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JPWO2008149433A1 - 紙幣収納庫および紙幣処理機 - Google Patents

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JPWO2008149433A1 JP2009517651A JP2009517651A JPWO2008149433A1 JP WO2008149433 A1 JPWO2008149433 A1 JP WO2008149433A1 JP 2009517651 A JP2009517651 A JP 2009517651A JP 2009517651 A JP2009517651 A JP 2009517651A JP WO2008149433 A1 JPWO2008149433 A1 JP WO2008149433A1
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Abstract

紙幣収納庫の内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える。なお、カテゴリとは、紙幣をその性質によって分類したときの区分けであり、ECBで定義された5つの区分けでは、紙幣は、所定の紙幣処理機の識別能力の範囲で本物か、偽物かで2つに分類され、前者を真券、後者を偽券と呼ぶ。そして、真券は、損傷の度合いでさらに2つに分類され、使用に支障のないものを正券、損傷が著しく使用に支障をきたすものを損券と呼ぶ。よって、5つの区分けは、真券かつ正券と、真券かつ損券と、偽券と、紙幣処理機において真券とは明確に判断できない真偽不確定券と、そして、紙幣処理機において識別時に紙幣が2枚重なっていたり、紙幣が正しく定位されなかったりした場合になされる判定であるリジェクト券とからなる。

Description

この発明は、紙幣の入出金を管理する紙幣処理機に搭載される紙幣収納庫、および、当該紙幣収納庫を搭載した紙幣処理機に関する。
従来、金融機関などにおいて、利用者より所定の操作を受け付けて現金の引き出しや振り込みを行う自働取引装置(ATM(Automated Teller
Machine)など)があり、その内部に搭載された紙幣処理機が紙幣の入出金を管理している。具体的には、紙幣処理機は、紙幣を収納するための収納庫を備え、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種ごとに記憶している。例えば、特許文献1では、収納庫にメモリを設け、当該収納庫に収納された紙幣の枚数を金種ごとにメモリに格納する自動取引装置が開示されている。
ところで、近年、上記した自働取引装置において、利用者から投入された紙幣を5つに区分けされたカテゴリのうちどの区分であるか判定することが行われている。このカテゴリについて説明すると、紙幣は、本物であるか偽物であるかで2つに大きく分類され、前者については真券、後者については偽券と呼ばれる。そして、真券は、損傷の度合いでさらに2つに分類され、使用に支障のないものについては正券、損傷が著しく使用に支障をきたすものについては損券と呼ばれる。よって、自働取引装置は、利用者から投入された紙幣が「真券かつ正券」、「真券かつ損券」、「偽券」、真券とは明確に判断できない「真偽不確定券」、そして、カテゴリ判定時に紙幣が2枚重なっていたり、紙幣が識別判定部に正しく定位されなかったりした場合になされる判定である「リジェクト券」の5つに区分けされたカテゴリのうちどれに該当するかを判定する。
そして、自働取引装置は、利用者より紙幣が投入されると、当該紙幣を識別判定して5つのカテゴリのうちどの区分に該当するかを判定し、「偽券」、「真偽不確定券」、「リジェクト券」のいずれかに判定された紙幣については、利用者に返却する。一方、「偽券」または「真偽不確定券」に判定された紙幣を回収する自働取引装置もあり、回収された紙幣については、後に種々の調査(使用者の特定など)や犯罪行為の立証に用いられることが行われている。
特許第2685817号公報
しかしながら、上記した従来の技術は、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握できないという課題があった。つまり、収納庫では、内部に収納された紙幣について、金種別に枚数情報が記憶されているものの、カテゴリ別に枚数情報が記憶されていなかった。また、紙幣処理機は、自身が備える収納庫内部に収納された紙幣について、金種別に枚数情報を管理しているものの、カテゴリ別に枚数情報を管理していなかった。その結果、偽券や真偽不確定券が使用された場合に、紙幣処理機内部に取り込んだとしても、使用者を特定するためのトレース情報が不足するという課題もあった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能な紙幣収納庫および紙幣処理機を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、紙幣の入出金を管理する紙幣処理機に搭載された紙幣収納庫であって、当該紙幣収納庫の内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に枚数情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、外部機器より前記記憶手段に対する枚数情報の書き込み指示を受け付けた場合には、当該書き込み指示に基づいて前記記憶手段に枚数情報を書き込み、前記外部機器より前記記憶手段に対する枚数情報の読み込み指示を受け付けた場合には、当該読み込み指示に基づいて前記記憶手段より枚数情報を読み込んで外部機器に送信する通信手段をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記記憶手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の形状を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記記憶手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、紙幣の入出金を管理する紙幣処理機であって、前記紙幣の種類である金種、並びに、前記紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別する識別手段と、前記紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、前記識別手段によって識別される前記金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える収納手段と、前記収納手段ごとに区分けして、各収納手段に収納されている紙幣について、前記識別手段によって識別される前記金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記収納手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の形状を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記収納手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記収納手段が前記紙幣処理機に装着された場合に、当該収納手段が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に新たに格納して当該記憶手段に記憶されている枚数情報を更新する第一更新手段と、前記収納手段へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、前記収納手段から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果に応じて前記記憶手段によって記憶されている枚数情報を更新する第二更新手段と、前記収納手段が前記紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に記憶されている枚数情報を、当該収納手段が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する第三更新手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、上記の発明において、前記収納手段は、複数個で構成され、金種別に紙幣が収納されるものであって、前記収納手段が前記紙幣処理機に装着された場合に、当該収納手段が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