JPWO2020079977A1 - 表面処理液及びニッケル含有材料の表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
ニッケル含有材料をエッチングする際のスマットの形成が抑制され、レジストパターンとニッケル含有材料との密着性を向上させることが可能なニッケル含有材料用の表面処理液、及びこれを用いるニッケル含有材料の表面処理方法を提供する。ニッケル含有材料の表面を処理するための表面処理液、及びこの表面処理液をニッケル含有材料の表面に接触させる工程を有するニッケル含有材料の表面処理方法である。表面処理液は、(A)第二鉄イオン0.05〜5質量%;(B)無機酸0.5〜20質量%;(C)クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、グリコール酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物1〜20質量%;及び水を含有する水溶液である。
Description
本発明は、ニッケル含有材料の表面を処理するために用いる表面処理液、及びそれを用いたニッケル含有材料の表面処理方法に関する。さらに詳しくは、Fe−Ni36%等のインバー材やオーステナイト系ステンレス鋼などのニッケル含有材料の表面を処理するために用いる表面処理液、及びそれを用いたニッケル含有材料の表面処理方法に関する。
ニッケル含有材料は、プリント配線板、リードフレーム、コネクタ端子、パッケージ基板等の精密電子部品や、シャドウマスク等の高精細ディスプレイ用部品などに利用されている。なかでも、インバー材は熱膨張率が小さいため、これらの部品等に好適に用いられている。
レジストパターンを形成した金属材料をウェットエッチング法により加工して細線を形成する技術が知られている。ウェットエッチング法では、金属材料の表面に「スマット」と呼ばれる微粉末状の異物が形成されることがあり、金属材料とレジストパターンの間の密着性が低下することがあった。そこで、表面処理液を用いて金属材料の表面を処理することでスマットの形成を抑制し、金属材料とレジストパターンの密着性を向上させる手法が開発されている。
例えば、特許文献1には、銅メッキ基板とドライフィルムレジストの密着性を向上させるための表面処理剤として、過酸化水素、鉱酸、アゾール類、銀イオン、及びハロゲンイオンを含有する表面処理剤が開示されている。また、特許文献2には、窒素含有複素環式化合物、及び無機酸や有機酸等の酸を含有する銅又は銅合金用の表面処理剤が開示されている。
特許文献1及び2で開示されている表面処理剤は、銅に対してはある程度有効なものであった。しかしながら、インバー材やオーステナイト系ステンレス等のニッケル含有材料にこれらの表面処理剤を適用しても、スマットの形成を抑制することは困難であり、ウェットエッチング後のニッケル含有材料とレジストパターンとの間の密着性を向上させることはできなかった。ニッケル含有材料等の基板とレジストパターンとの間の密着性が低いと、レジストパターンが剥離しやすくなり、レジストパターンどおりの微細配線を形成することが困難になる。このため、スマットの形成を抑制することができ、ニッケル含有材料とレジストパターンとの間の密着性を向上させることが可能な表面処理液が要望されていた。
したがって、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、ニッケル含有材料をエッチングする際のスマットの形成が抑制され、レジストパターンとニッケル含有材料との密着性を向上させることが可能なニッケル含有材料用の表面処理液を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記表面処理液を用いたニッケル含有材料の表面処理方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の成分を含有する水溶液であるニッケル含有材料表面処理液が上記問題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、ニッケル含有材料の表面を処理するための表面処理液であって、(A)第二鉄イオン0.05〜5質量%;(B)無機酸0.5〜20質量%;(C)クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、グリコール酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物1〜20質量%;及び水を含有する水溶液である表面処理液が提供される。
また、本発明によれば、上記の表面処理液をニッケル含有材料の表面に接触させる工程を有するニッケル含有材料の表面処理方法が提供される。
