JPWO2006038621A1 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
プラズマディスプレイパネル Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2006038621A1 JPWO2006038621A1 JP2006539299A JP2006539299A JPWO2006038621A1 JP WO2006038621 A1 JPWO2006038621 A1 JP WO2006038621A1 JP 2006539299 A JP2006539299 A JP 2006539299A JP 2006539299 A JP2006539299 A JP 2006539299A JP WO2006038621 A1 JPWO2006038621 A1 JP WO2006038621A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- weight
- dielectric layer
- electrode
- pdp
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/02—Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form
- C03C8/04—Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form containing zinc
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/064—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/064—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
- C03C3/066—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing zinc
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J11/00—Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
- H01J11/10—AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma
- H01J11/12—AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma with main electrodes provided on both sides of the discharge space
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J11/00—Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
- H01J11/20—Constructional details
- H01J11/34—Vessels, containers or parts thereof, e.g. substrates
- H01J11/38—Dielectric or insulating layers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
本発明のプラズマディスプレイパネルは、表示電極102とアドレス電極112とを含み、表示電極102およびアドレス電極112からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層(誘電体層106および/または誘電体層113)を含む。その少なくとも1つの誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とする。SiO2:0〜15重量%、B2O3:10〜50重量%、ZnO:26〜50重量%、Al2O3:0〜10重量%、Bi2O3:2〜30重量%、PbO:0〜0.1重量%、RO:5〜38重量%[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す]。
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という場合がある。)、FED、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイは、薄型軽量化を実現できるディスプレイとして注目されている。
これらのフラットパネルディスプレイは、ガラス基板とその上に配置された構成要素とを含む前面板と背面板とを備える。そして、前面板および背面板は互いに対向するように配置され、それらの外周部はガラスによって封止されている。
前面板は前面ガラス基板を含み、その表面上にストライプ状の表示電極が形成され、さらに、その上に誘電体層および保護層が形成されている。また、背面板は背面ガラス基板を含み、その表面上にストライプ状にアドレス電極が形成され、その上に誘電体層が形成され、さらに、隣り合うアドレス電極同士の間に隔壁が形成され、形成された隣り合う隔壁間に蛍光体層が形成されている。
前面板と背面板とは、表示電極とアドレス電極とが直交するように配置される。前面板と背面板との間に形成される密閉空間には、放電ガスが充填される。
なお、表示電極は2本で1対の電極を構成しており、以下の説明では、その一方をX電極といい、他方をY電極という場合がある。それらの一対の表示電極と1本のアドレス電極とが、放電空間を挟んで立体的に交差する領域が、画像表示に寄与するセルとなる。
以下、PDPの誘電体層について具体的に説明する。PDPの誘電体層には、(1)それが電極上に形成されることから高い絶縁性を有すること、(2)消費電力を抑えるために低い誘電率を有すること、(3)剥れやクラックが入らないようにガラス基板との熱膨張係数がマッチングしていること、が求められる。さらに、前面ガラス基板に形成される誘電体層を構成するガラスは、蛍光体から発せられた光を表示光として効率よく利用するために、通常、可視光の透過率の高い非晶質ガラスであることが要求される。
誘電体層は、通常、ガラス粉末、樹脂、溶剤、場合によって無機充填剤や無機顔料を含むガラスペーストを、スクリーン印刷等でガラス基板上に塗布し、乾燥、焼成することによって形成される。一方、PDPに使用されるガラス基板としては、価格や入手容易性の観点から、ソーダライムガラスが一般的に使用されている。そのため、ガラスペーストの焼成は、ガラス基板の変形が生じない600℃以下で行われている。
PDPの誘電体層を形成する際には、その材料を基板上で焼成する必要がある。しかし、ガラス基板が変形を起こさない温度で焼成を行わなければならないため、比較的低融点のガラスで誘電体層を形成する必要がある。そのため、現在は、PbOを主原料とするPbO−SiO2系ガラスが主に使用されている。
そのような中、環境問題への配慮から、鉛を含まない誘電体層の開発が進められており、たとえば、Bi2O3−B2O3−ZnO系ガラスが提案されている(例えば、特開2003−128430号公報および特開2002−308645号公報)。また、鉛を含まず且つ電極との反応性が低い材料として、Bi2O3−B2O3系低融点ガラスが提案されている(例えば特開2002−53342号公報)。また、誘電体層の着色を防止するために、BaOとB2O3とSiO2とを含むガラスが提案されている(例えば特開2001−48577号公報)。
以下に、PDPの保護層について具体的に説明する。保護層は、放電時のイオン衝撃性から誘電体層を保護するとともに低い放電開始電圧で放電を発生させる目的で形成される。その目的を達成するために、保護層は、現在、酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料で形成されている。酸化マグネシウムは、スパッタリングに対する耐性が高く、二次電子放出係数が大きいという利点を有する。
そのような状況において、従来のPDPでは“放電遅れ”と呼ばれる問題があった。これは、アドレス期間において、アドレス放電のためのパルスが電極に印加されてから実際に放電が発生するまでに時間のずれが生じる現象である。放電遅れが大きいとアドレスパルス印加終了時点でもアドレス放電が生じない確率が高くなり、書き込み不良が生じやすくなる。この放電遅れは、高速駆動になるほど発生しやすい。このような放電遅れに関する対策としては、保護層に所定量の水素を添加する方法が開示されている(例えば特開2002−33053号公報)。
上述したように、鉛を含まないガラスを用いた誘電体層については従来から提案されてきたが、そのような誘電体層を用いたPDPの特性の向上がさらに求められている。
このような状況において、本発明の目的の1つは、実質的に鉛を含まないガラスによって形成された誘電体層を備え、特性が良好なPDPを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、表示電極とアドレス電極とを含むプラズマディスプレイパネルであって、前記表示電極および前記アドレス電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層を含み、前記誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とする。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
ここで、「主要構成要素」とは、誘電体層に占める含有量が50重量%以上であることを意味する。
本発明によれば、実質的に鉛を含まないガラスによって形成された誘電体層を備え、特性が良好なPDPが得られる。特に、誘電体層上にMgOを主成分とする保護層が形成されている場合には、保護層の特性が向上し、放電遅れの発生や放電遅れの時間のバラツキが抑制される。また、仮に放電遅れが発生した場合においても、各セルにおける放電遅れ時間のバラツキが従来よりも抑えられ、放電遅れ時間が平均化される。このように放電遅れ時間のバラツキが少ない場合、例えばアドレス期間におけるパルス印加のタイミングをパネル全体で所定時間遅らせるなどの対策を探ることによって、放電遅れによる書き込み不良の発生を飛躍的に防止することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明は本発明の一例であり、本発明はこれらによって限定されるものではない。本発明のPDPは、誘電体層(たとえば誘電体層および保護層)に特徴があり、それ以外の部材には、公知のPDPの部材を適用できる。
