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JPWO2014129493A1 - 機械式薬液吸引装置 - Google Patents

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JPWO2014129493A1 JP2015501475A JP2015501475A JPWO2014129493A1 JP WO2014129493 A1 JPWO2014129493 A1 JP WO2014129493A1 JP 2015501475 A JP2015501475 A JP 2015501475A JP 2015501475 A JP2015501475 A JP 2015501475A JP WO2014129493 A1 JPWO2014129493 A1 JP WO2014129493A1
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Abstract

この薬液吸引装置(1)は、ピストン部材(7)を保持するピストン保持機構(20)と、シリンダ部材(6)を保持するシリンダ保持機構(30)と、を備え、ピストン保持機構(20)およびシリンダ保持機構(30)は、互いに近づき又は離れるように移動可能に構成されている。また、薬液吸引装置(1)は、ピストン保持機構(20)およびシリンダ保持機構(30)の少なくとも一方に付勢力を与え、それにより(i)ピストン保持機構(20)とシリンダ保持機構(30)とが互いに近接した第1の状態から、(ii)両機構(20、30)が互いに所定距離だけ離れた第2の状態まで、ピストン保持機構(20)およびシリンダ保持機構(30)の一方を移動させる付勢機構(50)を備える。

Description

本発明は、薬液をボトルやバッグ等からシリンジ内に吸引するための薬液吸引装置に関し、特には、電源が無くても使用でき、かつ、薬液を所定の速度で吸引することができる機械式薬液吸引装置に関する。
現在、医療用の画像診断装置として、CT(Computed Tomography)スキャナ、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、およびDSA(血管造影装置、Digital Subtraction Angiography)等が知られている。このような撮像装置を使用する際、患者に造影剤や生理食塩水など(以下、これらを単に「薬液」とも言う)を注入することがあり、この薬液注入を自動で行う薬液注入装置についても種々提案されている。
また、薬液シリンジに関して言えば、薬液が予め充填されたものはプレフィルドシリンジなどと呼ばれる。一方、病院等の施設において空のシリンジに薬液を吸引して使用する場合もある。薬液をボトルやバッグ等からシリンジ内に吸引する装置としては、例えば特許文献1のようなモータ等を駆動源とする自動吸引装置が従来公知である。
特開2000−189515号公報
ところで、引用文献1のような自動吸引装置の他にも、病院等の施設においては、ユーザの操作によって手動で薬液を吸引する機械式の薬液吸引装置が用いられることも想定される。しかしながら、そのような機械式の薬液吸引装置の中には、ユーザの操作次第でシリンジのピストン部材を引く速さが変わり、薬液を吸引する速度が変動してしまうもの等も考えられる。そして、吸引速度が速すぎる場合、薬液内に気泡が混入するおそれもある。
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電源が無くても使用でき、かつ、薬液を所定の速度(予定された速度)で吸引することができる機械式(手動式)薬液吸引装置を提供することにある。
本出願は、以下の発明を開示する:
1.シリンダ部材およびピストン部材を有するシリンジ内に薬液を吸引するための薬液吸引装置であって、
ピストン部材を保持するピストン保持機構と、
シリンダ部材を保持するシリンダ保持機構と、を備え、
前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構は、互いに近づき又は離れるように移動可能に構成されており、
さらに、
前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の少なくとも一方に付勢力を与え、それにより、(i)前記ピストン保持機構と前記シリンダ保持機構とが互いに近接した第1の状態から、(ii)両機構が互いに所定距離だけ離れた第2の状態まで、前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の一方を移動させる付勢機構を備える、
機械式薬液吸引装置。
本発明によれば、簡単な構造で電源が無くても使用でき、かつ、薬液を所定の速度で吸引することができる機械式薬液吸引装置を提供することができる。
一実施形態に係る機械式薬液吸引装置の斜視図である。 一実施形態に係る機械式薬液吸引装置(ケースおよびシリンジは不図示)の斜視図である。 薬液吸引装置の内部構造を模式的に示す側面図である。 薬液吸引装置の内部構造を模式的に示す正面図である。 ピストン保持構造の構造および動作を説明するための図である。 薬液吸引装置と薬液ボトルとの接続の一例を示す模式図である。 一実施形態に係る機械式薬液吸引装置の動作を説明するための図である。 吸引量調整機構の他の例を示す斜視図である。 吸引量調整機構の他の例の構造を模式的に示す正面図である。 シリンジの他の例を示す斜視図である。 シリンジの取付けの一例を示す図である。 他の実施形態に係る機械式薬液吸引装置の斜視図である。 図12Aの薬液吸引装置の左側面図である。 図12Aの薬液吸引装置の正面図である。 図12Aの薬液吸引装置の平面図である。 図12Aの薬液吸引装置に設けられるフランジホルダの斜視図である。 クランピング部材の他の構成を例示する正面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面では、同一機能の構造部については同一または対応する符号を付して示している。
