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JPWO2017175532A1 - ヒューマノイドロボット - Google Patents

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JPWO2017175532A1
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Abstract

電源遮断、遠心力或は外力等の発生時の転倒可能性を低減し、稼働継続確率の高ヒューマノイドロボットを提供する。ヒューマノイドロボット(1)は、胴体部(11)、頭部(10)、胴体部(11)の上部の左右に一端が接続される左腕(12L)及び右腕(12R)、胴体部(11)の下部の左右に一端が接続される左足(13L)及び右足(13R)、左足(13L)及び右足(13R)の他端に設けられた左走行部(14L)及び右走行部(14R)と、を備える。左走行部(14L)は、進行方向前側に左駆動輪(101L)と進行方向後ろ側に左従動輪(102L)を有し、右走行部(14R)は、進行方向前側に右駆動輪(101R)と進行方向後ろ側に右従動輪(102R)を有し、左駆動輪(101L)、右駆動輪(101R)、左従動輪(102L)、及び右従動輪(102R)が接地し移動する。

Description

本発明は、ヒューマノイドロボットに関する。
ヒューマノイドロボットとして、例えば特許文献1に記載される技術が知られている。特許文献1には、脚部の先端に駆動可能に取り付けられた車輪、この車輪と胴体との間で並列に取り付けられたバネ及びダンパからなるサスペンション、及び、このサスペンションと胴体との間に取り付けられたアクチュエータを備えるヒューマノイドロボットが開示されている。そして、サスペンションとアクチュエータとは直列に接続され、ヒューマノイドロボットの胴体に搭載された傾斜センサによりロボットの重力方向に対する傾斜角度と角速度を検出し、検出された傾斜角度と角速度に基づきヒューマノイドロボットの目標角度と目標角速度に沿うように、アクチュエータを制御する制御装置を有するヒューマノイドロボットが記載されている。
特開2011−45973号公報
しかしながら特許文献1では、電源遮断、制御限界を超える遠心力や外力等の発生時の対応については何ら考慮されていない。従って、電源遮断、制御限界を超える遠心力や外力等の発生時において、ロボットが転倒し、稼働を維持することが不能になる可能性がある。
そこで、本発明は、電源遮断、遠心力或は外力等の発生時の転倒可能性を低減し、稼働継続確率の高いヒューマノイドロボットを提供する。
上記課題を解決するため、本発明のヒューマノイドロボットは、胴体部と、前記胴体部の上部に設けられた頭部と、前記胴体部の上部の左右に一端が接続される左腕及び右腕と、前記胴体部の下部の左右に一端が接続される左足及び右足と、前記左足及び右足の他端に設けられた左走行部及び右走行部と、を備え、前記左走行部は、進行方向前側に左駆動輪と、進行方向後ろ側に進行方向を受動的に変更可能な左従動輪とを有し、前記右走行部は、進行方向前側に右駆動輪と、進行方向後ろ側に進行方向を受動的に変更可能な右従動輪とを有し、前記左駆動輪、右駆動輪、左従動輪、及び右従動輪が接地し移動することを特徴とする。
本発明によれば、電源遮断、遠心力或は外力等の発生時の転倒可能性を低減し、稼働継続確率の高いヒューマノイドロボットを提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係る実施例1のヒューマノイドロボットの前方斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットの後方斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットの関節自由度を示す模式図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが左に旋回走行する様子を示す斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが右に旋回走行する様子を示す斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットに装着されるプロテクタの位置を示す前方斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットに装着されるプロテクタの位置を示す後方斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットの内部状態表示用LEDの搭載位置を示す斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態にあることを示す側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットがうつ伏せ状態から直立姿勢へ復帰した状態を示す側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態にあることを示す側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが仰向け状態から直立姿勢へ復帰した状態を示す側面図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが横向きに転倒した状態にあることを示す斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが横向きに転倒した状態からうつ伏せ状態へ移行する途中段階の斜視図である。 実施例1のヒューマノイドロボットが横向きに転倒した状態からうつ伏せ状態へ移行した状態を示す斜視図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る実施例1のヒューマノイドロボットの前方斜視図であり、図2は、ヒューマノイドロボットの後方斜視図である。なお、以下の説明ではヒューマノイドロボット1の進行方向をX軸、重力方向をZ軸、横方向をY軸とする。またX軸周りの回転をロール(Roll)、Y軸周りの回転をピッチ(Pitch)、Z軸周りの回転をヨー(Yaw)と、それぞれ定義する。
図1に示すように、ヒューマノイドロボット1は、頭部10と、胴体部11、胴体部11の重力方向上部の左右に設けられた左腕12Lと右腕12R、胴体部11の重力方向下部の左右に設けられた左足13Lと右足13R、左足13Lの重力方向下端部に設けられた左走行部14L、及び、右足13Rの重力方向下部に設けられた右走行部14Rから構成されている。頭部10には、カメラ又はマイク等のセンサを搭載している。胴体部11の内部には、図示しないがコントロールユニット及び姿勢計測を行うセンサを搭載し、ヒューマノイドロボット1の全身動作を制御する。センサとして、例えばジャイロセンサが用いられ、重力方向に対する角度及び角速度を計測する。
胴体部11の上部であって、頭部10と胴体部11を接続する首に相当する部分の前方には周囲環境測定用センサ107が搭載されており、周囲環境測定用センサ107は周囲物体との距離を測定する。また、図2に示すように、胴体部11の背面上部左右には、リング状に形成された左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rが設けられている。これら、左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rは、例えばヒューマノイドロボット1を持ち運ぶ際に持ち手として利用され、また、ヒューマノイドロボット1を整備する際に整備用ハンガーに吊るために利用される。更には、左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rは、例えばヒューマノイドロボット1が背面側へ転倒した際に、その衝撃を緩和する。左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rは、衝撃を緩和するため柔軟素材で構成することが望ましい。
左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rの胴体部11への取り付け部には、図示しないバネを実装することで左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rがより柔軟にしなり、衝撃をさらに緩和することが可能となる。胴体部11の背面であって、左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rの間に、後方確認用カメラ104が搭載されている。後方確認用カメラ104は、例えばヒューマノイドロボット1が人を誘導する際に、後方を確認するために使用される。左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rは、後方確認用カメラ104の視野を阻害しない角度で取り付けられている。