に新たに格納して当該記憶手段に記憶されている枚数情報を更新するとともに、当該収納手段に収納されている一の金種を特定する金種情報を当該収納手段に対応付けて当該記憶手段に格納する第一更新手段と、前記紙幣の入金に際して、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果および前記記憶手段に格納された金種情報に応じて、当該紙幣を繰り込むべき収納手段を選択し、当該選択した前記収納手段へ当該紙幣を繰り込む繰り込み手段と、前記紙幣の出金に際して、前記記憶手段に格納された金種情報に応じて、当該紙幣を繰り出すべき収納手段を選択し、当該繰り出される紙幣に対する前記識別手段による識別結果が合致することを条件に、当該選択した収納手段より当該紙幣を繰り出す繰り出し手段と、前記繰り込み手段によって前記収納手段へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、前記繰り出し手段によって前記収納手段から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果に応じて前記記憶手段によって記憶されている枚数情報を更新する第二更新手段と、前記収納手段が前記紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に記憶されている枚数情報を、当該収納手段が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する第三更新手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、上記の発明において、前記収納手段は、入金時に前記識別手段によって識別された紙幣を一時保留する入金一時保留収納庫、出金時に前記識別手段によって識別された紙幣を一時保留する出金一時保留収納庫、前記紙幣を金種混合で一括して収納する金種混合収納庫、入金時に前記識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する入金真偽不確定券収納庫、入金時に前記識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する入金偽券収納庫、出金時に前記識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する出金真偽不確定券収納庫、出金時に前記識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する出金偽券収納庫、出金時に前記識別手段によって第五カテゴリに判定された紙幣を収納する出金リジェクト券収納庫、のうちいずれか一つ、または、複数を含んで構成されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、外部機器より枚数情報の書き込み指示を受け付けた場合には、当該書き込み指示に基づいて枚数情報を書き込み、外部機器より枚数情報の読み込み指示を受け付けた場合には、当該読み込み指示に基づいて枚数情報を読み込んで外部機器に送信するので、収納庫が記憶する枚数情報を外部機器によって更新することが可能となり、収納庫が記憶する枚数情報を外部機器より読み込むことが可能となる。
また、請求項3の発明によれば、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の形状を示す第一の特徴量と、紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ヨーロッパ中央銀行(以下、ECBと言う)の定義別に把握することが可能となる。
また、請求項4の発明によれば、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ECBの定義別に正確に把握することが可能となり、偽券や真偽不確定券を取り込んだ場合に、使用者を特定するための新たなトレース情報を追加することが可能となる。
また、請求項5の発明によれば、紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、識別した金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える収納庫を搭載する。そして、紙幣の種類である金種、並びに、紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別し、収納庫ごとに区分けして、各収納庫に収納されている紙幣について、識別した金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する。こうすることによって、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。
また、請求項6の発明によれば、搭載した収納庫は、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の形状を示す第一の特徴量と、紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備えるので、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ECBの定義別に把握することが可能となる。
また、請求項7の発明によれば、搭載した収納庫は、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備えるので、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ECBの定義別に把握することが可能となり、偽券や真偽不確定券を取り込んだ場合に、使用者を特定するための新たなトレース情報を追加することが可能となる。
また、請求項8の発明によれば、収納庫が紙幣処理機に装着された場合に、当該収納庫が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納庫に対応付けて枚数情報を更新する。また、収納庫へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、収納庫から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する識別結果に応じて記憶した枚数情報を更新する。また、収納庫が紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納庫に対応付けて記憶した枚数情報を、当該収納庫が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する。こうすることによって、収納庫の装着に際しても、当該装着した収納庫を含む収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に正確に把握することが可能となる。また、取り外された後においても、当該取り外された収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に正確に把握するとともに、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に正確に把握することが可能となる。
また、請求項9の発明によれば、収納庫は、複数個で構成され、金種別に紙幣が収納されるものであって、収納庫が紙幣処理機に装着された場合に、当該収納庫が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納庫に対応付けて枚数情報を更新するとともに、当該収納庫に収納されている一の金種を特定する金種情報を当該収納庫に対応付けて記憶する。紙幣の入金に際して、当該紙幣に対する識別結果および記憶した金種情報に応じて、当該紙幣を繰り込むべき収納庫を選択し、当該選択した収納庫へ当該紙幣を繰り込み、紙幣の出金に際して、記憶した金種情報に応じて、当該紙幣を繰り出すべき収納庫を選択し、当該繰り出される紙幣に対する識別結果が合致することを条件に、当該選択した収納庫より当該紙幣を繰り出す。ここで、収納庫へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、収納庫から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する識別結果に応じて記憶している枚数情報を更新する。また、収納庫が紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納庫に対応付けて記憶した枚数情報を、当該収納庫が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する。こうすることによって、一つの金種の紙幣を収納した収納庫をいずれの搭載箇所に搭載しても、入金時には、取り込んだ紙幣と同金種の紙幣を収納する収納庫に誤りなく収納し、出金時には、出金額に必要な金種の紙幣を収納する収納庫から誤りなく紙幣を払い出すことが可能となる。