〔シリンジ〕
図1に示されている薬液シリンジ5は、筒型のシリンダ部材6とそれにスライド自在に挿入されたピストン部材7とを有している。シリンダ部材6の先端部には導管部6bが形成され、基端部には輪郭形状が略円形のシリンダフランジ6aが形成されている。シリンダフランジ6aは、外周部の2箇所にストレート部が形成されることにより、全体としてIカット形状となっているものであってもよい。
ピストン部材7の基端部には円板状のピストンフランジ7aが形成されている。図1は、空のシリンジ5を示しており、ピストン部材7がシリンダ部材6に挿入された状態となっており、この時点ではシリンダ部材7内に薬液は充填されていない。
なお、本実施形態では、ピストン部材7がロッドおよびその先端に設けられたプランジャ(不図示)を有するものであるが、いわゆるロッドレスタイプのピストン部材(すなわち、プランジャ部材のみで構成されるようなもの)を利用してもよい。また、フランジ6a、7aの輪郭形状も特に限定されるものではなく、例えば、楕円形や多角形等であってもよい。
シリンジ5に充填される薬液としては、例えば生理食塩水、造影剤、液状の薬剤など種々のものを利用可能である。
なお、薬液シリンジとしては、例えば図10(a)、(b)に示すようなシリンジであってもよく、このシリンジは例えば200ml用のものである。この薬液シリンジは、シリンダ部材501とピストン部材502とを備え、シリンダ部材501のシリンダフランジ501aはIカット形状の輪郭形状を有するものであってもよい。シリンダフランジ501aの外周部には2つの切欠き部505(一方のみを示す)が形成されている。シリンダ部材501の先端の導管部501bは、同軸状に配置された内側および外側の2つの筒状部を有するルアーロック接続用のものであってもよい。図10(b)に示すように、シリンダフランジ501aの後面には、リング状の突起部501cと、その突起部501cから外側に向かって延びる複数のリブ501dが形成されていてもよい。切欠き部505に係合する機構については、後述するものとする。
なお、図10ではシリンダフランジ501aに切欠き部505とリブ501dの両方が形成されたものが描かれているが、いずれか一方のみが形成されたものであってもよい。
〔機械式薬液吸引装置〕
本実施形態の機械式薬液吸引装置1(以下、単に「薬液吸引装置1」ともいう)は、図1および図2に示すように、全体としては、板状のベース部材13の一部にやや縦長のケース10が設けられたような構成となっている。具体的には、ベース部材13側に設けられたピストン保持機構20と、ケース10側に設けられ上下移動可能に構成されたシリンダ保持機構30とを備えている。また、図2に示すように、薬液吸引装置1は、シリンダ保持機構30を上下方向に移動できるようにするためのスライド機構40や、付勢ユニット50、吸引量調節機構60、ロック機構70(詳細後述)なども備えている。
限定されるものではないが、本実施形態では、図2に示すように、ベース部材13の上面に4本の断面L字部材14が立設され、これによりフレームが構成されている。前面側の2本のL字部材14には前面プレート16が取り付けられており、この前面プレート16には縦方向に延びる2本のスリット16a、16aが形成されている。隣接するL字部材14同士は所定の連結部材によって接続されている。
なお、薬液吸引装置1の各部の材質は、樹脂製であってもよいし金属製であってもよい。ただし、吸引装置がMRI室内で使用されるような場合には、同装置がMRI装置のガントリーに引き込まれてしまわないように非磁性体材料で構成することが好ましい。
図7を参照して、この薬液吸引装置1の動作について最初に簡単に説明すると、まず、一例として、図7(A)に示すように薬液吸引装置1のシリンダ保持機構30に空のシリンジ5を保持させ、ユーザがシリンジ5およびシリンダ保持機構30を押し下げる。図7(B)の状態までシリンジ5を押し下げると、シリンジ5のピストンフランジ7aがピストン保持機構20によって把持される。次いで、後述するロック機構70(図1参照)を解除すると、付勢ユニット50の付勢力によってピストン保持機構30等が引き上げられ(ピストン部材7は不動)、これにより、シリンジ5内に薬液が吸引されることとなる。
このように動作する吸引装置1の各部の構成について、以下、詳細に説明する。
〔シリンダ保持機構〕
シリンダ保持機構30は、図1〜図3に示すように、シリンダ部材6のシリンダフランジ6aおよびその近傍を保持するフランジホルダ31を有している。フランジホルダ31は、全体として略U字型(平面視)に形成されている。フランジホルダ31にはシリンダフランジ6aが嵌り込む略U字型の嵌合溝31a(正面から見て略コ字形の溝)が形成されている。この嵌合溝31aは、図1に示すように前面側に向かって開いており、これにより、シリンダフランジ6aを略水平方向に移動させながら同溝31a内に嵌めることができるようになっている。なお、シリンダフランジ6aは、各カット部が前方および後方を向くような向きで、フランジホルダ31に装着される。
嵌合溝31aの形状(平面視)に関し、一例として、溝の奥側略半分(後方側)輪郭形状が、シリンダフランジ6aの形状に対応した円形に形成されていてもよい。これにより、シリンダフランジ6aを安定的に保持することが可能となる。フランジホルダ31は、シリンダフランジ6aをしっかりと保持できるものであれば金属製または樹脂製のいずれであってもよく、特に限定されるものではない。
