の メ一力毎に取り扱いが異なり、 ユーザは非常に不便である。
また、 例えば M P E G 4方式では、 マーカーを目印にして映像フ アイルを部分的に複製し、 または分割することが困難であったり、 処理に大きな負担がかかる。 M P E G 4方式のうち、 A S F (Advanced Sys t em Format)方式によって映像および音声のデータを 多重化する例を考える。 マーカー位置以降の映像データを 1つの A S F形式のファイル ( A S Fファイル) としてメディァに記録する ためには、 新たな A S Fファイルを生成することを要するのみなら
ず、 元の A S Fファイルのヘッダを書き換え、 データパケット内に 格納されているタイムスタンプを書き換え、 さらにドライブ装置の シ一ク動作のために付与されているインデックス情報の書き換える 必要がある。
また、 A S Fファイルをマ一カー位置以降で分割するとき、 A S Fストリームの再多重化処理が必要である。 図 1 1は、 A S Fスト リームの分割処理の手順を示す。 A S Fストリームが格納された A S Fファイル 1 1のへッダ部とインデックス部との間には、 デ一タ パケット p k t ( 1 )、 · · · 、 p k t ( z ) を含むデータ部が存在 する。 いま、 マーカ一がデータパケッ ト p k t ( x) に設けられて いるとし、 デ一夕パケット p k t (x - 1 ) と p k t (x) との間 で A S Fファイル 1 1を分割することを考える。
単にファイルを分割し再多重化処理をしないときは、 多くの場合、 分割後のデータパケット P k t (x) のデータ先頭位置に余剰デー タ V i _ 1が発生する。 これはデータパケットの先頭にはピクチャ データの先頭データが格納されている保証はなく、 1つのピクチャ のデータが前のデータバケツ卜から引き続き格納されていることが 多いからである。 この余剰データ V i — 1は、 再生動作に影響を及 ぼす可能性がある。 よって再多重化処理を行い、 データパケット P k t ' ( x ) に示すように、 必ずピクチャ V iの先頭からデータが 格納されるようにする必要がある。 具体的には、 余剰データ V i — 1を除去し、 データパケットに配置すべき映像および音声データを 前に詰める必要がある。 データの格納位置の変更を伴うため、 上述
の処理は、 分割後の新たな A S Fファイル 1 1— 2に記述される全 てのバケツトのデータを対象として行わなければならない。
上述の処理を行うためには映像データの解析が必要であり、 非常 に煩雑である。 すなわち、 録画機器には非常に大きな処理負荷を与 え、 ダビング時の処理速度の低下をもたらす。 また、 M P E G 2規 格のデータを一旦デコードして M P E G 4規格のデータにェンコ一 ドしなおす処理 (再エンコード処理) を行ってダビングする場合に は、 元のデータに付加されたマーカー情報は役に立たない。
本発明の目的は、 汎用的な方法により、 メディアへのコピーまた は移動時に元のデータを編集することなく、 番組データをリムーバ ブルなメディァへ容易に保存可能な技術を提供することにある。 発明の開示
本発明によるデータ処理装置は、 第 1記録媒体および着脱可能な 第 2記録媒体にデータを記録することが可能である。 データ処理装 置は、 映像または音声に関する信号を受信する受信部と、 前記信号 に基づいて、 前記第 1記録媒体および前記第 2記録媒体に記録する ことが可能な少なくとも 1種類の符号化デ一夕を生成するェンコ一 ダと、 前記符号化データを受け取って、 前記符号化データの少なく とも一部を格納したデータファイルを生成する制御部であって、 前 記第 2記録媒体に記録可能なデ一タ量に基づいて前記データフアイ ルのファイルサイズを設定する制御部と、 前記データファイルを前 記第 1記録媒体に記録するドライブ装置とを備えている。
前記データ処理装置は、 前記第 1記録媒体に記録された前記デー 夕ファイルを、 前記第 2記録媒体に書き込んでもよい。
前記データファイルは、 前記符号化データの少なくとも一部を格 納したデータ部、 前記データ部に格納されたデ一夕の記録時の属性 に関する管理情報を格納したヘッダ部、 および、 前記データ部に格 納されたデータの再生単位の位置を特定する位置情報を含むィンデ ックス部から構成されている。 前記ファイルサイズは、 前記ヘッダ 部、 前記データ部および前記ィンデックス部の各データ量の合計値 として規定されてもよい。 前記制御部は、 前記合計値を前記第 2記 録媒体に記録可能なデ一夕量以下に調整して前記データファイルを 生成してもよい。
前記エンコーダは、 符号化方式の種類が異なる第 1符号化データ および第 2符号化データを生成し、 前記制御部は、 前記第 1符号化 データに対しては前記データファイルを生成し、 かつ、 前記第 2符 号化データに対しては、 前記第 2記録媒体に記録可能なデータ量に 依存しないデータファイルを生成してもよい。
前記エンコーダは、 M P E G 4規格に準拠した前記第 1符号化デ 一夕、 および、 M P E G 2規格に準拠した前記第 2符号化データを 生成してもよい。
本発明のデータ処理方法は、 第 1記録媒体および着脱可能な第 2 記録媒体にデータを記録することが可能である。 データ処理方法は、 映像または音声に関する信号を受信するステツプと、 前記信号に基 づいて、 前記第 1記録媒体および前記第 2記録媒体に記録すること
が可能な少なくとも 1種類の符号化データを生成するステップと、 前記符号化データを受け取って、 前記符号化データの少なくとも一 部を格納したデータファイルを生成し、 前記第 2記録媒体に記録可 能なデ一夕量に基づいて前記データファイルのファイルサイズを設 定するステップと、 前記データファイルを前記第 1記録媒体に記録 するステツプとを包含する。
前記データ処理方法は、 前記第 1記録媒体に記録された前記デー 夕ファイルを、 前記第 2記録媒体に書き込むステツプをさらに包含 してもよい。
前記データファイルは、 前記符号化データの少なくとも一部を格 納したデータ部、 前記データ部に格納されたデータの記録時の属性 に関する管理情報を格納したヘッダ部、 および、 前記データ部に格 納されたデータの再生単位の位置を特定する位置情報を含むィンデ ックス部から構成されていてもよい。 前記ファイルサイズは、 前記 ヘッダ部、 前記データ部および前記インデックス部の各データ量の 合計値として規定され、 前記データファイルを生成するステップは、 前記合計値を前記第 2記録媒体に記録可能なデータ量以下に調整し て前記デ一夕ファイルを生成してもよい。
前記符号化データを生成するステツプは、 符号化方式の種類が異 なる第 1符号化データおよび第 2符号化データを生成し、 前記ファ ィルサイズを設定するステップは、 前記第 1符号化データに対して は前記データファイルを生成し、 かつ、 前記第 2符号化データに対 しては、 前記第 2記録媒体に記録可能なデータ量に依存しないデー
夕ファイルを生成してもよい。
前記符号化データを生成するステツプは、 M P E G 4規格に準拠 した前記第 1符号化データ、 および、 M P E G 2規格に準拠した前 記第 2符号化データを生成してもよい。
上記データ処理装置および方法のいずれかにおいて、 前記第 1記 録媒体はハ一ドディスクであり、 前記第 2記録媒体は、 光ディスク およびメモリカードの一方であってもよい。 また、 前記第 1記録媒 体は、 ハードディスクおよび光ディスクの一方であり、 前記第 2記 録媒体はメモリカードであってもよい。
本発明によるデータ処理装置は、 第 1符号化データが記録された 第 1記録媒体を内蔵し、 かつ、 着脱可能な第 2記録媒体にデータを 記録することが可能である。 データ処理装置は、 前記第 1符号化デ 一夕をデコードして、 映像または音声に関する信号を生成するデコ ーダと、 前記信号に基づいて、 第 1符号化データとは符号化方式の 種類が異なる第 2符号化データを生成するエンコーダと、 前記第 2 符号化データを受け取って、 前記第 2符号化データの少なくとも一 部を格納したデータファイルを生成する制御部であって、 前記デー 夕ファイルのフアイルサイズを前記第 2記録媒体に記録可能なデ一 夕量に基づいて設定する制御部と、 前記データファイルを前記第 1 記録媒体に記録するドライブ装置とを備えている。 図面の簡単な説明
図 1は、 実施形態 1による D V Dレコーダ 1 0 0のシステム全体
の構成図である。
図 2 (a) は AS Fファイル 2 0のデータ構造を示す図であり、 図 2 (b) は VROファイル 24のデータ構造を示す図である。 図 3は、 符号化された音声データ 3 0および映像データ 3 4と、 各データバケツト 1〜 3との関係を示す図である。
図 4は、 実施形態 1による DVDレコーダ 1 0 0の録画処理の手 順を示すフローチヤ一トである。
図 5は、 MP E G 4録画によってハードディスク内に生成された 4つの AS Fファイル 1〜4の例を示す。
