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JPWO2009069420A1 - 信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置 - Google Patents

信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置 Download PDF

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JPWO2009069420A1
JPWO2009069420A1 JP2009543727A JP2009543727A JPWO2009069420A1 JP WO2009069420 A1 JPWO2009069420 A1 JP WO2009069420A1 JP 2009543727 A JP2009543727 A JP 2009543727A JP 2009543727 A JP2009543727 A JP 2009543727A JP WO2009069420 A1 JPWO2009069420 A1 JP WO2009069420A1
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貴也 林
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健一郎 林
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知弘 木村
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Abstract

時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部(6)と、パイロットキャリアから得られる伝送路特性値によりデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部(7)と、等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部(9)と、第1復号部(9)の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部(10)とを備える。

Description

本発明は、周波数分割多重信号、特に地上デジタル放送に用いられる直交周波数分割多重信号(以下、「OFDM信号」という)を復調する信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置に関するものである。
わが国においては、2003年よりISDB−T方式により地上デジタル放送が開始された。また、欧州、北米、南米、アジア圏を始め、世界各国でアナログ放送がデジタル化され、地上デジタル放送が開始されつつある。これらの国の多くにおいて、日本におけるISDB−T方式と同等、あるいは準拠された技術が用いられ、特に、多数のキャリアが周波数軸において直交多重化されたOFDM信号が用いられている。
OFDM信号は、変調方式や送信帯域などの情報を伝達する伝送制御キャリア、伝送路特性を算出するのに用いられるパイロットキャリアおよび実際のデータが含まれるデータキャリアを含んでいる。また、OFDM信号は、これらのキャリアを周波数軸上で多重化してなる。このため、信号復調装置は、高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)に代表される時間周波数変換を用いて、多重化されているキャリアを復調し、フレーム同期も検出する。
この信号復調装置は、時間周波数変換により得られた伝送制御キャリアを復号して、変調方式や送信帯域などの情報を得る(例えば特許文献1(特開2002−247003号公報)参照)。ここで、従来の技術における信号復調装置では、時間周波数変換部の出力に含まれる伝送制御キャリアが復号される。
図18は、従来の技術における信号復調装置のブロック図である。
信号復調装置100は、アンテナ101、チューナ102、アナログデジタル変換部103、検波部104、時間周波数変換部105、等化部106、誤り訂正部107、復号部108、訂正部109および同期検出部110を備えている。
OFDM信号を含む受信信号は時間軸上の信号であり、アンテナ101により受信され、チューナ102、アナログデジタル変換部103、検波部104を経た時間軸の信号が、時間周波数変換部105において周波数軸上の信号に変換される。これにより周波数軸上に多重化されている伝送制御キャリアなどが取り出される。
復号部108は、時間周波数変換部105から出力された伝送制御キャリアを復号する。訂正部109は、復号された伝送制御キャリアの誤りを訂正する。同期検出部110は、フレーム同期を検出する。誤り訂正された伝送制御キャリアとフレーム同期は、それぞれ制御情報および同期情報として図外の要素へ出力され、信号復調の中で利用される。
このようにして、従来の信号復調装置は、時間周波数変換部105で抽出される伝送制御キャリアを、制御情報と同期情報の復号に用いている。
特開2002−247003号公報
従来の信号復調装置に含まれる伝送制御キャリアの復号処理は、ホワイトノイズに強い特徴を有している。
ここで、OFDM信号を用いる地上デジタル放送は、据え置き型の固定受信装置のみならず、車載テレビや携帯電話などへの移動受信装置にも用いられる。移動受信においては、通常のホワイトノイズだけでなく、マルチパスやフェージングなどに基づくノイズが強くなることもある。
またISDB−T規格におけるOFDM信号は、1つの帯域を13のセグメントに分割し、13個のセグメント全てのキャリアを使用する13セグメント放送と、1つのセグメントのキャリアのみを使用する1セグメント放送を含む。移動受信においては、この1セグメント放送が用いられることが多く、キャリア数が少ないことにより、従来の技術では伝送制御キャリアの復号が困難となることも多い。同様に、フレーム同期の検出も、従来の技術では困難となりやすい。
加えて、移動受信装置といえども、移動をしている場合もあるし、移動をしていない場合もある。すなわち、ホワイトノイズが支配的である受信環境であるか、フェージングノイズが支配的である受信環境であるのかは、状況に応じて刻々と変化する。このため、従来の技術では、移動受信において、状況の変化に伴い伝送制御キャリアの復号が困難となる問題があった。
そこで本発明は、受信環境の変化に対応した、伝送制御キャリアの復号およびフレーム同期の検出ができる信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る信号復調装置は、時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、パイロットキャリアから得られる伝送路特性値によりデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、を備える。
本発明は、時々刻々と変化するノイズ環境に最適かつ高速に対応して、伝送制御キャリアの復号やフレーム同期検出を行える。特に、復調装置は、移動環境において変化しやすい、ホワイトノイズ環境とフェージングノイズ環境とに対応できる。
また、本発明は、ノイズ環境の変化に弱い1セグメント放送にも最適に対応できる。
伝送制御キャリア復号とフレーム同期検出が、ノイズ変化に強くなることで、OFDM信号の復調精度も向上する。
本発明の実施の形態1におけるOFDM信号の模式図である。 本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のキャリア状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のセグメント構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における信号復調装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1復号部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1訂正部および第2訂正部の内部ブロック図である。 本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における第1同期検出部および第2同期検出部の内部ブロック図である。 本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における等化部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態2における第2復号部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態3におけるフラグ選択の説明図である、 本発明の実施の形態4における信号復調方法を実現する装置のブロック図である。 本発明の実施の形態4における信号復調方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態5における半導体集積回路のブロック図である。 本発明の実施の形態6における受信装置のブロック図である。 本発明の実施の形態6における携帯電話の斜視図である。 従来の信号復調装置のブロック図である。
符号の説明
1 信号復調装置
2 アンテナ
3 チューナ
4 アナログデジタル変換部
5 検波部
6 時間周波数変換部
7 等化部
8 誤り訂正部
9 第1復号部
10 第1訂正部
11 第1同期検出部
12 制御情報調停部
13 同期情報調停部
14 第2復号部
15 第2訂正部
16 第2同期検出部
第1の発明に係る信号復調装置は、時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、パイロットキャリアから得られる伝送路特性値によりデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、を備える。
この構成により、信号復調装置は、伝送制御キャリアを、フェージングノイズに対して十分な耐性をもって復号できる。特に受信環境の変化に起因してフェージングノイズが強くなっても、信号復調装置は、伝送制御キャリアを十分な精度で復号できる。
第2の発明に係る信号復調装置では、第1の発明に加えて、時間周波数変換部から出力される伝送制御キャリアを復号する第2復号部と、第2復号部の出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正部と、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停部とを更に備える。
この構成により、信号復調装置は、フェージングノイズ環境では、フェージングノイズに強い耐性を有する第1制御情報が使用でき、ホワイトノイズ環境では、ホワイトノイズ環境に強い耐性を有する第2制御情報が使用できる。結果として信号復調の精度が高まる。
第3の発明に係る信号復調装置では、第2の発明に加えて、第1復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する第1同期検出部と、第2復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する第2同期検出部と、第1同期フラグおよび第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、第1同期情報および第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停部とを備える。
この構成により、信号復調装置は、フェージングノイズ環境では、フェージングノイズに強い第1同期情報が使用でき、ホワイトノイズ環境では、ホワイトノイズ環境に強い第2同期情報が使用できる。結果として信号復調の精度が高まる。
第4の発明に係る信号復調装置では、第3の発明に加えて、第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、第1同期フラグおよび第2同期フラグの各々は、フレーム同期の検出ができた場合を示す「検出」とフレーム同期の検出ができなかった場合を示す「未検出」とのステータスを含む。
この構成により、信号復調装置は、必要に応じて、復号精度の高い制御情報および検出精度の高い同期情報を選択できる。結果として、信号復調の精度が高まる。
第5の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、第1制御情報および第2制御情報の内、完了のステータスに対応する制御情報を選択し、同期情報調停部は、第1同期情報および第2同期情報の内、検出のステータスに対応する同期情報を選択する。
この構成により、信号復調装置は、必要に応じて、復号精度の高い制御情報および検出精度の高い同期情報を選択できる。結果として、信号復調の精度が高まる。
第6の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、第1復号フラグと第2復号フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、第1制御情報および第2制御情報の内、直前に選択された制御情報を選択し、同期情報調停部は、第1同期フラグと第2同期フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、第1同期情報および第2同期情報の内、直前に選択された同期情報を選択する。
この構成により、受信状態の変化に応じて、信号復調装置は、最も適当な制御情報および同期情報を選択できる。
第7の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、所定期間内において第1復号フラグおよび第2復号フラグの内、完了を示すステータスの個数を計測し、制御情報調停部は、第1制御情報および第2制御情報の内、個数がより多い復号フラグに対応する制御情報を選択し、同期情報調停部は、所定期間内において第1同期フラグおよび第2同期フラグの内、検出を示すステータスの個数を計測し、同期情報調停部は、第1同期情報および第2同期情報の内、個数がより多い同期フラグに対応する同期情報を選択する。
この構成により、受信状態の変化に応じて、信号復調装置は、最も適当な制御情報および同期情報を選択できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の実施の形態においては、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号を中心に説明するが、ISDB−T規格以外に基づくOFDM信号や、周波数軸上でキャリアが多重化されている周波数分割多重信号などであっても、同様であって、これらの信号復号も本発明に含まれる。
また本明細書で記載されている制御情報(第1制御情報、第2制御情報)は、ISDB−T規格におけるTMCC信号をその1例として含む。
また、当然ながら本明細書における「第1」、「第2」なる用語は同様の要素を区別するために使用されるもので、特段の限定を加えるものでもなく、同様の要素が更に追加されることを排除するものでもない。
(実施の形態1)
まず、図1、図2、図3を用いて、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号の模式図である。OFDM信号は、周波数軸上で複数のキャリアが多重化されている。特にキャリア同士が直交して多重化されている。このようなOFDM信号は、マルチパスに強いと一般には考えられている。
図2は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のキャリア状態を示す説明図である。図2に示されるとおり、OFDM信号は、周波数軸上に複数のキャリアが多重化されて1つの信号シンボル(以下、「シンボル」という)を形成しており、時間軸上にこのシンボルが多重化されている。
OFDM信号は、画像や音声が変調されたデータを含むキャリアであるデータキャリア、伝送路状態を算出するのに用いられるパイロットキャリアおよび変調方式や帯域などの伝送に関わる情報を伝送する伝送制御キャリアを含んでいる。
図2より明らかな通り、伝送制御キャリアは、各シンボルの同じ位置に存在する。パイロットキャリアは、一定間隔に配置されている。データキャリアは、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアの存在しない位置に配置されている。
図3は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のセグメント構造を示す説明図である。
図3から明らかな通り、ISDB−T規格においては、1つのOFDM信号帯域は、13個のセグメントに分割されている。この13個のセグメント全てを使用した放送は、13セグメント放送と呼ばれ、中央の1セグメントのみを使用した放送は、1セグメント放送と呼ばれる。1セグメント放送は、携帯端末や車載端末などの移動体端末に向けて利用されることが多い。
図3から明らかな通り、1セグメント放送では、13セグメント放送に比べて使用されるキャリアの数が少ないので、伝送制御キャリアやデータキャリアの復号が困難となりやすい。
次に、図4、図5を用いて、等化処理がなされた等化伝送制御キャリアを復号する構成について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における信号復調装置のブロック図である。
等化部7は、後述する時間周波数変換部6から出力されるデータキャリアと伝送制御キャリアを等化する。等化部7は、時間周波数変換部6から出力されたパイロットキャリアを、既知のパイロットキャリアで複素除算し、その振幅と位相の変位量を算出する。等化部7は、この算出された変位量を用いてデータキャリアと伝送制御キャリアを複素除算して等化する。等化部7は、この等化した等化データキャリアと等化伝送制御キャリアを出力する。
等化された等化データキャリアと等化伝送制御キャリアは、伝送路状態が考慮された信号であるので、送信時の信号の状態に近く、正確な復号が可能であると考えられる。
実施の形態1における信号復調装置は、この等化伝送制御キャリアを用いて復号する。この復号のために、第1復号部9、第1訂正部10および第1同期検出部11が備えられている。
以下に、各部の詳細について説明する。
(第1復号部)
第1復号部9は、差動復号により、等化伝送制御キャリアを復号する。
図5は、本発明の実施の形態1における第1復号部の内部ブロック図である。
第1復号部9は、複素除算部20、累積加算部21、極性判定部22、差動復号部23および差動基準部24を備える。
差動基準発生部24は、差動復号における基準値を発生して複素除算部20に出力する。複素除算部20は、等化伝送制御キャリアをこの基準値で複素除算する。累積加算部21は、複素除算された複数の等化伝送制御キャリアを累積的に加算する。極性判定部22は、等化伝送制御キャリアが直交平面において正の領域に存在するか、負の領域に存在するかを判定する。差動復号部23は、これらの判定に基づいて等化伝送制御キャリアの復号を行い、結果を出力する。この出力される結果は第1制御情報である。
なお、第1復号部9は、等化伝送制御キャリアを復号して「誤り訂正前」の第1制御情報を出力し、第1訂正部10は、この「誤り訂正前」の第1制御情報を誤り訂正して、「誤り訂正後」の第1制御情報を出力する。
本明細書では、制御情報(第1制御情報および第2制御情報のいずれも含む)との記載は、説明の必要上区別する必要が無い場合には、「誤り訂正前」と「誤り訂正後」を特に記載しない。
なお、第1復号部9は、図5に示される構成以外にも、後述する第2復号部14と同じ構成(図11に示される)であってもよい。
(第1訂正部)
図4の第1訂正部10は、第1復号部9で復号された伝送制御キャリアの誤り訂正を行って、第1制御情報を出力する。第1制御情報は、伝送制御キャリアに含まれている変調方式、帯域などの、OFDM信号の復調に必要となる情報を含む。
第1訂正部10は、後述する第2訂正部15と同じ構成を有する。
第1訂正部10は、シンドロームレジスタ50、誤り検出部51、シンドローム和演算部52、多数決判定部53およびデータレジスタ54を備える。
図6に示すように第1訂正部10の動作について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態1における第1訂正部および第2訂正部の内部ブロック図である。ここでは、第1訂正部10に対する説明を行うが、後述する第2訂正部15も同様である。
まず、シンドロームレジスタ50がクリアされる。次に、誤り訂正対象となる第1制御情報ビット(パリティビットを含む)がシンドロームレジスタ50およびデータレジスタ54に1ビットずつシフトしながら入力される。更にシンドロームレジスタ50は、89ビット分巡回シフトされる(ISDB−T規格として、差集合巡回符号「273、191」の89ビット短縮化符号「184、102」が使用されているので)。
次に、シンドロームレジスタ50およびデータレジスタ54が1ビットずつシフトされながら、各ビットに対する誤り検出(シンドローム和演算および多数決判定)が行われる。いずれかのビットに誤りが検出された場合には、データレジスタ54の出力およびシンドロームレジスタ50の出力に対して誤り訂正(排他的論理和演算によるビット反転)が行われる。このとき訂正されたデータレジスタ54の出力が誤り訂正後の第1制御情報ビットとして順次出力される。
最後に、データレジスタ54に記憶された全ビットに対する誤り検出・訂正処理が完了すると、シンドロームレジスタ50のビットがチェックされる。正しい訂正がなされていれば、シンドロームレジスタ50のすべてのビットの値が値「0」になっているはずである。もしそうでなければ、誤りがあるとみなされて、誤り検出フラグが出力される。このようにして、第1復号部9で復号された第1伝送制御キャリアは、第1訂正部10で誤り訂正されて、第1制御情報として出力される。このとき、第1訂正部10は、第1訂正部10において誤りが無いとみなした場合には「完了」とのステータスを第1復号フラグとして出力し、誤りがあるとみなした場合には「未了」とのステータスを含む第1復号フラグを出力する。
以上のようにして、本発明の実施の形態1における信号復調装置は、等化部7にて等化された等化伝送制御キャリアを使用して、伝送制御キャリアを復号して第1制御情報が得られる。
等化部7において等化された等化伝送制御キャリアは、伝送路状態に対応する補正がなされている。等化部7が行う等化は、マルチパスやフェージングノイズに対する補正であり、等化伝送制御キャリアは、フェージングノイズに対し、強い耐性を有する。
第1復号部9および第1訂正部10は、このようなフェージングノイズに強い等化伝送制御キャリアを復号するので、出力される第2制御情報は、フェージングノイズに対する信頼性や正確性が高い。
等化伝送制御キャリアを用いる第1復号部9が、フェージングノイズに対する耐性が強いことは、図7に示されている。
図7は、本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。
ここで、第2復号部14は、後述するが、時間周波数変換部6の出力である等化される前の伝送制御キャリアを復号する。
図7のグラフでは、縦軸はビットエラーレート(以下、「BER」という)を示し、横軸はフェージングノイズ環境を模擬するドップラー周波数を示す。図7から明らかな通り、第1復号部9の復号精度は、第2復号部14の復号精度よりも良い。特に、第2復号部14ではドップラー周波数が120Hzを越えると復号限界(グラフ中の点線)を超えてしまい、実際には伝送制御キャリアの復号ができなくなる。
このように、等化された等化伝送制御キャリアを使用することで、第1復号部9(および第1訂正部10)は、フェージングノイズ環境に強い耐性をもって、伝送制御キャリアを復号できる。
(第1同期検出部)
図4の第1同期検出部11は、第1復号部9の出力から同期信号を検出し、フレーム同期を検出する。図8は、本発明の実施の形態1における第1同期検出部および第2同期検出部の内部ブロック図である。ここでは、第1同期検出部11についての説明を行うが、後述する第2同期検出部16も同様である。ここで、フレームとはOFDM信号の単位の一つであり、所定の数のシンボルに基づいた単位である。
第1同期検出部11は、同期信号検出部60、同期保護部61を備えている。同期信号検出部60は、第1復号部9から出力された第1制御情報に対して特定のビットパターンを有する「同期信号」を検出する。
同期保護部61は、フレーム毎に同期信号が検出されているかをチェックし、同期信号が検出されている場合には、フレームの先頭位置を示す第1同期情報を出力する。更に、同期保護部61は、同期信号が検出されたことを示す第1同期フラグを出力する。第1同期フラグは、同期信号が検出された(フレーム同期が検出された)ことを示す「検出」とのステータスと、同期信号が検出されなかった(フレーム同期が検出されなかった)ことを示す「未検出」のステータスとを含む。
このとき、第1同期検出部11は、第1復号部9と同様に、等化部7で等化された等化伝送制御キャリアに基づいたフレーム同期の検出を行うので、フェージングノイズに強い。
実施の形態1における信号復調装置は、必要に応じて第1同期検出部11が備えられることで、フェージングノイズ環境に強い耐性をもって、フレーム同期を検出できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、図4を用いて説明する。
実施の形態2における信号復調装置は、時間周波数変換部6の出力(すなわち等化部7の処理前)である伝送制御キャリアに対して復号を行う第2復号部14、第2訂正部15、およびフレーム同期の検出を行う第2同期検出部16を更に備えている。
等化部7において等化された伝送制御キャリアは、フェージングノイズへの耐性が強いという特性があるが、推定された伝送路特性による複素除算がなされているので、通常のホワイトノイズ(いわゆるAdditive White Gaussian Noise、以下「AWGN」という。図中も同じ)には弱くなることもあるという特性も有する。
これに対して、FFTなどが使用される時間周波数変換部6において抽出された等化前の伝送制御キャリアは、フェージングノイズには弱いが、ホワイトノイズには強くなることもあるという特性を有している。
信号復調装置が実装された電子機器(携帯電話、携帯端末、車載テレビ、車載端末など)をとりまく環境は、移動と停止に伴い無作為に変化しうる。このため、受信環境は、ある場合にはホワイトノイズ環境となり、別の場合にはフェージングノイズ環境となることがある。
実施の形態1で説明した等化伝送制御キャリアを使用する第1復号部9、第1訂正部10および第1同期検出部11は、フェージングノイズに強い。第2復号部14、第2訂正部15および第2同期検出部16は、ホワイトノイズに強い。
このため、実施の形態2における信号復調装置は、ノイズ環境の変化に応じて、伝送制御キャリアの復号とフレーム同期検出を、使い分けることができる。
まず、図4を用いて信号復調装置の全体概要について説明する。
実施の形態2における信号復調装置1は、アンテナ2、チューナ3、アナログデジタル変換部4、検波部5、時間周波数変換部6、等化部7、誤り訂正部8、第1復号部9、第1訂正部10、第1同期検出部11、制御情報調停部12、同期情報調停部13、第2復号部14、第2訂正部15、第2同期検出部16を備える。なお、これらの要素の一部は必要に応じて削除されてもよい。
(全体説明)
まず、全体概要を説明する。
アンテナ2は、OFDM信号を含む伝搬信号を受信する。チューナ3は、受信された受信信号の特定帯域に含まれる信号を受信して、アナログデジタル変換部4に出力する。
アナログデジタル変換部4は、チューナ3から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して検波部5に出力する。検波部5は、入力されたデジタル信号を検波して、検波した信号を時間周波数変換部6に出力する。時間周波数変換部6は、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換して、周波数軸上に多重化されているデータキャリア、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアを抽出する。等化部7は、パイロットキャリアから伝送路特性を推定し、推定された伝送路特性によって、データキャリアと伝送制御キャリアを等化する。
誤り訂正部8は、等化された等化データキャリアの誤りを訂正する。この誤り訂正されたデータキャリアは、映像や音声の情報を含み、最終的には画像や音声表示のための復調が行われる。このようにして信号復調装置1は、受信したOFDM信号から必要なデータを取り出して復調する。
このデータキャリアの復調と並列して、復調に必要となる各種の情報を含む伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が、第1復号部9〜第2同期検出部16によって行われる。
第1復号部9と第1訂正部10では、フェージングノイズに強い第1制御情報が出力され、第2復号部14と第2訂正部15では、ホワイトノイズに強い第2制御情報が出力される。第2訂正部15は、誤り訂正の状態を示す第2復号フラグを出力する。
ここで、等化前である時間周波数変換部6の出力である伝送制御キャリアに基づいた第2復号部14での復号が、ホワイトノイズに対する耐性が強いことを、シミュレーション結果により説明する。
図9は、本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。
図9に示されるグラフは、縦軸はBERを示し、横軸はホワイトノイズ環境を模擬するノイズ量を示す(AWGNは、ホワイトノイズ状態を示す略語である)。図9から明らかな通り、第2復号部14の復号精度は、第1復号部9の復号精度よりも良い。
このように、等化される前の伝送制御キャリアを使用した第2復号部14(および第2訂正部15)により、ホワイトノイズ環境に強い伝送制御キャリア復号ができる。
すなわち、第1復号部9はフェージングノイズ環境に強い伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が可能で、第2復号部14は、ホワイトノイズ環境に強い伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が可能であり、相互に補完できる構成である。
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。このとき、復号精度の高い方が選択されるので、ノイズ環境の変化に対応した制御情報の利用がなされる。
同様に、第1同期検出部11は、フェージングノイズに強い第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する。第2同期検出部16は、ホワイトノイズに強い第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期情報を出力する。
同期情報調停部13は、第1同期フラグおよび第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。このとき、検出精度の高い方が選択されるので、ノイズ環境の変化に対応した同期情報の利用がなされる。
以上のように、実施の形態2における信号復調装置1は、ノイズ環境の変化に対応した制御情報および同期情報の利用がなされる。この結果、移動受信に最適なOFDM信号の復調が実現できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(アンテナ)
アンテナ2は、OFDM信号を含む伝搬信号を受信する。
アンテナ2は、信号復調装置1を実装した電子機器に備えられてもよいし、信号復調装置1が車載される場合には、車に取り付けられても良い。
また、ダイバーシティ受信を行う場合には、複数のアンテナが取り付けられても良い。
(チューナ)
チューナ3は、放送帯域に応じた中心周波数に基づき、アンテナ2で受信されたOFDM信号の特定帯域を選択して受信する。
チューナ3は、受信したOFDM信号を受信信号としてアナログデジタル変換部4に出力する。
なお、チューナ3が使用する周波数と、検波部5が使用する周波数にずれがある場合には、周波数オフセット量の補正が行われてもよい。
(アナログデジタル変換部)
アナログデジタル変換部4は、チューナ3からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログデジタル変換部4は、信号復調装置1の仕様に応じた分解能を有する。
アナログデジタル変換部4は、変換したデジタル信号を、検波部5に出力する。
(検波部)
検波部5は、アナログデジタル変換部4から出力されるデジタル信号を検波する。検波部5は、検波した信号を時間周波数変換部6に出力する。
検波部5は、直交検波により、デジタル信号を検波する。
(時間周波数変換部)
時間周波数変換部6は、検波部5の出力を、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換する。一例としてFFTが用いられる。FFT以外であっても、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換できる機能を有したものであればよい。例えば、時間周波数変換部6は、フラクタルや他のアルゴリズムを利用したものでもよい。
時間周波数変換部6は、検波部5の出力を、時間軸から周波数軸の信号に変換することで、周波数軸に多重化されているデータキャリア、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアを抽出する。このとき、OFDM信号であれば、キャリアの各々は直交して多重化されている。