本発明によれば、ニッケル含有材料をエッチングする際のスマットの形成が抑制され、レジストパターンとニッケル含有材料との密着性を向上させることが可能なニッケル含有材料用の表面処理液を提供することができる。また、本発明によれば、上記表面処理液を用いたニッケル含有材料の表面処理方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。本明細書における「ニッケル含有材料」とは、ニッケルを少なくとも1質量%含有する金属材料をいう。ニッケル含有材料としては、例えば、ニッケル単体;Fe−Ni36%、Fe−Ni32%−Co5%、Fe−Ni29%−Co17%、Fe−Ni42%−Cr−Ti、Ni−Mo28%−Fe2%などの低熱膨張性鉄−ニッケル合金(インバー材ともいう);SUS301、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス;白銅、洋白等の銅−ニッケル合金;ニッケル−チタン合金;ニッケル−亜鉛合金;ニッケル−クロム合金;ニッケル−コバルト合金等を挙げることができる。被表面処理体となるニッケル含有材料としては、上記のインバー材やステンレスが好ましく、特にインバー材が好ましい。
本発明の一実施形態である表面処理液は、ニッケル含有材料の表面を処理するための液状の組成物であり、(A)第二鉄イオン0.05〜5質量%;(B)無機酸0.5〜20質量%;(C)クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、グリコール酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物1〜20質量%;及び水を含有する水溶液である。
表面処理液は(A)第二鉄イオン(以下、「(A)成分」とも記す)を含有する。(A)成分は、第二鉄イオンを表面処理液中に供給(生成)しうる化合物であればよい。第二鉄イオンの供給源として、鉄(III)化合物を用いることができる。鉄(III)化合物としては、例えば、塩化鉄(III)、臭化鉄(III)、ヨウ化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、及び酢酸鉄(III)等を挙げることができる。(A)成分の供給源としては、スマットの形成をより有効に抑制できるため、塩化鉄(III)及び硫酸鉄(III)が好ましく、硫酸鉄(III)が特に好ましい。(A)成分の供給源は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。
表面処理液中の(A)成分の濃度は、0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%で、さらに好ましくは0.2〜1質量%である。(A)成分の濃度は、第二鉄イオンの濃度を意味する。例えば、硫酸鉄(III)を10質量%含有する表面処理液の場合、(A)成分の濃度は約2.8質量%である。(A)成分の濃度が0.05質量%未満であると、表面処理に要する時間が非常に長くなるため、生産性が低下する。一方、(A)成分の濃度が5質量%超であると、スマットの形成を抑制することが困難となる。
表面処理液は(B)無機酸(以下、「(B)成分」とも記す)を含有する。(B)成分としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、及び塩化水素などを挙げることができる。なかでも、スマットの形成を抑制する効果が高いため、硫酸及び塩化水素が好ましく、硫酸が特に好ましい。硫酸は、濃硫酸及び希硫酸のいずれであってもよい。市販の硫酸をそのまま、又は適宜希釈して用いることができる。塩化水素の供給源は、濃塩酸及び希塩酸のいずれであってもよい。市販の塩酸をそのまま、又は適宜希釈して用いることができる。
表面処理液中の(B)成分の濃度は、0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。(B)成分の濃度が0.5質量%未満であると、表面処理に要する時間が非常に長くなるため、生産性が低下する。一方、(B)成分の濃度が20質量%超であると、スマットの形成を抑制することが困難となる。
表面処理液は、(C)クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、グリコール酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(C)成分」とも記す)を含有する。(C)成分として、市販品を用いることができる。(C)成分としては、スマットの形成を抑制する効果が高いため、クエン酸三アンモニウムが特に好ましい。
表面処理液中の(C)成分の濃度は、1〜20質量%、好ましくは2〜17質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。(C)成分の濃度が1質量%未満であると、スマットの形成を抑制する効果を十分に得ることができない。一方、(C)成分の濃度を20質量%超としても、(C)成分を配合することによって得られる効果はさほど向上しないとともに、(C)成分を溶解させることが困難となる。