図 6は、 ハードディスク上に複数の A S Fファイルが存在すると きの表示画面の例を示す。
図 7は、 第 1区間と第 2区間とを区間 Lだけ重複させて A S Fフ アイルを生成するときの処理の流れを示す図である。
図 8は、 実施形態 2による D VDレコーダ 1 0 0の録画処理の手 順を示す。
図 9は、 MP E G 2録画によってハードディスク内に生成された 4つのプログラム (P G) 1〜 4の例を示す図である。
図 1 0は、 実施形態 3による D VDレコーダ 1 0 0の録画処理の 手順を示すフローチヤ一トである。
図 1 1は、 従来の A S Fストリームの分割処理の手順を示す図で ある。 発明を実施するための最良の形態
以下、 添付の図面を参照しながら、 本発明によるデータ処理装置 の実施形態を説明する。 本発明によるデータ処理装置は、 放送番組 等を録画するための録画機器として実現される。 以下の各実施形態 では、 録画機器の一例としてハードディスクドライブまたは DVD 一 RAMに番組を録画することが可能な、 ハードディスクドライブ 内蔵 DVDレコーダを挙げて説明する。
(実施形態 1 )
図 1は、 本実施形態による D VDレコーダ 1 0 0のシステム全体 の構成図である。 DVDレコーダ 1 0 0は、 TVチューナー 1 0 1 と、 MP E G 2ェンコーダ1 0 2と、 1 ? £ 04ェンコ一ダ1 0 3 と、 HDD/D VD制御回路 1 04と、 MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5と、 メモリカード制御回路 1 0 6と、 C P U 1 0 7と、 グラフ イツクス回路 1 0 8と、 オーディオ回路 1 0 9と、 HDD 1 1 0と、 DVD— RAMドライブ 1 1 1とを有している。
以下、 各構成要素の機能を説明する。 TVチューナー 1 0 1は、 アンテナ (図示せず) から入力された番組の R F信号 (番組信号) に対して、 選択されたチャンネルを選局し、 アナログの映像信号/ 音声信号を出力する。
MP E G 2エンコーダ 1 0 2は、 アナログ形式の映像信号 Z音声 信号をデジ.タル形式の信号 (映像デジタル信号 Z音声デジタル信 号) に変換する。 そして MP E G 2エンコーダ 1 0 2は、 映像デジ タル信号を MP E G 2方式で圧縮 (エンコード) して圧縮符号化さ れた映像データを生成し、 音声デジタル信号を AC 3方式で圧縮し
て圧縮符号化された音声データを生成する。 そして、 MP E G 2ェ ンコーダ 1 0 2は、 映像データおよび音声データを多重化して、 M P E G 2規格に準拠するプログラムストリームを生成する。 このプ ログラムストリームは 1つのファイル (VROファイル) としてハ ードディスク、 DVD— RAM等に記録される。 プログラムストリ ームのデータ構造は、 図 2 (b) を参照しながら後述する。
MP E G 4エンコーダ 1 0 3は、 アナログ形式の映像信号 Z音声 信号をデジタル形式の信号 (映像デジタル信号 Z音声デジタル信 号) に変換する。 そして M P E G 4エンコーダ 1 0 3は、 映像デジ タル信号を MP E G 4方式で圧縮し、 また音声デジタル信号を G. 7 2 6方式で圧縮して、 符号化された映像データ Z音声データを生 成する。 MP E G 4ェンコ一ダ1 0 3は、 この映像データと音声デ 一夕とを多重化して、 A S F方式の A S ストリームを生成する。 この A S Fストリームは 1つ以上のファイル (A S Fファイル) と してハ一ドディスク、 D VD - R AM等に記録される。 A S Fファ ィルのデータ構造は、 図 2 ( a) を参照しながら後述する。
なお MP E G 4 ( I S O/ I E C 1 44 9 6 - 1 ) 方式では、 MP E G 2映像ストリームまたは MP E G 4映像ストリームを含む 映像ストリーム、 および、 各種音声ストリームが多重化され、 動画 ストリームのデータとして生成される。 さらにこの M P E G 4方式 では付属情報が規定される。 付属情報と動画ストリームとは 1つの ファイル (MP 4ファイル) として規定される。
HD D/D VD制御回路 1 0 4は、 各エンコーダから入力された
プログラムストリーム (MP EG 2) や AS Fストリーム (MP E G 4) をハードディスクや DVD— RAMに記録する。 プログラム ストリ一ムは DVD— VR形式 (D VDビデオレコーディングフォ 一マッ ト) で記録され、 A S Fストリームは A S Fファイル形式で 記録される。 D VD— VR形式で記録する場合は、 プログラムスト リ一ムは VR 0と呼ばれるビデオファイル内に格納される。 また、 VROファイルを管理するための I F Oと呼ばれる管理情報フアイ ルも合わせて記録される。 また、 HDDZD VD制御回路 1 04は、 HDD 1 1 0または DVD— RAMドライブ 1 1 1に対して、 ハー ドディスクまたは D V D _ R A Mに格納されている DVD— VR形 式のデ一タフアイルゃ AS Fフアイルの読み出しを指示してそれら のファイルを受け取り、 プログラムストリーム (MP E G 2 ) や A S Fストリーム (MP EG 4) として MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5へ出力する。
MP E G 2 /4デコーダ 1 0 5は、 MP E G 2方式の符号化デー 夕が多重化されたプログラムストリームから、 または、 MP EG4 方式の符号化デ一夕が多重化された A S Fストリームから、 映像圧 縮データと音声圧縮データとを分離する。 その後、 MP E G 2Z4 デコーダ 1 0 5は、 圧縮された映像データおよび音声データを伸長 (デコード) し、 映像デジタル信号と音声デジタル信号として出力 する。 MP E G 2のデコ一ド処理と MP E G 4のデコード処理は、 各々 MP EG 2Z4デコーダ 1 0 5の回路に口一ドされるマイクロ コード (コンピュータプログラム) を切り替えることによって実現
される。 コンピュータプログラムを変更することにより、 MP EG 2 /4デコーダ 1 0 5は、 入力されるどちらのストリームのデコ一 ドにも対応できる。
メモリ力一ド制御回路 1 0 6は、 MP E G 2エンコーダ 1 0 2か ら出力されるプログラムストリームを、 VROファイルとしてメモ リカードに記録する。 またメモリカード制御回路 1 0 6は、 MP E G4エンコーダ 1 0 3から出力される AS Fストリームを AS Fフ アイルとしてメモリ力一ド 1 7 0に記録することもできる。 さらに メモリ力一ド制御回路 1 0 6は、 HDDZD VD制御回路 1 04を 経由してハードディスクゃ DVD— RAMに格納されている A S F ファイルをメモリカード 1 7 0へ複製 (コピー) または移動し、 逆 に、 メモリ力一ド 1 7 0に記録されている AS Fファイルを HDD や DVD— RAMに複製または移動することができる。 またメモリ カード制御回路 1 0 6は、 メモリカード 1 7 0に記録されている A S Fフアイルを読み出して、 AS Fストリームを MP E G 2/4デ コーダ 1 0 5へ出力することも可能である。
C PU 1 0 7は、 DVDレコーダ 1 0 0の各ブロックを制御する ソフトウェアを実行し、 システム全体を動作させる。
グラフィックス回路 1 0 8は、 MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5か ら出力される映像デジタル信号を、 ユーザの操作画面となる GU I (グラフィカルユーザィンターフェース) 画面と合成してアナログ 信号に変換し、 モニタ一 1 5 0へ出力する。 オーディォ回路 1 0 9 は、 MP E G 2 4デコーダから出力される音声デジタル信号をァ
ナログ信号に変換し、 スピーカ 1 6 0へ出力する。
HDD 1 1 0は、 その内部にハードディスクを有しており、 ハー ドディスクへのデータの書き込みおよびハ一ドディスクからのデー 夕の読み出しを制御する。 なお、 ハードディスクは DVDレコーダ 1 0 0に内蔵されていてもよいし、 またはリムーバブルであっても よい。 D VD— R AMドライブ 1 1 1は、 ユーザに装填された DV D一 R AMへのデータの書き込みおよび D VD— RAMからのデ一 夕の読み出しを制御する。
次に、 図 2 ( a) および (b) を参照しながら、 DVDレコーダ 1 0 0において生成される AS Fファイルおよび V R〇ファイルの データ構造を説明する。
図 2 ( a) は、 A S Fファイル 2 0のデータ構造を示す。 AS F ファイル 2 0は、 ヘッダ部 2 1と、 データ部 2 2と、 インデックス 部 2 3とから構成されており、 ファイルの先頭からこの順序で配置 されている。