時間周波数変換部6は、抽出されたデータキャリアなどを等化部7および第2復号部14に出力する。
なお、時間周波数変換部6は、検波部5の出力を受けて時間周波数変換を行うので、その切り出し範囲(窓位置)を調整する機能も有していることが好ましい。
この時間周波数変換部6により抽出されたOFDM信号は、図2により模式的に示される。
図2の横軸は周波数軸であり、縦軸は時間軸である。図2に記載の○印のそれぞれは、キャリア群に含まれる個々のキャリアを示している。キャリアのそれぞれは、周波数軸上に多重化されており、時間軸においては、これら多重化された複数のキャリアを1シンボルとして、このシンボルが時間軸において多重化されている。
図2から明らかな通り、画像や音声データが変調されたデータキャリアと、パイロットキャリア、伝送制御キャリアが含まれている。
(等化部)
等化部7は、パイロットキャリアを基に、データキャリアおよび伝送制御キャリアの位相制御を行う。更に、等化部7は、受信状態を示す信頼性値を算出する。
等化部7について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態2における等化部の内部ブロック図である。
等化部7は、パイロット発生部70、複素除算部71、補間部72および複素除算部73を備えている。
パイロットキャリアは、振幅と位相が既知のキャリアであり、等化部7において、受信したパイロットキャリアを既知のパイロットキャリアで複素除算することで、受信したパイロットキャリアの振幅と位相の変位量が算出される。この変位量から伝送路状態が推定される。
パイロット発生部70は、この既知の振幅と位相を有するパイロットキャリアを発生させ、複素除算部71は、受信したパイロットキャリアをこの既知のパイロットキャリアで複素除算する。
補間部72は、複数のパイロットキャリアについての複素除算の結果を重畳して平均値を出して、受信中における最適な伝送路特性を算出する。
複素除算部73は、時間周波数変換部6から出力されるデータキャリアおよび伝送制御キャリアを、算出された伝送路特性により複素除算し、これらデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化する。等化された等化データキャリアおよび等化伝送制御キャリアは、伝送路特性が考慮されているので、復調精度が高くなっている。
等化部7は、等化データキャリアを誤り訂正部8に出力し、等化伝送制御キャリアを第1復号部9に出力する。
(誤り訂正部)
誤り訂正部8は、復調されたデータキャリアやデータキャリアに含まれるデジタルデータの誤りを訂正する。
誤り訂正部8は、ビタビ復号やリードソロモン復号などを行い、データキャリアやデータの誤りを検出し訂正する。誤り訂正されたデジタルデータが、画像や音声に関するパケットデータとして出力される。
(第1復号部、第1訂正部、第1同期検出部)
第1復号部9、第1訂正部10は、実施の形態1で説明した通り、等化伝送制御キャリアを復号、誤り訂正し、第1制御情報を出力する。
第1同期検出部11は、実施の形態1で説明した通り、等化伝送制御キャリアの復号結果から、フレーム同期を検出して、第1同期情報を出力する。
(第2復号部、第2訂正部、第2同期検出部)
第2復号部14は、等化前の伝送制御キャリアを復号する。復号の機能は、第1復号部9と同等であるが、図11に示される構成により実現される。
図11は、本発明の実施の形態2における第2復号部の内部ブロック図である。
第2復号部14は、差動復号部30、累積加算部31、極性判定部32を備える。
差動復号部30は、伝送制御キャリアに対して差動復号を行う。差動復号により、伝送制御キャリアが直交平面上で、正負いずれの極性に存在するかが判断される。累積加算部31は、複数の伝送制御キャリアに対する差動復号部30の結果を累積する。
極性判定部32は、累積された結果に基づいて、伝送制御キャリアの正負の極性を決定する。
なお、伝送制御キャリアは、ISDB−T規格においては、直交平面(I,Q平面)における正負のいずれかの位置に存在する。
第2訂正部15は、実施の形態1で説明した第1訂正部10と同じ構成および機能を有する。第2訂正部15は、第2復号部14の出力に対して誤り訂正を行い、誤り訂正された第2制御情報を出力する。加えて、第2訂正部15は、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われたことを示す「完了」なるステータスと、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われなかったことを示す「未了」なるステータスを含む第2復号フラグを出力する。
第2同期検出部16は、実施の形態1で説明した第1同期検出部11と同じ構成および機能を有する。第2同期検出部16は、第2復号部14から出力される第2制御情報からフレーム同期を検出する。検出の結果、第2同期検出部16は、フレームの先頭位置を示す第2同期情報を出力する。更に、第2同期検出部16は、同期信号を検出できたこと(フレーム同期を検出できたこと)を示す第2同期フラグを出力する。第2同期フラグは、フレーム同期ができたことを示す「検出」なるステータスと、フレーム同期ができなかったことを示す「未検出」なるステータスを含む。
ここで、第1復号部9と第2復号部14との特性の差は、図7、図9のシミュレーション結果の通りである。
第1復号部9は、フェージングノイズ環境に強く、第2復号部14は、ホワイトノイズ環境に強い。
(制御情報調停部)
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
制御情報調停部12は、第1訂正部10から、第1制御情報と第1復号フラグを受ける。加えて、制御情報調停部12は、第2訂正部15から、第2制御情報と第2復号フラグを受ける。
ここで上述の通り、第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」とのステータスと、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含む。第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」とのステータスと、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含む。
すなわち、第1復号フラグおよび第2復号フラグのそれぞれは、対応する伝送制御キャリアの復号およびフレーム同期の検出の精度を示す指標である。
制御情報調停部12は、この第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
制御情報調停部12は、選択した制御情報を、誤り訂正部8やその他の信号復調に必要な要素に出力する。
このように、制御情報調停部12の選択により、復号精度の高い制御情報が使用される。
(同期情報調停部)
同期情報調停部13は、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
同期情報調停部13は、第1同期検出部11から第1同期情報を、第1訂正部10から第1復号フラグを受ける。加えて、同期情報調停部13は、第2同期検出部16から第2同期情報を、第2訂正部15から第2復号フラグを受ける。
同期情報調停部13は、第1同期フラグと第2同期フラグに基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
同期情報調停部13は、選択した制御情報を、誤り訂正部8やその他の信号復調に必要な要素に出力する。
このように、同期情報調停部13の選択により、検出精度の高い同期情報(フレーム同期)が使用される。
ここで、図7,9のシミュレーション結果から明らかな通り、第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に強く、第2制御情報および第2同期情報はホワイトノイズ環境に強い。
制御情報調停部12は、復号精度の指標である第1復号フラグと第2復号フラグ(これらは誤り訂正が正しくできたかどうかで生成される信号なので、復号精度を直接的に表すと考えられる)に基づいて復号精度の高い制御情報を選択できる。同様に、同期情報調停部13は、検出精度の指標である第1同期フラグと第2同期フラグ(これらは、フレーム同期の検出が正しくできたかどうかで生成される信号なので、検出精度を直接的に表すと考えられる)に基づいて、検出精度の高い同期情報を選択できる。
またこれらの選択は、時間経過の中で随時あるいは逐次に行われる(勿論、一定周期ごとに行われても良い)。つまり、時々刻々と変化するノイズ環境にも、フレキシブルに対応した制御情報と同期情報の選択が行われる。結果として、ノイズ環境の変化に強い信号復調が可能な、信号復調装置1が実現できる。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
実施の形態3においては、制御情報調停部12および同期情報調停部13における選択処理の種々の例について説明する。
(例1)
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグを受け取った場合、第1制御情報および第2制御情報の内、「完了」のステータスを含むフラグに対応する制御情報を選択する。
例えば、第1復号フラグが「完了」のステータスであり、第2復号フラグが「未了」のステータスである場合には、制御情報調停部12は、第1復号フラグに対応する制御情報である第1制御情報を選択する。逆に、第1復号フラグが「未了」のステータスであり、第2復号フラグが「完了」のステータスである場合には、制御情報調停部12は、第2復号フラグに対応する制御情報である第2制御情報を選択する。
同期情報調停部13は、第1同期フラグおよび第2同期フラグを受け取った場合、第1同期情報および第2同期情報の内、「検出」のステータスを含むフラグに対応する同期情報を選択する。
例えば、第1同期フラグは「検出」のステータスであり、第2同期フラグは「未検出」のステータスである場合には、同期情報調停部13は、第1同期フラグに対応する同期情報である第1同期情報を選択する。逆に、第1同期フラグは「未検出」のステータスであり、第2同期フラグは「検出」のステータスである場合には、同期情報調停部12は、第2同期フラグに対応する同期情報である第2同期情報を選択する。
このように、第1復号フラグおよび第2復号フラグの「完了」「未了」のステータスに従うことで、信号復調装置1は、容易かつ確実に復号精度の高い制御情報を使用できる。同様に、第1同期フラグおよび第2同期フラグの「検出」「未検出」のステータスに従うことで、信号復調装置1は、容易かつ確実に検出精度の高い検出情報を使用できる。
(例2)
次に例2を説明する。
第1復号フラグおよび第2復号フラグを受け取って、いずれのフラグのステータスも同一レベル(両フラグ共に「完了」を示す場合、もしくは両フラグ共に「未了」を示す場合)である場合には、制御情報調停部12は、第1制御情報および第2制御情報の内、直前に選択した制御情報を選択する。
例えば、第1復号フラグと第2復号フラグのいずれもが「未了」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第1制御情報が選択されていた場合には、制御情報調停部12は、第1制御情報を選択する。あるいは、第1復号フラグと第2復号フラグのいずれもが「完了」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第2制御情報が選択されていた場合においては、制御情報調停部12は、第2制御情報を選択する。
第1同期フラグおよび第2同期フラグを受け取って、いずれのフラグのステータスも同一レベル(両フラグ共に「検出」を示す場合、もしくは両フラグ共に「未検出」を示す場合)である場合には、同期情報調停部13は、第1同期情報および第2同期情報の内、直前に選択した同期情報を選択する。
例えば、第1同期フラグと第2同期フラグのいずれもが「未検出」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第1同期情報が選択されていた場合には、同期情報調停部13は、第1同期情報を選択する。あるいは、第1同期フラグと第2同期フラグのいずれもが「検出」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第2同期情報が選択されていた場合においては、同期情報調停部13は、第2同期情報を選択する。
このように、直前に選択されていた制御情報や同期情報が選択されることで、もっとも適当な制御情報や同期情報が選択されうる。
(例3)
次に例3を説明する。
制御情報調停部12は、所定期間内に、第1復号フラグと第2復号フラグにおいて「完了」なるステータスを示すフラグの個数を計測する。計測の結果、制御情報調停部12は、「完了」の個数のより多いフラグに対応する制御情報を選択する。
例えば、所定期間内において、「完了」のステータスを示す第1復号フラグの個数が10個であり、「完了」のステータスを示す第2復号フラグの個数が14個である場合には、制御情報調停部12は、第2復号フラグに対応する第2制御情報を選択する。逆に、「完了」のステータスを示す第1復号フラグの個数が20個であり、「完了」のステータスを示す第2復号フラグの個数が10個である場合には、制御情報調停部12は、第1復号フラグに対応する第1制御情報を選択する。
同期情報調停部13は、所定期間内に、第1同期フラグと第2同期フラグにおいて「検出」なるステータスを示すフラグの個数を計測する。計測の結果、同期情報調停部13は、「検出」の個数の多いフラグに対応する同期情報を選択する。
例えば、所定期間内において、「検出」のステータスを示す第1同期フラグの個数が10個であり、「検出」のステータスを示す第2同期フラグの個数が14個である場合には、同期情報調停部13は、第2同期フラグに対応する第2同期情報を選択する。逆に、「検出」のステータスを示す第1同期フラグの個数が20個であり、「検出」のステータスを示す第2同期フラグの個数が10個である場合には、同期情報調停部13は、第1同期フラグに対応する第1同期情報を選択する。
このように、所定期間内において「完了」あるいは「検出」のステータスを多く含むフラグに対応する制御情報あるいは同期情報が選択されることで、より精度の高い信号復調が実現できる。
なお、例1〜例3のそれぞれが組み合わされた選択処理がなされてもよい。
(その他)
また、第1復号フラグ、第2復号フラグ、第1同期フラグおよび第2同期フラグの算出精度の向上について図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態3におけるフラグ選択の説明図である。
第1復号フラグは、現フレームに対して復号された第1制御情報と現フレームよりも時間的に前のフレームに対して復号された第1制御情報が一致する場合には、「完了」なるステータスを示し、現フレームに対して復号された第1制御情報と現フレームよりも時間的に前のフレームに対して復号された第1制御情報が一致しない場合には、「未了」なるステータスを示す。
制御情報調停部12は、このように時間的に離れたフレームに対する制御情報の比較に基づいた復号フラグに基づいて、制御情報の選択を行っても良い。あるいは、一致、不一致の情報を第1復号フラグに加味することで、第1復号フラグの精度を向上させた上で、制御情報調停部12は、第1復号フラグを使用しても良い。
図12に示されるように、まず、第1復号部9の出力信号は、第1訂正部10およびフレーム遅延部35に入力する。フレーム遅延部35は、1フレーム分の第1制御情報を遅延させる。比較部36は、直接入力した第1制御情報(現フレームに対する第1制御情報)と1フレーム遅延した第1制御情報(現フレームよりも時間的に前のフレームに対する第1制御情報)を比較する。比較部36は、2つの第1制御情報が一致している場合には、一致を示すフラグを出力し、2つの第1制御情報が不一致の場合には、不一致を示すフラグを出力する。一致を示すフラグは第1復号フラグの「完了」なるステータスに対応し、不一致を示すフラグは第1復号フラグの「未了」なるステータスに対応する。
第1訂正部10は、現フレームに対する第1制御情報に対して誤り訂正を行い、誤り訂正の状態を示す第1復号フラグを出力する。第1復号フラグは、フラグ選択部37に出力される。
フラグ選択部37は、第1訂正部10から出力される第1復号フラグを選択して、制御情報調停部12に出力する。このとき、制御情報調停部12は、実施の形態1〜3で説明されたとおり、第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