図1に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11の重力方向上部の左右端には、左腕12Lと右腕12Rがそれぞれ接続されており、左腕12Lと右腕12Rは、例えば物をつかむための左グリッパ100L及び右グリッパ100Rをそれぞれの先端部に備えている。また、左腕12Lと右腕12Rの先端部には左手先車輪106L及び右手先車輪106Rも備えており、例えば手先を地面に接触させ相対運動する場合に摩擦を軽減可能であり、特に、後述する、仰向け状態からの直立姿勢への移行動作時に有効である。左グリッパ100Lと右グリッパ100Rに、左手先車輪106Lと右手先車輪106Rを各々設けることにより、把持機能性と仰向け状態からの直立姿勢へのスムーズな移行動作を両立することができる。
左足13Lと右足13Rの下方先端部には、上下方向に動作するサスペンションを介して左走行部14L及び右走行部14Rを備えている。左走行部14L及び右走行部14Rは、それぞれ、ヒューマノイドロボット1の進行方向に対して前方に左駆動輪101L及び右駆動輪101Rを備え、また後方には左従動輪102L及び右従動輪102Rを備えている。左従動輪102L及び右従動輪102Rは、例えばオフセットキャスタ等を用い、左駆動輪101L及び右駆動輪101Rによる運動を阻害しないように動作する。胴体部11に左足13Lと右足13Rが接続する構成によりフットプリントが小さく小回りが利き、左駆動輪101L及び右駆動輪101Rで走行することにより機敏に移動でき、左従動輪102L及び右従動輪102Rを備えることで、電源遮断や、不測の外乱の発生時の転倒可能性を低減することができ、稼働継続確率の高いヒューマノイドロボット1を実現できる。
図2に示すように、左走行部14L及び右走行部14Rの後方上端部には、左スライドパッド105L及び右スライドパッド105Rをそれぞれ備えている。左スライドパッド105L及び右スライドパッド105Rは、摩擦係数の小さい材質により構成されており、例えばヒューマノイドロボット1が仰向けに転倒した場合に、地面と接触しつつ運動する際に地面との摩擦抵抗を低減する。
図3は、ヒューマノイドロボット1の関節自由度を示す模式図である。図3に示すように、頭部10は、頭部ロール軸J1、頭部ピッチ軸J2、及び頭部ヨー軸J3の3つの自由度を備えている。左右の腕12L、12Rは、胴体部11の重力方向上部の左右端部に接続されており、それぞれ、根元から左肩ピッチ軸J4L、右肩ピッチ軸J4R、左肩ロール軸J5L、右肩ロールJ5R、左上腕ヨー軸J6L、右上腕ヨー軸J6R、左肘ピッチ軸J7L、右肘ピッチ軸J7R、左手首ヨー軸J8L、右手首ヨー軸J8Rからなり、さらにその先には左グリッパ軸J9L、右グリッパ軸J9R及び左手先車輪106L、右手先車輪106Rを備える。
また、胴体部11の重力方向下部の左右端部には、左足13Lと右足13Rが接続されており、それぞれ、左股関節ピッチ軸J10L、右股関節ピッチ軸J10R、左膝ピッチ軸J11L、右膝ピッチ軸J11R、左足首ピッチ軸J12L、右足首ピッチ軸J12Rで構成され、それぞれ3つのピッチ自由度を備えている。左足13Lと右足13Rの胴体部11との接続部との反対側の端部には、それぞれ、左走行部14Lと右走行部14R(図1)を備えている。本実施例のヒューマノイドロボット1は、上記のような自由度で構成されており、地面上の移動に関しては左駆動輪101L及び右駆動輪101Rの駆動により行い、加減速や左右の重心移動に関しては上記の自由度の関節のいずれかを適切に動作し行う。
図4は、ヒューマノイドロボット1が左に旋回走行する様子を示す斜視図であり、図5は、ヒューマノイドロボットが右に旋回走行する様子を示す斜視図である。左右方向への旋回走行を行う際、旋回半径と走行速度による遠心力が発生し、直立姿勢のまま走行すると安定範囲が小さくなる。そこで、図4に示すように、左に旋回走行する場合は左足13LのZ方向の長さを右足13Rよりも短くするよう適切に上述の各関節を制御することにより、ヒューマノイドロボット1全体を左側に傾け、重心を直立姿勢から左側に変位させる。これにより安定範囲が広がり、不慮の外乱が発生したときの転倒可能性を低減することができる。
また、図5に示すように、右に旋回走行する場合は右足13RのZ方向の長さを左足13Lよりも短くするよう適切に上述の各関節を制御することにより、ヒューマノイドロボット1全体を右側に傾け、重心を直立姿勢から右側に変位させる。これにより安定範囲が広がり、不慮の外乱が発生したときの転倒可能性を低減することができる。