本発明のPDPは、表示電極とアドレス電極とを含む。このPDPは、さらに、表示電極およびアドレス電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層を含む。その誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とする。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
上記ガラスは、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスである。ただし、この無鉛ガラスは、除去することが工業的に難しい微量の鉛を含んでもよい。無鉛ガラス中の鉛の含有率は、0.1重量%以下であり、好ましくは0.05重量%以下であり、より好ましくは0.01重量%以下である。
換言すれば、誘電体層の主要構成要素となるガラスは、以下の組成を有し、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスである。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
本発明のPDPは、誘電体層を覆うように形成された保護層を備えてもよく、その保護層がMgOを主成分(ここでは、含有量が70重量%以上)として含んでもよい。保護層におけるMgOの含有量は、通常、90重量%以上である。一例の保護層は、MgOのみからなる。
本発明のPDPでは、誘電体層を構成するガラスのZnOの含有量が26重量%以上である。Znのイオン半径は、Mgのイオン半径に近い。そのため、MgOを主成分とする保護層を用いる場合、ZnOを一定量以上含む誘電体層を用いることによって、誘電体層と保護層との界面での整合性を向上できる。その結果、保護層の均質性や構造安定性が増加し、PDPの特性が向上すると考えられる。また、ZnOの含有量は、安定したガラスが得られる含有量の最大値を上限としている。なお、ZnOの代わりにアルカリ土類金属を用いても同等の効果が見込まれるが、その場合には、誘電体としてのガラス安定性が劣るという問題がある。
上記無鉛ガラスの30〜300℃における線熱膨張係数は、60×10−7〜85×10−7/℃の範囲にあることが好ましい。この構成によれば、ガラス基板との熱膨張率の差を小さくすることができるので、誘電体の割れやクラックの発生を抑制することができる。
また、上記誘電体層は、上記無鉛ガラスの粉末と溶剤と樹脂とを含むガラスペーストを、上記少なくとも1つの電極を覆うように塗布したのち焼成することによって形成された誘電体層であってもよい。ガラスペーストを用いることによって、無鉛ガラスを主要構成要素とする誘電体層を、任意の場所に任意の形状で形成できる。
[プラズマディスプレイパネル]
本発明のプラズマディスプレイパネルの一例の概略図を図1に示す。
本発明のプラズマディスプレイパネルの一例の概略図を図1に示す。
図1のPDP100は、交流型(AC型)のPDPであり、互いに主面が対向するように配置された前面板90および背面板91を含む。
前面板90は、前面ガラス基板101と、表示電極102と、誘電体層106と、保護層107とを含む。前面ガラス基板101は、前面板90のベースとなる部材であり、前面ガラス基板101上には表示電極102が形成されている。
表示電極102は、透明電極103と、黒色電極膜104と、バス電極105とを含む。透明電極103は、ITOなどの透明導電膜で形成できる。黒色電極膜104は、酸化ルテニウムを主成分とする黒色の膜であり、ガラス裏面側から見た場合の外光の反射を防止する。バス電極105は、銀を主成分とし高い導電性を有する電極であり、表示電極102の抵抗値を下げる。バス電極105の一端には、駆動回路に接続するための端子部108が形成されている。隣接する2つの表示電極102は、一組の電極を構成している。以下、一組の表示電極102の一方を「X電極102a」と記載し、他方を「Y電極102b」と記載する場合がある。
表示電極102は、誘電体層106で覆われている。また、誘電体層106は、保護層107で覆われている。誘電体層106は、後述する無鉛ガラスで形成されている。保護層107は、MgOを主成分として含む。
背面板91は、背面ガラス基板111と、アドレス電極112と、誘電体層113と、隔壁114と、隣接する2つの隔壁114の間に形成された蛍光体層115とを含む。隣接する2つの隔壁114の間の領域が、放電空間116である。
アドレス電極112は、誘電体層113で覆われている。誘電体層113は、誘電体層106と同様に後述する無鉛ガラスで形成できるが、他のガラスで形成してもよい。
蛍光体層115を構成する蛍光体に限定はなく、公知の蛍光体を用いることができる。たとえば、青色蛍光体として、BaMgAl10O17:Euを用いてもよい。また、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mnを用いてもよい。また、赤色蛍光体として、Y2O3:Euを用いてもよい。
前面板90および背面板91は、図1に示すように重ね合わされ、その周縁部に配置された封着ガラス190によって固定および封止される。
放電空間116には、放電ガス(封入ガス)が封入される。たとえば、放電空間116には、He、Xe、Neといった希ガスが66.5〜79.8kPa(500〜600Torr)程度の圧力で封入される。
隣り合う一対の表示電極102(X電極102aおよびY電極102b)と1本のアドレス電極112とは放電空間116を挟んで交差しており、それらが交差する領域が画像表示に寄与するセルとなる。
PDP100における画像表示の方法について説明する。まず、点灯させようとするセルを横切るX電極102aとアドレス電極112との間に電圧が印加されてアドレス放電がなされる。次に、そのセルを横切るX電極102aおよびY電極102bにパルス電圧が印加されることによって維持放電が生じる。放電空間116では、この維持放電によって紫外線が発生する。発生した紫外線は、蛍光体層115によって可視光に変換される。このようにして、セルが点灯し、画像が表示される。
[プラズマディスプレイパネルの駆動方法]
以下に、PDP100の駆動方法の一例を説明する。PDP100では、駆動部(図示せず)によって、一対の表示電極(X電極102aおよびY電極102b)の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。この電圧印加によってセル内で放電が発生し、励起されたXe原子からの紫外線によって蛍光体層115が励起され可視光が生じる。
以下に、PDP100の駆動方法の一例を説明する。PDP100では、駆動部(図示せず)によって、一対の表示電極(X電極102aおよびY電極102b)の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。この電圧印加によってセル内で放電が発生し、励起されたXe原子からの紫外線によって蛍光体層115が励起され可視光が生じる。
PDPの駆動方法に限定はなく、たとえば、サブフィールドを時間的に分割して階調表示を行う表示方式を適用してもよい。この方式では、表示するフィールドを複数のサブフィールドに分け、各サブフィールドを更に複数の期間に分ける。各サブフィールドの初期化期間では、壁電荷を蓄積させるためのアドレス放電が画面全体において行われる。次の放電維持期間では、すべての放電セルに対して交流電圧(サステイン電圧)が印加される。これによって、一定時間放電が維持され、発光表示が行われる。
この駆動時において、駆動部では各セルでの発光をON/OFFの2値制御によって階調表現するために、外部からの入力画像である時系列の各フィールドを、例えば6個のサブフィールドに分割する。各サブフィールドにおける輝度の相対比率が例えば1:2:4:8:16:32となるように重み付けをして、各サブフィールドのサステイン(維持放電)の発光回数が設定される。
PDP100の駆動波形の一例を図2に示す。図2は、フィールド中の第m番目のサブフィールドの駆動波形を示している。図2が示すように、各サブフィールドには、初期化期間、アドレス期間、放電維持期間、消去期間がそれぞれ割り当てられる。
初期化期間とは、それ以前のセルの点灯による影響(蓄積された壁電荷による影響)を防ぐため、画面全体の壁電荷を消去し、一様に壁電荷を蓄積する期間である。図2に示す波形では、すべての表示電極102(X電極102aおよびY電極102b)に放電開始電圧Vfを超えるリセット波形を印加する。すべてのセルで初期化放電(弱い面放電)が生じ、すべてのセルにおいて壁電荷が蓄積され、画面全体が一様な帯電状態となる。
アドレス期間は、サブフィールドに分割された画像信号に基づいて選択されたセルのアドレッシング(点灯/不点灯の設定)を行う期間である。アドレス期間では、スキャン電極(X電極102a)を設置電位に対して正電位にバイアスし、この状態で、パネル最上部のライン(一対の表示電極に対応する横一列のセル群)から1ラインずつ順に各ラインを選択し、該当するスキャン電極(X電極102a)に負極性のスキャンパルスを印加する。また、点灯すべきセルに対応したアドレス電極112に対して、正極性のアドレスパルスを印加する。このような電圧印加によって、点灯すべきセルのみでアドレス放電が行われ、壁電荷が蓄積される。
放電維持期間は、アドレス放電によって生じた点灯状態を拡大して放電を維持する期間であり、放電の維持によって、階調順位に応じた輝度が確保される。この期間では、不要な放電を防止するために、すべてのアドレス電極112を正極性の電位にバイアスし、すべてのサステイン電極(Y電極102b)に正極性のサステインパルスを印加する。その後、スキャン電極(X電極102a)とサステイン電極(Y電極102b)とに対して交互にサステインパルスを印加することによって、所定の期間、放電を繰り返す。