ヘッダ部 2 1は、 そのファイルのコンテンツに関する情報、 例え ばフレームデータの記録時の属性に関する録画管理情報を含む。 こ こでいう 「属性」 とは、 そのファイル内の先頭フレームの記録開始 日時、 再生時間、 後述のデ一夕パケッ トのデータサイズ、 番組の夕 ィ トル等を表す。
データ部 2 2は、 1以上のデ一夕パケット 2 2— 1、 ' —— 2 2 — nを含む。 各デ一夕パケットは、 コンテンツの MP E G 4方式の 符号化データを含む。 音声および映像の符号化データは固定長のパ
ケットに格納される。 各符号化デ一夕がどのように格納されるかに ついては、 図 3を参照しながら後述する。 各データパケットには順 に番号が与えられている。 例えばデータバケツ ト 2 2— nにはパケ ット番号 "n" が与えられる。 各データパケッ トのデータサイズは、 例えば 2キロバイ トまたは 4キロバイ トに固定されており、 そのサ ィズは上述のようにヘッダ部 2 1に記述される。
インデックス部 2 3は、 インデックスデータ 2 3— 1、 · · ·、 2 3— nを含む。 各インデックスデータは、 データパケットのパケ ット番号のリストを含んでいる。 このパケット番号によって特定さ れるパケットには、 一定の表示時間間隔の映像フレーム (例えば I フレーム) のデ一夕が格納されている。 インデックスデ一夕を参照 することにより、 どのバケツトに特定の表示時刻のフレームが格納 されているかを特定できる。 これにより任意の時刻へのアクセス (ランダムシーク) を実現できる。
図 2 (b) は、 V R〇ファイル 24のデータ構造を示す。 VRO ファイル 24は、 プログラム P G 2 5を含む。 プログラム P G 2 5 は、 例えば録画開始から録画終了までの 1回の録画処理によって生 成された映像および音声を含むデータのまとまりである。 図 2 (b) ではプログラム P G 2 5は 1つのみ示しているが、 録画処理 が複数回行われた場合には、 1つの VROファイルに複数のプログ ラムが設けられる。 プログラム P G 2 5は、 1以上のセル (C e 1 1 ) 2 6を含む。 セルはビデオ · オブジェク ト (VOB) (図示せ ず) と対応付けられ、 VOBは複数のビデオ · オブジェクト ·ュ二
ット (V〇BU) 2 7を含む。 そして、 各 VOBUは、 複数のデー 夕パック 2 7— l〜 2 7— nを含む。
各 VOBUの先頭には RD Iパックが設けられ、 その後続のパケ ットにコンテンツの MP E G 2方式の符号化デ一夕が格納される。 音声および映像の符号化データはそれぞれ異なるバケツトに格納さ れる。 各データパックのデータサイズは 2 048バイ トに固定され ている。 なお、 RD Iパックは、 映像および音声の再生を制御する ために用いられる情報、 例えばアスペクト情報、 R D Iパックの復 号タイミングを示す情報、 コンテンッのデ一タストリ一ムのコピー を制御するための情報を格納している。
次に、 図 3を参照しながら、 A S Fファイルに音声/映像データ がどのように格納されるかを説明する。 図 3は、 符号化された音声 データ 3 0および映像データ 34と、 各データバケツト 1〜 3との 関係を示す。 各データパケット 1〜 3は、 AS Fファイル 2 0のデ 一夕部 2 2に格納されるデ一タパケットであるとして説明する。
符号化された音声データ 3 0は、 複数の音声フレーム (フレーム A l、 A 2等) を含んでいる。 音声の 1フレームは、 例えばサンプ リング周波数 48 kH z、 2 5 6 k b p sの AC— 3音声の場合で あれば合計 1 5 3 6個のサンプルの集合をいう。 また符号化された 映像データ 34は、 複数の映像フレーム (フレーム V I、 V 2等) のデータである。 フレーム V 1は MP E G規格上の " I " フレーム であり、 フレーム V 2は MP E G規格上の "P" フレームであると する。 いずれも所定の垂直走査周波数で次々と切り替えて表示され、
それにより動画像が得られる。
符号化された音声データ 3 0および映像データ 3 4は、 それぞれ ォ一ディォ E Sバッファおよびビデオ E Sバッファに保持される。 その後、 多重化バッファにおいて映像フレーム V 1等およびオーデ ィオフレーム A 1〜A 3等は多重化され、 データパケット 1が構築 される。
なお、 1つのパケットのデータサイズは固定されているが、 デー 夕のサイズ等によって固定長にならない場合がある。 そのときは処 理に影響しないデータ (パディングデータ) を付加し、 必要なデ一 夕長に調整している。 例えば、 図 3のデータパケット 3にはパディ ングデー夕が付加されている。 フレーム A 1、 A 2のデータは、 そ れぞれ 1以上のオーディォバケツトに格納される。
なお、 一般には各映像フレームの先頭には、 " I " 、 " B " 等の 種別を示す情報が格納されたへッダが付加されるが、 図 3では記載 を省略している。
上述のように生成されたオーディォバケツトおよびビデオバケツ トは、 図 3に示すように多重化されて 1つのストリーム (A S Fス トリーム) のファイルが生成される。 なお、 A S Fファイル中のデ 一タパケッ卜には映像および音声の各データが混在しているが、 V R Oファイル 2 4中のプログラムストリームでは、 音声および映像 の各データは別個のパックに格納され、 パックが多重化される。 な お、 一般に 「パック」 とはパケットの 1つの例示的な形態として知 られている。
次に、 DVDレコーダ 1 0 0の録画処理および再生処理を説明す る。 以下では、 まず一般的な録画処理を説明し、 その後再生処理を 説明する。
以下、 MP E G 2規格のプログラムストリ一ムおよび MP E G 4 規格の AS ストリームの両方を同時に生成して、 HDD 1 1 0内 のハ一ドディスクに記録する一般的な録画処理の例を説明する。 以 下では、 MP EG 2規格によるプログラムストリームの形式によつ て番組を録画することを 「MP E G 2録画」 といい、 MP E G4規 格による AS Fストリームの形式によって番組を録画することを 「MP E G4録画」 という。
再び図 1を参照しながら、 通常の録画モードによる録画処理を説 明する。 まず、 ユーザ操作によりリモコン (図示せず) 等を介して 録画の開始が指示されると、 C P U 1 0 7の制御のもと、 以下の録 画処理が開始される。 すなわち、 TVチューナー 1 0 1が番組信号 を受信すると、 MP E G 2エンコーダ 1 0 2および MP E G 4ェン コーダ 1 0 3はそれぞれ、 MP E G 2方式および MP E G 4方式で 実質的に並列して圧縮符号化処理を行い、 プログラムス卜リームお よび AS Fストリームを生成する。 各ストリームは HDD/DVD 制御回路 1 04を経由して HDD 1 1 0に送られる。 HDD 1 1 0 は、 プログラムストリームを VROファイルとしてハードディスク に記録し、 AS Fストリームを AS Fファイルとしてハードデイス クに記録する。 この記録処理もまた並列的に行われる。
ユーザにより録画の停止が指示されると、 C P U 1 0 7は録画の
終了処理を指示する。 すなわち、 HDD/DVD制御回路 1 04は VROファイルと AS Fファイルを各々クローズ処理したのち、 D VD— VR形式の管理情報を書き込むために I FOファイルを更新 する。 例えば、 I F Oファイルには VROファイルの読み出し位置、 タイ トル、 録画時刻、 チャンネル、 マ一力一情報、 指定された時刻 に基づくサ一チを実現するための時刻とァドレスとの対応を規定し た TMAP情報等の情報が記述されている。 以上の動作により、 M P E G 2録画と MP E G 4録画とが並行して行われる。
次に、 ハ一ドディスク内に記録されたデータファイルから番組を 再生する処理を説明する。 まず最初に、 MP EG 2形式のデ一タフ アイル (VROファイル) から番組を再生する処理を説明する。 ュ 一ザが、 グラフィックス回路 1 0 8によって描画された GU Iを介 して MP E G 2録画された番組の再生を指示すると、 C P U 1 0 7 の制御のもと、 以下の再生処理が開始される。 まず、 C PU 1 0 7 が MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5のマイクロコードの切り替えを指 示すると、 プログラムストリーム (MP E G 2) をデコードするた めのマイクロコードが MP E G 2/4デコーダ 1 0 5にロードされ る。 このマイクロコ一ドは、 1^[? £0274デコ一ダ 1 0 5にプロ グラムストリームから映像圧縮符号化デ一夕 (MP E G 2) と音声 圧縮符号化データ (AC 3) とを分離させ、 さらに各々に圧縮デ一 夕を伸長させる。
HD DZD VD制御回路 1 04は、 ハードディスク上に記録され ている管理情報ファイル ( I FOファイル) から再生すべき番組が