図6は、ヒューマノイドロボット1に装着されるプロテクタの位置を示す前方斜視図であり、図7は、ヒューマノイドロボット1に装着されるプロテクタの位置を示す後方斜視図である。ヒューマノイドロボット1に装着されるプロテクタは、仮にヒューマノイドロボット1が転倒した際に、地面との接触による衝撃を緩和する。
図6に示すように、ヒューマノイドロボット1が前方に転倒した場合には、胴プロテクタP10、及び左右の膝部に設けられた左膝プロテクタP14L及び右膝プロテクタP14Rにより衝撃を緩和する。
ヒューマノイドロボット1が左方向に転倒した場合は、左肩プロテクタP11L、左肘プロテクタP12L、及び左足プロテクタP15Lにより衝撃を緩和する。また、腕の姿勢によっては左腕12Lが胴体部11と地面に挟まれ破損する恐れがあるため、左腰プロテクタP13Lを備えることにより、胴体部11と左腕12Lとが直接接触することを防止でき、衝撃を緩和することが可能である。
同様に、ヒューマノイドロボット1が右方向に転倒した場合には、右肩プロテクタP11R、右肘プロテクタP12R及び右足プロテクタP15Rにより衝撃を緩和する。また、腕の姿勢によっては右腕12Rが胴体部11と地面に挟まれ破損する恐れがあるため、右腰プロテクタP13Rを備えることにより、胴体部11と右腕12Rとが直接接触することを防止でき、衝撃を緩和することが可能である。
図7に示すように、ヒューマノイドロボット1が後方に転倒した場合は、左ハンガーリング103L及び右ハンガーリング103Rが地面との接触の衝撃を緩和する。また、左スライドパッド105L及び右スライドパッド105Rも地面に接触することにより、ヒューマノイドロボット1のカバー面が地面と接触することを防ぎ、カバー面の破損、キズを防止できる。これらのプロテクタは、例えばゴム等のような衝撃を緩和可能な材質により形成されており、複数の衝撃を受けても破損や、特段の性能の劣化なく衝撃を緩和することができる。
また、いずれかのプロテクタを頂点として、それぞれの頂点を結ぶ面よりも外側にヒューマノイドロボット1のカバー面が出ることのないよう構成されているため、仮に、ヒューマノイドロボット1が斜め方向に転倒した場合であっても、地面との接触によるカバー面の破損、キズ等を防止し、美観を保つことが可能である。
図8は、ヒューマノイドロボット1の内部状態表示用LEDの搭載位置を示す斜視図である。例えばゴム等で形成されたプロテクタは、LED等の光を比較的透過し易いため、プロテクタの裏側に内部状態表示用LED100Hを搭載し、発光タイミングや発光色等を変化させることにより、ヒューマノイドロボット1の内部状態を、外部から容易に視認或は把握することが可能である。
また、内部状態表示用LED100Hはプロテクタの裏側に実装されるため、接触による破損の恐れも少ない。また、後述するヒューマノイドロボット1が転倒状態から直立姿勢へ復帰する際に、ヒューマノイドロボット1が正常に動作中であることを内部状態表示用LED100Hの発光パターンにより示すことで、転倒によりヒューマノイドロボット1が故障したのではないかと不安に思う周囲の人に対して故障していないことを知らせることができ、安心感を与えることができる。図8では胴プロテクタP10の裏側に内部状態表示用LED100Hを設置した例を示したが、必ずしもこれに限られず、他のプロテクタの裏側に内部状態表示用LED100Hを設置する構成としても良い。
図9は、ヒューマノイドロボット1がうつ伏せ状態にあることを示す側面図であり、図10〜図14は、ヒューマノイドロボット1がうつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図であり、図15は、ヒューマノイドロボット1がうつ伏せ状態から直立姿勢へ復帰した状態を示す側面図である。図9〜図15の順序で、ヒューマノイドロボット1は、うつ伏せ状態から直立姿勢へ移行する。直立姿勢への復帰の動作は左右対称で行うため、図9〜図15ではヒューマノイドロボット1の左側のみの側面図を示している。
図9に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載された姿勢計測を行うセンサにより、重力方向に対し所定の角度以上の傾きが検出されると、左腕12L及び右腕12Rがそれぞれ足方向に伸び、首、腰、左足13L、右足13Rも伸びた状態になるよう、胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)が上述の図3に示した各軸を駆動する。従って、ヒューマノイドロボット1は、うつ伏せに転倒した直後、胴プロテクタP10、左膝プロテクタP14L、及び右膝プロテクタP14Rのみが地面と接触する。