表面処理液には、さらに、(D)ギ酸(以下、「(D)成分」とも記す)を含有させることが好ましい。(D)成分を含有させることで、スマットの形成を抑制する効果をより向上させることができる。表面処理液中の(D)成分の濃度は、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜1質量%であることが特に好ましい。(D)成分の濃度が0.05質量%未満であると、(D)成分を配合することによって得られる効果がやや不足する。一方、(D)成分の濃度を5質量%超としても、(D)成分を配合することによって得られる効果はさほど向上しない。
表面処理液には、さらに、(E)リン酸(以下、「(E)成分」とも記す)を含有させることが好ましい。(E)成分を含有させることで、スマットの形成を抑制する効果をより向上させることができる。表面処理液中の(E)成分の濃度は、0.05〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがさらに好ましく、0.3〜2質量%であることが特に好ましい。(E)成分の濃度が0.05質量%未満であると、(E)成分を配合することによって得られる効果がやや不足する。一方、(E)成分の濃度を5質量%超としても、(E)成分を配合することによって得られる効果はさほど向上しない。
表面処理液は、各成分が水に溶解した水溶液である。このため、表面処理液は、水を溶媒として含有する。表面処理液中の水の量は、前述の(A)〜(E)成分の濃度に応じて、その残部とすることが好ましい。後述する添加剤等を使用する場合における、表面処理液中の水の含有量は、(A)〜(E)成分及び添加剤等の濃度に応じて、その残部とすることが好ましい。表面処理液中の水の含有量は、60〜99質量%程度であればよい。
表面処理液には、前述の各成分及び水以外に加えて、本発明の効果を阻害することのない範囲で、周知の添加剤をさらに含有させることができる。添加剤としては、安定化剤、各成分の可溶化剤、消泡剤、pH調整剤、比重調整剤、粘度調整剤、濡れ性改善剤、キレート剤、酸化剤、還元剤、及び界面活性剤等を挙げることができる。これらの添加剤の濃度は、一般的に、それぞれ0.001〜10質量%の範囲である。
本発明の一実施形態であるニッケル含有材料の表面処理方法(以下、単に「表面処理方法」とも記す)は、上述の表面処理液をニッケル含有材料の表面に接触させる工程を有する。表面処理液を表面に接触させて表面処理することで、スマットの形成を抑制しつつエッチングすることが可能なニッケル含有材料を得ることができる。ニッケル含有材料の表面に表面処理液を接触させる方法は特に限定されず、一般的な前処理方法を採用することができる。具体的には、ディップ式、スプレー式、スピン式等の前処理方法によって、ニッケル含有材料の表面に表面処理液を接触させることができる。
ディップ式によってニッケル含有材料の表面を表面処理する場合、例えば、10〜90℃の温度範囲に調整した表面処理液に、ニッケル含有材料を1〜600秒程度浸漬すればよい。
また、スプレー式によってニッケル含有材料の表面を表面処理する場合、例えば、10〜90℃の温度範囲に調整した表面処理液を、ニッケル含有材料の表面に圧力0.01〜1.0MPaの範囲で噴霧すればよい。
ニッケル含有材料の表面に表面処理液を接触させて処理した後、純水で洗浄及び乾燥する。次いで、従来公知の方法でニッケル含有材料の表面にレジストパターンを形成した後、エッチング液でエッチングすることで、レジストパターンとの密着性が良好で、微細な配線を形成することができる。
上述の表面処理液及びこの表面処理液を用いた表面処理方法は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、タッチパネル、有機EL、太陽電池、照明器具等の機器の電極や配線用のニッケル含有材料を加工する際に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
<(A)成分>
(A)成分として、以下に示すA−1及びA−2を用意した。
A−1:硫酸鉄(III)
A−2:塩化鉄(III)
(A)成分として、以下に示すA−1及びA−2を用意した。
A−1:硫酸鉄(III)
A−2:塩化鉄(III)
<(B)成分>
(B)成分として、以下に示すB−1及びB−2を用意した。
B−1:硫酸
B−2:塩酸
(B)成分として、以下に示すB−1及びB−2を用意した。
B−1:硫酸
B−2:塩酸
<(C)成分>
(C)成分として、以下に示すC−1〜C−7を用意した。
C−1:クエン酸三アンモニウム
C−2:乳酸アンモニウム
C−3:ギ酸アンモニウム
C−4:クエン酸水素二アンモニウム
C−5:酒石酸アンモニウム
C−6:硫酸アンモニウム
C−7:クエン酸
(C)成分として、以下に示すC−1〜C−7を用意した。
C−1:クエン酸三アンモニウム
C−2:乳酸アンモニウム
C−3:ギ酸アンモニウム
C−4:クエン酸水素二アンモニウム
C−5:酒石酸アンモニウム
C−6:硫酸アンモニウム
C−7:クエン酸
<(D)成分>
(D)成分として、以下に示すD−1を用意した。
D−1:ギ酸
(D)成分として、以下に示すD−1を用意した。
D−1:ギ酸
<(E)成分>
(E)成分として、以下に示すE−1を用意した。
E−1:リン酸
(E)成分として、以下に示すE−1を用意した。
E−1:リン酸
<ニッケル含有材料表面処理液>
(実施例1及び比較例1)