消去期間では、スキャン電極(X電極102a)に漸減パルスを印加し、これによって壁電荷を消去させる。
PDP100の一例では、サブフィールドで行われる各放電によって、Xeに起因する147nmに鋭いピークを有する共鳴線と、173nmを中心とする分子線からなる真空紫外線とが発生する。この真空紫外線が各蛍光体層115に照射され、可視光が発生する。そして、RGBごとのサブフィールド単位の組み合わせによって、多色で多階調の表示がなされる。
[無鉛ガラス]
誘電体層106は、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスを主要構成要素とする。その無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
誘電体層106は、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスを主要構成要素とする。その無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
誘電体層106に占める上記無鉛ガラスの量は、50重量%以上(たとえば80重量%以上や90重量%以上や95重量%以上)である。誘電体層106は、実質的に上記無鉛ガラスからなるものであってもよいし、上記無鉛ガラスのみからなるものであってもよい。誘電体層106を構成するガラス成分は上記無鉛ガラスであり、誘電体層106は実質的に鉛を含まない。なお、誘電体層106が複数の層からなる場合、本発明の効果が得られる限り、それらのうちの少なくとも1つの層が上記無鉛ガラスを主要構成要素とするものであればよい。この場合、保護層に隣接する層、すなわち誘電体層の最表面層が、上記無鉛ガラスを主要構成要素として含むことが好ましい。
以下、本発明で用いられる上記無鉛ガラスの各成分について説明する。
SiO2は、ガラスの安定化に効果があり、その含有量は15重量%以下である。SiO2の含有量が15重量%を超えると軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。SiO2の含有量は、好ましくは10重量%以下である。更に、焼成後における気泡の残留を低減するためには焼成時のガラス粘度を低くすることが好ましく、そのために、SiO2の含有量を1重量%以下とすることが好ましい。
B2O3は本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、その含有量は10〜50重量%である。B2O3の含有量が50重量%を超えると、ガラスの耐久性が低下し、また、ガラスの熱膨張係数が小さくなると共に軟化点が高くなる。その結果、所定の温度での焼成が困難となる。また、その含有量が10重量%未満であると、ガラスが不安定になって失透し易くなる。B2O3の好ましい含有量は、15〜50重量%である。
ZnOは、本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、ガラスを安定化させる効果がある。ZnOの含有量は26〜50重量%である。ZnOの含有量が50重量%を超えると、ガラスが結晶化し易くなるため、安定なガラスが得られなくなる。また、その含有量が26重量%未満だと、ガラスの軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難になると共に、ガラスが失透しやすくなる。また、その含有量が26重量%未満だと、保護層の特性の向上効果が発現しにくくなる。ZnOの好ましい含有量は32〜50重量%である。
Al2O3はガラスの安定化に効果があり、その含有量は10重量%以下である。10重量%を超えると失透する恐れがあり、また軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。Al2O3の含有量は8重量%以下であることが好ましく、また、0.01重量%以上であることが好ましい。Al2O3の含有量を0.01重量%以上とすることによって、より安定なガラスが得られる。
Bi2O3は、本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、軟化点を下げ、熱膨張係数を上げる効果がある。その含有量は2〜30重量%である。Bi2O3の含有量が30重量%を超えると熱膨張係数が大きくなる。また、その含有量が30重量%を超えると、誘電体層の誘電率が大きくなりすぎて消費電力を上昇させてしまう。また、その含有量が2重量%未満だと、軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。
CaO、SrOおよびBaOは、耐水性の向上、ガラスの分相の抑制、熱膨張係数の相対的な向上、といった効果を有する。これらのアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計は、5〜38重量%である。CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計が38重量%を超えると失透する恐れがあり、また熱膨張係数が大きくなりすぎる。また、それらの合計が5重量%未満の場合は、上記効果が得られにくくなる。そのため、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計は、5〜38重量%の範囲である。CaOの含有量は0〜38重量%の範囲である。SrOの含有量は0〜38重量%の範囲である。BaOの含有量は0〜38重量%の範囲である。
ZnOとBi2O3の含有量の合計(ZnO+Bi2O3)は、35〜65重量%であることが好ましい。軟化点が低く、600℃以下の温度において電極と反応せず、透過率の優れた誘電体層を作製するためには、(ZnO+Bi2O3)の含有量を35重量%以上とすることが好ましい。ただし、それらの合計が65重量%を超えるとガラスが結晶化しやすくなる場合がある。
また、ZnOの含有量と、SiO2とAl2O3の含有量の合計(SiO2+Al2O3)との比である[ZnO/(SiO2+Al2O3)]の値は、3以上であることが好ましい。ZnOは、SiO2およびAl2O3に比べて軟化点を低下させる働きが高い。そのため、上記の比を3以上とすることによって、軟化点が低く、600℃以下の温度において電極と反応せず、透過率が高い誘電体層を作製することが可能となる。
さらに、Bi2O3の含有量と、B2O3とZnOの含有量の合計(B2O3+ZnO)との比である[Bi2O3/(B2O3+ZnO)]の値は、0.5以下であることが好ましい。Bi2O3は、B2O3およびZnOに比べて誘電率の増大をもたらすため、上記範囲とすることによって、誘電率が低い誘電体層を形成でき、消費電力の低減が可能となる。
[無鉛ガラスの一例]
上記無鉛ガラスの一例では、Bi2O3の含有量は26重量%以下(たとえば13重量%以下)であってもよい。Bi2O3の含有量を26重量%以下とすることによって、誘電体層の誘電率を低減できる。この一例の無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜26重量%(たとえば2〜13重量%)
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
上記無鉛ガラスの一例では、Bi2O3の含有量は26重量%以下(たとえば13重量%以下)であってもよい。Bi2O3の含有量を26重量%以下とすることによって、誘電体層の誘電率を低減できる。この一例の無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜26重量%(たとえば2〜13重量%)
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
本発明の無鉛ガラスは上記成分を含み、典型的には上記成分のみからなるが、本発明の効果が得られる限り、他の成分を含有してもよい。該他の成分の含有量の合計は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。該他の成分としては、たとえば、軟化点および熱膨張係数の調整、ガラスの安定化やガラスの化学的耐久性の向上といった目的で添加する成分が挙げられる。具体的には、他の成分として、MgO、X2O[X2OはLi2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O]、TiO2、ZrO2、La2O3、Nb2O5、MoO3、WO3、TeO2、Ag2Oなどが挙げられる。
上記無鉛ガラスは、PDPの誘電体層の材料として好適に使用できる。PDPに使用されるガラス基板としては、一般に入手が容易な窓用板ガラスであるソーダライムガラスや、PDP用に開発された高歪点ガラスが挙げられる。それらのガラスは、通常、600℃までの耐熱性を有し、75×10−7〜85×10−7/℃の線熱膨脹係数を有している。
PDPの誘電体層は、ガラス基板にガラスペーストを塗布した後、焼成することによって形成される。この焼成は、ガラス基板の変形を防止するために、600℃以下で行う必要がある。また、ガラス基板の反りを防止するために、および誘電体層の剥がれやクラックを防止するために、誘電体層を構成するガラス組成物の線熱膨脹係数は、ガラス基板の線熱膨張係数よりも0〜25×10−7/℃程度小さいことが好ましい。また、誘電体層の誘電率が高いと、電極に流れる電流が大きくなってPDPの消費電力が大きくなるという問題がある。
このため、PDPの誘電体層を構成する無鉛ガラスは、前述した組成を有し、軟化点が600℃以下であり、線熱膨脹係数が60×10−7〜85×10−7/℃であり、比誘電率が11以下であることが好ましい。歪などによる剥がれやクラックを抑制して90%以上の製造歩留まりを達成するために、無鉛ガラスの線熱膨張係数は65×10−7〜85×10−7/℃であることがより好ましい。
上述した無鉛ガラスを用いてPDPの前面板の誘電体層を形成する場合、光学特性を損ねることなくガラス強度の向上や熱膨張係数の調整を行うために、無機充填剤や無機顔料を無鉛ガラスに添加してもよい。無機充填剤や無機顔料としては、たとえば、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、ジルコン、コーディエライト、石英などが挙げられる。