次に、図10に示す姿勢に移行する。胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左肩ピッチ軸J4L、右肩ピッチ軸J4R、左肘ピッチ軸J7L、及び右肘ピッチ軸J7Rを所定の角度駆動し、左手先車輪106L及び右手先車輪106Rを接地させる。また、コントロールユニット(図示せず)は、左手先車輪106L及び右手先車輪106Rの回転軸の向きがY軸と平行となるよう、左腕12L及び右腕12Rの各軸を適切に駆動する。
次に図11に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左肩ピッチ軸J4L及び右肩ピッチ軸J4Rを駆動し、左手先車輪106L、右手先車輪106R、左膝プロテクタP14L、及び右膝プロテクタP14Rが接地する姿勢に移行する。
次に図12に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左腕12Lと右腕12Rを伸ばす向きに、左肩ピッチ軸J4L、右肩ピッチ軸J4R、左肘ピッチ軸J7L、及び右肘ピッチ軸J7Rを駆動する。これと同時に、胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左足13Lと右足13Rを縮める向きに、左股関節ピッチ軸J10L、右股関節ピッチ軸J10R、左膝ピッチ軸J11L、右膝ピッチ軸J11R、左足首ピッチ軸J12L、及び右足首ピッチ軸J12Rを駆動する。この姿勢では、左手先車輪106L、右手先車輪106R、左膝プロテクタP14L、及び右膝プロテクタP14Rが接地する。
次に図13に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左手先車輪106Lと左膝プロテクタP14Lの接地点を近づける向きに、また、右手先車輪106Rと右膝プロテクタP14Rの接地点を近づける向きに、それぞれ、左肩ピッチ軸J4L及び右肩ピッチ軸J4Rを駆動する。左膝プロテクタP14L及び右膝プロテクタP14Rの接地点を中心に、図13の右回りにヒューマノイドロボット1全体が回転し、左駆動輪101L及び右駆動輪101Rが接地するまで、この動作を行う。
次に、図14に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左従動輪102L及び右従動輪102Rが接地するように、左駆動輪101L及び右駆動輪101Rの接地点を中心として、ヒューマノイドロボット1全体が図14の右回りに回転するよう左股関節ピッチ軸J10L及び右股関節ピッチ軸J10Rを駆動する。この時、補助的に左腕12Lの姿勢を変更しても良い。左駆動輪101L、右駆動輪101R、左従動輪102L、及び右従動輪102Rのみが接地した後、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左足13L及び右足13Rのそれぞれの上述の図3に示した関節軸を所定の角度駆動し、図15に示すようにヒューマノイドロボット1は直立姿勢に移行する。これにより、ヒューマノイドロボット1は、うつ伏せ状態から直立姿勢への復帰が完了する。
なお、うつ伏せの姿勢(うつ伏せ状態)は転倒の恐れのない安定な姿勢のため、バッテリ残量が減った場合に緊急回避的にこの姿勢をとることが望ましい。そこで、動作不能となるレベルまでバッテリ残量が減った場合、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)からの指令により、上述の図9〜図15に示したうつ伏せからの起き上がりシーケンスを逆に実行し、うつ伏せ状態に移行することにより、省電力モードへの移行や、電源OFFを行うことが可能である。
図16は、ヒューマノイドロボット1が仰向け状態にあることを示す側面図であり、図17〜図21は、ヒューマノイドロボット1が仰向け状態から直立姿勢へ移行する途中段階の側面図であり、図22は、ヒューマノイドロボット1が仰向け状態から直立姿勢へ復帰した状態を示す側面図である。図16〜図22の順序で、ヒューマノイドロボット1は、仰向け状態から直立姿勢へ移行する。ここでも直立姿勢への復帰の動作は左右対称で行うため、図16〜図22ではヒューマノイドロボット1の左側のみの側面図を示している。