シリンダ保持機構30は、フランジホルダ31をケース10の内部のスライド機構40(詳細後述)に接続するための一対の接続部材35や、フランジホルダ31の下部側に取り付けられた可動ブロック33を有している。接続部材35は、一例として板金部材であって、その一端側がフランジホルダ31の側面に固定される。接続部材35は、前面プレート16のスリット16aを通ってケース内へと延び、他端側がケース10内のベース部材43(図3参照、詳細下記)に固定される。
可動ブロック33は、この例では、ケース10の前面側に設けられており、その両端部にはベアリング33aが1つずつ取り付けられている。可動ブロック33は、その上面でフランジホルダ31の下面の一部を支持している。ベアリング33は、それぞれ、ケース10の表面を転がるように構成されている。可動ブロック33およびベアリング33aにより、フランジホルダ31は、たわみや位置ずれを抑えつつ、高精度に上下移動可能となっている。
なお、このような可動ブロック33やベアリング33aは、ケース10外に限らず、ケース10の内部に配置されていてもよい。
〔ピストン保持機構〕
ピストン保持機構20は、シリンジ5のピストンフランジ7aを把持するための機構であり、図1および図5に示すように、全体として上向き略コ字型に形成されたホルダ27と、そのホルダ27上に配置されたクランピング部材25とを有している。
ホルダ27は、図5に示すように、クランピング部材25が載せられるベース部27sと、その両端から上方に立ち上がった側壁27aとを有しており、各側壁27aの先端部は内側に向かって突出した押さえ部27bとなっている。
なお、図1等では、ホルダ27の前面および背面に壁部材が無い状態が描かれているが、本発明はこれに限定されるものではない。前面および背面に壁部材を設けた箱状のホルダ内にクランピング部材25を配置するようにしてもよい。但し、この場合であっても、薬液吸引完了後にシリンジ5のピストンフランジ7aを水平方向にスライドさせてクランピング部材25から外せる(詳細後述)ような構成となっていることが好ましい。
クランピング部材25は、図5に示すように、弾性変形可能な板状の弾性中央部24と、その両端に形成された一対の爪部23とを有している。一例として、クランピング部材25は、弾性中央部24と一対の爪部23とが一体に形成された単一の部品であってもよい。別の例としては、弾性中央部24と一対の爪部23とが別部材に形成されていてもよい。
クランピング部材25は、外力が加わっていない状態では図5(A)に示すような形状、すなわち、弾性中央部24が円弧状に上方にカーブするとともに、両側の爪部23が外側に広がったような状態となっている。弾性中央部24は、必ずしも完全な円弧状である必要はなく、円弧部分と直線的な部分とが組み合さったような形状としてもよい。
クランピング部材25の材質は、金属製または樹脂製のいずれであってもよく特に限定されるものではない。樹脂製の場合、例えばPOMやABS等であってもよく、弾性中央部24の厚みは例えば0.5mm〜2mm程度であってもよい。また、必要に応じて、弾性中央部24の上面に1本もしくは複数本のリブ25a(一例として図13参照)、または、1つまたは複数の突起が形成し、これらリブまたは突起がピストンフランジ7aの下面に当接することによって爪部23が内側に閉じ易くなっていてもよい。
図5(A)の状態から、図5(B)および(C)に示すように、ピストンフランジ7aを下方に移動させていくと、先ず、ピストンフランジ7aの外周部が各爪部23の内側のテーパ部に当接し、ピストンフランジ7aは各爪部23を若干外側に押し広げながら徐々にクランピング部材25内に押し込まれることとなる。
そして、図5(C)のような状態まで押し込むと、弾性中央部24はピストンフランジ7aによって押されて略平坦となるように弾性変形し、この変形によって爪部23同士が閉じ、ピストンフランジ7aを咥え込むような状態となる。この状態では、各爪部23の内側の係止面23bがピストンフランジ7aの上面に係止し、かつ、弾性中央部24の一部がピストンフランジ7aの下面にしっかりと当接し、これにより、ピストンフランジ7aがクランピング部材25によってロックされた状態となる。
図5(C)に示すように、爪部23の先端外側部分にテーパ面23aが形成されており、このテーパ面23aがホルダ27の押さえ部27bに当接することにより、クランピング部材25がホルダ27から外れないようになっている。また、ピストン部材7を引っ張った際には、爪部23の各テーパ面23aが押さえ部27bに当接することにより、一対の爪部23がより内側にすぼまるようになっているので、ピストンフランジ7aがクランピング部材25から外れることが一層確実に防止される。
なお、本実施形態では図5に示すようなピストン保持機構20を用いているが、当然ながら、他のより簡単な構成の保持機構としてもよい。例えば、一定の部材に略水平方向のフランジ受け溝(不図示)が形成されており、この溝内にピストンフランジ7aを挿入することでピストンフランジ7aが固定されるものであってもよい。あるいは、1つまたは2つの可動の挟持部材(不図示)でピストンフランジ7aを把持して固定するものであってもよい。
〔スライド機構〕
図3に模式的に示すように、スライド機構40としては、ケース10(図1参照)内において縦方向に配置されたスライドレール41と、それに取り付けられて直線移動するベース部材43とが設けられている。なお、ベース部材43は、後述するように、オイルダンパ45や係止部37を保持するための部材であって、そのような機能を有するものであれば具体的な形状はどのようなものであってもよい。また、ベース部材43は、金属製または樹脂製のいずれであってもよく特に限定されるものではない。