あるいは、フラグ選択部37は、比較部36から出力されるフラグ(一致、不一致を示す)を第1復号フラグと同等のものとして、制御情報調停部12に出力しても良い。このとき、一致は、第1復号フラグの「完了」なるステータスに該当し、不一致は、第1復号フラグの「未了」なるステータスに該当する。すなわち、制御情報調停部12は、この一致、不一致のフラグを、第1制御情報と第2制御情報との選択の基準とできる。言い換えれば、制御情報調停部12は、現フレームで復号された第1制御情報と、現フレームより時間的に前のフレームで復号された第1制御情報とが不一致である場合には、復号された第1制御情報の信頼性を低いと判断できる。信頼性が低いと判断された場合には、制御情報調停部12は、この第1制御情報を選択せず、第2制御情報を選択することもできる。
同じように、第2復号フラグも、現フレームと、現フレームよりも時間的に前のフレームでの第2制御情報の復号結果の一致、不一致によりステータスが示されても良い。
第1同期フラグ、第2同期フラグも同様である。
また、第1訂正部10から出力された第1復号フラグを比較部36から出力されたフラグでマスクすることで、現フレームに対する第1復号フラグに対して、過去のフレームに対する第1復号フラグの状況も加味することができ、より精度の高い選択処理ができる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。
実施の形態1〜3において説明された信号復調装置の各機能はハードウェアで実現されてもソフトウェアで実現されても良い。また、ハードウェアとソフトウェアの混載で実現されても良い。
図13は、本発明の実施の形態4における信号復調方法を実現する装置のブロック図である。
アンテナ2で受信された伝搬信号は、チューナ3において特定帯域が受信されて受信信号として受信される。
プロセッサ58は、信号復調装置に含まれる各機能を演算処理により実現する。このとき、ROM59に記憶されたプログラムに従って、プロセッサ58は信号復調を実行する。
なお、ここでプロセッサ58はCPUやDSPである。また、図13ではアンテナ2とチューナ3のみがハードウェアの要素として示されているが、チューナ3がソフトウェアで実現されても良い。
プロセッサ58は、ROM59に記憶されているプログラムを読み込んで、プログラムの処理手順に従った演算を行って、信号復調を実行する。プロセッサ58の行う信号復調のフローについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態4における信号復調方法のフローチャートである。
まずステップST1にて、プロセッサ58は、アナログ信号である受信信号をデジタル信号に変換する。ついで、ステップST2にて、プロセッサ58は、変換されたデジタル信号を検波する。検波は直交検波が用いられる。
次に、ステップST3にて、プロセッサ58は、検波されたデジタル信号を、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換する。ステップST3の出力は、ステップST4およびステップST9に伝達される。周波数軸の信号に変換されることで、周波数軸上で多重化されているデータキャリア、パイロットキャリアおよび伝送制御キャリアが抽出される。
ステップST9においては、周波数軸の信号に変換されて抽出された伝送制御キャリアが復号されて第2制御情報が得られる。ステップST10にて、この第2制御情報の誤り訂正がなされて、誤り訂正された第2制御情報および誤り訂正に係るステータスを示す第2復号フラグが出力される。同様に、ステップST11にて、第2制御情報に基づいて、プロセッサ58は、フレーム同期を検出して第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する。
ステップST4にて、プロセッサ58は、周波数軸に変換されたOFDM信号を等化する。プロセッサ58は、等化によって、等化伝送制御キャリアを次のステップST5に出力する。ステップST5〜ST7は、上述のステップST9〜ST11と並行して行われる。
ステップST5にて、プロセッサ58は、等化伝送制御キャリアを復号して、第1制御情報を出力する。次に、ステップST6にて、プロセッサ58は、第1制御情報を誤り訂正し、誤り訂正された第1制御情報と誤り訂正に係るステータスを示す第1復号フラグを出力する。更にステップST7にて、プロセッサ58は、第1制御情報に基づいてフレーム同期を検出して第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する。
第1復号フラグ、第2復号フラグ、第1制御情報および第2制御情報は、ステップST8にて使用される。プロセッサ58は、ステップST8にて、第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
第1同期フラグ、第2同期フラグ、第1同期情報および第2同期情報は、ステップST12にて使用される。プロセッサ58は、ステップST12にて、第1同期フラグおよび第2同期フラグに基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
ここで、ステップST8およびステップST12における選択処理は、実施の形態3に説明したのと同様である。
以上のような信号復調方法により、ホワイトノイズ環境においては第2制御情報および第2同期情報が選択されやすくなり(第2制御情報および第2同期情報はホワイトノイズ環境に対して強い)、フェージングノイズ環境においては、第1制御情報および第1同期情報が選択されやすくなる(第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に対してつよい)。
この結果、時々刻々と変化するノイズ環境に対して最適に対応した制御情報の復号とフレーム同期の検出が実現できる。
なお、図14に示されるステップの各要素の一部は、プログラムによるソフトウェア以外に、ハードウェアで実現されてもよい。また各要素の処理は、実施の形態1〜3で説明された機能や処理と同様である。
(実施の形態5)
次に実施の形態5について図15を用いて説明する。
実施の形態5は、信号復調装置の全部もしくは一部が半導体集積回路で実現された場合について説明する。図15は、本発明の実施の形態5における半導体集積回路のブロック図である。
半導体集積回路80は、実施の形態1〜3で説明された要素を備えている。すなわち、半導体集積回路80は、チューナ機能、アナログデジタル変換機能、検波機能、時間周波数変換機能、等化機能、誤り訂正機能、第1復号機能、第1訂正機能、第1同期検出機能、第2復号機能、第2訂正機能、第2同期検出機能、制御情報調停機能および同期情報調停機能を含んでいる。各機能は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
半導体集積回路80は、時間周波数変換されて抽出された伝送制御キャリアを復号し、第2制御情報および第2同期情報を得る。また、半導体集積回路80は、等化された等化伝送制御キャリアを復号して、第1制御情報および第1同期情報を得る。半導体集積回路は、復号精度を示す指標(第1復号フラグと第2復号フラグ)に従って、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択して使用する。同様に、半導体集積回路は、検出精度を示す指標(第1同期フラグと第2同期フラグ)に従って、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択して使用する。第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に強い。第2制御情報および第2同期情報は、ホワイトノイズ環境に強い。
この結果、半導体集積回路80は、時々刻々と変化するノイズ環境に最適に対応した、信号復調を実現できる。
なお、制御情報や同期情報の選択処理は、実施の形態3で説明したのと同様である。また、機能の一部は、プロセッサ83におけるソフトウェアで処理されてもよい。
なお、図15に示されるとおり、半導体集積回路80は、ROM81、RAM82、プロセッサ83と接続されて必要な制御や復調結果の利用がされてもよい。
(実施の形態6)
次に実施の形態6について図16を用いて説明する。
実施の形態6は、実施の形態1〜3で説明された信号復調装置1を備えた受信装置について説明する。
図16は、本発明の実施の形態6における受信装置のブロック図である。
図4と同じ符号が当てられた要素は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
図16における受信装置90は、図4で説明された信号受信装置1に復号部91が追加されている。
復号部91は、誤り訂正部8より出力されたデータキャリアを復号し、データキャリアに含まれている画像や音声情報を取り出して、実際に表示できる状態にする。図16には示していないが、表示装置やスピーカなどを更に備え、画像表示や音声再生を可能としてもよい。
実施の形態6で説明される受信装置90も、実施の形態1〜3で説明された信号復調装置の機能を有しているので、時々刻々と変化するノイズ環境に最適に対応した信号復調ができる。結果として、ノイズ環境の変化に強いOFDM信号の受信ができる。
また、受信装置は、携帯電話、携帯端末、PDA、カーナビ、車載テレビ、車載端末などの電子機器に実装されることも好適である。これらの機器はOFDM信号を受けて、テレビ放送やラジオ放送の再生を行うからである。
例えば、図17に示されるように携帯電話に実装されても良い。図17は、本発明の実施の形態6における携帯電話の斜視図である。携帯電話95は、表示部96を備えている。更に、携帯電話95は、図16で説明される受信装置を備えている。
携帯電話95は、OFDM信号を含む信号を受信する。更に、携帯電話95は、実施の形態1〜3で説明した信号復調を実行する。最終的に、携帯電話95は、表示部96に再生した画像を表示したり、スピーカから音声を再生したりする。
この場合にも、実施の形態1〜4で説明された信号復調が行われるので、ノイズ環境の変化に最適に対応した信号受信ができる。
なお、携帯電話95は受信装置が実装される電子機器の一例であり、据え置き型のテレビやAV機器、コンピュータなどに加えて、移動端末(携帯端末、携帯電話、車載テレビ、カーナビゲーションシステム、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、ノートブック型パソコン)にも展開される。
なお、本発明の信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号のみならず、周波数分割多重信号の復調に最適に対応する。
ここで、ISDB−T規格における伝送制御キャリアは、OFDM信号をはじめとする周波数分割多重信号のFFTサンプリング数情報、ガードインターバル長情報およびシンボル長情報などの少なくとも一つを含むことがある。ISDB−T規格以外の規格では、伝送制御キャリアは、周波数分割多重信号(伝送される信号)の変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを含むことがある。地上波放送に関わる規格における信号伝送では、伝送信号が、種々の制御情報やモード情報を含んでおり、信号復調装置は、この制御情報やモード情報を解析することで、受信および復調ができる。ここで、モード情報は、変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを含んでいる。
なお、変復調方式情報は、例えば、QPSK、BPSK、16QAM、64QAMなどの方式を含む。通信方式情報や伝送方式情報は、例えば、搬送周波数や伝送帯域などの値を含む。
このように、信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを用いて、様々な規格の伝送信号に対応して受信信号を復調できる。
なお、実施の形態1〜6で説明した信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、本発明の趣旨の説明の一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
本発明は、例えば、地上デジタル放送を受信する携帯端末や移動端末で使用される信号復調装置や受信装置分野等において好適に利用できる。
本発明は、周波数分割多重信号、特に地上デジタル放送に用いられる直交周波数分割多重信号(以下、「OFDM信号」という)を復調する信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置に関するものである。
わが国においては、2003年よりISDB−T方式により地上デジタル放送が開始された。また、欧州、北米、南米、アジア圏を始め、世界各国でアナログ放送がデジタル化され、地上デジタル放送が開始されつつある。これらの国の多くにおいて、日本におけるISDB−T方式と同等、あるいは準拠された技術が用いられ、特に、多数のキャリアが周波数軸において直交多重化されたOFDM信号が用いられている。
OFDM信号は、変調方式や送信帯域などの情報を伝達する伝送制御キャリア、伝送路特性を算出するのに用いられるパイロットキャリアおよび実際のデータが含まれるデータキャリアを含んでいる。また、OFDM信号は、これらのキャリアを周波数軸上で多重化してなる。このため、信号復調装置は、高速フーリエ変換(以下、「FFT」という)に代表される時間周波数変換を用いて、多重化されているキャリアを復調し、フレーム同期も検出する。
この信号復調装置は、時間周波数変換により得られた伝送制御キャリアを復号して、変調方式や送信帯域などの情報を得る(例えば特許文献1(特開2002−247003号公報)参照)。ここで、従来の技術における信号復調装置では、時間周波数変換部の出力に含まれる伝送制御キャリアが復号される。
図18は、従来の技術における信号復調装置のブロック図である。
信号復調装置100は、アンテナ101、チューナ102、アナログデジタル変換部103、検波部104、時間周波数変換部105、等化部106、誤り訂正部107、復号部108、訂正部109および同期検出部110を備えている。
OFDM信号を含む受信信号は時間軸上の信号であり、アンテナ101により受信され、チューナ102、アナログデジタル変換部103、検波部104を経た時間軸の信号が、時間周波数変換部105において周波数軸上の信号に変換される。これにより周波数軸上に多重化されている伝送制御キャリアなどが取り出される。
復号部108は、時間周波数変換部105から出力された伝送制御キャリアを復号する。訂正部109は、復号された伝送制御キャリアの誤りを訂正する。同期検出部110は、フレーム同期を検出する。誤り訂正された伝送制御キャリアとフレーム同期は、それぞれ制御情報および同期情報として図外の要素へ出力され、信号復調の中で利用される。
このようにして、従来の信号復調装置は、時間周波数変換部105で抽出される伝送制御キャリアを、制御情報と同期情報の復号に用いている。
特開2002−247003号公報
従来の信号復調装置に含まれる伝送制御キャリアの復号処理は、ホワイトノイズに強い特徴を有している。
ここで、OFDM信号を用いる地上デジタル放送は、据え置き型の固定受信装置のみならず、車載テレビや携帯電話などへの移動受信装置にも用いられる。移動受信においては、通常のホワイトノイズだけでなく、マルチパスやフェージングなどに基づくノイズが強くなることもある。
またISDB−T規格におけるOFDM信号は、1つの帯域を13のセグメントに分割し、13個のセグメント全てのキャリアを使用する13セグメント放送と、1つのセグメントのキャリアのみを使用する1セグメント放送を含む。移動受信においては、この1セグメント放送が用いられることが多く、キャリア数が少ないことにより、従来の技術では伝送制御キャリアの復号が困難となることも多い。同様に、フレーム同期の検出も、従来の技術では困難となりやすい。
加えて、移動受信装置といえども、移動をしている場合もあるし、移動をしていない場合もある。すなわち、ホワイトノイズが支配的である受信環境であるか、フェージングノイズが支配的である受信環境であるのかは、状況に応じて刻々と変化する。このため、従来の技術では、移動受信において、状況の変化に伴い伝送制御キャリアの復号が困難となる問題があった。
そこで本発明は、受信環境の変化に対応した、伝送制御キャリアの復号およびフレーム同期の検出ができる信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る信号復調装置は、時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、パイロットキャリアから得られる伝送路特性値によりデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、を備える。
本発明は、時々刻々と変化するノイズ環境に最適かつ高速に対応して、伝送制御キャリアの復号やフレーム同期検出を行える。特に、復調装置は、移動環境において変化しやすい、ホワイトノイズ環境とフェージングノイズ環境とに対応できる。
また、本発明は、ノイズ環境の変化に弱い1セグメント放送にも最適に対応できる。