格納されている VROファイル中の読み出し位置 (プログラムの先 頭位置等) を取得し、 VRQファイルからプログラムストリームを 抽出し、 MP E G 2 Z4デコーダ 1 0 5へ出力する。 この結果、 M P E G 2Z4デコーダ 1 0 5はプログラムストリームをデコードし、 MP E G 2録画された番組が再生される。
次に、 M P E G 4形式のデ一夕ファイル (A S Fファイル) から 番組を再生する処理を説明する。 ユーザが、 グラフィックス回路 1 0 8によって描画された GU Iを介して MP E G 4録画された番組 の再生を指示すると、 C P U 1 0 7の制御のもと、 以下の再生処理 が開始される。 C PU 1 0 7はまず、 MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5のマイクロコードの切り替えを指示すると、 AS Fストリーム (MP E G4) をデコードするためのマイクロコードが MP E G 2 Z 4デコーダ 1 0 5にロードされる。 このマイクロコードは、 MP EG 2Z4デコーダ 1 0 5に AS Fストリームから符号化された映 像データ (MP EG 4) と音声データ (G. 7 2 6 ) とを分離させ、 さらに各々の圧縮を解くための処理を規定している。
HDDZD VD制御回路 1 04は、 ハードディスクに記録されて いる 1以上の A S Fファイルからユーザが指示した AS Fファイル を読み出して、 AS Fストリームを MP EG 2/4デコーダ 1 0 5 へ出力する。 これによりユーザは MP E G 4の番組を再生すること ができる。 なお、 本発明の D VDレコーダシステムにおいて、 MP EG 2と MP EG4の同時録画は行うが、 MP E G 2と MP E G4 の同時再生は行わないとする。 その理由は、 ユーザにしてみれば同
じ番組を異なる 2つの圧縮方式で記録されている場合、 どちらか一 方を再生できればよいと考えられるからである。
次に、 図 4を参照しながら、 本実施形態による録画処理を説明す る。 図 4に示す録画処理の主要な特徴は、 DVDレコーダ 1 0 0が、 MP EG 4録画時に、 メモリカード 1 7 0に記録可能なデータ量を 考慮して A S Fファイルのファイルサイズを決定し、 ハードデイス クに各ファイルを書き込むことにある。 この処理は、 メモリカード 1 7 0へのコピーまたは移動を容易にするために行われる。 すなわ ちユーザが以下に説明する処理の実行を指示したときは、 ユーザは、 録画した番組のデータを将来メモリカード 1 7 0へコピーまたは移 動することを念頭においているといえる。 なお、 MP E G 2録画と MP E G 4録画とは同時に行われ、 MP E G 2形式のプログラムス トリームはそのまま記録されるとする。
図 4は、 本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の録画処理の手 順を示す。 まずステップ S 1 0 1において、 ユーザによってメモリ カードの容量が設定される。 この処理はユーザが初期設定画面で容 量を選択することにより行われる。 例えば、 初期設定画面で 「カー ド容量」 という項目を表示させるとともに、 その項目に対して設定 可能な候補として 「 8 MB」 、 「 1 6 MB」 、 「3 2 MB」 、 「6 4MB」 、 「 1 2 8 MB」 、 「2 5 6 MB」 、 「 5 1 2 MB」 を表 示させる。 なお、 "MB" はメガバイ トを意味するとし、 ここでは 「 1 2 8 MB」 がユーザによって選択されたとする。 すると C PU 1 0 7は、 分割するための設定容量を " 1 2 0 0 0 0 0 0 0バイ
ト" (以下、 厳密ではないが便宜的に 「 1 2 0 MB」 と表記する) に設定する。
1 2 8 MBが選択されたにもかかわらず、 設定容量を上限の 1 2 8 MBに対して若干余裕のある容量 ( 1 2 0MB) にする理由は、 メモリ力一ドの容量表示は、 一般には搭載されている物理的なメモ リの容量で表されているが、 実際はユーザに開放されていない領域 が存在し得るからである。 例えばメモリカードの物理メモリの一部 は、 メモリカードを制御するために力一ド内部で消費される領域と、 著作権保護のためのセキュア領域とを含む。 これらの領域にはユー ザの任意のデータを書き込むことはできない。
次に、 ステップ S 1 0 2において、 ュ一ザから録画開始の指示を 受け取ると、 C P U 1 0 7は MP E G 2録画の開始と同時に MP E G 4録画も開始を指示する。 データの記録先は、 いずれもハードデ ィスクである。
MP E G 2録画の開始にあたっては、 HDDZDVD制御回路 1 04は、 ハードディスク内の I F Oフアイルに新しい番組のデ一夕 (プログラム P G) が追記されることを示す情報を書き込む。 つま り、 新規の P G情報を I F Oに追記し、 VROファイルにそのプロ グラム P Gのデータ (プログラムストリーム) を追記する。
一方、 MP E G 4の録画開始にあたっては、 AS Fファイルとし て記録するために、 まずファイルのオープン処理などが行われ、 続 いて M P E G 4の A S ストリームを構成するデータの記録がファ ィルに対して行われる。 具体的には、 図 2 ( a) に示すヘッダ部 2
1 として固定長のヘッダ部 2 1が確保され、 その後必要な情報が記 述される。 一方、 データ部 2 2には、 AS Fストリームを構成する データパケッ トが逐次追記される。 なお、 インデックス部 2 3はデ —夕部 2 2の書き込みが終了した後に追記されるため、 録画中はフ アイル上には存在しない。 しかし、 例えば HD D/D VD制御回路
1 04内のバッファ (図示せず) に、 インデックス情報が逐次格納 されている。
ステップ S 1 0 3では、 HDD/D VD制御回路 1 04は、 記録 中のデータファイルの容量が設定値を超えたか否かを判定する。 対 象は MP E G 4録画によって生成されつつある AS Fファイルであ る。 記録中の A S Fファイルの容量の計算は、 固定長のヘシダ部 2 1のデータサイズ (X) と、 これまで記録したデータ部 2 2のデー 夕サイズ ( y ) と、 H D D Z D V D制御回路 1 0 4内のバッファ (図示せず) に保持されている全インデックス情報のデータサイズ ( z ) の和 (x + y + z ) が計算されてカウンタ値として保持され、 そのカウン夕値が 1 2 0 MBを超えたか否かで判断される。 1 2 0 MBバイ トを超えた場合は、 ステップ S 1 04へ移行する。 1 2 0 MBバイ ト以内であれば、 ステップ S 1 0 8へ進み、 引き続き録画 を継続する。 ステップ S 1 0 8は、 HD DZD VD制御回路 1 04 は記録中の A S Fファイルのデータ容量を計算する。 この計算は上 述の計算 (x + y + z ) と同じであるが、 リアルタイムで録画され ているためその計算値は増加している。 続いてステツプ S 1 0 9に 進む。
ステツプ S 1 0 9では、 MP E G 2録画が終了したか否かを判断 する。 終了したときはステップ S 1 1 0に進み、 終了していないと きはステップ S 1 0 3に戻る。
一方、 ステップ S 1 04では、 C P U 1 0 7は録画の一時停止を 指示する。 この処理は DVDレコーダ 1 0 0の内部において自動的 に行われ、 ユーザがこの動作を認識することはない。 録画停止処理 では、 HD D/D VD制御回路 1 04は、 現在書き込み中の AS F ファイルのヘッダ部 2 1を更新し、 ファイルの末尾にシークに、 そ れまで保持していたィンデックス情報を付加してィンデックス部 2 3を生成する。 この結果、 A S Fファイルはクローズされ、 1つの A S Fファイルとしてアクセス可能になる。 換言すれば、 MP EG 4エンコーダ 1 0 3において生成されていた A S Fストリームは、 ファイル単位で一旦途切れることになる。
なお、 上述の A S Fの録画の一時停止中も番組信号の受信は継続 されており、 MP E G 4エンコーダ 1 0 3も引き続きエンコードを 行っている。 よって、 MP E G 4エンコーダ 1 0 3から出力される 後続の A S Fストリームは一時的にバッファ (図示せず) に格納さ れ、 別の新たな A S Fファイルとして格納される。 この処理により、 メモリカードの記録可能なデータ量に応じたデータ量を有する 1以 上の A S Fファイルが生成される。
次のステツプ S 1 0 5では、 C P U 1 0 7は、 記録容量の計算力 ゥン夕のカウンタ値をクリア (初期化) する。 この処理は、 録画の 一時停止により記録容量の計算対象であった A S Fファイルがク口
