明 細書 超 高域再 生用 ス ピ ー カ 技術分野
本発 明 は 1 0 0 k H z に 及ぶ超 高音 の 再 生 を 行 う ス ピ 一 力 に 関 す る 。 背 景技術
近年 、 D V D ォ ■
— ア イ ォ及びス 一パ ォ — デ ィ ォ C D の よ う な 高 品位 、 超広 帯域 ソ ー ス を 記録 す る 記録媒体 が巿 場 に広 が つ て き た 。 こ れ ら の ソ 一ス を 再生す る た め に 、 約 1 0 0 k Η ζ の 超高 音域 ま で再 生 が可能 な ス ピ ― 力
( い わ ゆ る ツ イ 一夕 ゃ ス ― パ ッ ィ 一タ ) が求 め ら れて き て い る 。 D V D ォ一テ ィ ォ及びス 一パ ォ一デ ィ ォ C D の よ う な 記録媒体並び に そ れ ら の 再 生 装 置 の 低価格化 に # い 単 α コ ン ポ一ネ ン 卜 又 は小 型 ス テ レ ォ の 要素 と し て 超高域 ま で再 生 で き る 安価な ス ピ一力 が求 め ら れ て い る 特 開 2 0 0 0 - 3 3 3 2 9 5 号公報 に 、 外周 部 が フ レ 一ム に 支持 さ れ た 円 錐型 振動板 と 、 円 錐型振動板 の 頂部 に 連結 さ れ た モ ノ モ レ フ 型圧電 セ ラ ミ ツ ク 振動子 と 、 を 有 す る 従来例 1 の ス ピ ー 力 が記載 さ れ て い る ( 同 公報 の 図 5 ) 。
上記公報 に 、 フ レ ー ム と 、 フ レ — ム に 外周 部が接着 固 定 さ れ た 円 錐型振動板 と 、 円 錐型 振動 板 の 内 周部 と 接す
る ド ー ム 型振動板 と 、 ド ー ム 型振動板 の 外周 部 に 接着 さ れ た圧電 素子 と 、 を 有す る 従来例 2 の ス ピ 一 力 が記載 さ れ て い る ( 同 公報 の 図 6 ) 。
上記公報 に 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 振動 板 を 取 り 付 け た構造 を 有す る 、 従来例 1 及 び 2 と 比 べて 性能 の 改善 さ れた 従来例 3 の 高音用 ス ピ ー カ が 開 示 さ れて い る ( 同 公報 の 図 1 ) 。
図 1 4 〜 図 1 6 を 用 い て従来例 3 の 高音用 ス ピ ー カ を 説 明 す る 。 図 1 4 は従来例 3 の 高音用 ス ピ ー カ の 構造 を 示す 図 で あ る 。
図 1 4 に お い て 2 1 は圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子、 2 2 は フ レ ー ム 、 2 3 は ド ー ム 型振動板 、 2 4 は孔 、 2 5 は 固 定部材 で あ る 。
圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 は 、 円 環 状 の セ ラ ミ ッ ク 圧 電 素子で あ り 、 両面 に 銀電極が設 け ら れ 、 厚 さ 方 向 に 分 極 さ れて い る 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 は 、 内 周 部 に お い て 弾性体 の 固 定部材 2 5 を 介 し て フ レ ー ム 2 2 に 固 定 さ れて い る 。 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 は 、 径方 向 に 伸 縮 し 、 全周 に わ た っ て 均一 に 振動す る 。 厚 さ 3 5 m の ポ リ エ ー テ ルイ ミ ド フ ィ ル ム で 形 成 さ れ た 直径 2 0 m m の ド ー ム 型 振動板 2 3 は、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 の 外周 部 に 接着 固 定 さ れて い る 。 ド ー ム 型振動板 2 3 は 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 の 径方 向 の 振動 を 上下振動 に 変換す る 。 上記構造 に よ り 、 従来例 3 の 高 音用 ス ピ ー カ は 、 広 い 放射面積 と 、 高 い 音圧 レ ベ ル と 、 円 錐形 状 の 振
動板等 を 用 い た 場合 に 比 ベて乱れ が 少 な い 音圧周 波数特 性 と 、 を 実現 し た 。 図 1 6 に 従来例 3 の 高音用 ス ピ ー カ の 音圧周 波数特性 (横軸 が周 波数 で 縦軸 が音圧で あ る 。 以下 、 同 じ 。 ) を 示す 。 従来例 3 の 高 音用 ス ピ 一 力 は 、.
2 0 k H z 以 下 の 周 波数帯域 を 有 す る 従来 の ソ一ス を 再 生す る 上 で 、 十分 な 性能 を 発揮 し た 。
従来例 3 の 高 音用 ス ピ 一 力 に お い て は 、 円 環状 の 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 2 1 が 内 周 部 で 固 定 さ れ、 そ の 対極で あ る 外周 部 に 振動板 2 3 が取 り 付 け ら れ て い る 。 図 1 5
( a ) 〜 ( c ) は 、 内 周 部 を 固 定 し た 円 環状 の 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 3 つ の 振動 モ ー ド を 示す 図 で あ る 。 図 1 5 ( a ) 〜 ( c ) の 上側 の 図 は振動 し て い る 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 の 平面 図 で あ る 。 図 1 5 に お い て 、
( a ) は第 1 次 ( 基本周 波数) モ一 ド 、 ( b ) は第 2 次 節 円 モ ― ド 、 ( c ) は第 3 次節 円 モ ー ド を 示す 。 八 ツ チ ン グ を し た 部 分 は八 ッ チ ン グ し て い な い 部分 と 逆方 向 に 変位 し て い る こ と を 表 し て い る ( 八 ッ チ ン グ を し た 部分 と 八 ッ チ ン グ し て い な い 部分 と の 境界が振動 の 節 で あ る 。 )
図 1 5 ( a ) 〜 ( c ) の 下側 の 図 は圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 変位 の 様子 を 表 し て い る (振 動振 幅 を 縦軸 で表示 し て い る 。 圧 電 セ ラ ミ ツ ク 振動子 は 、 実 際 に は径方 向 に 振動す る 。 ) 。 図 1 5 に 示す よ う に 、 ド ー ム 型振動板 2 3 が接続 さ れ る 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動 子 2 1 の 外周 部 は 、 全て の 振動 モ ー ド に お い て腹 と な る 。 圧電セ ラ ミ ッ ク 振
動子 2 1 の 振動 は 、 外周 部 の み に お い て ド ー ム 型 振動板 2 3 に 伝達 さ れ る 。 そ の た め 、 従来例 3 の 高 音用 ス ピ 一 力 は構造 上共振 を 起 こ し 易 い 。 そ の た め 、 従来例 3 の 構 造 に よ れ ば、 音圧 周 波数特性 の ピ ー ク デ イ ツ プが 非常 に 大 き く な る 。 図 1 6 に 示す よ う に 、 従来例 3 の 高 音用 ス ピ 一 力 は 、 そ の 音圧周 波数特性 に お い て 約 2 7 k H z 近 傍 に 大 き な ピ ー ク を 有 す る 。
円 形 の 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 を そ の ま ま 用 い た 高 音 用 ス ピ ー カ は 、 イ ン ピ 一 ダ ン ス が 非常 に 高 い 故、 フ ラ ッ ト な 音圧周 波数特性が得 ら れな い ばか り か 、 音圧 レ ベ ル も 低 い 。 従来例 3 の ス ピ ー カ は 、 振動板面積 を 大 き く す る こ と に よ り 、 大 き な 音圧 レ ベ ル を 得 た 。 そ の た め 、 従来 例 3 の ス ピ ー カ の 振動板 は 、 直 径 が大 き く な ら ざ る を 得 な か っ た 。 一般 に ス ピ ー カ は 、 振動板 を 大 き く す る と 、 指 向特性 が劣化す る 。
D V D オ ー デ ィ オ 又 は ス ー パ ォ 一 デ ィ ォ C D か ら 再 生 さ れ た ソ ー ス の 上側遮 断周 波数 は約 9 6 k H z で あ る 。 従来例 3 の 高 音用 ス ピ ー カ は 、 こ の よ う な 高 品位 、 超広 帯域 ソ ー ス を 性能 的 に 十分 に 再 生 で き な か っ た 。 図 1 6 に 示す よ う に 、 従来例 3 の 高 音用 ス ピ ー カ は 、 2 0 k H z を 超 え る 領域で 大 き な ピ ー ク デ ィ ッ プ を 有 し 、 約 4 0 k H z 程度 ま で し か 十分 な 音圧 が得 ら れな い 。