図16に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載された姿勢計測を行うセンサにより、重力方向に対し所定の角度以上の傾きが検出されると、左腕12L及び右腕12Rが足方向に伸び、首、腰、左足13L、右足13Rも伸びた状態になるよう、胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)が上述の図3に示した各軸を駆動する。従って、ヒューマノイドロボット1は、仰向けに転倒した直後、左ハンガーリング103L、右ハンガーリング103R、左スライドパッド105L、右スライドパッド105R、左従動輪102L、及び右従動輪102Rのみが地面と接触する。
次に、図17に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左肩ピッチ軸J4L、右肩ピッチ軸J4R、左肘ピッチ軸J7L、及び右肘ピッチ軸J7Rを所定の角度駆動し、左手先車輪106L及び右手先車輪106Rを地面に接触させる準備姿勢に移行する。
次に、図18に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左手先車輪106L及び右手先車輪106Rで地面を押すように、左肩ピッチ軸J4L、右肩ピッチ軸J4R、左肘ピッチ軸J7L、及び右肘ピッチ軸J7Rを駆動し、胴体部11を持ち上げる。
次に、図19に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左足13L及び右足13Rを縮める向きに、左股関節ピッチ軸J10L、右股関節ピッチ軸J10R、左膝ピッチ軸J11L、右膝ピッチ軸J11R、左足首ピッチ軸J12L、及び右足首ピッチ軸J12Rを駆動する。次に図20に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左手先車輪106L、右手先車輪106Rで地面を押すように、左肩ピッチ軸J4L、左肩ピッチ軸J4R、左肘ピッチ軸J7L、及び右肘ピッチ軸J7Rを駆動し、左従動輪102L及び右従動輪102Rを中心に図20の左回りにヒューマノイドロボット1全体を回転させる。図21に示すように、ヒューマノイドロボット1全体が回転した後、左駆動輪101L、右駆動輪101R、左従動輪102L、及び右従動輪102Rのみが地面と接触する。その後、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左足13L及び右足13Rのそれぞれの上述の図3に示した関節軸を所定の角度駆動し、図22に示すように直立姿勢に移行する。これにより、ヒューマノイドロボット1は、仰向け状態から直立姿勢への復帰が完了する。
図23は、ヒューマノイドロボット1が横向きに転倒した状態にあることを示す斜視図であり、図24は、ヒューマノイドロボット1が横向きに転倒した状態からうつ伏せ状態へ移行する途中段階の斜視図であり、図25は、ヒューマノイドロボット1が横向きに転倒した状態からうつ伏せ状態へ移行した状態を示す斜視図である。ヒューマノイドロボット1が、横向きに転倒した状態から直立姿勢に移行するためには、一旦うつ伏せの姿勢を経由する。すなわち、図23〜図25に示す順序で横向きからうつ伏せ状態になり、図9〜図15に示す順序で直立姿勢に移行する。左側面を下に転倒した場合と、右側面を下に転倒した場合での動作は左右対称であるため、ここでは左側を下に転倒した場合の動作のみ説明する。
図23に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載された姿勢計測を行うセンサにより、重力方向に対し所定の角度以上の傾きが検出されると、左腕12L及び右腕12Rがそれぞれ足方向に伸び、首、腰、左足13L、右足13Rも伸びた状態になるよう、胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)が上述の図3に示した各軸を駆動する。そして、胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、左腕12Lが胴体部11と地面との間に挟まり動作不能となることを回避するため、左腕12Lを後ろに引くよう左肩ピッチ軸J4L及び左肘ピッチ軸J7Lを駆動する。従って、ヒューマノイドロボット1は、左側を下にして横向きに転倒した直後、左足プロテクタP15L、左肩プロテクタP11L、及び左肘プロテクタP12Lで地面と接触する。