伝送制御キャリア復号とフレーム同期検出が、ノイズ変化に強くなることで、OFDM信号の復調精度も向上する。
本発明の実施の形態1におけるOFDM信号の模式図である。 本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のキャリア状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のセグメント構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における信号復調装置のブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1復号部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1訂正部および第2訂正部の内部ブロック図である。 本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における第1同期検出部および第2同期検出部の内部ブロック図である。 本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における等化部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態2における第2復号部の内部ブロック図である。 本発明の実施の形態3におけるフラグ選択の説明図である、 本発明の実施の形態4における信号復調方法を実現する装置のブロック図である。 本発明の実施の形態4における信号復調方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態5における半導体集積回路のブロック図である。 本発明の実施の形態6における受信装置のブロック図である。 本発明の実施の形態6における携帯電話の斜視図である。 従来の信号復調装置のブロック図である。
1 信号復調装置
2 アンテナ
3 チューナ
4 アナログデジタル変換部
5 検波部
6 時間周波数変換部
7 等化部
8 誤り訂正部
9 第1復号部
10 第1訂正部
11 第1同期検出部
12 制御情報調停部
13 同期情報調停部
14 第2復号部
15 第2訂正部
16 第2同期検出部
第1の発明に係る信号復調装置は、時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、パイロットキャリアから得られる伝送路特性値によりデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、を備える。
この構成により、信号復調装置は、伝送制御キャリアを、フェージングノイズに対して十分な耐性をもって復号できる。特に受信環境の変化に起因してフェージングノイズが強くなっても、信号復調装置は、伝送制御キャリアを十分な精度で復号できる。
第2の発明に係る信号復調装置では、第1の発明に加えて、時間周波数変換部から出力される伝送制御キャリアを復号する第2復号部と、第2復号部の出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正部と、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停部とを更に備える。
この構成により、信号復調装置は、フェージングノイズ環境では、フェージングノイズに強い耐性を有する第1制御情報が使用でき、ホワイトノイズ環境では、ホワイトノイズ環境に強い耐性を有する第2制御情報が使用できる。結果として信号復調の精度が高まる。
第3の発明に係る信号復調装置では、第2の発明に加えて、第1復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する第1同期検出部と、第2復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する第2同期検出部と、第1同期フラグおよび第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、第1同期情報および第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停部とを備える。
この構成により、信号復調装置は、フェージングノイズ環境では、フェージングノイズに強い第1同期情報が使用でき、ホワイトノイズ環境では、ホワイトノイズ環境に強い第2同期情報が使用できる。結果として信号復調の精度が高まる。
第4の発明に係る信号復調装置では、第3の発明に加えて、第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、第1同期フラグおよび第2同期フラグの各々は、フレーム同期の検出ができた場合を示す「検出」とフレーム同期の検出ができなかった場合を示す「未検出」とのステータスを含む。
この構成により、信号復調装置は、必要に応じて、復号精度の高い制御情報および検出精度の高い同期情報を選択できる。結果として、信号復調の精度が高まる。
第5の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、第1制御情報および第2制御情報の内、完了のステータスに対応する制御情報を選択し、同期情報調停部は、第1同期情報および第2同期情報の内、検出のステータスに対応する同期情報を選択する。
この構成により、信号復調装置は、必要に応じて、復号精度の高い制御情報および検出精度の高い同期情報を選択できる。結果として、信号復調の精度が高まる。
第6の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、第1復号フラグと第2復号フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、第1制御情報および第2制御情報の内、直前に選択された制御情報を選択し、同期情報調停部は、第1同期フラグと第2同期フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、第1同期情報および第2同期情報の内、直前に選択された同期情報を選択する。
この構成により、受信状態の変化に応じて、信号復調装置は、最も適当な制御情報および同期情報を選択できる。
第7の発明に係る信号復調装置では、第4の発明に加えて、制御情報調停部は、所定期間内において第1復号フラグおよび第2復号フラグの内、完了を示すステータスの個数を計測し、制御情報調停部は、第1制御情報および第2制御情報の内、個数がより多い復号フラグに対応する制御情報を選択し、同期情報調停部は、所定期間内において第1同期フラグおよび第2同期フラグの内、検出を示すステータスの個数を計測し、同期情報調停部は、第1同期情報および第2同期情報の内、個数がより多い同期フラグに対応する同期情報を選択する。
この構成により、受信状態の変化に応じて、信号復調装置は、最も適当な制御情報および同期情報を選択できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
なお、以下の実施の形態においては、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号を中心に説明するが、ISDB−T規格以外に基づくOFDM信号や、周波数軸上でキャリアが多重化されている周波数分割多重信号などであっても、同様であって、これらの信号復号も本発明に含まれる。
また本明細書で記載されている制御情報(第1制御情報、第2制御情報)は、ISDB−T規格におけるTMCC信号をその1例として含む。
また、当然ながら本明細書における「第1」、「第2」なる用語は同様の要素を区別するために使用されるもので、特段の限定を加えるものでもなく、同様の要素が更に追加されることを排除するものでもない。
(実施の形態1)
まず、図1、図2、図3を用いて、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号の模式図である。OFDM信号は、周波数軸上で複数のキャリアが多重化されている。特にキャリア同士が直交して多重化されている。このようなOFDM信号は、マルチパスに強いと一般には考えられている。
図2は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のキャリア状態を示す説明図である。図2に示されるとおり、OFDM信号は、周波数軸上に複数のキャリアが多重化されて1つの信号シンボル(以下、「シンボル」という)を形成しており、時間軸上にこのシンボルが多重化されている。
OFDM信号は、画像や音声が変調されたデータを含むキャリアであるデータキャリア、伝送路状態を算出するのに用いられるパイロットキャリアおよび変調方式や帯域などの伝送に関わる情報を伝送する伝送制御キャリアを含んでいる。
図2より明らかな通り、伝送制御キャリアは、各シンボルの同じ位置に存在する。パイロットキャリアは、一定間隔に配置されている。データキャリアは、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアの存在しない位置に配置されている。
図3は、本発明の実施の形態1におけるOFDM信号のセグメント構造を示す説明図である。
図3から明らかな通り、ISDB−T規格においては、1つのOFDM信号帯域は、13個のセグメントに分割されている。この13個のセグメント全てを使用した放送は、13セグメント放送と呼ばれ、中央の1セグメントのみを使用した放送は、1セグメント放送と呼ばれる。1セグメント放送は、携帯端末や車載端末などの移動体端末に向けて利用されることが多い。
図3から明らかな通り、1セグメント放送では、13セグメント放送に比べて使用されるキャリアの数が少ないので、伝送制御キャリアやデータキャリアの復号が困難となりやすい。
次に、図4、図5を用いて、等化処理がなされた等化伝送制御キャリアを復号する構成について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における信号復調装置のブロック図である。
等化部7は、後述する時間周波数変換部6から出力されるデータキャリアと伝送制御キャリアを等化する。等化部7は、時間周波数変換部6から出力されたパイロットキャリアを、既知のパイロットキャリアで複素除算し、その振幅と位相の変位量を算出する。等化部7は、この算出された変位量を用いてデータキャリアと伝送制御キャリアを複素除算して等化する。等化部7は、この等化した等化データキャリアと等化伝送制御キャリアを出力する。
等化された等化データキャリアと等化伝送制御キャリアは、伝送路状態が考慮された信号であるので、送信時の信号の状態に近く、正確な復号が可能であると考えられる。
実施の形態1における信号復調装置は、この等化伝送制御キャリアを用いて復号する。この復号のために、第1復号部9、第1訂正部10および第1同期検出部11が備えられている。
以下に、各部の詳細について説明する。
(第1復号部)
第1復号部9は、差動復号により、等化伝送制御キャリアを復号する。
図5は、本発明の実施の形態1における第1復号部の内部ブロック図である。
第1復号部9は、複素除算部20、累積加算部21、極性判定部22、差動復号部23および差動基準部24を備える。
差動基準発生部24は、差動復号における基準値を発生して複素除算部20に出力する。複素除算部20は、等化伝送制御キャリアをこの基準値で複素除算する。累積加算部21は、複素除算された複数の等化伝送制御キャリアを累積的に加算する。極性判定部22は、等化伝送制御キャリアが直交平面において正の領域に存在するか、負の領域に存在するかを判定する。差動復号部23は、これらの判定に基づいて等化伝送制御キャリアの復号を行い、結果を出力する。この出力される結果は第1制御情報である。
なお、第1復号部9は、等化伝送制御キャリアを復号して「誤り訂正前」の第1制御情報を出力し、第1訂正部10は、この「誤り訂正前」の第1制御情報を誤り訂正して、「誤り訂正後」の第1制御情報を出力する。
本明細書では、制御情報(第1制御情報および第2制御情報のいずれも含む)との記載は、説明の必要上区別する必要が無い場合には、「誤り訂正前」と「誤り訂正後」を特に記載しない。
なお、第1復号部9は、図5に示される構成以外にも、後述する第2復号部14と同じ構成(図11に示される)であってもよい。
(第1訂正部)
図4の第1訂正部10は、第1復号部9で復号された伝送制御キャリアの誤り訂正を行って、第1制御情報を出力する。第1制御情報は、伝送制御キャリアに含まれている変調方式、帯域などの、OFDM信号の復調に必要となる情報を含む。
第1訂正部10は、後述する第2訂正部15と同じ構成を有する。
第1訂正部10は、シンドロームレジスタ50、誤り検出部51、シンドローム和演算部52、多数決判定部53およびデータレジスタ54を備える。
図6に示すように第1訂正部10の動作について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態1における第1訂正部および第2訂正部の内部ブロック図である。ここでは、第1訂正部10に対する説明を行うが、後述する第2訂正部15も同様である。
まず、シンドロームレジスタ50がクリアされる。次に、誤り訂正対象となる第1制御情報ビット(パリティビットを含む)がシンドロームレジスタ50およびデータレジスタ54に1ビットずつシフトしながら入力される。更にシンドロームレジスタ50は、89ビット分巡回シフトされる(ISDB−T規格として、差集合巡回符号「273、191」の89ビット短縮化符号「184、102」が使用されているので)。
次に、シンドロームレジスタ50およびデータレジスタ54が1ビットずつシフトされながら、各ビットに対する誤り検出(シンドローム和演算および多数決判定)が行われる。いずれかのビットに誤りが検出された場合には、データレジスタ54の出力およびシンドロームレジスタ50の出力に対して誤り訂正(排他的論理和演算によるビット反転)が行われる。このとき訂正されたデータレジスタ54の出力が誤り訂正後の第1制御情報ビットとして順次出力される。
最後に、データレジスタ54に記憶された全ビットに対する誤り検出・訂正処理が完了すると、シンドロームレジスタ50のビットがチェックされる。正しい訂正がなされていれば、シンドロームレジスタ50のすべてのビットの値が値「0」になっているはずである。もしそうでなければ、誤りがあるとみなされて、誤り検出フラグが出力される。このようにして、第1復号部9で復号された第1伝送制御キャリアは、第1訂正部10で誤り訂正されて、第1制御情報として出力される。このとき、第1訂正部10は、第1訂正部10において誤りが無いとみなした場合には「完了」とのステータスを第1復号フラグとして出力し、誤りがあるとみなした場合には「未了」とのステータスを含む第1復号フラグを出力する。
以上のようにして、本発明の実施の形態1における信号復調装置は、等化部7にて等化された等化伝送制御キャリアを使用して、伝送制御キャリアを復号して第1制御情報が得られる。
等化部7において等化された等化伝送制御キャリアは、伝送路状態に対応する補正がなされている。等化部7が行う等化は、マルチパスやフェージングノイズに対する補正であり、等化伝送制御キャリアは、フェージングノイズに対し、強い耐性を有する。
第1復号部9および第1訂正部10は、このようなフェージングノイズに強い等化伝送制御キャリアを復号するので、出力される第2制御情報は、フェージングノイズに対する信頼性や正確性が高い。
等化伝送制御キャリアを用いる第1復号部9が、フェージングノイズに対する耐性が強いことは、図7に示されている。
図7は、本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。
ここで、第2復号部14は、後述するが、時間周波数変換部6の出力である等化される前の伝送制御キャリアを復号する。
図7のグラフでは、縦軸はビットエラーレート(以下、「BER」という)を示し、横軸はフェージングノイズ環境を模擬するドップラー周波数を示す。図7から明らかな通り、第1復号部9の復号精度は、第2復号部14の復号精度よりも良い。特に、第2復号部14ではドップラー周波数が120Hzを越えると復号限界(グラフ中の点線)を超えてしまい、実際には伝送制御キャリアの復号ができなくなる。
このように、等化された等化伝送制御キャリアを使用することで、第1復号部9(および第1訂正部10)は、フェージングノイズ環境に強い耐性をもって、伝送制御キャリアを復号できる。
(第1同期検出部)
図4の第1同期検出部11は、第1復号部9の出力から同期信号を検出し、フレーム同期を検出する。図8は、本発明の実施の形態1における第1同期検出部および第2同期検出部の内部ブロック図である。ここでは、第1同期検出部11についての説明を行うが、後述する第2同期検出部16も同様である。ここで、フレームとはOFDM信号の単位の一つであり、所定の数のシンボルに基づいた単位である。
第1同期検出部11は、同期信号検出部60、同期保護部61を備えている。同期信号検出部60は、第1復号部9から出力された第1制御情報に対して特定のビットパターンを有する「同期信号」を検出する。