表1に示す配合となるように各成分を混合して、処理液No.1〜17を得た。表1中、(A)成分の濃度は第二鉄イオンの濃度を表しており、(B)成分の濃度は硫酸又は塩化水素の濃度を表している。なお、成分の合計が100質量%となるように水を配合した。
(実施例1及び比較例1)
表1に示す配合となるように各成分を混合して、処理液No.1〜17を得た。表1中、(A)成分の濃度は第二鉄イオンの濃度を表しており、(B)成分の濃度は硫酸又は塩化水素の濃度を表している。なお、成分の合計が100質量%となるように水を配合した。
<ニッケル含有材料の表面処理>
(実施例2−1)
縦100mm×横100mm×厚さ0.030mmのFe−Ni36%箔(以下、「(未処理の)基体」とも記す)を用意した。この表面に35℃、スプレー圧0.1MPaの条件で処理液No.1をスプレー法により噴霧した後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄した。ドライフィルムレジストを用いて、基体上にライン/スペース=10μm/10μmのレジストパターンを30箇所形成した。次いで、スプレー圧0.1MPaの条件で塩化第二鉄系パターンエッチング液(商品名「アデカケルミカIN−654」、ADEKA社製)をスプレー法により噴霧(50℃、150秒)してエッチングした後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄し、実施例基体No.1を得た。
(実施例2−1)
縦100mm×横100mm×厚さ0.030mmのFe−Ni36%箔(以下、「(未処理の)基体」とも記す)を用意した。この表面に35℃、スプレー圧0.1MPaの条件で処理液No.1をスプレー法により噴霧した後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄した。ドライフィルムレジストを用いて、基体上にライン/スペース=10μm/10μmのレジストパターンを30箇所形成した。次いで、スプレー圧0.1MPaの条件で塩化第二鉄系パターンエッチング液(商品名「アデカケルミカIN−654」、ADEKA社製)をスプレー法により噴霧(50℃、150秒)してエッチングした後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄し、実施例基体No.1を得た。
(実施例2−2〜2−10)
処理液No.1に代えて、処理液No.2〜10をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例2−1と同様にして実施例基体No.2〜10を得た。
処理液No.1に代えて、処理液No.2〜10をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例2−1と同様にして実施例基体No.2〜10を得た。
(比較例2−1〜2−7)
処理液No.1に代えて、処理液No.11〜17をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例2−1と同様にして比較例基体1〜7を得た。
処理液No.1に代えて、処理液No.11〜17をそれぞれ用いたこと以外は、前述の実施例2−1と同様にして比較例基体1〜7を得た。
(比較例2−8〜2−9)
ドライフィルムレジストを用いて、未処理の基体上にライン/スペース=10μm/10μmのレジストパターンを30箇所形成した。次いで、スプレー圧0.1MPaの条件で塩化第二鉄系パターンエッチング液(商品名「アデカケルミカIN−654」、ADEKA社製)をスプレー法により噴霧(50℃、150秒)してエッチングした後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄し、比較例基体8を得た。また、未処理の基体を比較例基体9とした。
ドライフィルムレジストを用いて、未処理の基体上にライン/スペース=10μm/10μmのレジストパターンを30箇所形成した。次いで、スプレー圧0.1MPaの条件で塩化第二鉄系パターンエッチング液(商品名「アデカケルミカIN−654」、ADEKA社製)をスプレー法により噴霧(50℃、150秒)してエッチングした後、3質量%塩酸及びイオン交換水で順次洗浄し、比較例基体8を得た。また、未処理の基体を比較例基体9とした。
<評価例1及び比較評価例1>
(スマット評価)
X線光電子分光分析装置を使用し、実施例基体No.1〜10及び比較例基体1〜9の表面に析出しているスマットの最大厚みを測定し、以下に示す評価基準にしたがって評価した。結果を表2に示す。
+++:スマットの最大厚みが10nm未満
++:スマットの最大厚みが10nm以上30nm未満
+:スマットの最大厚みが30nm以上50nm未満
−:スマットの最大厚みが50nm以上100nm未満
−−:スマットの最大厚みが100nm以上300nm未満
−−−:スマットの最大厚みが300nm以上
(スマット評価)
X線光電子分光分析装置を使用し、実施例基体No.1〜10及び比較例基体1〜9の表面に析出しているスマットの最大厚みを測定し、以下に示す評価基準にしたがって評価した。結果を表2に示す。