スライドレール41としては例えば市販のものを利用可能であり、詳細な図示は省略するが、固定側の第1レールとそれに対してスライドする可動側の第2レールとを有するものであってもよい。一例として、第1レールが前面プレート16(図2参照、図3では不図示)に固定されてもよく、この場合、第2レールにベース部材43が連結されることとなる。第2レールとベース部材43との連結に関しては、ベース部材43が直接第2レールに固定されてもよいし、何らかの中間部材を介在させてベース部材43が第2レールに固定されてもよい。
なお、スライド機構としては、シリンダ保持機構30を直線的に往復移動できるようにするものであればどのようなものであっても構わない。
〔付勢ユニット〕
付勢ユニット50は、シリンダ保持機構30等を上方へと移動させるための力を発生させるユニットである。この例では、付勢ユニット50としてコンストンバネが使用されている(以下、「コンストンバネ50」とも言う)。コンストンバネ50は、定荷重バネとも呼ばれるもので、ストロークに関わらず元に戻るトルクが略一定であるという特徴を有する。コンストンバネ50は、図3に示すように、薄い帯鋼板51が渦状に巻かれたドラム部53を有しており、そこから引き出された帯鋼板51の先端51aがベース部材43に固定されている。ドラム部53は、ベース部材43の上方で、かつ、その軸線が略水平となる向きで配置されている。
コンストンバネ50としては、その付勢力により空のシリンジ5が装着されたシリンダ保持機構30全体を上昇させつつ(図7参照)、それによりシリンジ5内に薬液を吸引できるようなトルクを発生させるものを選択すればよい。
なお、本発明における「付勢機構」としては必ずしもコンストンバネに限定されるものではなく、他の付勢手段(例えばコイルバネ等)を用いてもよい。また、油圧アクチュエータまたは空気圧アクチュエータなどを動力源として用いてもよい。
図3に示すように、ベース部材43の一部にはオイルダンパ(回転式ダンパ)45が設けられている。オイルダンパ45自体は従来公知のものを利用してもよい。オイルダンパ45は、一例で、ギア45aと、そのギア45aが取り付けられるケーシング(不図示)とを有している。ケーシングのうち、ギア45aの取付け部分にオイル(例えばシリコンオイル)が充填される収容部が形成されており、このオイルの作用により、ギアが緩やかに回転するようになっている。オイルダンパ45のギア45aは、例えばベース部材13に略垂直に設けられたラック47の歯に係合する。ラック47は、樹脂製でも金属製でもよいが、金属製の場合、ラック47の剛性を確保しやすく有利である。なお、ラック47の向きに関して、図3の例ではその歯側が装置前方を向くように47が配置されているが、これに限定されるものではない。
なお、オイルダンパ45が複数(例えば2つ)設けられていてもよい。オイルダンパ45は、シリンダ保持機構30の移動速度を低減させるためのものであり、そのような作用が得られる限り、オイルダンパ45の配置位置は適宜変更可能である。「オイルダンパ」とは、充填された流体の粘性抵抗により制動力(ブレーキ力)生じさせるダンパを意図しており、流体の種類は特に限定されるものではない。
〔吸引量調節機構およびロック機構〕
図4には吸引量調節機構60およびロック機構70が模式的に描かれている。
吸引量調節機構60は、ベース部材43の移動範囲(すなわちシリンダ保持機構30の移動範囲)を規制するためのものであり、縦方向にスリットが形成されたサイドプレート61(図1、図2も参照)と、そのスリット内の任意の場所に位置決め可能なノブ63とを有している。
ノブ63は、そのネジ部63aが固定構造68(詳細は図示せず)に係合しており、(a)ノブ63を緩めた状態では該ノブ63をスリット内で自由に移動させることができ、(b)ノブ63を締め付けると該ノブ63を任意の場所に固定できるようになっている。ベース部43が上昇した際に、例えば、ベース部43がノブ63のネジ部63aに当接するようになっていることにより、ベース部43の移動範囲の上限が規制される。これによりベース部43と一緒に移動するシリンダ保持機構30の移動範囲も規制される。
シリンダ保持機構30の移動範囲が調節することで、シリンダ部材6に対するピストン部材7のストローク量が定まり、したがって、シリンジ5に吸引される薬液の量が調節されることとなる。
なお、ノブ63のネジ部63aが直接ベース部材43に当接するのではなく、ノブ63と一緒に上下移動するように構成された何らかの中間部材(不図示)がベース部材43に当接する構成としてもよい。必要に応じて、サイドプレート61(図1、図2)に薬液量を表示するインジケータ等を表示してもよい。
吸引量調節機構の他の構成例については、別の図面(図8、図9)も参照して後述するものとする。
ロック機構70(図4参照)は、ユーザによって下端位置まで押し下げられたベース部材43を、その場で維持するための機構である。本実施形態では、ロック機構70は、不図示のリンク機構などを収容する本体部71と、そこから突出し略水平方向に進退移動するストッパ75と、そのストッパ75を動かすためのロック解除レバー72とが設けられている。ストッパ75は、不図示の付勢部材(例えばバネ)によって、本体部71から突出した状態に付勢されている。
一方、ベース部材43にはストッパ75と係合する係止部37が形成されている。係止部37は一例で略L字型であってもよい。ベース部43を下方に押し下げていくと、係止部37の先端のテーパ部37aとストッパ75の先端のテーパ部75aとが当接し、これにより、ストッパ75が不図示の付勢部材の付勢力に抗しながら略水平方向に移動する。そして、係止部37が所定位置まで下方に押し下げられた時点で、ストッパ75が元の突出位置に戻り、係止部37とストッパ75とが係止した状態となる。これにより、ベース部材43がこの位置でロックされる(これは図7(B)の状態に対応する)。