また、上述した無鉛ガラスを用いて、PDPの背面板上に形成した電極を被覆してもよい。この場合においても、反射特性などの光学特性を向上させると共にガラス強度の向上や熱膨張係数の調整を目的として、無機充填剤や無機顔料を無鉛ガラスに添加してもよい。無機充填剤や無機顔料としては、たとえば、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、ジルコン、コーディエライト、石英などが挙げられる。
上述した無鉛ガラスをガラス成分として含む誘電体層を用いることによって、保護層から放出され放電に寄与する電子の数を増加させることができる。その結果、放電遅れを抑制でき、また、放電遅れの時間のバラツキを抑制できる。本発明によれば放電のバラツキが抑制される。そのため、例えば、アドレス期間におけるパルス印加のタイミングをパネル全体で所定時間遅らせるなどの処置を行うことによって、放電遅れによる書き込み不良の発生を効率よく防止できる。
したがって、本発明のPDP100では確実なアドレッシングが可能であり、アドレス期間における印加パルス幅を多少小さくしても、良好な確率でアドレッシングを行うことができる。これにより、従来のようにデュアルスキャン方式を採用しなくても良好な駆動が可能であり、いわゆるシングルスキャン方式などの駆動方式で良好な駆動を行うことが可能である。シングルスキャン方式では、ドライバICの数を半減できる。このように、本発明によれば、駆動部の構成を簡単化することができ、低コストで生産が可能なPDPを実現できる。
なお、シングルスキャン方式では、その駆動方法の性質上、アドレス期間に割り当てられている時間が比較的短い。けれども、本発明によって放電遅れの時間を予め予測しておくことによって、短いアドレス期間においても確実にパルス印加を行うためのタイミングを選択できる。
[ガラスペースト]
上述した無鉛ガラスは、通常は、粉末の状態で使用される。無鉛ガラスの粉末に、バインダーや溶剤などを添加することによってガラスペーストが得られる。ガラスペーストは、これらの成分以外の成分を含んでもよく、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料といった添加剤を含んでもよい。
上述した無鉛ガラスは、通常は、粉末の状態で使用される。無鉛ガラスの粉末に、バインダーや溶剤などを添加することによってガラスペーストが得られる。ガラスペーストは、これらの成分以外の成分を含んでもよく、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料といった添加剤を含んでもよい。
無鉛ガラスの粉末を含むガラスペーストを、電極上に塗布して焼成することによって、電極を覆う誘電体層を形成できる。保護層は、公知の方法、たとえば、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法といった方法で誘電体層上に形成できる。
本発明のガラスペーストに含まれる樹脂(バインダー)は、低融点の無鉛ガラス粉末との反応性が低いものであればよい。化学的安定性、コスト、安全性などの観点から、たとえば、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、カーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等が望ましい。
本発明のガラスペースト中の溶剤は、低融点ガラス粉末との反応性が低いものであればよい。溶剤は、化学的安定性、コスト、安全性、および、バインダー樹脂との相溶性を考慮して選択することが好ましい。溶剤には、たとえば、酢酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類を用いてもよい。また、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類を用いてもよい。また、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類を用いてもよい。また、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸のエステル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル(酪酸メチル)、ブタン酸エチル(酪酸エチル)、ブタン酸プロピル(酪酸プロピル)、ブタン酸イソプロピル(酪酸イソプロピル)等の脂肪族カルボン酸のエステル類を用いてもよい。また、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;テルピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類を用いてもよい。また、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を用いてもよい。また、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類を用いてもよい。また、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル等のエステル類を用いてもよい。また、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤を用いてもよい。これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ガラスペーストにおける溶剤の含有率は、ペーストの可塑性又は流動性(粘度)が、成形処理又は塗布処理に適したものとなる範囲で調整される。
[PDPの製造方法]
以下に、PDP100の製造方法の一例について説明する。まず、前面板90の作製方法について説明する。
以下に、PDP100の製造方法の一例について説明する。まず、前面板90の作製方法について説明する。
平坦な前面ガラス基板101の一主面に、複数のライン状の透明電極103および黒色電極膜104を形成する。次に、黒色電極膜104上に銀ペーストを塗布した後、前面ガラス基板101全体を加熱することによって、銀ペーストを焼成し、バス電極105を形成する。このようにして表示電極102を形成する。
次に、表示電極102を覆うように、前面ガラス基板101の上記主面に、上述したガラスペーストをブレードコーター法によって塗布する。その後、前面ガラス基板101全体を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、次いで、560〜590℃の範囲の温度で10分間焼成を行う。このようにして誘電体層106を形成する。
次に、誘電体層106上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって成膜し、焼成を行い、保護層107を形成する。
このようにして、前面板90を作製する。以下に、背面板91の作製方法について説明する。
平坦な背面ガラス基板111の一主面に、銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、背面ガラス基板111全体を加熱して銀ペーストを焼成することによって、アドレス電極112を形成する。
次に、隣り合うアドレス電極112の間にガラスペーストを塗布し、背面ガラス基板111全体を加熱してガラスペーストを焼成することによって、隔壁114を形成する。隔壁114は、上述したガラスペーストで形成してもよいし、他のガラスペーストで形成してもよい。
次に、隣接する2つの隔壁114の間に、各色(R、G、B)の蛍光体インクを塗布する。次に、背面ガラス基板111を約500℃に加熱して上記蛍光体インクを焼成することによって、蛍光体インク内の樹脂成分(バインダー)等を除去して蛍光体層115を形成する。
次に、前面板90と背面板91とを封着ガラスを用いて貼り合わせる。その後、封止された空間の内部を高真空に排気したのち、希ガスを封入する。
このようにして、PDP100が得られる。なお、上述したPDPおよびその製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
[無鉛ガラスの作製および評価]
本発明の無鉛ガラスおよび比較例の無鉛ガラスを作製した。表1および2に本発明の無鉛ガラス(実施例1〜24)の組成を示し、表3に比較例の無鉛ガラス(比較例25〜40)の組成を示す。
本発明の無鉛ガラスおよび比較例の無鉛ガラスを作製した。表1および2に本発明の無鉛ガラス(実施例1〜24)の組成を示し、表3に比較例の無鉛ガラス(比較例25〜40)の組成を示す。
表1,2,3では、組成を重量百分率で示している。ガラスの原料は、表1〜3に示す組成となるように混合した。混合された原料を白金ルツボに入れ、1100〜1200℃の電気炉中で1時間加熱して溶融させた。そして、得られた溶融ガラスを、真鍮板プレス法によって急冷し、ガラスカレットを作製した。
[ガラスの評価]
ガラスの軟化点は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定された第2吸熱ピークの値とした。ガラス転移点および線熱膨張係数は、カレットを再溶融して4mm×4mm×20mmのロッドを形成し、熱機械分析計を用いて測定した。比誘電率は、カレットを再溶融して50mm×50mm×厚さ3mmの板を形成し、その表面に電極を蒸着してLCRメータを用いて周波数1MHzにて測定した。ガラス安定性は、耐水性の評価、示差熱分析計によるエンタルピー変化の測定、および、X線回折法と光学顕微鏡とによる結晶の有無の観察、によって評価した。また、実施例および比較例のガラスの安定性も評価した。
ガラスの軟化点は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定された第2吸熱ピークの値とした。ガラス転移点および線熱膨張係数は、カレットを再溶融して4mm×4mm×20mmのロッドを形成し、熱機械分析計を用いて測定した。比誘電率は、カレットを再溶融して50mm×50mm×厚さ3mmの板を形成し、その表面に電極を蒸着してLCRメータを用いて周波数1MHzにて測定した。ガラス安定性は、耐水性の評価、示差熱分析計によるエンタルピー変化の測定、および、X線回折法と光学顕微鏡とによる結晶の有無の観察、によって評価した。また、実施例および比較例のガラスの安定性も評価した。