+++:スマットの最大厚みが10nm未満
++:スマットの最大厚みが10nm以上30nm未満
+:スマットの最大厚みが30nm以上50nm未満
−:スマットの最大厚みが50nm以上100nm未満
−−:スマットの最大厚みが100nm以上300nm未満
−−−:スマットの最大厚みが300nm以上
(密着性評価)
基体を観察し、以下に示す評価基準にしたがってレジストパターンの密着性を評価した。結果を表2に示す。
+++:30箇所全てのレジストパターンが基体上に保持されていた。
++:28〜29箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
+:26〜27箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−:24〜25箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−−:20〜23箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−−−:19以下の箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
基体を観察し、以下に示す評価基準にしたがってレジストパターンの密着性を評価した。結果を表2に示す。
+++:30箇所全てのレジストパターンが基体上に保持されていた。
++:28〜29箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
+:26〜27箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−:24〜25箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−−:20〜23箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
−−−−:19以下の箇所のレジストパターンが基体上に保持されていた。
表2に示す結果から、実施例基体No.1〜10では、比較例基体1〜8と比べて、スマットの形成が十分に抑制されているとともに、レジストパターンの密着性が良好であることがわかる。また、評価例1−1〜1−7の結果と、評価例1−8〜1−9の結果を比較すると、(A)成分として硫酸第二鉄を用いるとともに、(B)成分として硫酸を用いた場合に、レジストパターンの密着性が特に良好であることがわかる。さらに、評価例1−1〜1−9の結果と、評価例1−10の結果を比較すると、ギ酸又はリン酸を含有する処理液を用いた場合に良好な結果が得られることがわかる。
また、評価例1−1〜1−2の結果と、評価例1−6〜1−7の結果を比較すると、ギ酸とリン酸をいずれも含有する処理液を用いた場合に特に良好な結果が得られることがわかる。さらに、評価例1−1〜1−2の結果と、評価例1−3〜1−5の結果を比較すると、(C)成分としてクエン酸三アンモニウムを用いた場合に、特に良好な結果が得られることがわかる。
所定濃度のクエン酸三アンモニウム、ギ酸、及びリン酸を含有する処理液を用いた場合に、スマットの最大厚みが未処理の基体と同程度に薄く、レジストパターンの密着性が最も良好であった(評価例1−1〜1−2)。また、(C)成分として酒石酸アンモニウム又は硫酸アンモニウムを用いた場合は、スマットの形成が抑制されず、レジストパターンの密着性も低下した(比較例1−1〜1−2)。これらのことから、特定の有機酸のアンモニウム塩を(C)成分として用いた場合に、初期の効果が得られることがわかる。
以上の通り、本発明によれば、ニッケル含有材料をエッチングする際のスマットの形成が抑制され、レジストパターンとニッケル含有材料との密着性を向上させることが可能なニッケル含有材料用の表面処理液及びニッケル含有材料の表面処理方法を提供することができる。
Claims (4)
- ニッケル含有材料の表面を処理するための表面処理液であって、
(A)第二鉄イオン0.05〜5質量%;
(B)無機酸0.5〜20質量%;
(C)クエン酸三アンモニウム、乳酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、クエン酸水素二アンモニウム、グリコール酸アンモニウム、及びリンゴ酸アンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種の化合物1〜20質量%;及び
水を含有する水溶液である表面処理液。 - さらに、(D)ギ酸0.05〜5質量%を含有する請求項1に記載の表面処理液。
- さらに、(E)リン酸0.05〜5質量%を含有する請求項1又は2に記載の表面処理液。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理液をニッケル含有材料の表面に接触させる工程を有するニッケル含有材料の表面処理方法。
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