また、請求項10の発明によれば、収納庫は、入金時に識別手段によって識別された紙幣を一時保留する入金一時保留収納庫、出金時に識別手段によって識別された紙幣を一時保留する出金一時保留収納庫、紙幣を金種混合で一括して収納する金種混合収納庫、入金時に識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する入金真偽不確定券収納庫、入金時に識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する入金偽券収納庫、出金時に識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する出金真偽不確定券収納庫、出金時に識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する出金偽券収納庫、出金時に識別手段によって第五カテゴリに判定された紙幣を収納する出金リジェクト券収納庫、のうちいずれか一つ、または、複数を含んで構成されるので、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。
図1は、実施例1に係る紙幣収納庫の構成を説明するための図である。 図2は、紙幣管理テーブル記憶部に記憶される情報の例を示す図である。 図3は、紙幣収納庫の概観を示す図である。 図4は、紙幣収納庫の三面図である。 図5は、実施例2に係る紙幣処理機の概要および特徴を説明するための図である。 図6は、実施例2に係る紙幣処理機の構成を説明するための図である。 図7は、紙幣管理テーブル記憶部に記憶される情報の例を示す図である。 図8は、紙幣処理機の出金時における処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、紙幣処理機の入金時における処理の流れを示すフローチャートである。 図10は、紙幣収納庫脱時における紙幣処理機の処理の流れを示すフローチャートである。 図11は、紙幣収納庫着時における紙幣処理機の処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 メモリ基板
2 コネクタ
10 紙幣収納庫
20 接続I/F部
30 紙幣管理テーブル記憶部
40 処理部
41 読み書き制御部
50 紙幣処理機
60 上部ユニット
61 入出金口
62 入出機構
63 識別判定機構
64 一時保留部
70 下部ユニット
71 回収庫
72a〜72c 収納庫
80 搬送路
90 入力部
100a〜100d 接続I/F部
110 記憶部
111 収納庫管理テーブル記憶部
120 制御部
121 集積紙幣監視部
122 搬送制御部
123 識別判定機構制御部
124 紙幣収納庫脱時制御部
125 紙幣収納庫着時制御部
以下に添付図面を参照して、この発明に係る紙幣収納庫および紙幣処理機の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、用語の説明、実施例1に係る紙幣収納庫の構成を説明し、実施例1の効果を説明した後、実施例2および実施例3を説明する。
[用語の説明]
まず、以下の実施例で用いる主要な用語を説明する。「特徴量(請求の範囲に記載の「特徴量」)に対応する)」とは、所定の手法で紙幣を計測して得られる数値または量であり、本発明では、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量、紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量の3つを取り扱う。
また、「カテゴリ(請求の範囲に記載の「カテゴリ」)に対応する)」とは、紙幣をその性質によって分類したときの区分けであり、本発明では、ECBにおいて定義された5つの区分けを適用する。具体的に説明すると、紙幣は、紙幣処理機の識別能力の範囲で本物と認められるものか、そうでないものかで2つに大きく分類され、前者を真券、後者を偽券と呼ぶ。そして、真券は、紙幣処理機の計測に基づく損傷の度合いでさらに2つに分類され、使用に支障のないものを正券、損傷が著しく使用に支障をきたすものを損券と呼ぶ。よって、5つの区分けは、真券かつ正券としての「第一カテゴリ」、真券かつ損券としての「第二カテゴリ」、偽券としての「第三カテゴリ」、紙幣処理機において真券とは明確に判断できない真偽不確定券としての「第四カテゴリ」、そして、紙幣処理機において識別時に紙幣が2枚重なっていたり、紙幣が識別判定部に正しく定位されなかったりした場合になされる判定であるリジェクト券としての「第五カテゴリ」からなる。紙幣処理機は、上記した3つの特徴量を紙幣より取得し、その組み合わせに基づいて5つの区分けのうちどの区分に該当するかを判定する。
[紙幣収納庫の構成]
実施例1に係る紙幣収納庫は、紙幣の入出金を管理する紙幣処理機に搭載されることを概要としており、内部に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することを可能としている点に主たる特徴がある。以下では、紙幣収納庫の構成を説明する。図1は、実施例1に係る紙幣収納庫の構成を説明するための図であるが、同図に示すように、紙幣収納庫10は、接続I/F部20と、紙幣管理テーブル記憶部30と、処理部40とから構成される。
接続I/F部20は、外部機器と物理的に接続して相互の通信を可能にする。具体的には、接続I/F部20は、外部機器より書き込み指示や読み込み指示を受信すると、指示に係る内容を後述する読み書き制御部41へ出力する。また、接続I/F部20は、読み込み指示に基づいて読み書き制御部41が紙幣管理テーブル記憶部30から読み出した枚数情報を受け取り、外部機器へ送信する。なお、外部機器とは、例えば、当該紙幣収納庫10を搭載した紙幣処理機のほか、紙幣管理テーブル記憶部30に対して枚数情報を読み書き可能なコンピュータ(例えば、ハンディ端末やデスクトップ型コンピュータ)などである。
紙幣管理テーブル記憶部30は、当該紙幣収納庫10の内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に、枚数情報を記憶する。
具体的には、図2に示すように、紙幣管理テーブル記憶部30は、行については、紙幣の金種を示す金種情報ごとに区分けされ、列については、カテゴリの区分を示す区分情報ごとに区分けされたマトリクス状のテーブルにおける各セルで枚数情報を記憶する。例えば、図2に示すように、紙幣管理テーブル記憶部30は、このマトリクス状のテーブルにおいて、金種情報については「千円」、区分情報については「第一カテゴリ」で決まるセルに枚数情報「20」を記憶する。つまり、この情報は、金種が「千円」であり、区分が「第一カテゴリ」である紙幣が、紙幣収納庫10内に「20」枚収納されていることを意味する。
処理部40は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するプロセッサであり、特に本発明に密接に関連するものとしては、読み書き制御部41を備える。なお、読み書き制御部41は、請求の範囲に記載の「通信手段」に対応する。
読み書き制御部41は、外部機器より紙幣管理テーブル記憶部30に対する枚数情報の書き込み指示を受け付けた場合には、当該書き込み指示に基づいて紙幣管理テーブル記憶部30に枚数情報を書き込み、外部機器より紙幣管理テーブル記憶部30に対する枚数情報の読み込み指示を受け付けた場合には、当該読み込み指示に基づいて紙幣管理テーブル記憶部30より枚数情報を読み込んで外部機器に送信する。
具体的に例を挙げて説明すると、読み書き制御部41は、当該紙幣収納庫10を搭載した紙幣処理機より、紙幣管理テーブル記憶部30が記憶するマトリクス状のテーブルにおける所定セルに対する枚数情報を接続I/F部20を介して受け取る(例えば、金種情報として「千円」、区分情報として「第一カテゴリ」、枚数情報として「20」を受け取る)と、指定されたセルで記憶された枚数情報を当該受け取った枚数情報に更新する。
また、読み書き制御部41は、接続I/F部20に接続され、当該紙幣収納庫10を搭載した紙幣処理機より、紙幣管理テーブル記憶部30が記憶するマトリクス状のテーブルにおける所定のセルに対する枚数情報の読み込み指示(例えば、金種情報として「千円」、区分情報として「第一カテゴリ」)を接続I/F部20を介して受け取ると、指定されたセルで記憶された枚数情報(例えば、枚数情報「20」)を読み込んで接続I/F部20を介して紙幣収納庫10に送信する。なお、書き込みや読み込みの指定については一つのセルに限らず、例えば、複数のセルが指定されてもよい。