評価結果、および総合評価を表1〜3に示す。なお、ガラス安定性に関する評価における「AA」、「A」、「B」、「C」の定義は、以下の通りである。
AA:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化は確認されず、またX線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
A:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認されたものの、X線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
B:ガラス化したものの、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認され、X線回折法では結晶に基づく回折ピークは観測されないものの、光学顕微鏡により結晶が確認されたもの;
C:ガラス作製時にガラス化しなかったもの。
AA:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化は確認されず、またX線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
A:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認されたものの、X線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
B:ガラス化したものの、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認され、X線回折法では結晶に基づく回折ピークは観測されないものの、光学顕微鏡により結晶が確認されたもの;
C:ガラス作製時にガラス化しなかったもの。
また、表1〜3において、総合評価は、軟化点が600℃未満、より好ましくは595℃未満であること、比誘電率は11以下であること、線熱膨張係数は60×10−7〜85×10−7/℃、より好ましくは65×10−7〜85×10−7/℃の範囲にあること、を目標基準とし、更にガラスとしての安定性を考慮して総合的に評価した。
なお、総合的な評価についての「AA」、「A」、「B」、「C」の定義は、以下の通りである。
AA:ガラスとして安定であり、かつ各物性値がより好ましい目標値の範囲内であり、各物性のバランスも取れている;
A:ガラスとして安定であり、各物性値は目標物性範囲内であるが、各物性値の少なくとも一つはより好ましい目標値の範囲外である;
B:ガラスとしては安定であるが、各物性値の少なくとも一つは目標値の範囲外である;
C:ガラス化せず、ガラス材料として無効である。
AA:ガラスとして安定であり、かつ各物性値がより好ましい目標値の範囲内であり、各物性のバランスも取れている;
A:ガラスとして安定であり、各物性値は目標物性範囲内であるが、各物性値の少なくとも一つはより好ましい目標値の範囲外である;
B:ガラスとしては安定であるが、各物性値の少なくとも一つは目標値の範囲外である;
C:ガラス化せず、ガラス材料として無効である。
表1および表2から明らかなように、実施例1〜24の各試料は、いずれも30〜300℃の温度範囲において60〜85×10−7/℃の線熱膨張係数を有し、軟化点が600℃以下であり、比誘電率は11以下であり、ガラスとしての安定性も良好であった。
特に、実施例3、5〜9、11、12、14〜16の無鉛ガラスは、上記諸物性のバランスが取れているとともに、ガラスとしての安定性も最も良好であり、優れた特性を示した。
それに対して、表3に示す比較例25〜40のガラスは、実施例の各試料に比べて比誘電率が高い、熱膨張係数が目標範囲にない、ガラスが不安定である、といった問題を有していた。そのため、比較例のガラスは、誘電体層を形成するガラスとして好ましくない。
[PDPの作製および評価]
以下では、PDPを作製して評価した結果を示す。
以下では、PDPを作製して評価した結果を示す。
[無鉛ガラス粉末の作製]
諸物性およびガラス安定性に優れる上記実施例3、5〜9、11、12、14〜16のガラスと同様の組成となるように原料を混合した。次に、混合された原料を、1100〜1200℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融した。その後、ツインローラー法によってガラスカレットを作製し、ボールミルによってガラスカレットを粉砕して粉末を作製した。
諸物性およびガラス安定性に優れる上記実施例3、5〜9、11、12、14〜16のガラスと同様の組成となるように原料を混合した。次に、混合された原料を、1100〜1200℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融した。その後、ツインローラー法によってガラスカレットを作製し、ボールミルによってガラスカレットを粉砕して粉末を作製した。
また、比較例として、本発明の無鉛ガラスではないガラスの粉末(比較例51〜53)および、誘電体材料として一般的に用いられている有鉛ガラスの粉末(比較例101)を用意した。
作製した実施例および比較例のガラス粉末の平均粒径は、1.5〜2.5μmの範囲にあった。これらのガラス粉末の組成および平均粒径を表4に示す。
[ガラスペーストの調製]
樹脂であるエチルセルロースと溶剤であるα−ターピネオールとを、その重量比が5:30となるように混合して攪拌し、有機成分を含む溶液を調製した。ついで、この溶液と表4に示す実施例のガラス粉末(実施例3、5〜9、11、12、14〜16)とを、重量比65:35で混合し、3本ローラーで混合および分散させてガラスペーストを調製した。同様に、上記溶液と比較例のガラス粉末(比較例51、52、53、101)を用いてガラスペーストを調製した。
樹脂であるエチルセルロースと溶剤であるα−ターピネオールとを、その重量比が5:30となるように混合して攪拌し、有機成分を含む溶液を調製した。ついで、この溶液と表4に示す実施例のガラス粉末(実施例3、5〜9、11、12、14〜16)とを、重量比65:35で混合し、3本ローラーで混合および分散させてガラスペーストを調製した。同様に、上記溶液と比較例のガラス粉末(比較例51、52、53、101)を用いてガラスペーストを調製した。
[PDPの作製]
厚さ約2.6mmの平坦なソーダライムガラス板(前面ガラス基板)の表面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
厚さ約2.6mmの平坦なソーダライムガラス板(前面ガラス基板)の表面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
表示電極を作製したフロントパネルに、上述したガラスペーストをブレードコーター法によって塗布した。その後、上記前面ガラス基板を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、570〜590℃の温度で10分間焼成することによって誘電体層を形成した。
次に、誘電体層上に、酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって蒸着したのち、焼成することによって保護層を形成した。
一方、以下の方法で背面板を作製した。まず、ソーダライムガラスからなる背面ガラス基板上に、銀を主体とするアドレス電極を、スクリーン印刷によってストライプ状に形成した。次に、誘電体層を形成した。次に、誘電体層上であって、隣り合うアドレス電極の間に、隔壁を形成した。隔壁は、スクリーン印刷と焼成とを繰り返すことによって形成した。
次に、隔壁の壁面と、隔壁間の誘電体層の表面とに、赤(R)、緑(G)、および青(B)の蛍光体ペーストを塗布し、乾燥・焼成して蛍光体層を作製した。
次に、作製した前面板と背面板とを、封着ガラスを用いて貼り合わせた。そして、放電空間の内部を高真空(1×10−4Pa程度)に排気したのち、所定の圧力となるようにNe−Xe系放電ガスを封入した。このようにして、PDPを作製した。
[PDPの評価]
作製したPDPについて、放電バラツキ(放電遅れ時間のバラツキ)の相対的な大きさを評価した。具体的には、比較例101の有鉛ガラス粉末を用いたPDPの放電バラツキを100%として、各PDPの放電バラツキを評価した。評価結果を表4に示す。また、ZnOの含有量と放電バラツキの相対的な大きさとの関係を図3に示す。
作製したPDPについて、放電バラツキ(放電遅れ時間のバラツキ)の相対的な大きさを評価した。具体的には、比較例101の有鉛ガラス粉末を用いたPDPの放電バラツキを100%として、各PDPの放電バラツキを評価した。評価結果を表4に示す。また、ZnOの含有量と放電バラツキの相対的な大きさとの関係を図3に示す。
図3に示すように、無鉛ガラスにおけるZnOの含有量が増加するに伴い、放電バラツキが低減した。ZnOの含有量が26重量%程度以上となると放電バラツキが大きく低下し、32重量%程度以上となると放電バラツキが低い値で安定した。
以上の結果から明らかなように、本発明のPDPは、従来のPDP(比較例のPDP)に比べて放電バラツキが小さかった。そのため、本発明のPDPでは、アドレス期間において放電遅れが発生したとしても、アドレスパルスの印加タイミングを放電遅れ時間に合わせて遅延させたり、パルス幅を調整したりすることによって、確実にアドレッシングを行うことが可能となる。そのため、本発明によれば、良好な画像表示性能を有するPDPが得られる。
[保護層の評価]
表4および図3で示したサンプルについて、カソードルミネッセンス法による評価を行った。カソードルミネッセンス法(CL)とは、試料に電子線を照射し、そのエネルギーの緩和の過程で生じる発光スペクトルを検出し、発光スペクトルから試料中の欠陥の存在とその構造の情報を得る分析法である。具体的には、各サンプルについてカソードルミネッセンスを測定し、その結果に基づいて、保護層の特性との関連が大きい発光スペクトルと、放電バラツキとの関係を検討した。
表4および図3で示したサンプルについて、カソードルミネッセンス法による評価を行った。カソードルミネッセンス法(CL)とは、試料に電子線を照射し、そのエネルギーの緩和の過程で生じる発光スペクトルを検出し、発光スペクトルから試料中の欠陥の存在とその構造の情報を得る分析法である。具体的には、各サンプルについてカソードルミネッセンスを測定し、その結果に基づいて、保護層の特性との関連が大きい発光スペクトルと、放電バラツキとの関係を検討した。
