JP6578554B2 - 振動スピーカ - Google Patents
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Description
例えば、壁板に振動スピーカを取り付けた壁スピーカやエレベータが開示されている(特許文献1、2参照)。
振動スピーカ100は、その一部に磁気ギャップ12aが形成された磁気回路体12と、磁気ギャップ12a内に配置される筒状のボイスコイル13と、このボイスコイル13の上端が固定された円形の振動板14(樹脂製振動板あるいは金属製振動板)と、振動板14の周縁を磁気回路体12(後述するトッププレート20部分)に固定するフレーム15とを備える。
トッププレート20は、円筒部(内壁)18aの外周面18dよりも大径かつマグネット19の内周面19aより小径の内周面20aを有し、上壁となる環状体をなす。トッププレート20は、円筒部18aと同軸状になるようにしてマグネット19の上部(外壁上部)に磁着されるようにしてある。
そして、振動板14に密接させてある被駆動壁(天井板、壁板等)が振動し、これがスピーカとなってボイスコイル13に加えられた入力電圧信号が音波に変換増幅されて音となって聴こえるのである。
したがって、ボイスコイルへ入力電圧信号を送るとともに、高音アクチュエータにも入力電圧信号を送り、その駆動力をボイスコイルの駆動力に足し合わせることにより、低音域から高音域まで広帯域の範囲で、振動板の駆動力を持たせることができるようになる。
高音アクチュエータを構成する積層圧電振動体の伸縮(振動)は、上端から振動板に伝わる。その際、下端では、不要な逆方向の伸縮(振動)が使用する積層圧電振動体の重量より重い金属錘または弾性体(ゴムクッション等)のいずれかを含む振動遮断部材に伝わる。金属錘を取り付けた場合は、振動は使用する積層圧電振動体の重量より重い金属錘の重量で動きを押さえられて減衰するとともに、確実に積層圧電振動体の一方が振動板に圧着されることを助ける効果がある。また弾性体の場合は、不要な逆方向の振動が吸収されて減衰すると共に、確実に積層圧電振動体の一方が振動板に圧着されることを助ける効果がある。いずれか一方、あるいは両方を取り付けることにより不要な逆方向の振動を大きく減衰させることができる。
保持部材をコの字型とすることで、高音アクチュエータの下端を安定して圧接状態で支持することができ、また、下端からの不要な逆方向の伸縮(振動)は、保持部材の側面を介して振動板に伝達されることになるので、側面を通過する間に減衰し、振動板にほとんど伝達されなくなる。
樹脂製振動板(例えばABS樹脂製またはPOM樹脂製)は、金属製振動板(例えばアルミニウム製または鉄製)よりもダンパーバネ効果があるので、ボイスコイルおよび高音アクチュエータで発生して伝達された振動が、フレームから逃げていくことによる振動の伝達効率低下のデメリットを効果的に防ぐことができるが、その一方で、振動板に密接させた被駆動壁(天井板、壁板等)に振動を伝える伝達効率も減衰させることになる。そこで、振動板を、環状の樹脂製振動板(外側)と円板状の金属製振動板(内側)とからなるようにして、ボイスコイルや高音アクチュエータを内側の金属製振動板に固定し、振動板を支持するフレームは環状の樹脂製振動板に固定されるようにすることで、ボイスコイルや高音アクチュエータから被駆動壁への振動の伝達効率を高めることができる。
一般に、積層圧電振動体はインピーダンスが高く、その応答周波数は約3kHz以上であるため、1つのアンプからの信号で、高音アクチュエータとボイスコイルとを並列に駆動することができる。
また、図3の振動板14には全体が樹脂製あるいは金属製のものが用いられており、これと同じものをそのまま用いてもよいが、本実施形態では、内側に円板状の金属製振動板14aを設けるとともに、その外側に環状の樹脂製振動板14bを設け、金属製振動板14aと樹脂製振動板14bとの境界では振動が伝達されるように、境界となる周縁部分が接触するようにしてある。
図2は、図1で示した振動スピーカ10の周波数特性(実線)を示す図である。なお、比較例として、図3に示した従来の振動スピーカ100の周波数特性(破線)も示してある。
比較例(破線)では3kHz付近から高音域で音圧が低下しているのに対し、本発明(実線)では20kHz付近まで音圧が低下せず、周波数特性が大きく改善されている。
また、振動板14a、14bにコルゲーションを設けてもよい。
また、振動板14a、14bにスリット等を設けて共振周波数を下げるようにしてもよい。
12 磁気回路体
12a 磁気ギャップ
13 ボイスコイル
14 振動板
14a 金属製振動板
14b 樹脂製振動板
15 フレーム
18 ボトムプレート
18a 円筒部(内壁)
18b 円板部(下壁)
18c 筒孔(貫通孔)
18d 円筒部の外周面
19 マグネット(外壁)
19a マグネットの内周面
20 トッププレート(上壁)
20a トッププレートの内周面
30 高音アクチュエータ
31 積層圧電振動体
32 金属錘
33 ゴムクッション(弾性体)
34 保持部材
34a 底面
34b 側面
35 締結部材(ネジ)
Claims (5)
- 磁石を含む磁性体で構成された磁気回路体と、ボイスコイルと、振動板とを備え、
前記磁気回路体は、筒孔を有する内壁、前記内壁の下部と接続する下壁、前記下壁の外周側と接続する外壁、前記外壁の上部と接続する上壁により、略ドーナツ状の磁気回路で、かつ、一部に磁気ギャップが形成された磁気回路を形成し、
前記ボイスコイルは、前記磁気ギャップに配置されるとともに、その上端が前記振動板に固定され、
前記振動板の周縁はフレームを介して前記磁気回路体に支持される振動スピーカであって、
前記磁気回路体の前記内壁の筒孔に積層圧電振動体を備えた高音アクチュエータが配設され、
前記高音アクチュエータの上端が前記振動板に固定され、下端が前記振動板に支持された保持部材に固定され、前記振動板と前記保持部材との間で前記高音アクチュエータが圧接されるように保持され、
入力電圧信号が前記ボイスコイルと前記積層圧電振動体とを駆動することを特徴とする振動スピーカ。 - 前記高音アクチュエータは、前記積層圧電振動体の下端に、少なくとも金属錘または弾性体のいずれかを含む振動遮断部材が取り付けられ、当該振動遮断部材を介して前記保持部材に固定される請求項1に記載の振動スピーカ。
- 前記保持部材は、底面および当該底面から左右一対の側面が延設されたコの字型をなし、前記底面は前記左右一対の側面を介して振動板に固定され、前記底面により前記高音アクチュエータが圧接される請求項1または請求項2に記載の振動スピーカ。
- 前記振動板は、内側に円板状の金属製振動板が設けられ、外側に環状の樹脂製振動板が設けられ、前記ボイスコイルおよび前記高音アクチュエータが前記金属製振動板に固定され、前記樹脂製振動板が前記フレームを介して前記磁気回路体に支持され、
前記金属製振動板と前記樹脂製振動板とは振動が伝達されるように周縁で接触するようにしてある請求項1〜請求項3のいずれかに記載の振動スピーカ。 - 前記ボイスコイルを駆動する入力電圧信号が、同時に前記積層圧電振動体を駆動することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の振動スピーカ。
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