[紙幣収納庫の概観]
次に、図3や図4を用いて実施例1に係る紙幣収納庫の概観を説明する。図3は、紙幣収納庫の概観を示す図であり、図4は、紙幣収納庫の三面図である。
紙幣収納庫10は、図3や図4に示すように、紙幣管理テーブル記憶部30に対応するメモリ基板1を備え、当該メモリ基板1に枚数情報を格納する。また、紙幣収納庫10は、接続I/F部20に対応するコネクタ2を備え、当該コネクタ2が紙幣処理機などの外部機器へ物理的に接続されることで相互の通信を実現する。
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、内部に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。その結果、偽券や真偽不確定券を取り込んだ場合に、使用者を特定するための新たなトレース情報を追加することも可能となる。
また、実施例1によれば、外部機器より紙幣管理テーブル記憶部に対する枚数情報の書き込み指示を受け付けた場合には、当該書き込み指示に基づいて紙幣管理テーブル記憶部に枚数情報を書き込み、外部機器より紙幣管理テーブル記憶部に対する枚数情報の読み込み指示を受け付けた場合には、当該読み込み指示に基づいて紙幣管理テーブル記憶部より枚数情報を読み込んで外部機器に送信するので、紙幣収納庫が記憶する枚数情報を外部機器によって更新することが可能となり、紙幣収納庫が記憶する枚数情報を外部機器より読み込むことが可能となる。
実施例2では、実施例1に係る紙幣収納庫を搭載した紙幣処理機の説明を行う。なお、実施例2に係る紙幣処理機に搭載される紙幣収納庫は、当該紙幣処理機に対して着脱可能である。また、実施例2に係る紙幣処理機では、搭載箇所ごとに、当該搭載箇所に搭載した紙幣収納庫に収納されるべき金種が予め設定されている。
[紙幣処理機の概要および特徴]
図5を用いて、実施例2に係る紙幣処理機の概要および特徴を説明する。図5は、実施例2に係る紙幣処理機の概要および特徴を説明するための図である。同図に示すように、紙幣処理機50は、上部ユニット60と、下部ユニット70とからなり、上部ユニット60には、入出金口61と、入出機構62と、識別判定機構63と、一時保留部64とを備え、下部ユニット70には、回収庫71と、収納庫72a〜72cとを備え、各部位同士については搬送路80によって繋がって構成される。そして、紙幣処理機50は、紙幣の入出金を管理することを概要とし、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することを可能としている点に主たる特徴がある。
具体的には、図5に示すように、識別判定機構63は、紙幣の種類である金種、並びに、紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別する。そして、回収庫71や収納庫72a〜72cは、紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、識別判定機構63によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する。さらに、記憶部110は、収納庫ごとに区分けして、各収納庫に収納されている紙幣について、識別判定機構63によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する。
こうすることによって、実施例2に係る紙幣処理機は、上記した主たる特徴のとおり、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。
[紙幣処理装置の構成]
次に、図6を用いて、紙幣処理機50の構成を説明する。図6は、紙幣処理機50の構成を説明するブロック図である。同図に示すように、紙幣処理機50は、入出金口61と、入出機構62と、識別判定機構63と、一時保留部64と、回収庫71と、収納庫72a〜72cと、搬送路80と、入力部90と、各紙幣収納庫を物理的に接続するための接続I/F部100a〜100dと、記憶部110と、制御部120とを備える。
ここで、回収庫71や収納庫72a〜72cについては、紙幣処理機50に対して着脱可能である。また、紙幣処理機50では、仮に回収庫71や収納庫72a〜72cが他の収納庫と交換された場合においても、現に回収庫71を搭載する搭載箇所には、全金種の紙幣を収納する収納庫が搭載されるものとして、また、現に収納庫72a〜72cを搭載する搭載箇所には、それぞれ千円札、五千円札、一万円札を収納する収納庫が搭載されるものとして予め設定されている。
収納庫72a〜72cは、実施例1の紙幣収納庫10と同様、紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、識別判定機構63によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える。具体的には、収納庫72aは、千円札を収納し、収納庫72bは、五千円札を収納し、収納庫72cは、一万円札を収納し、出金時において、制御部120の制御により搬送路80に当該紙幣を繰り出す。なお、収納庫72a〜72cには、それぞれ一意に識別することができる収納庫識別情報が付与されている(例えば、収納庫72aには収納庫識別情報「2」が付与されている)。
搬送路80は、紙幣収納庫50内の各部位から各部位へ紙幣を搬送する。具体的には、出金時において、搬送路80は、収納庫72a〜72cから繰り出された紙幣を制御部120の制御により識別判定機構63へ搬送し、識別判定機構63で真券かつ正券と判定された紙幣については最終的に入出機構62内部へ出金額分だけ搬送する。なお、真券かつ正券以外と判定された紙幣については一時保留部64へ搬送後、再度識別判定機構63にて判定を行い、判定結果に応じて、収納庫72a〜72cへ搬送する。このとき、識別判定機構63にて判定された紙幣がリジェクト券の場合や該当する搬送先である収納庫72a〜72cが満杯を検出している場合については、回収庫71へ搬送する。また、入金時において、搬送路80は、入出機構62から繰り出された紙幣を制御部120の制御により識別判定機構63や一時保留部64などへ搬送しつつ、識別判定機構63でリジェクト券以外に判定された紙幣については最終的に識別判定機構63での判定結果、および収納庫72a〜72cの収納量に応じて、収納庫72a〜72cおよび回収庫71へ搬送する。
識別判定機構63は、紙幣の種類である金種、並びに、紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別する。具体的には、識別判定機構63は、紙幣が搬送されると、制御部120の制御により当該紙幣に対して所定の計測を実行して当該紙幣の特徴量を取得し、特徴量に基づいて当該紙幣を識別する。
一時保留部64は、識別判定機構63による識別の結果に基づいて搬送されてきた紙幣を一時的に集積し、回収庫71は、一時保留部64から搬送された紙幣を収納する。入出機構62は、出金時では、搬送されてきた紙幣を内部で保持し、入金時では、内部に置かれた紙幣を搬送路80に繰り出す。入出金口61は、開閉可能なシャッタを備え、制御部120の制御により当該シャッタを開閉する。なお、シャッタが開かれることで、利用者が入出機構62内部に集積された紙幣を取り出すことが可能となり、利用者が紙幣を入出機構62内部に置くことが可能となる。
入力部90は、装置外面に設けられたタッチパネルなどで構成され、入出金に係る要求を受け付けて制御部120へ入力する。具体的には、入力部90は、タッチパネルの所定位置がユーザによって押下されることで所定の出金額を受け付けると、後述する搬送制御部122に出金額の情報を出力する。例えば、入力部90は、三万六千円の出金額を受け付けると、搬送制御部122に出金額の情報「36000」を出力する。また、入力部90は、タッチパネルの所定位置がユーザによって押下されることで入金処理開始の指示を受け付けると、搬送制御部122に対して入金処理開始を指示する信号を出力する。なお、入力部90は、管理者から収納庫の着脱に係る要求も受け付けて、後述する紙幣収納庫脱時制御部124や紙幣収納庫着時制御部125へ入力することも可能である。
記憶部110は、制御部120による各種処理に用いるデータを記憶し、特に本発明と密接に関連するものとしては、収納庫管理テーブル記憶部111を備える。なお、収納庫管理テーブル記憶部111は、請求の範囲に記載の「記憶手段」に対応する。