各試料のスペクトルには、3つのピーク(それぞれ発光波長約410nm、約510nm、約740nm)が観察された。それらの各ピークの波長は、保護層のバンドギャップ内に存在する欠陥順位のエネルギーと相関を有する。したがって、発光波長約740nmのピークが大きいほど、保護層から放出される放電に寄与する電子の数が多く、そのため、放電遅れを抑制でき、かつ放電バラツキを抑える効果が期待できる。発光波長約410nmのピーク強度に対する発光波長約740nmのピークの相対強度を表4に示す。また、その結果をZnOの含有量に対してプロットした結果を図4に示す。
表4に示すように、実施例のガラスを用いたPDPは、比較例のガラスを用いたPDPよりも相対強度が高かった。また、図4に示すように、発光波長約410nmのピーク強度に対する発光波長約740nmのピークの相対強度は、ZnO含有量の増加に伴って上昇した。特に、ZnOの含有量が26重量%程度以上となると相対強度が大きく上昇し、32重量%程度以上となると相対強度は安定して緩やかに上昇した。このように、放電遅れを抑制するためには、ZnOの含有量を26重量%以上とすることが好ましく、32重量%以上とすることがより好ましい。
本発明は、プラズマディスプレイパネルに適用できる。
本発明は、プラズマディスプレイパネルに関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という場合がある。)、FED、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイは、薄型軽量化を実現できるディスプレイとして注目されている。
これらのフラットパネルディスプレイは、ガラス基板とその上に配置された構成要素とを含む前面板と背面板とを備える。そして、前面板および背面板は互いに対向するように配置され、それらの外周部はガラスによって封止されている。
前面板は前面ガラス基板を含み、その表面上にストライプ状の表示電極が形成され、さらに、その上に誘電体層および保護層が形成されている。また、背面板は背面ガラス基板を含み、その表面上にストライプ状にアドレス電極が形成され、その上に誘電体層が形成され、さらに、隣り合うアドレス電極同士の間に隔壁が形成され、形成された隣り合う隔壁間に蛍光体層が形成されている。
前面板と背面板とは、表示電極とアドレス電極とが直交するように配置される。前面板と背面板との間に形成される密閉空間には、放電ガスが充填される。
なお、表示電極は2本で1対の電極を構成しており、以下の説明では、その一方をX電極といい、他方をY電極という場合がある。それらの一対の表示電極と1本のアドレス電極とが、放電空間を挟んで立体的に交差する領域が、画像表示に寄与するセルとなる。
以下、PDPの誘電体層について具体的に説明する。PDPの誘電体層には、(1)それが電極上に形成されることから高い絶縁性を有すること、(2)消費電力を抑えるために低い誘電率を有すること、(3)剥れやクラックが入らないようにガラス基板との熱膨張係数がマッチングしていること、が求められる。さらに、前面ガラス基板に形成される誘電体層を構成するガラスは、蛍光体から発せられた光を表示光として効率よく利用するために、通常、可視光の透過率の高い非晶質ガラスであることが要求される。
誘電体層は、通常、ガラス粉末、樹脂、溶剤、場合によって無機充填剤や無機顔料を含むガラスペーストを、スクリーン印刷等でガラス基板上に塗布し、乾燥、焼成することによって形成される。一方、PDPに使用されるガラス基板としては、価格や入手容易性の観点から、ソーダライムガラスが一般的に使用されている。そのため、ガラスペーストの焼成は、ガラス基板の変形が生じない600℃以下で行われている。
PDPの誘電体層を形成する際には、その材料を基板上で焼成する必要がある。しかし、ガラス基板が変形を起こさない温度で焼成を行わなければならないため、比較的低融点のガラスで誘電体層を形成する必要がある。そのため、現在は、PbOを主原料とするPbO−SiO2系ガラスが主に使用されている。
そのような中、環境問題への配慮から、鉛を含まない誘電体層の開発が進められており、たとえば、Bi2O3−B2O3−ZnO系ガラスが提案されている(例えば、特開2003−128430号公報および特開2002−308645号公報)。また、鉛を含まず且つ電極との反応性が低い材料として、Bi2O3−B2O3系低融点ガラスが提案されている(例えば特開2002−53342号公報)。また、誘電体層の着色を防止するために、BaOとB2O3とSiO2とを含むガラスが提案されている(例えば特開2001−48577号公報)。
以下に、PDPの保護層について具体的に説明する。保護層は、放電時のイオン衝撃性から誘電体層を保護するとともに低い放電開始電圧で放電を発生させる目的で形成される。その目的を達成するために、保護層は、現在、酸化マグネシウム(MgO)を主成分とする材料で形成されている。酸化マグネシウムは、スパッタリングに対する耐性が高く、二次電子放出係数が大きいという利点を有する。
そのような状況において、従来のPDPでは“放電遅れ”と呼ばれる問題があった。これは、アドレス期間において、アドレス放電のためのパルスが電極に印加されてから実際に放電が発生するまでに時間のずれが生じる現象である。放電遅れが大きいとアドレスパルス印加終了時点でもアドレス放電が生じない確率が高くなり、書き込み不良が生じやすくなる。この放電遅れは、高速駆動になるほど発生しやすい。このような放電遅れに関する対策としては、保護層に所定量の水素を添加する方法が開示されている(例えば特開2002−33053号公報)。
上述したように、鉛を含まないガラスを用いた誘電体層については従来から提案されてきたが、そのような誘電体層を用いたPDPの特性の向上がさらに求められている。
このような状況において、本発明の目的の1つは、実質的に鉛を含まないガラスによって形成された誘電体層を備え、特性が良好なPDPを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイパネルは、表示電極とアドレス電極とを含むプラズマディスプレイパネルであって、前記表示電極および前記アドレス電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層を含み、前記誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とする。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
ここで、「主要構成要素」とは、誘電体層に占める含有量が50重量%以上であることを意味する。
本発明によれば、実質的に鉛を含まないガラスによって形成された誘電体層を備え、特性が良好なPDPが得られる。特に、誘電体層上にMgOを主成分とする保護層が形成されている場合には、保護層の特性が向上し、放電遅れの発生や放電遅れの時間のバラツキが抑制される。また、仮に放電遅れが発生した場合においても、各セルにおける放電遅れ時間のバラツキが従来よりも抑えられ、放電遅れ時間が平均化される。このように放電遅れ時間のバラツキが少ない場合、例えばアドレス期間におけるパルス印加のタイミングをパネル全体で所定時間遅らせるなどの対策を探ることによって、放電遅れによる書き込み不良の発生を飛躍的に防止することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明は本発明の一例であり、本発明はこれらによって限定されるものではない。本発明のPDPは、誘電体層(たとえば誘電体層および保護層)に特徴があり、それ以外の部材には、公知のPDPの部材を適用できる。
本発明のPDPは、表示電極とアドレス電極とを含む。このPDPは、さらに、表示電極およびアドレス電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層を含む。その誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とする。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
上記ガラスは、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスである。ただし、この無鉛ガラスは、除去することが工業的に難しい微量の鉛を含んでもよい。無鉛ガラス中の鉛の含有率は、0.1重量%以下であり、好ましくは0.05重量%以下であり、より好ましくは0.01重量%以下である。
換言すれば、誘電体層の主要構成要素となるガラスは、以下の組成を有し、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスである。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
本発明のPDPは、誘電体層を覆うように形成された保護層を備えてもよく、その保護層がMgOを主成分(ここでは、含有量が70重量%以上)として含んでもよい。保護層におけるMgOの含有量は、通常、90重量%以上である。一例の保護層は、MgOのみからなる。
本発明のPDPでは、誘電体層を構成するガラスのZnOの含有量が26重量%以上である。Znのイオン半径は、Mgのイオン半径に近い。そのため、MgOを主成分とする保護層を用いる場合、ZnOを一定量以上含む誘電体層を用いることによって、誘電体層と保護層との界面での整合性を向上できる。その結果、保護層の均質性や構造安定性が増加し、PDPの特性が向上すると考えられる。また、ZnOの含有量は、安定したガラスが得られる含有量の最大値を上限としている。なお、ZnOの代わりにアルカリ土類金属を用いても同等の効果が見込まれるが、その場合には、誘電体としてのガラス安定性が劣るという問題がある。
上記無鉛ガラスの30〜300℃における線熱膨張係数は、60×10-7〜85×10-7/℃の範囲にあることが好ましい。この構成によれば、ガラス基板との熱膨張率の差を小さくすることができるので、誘電体の割れやクラックの発生を抑制することができる。