従来例 3 の 高音用 ス ピ ー 力 に 使用 さ れて い る 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 は 、 円 環状 の 特殊 な 形 状 を 有す る 故 、 コ ス ト が 非 常 に 高 か っ た 。
本発 明 は上記従来 の 問 題点 を 解決す る も の で 、 ピ ー ク デ ィ ッ プが小 さ く 且 つ 上側遮断周 波数 が 1 0 0 k H z を 超 え る 優 れ た 音圧周 波数特性 と 、 高 い 音圧 レ ベル と 、 優 れ た 指 向 特性 と を 有す る 安価 な 超 高域再 生用 ス ピ ー カ を 提 供す る こ と を 目 的 と す る 。 発 明 の 開 示
上 記 目 的 を 達 成す る た め 、 本発 明 は 以下 の 構成 を 有す る 。
本発 明 の ひ と つ の 観点 に よ る 超 高 域再生 用 ス ピ ー カ は 圧電セ ラ ミ ッ ク と 金属基板 を 接合 し た 略 円 盤状 の 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 と 、 前記圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 取 り 付 け ら れ た ド ー ム 型振動板 と 、 前記圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 外周 部 を 固 定 し 且 つ 前記 ド ー ム 型振動板 の 前面 に 開 口 部 を 有す る パ ネ ル と 、 を 有 し 、 前記 ド ー ム 型 振動板 の ド ー ム 部 の 直 径 を 前記圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 実効 可 動 直 径 の 0 . 5 〜 0 . 8 倍 と し た こ と を 特徴 と す る 。
本発 明 は 、 ピ ー ク デ ィ ッ プが小 さ く 且つ 上側遮 断周 波 数 が 1 0 0 k H z を 超 え る 優れ た 音圧 周 波数特性 と 、 高 い 音圧 レ ベ ル と 、 優 れ た 指 向特性 と を 有す る 安価 な 超 高 域再 生用 ス ピ ー 力 を 実現す る 。
「 ド ー ム 部 の 直 径」 は 、 ド ー ム 型 振動 板 の ド ー ム 部 が圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 接合 さ れ た 面 の 直径 を 意味す る
( ド ー ム 部 の 曲 率 の 2 倍 の 値 で は な い 。 ) 。 ド ー ム 部 の 直 径 の 測 定 に お い て 、 ド ー ム 部 の 周 辺 の 水平 な つ ば の 部
分 は含 ま れ な い 。
本発 明 の 他 の 観 点 に よ る 上記 の 超高 域再 生用 ス ピ ー 力 は 、 刖 記圧 電 セ ラ ミ ッ ク の 直径が 、 前 記 ド ー ム 部 の 直 径 と ほ ぼ同 一 で あ る こ と を 特徴 と す る 。
本発 明 は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク が発 生す る 振動 の 大 部分 を ド ー ム 型振 動板か ら 放射す る 効 率 の 良 い 超高 域再 生用 ス ピ ー 力 を 実 現す る 。
本発 明 の 他 の 観 点 に よ る 上記 の 超高 域再 生用 ス ピ ー 力 は 、 前記 開 口 部 が前記 ド ー ム 部 の 直 径 と ほ ぼ 同 一 で あ る こ と を 特徴 と す る 。 本発 明 は 、 更 に 良 い 音圧周波数特性 と 、 広 い 指 向 特性 を 有 す る 超高 域再 生 用 ス ピ ー カ を 実現 す る 。
本発 明 の 他 の 観 点 に よ る 上記 の 超高 域再生用 ス ピ 一 力 は 、 前記圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 昇圧 回路 を 接続 し た こ と を 特徵 と す る 。 本発 明 は 、 音圧 の 高 い 超高 域再 生用 ス ピ ー 力 を 実 現す る 。
本発 明 の 他 の 観 点 に よ る 上記 の 超 高 域再 生用 ス ピ ー 力 は 、 刖 記 ド ー ム 型 振動板 の 第 1 次 高域共振周 波数 は 前記 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 第 2 次高 域共 振周 波数 よ り も 高 く し た こ と を 特徴 と す る 。 本発 明 は 、 上側遮断周 波数 が い 超 高 域再 生用 ス ピ ー カ を 実現 す る 。
発 明 の 新規 な 特徴 は添付 の 請求 の 範 囲 に 特 に 記 載 し た も の に 他な ら な い が、 構成及 び内 容 の 双方 に 関 し て 本発 明 は 、 他 の 目 的や 特徴 と 共 に 、 図 面 と 共 同 し て理解 さ れ る と こ ろ の 以下 の 詳細 な 説 明 か ら 、 よ り 良 く 理解 さ れ評
価 さ れ る で あ ろ う 図面 の 簡単な 説 明
図 1 は 、 本発 明 の 実施 の 形態 1 及 び 2 の 超 高域再 生用 ス ピ ー カ の 構造 図 で あ る 。
図 2 は 、 本発 明 の 周 辺 を 固 定 し た 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動 子 の 振動 モ ^ ~ ト を 示す 図 で あ る 。
図 3 は 、 外周 を 固 定 し た 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 各部 の 音圧周 波数特性 を 示す グ ラ フ で あ る 。
図 4 は 、 ド一ム 部 の 直径 を 圧電 セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 実 効可動直径 の 0 . 2 倍 に し た 場合 の ス ピ ー 力 の 音圧 周 波 数特性で あ る 。
図 5 は ム 部 の 直径 を 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 実 効可動直径 の 0 . 3 倍 に し た 場合 の ス ピ ー 力 の音圧 周 波 数特性で あ る 。
図 6 は 、 ド 一ム 部 の 直径 を 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 実 効可動直 径 の 0 . 4 倍 に し た 場合 の ス ピ ー 力 の音圧周 波 数特性で あ る 。
図 7 は 、 ド一ム 部 の 直 径 を 圧電 セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 実 効 可動直 径 の 0 . 5 倍 に し た 場合 の ス ピ ー 力 の音圧周 波 数特性で あ る 。
図 8 は 、 ド一ム 部 の 直径 を 圧電 セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 実 効可 動直 径 の 0 . 6 倍 に し た 場合 の ス ピ ー 力 の 音圧 周 波 数特性 で ■め る 。
図 9 は 、 ド一ム 部 の 直径 を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実
効 可動直 径 の 0 . 7 倍 に し た 場合 の ス ピ ー カ の 音圧周 波 数特性 で あ る
図 1 0 は 、 ド一ム 部 の 直 径 を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効 可動直径 の 0 . 8 倍 に し た 場 合 の ス ピ ー カ の 音圧周 波数特性 で あ る 。
図 1 1 は 、 ド一ム 部 の 直 径 を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効可動直 径 の 0 . 9 倍 に し た 場合 の ス ピ ー カ の 音圧周 波数特性 で あ る 。
図 1 2 は 、 本発 明 の 実施 の 形態 1 の 超高 域再 生 用 ス ピ
— 力 の 音圧周 波数特性 図 で あ る 。
図 1 3 は 、 本発 明 の 実施 の 形態 2 の 超高 域再生用 ス ピ 一 力 の 音圧周 波数特性 図 で あ る 。
図 1 4 は 、 従来例 3 の 高 域再 生用 ス ピ ー カ の 構造 図 で め る 。
図 1 5 は 、 従来例 3 の 超高域再 生用 ス ピ 一 力 の 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 の 振動 モ 一 ド を 説 明 す る 図 で あ る 。
図 1 6 は 、 従来例 3 の 超 高 域再 生用 ス ピ ー 力 の 音圧周 波数特性 図 で め る 。