収納庫管理テーブル記憶部111は、各庫に区分けして、各庫に収納されている紙幣について、識別判定機構63によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する。具体的には、図7に示すように、収納庫管理テーブル記憶部111は、紙幣収納庫ごとに、当該収納庫を搭載する搭載箇所を一意に識別する搭載箇所識別情報と、収納庫識別情報と、当該収納庫識別情報が付与される収納庫で収納する紙幣の金種を示す収納金種情報とを対応付けて記憶する。また、収納庫管理テーブル記憶部111は、紙幣収納庫ごとに、当該紙幣収納庫が収納する紙幣について、マトリクス状のテーブルで、金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する。例えば、図7に示すように、収納庫管理テーブル記憶部111は、収納庫識別情報「2」に、収納金種情報「千円」と、搭載箇所識別情報「B」とを対応付けて記憶する。また、収納庫管理テーブル記憶部111は、収納庫識別情報「2」が付与される収納庫が収納する紙幣について、金種情報「千円」および区分情報「第一カテゴリ」で決まるセルに枚数情報「100」を記憶する。
制御部120は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するプロセッサであり、特に本発明に密接に関連するものとしては、集積紙幣監視部121と、搬送制御部122と、識別判定機構制御部123と、紙幣収納庫脱時制御部124と、紙幣収納庫着時制御部125とを備える。なお、紙幣収納庫脱時制御部124は、請求の範囲に記載の「識別手段」および「第三更新手段」に対応し、識別判定機構制御部123は、同じく「第二更新手段」に対応し、紙幣収納庫着時制御部125は、同じく「第一更新手段」に対応する。
集積紙幣監視部121は、入出機構62内部を監視して、集積された紙幣の金額を算出する。具体的には、出金時において、集積紙幣監視部121は、入出機構62内部に最後の紙幣が集積されると、合計金額を算出して当該合計金額を示す情報を搬送制御部122に出力する。
搬送制御部122は、入出金の際に紙幣が所定の経路をたどるように各部位を制御する。具体的には、搬送制御部122は、入力部90から出金額の情報を受け取ると、枚数情報を更新するように識別判定機構制御部123に指示するとともに、繰り出すべき紙幣の金種と、枚数とを算出する(例えば、出金額情報「36000」ならば、一万円札を3枚、五千円札を1枚、千円札を1枚)。そして、搬送制御部122は、収納庫管理テーブル記憶部111を参照して収納庫に収納される金種を判別しつつ、収納庫72a〜72cが紙幣を出金額に基づいた枚数だけ搬送路80に繰り出すように制御する(例えば、収納庫72aが千円札を1枚繰り出すように、収納庫72bが五千円札を1枚繰り出すように、収納庫72cが一万円札を3枚繰り出すように制御する)。そして、搬送制御部122は、搬送路80を制御し、後述する識別判定機構制御部123に識別判定機構63の制御の開始を指示する信号を出力する。
そして、搬送制御部122は、識別判定機構制御部123から真券かつ正券であることを示す判定結果を受け取った場合には、搬送路80を制御して紙幣を入出機構62内部まで搬送する。一方、搬送制御部122は、識別判定機構制御部123から真券かつ正券以外であることを示す判定結果を受け取った場合には、搬送路80を制御して紙幣を一時保留部64まで搬送する。そして、搬送制御部122は、集積紙幣監視部121から現に入出機構62内部に集積されている紙幣の合計金額の情報を受け取ると、入力部90から受け取った出金額の情報と突合し、両者が同一である場合には、入出金口61がシャッタを開けるように制御する。一方で、搬送制御部122は、一時保留部64に真券かつ正券以外と判定された紙幣が搬送された場合については、その内部に保留された紙幣を搬送路80に繰り出すように制御するとともに、搬送路80を制御して再度識別判定機構63にて判定された紙幣がリジェクト券の場合や該当する搬送先である収納庫72a〜72cが満杯を検出している場合については、回収庫71まで搬送する。なお、搬送制御部122は、突合の結果、両者が異なる場合には、足りない金額分の紙幣が入出機構62内部に搬送されるよう同様に各部位を制御する。
また、搬送制御部122は、入力部90から入金処理開始を指示する信号を受け取ると、枚数情報を更新するように識別判定機構制御部123に指示するとともに、入出機構62を制御し、ユーザによって当該入出機構62内部に置かれた紙幣を搬送路80に繰り出す。そして、搬送制御部122は、識別判定機構制御部123に識別判定機構63の制御の開始を指示する信号を出力する。
そして、搬送制御部122は、識別判定機構制御部123からリジェクト券であることを示す判定結果を受け取った場合には、搬送路80を制御して紙幣を入出機構62内部まで搬送する。一方、搬送制御部122は、識別判定機構制御部123からリジェクト券以外であることを示す判定結果を受け取った場合には、搬送路80を制御して紙幣を一時保留部64まで搬送する。そして、搬送制御部122は、入出機構62内部に置かれた最後の紙幣を搬送路80に繰り出すように制御した後、所定の時間が経過すると、入出金口61がシャッタを開けるように制御しつつ、入力部90がタッチパネルに入金額および当該入金額の入金についてユーザに対して確認を取るための情報を表示するように制御する。そして、搬送制御部122は、入力部90より入金の確認信号を受け取ると、一時保留部64がその内部に集積された紙幣を搬送路80に繰り出すように制御して再度識別判定機構63にて判定を行い、判定結果に応じて、収納庫72a〜72cへ搬送する。このとき、識別判定機構63にて判定された紙幣がリジェクト券の場合や該当する搬送先である収納庫72a〜72cが満杯を検出している場合については、回収庫71まで搬送する。
識別判定機構制御部123は、紙幣の種類である金種、並びに、紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別する。また、識別判定機構制御部123は、各庫へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、各庫から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する識別判定機構63による識別結果に応じて収納庫管理テーブル記憶部111によって記憶されている枚数情報を更新する。
具体的には、識別判定機構制御部123は、識別判定機構63の制御の開始を指示する信号を搬送制御部122から受け取ると、識別判定機構63を制御して、当該識別判定機構63へ現に搬送された紙幣から3つの特徴量を取得する。つまり、識別判定機構制御部123は、識別判定機構63を制御して紙幣を光学的に計測することで、隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量を取得し、識別判定機構63を制御して紙幣に赤外線を照射することで、当該紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量を取得し、識別判定機構63を制御して紙幣を磁気的に計測することで、紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量を取得する。そして、識別判定機構制御部123は、その組み合わせに基づいて5つの区分けのうちどの区分に該当するかを判定して区分情報を取得し、当該判定結果については搬送制御部122に出力する。また、識別判定機構制御部123は、識別判定機構63を制御して紙幣の金種を判別して金種情報を取得し、搬送制御部122による演算に係る指示に基づいて収納庫管理テーブル記憶部111が記憶する枚数情報を更新する。
例えば、識別判定機構制御部123は、出金時における判定の結果、区分情報が真券かつ正券としての「第一カテゴリ」であり、金種情報が「千円」であった場合には、収納庫管理テーブル記憶部111が記憶するマトリクス状のテーブルにおいて該当するセル(図7では、収納庫識別情報「2」における該当するセル)に記憶された枚数情報「100」を「99」に更新する。また、識別判定機構制御部123は、出金時における判定の結果、区分情報がリジェクト券としての「第五カテゴリ」であり、金種情報が「五千円」であった場合には、収納庫管理テーブル記憶部111が記憶するマトリクス状のテーブルにおいて該当するセル(図7では、収納庫識別情報「3」における該当するセル)に記憶された枚数情報「100」を「99」に更新するとともに、リジェクト券については、最終的に回収庫71へ収納されるので、識別判定機構制御部123は、さらに回収庫71が収納する紙幣の枚数情報について、区分情報「リジェクト券」、金種情報「五千円」で決定されるセルに記憶された枚数情報「0」を「1」に更新する。