このロック状態では、コンストンバネ50の帯鋼板51が下方まで引き出され、付勢力がベース部材43に加わった状態となっている。ロック状態は、ユーザがロック解除レバー72を操作することで解除される。具体的には、ロック解除レバー72を操作することで、ストッパ75が所定距離だけ本体部71内へと引っ込み、これによりストッパ75と係止部37との係止が外れ、ロックが解除される。
ロック解除後は、コンストンバネ50の付勢力およびオイルダンパ45(図3参照)の作用によって、略一定の速度で比較的ゆっくりとベース部材43(ひいてはシリンダ保持機構30)が上昇することとなる。この上昇は、ベース部材43が所定の上限位置まで移動してその一部がノブ63のネジ部63a(一例)に当接するまで続く。
なお、ロック機構70としても、ベース部43を下端位置にロックすることができ、また、ユーザの所定の操作によってそのロックが解除されるものであれば、上述のような構成に限らず、種々の構成とすることができる。
〔薬液吸引装置の動作および使用方法〕
上記のように構成された本実施形態の機械式薬液吸引装置1の動作および使用方法について、以下、説明する。なお、下記の工程の順番などはあくまで一例であって本発明を何ら限定するものではない。工程の順序は必要に応じて変更してもよい。
まず、空のシリンジ5に吸引する薬液の量に合わせて、吸引量調節機構60のノブ63の高さを調節する(図1参照)。
次いで、図1および図7(A)に示すように、シリンダ保持機構30のフランジホルダ31に、シリンジ5のシリンダフランジ6aを保持させる。
シリンジ5の導管部6bには、図6に示すように、薬液チューブ91の一端が接続される。薬液チューブ91の他端は薬液が入った薬液ボトル95に接続される。薬液ボトル95は、一例として、薬液吸引装置1とは別のスタンド93に保持されてもよい。
次いで、ユーザは、図7(A)の状態からシリンジ5およびシリンダ保持機構30を下方に押し下げる。シリンダ保持機構30は、ケース内のベース部材43(図3参照)と一緒に下方に移動し、この動作中、コンストンバネ50の帯鋼板51がドラム部53から引き出される。
図7(B)の状態となるまで押し下げると、クランピング部材25の一対の爪部23内によってピストンフランジ7aが把持される。また、この状態では、ベース部材43(図4)の係止部37とロック機構70のストッパ75とが係止し、これにより、シリンダ保持機構30が下端位置にロックされる。
次いで、ユーザがロック機構70のロック解除レバー72を操作しロックを解除する。これにより、ベース部材43(図4)の係止部37がストッパ75から外れ、コンストンバネ75の付勢力によってシリンダ保持機構30が上昇していく。ここで、ピストン部材7はピストン保持機構20によって固定されたままであるので、シリンダ部材6のみが上昇することとなる。その結果、シリンダ部材6からピストン部材7が引き出され、薬液ボトル95(図6参照)内の薬液がシリンジ5内へと吸引される。
ここで、本実施形態ではコンストンバネ75が用いられているので、シリンダ部材6を略一定の速度で上昇させることができる。それに加えて、オイルダンパ45(図3参照)の作用により、シリンダ部材6を比較的ゆっくりと上昇させることができる。
このように薬液を吸引しながらシリンダ部材6が上昇し、図7(C)に示すように上端位置までシリンダ部材6が上昇したところで上昇が停止し、薬液の吸引が完了する。
次いで、薬液が充填されたシリンジ5をユーザが手前側(図1参照)に引くことで、シリンジ5を装置1から取り外すことができる。なお、シリンジ5のピストンフランジ7aをクランピング部材25から外すと、クランピング部材25は元の形状(図7(A)等)に戻る。
以上一連の工程により、シリンジ5内に所望の量の薬液を吸引することができる。
以上説明したような本発明の薬液吸引装置1によれば、電気モータ等の駆動源を使用するのではなく、コンストンバネ等の付勢ユニット50を駆動源としてシリンダ保持機構30を移動させるものであるので、電源がなくてもシリンジ5への薬液の吸引を行うことができる。また、電気部品の故障等により装置が使用できなくなる等のおそれもない(もっとも、これは、本発明の一形態に係る薬液吸引装置が電気部品を備えることを退けるものではない)。MRI室内等においては電源を確保しにくい場合もあるが、本発明の一形態に係る薬液吸引装置によれば、そのような環境下においても良好に使用することができる。また非磁性体で構成することにより、撮像に影響を及ぼしたり、薬液吸引装置がガントリーに引き込まれたりすることを防止することができる。
また、薬液吸引装置1は、付勢ユニット50を付勢力を利用してピストン部材7を相対的にシリンダ部材6から引き出すものであるので、ユーザの操作に関わらず、基本的に付勢ユニット50を付勢力により定まる所定の速度で薬液の吸引を行うことができる。そのため、吸引速度が速すぎ、薬液中に気泡が混入してしまうという問題も防止することができる。
また、このような機械式の薬液吸引装置1は、電気モータ等の駆動源とする電気式のものと比較して、簡素な構造で構成できることから、電気部品の故障の問題が生じず、また、製造コストを抑えるのにも有利である。
また、本実施形態のように、装置全体として縦型で、ピストン保持機構20が下方に配置されるとともに、シリンダ保持機構30がその上方に配置され、シリンダ保持機構30が上下移動するように構成されている場合、シリンダ保持機構30に装着したシリンジ5を上方から押し付けるという簡単な動作で、ピストン部材7をピストン保持機構20に装着できる。