図 面 の 一部 又 は全部 は 、 図 示 を 目 的 と し た 概要 的表現 に よ り 描 か れ て お り 、 必 ず し も そ こ に 示 さ れ た要 素 の 実 際 の 相 対 的大 き さ や位置 を 忠 実 に 描写 し て い る と は 限 ら な い こ と は考 慮願 い た い 。 発 明 の 実施 を す る た め の 最 良 の 形態
以下 、 本発 明 の 実施 を す る た め 最 良 の 形態を 具体 的 に
示 し た 実施 の 形 態 に つ い て 図 面 と と も に 記載す る 。
《実施例 1 》
図 1 〜 1 2 を 用 い て 、 本発 明 の 実施 の 形態 1 の 超 高 域 再 生用 ス ピ ー カ を 説 明 す る 。 図 1 は実施 の 形態 1 の 超 高 域再 生用 ス ピ ー カ の 構造 を 示す。 図 1 に お い て 、 1 は圧 電セ ラ ミ ッ ク 振動子 、 2 は昇圧回路 、 3 は ド ー ム 型 振動 板 、 4 は フ レ ー ム の 前面 の ノ\° ネ ルで あ る 。
圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 は 、 厚 さ 方 向 に 分極 し た 円 形 の 圧電セ ラ ミ ッ ク 1 a と 円 形 の 金属基板 1 b と を 同 軸 上 に 接合 し た構造 を 有す る 。 圧電セ ラ ミ ッ ク l a は 直 径 1 5 m m 、 厚 み 0 . 2 m m で あ る 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク l a は 非 常 に 広範 に 使用 さ れて い る 汎用 の 円 形 で 小型 の 圧電 セ ラ ミ ッ ク で あ る 。 金 属基板 l b は材質 が真鍮、 直 径 2 0 m m 、 厚 み 0 . 1 5 m m で あ る 。 金属基板 l b は圧 電 セ ラ ミ ッ ク l a よ り 大 き な 径 を 有す る 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 1 は 、 金属板 の 片面 に 圧電セ ラ ミ ッ ク 薄板 を 接着 し た モ ノ モ ル フ 型圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子で あ る 。
従来例 3 の ス ピ ー カ に お い て は 、 圧 電セ ラ ミ ッ ク 振動 子 2 1 の 径方 向 の振動が 、 厚 さ 3 5 m の ポ リ エ ー テ ル イ ミ ド フ ィ ル ム で 形 成 さ れ た ド ー ム 型 振動板 2 3 に よ つ て 上下 (圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 の 厚 さ 方 向) の 振動 に 変換 さ れた 。
本発 明 の ス ピ ー カ に お い て は 、 剛性 を 有す る 金 属基板 1 b と 圧電セ ラ ミ ッ ク 1 a と の 間 で発 生す る た わ み に よ
り 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 が厚 さ 方 向 に 振動す る 。 圧 電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 か ら 柔軟な ド ー ム 型 振動 板 2 3 に振動 を 伝達 し て 、 振動方 向 の 変更 を 行 う 従来例 3 の 構 成 と 比 べ て 、 本発 明 の 構成 に お い て は 、 振動 の伝 達 時 の ロ ス が少 な く 、 高 域周 波数成分 の 減衰 も 少 な い 。 本発 明 の構成 に よ り 、 は る か に 大 き な レ ベ ルで 、 高 い 上側遮 断 周波数 の 音圧 を 得 る こ と が 出 来 た 。
ド ー ム 型振動板 3 は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 金 属 基板 l b の 面 に 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 と ド ー ム 型 振 動板 3 の 端面 と が 同 軸 上 に 取 り 付 け ら れ て い る 。 ド ー ム 型振動板 3 は 、 0 . 0 5 m m の 厚 さ を 有す る ポ リ エ チ レ ン テ レ フ タ レ ー ト (通称 P E T ) の フ ィ ル ム で形 成 さ れ て い る 。 ド ー ム 型 振動板 3 は 、 直 径が 1 3 m mで 全高 が 3 m m の ド ー ム 部 を 有す る 。 ド ー ム 部 の 周 辺 に 幅 l m m の 水平 な つ ばが付 い て い る 。 こ の つ ばが金属 基板 1 に 接着 さ れ て い る 。
パ ネ ル 4 は 図示 し な い フ レ ー ム の 前面 に 取 り 付 け ら れ て い る 。 パ ネ ル 4 は実用 的 な 剛 性 を 有す る ポ リ ス チ ロ ー ル樹脂 で 形成 さ れて い る 。 ノ\° ネ ル 4 は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 外周 部 ( 半 径 9 . 5 m m か ら 最外 周 ( 半 径 1 0 m m ) ま で の 環状部) を 接着 固 定 し て い る 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 実効可動直径 は 、 約 1 9 m m で あ る 。 実 効可動直 径 と は、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 が振動 の で き る最 大外径 を い う 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 に お い て 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 1 a の 直径 は金 属基板 1 b の 直径 よ り 小
さ い 。 金属 基板 1 b の 外 周 部 がパ ネ ル 4 に 接着 固 定 さ れ て い る 。
パ ネ ル 4 は 、 ド 一 ム 型 振動板 3 の 前面 に 直 径 1 3 m m の 開 口 部 4 a を 有す る 。 ノ \° ネ ル 4 は 、 開 口 部 4 a を 中 心 と す る 浅 い 円 錐部 を 有す る 。 円 錐部 は 、 開 口 部 4 a の 外 周 部 で最 も 厚 さ が薄 く な る 、 図 1 に 示す よ う に 、 パ ネ ル 4 の 開 口 部 4 a 力 ら ド ー ム 型振動板 3 の ほ と ん ど が露 出 し て い る 。 こ れ に よ り 、 本発 明 の ス ピ ー カ は広 い 指 向 性 を 実現 し て い る 。
パ ネ ル 4 の 開 口 部 4 a と ド ー ム 型振動板 3 と の 直径 は 同 一 で あ る 。 ノ\° ネ ル 4 は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 外 周 部 と の 上記 の 接着部分 (圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 外 周 の 環状部 ) を 除 い て 、 ド ー ム 型振動板 3 及 び圧 電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の い ずれ と も 接触 し て い な い 。 パ ネ ル 4 と ド ー ム 型 振動板 3 及び圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 と の 間 に は狭 い 隙 間 が設 け ら れて い る 。 上記 の 構造 に よ り 、 圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 可 動部分で あ っ て 且 つ ド ー ム 型 振動 板 3 よ り 外周 の 部分 が発す る 音波 は 、 ス ピ ー カ の 外 の 放射 さ れ な く な つ て い る 。
振動板 3 は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 外 周 部 ( パ ネ ル 4 と 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 と の 接続部) に 取 り 付 け ら れて お ら ず 、 ド ー ム 部 の 直 径 は圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 実効可 動 直径 よ り も 短 い 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 1 a の 直 径 が 、 ド ー ム 部 の 直径 と ほ ぼ 同 一で あ る 。 圧電セ ラ ミ ツ ク 1 a と 金 属 基板 1 b と の 間 で 発生す る た わ み ( 振動 )