また、上記誘電体層は、上記無鉛ガラスの粉末と溶剤と樹脂とを含むガラスペーストを、上記少なくとも1つの電極を覆うように塗布したのち焼成することによって形成された誘電体層であってもよい。ガラスペーストを用いることによって、無鉛ガラスを主要構成要素とする誘電体層を、任意の場所に任意の形状で形成できる。
[プラズマディスプレイパネル]
本発明のプラズマディスプレイパネルの一例の概略図を図1に示す。
本発明のプラズマディスプレイパネルの一例の概略図を図1に示す。
図1のPDP100は、交流型(AC型)のPDPであり、互いに主面が対向するように配置された前面板90および背面板91を含む。
前面板90は、前面ガラス基板101と、表示電極102と、誘電体層106と、保護層107とを含む。前面ガラス基板101は、前面板90のベースとなる部材であり、前面ガラス基板101上には表示電極102が形成されている。
表示電極102は、透明電極103と、黒色電極膜104と、バス電極105とを含む。透明電極103は、ITOなどの透明導電膜で形成できる。黒色電極膜104は、酸化ルテニウムを主成分とする黒色の膜であり、ガラス裏面側から見た場合の外光の反射を防止する。バス電極105は、銀を主成分とし高い導電性を有する電極であり、表示電極102の抵抗値を下げる。バス電極105の一端には、駆動回路に接続するための端子部108が形成されている。隣接する2つの表示電極102は、一組の電極を構成している。以下、一組の表示電極102の一方を「X電極102a」と記載し、他方を「Y電極102b」と記載する場合がある。
表示電極102は、誘電体層106で覆われている。また、誘電体層106は、保護層107で覆われている。誘電体層106は、後述する無鉛ガラスで形成されている。保護層107は、MgOを主成分として含む。
背面板91は、背面ガラス基板111と、アドレス電極112と、誘電体層113と、隔壁114と、隣接する2つの隔壁114の間に形成された蛍光体層115とを含む。隣接する2つの隔壁114の間の領域が、放電空間116である。
アドレス電極112は、誘電体層113で覆われている。誘電体層113は、誘電体層106と同様に後述する無鉛ガラスで形成できるが、他のガラスで形成してもよい。
蛍光体層115を構成する蛍光体に限定はなく、公知の蛍光体を用いることができる。たとえば、青色蛍光体として、BaMgAl10O17:Euを用いてもよい。また、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mnを用いてもよい。また、赤色蛍光体として、Y2O3:Euを用いてもよい。
前面板90および背面板91は、図1に示すように重ね合わされ、その周縁部に配置された封着ガラス190によって固定および封止される。
放電空間116には、放電ガス(封入ガス)が封入される。たとえば、放電空間116には、He、Xe、Neといった希ガスが66.5〜79.8kPa(500〜600Torr)程度の圧力で封入される。
隣り合う一対の表示電極102(X電極102aおよびY電極102b)と1本のアドレス電極112とは放電空間116を挟んで交差しており、それらが交差する領域が画像表示に寄与するセルとなる。
PDP100における画像表示の方法について説明する。まず、点灯させようとするセルを横切るX電極102aとアドレス電極112との間に電圧が印加されてアドレス放電がなされる。次に、そのセルを横切るX電極102aおよびY電極102bにパルス電圧が印加されることによって維持放電が生じる。放電空間116では、この維持放電によって紫外線が発生する。発生した紫外線は、蛍光体層115によって可視光に変換される。このようにして、セルが点灯し、画像が表示される。
[プラズマディスプレイパネルの駆動方法]
以下に、PDP100の駆動方法の一例を説明する。PDP100では、駆動部(図示せず)によって、一対の表示電極(X電極102aおよびY電極102b)の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。この電圧印加によってセル内で放電が発生し、励起されたXe原子からの紫外線によって蛍光体層115が励起され可視光が生じる。
以下に、PDP100の駆動方法の一例を説明する。PDP100では、駆動部(図示せず)によって、一対の表示電極(X電極102aおよびY電極102b)の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。この電圧印加によってセル内で放電が発生し、励起されたXe原子からの紫外線によって蛍光体層115が励起され可視光が生じる。
PDPの駆動方法に限定はなく、たとえば、サブフィールドを時間的に分割して階調表示を行う表示方式を適用してもよい。この方式では、表示するフィールドを複数のサブフィールドに分け、各サブフィールドを更に複数の期間に分ける。各サブフィールドの初期化期間では、壁電荷を蓄積させるためのアドレス放電が画面全体において行われる。次の放電維持期間では、すべての放電セルに対して交流電圧(サステイン電圧)が印加される。これによって、一定時間放電が維持され、発光表示が行われる。
この駆動時において、駆動部では各セルでの発光をON/OFFの2値制御によって階調表現するために、外部からの入力画像である時系列の各フィールドを、例えば6個のサブフィールドに分割する。各サブフィールドにおける輝度の相対比率が例えば1:2:4:8:16:32となるように重み付けをして、各サブフィールドのサステイン(維持放電)の発光回数が設定される。
PDP100の駆動波形の一例を図2に示す。図2は、フィールド中の第m番目のサブフィールドの駆動波形を示している。図2が示すように、各サブフィールドには、初期化期間、アドレス期間、放電維持期間、消去期間がそれぞれ割り当てられる。
初期化期間とは、それ以前のセルの点灯による影響(蓄積された壁電荷による影響)を防ぐため、画面全体の壁電荷を消去し、一様に壁電荷を蓄積する期間である。図2に示す波形では、すべての表示電極102(X電極102aおよびY電極102b)に放電開始電圧Vfを超えるリセット波形を印加する。すべてのセルで初期化放電(弱い面放電)が生じ、すべてのセルにおいて壁電荷が蓄積され、画面全体が一様な帯電状態となる。
アドレス期間は、サブフィールドに分割された画像信号に基づいて選択されたセルのアドレッシング(点灯/不点灯の設定)を行う期間である。アドレス期間では、スキャン電極(X電極102a)を設置電位に対して正電位にバイアスし、この状態で、パネル最上部のライン(一対の表示電極に対応する横一列のセル群)から1ラインずつ順に各ラインを選択し、該当するスキャン電極(X電極102a)に負極性のスキャンパルスを印加する。また、点灯すべきセルに対応したアドレス電極112に対して、正極性のアドレスパルスを印加する。このような電圧印加によって、点灯すべきセルのみでアドレス放電が行われ、壁電荷が蓄積される。
放電維持期間は、アドレス放電によって生じた点灯状態を拡大して放電を維持する期間であり、放電の維持によって、階調順位に応じた輝度が確保される。この期間では、不要な放電を防止するために、すべてのアドレス電極112を正極性の電位にバイアスし、すべてのサステイン電極(Y電極102b)に正極性のサステインパルスを印加する。その後、スキャン電極(X電極102a)とサステイン電極(Y電極102b)とに対して交互にサステインパルスを印加することによって、所定の期間、放電を繰り返す。
消去期間では、スキャン電極(X電極102a)に漸減パルスを印加し、これによって壁電荷を消去させる。
PDP100の一例では、サブフィールドで行われる各放電によって、Xeに起因する147nmに鋭いピークを有する共鳴線と、173nmを中心とする分子線からなる真空紫外線とが発生する。この真空紫外線が各蛍光体層115に照射され、可視光が発生する。そして、RGBごとのサブフィールド単位の組み合わせによって、多色で多階調の表示がなされる。
[無鉛ガラス]
誘電体層106は、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスを主要構成要素とする。その無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
誘電体層106は、実質的に鉛を含まない無鉛ガラスを主要構成要素とする。その無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。]
誘電体層106に占める上記無鉛ガラスの量は、50重量%以上(たとえば80重量%以上や90重量%以上や95重量%以上)である。誘電体層106は、実質的に上記無鉛ガラスからなるものであってもよいし、上記無鉛ガラスのみからなるものであってもよい。誘電体層106を構成するガラス成分は上記無鉛ガラスであり、誘電体層106は実質的に鉛を含まない。なお、誘電体層106が複数の層からなる場合、本発明の効果が得られる限り、それらのうちの少なくとも1つの層が上記無鉛ガラスを主要構成要素とするものであればよい。この場合、保護層に隣接する層、すなわち誘電体層の最表面層が、上記無鉛ガラスを主要構成要素として含むことが好ましい。
以下、本発明で用いられる上記無鉛ガラスの各成分について説明する。
SiO2は、ガラスの安定化に効果があり、その含有量は15重量%以下である。SiO2の含有量が15重量%を超えると軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。SiO2の含有量は、好ましくは10重量%以下である。更に、焼成後における気泡の残留を低減するためには焼成時のガラス粘度を低くすることが好ましく、そのために、SiO2の含有量を1重量%以下とすることが好ましい。
B2O3は本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、その含有量は10〜50重量%である。B2O3の含有量が50重量%を超えると、ガラスの耐久性が低下し、また、ガラスの熱膨張係数が小さくなると共に軟化点が高くなる。その結果、所定の温度での焼成が困難となる。また、その含有量が10重量%未満であると、ガラスが不安定になって失透し易くなる。B2O3の好ましい含有量は、15〜50重量%である。