また、本実施形態のように、ピストン保持機構20が、(i)ピストン部材7のピストンフランジ7aに係合する少なくとも2つの爪部23を有するクランピング部材25を有し、(ii)ピストンフランジ7aを該クランピング部材25に対して押し込むことで爪部23が閉じてピストンフランジ7aが把持され、(iii)その状態でピストン部材7を(上方に)引いてもピストンフランジ7aがクランピング部材25から外れないように構成されている場合、薬液吸引中に、ピストンフランジ7aが外れてしまうことが防止される。他方、シリンジ5を外す場合には、手前側にシリンジ5を引くだけでよい。
〔他の形態について〕
本発明の機械式薬液吸引装置は上述したようなものに限らず種々変更可能である。
(a)上記では縦型の薬液吸引装置について説明したが、シリンジが横向きとなるような横型の装置としてもよい。
(b)上記ではシリンダ保持機構30が可動でピストン保持機構20が固定された例について説明したが、逆に、シリンダ保持機構30が固定され、ピストン保持機構20が可動に構成されていてもよい。あるいは、両機構がいずれも可動に構成されていてもよい。
(c1)シリンダ保持機構30のフランジホルダ31に関し、追加のアダプタを使用することで、径の異なる複数種類のシリンジ(シリンダフランジ)をフランジホルダ31に装着できるように構成されていてもよい。
(c2)そのようなアダプタに関し、アダプタが、例えば一対の板バネ状のアーム部であってその先端に係止爪が形成された一対のアーム部を有していてもよく、その係止爪がシリンダフランジの切欠き部505(一例として図10参照)に係止することによりシリンダフランジが保持されるようなものであってもよい。(i)シリンダフランジを前方から後方に向けて(図1参照)移動させることにより上記係止爪が切欠き部に係止するようになっていてもよいし、または、(ii)シリンダフランジを前方から後方に向けて移動させ、さらに、アダプタ内で軸周りに90度または他の任意角度だけ回転させることにより上記係止爪が切欠き部に係止するようになっていてもよい。ここで、シリンダフランジを前方から後方に向けて移動させる工程は、Iカット部の平坦部が図1の左右方向に向くような姿勢で行われるものであってもよい。
(d)上記ではシリンダフランジ6a付近のみを保持するフランジホルダ31について説明したが、シリンダ部材6の外周部のより広い範囲を保持可能なフランジホルダとしてもよい。
(e)図6では、スタンド93が薬液吸引装置とは別体に設けられているが、薬液吸引装置に薬液ボトル95を保持する(例えば吊るす)ための保持部が構成されていてもよい。
(f)上記では、シリンジが1本のみ搭載される薬液吸引装置1について説明したが、シリンジが2本あるいはそれ以上搭載可能で、シリンジごとに独立の(あるいは数本のシリンジに共通の)付勢ユニットが設けられた薬液吸引装置としてもよい。
(g1)シリンジ5の取付けは、図11に示すような方式で実施されてもよい。すなわち、図11(A)の状態ではシリンダ保持機構30が所定の下端位置に位置しており、この状態の装置に対して、シリンジ5を取り付ける。図11(B)に示すように、シリンジ5を下方に押し下げると、シリンダフランジ6aがシリンダ保持機構30に係合し、同時に、ピストンフランジ7aがピストン保持機構20に係合する。これにより、シリンジ5のセットが完了する。上記のような取付けを実現するために、ピストン保持機構20のクランピング部材25とフランジホルダ31の嵌合溝31aとの間の距離が、シリンダフラン6aとピストンフランジ7aとの距離と同一または実質的に同一に設定されていてもよい。
(g2)ここで、フランジ6aが保持機構30に嵌まる際、および/または、フランジ7aが保持機構20に嵌まる際に、クリック感が得られるように構成されていることも好ましい。これにより、ユーザは、フランジが正常にロックされたことを音および/または感触で知ることができる。なお、図4に示した係止部37とストッパ75とが係止するときにも、同様に、クリック感が得られるように構成されていることも好ましい。
(h)本発明の一形態に係る機械式薬液吸引装置は、さらに、シリンジに取り付けられたICタグ(例えばRFIDタグ)に対してデータを読み書きするICタグリーダ/ライタを備えていてもよい。この場合、例えば、同リーダ/ライタを駆動させるための制御回路および/またはバッテリーが機械式薬液吸引装置に設けられていてもよい。一例としては、ICタグリーダ/ライタは、シリンジに薬液が正常に充填された情報を書き込むように構成されていてもよい。なお、ICタグは、シリンダ部材の外周またはシリンダフランジに設けられていてもよい。
〔吸引量調整機構の他の例〕
吸引量調整機構は、図8および図9に示すようなものであってもよい。この例では、吸引量調整機構160は、縦方向に設けられたガイドバー161と、それに沿って上下方向に移動するホルダ部材162を有している。
ガイドバー161の側面には平歯車状の凹凸部161aが形成されている。ガイドバー161は、ベース部材13に立設されていてもよい。ガイドバー161は、金属製または樹脂製のいずれであってもよく特に限定されるものではない。
ホルダ部材162には係止部材163が水平方向に可動(図9の白抜き矢印参照)に保持されている。係止部材163は、ガイドバー161の上記凹凸部161aと噛み合う係止部163aを有している。係止部材163には、ユーザによって操作されるレバー165が形成されている。一例として、このレバー165は、係止部材163の下面に配置され、下方に向かって延出している。
ホルダ部材162の一部、または、ホルダ部材162に設けられた他の部材の一部がベース部材43(図9参照)に直接または間接に当接することで、ベース部材43の移動範囲の上限が規制されるようになっている。