一方、識別判定機構制御部123は、例えば、入金時における判定の結果、千円の真券については、最終的に収庫庫72aへ収納されるので、区分情報が真券かつ正券としての「第一カテゴリ」であり、金種情報が「千円」であった場合には、回収庫71が収納する紙幣の枚数情報について、区分情報「第一カテゴリ」、金種情報「千円」で決定されるセル(図7では、収納庫識別情報「2」における該当するセル)に記憶された枚数情報「100」を「101」に更新する。
紙幣収納庫脱時制御部124は、現に搭載している所定の収納庫が紙幣処理機50から取り外される場合に、当該収納庫に対応付けて収納庫管理テーブル記憶部111に記憶されている枚数情報を、当該収納庫が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する。
具体的に例を挙げて説明すると、紙幣収納庫脱時制御部124は、収納庫72aの取り外し要求を入力部90より受け付けると、収納庫管理テーブル記憶部111において、取り外しの指定を受けた収納庫72aの収納庫識別情報「2」に対応付けられたマトリクス状のテーブルの各セルに記憶された枚数情報を、当該セルを決定する区分情報および金種情報とともに読み出し、収納庫72aに送信する(例えば、区分情報「第一カテゴリ」、金種情報「千円」、枚数情報「100」を送信する)。そして、紙幣収納庫脱時制御部124は、マトリクス状のテーブルにおける全てのセルについての送信が終了すると、収納庫72aが搭載箇所で接続されている接続部分のロックを解除する。なお、収納庫管理テーブル記憶部111において、取り外しの対象となった収納庫の記憶部におけるマトリクス状のテーブル内全てのセルに記憶された枚数情報については、初期値「0」となる。また、取り出し要求は入力部90からの受け付けを必要とせず、収納庫72aの、例えば取り出しボタン等と連動して、紙幣収納庫脱時制御部124が取り出し時の各処理を行うように制御することも可能である。
紙幣収納庫着時制御部125は、所定の収納庫が紙幣処理機50に装着された場合に、当該収納庫が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納庫に対応付けて収納庫管理テーブル記憶部111に新たに格納して収納庫管理テーブル記憶部111に記憶されている枚数情報を更新する。
具体的に例を挙げて説明すると、紙幣収納庫着時制御部125は、千円札を収納する収納庫が搭載されるべき搭載箇所(搭載箇所識別情報「B」)に所定の収納庫が接続され、入力部90より当該収納庫が記憶する枚数情報の読み出し指示を受け付けると、まず、収納庫に対して収納庫識別情報の送信を指示する。そして、紙幣収納庫着時制御部125は、収納庫より収納庫識別情報「5」を受信すると、搭載箇所識別情報「B」に対応付けられた収納庫識別情報を「2」から「5」へ更新する。次に、紙幣収納庫着時制御部125は、区分情報「第一カテゴリ」および金種情報「千円」によってセルを指定し、当該指定したセルに記憶された枚数情報の送信を収納庫に指示する。そして、紙幣収納庫着時制御部125は、枚数情報「100」を受信すると、収納庫管理テーブル記憶部111において、収納庫識別情報「5」に対応付けられたマトリクス状のテーブルの区分情報「第一カテゴリ」、金種情報「千円」で決定されるセルで記憶された枚数情報を「0(初期値)」から「100」へ更新する。そして、その後、紙幣収納庫着時制御部125は、マトリクス状のテーブルにおける全てのセルについての枚数情報を受信する。また、当該受信した枚数情報の更新が終了すると、入力部90のタッチパネルに装着処理の完了を示す情報(例えば、「装着完了」の文字)を表示することも可能である。
[紙幣処理機の処理]
次に、図8、図9、図10および図11を用いて、紙幣処理機50の処理を説明する。図8は、紙幣処理機の出金時における処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、紙幣処理機の入金時における処理の流れを示すフローチャートであり、図10は、紙幣収納庫脱時における紙幣処理機の処理の流れを示すフローチャートであり、図11は、紙幣収納庫着時における紙幣処理機の処理の流れを示すフローチャートである。
[紙幣処理機の出金時における処理]
図8に示すように、紙幣処理機50は、入力部90によって所定の出金額をユーザより受け付けると(ステップS801肯定)、搬送制御部122によって、収納庫72a〜72cが出金額分の紙幣を搬送路80に繰り出すように制御する(ステップS802)。そして、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって搬送路80が紙幣を識別判定機構63まで搬送するように制御する(ステップS803)。
そして、紙幣処理機50は、識別判定機構制御部123によって識別判定機構63を制御して紙幣を識別し(ステップS804)、真券かつ正券である場合には(ステップS805肯定)、収納庫管理テーブル記憶部111が記憶するマトリクス状のテーブルにおける該当セルに記憶された枚数情報を減算して更新する(ステップS808)。そして、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって搬送路80が紙幣を入出機構62内部まで搬送するように制御する(ステップS809)。一方、識別の結果、真券かつ正券以外である場合には(ステップS805否定)、紙幣処理機50は、収納庫管理テーブル記憶部111が記憶するマトリクス状のテーブルにおける該当セルに記憶された枚数情報を更新する(ステップS806)。そして、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって搬送路80が紙幣を一時保留部64まで搬送するように制御する(ステップS807)。
そして、紙幣処理機50は、紙幣が入出機構62内部に出金額分集積されると、つまり、搬送制御部122による突合の結果(集積紙幣監視部121から搬送制御部122に出力された合計金額の情報と、入力部90から搬送制御部122に出力された出金額の情報との突合結果)、両者が同一である場合には(ステップS810肯定)、搬送制御部122によって入出金口61がシャッタを開けるように制御する(ステップS811)。ここで、一時保留部64に搬送した紙幣がある場合には(ステップS812肯定)、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって一時保留部64がその内部に保留された紙幣を搬送路80に繰り出すように制御し(ステップS813)、搬送路80を制御して紙幣を収納庫72a〜72c、および回収庫71まで搬送するように制御し(ステップS814)、入出金口61がシャッタを閉めるように制御し(ステップS815)、処理を終了する。
[紙幣処理機の入金時における処理]
また、図9に示すように、紙幣処理機50は、入力部90によって入金処理開始の指示を受け付けると(ステップS901肯定)、搬送制御部122によって、入出機構62が当該入出機構62内部に置かれた紙幣を搬送路80に繰り出すように制御する(ステップS902)。そして、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって搬送路80が紙幣を識別判定機構63まで搬送するように制御する(ステップS903)。
そして、紙幣処理機50は、識別判定機構制御部123によって識別判定機構63を制御して紙幣を識別し(ステップS904)、リジェクト券である場合には(ステップS905肯定)、搬送路80を制御して紙幣を入出機構62内部まで搬送する(ステップS906)。一方、識別の結果、リジェクト券以外である場合には(ステップS905否定)、紙幣処理機50は、収納庫管理テーブル記憶部111が記憶するマトリクス状のテーブルにおける該当セルに記憶された枚数情報を加算して更新する(ステップS907)。そして、紙幣処理機50は、搬送制御部122によって搬送路80が紙幣を一時保留部64まで搬送するように制御する(ステップS908)。
そして、紙幣処理機50は、入出機構62内部に置かれた紙幣が搬送路80に全て繰り出されて所定の時間が経過すると(ステップS909肯定)、搬送制御部122によって入出金口61がシャッタを開けるように制御し(ステップS910)、入力部90のタッチパネルに入金の確認を受けるための一画を表示して待機する(ステップS911)。そして、紙幣処理機50は、入力部90より入金額の確認信号を受け取ると(ステップS911肯定)、シャッタを閉め(ステップS912)、搬送制御部122によって一時保留部64がその内部に保留された紙幣を搬送路80に繰り出すように制御し(ステップS913)、搬送路80を制御して紙幣を収納庫72a〜72c、および回収庫71まで搬送するように制御し(ステップS914)、処理を終了する。
[紙幣収納庫脱時における紙幣処理機の処理]