の 大部分 は、 振動板 3 に 伝 わ る 。 振動板 3 と 接す る 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 1 の 部 分 (圧電セ ラ ミ ッ ク l a と 金 属 基板 1 b と が 接 し て い る 部分 と ほ ぼ 同 一 で あ る 。 ) は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 固 定部 (外周 部) と 離れて い る 故 に 、 振動 が抑 制 さ れ に く い 。
振動板 3 の 直径 は 1 3 m m と 大変 小 さ く 、 ド ー ム 部 の みが且つ の ド ー ム 部 の ほ ぼ全体 がパ ネ ル 4 の 開 口 部 4 a か ら 露 出 し て い る 故 、 実施 の 形態 の ス ピ ー カ は優 れた 指 向特性 を 有す る 。 パ ネ ル 4 の 開 口 部 4 a は実 質的 に ド 一 ム 部 の み を 外 部 に 露 出 し て い る 。 パ ネ ル 4 は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 1 の 外周 部 (音圧周 波数特性 が劣 る 部分 で あ る 。 ) の 前 面 を 覆 っ て お り 、 そ こ か ら の 音 を 遮 っ て い る 。 こ れ に よ り 、 実施 の 形態 1 の ス ピ ー カ の 音圧周 波数 特性 を 更 に 良 く し て い る 。 '
ド 一 ム 型振 動板 3 の ド ー ム 部 の 直 径 ( 1 3 m m ) は 、 周 辺が 固 定 さ れた 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 実効可動直 径で あ る 1 9 m m の 0 . 6 8 倍 で あ る 。 こ れ に よ り ( 詳 細 な 説 明 は後述) 、 従来例 の ス ピ ー カ で 生 じ て い た ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き い と い う 問題 が解消 さ れ 、 優れ た 音圧 周 波数特性が 得 ら れ る 。
昇圧 回 路 2 は昇圧 コ イ ル 2 a 、 コ ン デ ン サ 2 b 、 抵抗 2 c 、 入 力 端子 2 d ( ホ ッ ト 側) 及 び 2 e ( グ ラ ン ド 側) カゝ ら な る 。
抵抗 2 C 及 び コ ン デ ン サ 2 b カゝ ら な る 直 列体 の 一端 は 入 力 端子 2 d ( ホ ッ ト 側) に 接続 さ れて お り 、 他端 は ォ
一 卜 ト ラ ン ス ( 1 次側巻線 と 2 次側巻線 と が分割 し て巻 い て い な い 。 ) で あ る 昇圧 コ イ ル 2 a の 1 次側端子 に 接 続 さ れて い る 。 昇圧 コ イ ル 2 a の ダ ラ ゥ ン ド 端子 は入 力 端子 2 e ( グ ラ ン ド 側) 及 び圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 金属基板 1 b に 接続 さ れて い る 。 昇圧 コ イ ル 2 a の 2 次 側端子 は圧電 セ ラ ミ ッ ク 1 a に 接続 さ れ て い る 。
昇圧 コ ィ ル 2 a は外径 が 1 0 m mで 長 さ が 1 0 m m の 小型 フ エ ラ イ 卜 コ ア ポ ビ ン に 、 線径 0 . 1 2 m m の ェ ナ メ ル銅線 を 巻 い た も の で あ る 。 コ ン デ ン サ 2 b に 接続 さ れた 1 次側 の コ ィ ル巻数 は約 4 0 回 で あ り 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 1 a に 接続 さ れ た 2 次側 の コ イ ル巻数 は約 2 4 0 回 で あ る 。 昇圧 コ ィ ル 2 a の 昇圧比 は 1 : 6 で あ る 。 昇圧 回路 2 は入 力 駆動電圧 を 6 倍 に 昇圧 し 、 昇圧 し た 駆動電 圧 を 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 に 印加す る 。 本 発 明 の ス ピ — 力 に お い て は 、 昇圧 回 路 2 を 有 し て い な い ス ピ ー カ と 比較 し て 、 約 1 6 d B 高 い 音圧 レ ベ ル が得 ら れた 。
実施 の 形態 1 の ス ピ ー カ は 、 入 力 し た 圧電 セ ラ ミ ッ ク の 駆動電 圧 を 昇圧 コ イ ル 2 a で高 く し て 、 従来 よ り も 高 い 音圧 を 実現 し て い る 。 コ ン デ ンサ 2 b は 、 容量 が 0 . 6 8 F で耐圧 が 5 0 V の 数 m m角 の 大 き さ を有 す る 小 型 の フ ィ ル ム コ ン デ ン サで あ る 。 昇圧 回 路 2 の下 側遮 断 周 波数 は 約 2 0 k H z で あ る 。 昇圧 コ ィ ル 2 a と コ ン デ ン サ 2 b と は共振 回路 を 構成す る 。 共振 回路 の共 振周 波 数が約 2 2 k H z に な る よ う に 、 コ ン デ ン サ 2 b の 容量 を 決定 し て い る 。 2 2 k H z 近傍 の 出 カ レ べ ル を 上 げ る
こ と に よ り 、 昇圧 回路 2 の 帯域 を 低域方 向 に 伸 ば し て い る 。 抵抗 ' 2 c の 抵抗値 を 変化 さ せ る こ と に よ り 、 昇圧 コ ィ ル 2 a と コ ン デ ン サ 2 b か ら な る 共振 回 路 の Q が変 わ る 。 2 0 k H z 近傍 の ス ピ 一 力 の 音圧周 波数特性 が フ ラ ッ 卜 に な る よ う に 、 抵抗 2 c の 抵抗値 を 決定 し て い る 。 実施 の 形態 1 に お い て は 、 抵抗 2 c は 、 イ ン ピ — ダ ン ス が 2 . 2 Ω で 定格容 W の 小型抵抗 で あ る
図 2 、 図 3 を 参 照 し な が ら 詳 し く 説 明 す る 。 図 2
( a ) ( d ) は 、 外周 部 を 固 定 さ れ た 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 種 々 の 振動 モ 一 ド を 示す 図 で あ る 。 図 2
( a ) ( d ) の 上側 の 図 は振動 し て い る 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 1 の 平面 図 で あ る 。 図 2 に お い て 、 ( a ) は第 1 次 (基本周 波数) モ ー ド 、 ( b ) は第 2 次 節 円 モ ー ド ( c ) ' は第 3 次 節 円 モ ー ド 、 ( d ) は第 4 次 節 円 モ ー ド を 示す 。 八 ツ チ ン グ を し た 部分 は八 ッ チ ン グ し て い な い 部 分 と 逆方 向 に 変位 し て い る こ と 表 し て い る ( 八 ツ チ ン グ を し た 部分 と 八 ッ チ ン グ し て い な い 部分 と の 境界が 振動 の 節 で あ る 。 ) 。 図 2 ( a ) 〜 ( d ) の 下側 の 図 は 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の変位 の 様子 を 表 し て い る ( 振 動振 幅 を 縦軸 で表示 し て い る 。 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 は 、 そ の 厚 さ 方 向 に 振動 す る 。 )
図 2 に 示す よ う に 、 外 周 部 が 固 定 さ れ た 圧電セ フ ミ ツ ク 振動子 1 で は 、 固 定部 の対極 の 部位 で あ る 中 心部 が振 幅 最大 の 腹 と な り 、 最 も 共振が強 く 起 こ る 。
従来例 3 の ス ピ ー 力 に お い て は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動
子 2 1 は 内 周 部が固 定 さ れた 円 板 リ ン グで あ っ た 。 こ の よ う な 構成 に お い て は 、 固 定部 の 対極 の 部位 で あ る 外 周 部 が振 幅最大 の 腹 と な り 、 最 も 共振 が強 く 起 こ る 。 従来 例 3 に お い て は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 の 外 周 部 は 全 て の 振動 モ ー ド に お い て腹 と な る 。 従来例 3 に お い て は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 2 1 は 、 そ の 外 周 部 の み に お い て ド ー ム 型振動板 2 3 と 接続 さ れて い る 故 、 音圧周 波 数特性 の ピ ー ク デ ィ ッ プが非常 に 大 き く な る 。
圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 外周 部が 固 定 さ れて い る 本 実施 の 形態 に お い て は 、 あ る 直 径 の 範 囲 (例 え ば圧電 セ ラ ミ ッ ク 1 a の 直径 の 範 囲 ) 内 で は振動 モ ー ド が極端 な 共振特性 を も つ こ と がな く 、 周 波数特性 の ピ ー ク デ ィ ッ プが小 さ く な る 。 こ の こ と を 実験 に よ り 実 証 し た 。
図 3 を 参 照 し な が ら 実験結果 を 説 明 す る 。 図 3 は 、 最 外周 を 固 定 し た 実施 の 形 態 1 の 外径 2 0 m m の 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 音圧 周 波数特性 を 示す グ ラ フ で あ る 。
音響理論 に お い て 、 振動加速度 に 振動板 の 放射抵抗 を 掛 け た も の は音圧周 波数特性 に な る こ と が知 ら れ て い る 図 3 に 示 し た 音圧周 波数 特性 は 、 振動加速度周 波 数特性 を 測定 し 、 そ の 測定結果 に 放射抵抗 を 掛 け て 得た 。
図 3 に お い て 、 A 〜 D は、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 種 々 の 部位 に お け る 特性 を 示す 。 A (細 実線) は 中 心点 の 特性、 B ( 点線) は直径 が 7 m m ( 中 心 か ら の 距 離が 0 3 5 m m ) つ ま り 外 径 の 0 . 3 5 倍 の 周 上部位で の 特性 C (太実線) は直径 が 1 3 m m つ ま り 外径 の 0 . 6 5 倍
の 周 上 部位で の 特性 、 D ( 破線) は直 径 が 1 7 m m つ ま り 外径 の 0 . 8 5 倍 の 周 上部位 で の 特性 で あ る 。
図 3 に 示す よ う に 、 A の 特性 は最 も ピ ー ク デ ィ ッ プが 激 し く 、 B の 特性 も 程度 は若干 小 さ い も の の A の 特性 と 同 様 に ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き い 。 一方 D の 特性 は 、 ピ ー ク デ ィ ッ プ の 高 さ は少 し 低 く な つ て い る が 、 全体 的 な レ ベ ル も 低 く な り 、 且つ 周 波数 が高 く な る と レ ベル が減衰 し て い る 。 C の 特性 が全体 的 に 最 も ピ ー ク デ ィ ッ プが少 な く 、 高 い 周 波数 ま で 均 一 な レ ベ ル を 有 し て い る 。
図 3 で は代表 的 な 直 径部位 で の 特性 を 示 し た 。 実験 に よ り 、 直 径が 1 0 m m 〜 1 6 m m の 範 囲 ( 中 心か ら の 距 離 が 5 m mか ら 8 m m の 範 囲 ) つ ま り 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 実効 可 動直 径 の 0 . 5 倍〜 0 . 8 倍 の 範 囲 内 で は C の 特性 と 同 様 に 全体的 に ピ ー ク デ ィ ッ プ の 少 な い 特性 の 得 ら れ る こ と が分か っ た 。 こ の 範 囲 の 部位 で は A と D の 中 間 的 な特 性が得 ら れ る 。 こ の 部位 の 振動 を 振動板 3 に 伝達す る こ と に よ り 、 ピ ー ク デ ィ ッ プが緩和 さ れ る 。
図 4 か ら 図 1 1 及 び表 1 に 、 ド ー ム 型 振動板 3 の ド 一 ム 外径 D d を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効可動直 径 D o の 0 . 2 倍 、 0 . 3 倍 、 0 . 4 倍 、 0 . 5 倍 、 0 . 6 倍 0 . 7 倍 、 0 . 8 倍 、 0 . 9 倍 に そ れぞれ変 化 さ せ た 場 合 の 、 音 圧周 波数特性 を 示す 。
図 4 か ら 図 1 1 の デー タ を 測 定 し た 際 に お け る 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 と そ の 実効 可動 直径 、 昇圧 回路 、 パ ネ ル の 構造 、 ド ー ム 型振動 板 の 材質 、 パ ネ ル の 材質 は 、 図
1 で 説 明 を し た 内容 と 同 じ で あ る 。 各 々 の 場 合 の パ ネ ル の 開 口 は 、 ド ー ム 型 振動板 の 外径 と 同 じ と し て い る 。 ド ー ム 型振動板 の 曲 率 半 径 は全て 9 m m で あ る 。
図 4 力ゝ ら 図 6 に 示す よ う に 、 ド ー ム 型 振動 板 3 の 外径 が小 さ い 場合 、 すな わ ち ド ー ム 外径 が圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 1 の 実効 可動直 径 の 0 . 2 倍 〜 0 . 4 倍 の 場 合 は 、 音圧周 波数特性 の ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き い 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 中 心点 は最 も 共振 レ ベ ル が高 い故 に 、 こ の 近傍 の 部位で は ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き い 。
全体的 な音圧 レ ベ ル が ド ー ム 外径 が小 さ い ほ ど 低 い 。 こ れ は振動板外径が 小 さ い ほ ど 振動板面積が 小 さ く な る か ら で あ る 。
図 7 力ゝ ら 図 1 0 に 示す よ う に 、 ド ー ム 型振動板 3 の 外 径 が圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 実効 可動 直径 の 0 . 5 倍 〜 0 . 8 倍 の 場 合 は 、 音圧周 波数特性 の ピ ー ク デ ィ ッ プ が小 さ く 、 か つ 全体 的 な 音圧 レ ベ ル は 比 較的 高 い 。
図 1 1 に 示す よ う に 、 ド ー ム 外径 が圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 実効可動 直径 の 0 . 9 倍 の 場 合 に は 、 ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き く 、 音圧 レ ベ ル も 低 く な つ て い る 。 ド ー ム 外 径 が大 き い に も か か わ ら ず音圧 レ ベ ル が低 く な る の は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 外 周 固 定端 の 近傍 の 部位 で は 、 振動子 の 振 幅 が減衰 さ れ る か ら で あ る 。
表 1 は ド ー ム 型振動 板 3 の 形 状 と 音圧周 波数特 性 の 傾 向 を ま と め た も の で あ る 。 表 1 に お い て 、 D d は ド ー ム 型 振 動板 3 の 外径 ( 直 径) 、 h は ド ー ム の 高 さ ( 但 し 、
ド ー ム の 曲 率 半 径 は 全 て 9 m m ) 、 R は ド ー ム 型 振 動 板 3 の 外 径 の 圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振 動 子 1 の 実 効 可 動 直 径 ( 1 9 m m ) に 対 す る 比 率 、 d は 音 圧 周 波 数 特 性 の 2 0 k H z 〜 1 0 0 k H z の 偏 差 ( 1 Z 8 ォ ク 夕 ー ブ 以 下 の 鋭 い ピ ー ク デ ィ ッ プ は 除 く ) 、 平 均 S P L ( Sound Pres sure Leve l。 平 均 音 圧 レ べ ゾレ ) は 音 圧 周 波 数 特 性 の 2 0 k H
1 0 0 k H z の 平 均 音 圧 レ ベ ル を そ れ ぞ れ 示 す 。
表 1 か ら 、 ド ー ム 型 振 動 板 3 の 外 径 が 圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振 動 子 1 の 実 効 可 動 直 径 の 0 . 5 〜 0 . 8 倍 の 範 囲 で 音 圧 周 波 数 特 性 の 偏 差 ( ピ ー ク デ ィ ッ プ の 大 き さ ) が 小 さ い こ と が 分 か る ( ± 5 d B の 範 囲 内 ) α 平 均 S P L は 、 ド ー ム 外 径 が 圧 電 振 動 子 の 実 効 可 動 直 径 の 0 . 5 倍 〜 0 .