このように構成された吸引量調整機構160では、ユーザがレバー165に指をかけて係止部材163を引き、係止部163aと凹凸部161aの係合を解除することで、ホルダ部材162を上下に移動できるようになる。ホルダ部材162を上下方向の任意の位置に移動させ、係止部材163をガイドバー161に向けて再び進出させることで、係止部163aと凹凸部161aとが噛み合い、ホルダ部材162の高さ位置が固定される。
このようにしてホルダ部材162の高さ位置を調節することで、ベース部43の移動範囲の上限が規制され、シリンダ部材6とピストン部材7との相対的なストローク量が調節され、シリンジ5への吸引量が調節される。
なお、図8および図9では図示していないが、ホルダ部材162にバネ等の付勢部材を配置し、(i)この付勢部材によって、通常時においては、係止部材163の係止部163aがガイドバー161の凹凸部161aに押し付けられ、(ii)ユーザが係止部材163を引くと、その付勢力に抗しながらガイドバー161がガイドバー161から離れるように構成されていてもよい。
〔他のシリンジを保持する機械式薬液吸引装置〕
図12A〜図12Dは、他のシリンジ(一例として50ml用のシリンジ)を保持する薬液吸引装置の例を示している。この例では、薬液吸引装置は、シリンジ5の略楕円形に形成されたシリンダフランジ6aを保持するためのシリンダ保持機構130を備えている。シリンダ保持機構130は、基本的な機能は上述した実施形態と同様であるが、シリンダフランジ6aの形状に対応した形状を有するフランジホルダ131を有している。具体的には、図12Eに示すように、このフランジホルダは、シリンダフランジ6aに対応した輪郭を有する開口部131bと、シリンダフランジ6aに対応した厚みの嵌合溝131aとを有している。符号131cは、シリンダフランジ6aを受ける一例として平坦な受け部である。
シリンジの取付けは、上述した実施形態同様、(i)シリンジを横方向(図1の前後方向参照)に移動させてシリンダフランジ嵌合溝131a内に挿入させ(必要に応じてさらに例えば90度回転させ)、次いで、下方に押し下げるという動作で行ってもよいし、または、(ii)図11に示したように、単にシリンジを下方に移動させる動作のみで行ってもよい。
また、限定されるものではないが、図12A〜図12Dの薬液吸引装置には、図8および図9を参照して説明したような吸引量調整機構160が備えられている。
図12Aに示すように、この例では、ピストン保持機構120のホルダ127の形状が図1等に示したものから修正されている。具体的には、ホルダ127は、クランピング部材125を収容するようなケース形に形成されている。
なお、図12Aではシリンダ保持機構130にシリンダフランジ6aが保持された状態(ピストンフランジ7aはピストン保持機構120に保持されていない)が描かれているが、当然ながら、図11を参照して前述したような方式でシリンジ5の取付けを行なってもよい。
(付記)
本出願は以下の発明を開示する。なお、カッコ内の符号は本発明を何ら限定するものではない。
1.シリンダ部材(6)およびピストン部材(7)を有するシリンジ(5)内に薬液を吸引するための薬液吸引装置(1)であって、
ピストン部材を保持するピストン保持機構(20、120)と、
シリンダ部材を保持するシリンダ保持機構(30、130)と、を備え、
前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構は、互いに近づき又は離れるように移動可能に構成されており、
さらに、
前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の少なくとも一方に付勢力を与え、それにより、(i)前記ピストン保持機構と前記シリンダ保持機構とが互いに近接した第1の状態から、(ii)両機構が互いに所定距離だけ離れた第2の状態まで、前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の一方を移動させる付勢機構(50)を備える、機械式薬液吸引装置(1)。
2.前記付勢機構(50)が、略一定の付勢力を発生させるコンストンバネを有する、上記1に記載の機械式薬液吸引装置。
なお、「略一定の付勢力」とは、コンストンバネのストローク中の付勢力が厳密に一定である必要はなく、多少のばらつきを有していてもよい(実質的に一定であればよいこと)を意図している。
3.前記ピストン保持機構(20、120)はベース部材(13)に固定され、
前記シリンダ保持機構(30、130)が可動に構成されている、
上記1または2に記載の機械式薬液吸引装置。
4.さらに、
前記シリンダ保持機構の移動速度を低減させるためのダンパ(45)を備える、上記3に記載の機械式薬液吸引装置。
5.前記シリンダ保持機構の移動方向に沿うように配置されたラック部材(47)が設けられており、
前記ダンパは、前記ラック部材に係合する歯車を有する回転式のオイルダンパ(45)である、上記4に記載の機械式薬液吸引装置。
6.さらに、
前記シリンダ保持機構の移動範囲を調節するための範囲調節機構(60)を備える、上記3〜5のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
7.さらに、ピストン保持機構とシリンダ保持機構とが互いに近接した前記第1の状態を維持するためのロック機構(70)を備える、上記1〜6のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
8.全体として縦型で、前記ピストン保持機構が下方に配置されるとともに、前記シリンダ保持機構がその上方に配置され、前記シリンダ保持機構が上下移動するように構成されている、
上記1〜7のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
9.前記ピストン保持機構(20、120)は、