また、図10に示すように、紙幣処理機50は、入力部90より収納庫の取り外し要求を受け付けると(ステップS1001肯定)、紙幣収納庫脱時制御部124によって、取り外しの対象である収納庫の収納庫識別情報に対応付けられたマトリクス状のテーブルの各セルに記憶された枚数情報を収納庫管理テーブル記憶部111より読み出す(ステップS1002)。そして、紙幣処理機50は、紙幣収納庫脱時制御部124によって、当該読み出した枚数情報を、当該枚数情報が記憶されたセルを決定する区分情報および金種情報とともに送信することで、取り外しの対象である収納庫に書き込みを指示する(ステップS1003)。そして、紙幣処理機50は、紙幣収納庫脱時制御部124によって、マトリクス状のテーブルにおける全てのセルについて枚数情報の送信が終了し、書き込みが完了すると(ステップS1004肯定)、同じく紙幣収納庫脱時制御部124の制御によって、取り外しの対象である収納庫との接続部分のロックを解除し(ステップS1005)、処理を終了する。
[紙幣収納庫着時における紙幣処理機の処理]
また、図11に示すように、紙幣処理機50は、所定の搭載箇所に収納庫が装着され、入力部90より当該収納庫が記憶する枚数情報の読み出し指示を受け付けると(ステップS1101肯定)、紙幣収納庫着時制御部125によって、当該装着された収納庫に対して収納庫識別情報の送信を指示する(ステップS1102)。そして、紙幣処理機50は、紙幣収納庫着時制御部125によって、搭載位置の搭載箇所識別情報に対応付けられた収納庫識別情報を、受信した収納庫識別情報へ更新する(ステップS1103)。そして、紙幣処理機50は、紙幣収納庫着時制御部125によって、当該装着された収納庫に対してセルを指定して枚数情報の送信を指示し(ステップS1104)、収納庫より受信した枚数情報で更新する(ステップS1105)。そして、紙幣処理機50は、全てのセルについて枚数情報の受信が終了すると(ステップS1106肯定)、入力部90のタッチパネルに装着処理の完了を示す情報を表示し(ステップS1107)、処理を終了する。
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、紙幣の種類である金種、並びに、紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別し、紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、識別判定機構によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える紙幣収納庫を搭載し、紙幣収納庫ごとに区分けして、各紙幣収納庫に収納されている紙幣について、識別判定機構によって識別される金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、紙幣収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となり、偽券や真偽不確定券を取り込んだ場合に、使用者を特定するための新たなトレース情報を追加することが可能となる。
また、実施例2によれば、紙幣収納庫が紙幣処理機に装着された場合に、当該紙幣収納庫が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該紙幣収納庫に対応付けて更新し、紙幣収納庫から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する識別判定機構による識別結果に応じて、記憶する枚数情報を更新し、紙幣収納庫が紙幣処理機から取り外された場合に、当該紙幣収納庫に対応付けて記憶した枚数情報を、当該紙幣収納庫が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新するので、収納庫を着脱することが可能となり、収納庫の着脱に際しても紙幣処理機内の収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。また、取り外された収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することが可能となる。
また、実施例2によれば、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の形状を示す第一の特徴量と、紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶するので、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ECBの定義別に把握することが可能となる。
また、実施例2によれば、収納庫は、カテゴリとして、紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備えるので、収納庫および紙幣処理機の両者で、収納庫に収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、ECBの定義別に把握することが可能となり、偽券や真偽不確定券を取り込んだ場合に、使用者を特定するための新たなトレース情報を追加することが可能となる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)〜(5)にそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
(1)特徴量
上記の実施例では、紙幣を計測して得られる数値または量として、第一の特徴量、第二の特徴量および第三の特徴量を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の手法で紙幣を計測して得られる数値または量であればいかなるものであってもよい。例えば、紙幣を撮影して画像を取得し、当該画像データを分析して得られる情報などでもよい。
(2)カテゴリ
また、上記の実施例では、紙幣が区分けされるカテゴリとして、ECBにおいて定義された5つの区分けを適用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、紙幣の特徴量に基づく分類であればいかなるものであってもよい。例えば、「真偽不確定券」を除いた4つの区分けからなるカテゴリを適用するようにしてもよい。
(3)収納庫の構成
また、上記の実施例2では、紙幣を収納する収納庫の構成としては、出金時に識別判定機構63によって識別された紙幣を一時保留する一時保留部64と、紙幣を金種混合で一括して収納する回収庫71と、を含むものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、出金時に識別判定機構63によって識別された紙幣を一時保留する出金一時保留収納庫、前記紙幣を金種混合で一括して収納する金種混合収納庫、入金時に識別判定機構63によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する入金真偽不確定券収納庫、入金時に識別判定機構63によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する入金偽券収納庫、出金時に識別判定機構63によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する出金真偽不確定券収納庫、出金時に識別判定機構63によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する出金偽券収納庫、出金時に識別判定機構63によって第五カテゴリに判定された紙幣を収納する出金リジェクト券収納庫、のうちいずれか一つ、または、複数を含んで構成されるようにしてもよい。
(4)金種の設定
上記の実施例2では、搭載箇所ごとに、当該搭載箇所に搭載した紙幣収納庫に収納されるべき金種が予め設定されているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの金種の紙幣を収納した紙幣収納庫を搭載箇所の区別なく搭載するようにしてもよい。
これについて説明すると、紙幣収納庫着時制御部125は、所定の収納庫が紙幣処理機50に装着された場合に、当該収納庫が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納庫に対応付けて収納庫管理テーブル記憶部111に新たに格納して更新するとともに、当該収納庫に収納されている一の金種を特定する金種情報を当該収納庫に対応付けて収納庫管理テーブル記憶部111に格納する。