8 倍 の 範 囲 に お い て 大 き く 、 0 . 4 倍 以 下 及 び 0 . 9 倍 以下 の 範 囲 に お い て に 非 常 に 小 さ く な る o
上 記 の 実 験 結 果 よ り 、 ド 一ム 型 振 動 板 3 の 外 径 を 圧 電
8 セ ラ ミ ッ ク 振 動 子 1 の 実 効 可 動 直 径 の 0 5
の 範 囲 内 に 設 計 す る こ と に よ り 、 優 れ た 特 性 の 超 高 域 再 生 用 ス ピ ー 力 を 実 現 で き る
【 表 1 】
Dd (mm) 3.8 5.7 7.6 9.5 11.4 13.3 15.2 17.1 h、mm) 0.2 0.5 0.9 1.4 .2.1 3.0 4.2 6.2
R 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
d (dB) ±12 ±11 ±8 ±5 ±4 ±3 ±5 ±7 平均 SPL (dB) 62 67 75 80 82 82 80 75
本実施 の 形 態 で は 、 ド一ム 型振動板 3 の ド ー ム 部直 径 を 圧電セ ラ S ッ ク 振動子 1 の 実効 可動直 径 の 0 . 5 0 8 倍 の 範 囲 内 の 0 . 6 8 倍 と し て い る 。 周 波数特性 の ピ — ク デ ィ ッ プ の 少 な い 部位 の 振動 が ド ー ム 型振動板 3 に 伝達 さ れ る 。 パ ネ ル 開 口 部 4 a 以外か ら は不要な 音 が放 射 さ れな い の で 、 つ ま り 周 波数特性 ピ ー ク デ ィ ッ プ の 多 い 部位か ら の 音 はパ ネ ル 4 に よ つ て遮蔽 さ れ る の で 、 優 れた音圧周 波数特性 を 得 る こ と が で き る 。
図 1 2 に 本実施 の 形態 の 超高 域再 生用 ス ピ 一 力 の 2 . 4 5 V ( 1 W / 6 Ω ) 入 力 時 の 音圧周 波数特性 を 示す 。 約 2 0 k H z 力、 ら 1 2 0 k H z に 及ぶ超高域 ま で 、 ピ ー ク デ ィ ッ プ の 少 な い 缉 れ た音圧周 波数特性 と 、 約 8 4 d B / m の 高 い 出 力 音圧 レ べルが得 ら れ た 。 従来 の 技術 で は、 2 . 4 5 V 入 力 で 7 5 d . B / m前後 の 出 力 音圧 レ べ ル し か 得 ら れ て い な か つ た 。 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 は 極 め て広 範 に 使用 さ れて い る 小 型 円 形 の 汎用 モ ノ モ リレ フ 型 で あ る の で 、 極 め て 安価で あ る 。 本発 明 の ス ピ ー カ は 超高 域周 波数再 生用 ス ピ ー 力 で あ る 故 、 昇圧 回路 2 が有 す る 昇圧 コ イ ル 2 a 、 コ ン デ ン サ 2 b は 非 常 に 小 さ く 安 価で あ る 。 こ れ ら の 部 品 を 有す る 昇圧 回路 2 は非 常 に 安 価で あ る 。 本発 明 に よ り 、 安価 な 超高 域再 生 用 ス ピ ー カ を 実現 し た 。
《実施例 2 》
図 1 3 を 用 い て 、 本発 明 の 実施 の 形態 2 の 超高 域再生
用 ス ピ — 力 を 説 明 す る 。
実施 の 形態 2 の 超高 域再生用 ス ピ ー カ は 、 図 1 で示 し た 実施 の 形態 1 の 超 高 域再生用 ス ピ ー カ と 同 構造 を 有す る 。 そ の 詳細 な 説 明 は省 略す る
実施 の 形態 1 で は圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 第 1 次 高 域共 ¾周 波数 は約 7 k H z , 第 2 次高 域共振 周 波数 は約 2 5 k H z 、 第 3 次 高 域共振周 波数 は約 5 0 k H z で あ Ό 、 ド — ム 型 動板 3 の 第 1 次 高 域共振周 波数 は 約 2 0 k H z で あ つ た 。
実 施 の 形態 2 に お い て は 、 ド — ム 型 振動板 3 の 第 1 次 高 域共振周 波 数 を 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 第 2 次高 域 共振 周 波数 よ り も 高 く 設計 し て い る 。 ド ー ム 型振動板 3 は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 が効率 良 く 発生 し た 高 周 波 数帯域 の 振動 (音波 ) を 、 少 な い 損失 で放射す る 。 実施 の 形 態 2 の 構 成 に よ り 、 実施 の 形態 1 の ス ピ 一 力 と 比 較 し て 、 更 に超 高 域 ま で 伸 びた 優 れ た 音圧周 波数特性 を 有 す る ス ピ 一 力 を 実現 で き た 。 以下 こ れ に つ い て詳 し く 説 明 す る
振動学 で よ く 知 ら れて い る と お り 、 周 辺部 を 固 定 さ れ た 円 板 の 第 1 次 (基本) モ ー ド の 周 波数 つ ま り 第 1 次高 域共振周 波数 を f 1 、 第 2 次 ( 第 2 次 節 円 モ ー ド ) 高 域共振周 波 数 を f 2 、 第 3 次 (第 3 次節 円 モ ー ド ) 高 域共 振周 波数 を f 3 、 第 4 次 (第 4 次節 円 モ ー ド ) 高 域 共振 周 波数 を f 4 と す る と 、 f 2 = 3 . 9 X f l 、 f 3 = 8 . 7 X f 1 、 f 4 = 1 4 . 5 X f l で あ る 。
f 2 ( = 3 9 ) だ け は f 3 / f 2 ( = 2 . 2 ) 、 f 4 / f 3 ( 7 ) よ り も ず つ と 大 き く 、 f 1 と f 2 の 間 の 周 波数帯域で は共振効果が減 少 し 放射効 率 が低 い 。 こ れ ら の こ と は 図 3 か ら も 明 ら カゝ で あ る 。
こ れ に 対 し て f 2 以 上 の 周 波数帯域で は高 域共 振周 波 数 が密集 し て い る の で、 共振効果 に よ り 放射効率 が高 い そ こ で 実 施 の 形態 2 に お い て は 、 ド ー ム 型 振動板 3 の 第 1 次 高 域共 Ik周 波数 を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動ナ 1 の f 2 以 上 と し て い る 。 こ の 構成 に よ れ ば、 ド 一ム 型 振動板 3 の 高 次分割 振動 に よ る 動 1¾達損失 が 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 1 の 放射効 率 の 高 い 周 波数帯域 に お い て 発生 し な い 上記構成 に よ り 、 極 め て超高 域 ま で 再 生す る ス ピ ー 力 を 実現 で さ た 。
図 3 に よ れ ば、 実施 の 形態 1 の 圧電セ ラ ッ ク 振動子 1 の 各高 域共 振周 波数 の 間 隔 (実測 値) は上記 f 1 〜 f の 間 隔 (理 論値) と 若干異 な る 。 こ れ は圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 1 の 周 辺 固 定材料 が樹脂 な の で 、 周 辺 固 定 さ れ た 振動子 の 理論 的 理 想状態 と は少 し 異 な る た め で あ る 。
実施 の 形態 2 の ス ピ ー 力 に お い て 、 ド一ム 型振動板 3 を 厚 み 0 . 0 5 m m の ポ リ イ ミ ド 含有樹脂 フ ィ ル ム で 形 成 し 、 ド ー ム 部 の 高 さ を 4 m m に し て 、 ド ー ム 型 振動板 3 の 第 1 次高 域共振 周 波数 を 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 1 の 第 2 次 高 域共 振周 波数 ( 約 2 5 k H ) よ り も 高 い 値 で あ る 3 0 k H z に 設 計 し た 。 他 の 構成 は実施 の 形態 と 同 一 で あ る 。 実施 の 形態 2 の ス ピ 一 力 の 音圧周 波数特性 を 図
1 3 に 示す。
図 1 2 と 図 1 3 を 比 較す る と 明 ら か な よ う に 、 実施 の 形態 1 の ス ピ ー カ に お い て は再 生帯域 の 上 限 が約 1 2 0 k H z で あ っ た が ( 図 1 2 ) 、 実施 の 形 態 2 の ス ピ ー カ に お い て は再 生帯域 の 上限が約 1 5 0 k H z に 伸 びて い る ( 図 1 3 ) 。
上記 の 説 明 に お い て 、 本発 明 の ス ピ ー カ を 従来例 3 の ス ピ ー カ と 比 較 し た 。 従来例 1 及 び 2 と 、 本発 明 の ス ピ — 力 と を 簡単 に 比 較す る 。