次に、図24に示すように、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、右股関節ピッチ軸J10Rと右膝ピッチ軸J11Rを右膝がヒューマノイドロボット1の機体前方に出る向きに駆動する。これにより重心が機体前方(X方向)に移動するため、機体はZ軸周りに回転する。この時、左肩プロテクタP11Lと、胴プロテクタP10、左膝プロテクタP14Lが地面と接触(接地)する。その後、ヒューマノイドロボット1の胴体部11内に搭載されたコントロールユニット(図示せず)は、上述の図3に示した各軸を図23と同様の角度に戻す。これにより、図25に示すように、ヒューマノイドロボット1はうつ伏せ状態へ移行する。以上により、ヒューマノイドロボット1は、横向きに転倒した状態からうつ伏せ状態への移行が完了する。右側面を下に転倒した場合も、左右を逆にして同様の動作を行いうつ伏せ状態に移行する。その後、図9〜図15に示したように、ヒューマノイドロボット1はうつ伏せ状態から直立姿勢へ復帰する。
以上の通り、ヒューマノイドロボット1が、転倒時にうつ伏せ、仰向け、横向きのいずれの状態になっても、直立姿勢に復帰することができ、稼働を継続することができる。また、転倒時にうつ伏せ、仰向け、横向きのいずれの状態になっても、いずれかのプロテクタのみで地面と接触するため、転倒時の衝撃を緩和して性能劣化を防止し、カバーの破損やキズを防止して、稼働を継続することができる。
本実施例によれば、フットプリントが小さく機敏に稼働可能なヒューマノイドロボット(人型のロボット)が不測の外乱により転倒して、性能劣化やカバー面の損傷がおき、稼働継続不能になることがあるという課題に対して、左従動輪102L、右従動輪102R、左足13L、及び右足13Rの長さ制御により転倒可能性を低減することが可能となる。また、仮に、ヒューマノイドロボットが転倒した場合であっても、各部のプロテクタ、左ハンガーリング103L、及び右ハンガーリング103Rにより衝撃を緩和して性能劣化を抑制し、カバー面の破損、キズ等を防止して美観を保ち、各軸の駆動により直立姿勢へ復帰して稼働を継続することが可能であり、稼働継続確率の高いヒューマノイドロボットを提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1・・・ヒューマノイドロボット,10・・・頭部,11・・・胴体部,12L・・・左腕,12R・・・右腕,13L・・・左足,13R・・・右足,14L・・・左走行部,14R・・・右走行部,100L・・・左グリッパ,100R・・・右グリッパ,101L・・・左駆動輪,101R・・・右駆動輪,102L・・・左従動輪,102R・・・右従動輪,103L・・・左ハンガーリング,103R・・・右ハンガーリング,104・・・後方確認用カメラ,105L・・・左スライドパッド,105R・・・右スライドパッド,106L・・・左手先車輪,106R・・・右手先車輪,107・・・周囲環境測定用センサ,J1・・・頭部ロール軸,J2・・・頭部ピッチ軸,J3・・・頭部ヨー軸,J4L・・・左肩ピッチ軸,J4R・・・右肩ピッチ軸,J5L・・・左肩ロール軸,J5R・・・右肩ロール軸,J6L・・・左上腕ヨー軸,J6R・・・右上腕ヨー軸,J7L・・・左肘ピッチ軸,J7R・・・右肘ピッチ軸,J8L・・・左手首ヨー軸,J8R・・・右手首ヨー軸,J9L・・・左グリッパ軸,J9R・・・右グリッパ軸,J10L・・・左股関節ピッチ軸,J10R・・・右股関節ピッチ軸,J11L・・・左膝ピッチ軸,J11R・・・右膝ピッチ軸,J12L・・・左足首ピッチ軸,J12R・・・右足首ピッチ軸,P10・・・胴プロテクタ,P11L・・・左肩プロテクタ,P11R・・・右肩プロテクタ,P12L・・・左肘プロテクタ,P12R・・・右肘プロテクタ,P13L・・・左腰プロテクタ,P13R・・・右腰プロテクタ,P14L・・・左膝プロテクタ,P14R・・・右膝プロテクタ,P15L・・・左足プロテクタ,P15R・・・右足プロテクタ,100H・・・内部状態表示用LED

Claims (10)

  1. 胴体部と、前記胴体部の上部に設けられた頭部と、前記胴体部の上部の左右に一端が接続される左腕及び右腕と、前記胴体部の下部の左右に一端が接続される左足及び右足と、前記左足及び右足の他端に設けられた左走行部及び右走行部と、を備え、
    前記左走行部は、進行方向前側に左駆動輪と、進行方向後ろ側に進行方向を受動的に変更可能な左従動輪とを有し、
    前記右走行部は、進行方向前側に右駆動輪と、進行方向後ろ側に進行方向を受動的に変更可能な右従動輪とを有し、
    前記左駆動輪、右駆動輪、左従動輪、及び右従動輪が接地し移動することを特徴とするヒューマノイドロボット。