ーズされたため、 記録容量の計算の対象を次に生成される A S Fフ アイルに変更することを意味する。 ステップ S 1 0 6では、 内部停 止した時点で、 システムが許容する録画番組の最大数 (最大フアイ ル数) を超えているか否かを判断する。 本実施形態では、 MP E G 4の最大ファイル数は例えば 1 0 0 0である。
ステップ S 1 0 6の判断時にファイル数が 1 0 0 0に達した場合 は、 ステップ S 1 1 0に進み、 MP E G 2録画および MP E G 4録 画をいずれも完全に終了させる。 このときはユーザから見ても録画 が停止された状態になる。 一方、 ファイル数がまた 1 0 0 0に達し ていない場合は、 ステツプ S 1 0 7に進む。 ステツプ S 1 0 7では、 内部的に録画が再開される。 この内部的な録画再開は、 ユーザから は単に録画を継続しているようにしか見えないが、 実際は番組は一 旦分割されてファイル数が 1つ増えることになる。 なお、 この処理 は MP E G 4録画のみに適用され、 MP E G 2録画には適用されな いとする。 MP E G 2録画によって生成されたプログラム (P G) は、 そのまま録画が終了するまで VR〇ファイルに追記される。 ス テツプ S 1 0 7の次は、 ステップ S 1 0 9に進む。
ステップ S 1 1 0において、 C PU 1 0 7は MP E G 4録画の終 了処理を行う。 ステップ S 1 0 9およびステツプ S 1 1 0の一連の 処理は、 MP E G 2録画と MP E G 4録画とを同時に行ったときに は、 MP E G 2録画が何らかの要因で終了すると、 MP E G 4録画 も同時に録画を終了することを意味する。 MP E G 2の録画が終了 する要因は、 例えば、 ユーザによる録画停止処理、 MP E G 2のプ
ログラム P Gの数またはセルの数が最大になったことによる停止処 理、 HDDの容量がフルになったときの停止処理、 MP EG 2を記 録中に DVD— V Rで規定された上限値を超える記録が行われた場 合の停止処理である。 これにより、 本実施形態では MP E G 2が録 画されずに MP E G 4録画だけ行われることはなくなる。 なお、 ス テツプ S 1 1 0が実行されるタイミングで、 ファイルリストを含む ディレクトリ情報等が不揮発メモリ等にバックアップされ、 停電等 によるデータの消失を回避する。 このような動作をさせることによ り、 MP E G 2録画はまず優先して実行される。 よって、 MP E G 4録画がされない場合は生じるが、 少なくとも MP E G 2録画は実 行される。
なお、 仮に、 MP E G 4録画のみ実行されて MP E G 2録画が行 われない動作をサポートすると、 ユーザは、 どの場合に、 どの形式 で録画可能か不可能かが非常にわかりにくくなり、 しばしばユーザ に混乱を与えてしまう。 また、 MP EG 2録画が可能であるにもか かわらず、 MP E G 4録画ができないという理由で M P E G 2録画 を行わないとすると、 同様にユーザにわかりにくくなつてしまう。
MP E G 2録画が MP E G 4録画に対して優先的に行われるとする ことにより、 ユーザは、 常に MP EG 2録画が優先されることを認 知しやすくなる。 M P E G 2録画を優先する理由は、 D VDレコー ダが一般に MP E G 2で記録することを基本としているためである。
M P E G 2録画が継続される間は、 A S Fストリームが一定容量 ( 1 2 0 MBバイ ト) の A S Fファイルに分割されながら処理され
る。 図 5は、 M P E G 4録画によってハードディスクに書き込まれ た 4つの A S Fファイル 1〜4の例を示す。 各ファイルのデ一夕量 (ファイルサイズ) は、 ファイル 1〜 3がそれぞれ 1 2 0 M Bであ り、 ファイル 4が 7 5 M Bである。 ファイル 4に関しては 7 5 M B まで生成された時点で録画が停止されたことを意味する。
録画の対象となる番組数が 1であっても、 設定された記録容量に 応じたデータサイズの A S Fファイルを複数生成することにより、 例えば 1 2 8 M Bのメモリカードにはそのままデータをコピーでき る。 すなわち、 マ一カー情報等の管理情報を用いなくても、 メモリ カードへのダビング時に、 見たい番組の必要な部分が含まれる A S Fファイルのみを選択すれば、 メモリ力一ドのもつ容量に対して効 率よく保存することができる。 また、 録画時に番組を分割するため、 ストリームデータの書き換え等の処理が発生せず、 また再多重化処 理も不要になり、 そのままファイルコピーのみを行えばよい。 単純 な D M A等によるハードウェア転送処理を行うことにより、 非常に 高速にコピーを行うことが可能である。 なお、 仮に録画時に M P E G 4の番組を分割せず、 容量単位で独自のマ一カー情報などを管理 するための管理ファイルを別途作成し、 ダビング時に分割する従来 の方法を行うと、 マ一カー位置以降のストリームデータを 1つの A S F形式のファイルに変更するために、 A S Fのヘッダ情報の書き 換え、 ストリームデータ中のバケツト内のタイムスタンプの書き換 え、 シーク動作のために付与しているインデックス情報の書き換え 等が発生し、 システム (C P U ) に非常に大きな負担を与える。 そ
の結果、 ダビング時の処理速度が低下する。
分割された各 A S Fファイルには、 個々のファイルの記録を開始 した時刻 (録画を再開した時刻) を特定する時刻情報を記述するこ とができる。 さらに、 番組のチャンネル、 タイ トル等も記述するこ とができる。 これらは各 A S Fファイルの生成時に、 HDDZDV D制御回路 1 04によって A S Fファイルのへッダ部 2 1に格納さ れる。 DVDレコーダ 1 0 0自身も各 AS Fファイルから番組を再 生することができるので、 再生のために番組を一覧表示した際に、 各ファイルに関する記録時の属性情報が表示される。
図 6は、 ハードディスク上に複数の A S Fファイルが存在すると きの表示画面の例を示す。 画面上には、 各 A S Fファイルの番号 (N o) 、 録画日、 チャンネル (CH) 、 開始時刻、 タイ トル等の 情報が記述されている。
図 6に示す例では、 7月 7日の 1 4 : 0 0から 1 6 : 0 0まで録 画が行われ、 ファイル 1からファイル 4の 4つに分割されて録画さ れたとする。 まず、 ファイル 1の録画開始時刻は 7月 7 日の 1 4 : 0 0であるから、 この録画日、 チャンネル (CH) 、 開始時刻、 夕 ィ トル等が記録される。 次のファイル 2への記録開始時刻が 1 4 : 3 3であるとすると、 録画開始時刻を 7月 7 日の 1 4 : 3 3とする。 同様にしてファイル 3の録画開始時刻を 7月 7日の 1 5 : 1 0、 フ アイル 4の録画開始時刻を 7月 7 日の 1 5 : 44を特定して、 その 情報をヘッダ部に記述する。
図 6に示す画面が表示されているとき、 ユーザがリモコン (図示
せず) 等を用いて再生を希望する部分をハイライ トさせ、 ボタン等 で選択を確定すると、 画面上には選択された番組のその部分が再生 される。
なお、 分割時に時刻以外の情報 (例えば番組のタイ トル情報) な どは分割された各ファイルに対しても同一の情報を付与することを 推奨する。 1つの番組が複数のファイルに分割されている場合には、 各ファイルの開始時刻はそれぞれの分割された時点の時刻が表示さ れるため、 ユーザは記録開始時刻をたよりに見たいシーンがあると 思われる時間を含むファイルを選択することができる。
また、 分割されたファイルをハードディスクから読み出して番組 を再生するときは、 分割された時刻の古い順に連続的に再生すれば よい。 これにより、 たとえ容量単位で分割された番組であっても、 あたかも 1つの連続した番組であるかのように再生することも可能 である。
次に、 本実施形態による録画時の処理の応用例を説明する。 M P E G 4録画中のファイル分割処理によって、 分割した前後のフアイ ルにおいて番組のシーンが途切れる場合がある。 例えば番組がファ ィル 1 とファイル 2とに分割された場合、 ファイル 1の最後のシー ンとファイル 2の最初のシーンの間が、 放送局から送信されたとお りの連続シーンとして表示されずに、 数十分の一秒 (数フレーム) 分から数十フレーム (数秒) 分のシーンが欠落する場合がある。 そ の理由は、 内部録画停止時から内部録画再開時までの間 (A S Fフ アイルのクローズ処理を行っている間) は記録を行うことができな
いこと、 および、 その記録ができない間も番組信号の受信は継続し ているため、 後続のデータでバッファが埋まり、 以前から存在する データが喪失されてしまうことに起因する。