同期保護部61は、フレーム毎に同期信号が検出されているかをチェックし、同期信号が検出されている場合には、フレームの先頭位置を示す第1同期情報を出力する。更に、同期保護部61は、同期信号が検出されたことを示す第1同期フラグを出力する。第1同期フラグは、同期信号が検出された(フレーム同期が検出された)ことを示す「検出」とのステータスと、同期信号が検出されなかった(フレーム同期が検出されなかった)ことを示す「未検出」のステータスとを含む。
このとき、第1同期検出部11は、第1復号部9と同様に、等化部7で等化された等化伝送制御キャリアに基づいたフレーム同期の検出を行うので、フェージングノイズに強い。
実施の形態1における信号復調装置は、必要に応じて第1同期検出部11が備えられることで、フェージングノイズ環境に強い耐性をもって、フレーム同期を検出できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、図4を用いて説明する。
実施の形態2における信号復調装置は、時間周波数変換部6の出力(すなわち等化部7の処理前)である伝送制御キャリアに対して復号を行う第2復号部14、第2訂正部15、およびフレーム同期の検出を行う第2同期検出部16を更に備えている。
等化部7において等化された伝送制御キャリアは、フェージングノイズへの耐性が強いという特性があるが、推定された伝送路特性による複素除算がなされているので、通常のホワイトノイズ(いわゆるAdditive White Gaussian Noise、以下「AWGN」という。図中も同じ)には弱くなることもあるという特性も有する。
これに対して、FFTなどが使用される時間周波数変換部6において抽出された等化前の伝送制御キャリアは、フェージングノイズには弱いが、ホワイトノイズには強くなることもあるという特性を有している。
信号復調装置が実装された電子機器(携帯電話、携帯端末、車載テレビ、車載端末など)をとりまく環境は、移動と停止に伴い無作為に変化しうる。このため、受信環境は、ある場合にはホワイトノイズ環境となり、別の場合にはフェージングノイズ環境となることがある。
実施の形態1で説明した等化伝送制御キャリアを使用する第1復号部9、第1訂正部10および第1同期検出部11は、フェージングノイズに強い。第2復号部14、第2訂正部15および第2同期検出部16は、ホワイトノイズに強い。
このため、実施の形態2における信号復調装置は、ノイズ環境の変化に応じて、伝送制御キャリアの復号とフレーム同期検出を、使い分けることができる。
まず、図4を用いて信号復調装置の全体概要について説明する。
実施の形態2における信号復調装置1は、アンテナ2、チューナ3、アナログデジタル変換部4、検波部5、時間周波数変換部6、等化部7、誤り訂正部8、第1復号部9、第1訂正部10、第1同期検出部11、制御情報調停部12、同期情報調停部13、第2復号部14、第2訂正部15、第2同期検出部16を備える。なお、これらの要素の一部は必要に応じて削除されてもよい。
(全体説明)
まず、全体概要を説明する。
アンテナ2は、OFDM信号を含む伝搬信号を受信する。チューナ3は、受信された受信信号の特定帯域に含まれる信号を受信して、アナログデジタル変換部4に出力する。
アナログデジタル変換部4は、チューナ3から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して検波部5に出力する。検波部5は、入力されたデジタル信号を検波して、検波した信号を時間周波数変換部6に出力する。時間周波数変換部6は、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換して、周波数軸上に多重化されているデータキャリア、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアを抽出する。等化部7は、パイロットキャリアから伝送路特性を推定し、推定された伝送路特性によって、データキャリアと伝送制御キャリアを等化する。
誤り訂正部8は、等化された等化データキャリアの誤りを訂正する。この誤り訂正されたデータキャリアは、映像や音声の情報を含み、最終的には画像や音声表示のための復調が行われる。このようにして信号復調装置1は、受信したOFDM信号から必要なデータを取り出して復調する。
このデータキャリアの復調と並列して、復調に必要となる各種の情報を含む伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が、第1復号部9〜第2同期検出部16によって行われる。
第1復号部9と第1訂正部10では、フェージングノイズに強い第1制御情報が出力され、第2復号部14と第2訂正部15では、ホワイトノイズに強い第2制御情報が出力される。第2訂正部15は、誤り訂正の状態を示す第2復号フラグを出力する。
ここで、等化前である時間周波数変換部6の出力である伝送制御キャリアに基づいた第2復号部14での復号が、ホワイトノイズに対する耐性が強いことを、シミュレーション結果により説明する。
図9は、本発明における第1復号部および第2復号部での復号精度をシミュレーションした結果を示すグラフである。
図9に示されるグラフは、縦軸はBERを示し、横軸はホワイトノイズ環境を模擬するノイズ量を示す(AWGNは、ホワイトノイズ状態を示す略語である)。図9から明らかな通り、第2復号部14の復号精度は、第1復号部9の復号精度よりも良い。
このように、等化される前の伝送制御キャリアを使用した第2復号部14(および第2訂正部15)により、ホワイトノイズ環境に強い伝送制御キャリア復号ができる。
すなわち、第1復号部9はフェージングノイズ環境に強い伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が可能で、第2復号部14は、ホワイトノイズ環境に強い伝送制御キャリアの復号とフレーム同期の検出が可能であり、相互に補完できる構成である。
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。このとき、復号精度の高い方が選択されるので、ノイズ環境の変化に対応した制御情報の利用がなされる。
同様に、第1同期検出部11は、フェージングノイズに強い第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する。第2同期検出部16は、ホワイトノイズに強い第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期情報を出力する。
同期情報調停部13は、第1同期フラグおよび第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。このとき、検出精度の高い方が選択されるので、ノイズ環境の変化に対応した同期情報の利用がなされる。
以上のように、実施の形態2における信号復調装置1は、ノイズ環境の変化に対応した制御情報および同期情報の利用がなされる。この結果、移動受信に最適なOFDM信号の復調が実現できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(アンテナ)
アンテナ2は、OFDM信号を含む伝搬信号を受信する。
アンテナ2は、信号復調装置1を実装した電子機器に備えられてもよいし、信号復調装置1が車載される場合には、車に取り付けられても良い。
また、ダイバーシティ受信を行う場合には、複数のアンテナが取り付けられても良い。
(チューナ)
チューナ3は、放送帯域に応じた中心周波数に基づき、アンテナ2で受信されたOFDM信号の特定帯域を選択して受信する。
チューナ3は、受信したOFDM信号を受信信号としてアナログデジタル変換部4に出力する。
なお、チューナ3が使用する周波数と、検波部5が使用する周波数にずれがある場合には、周波数オフセット量の補正が行われてもよい。
(アナログデジタル変換部)
アナログデジタル変換部4は、チューナ3からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。アナログデジタル変換部4は、信号復調装置1の仕様に応じた分解能を有する。
アナログデジタル変換部4は、変換したデジタル信号を、検波部5に出力する。
(検波部)
検波部5は、アナログデジタル変換部4から出力されるデジタル信号を検波する。検波部5は、検波した信号を時間周波数変換部6に出力する。
検波部5は、直交検波により、デジタル信号を検波する。
(時間周波数変換部)
時間周波数変換部6は、検波部5の出力を、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換する。一例としてFFTが用いられる。FFT以外であっても、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換できる機能を有したものであればよい。例えば、時間周波数変換部6は、フラクタルや他のアルゴリズムを利用したものでもよい。
時間周波数変換部6は、検波部5の出力を、時間軸から周波数軸の信号に変換することで、周波数軸に多重化されているデータキャリア、伝送制御キャリアおよびパイロットキャリアを抽出する。このとき、OFDM信号であれば、キャリアの各々は直交して多重化されている。
時間周波数変換部6は、抽出されたデータキャリアなどを等化部7および第2復号部14に出力する。
なお、時間周波数変換部6は、検波部5の出力を受けて時間周波数変換を行うので、その切り出し範囲(窓位置)を調整する機能も有していることが好ましい。
この時間周波数変換部6により抽出されたOFDM信号は、図2により模式的に示される。
図2の横軸は周波数軸であり、縦軸は時間軸である。図2に記載の○印のそれぞれは、キャリア群に含まれる個々のキャリアを示している。キャリアのそれぞれは、周波数軸上に多重化されており、時間軸においては、これら多重化された複数のキャリアを1シンボルとして、このシンボルが時間軸において多重化されている。
図2から明らかな通り、画像や音声データが変調されたデータキャリアと、パイロットキャリア、伝送制御キャリアが含まれている。
(等化部)
等化部7は、パイロットキャリアを基に、データキャリアおよび伝送制御キャリアの位相制御を行う。更に、等化部7は、受信状態を示す信頼性値を算出する。
等化部7について、図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態2における等化部の内部ブロック図である。
等化部7は、パイロット発生部70、複素除算部71、補間部72および複素除算部73を備えている。
パイロットキャリアは、振幅と位相が既知のキャリアであり、等化部7において、受信したパイロットキャリアを既知のパイロットキャリアで複素除算することで、受信したパイロットキャリアの振幅と位相の変位量が算出される。この変位量から伝送路状態が推定される。
パイロット発生部70は、この既知の振幅と位相を有するパイロットキャリアを発生させ、複素除算部71は、受信したパイロットキャリアをこの既知のパイロットキャリアで複素除算する。
補間部72は、複数のパイロットキャリアについての複素除算の結果を重畳して平均値を出して、受信中における最適な伝送路特性を算出する。
複素除算部73は、時間周波数変換部6から出力されるデータキャリアおよび伝送制御キャリアを、算出された伝送路特性により複素除算し、これらデータキャリアおよび伝送制御キャリアを等化する。等化された等化データキャリアおよび等化伝送制御キャリアは、伝送路特性が考慮されているので、復調精度が高くなっている。
等化部7は、等化データキャリアを誤り訂正部8に出力し、等化伝送制御キャリアを第1復号部9に出力する。
(誤り訂正部)
誤り訂正部8は、復調されたデータキャリアやデータキャリアに含まれるデジタルデータの誤りを訂正する。
誤り訂正部8は、ビタビ復号やリードソロモン復号などを行い、データキャリアやデータの誤りを検出し訂正する。誤り訂正されたデジタルデータが、画像や音声に関するパケットデータとして出力される。
(第1復号部、第1訂正部、第1同期検出部)
第1復号部9、第1訂正部10は、実施の形態1で説明した通り、等化伝送制御キャリアを復号、誤り訂正し、第1制御情報を出力する。
第1同期検出部11は、実施の形態1で説明した通り、等化伝送制御キャリアの復号結果から、フレーム同期を検出して、第1同期情報を出力する。
(第2復号部、第2訂正部、第2同期検出部)
第2復号部14は、等化前の伝送制御キャリアを復号する。復号の機能は、第1復号部9と同等であるが、図11に示される構成により実現される。
図11は、本発明の実施の形態2における第2復号部の内部ブロック図である。
第2復号部14は、差動復号部30、累積加算部31、極性判定部32を備える。
差動復号部30は、伝送制御キャリアに対して差動復号を行う。差動復号により、伝送制御キャリアが直交平面上で、正負いずれの極性に存在するかが判断される。累積加算部31は、複数の伝送制御キャリアに対する差動復号部30の結果を累積する。
極性判定部32は、累積された結果に基づいて、伝送制御キャリアの正負の極性を決定する。
なお、伝送制御キャリアは、ISDB−T規格においては、直交平面(I,Q平面)における正負のいずれかの位置に存在する。
第2訂正部15は、実施の形態1で説明した第1訂正部10と同じ構成および機能を有する。第2訂正部15は、第2復号部14の出力に対して誤り訂正を行い、誤り訂正された第2制御情報を出力する。加えて、第2訂正部15は、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われたことを示す「完了」なるステータスと、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われなかったことを示す「未了」なるステータスを含む第2復号フラグを出力する。
第2同期検出部16は、実施の形態1で説明した第1同期検出部11と同じ構成および機能を有する。第2同期検出部16は、第2復号部14から出力される第2制御情報からフレーム同期を検出する。検出の結果、第2同期検出部16は、フレームの先頭位置を示す第2同期情報を出力する。更に、第2同期検出部16は、同期信号を検出できたこと(フレーム同期を検出できたこと)を示す第2同期フラグを出力する。第2同期フラグは、フレーム同期ができたことを示す「検出」なるステータスと、フレーム同期ができなかったことを示す「未検出」なるステータスを含む。
ここで、第1復号部9と第2復号部14との特性の差は、図7、図9のシミュレーション結果の通りである。
第1復号部9は、フェージングノイズ環境に強く、第2復号部14は、ホワイトノイズ環境に強い。
(制御情報調停部)
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
制御情報調停部12は、第1訂正部10から、第1制御情報と第1復号フラグを受ける。加えて、制御情報調停部12は、第2訂正部15から、第2制御情報と第2復号フラグを受ける。
ここで上述の通り、第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」とのステータスと、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含む。第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」とのステータスと、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含む。
すなわち、第1復号フラグおよび第2復号フラグのそれぞれは、対応する伝送制御キャリアの復号およびフレーム同期の検出の精度を示す指標である。
制御情報調停部12は、この第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
制御情報調停部12は、選択した制御情報を、誤り訂正部8やその他の信号復調に必要な要素に出力する。
このように、制御情報調停部12の選択により、復号精度の高い制御情報が使用される。
(同期情報調停部)
同期情報調停部13は、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
同期情報調停部13は、第1同期検出部11から第1同期情報を、第1訂正部10から第1復号フラグを受ける。加えて、同期情報調停部13は、第2同期検出部16から第2同期情報を、第2訂正部15から第2復号フラグを受ける。
同期情報調停部13は、第1同期フラグと第2同期フラグに基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
同期情報調停部13は、選択した制御情報を、誤り訂正部8やその他の信号復調に必要な要素に出力する。
このように、同期情報調停部13の選択により、検出精度の高い同期情報(フレーム同期)が使用される。