従来例 1 の ス ピ ー カ は、 ド ー ム 型振動板 と 比較 し て 周 波数特性 の 乱 れが大 き い 円 錐型 振動板 を 用 い て い る 。 モ ノ モ ル フ 型圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子が 円 錐型振動板 の 頂部 の み に 接 し て お り 、 振動板 と 振動子 の 接触面積が 少 な い それ故 、 セ ラ ミ ッ ク 振動子か ら 円 錐型振動板 に エ ネ ル ギ — が 良好 に伝達 さ れ に く い 。 大 き な 共振 を 有す る セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 中 心近傍 の み の 振動 が振動板 に 伝達 さ れ る 上記 の 理 由 に よ り 、 従来例 1 の ス ピ ー カ は 、 音圧 が低 く 音圧周 波数特性 の ピ 一 ク デ ィ ッ プが大 き い 。
従来例 2 の ス ピ ー カ は 、 円 錐型振動板 と 、 円 錐型 振動 板 の 内 周 部 と 接 す る ド ー ム 型 振動板 と を 有す る 。 円 錐型 振動板 の 振動 と ド ー ム 型振動板 の 振動 と が相 互 に 千渉 す る 故 、 音圧周 波数特性 の ピ ー ク デ ィ ッ プが大 き い 。 圧電 素子 の 振動が 円 錐型 振動板 に 伝 わ り に く く 、 音圧 が低 い 本発 明 に よ れ ば、 高 い 音圧 レ ベ ル と ピ ー ク デ ィ ッ プ の 少な い 優 れた 音圧周 波数特性 を も ち 、 優 れた 指 向 特性 を
持 ち な が ら 超 高 音域 ま で 再 生 が で き 、 か つ 安価な 超高 域 再 生 用 ス ピ ー 力 を 実現 で き る 。
実施 の 形態 1 及 び 2 で は圧電 セ フ ミ ツ ク 振動子 1 を モ ノ モ ル フ 型 と し た が 、 こ れ を ノ ィ モ レ フ 型 と し て も 良 い こ と は言 う ま で も な い 。 ノ、 ィ モ ル フ 型 は圧電 セ ラ ミ ッ ク 薄板 が金属板 の 両面 に 接合 さ れて い る の で 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク が金属板 の 片面 だ け に 接合 さ れ た モ ノ モ レ フ 型 に 比 ベ て 駆動 力 が 2 倍 で あ る 。 ノ ィ モ ル フ 型 の 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 を 用 い る こ と に よ り 、 特性 を 変化 さ せ る こ と な く 更 に 高 出 力 の ス ピ ー 力 を 実現 で き る 。
圧電セ ラ ミ ッ ク 1 a 及 び金属基板 1 b は 円 板形 状で な く て も 良 い 。 円 形以外 の 形 状 の 振動子 を 用 い た場合 に は 振動子 の 振動 モ ー ド が 円 形 の 場 合 よ り も 分散化 さ れ、 振 動 レ べ ル が低下す る 傾 向 に な る 。 こ の こ と を 考慮 し て 、 所望 の 特性が得 ら れ る よ う に 適宜設計す る こ と が で き る 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 を 円 板形状 に す る こ と に よ り 、 広 く 流通 し て い る 安価 な 市販汎用 品 を 用 い る こ と がで き る 。 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 を 円 板形状 に す る こ と に よ り 最 も 安価 な ス ピ ー 力 を 実現 で き る
実施 の 形態 1 及 び 2 で は圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 を 円 板形 状 と し 、 パ ネ ル の 内 周 部 に 固 定 し た 。 圧電セ ラ ミ ツ ク 振動子 を 円 形 で は な く 多 角 形 又 は楕 円 等 の 非 円 形 形 状 と し て も 設計可能 で あ る 。 こ の 場合 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 実効可動 直 径 はそ の 非 円 形形 状 と 同 一 の面積 を も つ 円 形 の 直径で 表す こ と が 出 来 る
実施 の 形 態 1 及 び 2 で は圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 周 辺部 を ノ\° ネ ル 4 で 固 定 し た 。 ド ー ム 型 振動板 の 前 面 に 開 口 部 を 有す る パ ネ ル と 別個 の 部材 を 用 い て 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 周 辺部 を 固 定 し て も 良 い 。
実施 の 形 態 1 及 び 2 で は圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 ( 直 径 2 0 m m ) の 周 辺部 の 直 径 1 9 m m〜 2 0 m m の 範 囲 の 狭 い 環状 部分 を 固 定 し た 。 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 周 辺部 の 固 定部 を 、 も っ と 広 い 範 囲 に し て も 良 い 。 例 え ば圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 (直径 2 0 m m ) の 周 辺部 の 直径 1 6 m m〜 2 0 m mの 範 囲 を 固 定 し た 場合 に は 、 実 効可動直径 は 1 6 m m と な る 。 こ の 構成 に お い て は 、 ド ー ム 型 振動 板 3 の ド ー ム 部 の 直 径 を 、 1 6 m mの 0 . 5 〜 0 . 8 倍 で あ る 直 径 8 m m〜 1 2'. 8 m m に 設 計す る 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 を 固 定す る 部材 の 剛性が低 い 場 合 、 例 え ば 固 定部材が 肉 厚 が薄 い 樹脂 の よ う な 場 合 に は 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 周 辺部 は 完全 な 固 定状態 に は な ら な い 。 こ の 場合 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効 可動 直 径 は 固 定 内 周 径 よ り も 大 き く な り 、 固 定 内 周 径 と 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 外径 の 中 間 的 な 値 と な る 。 固 定 す る 部 材 の 剛 性が 高 い 場合、 例 え ば固 定部材 が金属 又 は 肉 厚 が 十分大 き い 樹脂 の 場合 は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効 可動 直径 は 固 定 内 周 径 と ほ ぼ 同 じ と み な す こ と が で き る 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 を 固 定部材 に 固 定す る 接着剤 の 剛 性 が低 い 場 合 、 例 え ば柔 ら か い 接着剤 を 厚 く 塗布 し て圧 電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 を 固 定 し た 場合 な ど に お い て は 、 固
定部材 の 剛性が高 く て も 実効可動 直 径 は 固 定 内周 径 ょ り も 大 き く な る 。
実施 の 形態 1 及 び 2 で は昇圧 コ イ ル 2 a は ォー 卜 卜 ラ ン ス で あ っ た 。 こ れ に 代 え て 、 1 次側巻線 と 2 次側巻 線 が別 々 に 卷カゝ れ た 通常 の ト ラ ン ス を 昇圧 コ ィ ル と し て 用 い て も 良 い 。 1 次側巻線 と 2 次側巻線 と が別 々 に 巻 か れ た 卜 ラ ン ス と 、 1 次側巻線 と 2 次側巻線が共 用 さ れて い. る 通称 ォ 一 卜 ト ラ ン ス と は 、 交流電気 的 な 動作 は全 く 同 じ で あ る 。
実施 の 形態 1 及 び 2 で は 、 抵抗 2 c が昇圧 回路 2 の コ ン デ ン サ 2 b と 直 列 に 接続 さ れて い る 。 抵抗 2 c は 、 下 側遮断周 波数近傍 に あ る 共振点 の Q を 下 げ、 下側遮 断周 波数 ( 約 2 0 k H z ) 近傍 の 音圧周 波数特性 を フ ラ ッ 卜 に 調 整 し て い る 。 所定 の 性能が得 ら れ る 場合 に は 、 抵抗 2 c は な く て も 良 い 。
ス ピ — 力 の 平均 S P L が十分高 い 場合 に は 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 に 接続 さ れて い る 昇圧 回路 2 を な く し て も 良 い
実施 の 形態 1 及 び 2 で は ド ー ム 型 振 動板 3 の 材質 を ポ リ エ チ レ ン テ レ フ タ レ ー ト ま た は ポ リ イ ミ ド 含有樹脂 フ ィ レ ム と し た 。 こ れ に 限 ら れ る も の で は な く 、 振動 板 の 材質 と し て任意 の 材料 を 用 い る こ と が 出 来 る 。 例 え ば金 属 チ タ ン 箔 、 紙 、 各種樹脂 フ ィ ル ム な ど を 振動板 と し て 用 い る こ と が 出 来 る 。