具体的に例を挙げて説明すると、紙幣収納庫着時制御部125は、一万円札を収納し、収納庫識別情報が「5」である紙幣収納庫が搭載箇所識別情報「B」で示される搭載箇所に搭載された場合には、収納庫管理テーブル記憶部111において搭載箇所識別情報「B」に対応する収納庫識別情報を「2」から「5」へ更新し、マトリクス状のテーブルにおいて各セルの枚数情報を紙幣収納庫の記憶部に記憶されている枚数情報に更新し、さらに収納金種情報「千円」を、紙幣収納庫の記憶部のマトリクス状のテーブルにおいて唯一枚数情報が記憶されているセルに対応する金種情報「一万円」に更新する。こうすることによって、一つの金種の紙幣を収納した収納庫をいずれの搭載箇所に搭載しても、入金時には、取り込んだ紙幣と同金種の紙幣を収納する収納庫に誤りなく収納し、出金時には、出金額に必要な金種の紙幣を収納する収納庫から誤りなく紙幣を払い出すことが可能となる。
(5)システム構成等
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散、統合の具体的形態は図示のものに限られず、例えば、紙幣収納庫脱時制御部124と、紙幣収納庫着時制御部125とを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散、統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上のように、本発明に係る紙幣収納庫は、紙幣の入出金を管理する紙幣処理機に搭載される場合に有用であり、収納された紙幣の枚数を金種別、かつ、カテゴリ別に把握することに適する。

Claims (10)

  1. 紙幣の入出金を管理する紙幣処理機に搭載された紙幣収納庫であって、
    当該紙幣収納庫の内部に収納されている紙幣について、当該紙幣の種類である金種別に、かつ、当該紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする紙幣収納庫。
  2. 外部機器より前記記憶手段に対する枚数情報の書き込み指示を受け付けた場合には、当該書き込み指示に基づいて前記記憶手段に枚数情報を書き込み、前記外部機器より前記記憶手段に対する枚数情報の読み込み指示を受け付けた場合には、当該読み込み指示に基づいて前記記憶手段より枚数情報を読み込んで外部機器に送信する通信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の紙幣収納庫。
  3. 前記記憶手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の形状を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の紙幣収納庫。
  4. 前記記憶手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の紙幣収納庫。
  5. 紙幣の入出金を管理する紙幣処理機であって、
    前記紙幣の種類である金種、並びに、前記紙幣の特徴量に基づく分類であるカテゴリを識別する識別手段と、
    前記紙幣を内部に収納するとともに、当該内部に収納されている紙幣について、前記識別手段によって識別される前記金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶部を備える収納手段と、
    前記収納手段ごとに区分けして、各収納手段に収納されている紙幣について、前記識別手段によって識別される前記金種別に、かつ、カテゴリ別に、枚数情報を記憶する記憶手段と
    を備えたことを特徴とする紙幣処理機。
  6. 前記収納手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の形状を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過または反射する光の光量または波長を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の紙幣処理機。
  7. 前記収納手段は、前記カテゴリとして、前記紙幣より光学的に計測される光学的特徴量として前記紙幣の隅折れまたは欠損量を示す第一の特徴量と、前記紙幣を透過する光または反射する光の赤外線の減衰量を示す第二の特徴量と、前記紙幣より磁気的に計測される磁気的特徴量として前記紙幣の記番号印刷部分、肖像画部分および金額印刷部分に含まれる磁気含有量を示す第三の特徴量との組合せに基づいて、真券かつ正券としての第一カテゴリ、真券かつ損券としての第二カテゴリ、真偽不確定券としての第三カテゴリ、偽券としての第四カテゴリ、リジェクト券としての第五カテゴリに区分けされたカテゴリ別に、前記枚数情報を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の紙幣処理機。
  8. 前記収納手段が前記紙幣処理機に装着された場合に、当該収納手段が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に新たに格納して当該記憶手段に記憶されている枚数情報を更新する第一更新手段と、
    前記収納手段へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、前記収納手段から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果に応じて前記記憶手段によって記憶されている枚数情報を更新する第二更新手段と、
    前記収納手段が前記紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に記憶されている枚数情報を、当該収納手段が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する第三更新手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の紙幣処理機。
  9. 前記収納手段は、複数個で構成され、金種別に紙幣が収納されるものであって、
    前記収納手段が前記紙幣処理機に装着された場合に、当該収納手段が備える記憶部に記憶されている枚数情報を、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に新たに格納して当該記憶手段に記憶されている枚数情報を更新するとともに、当該収納手段に収納されている一の金種を特定する金種情報を当該収納手段に対応付けて当該記憶手段に格納する第一更新手段と、
    前記紙幣の入金に際して、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果および前記記憶手段に格納された金種情報に応じて、当該紙幣を繰り込むべき収納手段を選択し、当該選択した前記収納手段へ当該紙幣を繰り込む繰り込み手段と、
    前記紙幣の出金に際して、前記記憶手段に格納された金種情報に応じて、当該紙幣を繰り出すべき収納手段を選択し、当該繰り出される紙幣に対する前記識別手段による識別結果が合致することを条件に、当該選択した収納手段より当該紙幣を繰り出す繰り出し手段と、
    前記繰り込み手段によって前記収納手段へ紙幣が繰り込まれる場合に、または、前記繰り出し手段によって前記収納手段から紙幣が繰り出される場合に、当該紙幣に対する前記識別手段による識別結果に応じて前記記憶手段によって記憶されている枚数情報を更新する第二更新手段と、
    前記収納手段が前記紙幣処理機から取り外された場合に、当該収納手段に対応付けて前記記憶手段に記憶されている枚数情報を、当該収納手段が備える記憶部に上書きして当該記憶部に記憶されている枚数情報を更新する第三更新手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の紙幣処理機。
  10. 前記収納手段は、入金時に前記識別手段によって識別された紙幣を一時保留する入金一時保留収納庫、出金時に前記識別手段によって識別された紙幣を一時保留する出金一時保留収納庫、前記紙幣を金種混合で一括して収納する金種混合収納庫、入金時に前記識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する入金真偽不確定券収納庫、入金時に前記識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する入金偽券収納庫、出金時に前記識別手段によって第三カテゴリに判定された紙幣を収納する出金真偽不確定券収納庫、出金時に前記識別手段によって第四カテゴリに判定された紙幣を収納する出金偽券収納庫、出金時に前記識別手段によって第五カテゴリに判定された紙幣を収納する出金リジェクト券収納庫、のうちいずれか一つ、または、複数を含んで構成されることを特徴とする請求項6に記載の紙幣処理機。
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