ここで、図7,9のシミュレーション結果から明らかな通り、第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に強く、第2制御情報および第2同期情報はホワイトノイズ環境に強い。
制御情報調停部12は、復号精度の指標である第1復号フラグと第2復号フラグ(これらは誤り訂正が正しくできたかどうかで生成される信号なので、復号精度を直接的に表すと考えられる)に基づいて復号精度の高い制御情報を選択できる。同様に、同期情報調停部13は、検出精度の指標である第1同期フラグと第2同期フラグ(これらは、フレーム同期の検出が正しくできたかどうかで生成される信号なので、検出精度を直接的に表すと考えられる)に基づいて、検出精度の高い同期情報を選択できる。
またこれらの選択は、時間経過の中で随時あるいは逐次に行われる(勿論、一定周期ごとに行われても良い)。つまり、時々刻々と変化するノイズ環境にも、フレキシブルに対応した制御情報と同期情報の選択が行われる。結果として、ノイズ環境の変化に強い信号復調が可能な、信号復調装置1が実現できる。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
実施の形態3においては、制御情報調停部12および同期情報調停部13における選択処理の種々の例について説明する。
(例1)
制御情報調停部12は、第1復号フラグおよび第2復号フラグを受け取った場合、第1制御情報および第2制御情報の内、「完了」のステータスを含むフラグに対応する制御情報を選択する。
例えば、第1復号フラグが「完了」のステータスであり、第2復号フラグが「未了」のステータスである場合には、制御情報調停部12は、第1復号フラグに対応する制御情報である第1制御情報を選択する。逆に、第1復号フラグが「未了」のステータスであり、第2復号フラグが「完了」のステータスである場合には、制御情報調停部12は、第2復号フラグに対応する制御情報である第2制御情報を選択する。
同期情報調停部13は、第1同期フラグおよび第2同期フラグを受け取った場合、第1同期情報および第2同期情報の内、「検出」のステータスを含むフラグに対応する同期情報を選択する。
例えば、第1同期フラグは「検出」のステータスであり、第2同期フラグは「未検出」のステータスである場合には、同期情報調停部13は、第1同期フラグに対応する同期情報である第1同期情報を選択する。逆に、第1同期フラグは「未検出」のステータスであり、第2同期フラグは「検出」のステータスである場合には、同期情報調停部12は、第2同期フラグに対応する同期情報である第2同期情報を選択する。
このように、第1復号フラグおよび第2復号フラグの「完了」「未了」のステータスに従うことで、信号復調装置1は、容易かつ確実に復号精度の高い制御情報を使用できる。同様に、第1同期フラグおよび第2同期フラグの「検出」「未検出」のステータスに従うことで、信号復調装置1は、容易かつ確実に検出精度の高い検出情報を使用できる。
(例2)
次に例2を説明する。
第1復号フラグおよび第2復号フラグを受け取って、いずれのフラグのステータスも同一レベル(両フラグ共に「完了」を示す場合、もしくは両フラグ共に「未了」を示す場合)である場合には、制御情報調停部12は、第1制御情報および第2制御情報の内、直前に選択した制御情報を選択する。
例えば、第1復号フラグと第2復号フラグのいずれもが「未了」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第1制御情報が選択されていた場合には、制御情報調停部12は、第1制御情報を選択する。あるいは、第1復号フラグと第2復号フラグのいずれもが「完了」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第2制御情報が選択されていた場合においては、制御情報調停部12は、第2制御情報を選択する。
第1同期フラグおよび第2同期フラグを受け取って、いずれのフラグのステータスも同一レベル(両フラグ共に「検出」を示す場合、もしくは両フラグ共に「未検出」を示す場合)である場合には、同期情報調停部13は、第1同期情報および第2同期情報の内、直前に選択した同期情報を選択する。
例えば、第1同期フラグと第2同期フラグのいずれもが「未検出」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第1同期情報が選択されていた場合には、同期情報調停部13は、第1同期情報を選択する。あるいは、第1同期フラグと第2同期フラグのいずれもが「検出」のステータスである場合であって、直前の選択処理において第2同期情報が選択されていた場合においては、同期情報調停部13は、第2同期情報を選択する。
このように、直前に選択されていた制御情報や同期情報が選択されることで、もっとも適当な制御情報や同期情報が選択されうる。
(例3)
次に例3を説明する。
制御情報調停部12は、所定期間内に、第1復号フラグと第2復号フラグにおいて「完了」なるステータスを示すフラグの個数を計測する。計測の結果、制御情報調停部12は、「完了」の個数のより多いフラグに対応する制御情報を選択する。
例えば、所定期間内において、「完了」のステータスを示す第1復号フラグの個数が10個であり、「完了」のステータスを示す第2復号フラグの個数が14個である場合には、制御情報調停部12は、第2復号フラグに対応する第2制御情報を選択する。逆に、「完了」のステータスを示す第1復号フラグの個数が20個であり、「完了」のステータスを示す第2復号フラグの個数が10個である場合には、制御情報調停部12は、第1復号フラグに対応する第1制御情報を選択する。
同期情報調停部13は、所定期間内に、第1同期フラグと第2同期フラグにおいて「検出」なるステータスを示すフラグの個数を計測する。計測の結果、同期情報調停部13は、「検出」の個数の多いフラグに対応する同期情報を選択する。
例えば、所定期間内において、「検出」のステータスを示す第1同期フラグの個数が10個であり、「検出」のステータスを示す第2同期フラグの個数が14個である場合には、同期情報調停部13は、第2同期フラグに対応する第2同期情報を選択する。逆に、「検出」のステータスを示す第1同期フラグの個数が20個であり、「検出」のステータスを示す第2同期フラグの個数が10個である場合には、同期情報調停部13は、第1同期フラグに対応する第1同期情報を選択する。
このように、所定期間内において「完了」あるいは「検出」のステータスを多く含むフラグに対応する制御情報あるいは同期情報が選択されることで、より精度の高い信号復調が実現できる。
なお、例1〜例3のそれぞれが組み合わされた選択処理がなされてもよい。
(その他)
また、第1復号フラグ、第2復号フラグ、第1同期フラグおよび第2同期フラグの算出精度の向上について図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態3におけるフラグ選択の説明図である。
第1復号フラグは、現フレームに対して復号された第1制御情報と現フレームよりも時間的に前のフレームに対して復号された第1制御情報が一致する場合には、「完了」なるステータスを示し、現フレームに対して復号された第1制御情報と現フレームよりも時間的に前のフレームに対して復号された第1制御情報が一致しない場合には、「未了」なるステータスを示す。
制御情報調停部12は、このように時間的に離れたフレームに対する制御情報の比較に基づいた復号フラグに基づいて、制御情報の選択を行っても良い。あるいは、一致、不一致の情報を第1復号フラグに加味することで、第1復号フラグの精度を向上させた上で、制御情報調停部12は、第1復号フラグを使用しても良い。
図12に示されるように、まず、第1復号部9の出力信号は、第1訂正部10およびフレーム遅延部35に入力する。フレーム遅延部35は、1フレーム分の第1制御情報を遅延させる。比較部36は、直接入力した第1制御情報(現フレームに対する第1制御情報)と1フレーム遅延した第1制御情報(現フレームよりも時間的に前のフレームに対する第1制御情報)を比較する。比較部36は、2つの第1制御情報が一致している場合には、一致を示すフラグを出力し、2つの第1制御情報が不一致の場合には、不一致を示すフラグを出力する。一致を示すフラグは第1復号フラグの「完了」なるステータスに対応し、不一致を示すフラグは第1復号フラグの「未了」なるステータスに対応する。
第1訂正部10は、現フレームに対する第1制御情報に対して誤り訂正を行い、誤り訂正の状態を示す第1復号フラグを出力する。第1復号フラグは、フラグ選択部37に出力される。
フラグ選択部37は、第1訂正部10から出力される第1復号フラグを選択して、制御情報調停部12に出力する。このとき、制御情報調停部12は、実施の形態1〜3で説明されたとおり、第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
あるいは、フラグ選択部37は、比較部36から出力されるフラグ(一致、不一致を示す)を第1復号フラグと同等のものとして、制御情報調停部12に出力しても良い。このとき、一致は、第1復号フラグの「完了」なるステータスに該当し、不一致は、第1復号フラグの「未了」なるステータスに該当する。すなわち、制御情報調停部12は、この一致、不一致のフラグを、第1制御情報と第2制御情報との選択の基準とできる。言い換えれば、制御情報調停部12は、現フレームで復号された第1制御情報と、現フレームより時間的に前のフレームで復号された第1制御情報とが不一致である場合には、復号された第1制御情報の信頼性を低いと判断できる。信頼性が低いと判断された場合には、制御情報調停部12は、この第1制御情報を選択せず、第2制御情報を選択することもできる。
同じように、第2復号フラグも、現フレームと、現フレームよりも時間的に前のフレームでの第2制御情報の復号結果の一致、不一致によりステータスが示されても良い。
第1同期フラグ、第2同期フラグも同様である。
また、第1訂正部10から出力された第1復号フラグを比較部36から出力されたフラグでマスクすることで、現フレームに対する第1復号フラグに対して、過去のフレームに対する第1復号フラグの状況も加味することができ、より精度の高い選択処理ができる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。
実施の形態1〜3において説明された信号復調装置の各機能はハードウェアで実現されてもソフトウェアで実現されても良い。また、ハードウェアとソフトウェアの混載で実現されても良い。
図13は、本発明の実施の形態4における信号復調方法を実現する装置のブロック図である。
アンテナ2で受信された伝搬信号は、チューナ3において特定帯域が受信されて受信信号として受信される。
プロセッサ58は、信号復調装置に含まれる各機能を演算処理により実現する。このとき、ROM59に記憶されたプログラムに従って、プロセッサ58は信号復調を実行する。
なお、ここでプロセッサ58はCPUやDSPである。また、図13ではアンテナ2とチューナ3のみがハードウェアの要素として示されているが、チューナ3がソフトウェアで実現されても良い。
プロセッサ58は、ROM59に記憶されているプログラムを読み込んで、プログラムの処理手順に従った演算を行って、信号復調を実行する。プロセッサ58の行う信号復調のフローについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態4における信号復調方法のフローチャートである。
まずステップST1にて、プロセッサ58は、アナログ信号である受信信号をデジタル信号に変換する。ついで、ステップST2にて、プロセッサ58は、変換されたデジタル信号を検波する。検波は直交検波が用いられる。
次に、ステップST3にて、プロセッサ58は、検波されたデジタル信号を、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換する。ステップST3の出力は、ステップST4およびステップST9に伝達される。周波数軸の信号に変換されることで、周波数軸上で多重化されているデータキャリア、パイロットキャリアおよび伝送制御キャリアが抽出される。
ステップST9においては、周波数軸の信号に変換されて抽出された伝送制御キャリアが復号されて第2制御情報が得られる。ステップST10にて、この第2制御情報の誤り訂正がなされて、誤り訂正された第2制御情報および誤り訂正に係るステータスを示す第2復号フラグが出力される。同様に、ステップST11にて、第2制御情報に基づいて、プロセッサ58は、フレーム同期を検出して第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する。
ステップST4にて、プロセッサ58は、周波数軸に変換されたOFDM信号を等化する。プロセッサ58は、等化によって、等化伝送制御キャリアを次のステップST5に出力する。ステップST5〜ST7は、上述のステップST9〜ST11と並行して行われる。
ステップST5にて、プロセッサ58は、等化伝送制御キャリアを復号して、第1制御情報を出力する。次に、ステップST6にて、プロセッサ58は、第1制御情報を誤り訂正し、誤り訂正された第1制御情報と誤り訂正に係るステータスを示す第1復号フラグを出力する。更にステップST7にて、プロセッサ58は、第1制御情報に基づいてフレーム同期を検出して第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する。
第1復号フラグ、第2復号フラグ、第1制御情報および第2制御情報は、ステップST8にて使用される。プロセッサ58は、ステップST8にて、第1復号フラグおよび第2復号フラグに基づいて、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択する。
第1同期フラグ、第2同期フラグ、第1同期情報および第2同期情報は、ステップST12にて使用される。プロセッサ58は、ステップST12にて、第1同期フラグおよび第2同期フラグに基づいて、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択する。
ここで、ステップST8およびステップST12における選択処理は、実施の形態3に説明したのと同様である。
以上のような信号復調方法により、ホワイトノイズ環境においては第2制御情報および第2同期情報が選択されやすくなり(第2制御情報および第2同期情報はホワイトノイズ環境に対して強い)、フェージングノイズ環境においては、第1制御情報および第1同期情報が選択されやすくなる(第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に対してつよい)。
この結果、時々刻々と変化するノイズ環境に対して最適に対応した制御情報の復号とフレーム同期の検出が実現できる。
なお、図14に示されるステップの各要素の一部は、プログラムによるソフトウェア以外に、ハードウェアで実現されてもよい。また各要素の処理は、実施の形態1〜3で説明された機能や処理と同様である。
(実施の形態5)
次に実施の形態5について図15を用いて説明する。
実施の形態5は、信号復調装置の全部もしくは一部が半導体集積回路で実現された場合について説明する。図15は、本発明の実施の形態5における半導体集積回路のブロック図である。
半導体集積回路80は、実施の形態1〜3で説明された要素を備えている。すなわち、半導体集積回路80は、チューナ機能、アナログデジタル変換機能、検波機能、時間周波数変換機能、等化機能、誤り訂正機能、第1復号機能、第1訂正機能、第1同期検出機能、第2復号機能、第2訂正機能、第2同期検出機能、制御情報調停機能および同期情報調停機能を含んでいる。各機能は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
半導体集積回路80は、時間周波数変換されて抽出された伝送制御キャリアを復号し、第2制御情報および第2同期情報を得る。また、半導体集積回路80は、等化された等化伝送制御キャリアを復号して、第1制御情報および第1同期情報を得る。半導体集積回路は、復号精度を示す指標(第1復号フラグと第2復号フラグ)に従って、第1制御情報および第2制御情報の一方を選択して使用する。同様に、半導体集積回路は、検出精度を示す指標(第1同期フラグと第2同期フラグ)に従って、第1同期情報および第2同期情報の一方を選択して使用する。第1制御情報および第1同期情報は、フェージングノイズ環境に強い。第2制御情報および第2同期情報は、ホワイトノイズ環境に強い。
この結果、半導体集積回路80は、時々刻々と変化するノイズ環境に最適に対応した、信号復調を実現できる。
なお、制御情報や同期情報の選択処理は、実施の形態3で説明したのと同様である。また、機能の一部は、プロセッサ83におけるソフトウェアで処理されてもよい。
なお、図15に示されるとおり、半導体集積回路80は、ROM81、RAM82、プロセッサ83と接続されて必要な制御や復調結果の利用がされてもよい。
(実施の形態6)
次に実施の形態6について図16を用いて説明する。
実施の形態6は、実施の形態1〜3で説明された信号復調装置1を備えた受信装置について説明する。