そこで、 バッファを経由して A S Fストリームをハードディスク に記録する場合に、 分割される前後のファイルにおいてシーンが重 なるように記録すればよい。 なお、 一般のバッファはストリームデ 一夕をリアルタイムにハ一ドディスクゃ D V D— R A Mに書き込む 際に、 入力されるデータの転送レートの変動を吸収するために設け られている。 しかし、 上述の番組のシーンの途切れは通常のバッフ ァでは変動を吸収しきれないことによって生じる現象であるため、 ここでいぅバッファとは、 区間しとして規定される時間以上の再生 時間を有するピクチャのデータを格納できる容量を有していればよ い。 例えば、 ファイル 1の最後とファイル 2の先頭の重複区間 の 時間長は、 内部的な録画停止から録画開始にかかる所要時間分以上 であればよく、 例えば 1 G O P以上または 1秒〜 2秒程度の時間長 であることが望ましい。
図 7は、 第 1区間と第 2区間とを区間 Lだけ重複させて A S Fフ アイル 7 2および 7 3を生成するときの処理の流れを示す。 なお、 理解の容易のため、 映像に関するデータにはフレームを併記してい る。 映像データ 7 0は、 複数の映像フレーム Vのデータであり、 連 続的にビデオ E Sバッファに格納されている。 また、 音声データ 7 1は、 複数の音声フレーム Aを含んでおり、 連続的にオーディオ E Sバッファに格納されている。 なお、 ビデオ/オーディォ E Sバッ
ファは MP E G 4エンコーダ 1 0 3内に設けられている。
まず、 A S Fファイル 7 2にはデータパケッ ト (n— l) が、 そ のデータ領域最後のデータバケツ トとして格納される。 データパケ ッ ト (n— l ) には、 区間 Lを含む第 1区間のピクチャのピクチャ データと、 そのピクチャと同期して再生される音声フレームのデー 夕とが多重化バッファで多重化されて格納される。 一方、 AS Fフ アイル 7 3にはデータパケット (n— l ) が、 そのデータ領域の最 初のデータパケッ トとして格納される。 デ一タパケッ ト (n— l ) には、 区間 Lを含む第 2区間のピクチャのピクチャデータと、 その ピクチャと同期して再生される音声フレームのデータとが多重化バ ッファで多重化されて格納される。
具体的に説明すると、 C PU 1 0 7は、 I フレームを含む AS F ストリームの先頭パケットを含み、 かつ、 ファイル 1の記録を終了 したフレーム位置よりも過去のシーンに区間 Lだけさかのぼつた位 置のピクチヤから、 ファイル 2に含まれるピクチャの再生区間 (第 2区間) を開始するように処理する。 すなわち、 第 2区間の先頭パ ケッ トにおいては、 I ピクチャのデータがデータバケツ 卜の先頭か ら配置されるようにデ一夕の配置の仕方を調整し、 以後は継続して 多重化処理を行う。 そして、 C PU 1 0 7は、 その範囲内のピクチ ャデ一夕をファイル 2のデータ部 2 2に格納すればよい。 これによ り、 番組のシ一ンを欠落させることなく録画することができる。 なお、 図 4のステップ S 1 0 1では、 ユーザがカード容量を選択 することで設定するとして説明したが、 DVDレコーダ 1 0 0がそ
の容量を設定することもできる。 例えば、 初期設定画面においてメ モリカード 1 7 0のフォーマットを行うメニューを用意し、 ユーザ の指示に基づいて、 装填されたメモリカード 1 7 0のフォ一マツト を実行する。 そして、 フォーマット直後のメモリカードの容量を認 識して分割すべき容量を設定してもよい。 設定する容量の値は、 認 識した容量の値から多少のマージンを差し引いた値とすればよい。 これにより、 ユーザは使用するカードの容量を選ぶ必要がなくなり、 ユーザ操作が簡単になるというメリッ トがある。 他のメリットは、 メモリカードの容量のばらつきに依存することなく、 そのカードの ユーザ使用可能領域を最大限利用できることである。 フォーマッ ト 直後の容量がかならずある値以上になることは保証されていないた め、 非常に有用である。
本実施形態によれば、 M P E G 4録画によって生成される A S F ファイルは、 メモリカード 1 7 0の記録容量に基づいて設定された 容量単位で生成される。 メモリカード 1 7 0にコピーする際には編 集や解析等が不要なので、 高速にコピーすることができる。 これに より、 携帯機器を利用して手軽に番組を視聴できる。 また、 分割さ れた前後のシーンは重複して記録することにより、 シーンを逃すこ ともない。 また、 A S Fファイルには各ファイルの記録開始時刻も あわせて記録されるため、 ユーザが必要とするシーンがどのフアイ ル内のフレームに存在するかを、 録画時刻に基づいて見つけ出すこ とができる。
分割された番組は分割した時刻順に再生することにより、 あたか
も連続した 1つの番組として再生することが可能である。 これによ り編集操作なしに、 分割された単位ごとに簡単に目的のメディァへ のダビング操作が可能となる。 また、 録画時に番組のデータストリ ームを分割しながらハードディスクに記録するため、 ユーザは分割 されたファイル単位で容易にデータを持ち出すことができる。 ユー ザは、 例えば 1 日目はファイル 1を持ち出し、 2日目はファイル 2 を持ち出すという使い方が可能になる。 なお、 本実施形態では DV D— RAMやメモリカードへのコピー (ダビング) はデータの移動 であってもよい。 「移動」 とは移動先にデータが転送されると移動 元のデータは消去されることを意味する。 また本実施形態では、 録 画を開始する手段はユーザによる指示で行う例を説明したが、 予約 録画による録画であってもよい。
(実施形態 2)
まず、 本実施形態による DVDレコーダの機能ブロックの構成は、 実施形態 1による D VDレコーダ 1 0 0 (図 1 ) と同じである。 よ つて、 以下でも 「DVDレコーダ 1 0 0」 として本実施形態による DVDレコーダを説明する。
本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の主要な特徴は、 MP E G 2録画時に、 プログラムス卜リームを分割しながらハードデイス クに書き込むことである。 分割されるデータサイズは、 DVD— R AMに記録可能なデータ量 (例えば 4. 7ギガバイ ト) に基づいて 決定される。 例えば分割されるデータサイズは、 DVD— RAMに 記録可能な 4. 7ギガバイト (GB) に対し、 多少の残容量の余裕
をもたせた 4. 3 GBとされる。 なお、 本実施形態では ME P G 4 録画は行わないとしている。
図 8は、 本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の録画処理の手 順を示す。 処理の前提として、 DVDレコーダ 1 0 0は、 番組の録 画を行う対象となるメディァが DVD— RAMであり、 その記録可 能容量が 4. 7 GBであることを認識しているとする。 これは、 例 えば D VD— RAMへ番組を録画する録画モードがユーザによって 指示され、 DVD— RAMが装填されたことを検出することによつ て実現される。
まず、 ユーザから録画開始の指示がなされると、 ステップ 2 0 1 において、 C PU 1 0 7はハードディスクに MP E G 2録画を開始 し、 ステップ 2 0 2に進む。 S 2 0 2では、 HDD/DVD制御回 路 1 04は、 記録中のストリームデータの容量が 4. 3 GBを超え たか否かを判定する。 4. 3 GBを超えた場合は、 ステップ S 2 0 3へ移行し、 4. 3 GB以内であればステップ S 2 0 7に進んで引 き続き録画を継続する。 ステップ S 2 0 7では、 HDD/DVD制 御回路 1 04は、 現在書き込み中のプログラム (P G) の記録容量 を計算する。 すなわち、 HDD/D VD制御回路 1 04は、 プログ ラム (P G) の書き込み開始時の書き込み位置から現時点の書き込 み位置までのストリームデータの記録容量を算出する。 その後、 処 理はステツプ S 2 0 8に進む。 ステップ S 2 0 8では、 C P U 1 0 7は、 ユーザから録画を終了するように指示を受けているか否かを 判定する。 ユーザから録画停止の指示が特にない場合は、 ステップ
S 2 0 2に戻り、 録画を継続する。
一方、 ステップ S 2 0 3では、 C P U 1 0 7は録画の一時停止を 指示する。 この処理は D VDレコーダ 1 0 0の内部において自動的 に行われ、 ユーザがこの動作を認識することはない。 そして、 HD 070 0制御回路1 04は、 DVD— RAM上の I FOファイル にこれまでに書き込んだプログラムストリームを 1つの P Gとして 管理情報を書き込む。 すなわち、 書き込まれたプログラムストリ一 ムは、 ハ一ドディスク上では 1つの番組として扱われることになる。 これにより、 VROファイル上のストリームデータは別個の管理情 報に管理されることになり、 一旦途切れることになる。
この処理により、 ユーザからみた見かけ上は録画を継続している ように見えるが、 この内部処理が行われることによって、 一旦 P G は分割される。 また、 1つの P Gのデータ量は 4. 3 GB以下にな る。 この後、 処理はステップ S 2 04に進む。