モ ノ モ ル フ 型 又 はバ イ モ ル フ 型 の 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動
子 は 、 一般 的 に 、 厚 み 0 . 1 5 m m 〜 0 . 2 5 m m の 金 属基板 を 有す る 。 ド ー ム 型振動板 に は 、 一般 的 に 、 厚 み 0 . 0 5 m m 前後 の 樹脂 フ ィ ル ム 又 は厚 み 0 . 0 2 5 m m程度 の チ タ ン 泊 な ど が、 成型 が容 易 で あ り 且つ 軽量 で あ る 故 、 用 レ ら れ る 。 こ の よ う な 材質 を 用 い た ド ー ム 型 振動板 は圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 比 べ て遙か に 軽 量で あ る 。 ド ー ム 型 振動板 の 材質 に 応 じ て 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 振動特 性 が大 き く 変化す る こ と は な い 。
実施 の 形態 1 及 び 2 で は 開 口 部 4 a の 直径 を ド ー ム 型 振動板 3 の ド ー ム 部 の 直 径 と 同 じ に し た が、 多少 異 な つ て も 構わ な い 。 開 口 部 4 a の 直径 を ド ー ム 部 の 直 径 以下 と し た 場合 は 、 ド ー ム 部外側 の つ ば及 び接着剤 の は み 出 し な ど が表側 か ら 見 え に く く な る の で 、 外観 的 に 高 品 位 な ス ピ ー カ を 実現 で き る 。 ま た パ ネ リレ 4 の 開 口 部 前面 を ホ ー ン 状形 状 に す れ ば、 指 向 性 は狭 く な る が 、 音 圧 レ べ ル を さ ら に 高 め る こ と が で き る 。
実施 の 形態 1 及 び 2 で は ド ー ム 型振動板 3 は圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 に 対 し て 偏心 な く 同 軸 上 に 配置 し た が 、 両者 の 多 少 の 偏心 は差 し 支 え な い 。 両者 の偏心が大 き い 場合 は 、 ス ピ ー カ の 音圧周 波数特性 ピ ー ク デ ィ ッ プ は分 散化 さ れ る が 、 音圧 レ ベ ル は低 く な る 傾 向 に な る 。 こ の こ と を 勘案 し て積極的 に 偏心 を さ せ た 設 計 を す る こ と も 可 能 で あ る 。
実施 の 形 態 1 及 び 2 で は ド ー ム 型 振動板 3 の 正 面形 状 は 円 形 で あ っ た 。 こ れ に 代 え て 、 楕 円 形 状又 は長 円 形 な
ど の ド ー ム 型 振動板 を 用 い る こ と も 出 来 る 。 楕 円 形 状 又 は長 円 形 の ド ー ム 型 振動板 を 用 い る と 、 ス ピ ー カ の 音 圧 周 波数特性 ピ ー ク デ ィ ッ プ は分散化 さ れ る が、 音圧 レ べ ル は低 く な る 傾 向 に な る 。 こ の よ う な 場合 、 楕 円 又 は長 円 形 の 長径 と 短径 の 平均 値 ( 又 はそ の 面積 と 同 一 の 面積 を 有す る 円 の 直径) を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の 実効 可 動直径 の 0 . 5 〜 0 . 8 倍 と 設 計すれ ば良 い 。
実施 の 形 態 1 及び 2 で は ド ー ム 型振動板 3 の 形 状 は球 面型 ド ー ム で あ っ た 。 こ れ に 代 え て 、 円 錐型 又 は砲弹型 の ド ー ム 型 振動板 を 使用 し て も 良 い 。 ド ー ム 型振動板 3 は圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 に 比 べて 遙 か に 軽量で あ る 故 ド ー ム 型振 動 板 3 の 形 状 を 変 え た 場合 、 ス ピ ー カ の 指 向 特性 は変化 す る が 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 1 の振動特性 (音圧周 波 数 特性) は ほ と ん ど影響 を 受 け な い 。
本発 明 は 上 記説 明 し た 例 に 限定 さ れ る も の で な い こ と は 、 言 う ま で も な い 。 発 明 を あ る 程度 の 詳細 さ を も っ て 好適な 形態 に つ い て 説 明 し た が 、 こ の 好適形態 の 現 開 示 内 容 は構成 の 細部 に お い て 変化 し て し か る べ き も の で あ り 、 各要 素 の 組合せや 順序 の 変化 は請 求 さ れ た発 明 の 範 囲 及 び思想 を 逸脱す る こ と な く 実現 し 得 る も の で あ る 。
本発 明 の 超 高域再 生 用 ス ピ ー カ で は 、 圧電セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の 周 辺 部 を 固 定す る と と も に 、 ド ー ム 型振 動板 の ド ー ム 外径 を 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 実効 可動直 径 の 0 5 〜 0 . 8 倍 に 構成 し た こ と に よ り 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の ピ ー ク デ ィ ッ プ の 少 な い 部位 の 振動 が ド ー ム 型 振
動板 に 伝達 さ れ る 。 こ れ に よ り 優 れた 音圧周 波数特性 を 実現 す る 。 実 質 的 に ド ー ム 型 振動板 の み を外部 に 露 出 す る パ ネ ル 開 口 部以外か ら は不要な 音 が放射 さ れな い の で 音圧周 波数特性 を 更 に 良 く し 、 且つ 優 れ た 指 向 性 を 実現 す る 。
圧電セ ラ ミ ッ ク の 直径 を ド ー ム 部 の 直径 と ほ ぼ 同 一 に す る こ と に よ り 、 圧電セ ラ ミ ッ ク が発 生す る 振動 の 大部 分 を ド ー ム 型 振動板か ら 放射す る 効率 の 良 い 超 高 域再 生 用 ス ピ ー カ を 実現 す る 。
セ ラ ミ ッ ク 振動子 に 昇圧 回 路 を 接続す る こ と に よ り 、 セ ラ ミ ッ ク 振 動子 の駆動電圧 を 高 く し て い る 。 こ れ に よ り 、 小 さ な 直 径 の ド ー ム 型振動板 を 用 い て 高 い 音 圧 レ べ ル を も つ ス ピ ー カ が得 ら れ る 。 小 さ な。直径 の ド ー ム 型 振 動板 に よ り 、 広 い 指 向 性 の ス ピ ー カ が得 ら れ る 。
ド ー ム 型振 動板 の 第 1 次高 域共振周 波数 を 前記 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動 子 の 第 2 次 高 域共振周 波数 よ り も 高 く し た こ と に よ り 、 圧電 セ ラ ミ ッ ク 振動子 の 放射効率 の 高 い 周 波数帯域で ド ー ム 型振動 板 の 高 次分割振動 に よ る 振動伝 達損失が な く 、 極 め て 超 高 域 ま で再 生す る ス ピ ー カ を 実 現 で き る 。 こ の 構成 に よ り 、 上 記 の ス ピ ー カ よ り も 一層 超高 域 ま で伸 びた 優 れた 特性 の 超高 域再 生用 ス ピ ー 力 を 実現 す る こ と がで き る 。
本発 明 の ス ピ ー 力 に お い て は 、 極 め て広 範 に 使用 さ れ て い る 小 型 円 形汎用 モ ノ モ ル フ 型 の 圧電セ ラ ミ ッ ク 振動 子 を 用 い る こ と がで き る 。 本発 明 の ス ピ ー カ の 再 生 周 波
数 は超高域 な の で 、 小 型 で安価 な 部 品 を 用 い て 昇圧 回 路 を 構成す る こ と が 出 来 る 。
本発 明 に よ れ ば、 高 い 音圧 レ ベ ル と ピ ー ク デ ィ ッ プ の 少 な い 優れ た 音圧周 波数特性 を も ち 、 優 れ た 指 向特性 を 有 し 、 超高 域 の 周 波数 ま で再 生 がで き る 安価 な超高 域再 生用 ス ピ ー カ を 実現 で き る 。
発 明 を あ る 程度 の 詳細 さ を も っ て好適 な 形 態 に つ い て 説 明 し た が 、 こ の 好適形態 の 現 開 示 内 容 は構 成 の 細 部 に お い て 変化 し て し か る べ き も の で あ り 、 各要 素 の 組合せ や順序 の 変 化 は請求 さ れ た 発 明 の 範 囲 及 び思 想 を 逸脱す る こ と な く 実現 し 得 る も の で あ る 。 産業上 の 利 用 可能性
本発 明 の 超 高 域再生用 ス ピ ー カ は 、 D V D オー デ ィ オ 再 生装置及 びス ー パ ー オ ー デ ィ ォ C D 再 生装置等 の 音響 装置 の ス ピ ー カ と し て有 用 で あ る 。