図16は、本発明の実施の形態6における受信装置のブロック図である。
図4と同じ符号が当てられた要素は、実施の形態1〜3で説明したものと同様である。
図16における受信装置90は、図4で説明された信号受信装置1に復号部91が追加されている。
復号部91は、誤り訂正部8より出力されたデータキャリアを復号し、データキャリアに含まれている画像や音声情報を取り出して、実際に表示できる状態にする。図16には示していないが、表示装置やスピーカなどを更に備え、画像表示や音声再生を可能としてもよい。
実施の形態6で説明される受信装置90も、実施の形態1〜3で説明された信号復調装置の機能を有しているので、時々刻々と変化するノイズ環境に最適に対応した信号復調ができる。結果として、ノイズ環境の変化に強いOFDM信号の受信ができる。
また、受信装置は、携帯電話、携帯端末、PDA、カーナビ、車載テレビ、車載端末などの電子機器に実装されることも好適である。これらの機器はOFDM信号を受けて、テレビ放送やラジオ放送の再生を行うからである。
例えば、図17に示されるように携帯電話に実装されても良い。図17は、本発明の実施の形態6における携帯電話の斜視図である。携帯電話95は、表示部96を備えている。更に、携帯電話95は、図16で説明される受信装置を備えている。
携帯電話95は、OFDM信号を含む信号を受信する。更に、携帯電話95は、実施の形態1〜3で説明した信号復調を実行する。最終的に、携帯電話95は、表示部96に再生した画像を表示したり、スピーカから音声を再生したりする。
この場合にも、実施の形態1〜4で説明された信号復調が行われるので、ノイズ環境の変化に最適に対応した信号受信ができる。
なお、携帯電話95は受信装置が実装される電子機器の一例であり、据え置き型のテレビやAV機器、コンピュータなどに加えて、移動端末(携帯端末、携帯電話、車載テレビ、カーナビゲーションシステム、携帯型テレビ、携帯型ラジオ、ノートブック型パソコン)にも展開される。
なお、本発明の信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、ISDB−T規格に準拠したOFDM信号のみならず、周波数分割多重信号の復調に最適に対応する。
ここで、ISDB−T規格における伝送制御キャリアは、OFDM信号をはじめとする周波数分割多重信号のFFTサンプリング数情報、ガードインターバル長情報およびシンボル長情報などの少なくとも一つを含むことがある。ISDB−T規格以外の規格では、伝送制御キャリアは、周波数分割多重信号(伝送される信号)の変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを含むことがある。地上波放送に関わる規格における信号伝送では、伝送信号が、種々の制御情報やモード情報を含んでおり、信号復調装置は、この制御情報やモード情報を解析することで、受信および復調ができる。ここで、モード情報は、変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを含んでいる。
なお、変復調方式情報は、例えば、QPSK、BPSK、16QAM、64QAMなどの方式を含む。通信方式情報や伝送方式情報は、例えば、搬送周波数や伝送帯域などの値を含む。
このように、信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、変復調方式情報、通信方式情報および伝送方式情報の少なくとも一つを用いて、様々な規格の伝送信号に対応して受信信号を復調できる。
なお、実施の形態1〜6で説明した信号復調装置、信号復調方法、半導体集積回路および受信装置は、本発明の趣旨の説明の一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
本発明は、例えば、地上デジタル放送を受信する携帯端末や移動端末で使用される信号復調装置や受信装置分野等において好適に利用できる。

Claims (19)

  1. 時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、
    前記パイロットキャリアから得られる伝送路特性値により前記データキャリアおよび前記伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、
    前記等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、
    前記第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、を備える信号復調装置。
  2. 前記時間周波数変換部から出力される前記伝送制御キャリアを復号する第2復号部と、
    前記第2復号部の出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正部と、
    前記第1復号フラグおよび前記第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1制御情報および前記第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停部とを更に備える請求の範囲第1項記載の信号復調装置。
  3. 前記第1復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する第1同期検出部と、
    前記第2復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する第2同期検出部と、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1同期情報および前記第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停部とを備える請求の範囲第2項記載の信号復調装置。
  4. 前記第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの各々は、フレーム同期の検出ができた場合を示す「検出」とフレーム同期の検出ができなかった場合を示す「未検出」とのステータスを含む、請求の範囲第3項記載の信号復調装置。
  5. 前記制御情報調停部は、前記第1制御情報および前記第2制御情報の内、前記完了のステータスに対応する制御情報を選択し、
    前記同期情報調停部は、前記第1同期情報および前記第2同期情報の内、前記検出のステータスに対応する同期情報を選択する請求の範囲第4項記載の信号復調装置。
  6. 前記制御情報調停部は、前記第1復号フラグと前記第2復号フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、前記第1制御情報および前記第2制御情報の内、直前に選択された制御情報を選択し、
    前記同期情報調停部は、前記第1同期フラグと前記第2同期フラグが同一レベルのステータスを示す場合には、前記第1同期情報および前記第2同期情報の内、直前に選択された同期情報を選択する請求の範囲第4項記載の信号復調装置。
  7. 前記制御情報調停部は、所定期間内において前記第1復号フラグおよび前記第2復号フラグの内、前記完了を示すステータスの個数を計測し、前記制御情報調停部は、前記第1制御情報および前記第2制御情報の内、前記個数がより多い復号フラグに対応する制御情報を選択し、
    前記同期情報調停部は、所定期間内において前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの内、前記検出を示すステータスの個数を計測し、前記同期情報調停部は、前記第1同期情報および前記第2同期情報の内、前記個数がより多い同期フラグに対応する同期情報を選択する請求の範囲第4項記載の信号復調装置。
  8. 前記第1復号フラグは、現フレームに対する第1制御情報と現フレームより時間的に前のフレームに対する第1制御情報が一致する場合には、前記完了なるステータスを示し、現フレームに対する第1制御情報と現フレームより時間的に前のフレームに対する第1制御情報が不一致の場合には、前記未了なるステータスを示し、
    前記第2復号フラグは、現フレームに対する第2制御情報と現フレームより時間的に前のフレームに対する第2制御情報が一致する場合には、前記完了なるステータスを示し、現フレームに対する第2制御情報と現フレームより時間的に前のフレームに対する第2制御情報が不一致の場合には、前記未了なるステータスを示す請求の範囲第4項記載の信号復調装置。
  9. 前記周波数分割多重信号を含む受信信号の内、特定帯域に属する信号を受信してアナログ信号を出力するチューナと、
    前記アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部と、
    前記デジタル信号を検波し、検波した信号を前記時間周波数変換部に出力する検波部と、
    前記等化データキャリアの誤り訂正を行う誤り訂正部とを更に備える請求の範囲第1項記載の信号復調装置。
  10. 時間軸上の周波数分割多重信号を周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換ステップと、
    前記パイロットキャリアから得られる伝送路特性値により前記データキャリアおよび前記伝送制御キャリアを等化し、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化ステップと、
    前記等化伝送制御キャリアを復号する第1復号ステップと、
    前記第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正ステップと、を備える信号復調方法。
  11. 前記時間周波数変換ステップにて出力される前記伝送制御キャリアを復号する第2復号ステップと、
    前記第2復号ステップの出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正ステップと、
    前記第1復号フラグおよび前記第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1制御情報および前記第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停ステップとを更に備える請求の範囲第10項記載の信号復調方法。
  12. 前記第1復号ステップの出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグを出力する第1同期検出ステップと、
    前記第2復号ステップの出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグを出力する第2同期検出ステップと、
    前記第1同期情報および前記第2同期情報の少なくとも一方に基づいて、前記第1同期情報および前記第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停ステップとを備える請求の範囲第11項記載の信号復調方法。
  13. 前記第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの各々は、フレーム同期の検出ができた場合を示す「検出」とフレーム同期の検出ができなかった場合を示す「未検出」とのステータスを含む、請求の範囲第12項記載の信号復調方法。
  14. 時間軸上の周波数分割多重信号を、周波数軸上の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、
    前記パイロットキャリアから得られる伝送路特性値により前記データキャリアおよび前記伝送制御キャリアを等化して、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアを出力する等化部と、
    前記等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、
    前記第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、
    前記時間周波数変換部から出力される前記伝送制御キャリアを復号する第2復号部と、
    前記第2復号部の出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正部と、
    前記第1復号フラグおよび前記第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1制御情報および前記第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停部を備える半導体集積回路。
  15. 前記第1復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグとを出力する第1同期検出部と、
    前記第2復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグとを出力する第2同期検出部と、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1同期情報および前記第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停部を備える請求の範囲第14項記載の半導体集積回路。
  16. 前記第1復号フラグは、第1制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第2復号フラグは、第2制御情報の誤り訂正が正しく行われた場合を示す「完了」と誤り訂正が正しく行われなかった場合を示す「未了」とのステータスを含み、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの各々は、フレーム同期の検出ができた場合を示す「検出」とフレーム同期の検出ができなかった場合を示す「未検出」とのステータスを含む、請求の範囲第15項記載の半導体集積回路。
  17. 周波数分割多重信号を含む信号を受信するアンテナと、
    前記アンテナで受信された受信信号の特定帯域に属する信号を受信してアナログ信号を出力するチューナと、
    前記アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換部と、
    前記デジタル信号を検波し、検波信号を前記時間周波数変換部に出力する検波部と、
    前記検波信号を、時間軸の信号から周波数軸の信号に変換し、データキャリアとパイロットキャリアと伝送制御キャリアとを出力する時間周波数変換部と、
    前記パイロットキャリアから得られる伝送路特性値により前記データキャリアおよび前記伝送制御キャリアを等化し、等化データキャリアと等化伝送制御キャリアとを出力する等化部と、
    前記等化伝送制御キャリアを復号する第1復号部と、
    前記第1復号部の出力に対して誤り訂正を行って第1制御情報および誤り訂正の状態を示す第1復号フラグとを出力する第1訂正部と、
    前記時間周波数変換部から出力される前記伝送制御キャリアを復号する第2復号部と、
    前記第2復号部の出力に対して誤り訂正を行って第2制御情報および誤り訂正の状態を示す第2復号フラグとを出力する第2訂正部と、
    前記第1復号フラグおよび前記第2復号フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1制御情報および前記第2制御情報のいずれかを選択する制御情報調停部と、
    前記第1復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第1同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第1同期フラグとを出力する第1同期検出部と、
    前記第2復号部の出力に基づいてフレーム同期を検出し、第2同期情報およびフレーム同期検出の状態を示す第2同期フラグとを出力する第2同期検出部と、
    前記第1同期フラグおよび前記第2同期フラグの少なくとも一方に基づいて、前記第1同期情報および前記第2同期情報のいずれかを選択する同期情報調停部と、
    前記等化データキャリアの誤り訂正を行う誤り訂正部と、
    前記誤り訂正された等化データキャリアを用いて、データを復号するデータ復号部を備える受信装置。
  18. 前記周波数分割多重信号は、周波数軸上に多重されている複数のキャリアが、相互に直交して多重されている直交周波数分割多重信号である請求の範囲第1項記載の信号復調装置。
  19. 前記直交周波数分割多重信号は、地上波デジタル放送における1セグメント放送において定義される信号である請求の範囲第18項記載の信号復調装置。
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