(i)前記シリンダ部材のピストンフランジに係合する少なくとも2つの爪部(23、23)を有するクランピング部材(25)を有し、(ii)前記ピストンフランジを該クランピング部材に対して押し込むことで前記爪部が閉じてピストンフランジが把持され、(iii)その状態で前記シリンダ部材を(押しこみ方向と逆向きに)引いても前記ピストンフランジが前記クランピング部材(25)から外れないように構成されている、
上記1〜8のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
10.前記クランピング部材は、
前記ピストンフランジが押し付けられた際に弾性変形可能な中央弾性部(24)と、
その中央弾性部の両端部に形成された一対の爪部(23、23)と、
を有している、上記9に記載の機械式薬液吸引装置。
11.シリンダ部材およびピストン部材を有するシリンジ(5)と、
上記記載の機械式薬液吸引装置(1)とを備える、システム。
12.前記シリンジにはICタグが取り付けられている、上記記載のシステム。
1 機械式薬液吸引装置
5 シリンジ
6 シリンダ部材
6a シリンダフランジ
7 ピストン部材
7a ピストンフランジ
10 ケース
13 ベース部材
16 前面プレート
20、120 ピストン保持機構
23 爪部
24 弾性中央部
25 クランピング部材
27、127 ホルダ
27a 側壁
27b 押さえ部
27s ベース部
30、130 シリンダ保持機構
31、131 フランジホルダ
31a 嵌合溝
33 可動ブロック
35 接続部材
37 係止部
40 スライド機構
41 スライドレール
43 ベース部材
45 オイルダンパ
47 ラック
50 付勢ユニット(コンストンバネ)
51 帯鋼板
51a 先端部
53 ドラム部
60 吸引量調整機構
61 サイドプレート
63 ノブ
68 固定構造
70 ロック機構
71 本体部
72 ロック解除レバー
75 ストッパ
161 吸引量調整機構
161 ガイドバー
162 ホルダ部材
163 係止部材

Claims (12)

  1. シリンダ部材およびピストン部材を有するシリンジ内に薬液を吸引するための薬液吸引装置であって、
    ピストン部材を保持するピストン保持機構と、
    シリンダ部材を保持するシリンダ保持機構と、を備え、
    前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構は、互いに近づき又は離れるように移動可能に構成されており、
    さらに、
    前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の少なくとも一方に付勢力を与え、それにより、(i)前記ピストン保持機構と前記シリンダ保持機構とが互いに近接した第1の状態から、(ii)両機構が互いに所定距離だけ離れた第2の状態まで、前記ピストン保持機構およびシリンダ保持機構の一方を移動させる付勢機構を備える、
    機械式薬液吸引装置。
  2. 前記付勢機構が、略一定の付勢力を発生させるコンストンバネを有する、請求項1に記載の機械式薬液吸引装置。
  3. 前記ピストン保持機構はベース部材に固定され、前記シリンダ保持機構が可動に構成されている、請求項1または2に記載の機械式薬液吸引装置。
  4. さらに、
    前記シリンダ保持機構の移動速度を低減させるためのダンパを備える、請求項3に記載の機械式薬液吸引装置。
  5. 前記シリンダ保持機構の移動方向に沿うように配置されたラック部材が設けられており、
    前記ダンパは、前記ラック部材に係合する歯車を有する回転式のオイルダンパである、
    請求項4に記載の機械式薬液吸引装置。
  6. さらに、前記シリンダ保持機構の移動範囲を調節するための範囲調節機構を備える、請求項3〜5のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
  7. さらに、ピストン保持機構とシリンダ保持機構とが互いに近接した前記第1の状態を維持するためのロック機構を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
  8. 全体として縦型で、前記ピストン保持機構が下方に配置されるとともに、前記シリンダ保持機構がその上方に配置され、前記シリンダ保持機構が上下移動するように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
  9. 前記ピストン保持機構は、
    (i)前記ピストン部材のピストンフランジに係合する少なくとも2つの爪部を有するクランピング部材を有し、(ii)前記ピストンフランジを該クランピング部材に対して押し込むことで前記爪部が閉じてピストンフランジが把持され、(iii)その状態で前記シリンダ部材を引いても前記ピストンフランジが前記クランピング部材から外れないように構成されている、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置。
  10. 前記クランピング部材は、
    前記ピストンフランジが押し付けられた際に弾性変形可能な中央弾性部と、
    その中央弾性部の両端部に形成された一対の爪部と、
    を有している、請求項9に記載の機械式薬液吸引装置。
  11. シリンダ部材およびピストン部材を有するシリンジと、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の機械式薬液吸引装置とを備える、システム。
  12. 前記シリンジにはICタグが取り付けられている、請求項11に記載のシステム。
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