次に、 ステップ S 2 04では、 C PU 1 0 7は、 記録容量の計算 カウンタのカウンタ値をクリア (初期化) する。 この処理は、 録画 の一時停止により記録容量の計算対象であったプログラムストリ一 ムが 1つのプログラム (P G) とされたため、 記録容量の計算を次 に生成されるプログラムストリ一ムに変更することを意味する。 ス テツプ S 2 0 5では、 内部停止した時点で、 システムが許容する録 画番組の最大数 (最大プログラム数) を超えているか否かを判断す る。 本実施形態では、 MP EG 2の最大プログラム数を 2 5 0とす る。
ステツプ S 2 0 5の判断時においてプログラム数が 2 5 0に達し た場合は、 ステップ S 2 0 9に進み録画を完全に終了させる。 この ときはユーザから見ても録画が停止された状態になる。 一方、 まだ
2 5 0に達していない場合は、 ステップ S 2 0 6に進む。 ステップ S 2 0 6では、 内部的に録画が再開される。 この内部的な録画再開 は、 ユーザからは単に録画を継続しているようにしか見えないが、 実際は番組は一旦分割されて、 プログラム数が 1つ増えることにな る。 こうして特にユーザから録画の停止を指示されない限り、 一定 容量 (4 . 3 G B ) 単位でプログラムを分割しながら録画される。 処理はステップ S 2 0 8に進む。
ステツプ S 2 0 8における判断の結果、 C P U 1 0 7がユーザか ら録画停止を指示されると、 処理はステップ S 2 0 9に進む。 ステ ップ S 2 0 9では、 ユーザが録画停止を認識し得るような状態にし て、 終了処理が行われる。 終了処理とは、 例えば停電によるデータ 消失防止のために、 I F Oファイルなどを不揮発メモリなどへの退 避処理である。
図 9は、 M P E G 2録画によってハードディスク内に生成された 4つのプログラム (P G ) 1〜4の例を示す。 ハードディスクには、 V R Oファイルと I F〇ファイルとが記録される。 V R Oファイル には、 録画された番組が複数のプログラム単位に分割されている。 各プログラムのデータ量は、 プログラム 1〜 3が各々 4 . 3 G Bで あり、 プログラム 4が 3 . 2 G Bである。 プログラム 4に関しては 3 . 2 G Bまで生成された時点で録画が停止されたことを意味する。
一方、 I FOファイルには各プログラムの管理情報が記述されてい る。
このようにプログラムを 4. 3 GB単位で生成することにより、 録画の対象となる番組数が 1であっても、 設定された記録容量に応 じたデータサイズのプログラムを複数生成することにより、 例えば DVD— RAM I 8 0にはそのままデータをコピ一できる。 すなわ ち、 マ一力一情報等の管理情報を用いなくても、 DVD— RAM I 8 0へのダビング時に、 見たい番組の必要な部分が含まれるプログ ラムのみを選択すれば、 DVD— RAM 1 8 0のもつ容量に対して 効率よく保存することができる。 また、 録画時に番組を分割するた め、 ストリームデータの書き換え等の処理が発生せず、 そのままプ ログラムのコピーのみを行えばよい。 単純な DM A等によるハード ウェア転送処理を行うことにより、 非常に高速にコピーを行うこと が可能である。
なお、 MP EG 2録画時にプログラム (P G) を所定のデータ量 単位で記録したときも、 実施形態 1において図 6を参照しながら説 明したように表示することができる。 すなわち、 各プログラムの番 号 (N o) 、 録画日、 チャンネル (CH) 、 開始時刻、 タイ トル等 の情報を一覧画面に表示することができる。 そして、 ユーザがリモ コン (図示せず) 等を用いて再生を希望する部分をハイライ トさせ、 ポタン等で選択を確定すると、 画面上には選択された番組のそのプ ログラムが再生される。
また実施形態 1で説明したと同様、 上述の処理によって生成され
た連続する 2つのプログラムを再生すると番組のシーンが途切れる ことがある。 そこで図 7に示すように、 バッファを利用して、 先の プログラムの末尾区間 Lのピクチャと同じピクチャをその次のプロ グラム先頭のピクチャとして構成すれば、 シーンの途切れがない連 続するプログラムを得ることができる。 シーンの重複区間 Lの再生 時間は、 内部録画停止から内部録画開始にかかる所要時間分以上で あればよく、 例えば 1 GO P以上または 1秒〜 2秒程度の時間長で あることが望ましい。 上述の処理は、 MP E G 2エンコーダ 1 0 2 が各ピクチャのデータを図 3に示すようにデータパックに収め、 さ らに図 2 (b) に示すようにプログラムストリームを構成すること によりにより行われる。
(実施形態 3)
まず、 本実施形態による D VDレコーダの機能プロックの構成は、 実施形態 1による D VDレコーダ 1 0 0 (図 1 ) と同じである。 よ つて、 以下でも 「DVDレコーダ 1 0 0」 として本実施形態による DVDレコーダを説明する。
本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の主要な特徴は、 あらか じめ MP EG 2録画されている番組のプログラムストリームを、 再 エンコードすることによって MP E G 4形式の A S Fストリームに 変換して A S Fファイルとしてメモリカードにコピーすることにあ る。 再エンコードされた AS Fストリ一ムは 1以上の AS Fフアイ ルとしてハードディスクに記録される。 各 A S Fファイルのデータ 量は、 メモリカードの記録可能なデータ量に基づいてそれより小さ
い値に設定されており、 これにより A S Fストリームの編集操作な しに、 簡単に目的のメモリ力一ドに AS ストリームの一部をダビ ングできる。
以下では、 まず本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の再ェン コード処理を説明し、 その後、 D VDレコーダ 1 0 0の動作を説明 する。 なお、 D VDレコーダ 1 0 0のハードディスクには、 すでに MP E G 2録画された 1以上の番組のプログラムストリームが蓄積 されているとする。 録画動作についてはすでに実施形態 1で説明し たとおりである。
DVDレコーダ 1 0 0の C PU 1 0 7は、 グラフィックス回路 1 0 8にて描画されている GU I画面を介して、 MP E G 2録画され た番組の一覧を表示する。 C PU 1 0 7は、 ュ一ザから、 ダビング を希望する番組を特定する情報を受け取る。 これにより C P U 1 0 7は、 まず M P E G 2 Z 4デコーダ 1 0 5のマイクロコードをプロ グラムストリーム (MP E G 2) のデコードに対応した処理に切り 替える指示を出す。 すると、 MP E G 2Z4デコーダ 1 0 5へ適切 なマイクロコードがロードされる。
HDDZD VD制御回路 1 04は、 ハードディスク上に記録され ている I F Oファイルから再生すべき番組が格納されている VRO ファイルの読み出し位置を取得し、 V R Oフアイルからプログラム ストリームを抽出し、 MP EG 2Z4デコーダ 1 0 5へ出力する。 MP E G 2ノ 4デコーダで伸長されたデジタル映像デ一夕とデジタ ル音声データは MP EG4エンコーダ 1 0 3に入力される。 MP E
G 4エンコーダ 1 0 3は入力されたデジタル映像信号を MP E G 4 方式で圧縮し、 デジタル音声信号を G. 7 2 6方式で圧縮し、 AS F形式で多重化して、 HDDZDVD制御回路 1 04へ出力する。 1^0070¥0制御回路 1 04では、 入力された AS Fストリーム をハードディスク 1 1 0へ AS Fファイル形式で記録する。 このと き A S Fファイルは一定の容量単位で分割される。 こうしてハード ディスクに記録された 1つ以上の A S Fファイルのうち、 最初に記 録された A S Fファイル ( 1番目のファイル) をメモリカード制御 回路 1 0 6を経由してメモリカードへコピーする。 '
以下、 図 1 0を参照しながら、 本実施形態による DVDレコーダ 1 0 0の録画処理の手順を示す。 図 1 0に示す処理が実行される時 点において、 ユーザは、 MP E G 2録画された番組のうちからダビ ングしたい番組を選択しているとする。
図 1 0は、 本実施形態による D VDレコーダ 1 0 0の録画処理の 手順を示すフローチヤ一トである。 まずステツプ S 3 0 1において、 ユーザによってメモリカードの容量が設定される。 これは実施形態 1で説明したとおり、 ユーザが初期設定画面で容量を選択すること により行われる。 本実施形態でも実施形態 1 と同様、 「 1 2 8 M B」 のメモリ容量が選択され、 分割するための設定容量として、 1 2 0 0 0 0 0 0 0バイ ト (以下でも 「 1 2 0 MB」 と表記する) と する。 なお、 実施の形態 1と同様に、 初期設定画面において、 メモ リカードのフォーマツト実行メニューを用意し、 フォーマツ トを実 行させることでカードの容量を認識して、 分割すべき容量をせつて