  2. 請求項1に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左足及び右足は、それぞれ、前記胴体部側より前記左走行部及び右走行部へと向かい、股関節ピッチ軸、膝ピッチ軸、及び足首ピッチ軸の少なくとも3つのピッチ自由度を備えることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  3. 請求項2に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    旋回走行する方向に応じて、前記股関節ピッチ軸と、前記膝ピッチ軸と、前記足首ピッチ軸をそれぞれ駆動し、前記左足と前記右足の垂直方向の長さを相対的に変化させ、前記旋回走行する方向側に重心を変位させることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  4. 請求項2に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左腕及び右腕は、それぞれ、前記胴体部側より先端部側へと向かい、肩ピッチ軸、肘ピッチ軸の少なくとも2つのピッチ自由度を備えることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  5. 請求項4に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左腕及び右腕の先端部に、それぞれ左手先車輪及び右手先車輪を有することを特徴とするヒューマノイドロボット。
  6. 請求項2に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左腕の一端が前記胴体部に接続される接続部付近の外側に張り出すよう装着された左肩プロテクタと、
    前記右腕の一端が前記胴体部に接続される接続部付近の外側に張り出すよう装着された右肩プロテクタと、
    前記左腕及び右腕の長手方向の中間部付近にそれぞれ装着された左肘プロテクタ及び右肘プロテクタと、
    前記胴体部の背面上部の左右にそれぞれ設けられたリング状の左ハンガーリング及び右ハンガーリングと、
    前記胴体部の前面部分に装着された胴プロテクタと、
    前記左足及び右足の長手方向の中間部付近に前方に突き出すようそれぞれ装着された左膝プロテクタ及び右膝プロテクタと、
    前記左足及び右足の外側の側面にそれぞれ装着された左足プロテクタ及び右足プロテクタと、
    前記胴体部の左右側面に装着された左腰プロテクタ及び右腰プロテクタと、を備えることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  7. 請求項6に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左肩プロテクタ、右肩プロテクタ、左肘プロテクタ、右肘プロテクタ、胴プロテクタ、左足プロテクタ、右足プロテクタ、左腰プロテクタ、右腰プロテクタ、左ハンガーリング、及び右ハンガーリングは、ゴム等の衝撃を緩和可能な材質により構成されることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  8. 請求項7に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左肩プロテクタ、右肩プロテクタ、左肘プロテクタ、右肘プロテクタ、胴プロテクタ、左足プロテクタ、右足プロテクタ、左腰プロテクタ、及び右腰プロテクタのうち少なくとも1つのプロテクタの裏側にLED等の発光体を有し、
    ヒューマノイドロボットの内部状態を、前記発光体から発せられ前記プロテクタを透過する透過光により表示することを特徴とするヒューマノイドロボット。
  9. 請求項8に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記発光体は、前記ヒューマノイドロボットの内部状態に応じて、発光タイミング及び/又は発光色を変化させることを特徴とするヒューマノイドロボット。
  10. 請求項3に記載のヒューマノイドロボットにおいて、
    前記左駆動輪と前記左従動輪は相互にオフセット配置され、且つ、前記右駆動輪と前記右従動輪は相互にオフセット配置されることを特徴とするヒューマノイドロボット。
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