いしてもよい。 また、 ダビングする前にカードを挿入しておき、 そ の力一ドの空き容量を検出し、 その容量を分割すべき容量としても よい。 例えば、 挿入されているカードの空き容量が 1 2 0 MBであ つた場合、 分割すべき容量は多少のマージンを差し引いた 1 1 9M Bに設定することも可能である。
ステップ S 3 0 2では、 ユーザがダビング開始を指示すると、 C PU 1 0 7は MP E G4エンコーダ 1 0 3に指示して MP E G 4形 式によるハードディスクへの録画開始の準備を行わせ、 その後 HD DZD VD制御回路 1 04に対して MP E G 2録画された番組の再 生の開始を指示する。 すると、 HDD/D VD制御回路 1 04によ つてハードディスクから MP EG 2録画された番組のプログラムス トリームが読み出され、 MP E G 2 / 4デコーダ 1 0 5は読み出さ れたプログラムストリームから映像および音声を再生する。 MP E G 4エンコーダ 1 0 3が再生された映像および音声の信号に基づい て MP E G 4形式で再度圧縮符号化すると、 HDDZD VD制御回 路 1 04は A S Fストリームの A S Fデータファイルをハ一ドディ スクへの記録を開始する。
以降のステップ S 3 0 3からステップ S 3 1 0までの処理は、 ス テツプ S 3 0 9を除き、 図 4に示すステップ S 1 0 3からステップ S 1 1 0までの処理と同じである。 よってその説明は省略する。 ス テツプ S 3 0 9では、 110070 0制御回路 1 04は MP EG 2 再生が終了したか否かを判断し、 終了したときはステップ S 3 1 0 に進み、 終了していないときはステップ S 3 0 3に戻る。 ステップ
S 3 1 0の処理が終了した時点では、 ハ一ドディスクには図 5に示 すような 1以上の M P E G 4録画された番組の A S Fファイルが記 録されている。
ステップ S 3 1 1では、 ハードディスクに記録された 1以上の A S Fファイルのうち、 ユーザによって指定された任意の A S Fファ ィルがメモリ力一ド 1 7 0にコピーされる。 例えば図 5は、 最初に 記録された A S Fファイル 1がメモリカード 1 7 0にコピ一する例 を示す。 1枚目のメモリカードへのコピーが終了した後は、 さらに 2枚目、 3枚目、 · · ' のようにメモリカードを交換することによ り、 各ファイルをコピーしてもよい。
なお、 H D D Z D V D制御回路 1 0 4は、 ファイル 1をコピーで はなく移動してもよい。 残されたファイル 2からファイル 4はユー ザが特に必要としなければユーザの手によって消去してもよし、 ま たは自動的に消去してもよい。
分割された各 A S Fファイルには、 個々のファイルの記録を開始 した時刻 (録画を再開した時刻) を特定する時刻情報を記述するこ とができるので、 実施形態 1および 2に関連して説明したように、 図 6に示すような画面表示を実現することもできる。 また、 M P E G 2録画された番組のデータを再ェンコ一ドして A S Fファイルを 生成するときにも、 実施形態 1および 2に関連して説明したように 分割した前後のファイルにおいて番組のシーンが途切れることがあ るので、 分割される前後のファイルにおいてシーンが重なるように 記録すればよい。 上述のいずれの処理も、 実施形態 1および 2の説
明に関連してすでに述べたとおりである。 よって、 その説明は省略 する。
MP EG 2から MP E G 4への再エンコードによるダビングを行 う際、 本実施形態では、 一旦ハードディスクに分割しながら記録し た後、 メモリカードにコピーするとして説明している。 一般に再ェ ンコードダビングを行う場合、 八ードディスク等を介さずにダビン グ先のメディア (メモリカードなど) に直接記録することも可能で ある。 しかしながら、 この方法で MP E G 2録画された番組のデー タを再エンコードして MP E G 4録画し、 メモリカードにダビング する場合には 2つの問題がある。
第 1の問題は、 MP E G 4による圧縮方式は非常に高能率である ため、 当初予測される M P E G 4形式のデータファイルのデータ容 量と、 実際に得られたデータファイルのデータ容量とが大きく異な る場合があることである。 例えば、 MP E G 4の最大記録レートを 1 Mb p s , 平均記録レートを 7 6 8 Kb p sの記録モードを想定 すると、 1 2 8 MBのメモリカードに格納可能な番組の時間は、 最 短で約 1 6分、 平均で約 2 1分と算出される。 ダビングの対象とな る番組の録画時間が、 メモリカードに格納可能な番組の時間よりも 長いときは、 通常、 ダビング開始前に警告等を表示してダビングを 開始できなくすればよい。 その理由は、 万が一ダビングに失敗した 場合にユーザにとって非常に不都合になるからである。
しかしながら動きの少ない番組などでは、 現実には 3 0分以上録 画できるケースもある。 ユーザが 1 6分程度の MP E G 2録画され
た番組を再エンコードしてダビングした結果、 得られた M P E G 4 形式の番組データがメモリカード上に全て記録可能であった上に、 メモリ力一ドの記録可能残量が 2ノ 3以上も余るケースも発生する。 よって、 実際には十分メモリカードに記録できるにもかかわらず、 容量不足の懸念を理由としてダビングの実行を許可しないのではあ まりにも理不尽である。
第 2の問題は、 メモリ力一ドは一般にカードに対する書き込み速 度は読み出し速度より低速であるため、 M P E G 4形式のデ一タス トリームの記録レートが高い場合は書き込みに失敗するおそれがあ ることである。
上述の問題は、 実施形態 1〜 3に示すように、 映像および音声を 一旦ハードディスクに記録しながらそれまで記録されたデータ量を 把握しておくことにより、 指定されたデータ量に達したときはその 時点で 1つのファイルを生成できる。 すなわち、 圧縮の結果、 符号 化効率が変動したとしても、 得られたデータのデータサイズを基準 としてデータファイルを生成できる。 このデータサイズをメモリ力 一ドの記録可能容量に基づいて決定することにより、 メモリカード に対して容量の使用効率の高いダビング処理を行うことができる。 なお、 実施形態 1および 3においては、 メモリカードへの書き込み 速度が M P E G 4の記録レートを下回っていても、 カードからの読 み出し速度が、 M P E G 4記録レートを上回れば、 再生可能である。 なお、 実施形態 3においては、 M P E G 2録画された番組のプロ グラムストリ一ムはハ一ドディスク上に保存されているとして説明
したが、 D VD— RAM上に保存されていてもよい。 このときも、 MP E G 2形式のプログラムストリ一ムから再エンコードされた M P E G4形式の AS Fストリームは、 所定のデ一夕サイズの AS F ファイルとして記録され、 メモリカードへコピーすればよい。 なお、 実施形態 3においては、 MP E G 2形式から MP E G 4形式への再 エンコードを説明したが、 他に、 MP EG 2形式から、 ビットレ一 卜等の異なる MP E G 2形式への再ェンコ一ドであってもよいし、 MP E G 4形式から、 ビットレ一ト等の異なる MP E G 4形式への 再ェンコ一ドであってもよい。 いずれの再ェンコ一ドであっても、 同じ効果が得られる。
上述の D VDレコーダ 1 0 0の機能は、 図 4、 8および 1 0に示 す処理手順を規定したコンピュータプログラムに基づいて実現され る。 D VDレコーダ 1 0 0の C P U 1 0 7は、 そのようなコンビュ 一夕プログラムを実行することによってデ一夕処理装置の各構成要 素を動作させ、 上述した処理を実現することができる。 コンピュー 夕プログラムは、 CD— R OM等の記録媒体に記録して巿場に流通 され、 または、 インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され る。 これにより、 コンピュ一タシステムを、 上述のデータ処理装置 と同等の機能を有する再生装置として動作させることができる。 産業上の利用可能性
本発明によれば、 MP EG4録画された番組のデータス卜リーム をメモリ力一ドの記録容量に基づいて決定された容量単位で分割し、
1以上のファイルを生成するデータ処理装置 (例えば D V Dレコー ダ) を得ることができる。 確実にリムーバブルメディアに収まる容 量でファイルが生成されるので、 例えばハ一ドディスク等の大容量 メディアに記録した番組を、 それよりも小さな容量のリムーバブル メディア (D V D— R A Mやメモリカードなど) にコピーする場合、 マーカ情報など必要とすることなく、 またデータストリームの編集 等も必要とすることなく、 得られたファイルをリム一バブルメディ ァに単にコピーすればよい。 本発明によるデータの処理方法は、 モ パイル機器等で視聴する用途に非常に好適である。