ZnOは、本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、ガラスを安定化させる効果がある。ZnOの含有量は26〜50重量%である。ZnOの含有量が50重量%を超えると、ガラスが結晶化し易くなるため、安定なガラスが得られなくなる。また、その含有量が26重量%未満だと、ガラスの軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難になると共に、ガラスが失透しやすくなる。また、その含有量が26重量%未満だと、保護層の特性の向上効果が発現しにくくなる。ZnOの好ましい含有量は32〜50重量%である。
Al2O3はガラスの安定化に効果があり、その含有量は10重量%以下である。10重量%を超えると失透する恐れがあり、また軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。Al2O3の含有量は8重量%以下であることが好ましく、また、0.01重量%以上であることが好ましい。Al2O3の含有量を0.01重量%以上とすることによって、より安定なガラスが得られる。
Bi2O3は、本発明の無鉛ガラスの必須成分であり、軟化点を下げ、熱膨張係数を上げる効果がある。その含有量は2〜30重量%である。Bi2O3の含有量が30重量%を超えると熱膨張係数が大きくなる。また、その含有量が30重量%を超えると、誘電体層の誘電率が大きくなりすぎて消費電力を上昇させてしまう。また、その含有量が2重量%未満だと、軟化点が高くなって所定の温度での焼成が困難となる。
CaO、SrOおよびBaOは、耐水性の向上、ガラスの分相の抑制、熱膨張係数の相対的な向上、といった効果を有する。これらのアルカリ土類金属酸化物の含有量の合計は、5〜38重量%である。CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計が38重量%を超えると失透する恐れがあり、また熱膨張係数が大きくなりすぎる。また、それらの合計が5重量%未満の場合は、上記効果が得られにくくなる。そのため、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計は、5〜38重量%の範囲である。CaOの含有量は0〜38重量%の範囲である。SrOの含有量は0〜38重量%の範囲である。BaOの含有量は0〜38重量%の範囲である。
ZnOとBi2O3の含有量の合計(ZnO+Bi2O3)は、35〜65重量%であることが好ましい。軟化点が低く、600℃以下の温度において電極と反応せず、透過率の優れた誘電体層を作製するためには、(ZnO+Bi2O3)の含有量を35重量%以上とすることが好ましい。ただし、それらの合計が65重量%を超えるとガラスが結晶化しやすくなる場合がある。
また、ZnOの含有量と、SiO2とAl2O3の含有量の合計(SiO2+Al2O3)との比である[ZnO/(SiO2+Al2O3)]の値は、3以上であることが好ましい。ZnOは、SiO2およびAl2O3に比べて軟化点を低下させる働きが高い。そのため、上記の比を3以上とすることによって、軟化点が低く、600℃以下の温度において電極と反応せず、透過率が高い誘電体層を作製することが可能となる。
さらに、Bi2O3の含有量と、B2O3とZnOの含有量の合計(B2O3+ZnO)との比である[Bi2O3/(B2O3+ZnO)]の値は、0.5以下であることが好ましい。Bi2O3は、B2O3およびZnOに比べて誘電率の増大をもたらすため、上記範囲とすることによって、誘電率が低い誘電体層を形成でき、消費電力の低減が可能となる。
[無鉛ガラスの一例]
上記無鉛ガラスの一例では、Bi2O3の含有量は26重量%以下(たとえば13重量%以下)であってもよい。Bi2O3の含有量を26重量%以下とすることによって、誘電体層の誘電率を低減できる。この一例の無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜26重量%(たとえば2〜13重量%)
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
上記無鉛ガラスの一例では、Bi2O3の含有量は26重量%以下(たとえば13重量%以下)であってもよい。Bi2O3の含有量を26重量%以下とすることによって、誘電体層の誘電率を低減できる。この一例の無鉛ガラスは、以下の組成を有する。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜26重量%(たとえば2〜13重量%)
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
本発明の無鉛ガラスは上記成分を含み、典型的には上記成分のみからなるが、本発明の効果が得られる限り、他の成分を含有してもよい。該他の成分の含有量の合計は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。該他の成分としては、たとえば、軟化点および熱膨張係数の調整、ガラスの安定化やガラスの化学的耐久性の向上といった目的で添加する成分が挙げられる。具体的には、他の成分として、MgO、X2O[X2OはLi2O、Na2O、K2O、Rb2O、Cs2O]、TiO2、ZrO2、La2O3、Nb2O5、MoO3、WO3、TeO2、Ag2Oなどが挙げられる。
上記無鉛ガラスは、PDPの誘電体層の材料として好適に使用できる。PDPに使用されるガラス基板としては、一般に入手が容易な窓用板ガラスであるソーダライムガラスや、PDP用に開発された高歪点ガラスが挙げられる。それらのガラスは、通常、600℃までの耐熱性を有し、75×10-7〜85×10-7/℃の線熱膨脹係数を有している。
PDPの誘電体層は、ガラス基板にガラスペーストを塗布した後、焼成することによって形成される。この焼成は、ガラス基板の変形を防止するために、600℃以下で行う必要がある。また、ガラス基板の反りを防止するために、および誘電体層の剥がれやクラックを防止するために、誘電体層を構成するガラス組成物の線熱膨脹係数は、ガラス基板の線熱膨張係数よりも0〜25×10-7/℃程度小さいことが好ましい。また、誘電体層の誘電率が高いと、電極に流れる電流が大きくなってPDPの消費電力が大きくなるという問題がある。
このため、PDPの誘電体層を構成する無鉛ガラスは、前述した組成を有し、軟化点が600℃以下であり、線熱膨脹係数が60×10-7〜85×10-7/℃であり、比誘電率が11以下であることが好ましい。歪などによる剥がれやクラックを抑制して90%以上の製造歩留まりを達成するために、無鉛ガラスの線熱膨張係数は65×10-7〜85×10-7/℃であることがより好ましい。
上述した無鉛ガラスを用いてPDPの前面板の誘電体層を形成する場合、光学特性を損ねることなくガラス強度の向上や熱膨張係数の調整を行うために、無機充填剤や無機顔料を無鉛ガラスに添加してもよい。無機充填剤や無機顔料としては、たとえば、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、ジルコン、コーディエライト、石英などが挙げられる。
また、上述した無鉛ガラスを用いて、PDPの背面板上に形成した電極を被覆してもよい。この場合においても、反射特性などの光学特性を向上させると共にガラス強度の向上や熱膨張係数の調整を目的として、無機充填剤や無機顔料を無鉛ガラスに添加してもよい。無機充填剤や無機顔料としては、たとえば、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、ジルコン、コーディエライト、石英などが挙げられる。
上述した無鉛ガラスをガラス成分として含む誘電体層を用いることによって、保護層から放出され放電に寄与する電子の数を増加させることができる。その結果、放電遅れを抑制でき、また、放電遅れの時間のバラツキを抑制できる。本発明によれば放電のバラツキが抑制される。そのため、例えば、アドレス期間におけるパルス印加のタイミングをパネル全体で所定時間遅らせるなどの処置を行うことによって、放電遅れによる書き込み不良の発生を効率よく防止できる。
したがって、本発明のPDP100では確実なアドレッシングが可能であり、アドレス期間における印加パルス幅を多少小さくしても、良好な確率でアドレッシングを行うことができる。これにより、従来のようにデュアルスキャン方式を採用しなくても良好な駆動が可能であり、いわゆるシングルスキャン方式などの駆動方式で良好な駆動を行うことが可能である。シングルスキャン方式では、ドライバICの数を半減できる。このように、本発明によれば、駆動部の構成を簡単化することができ、低コストで生産が可能なPDPを実現できる。
なお、シングルスキャン方式では、その駆動方法の性質上、アドレス期間に割り当てられている時間が比較的短い。けれども、本発明によって放電遅れの時間を予め予測しておくことによって、短いアドレス期間においても確実にパルス印加を行うためのタイミングを選択できる。
[ガラスペースト]
上述した無鉛ガラスは、通常は、粉末の状態で使用される。無鉛ガラスの粉末に、バインダーや溶剤などを添加することによってガラスペーストが得られる。ガラスペーストは、これらの成分以外の成分を含んでもよく、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料といった添加剤を含んでもよい。
上述した無鉛ガラスは、通常は、粉末の状態で使用される。無鉛ガラスの粉末に、バインダーや溶剤などを添加することによってガラスペーストが得られる。ガラスペーストは、これらの成分以外の成分を含んでもよく、例えば、界面活性剤、現像促進剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料といった添加剤を含んでもよい。
無鉛ガラスの粉末を含むガラスペーストを、電極上に塗布して焼成することによって、電極を覆う誘電体層を形成できる。保護層は、公知の方法、たとえば、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法といった方法で誘電体層上に形成できる。
本発明のガラスペーストに含まれる樹脂(バインダー)は、低融点の無鉛ガラス粉末との反応性が低いものであればよい。化学的安定性、コスト、安全性などの観点から、たとえば、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、カーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等が望ましい。
本発明のガラスペースト中の溶剤は、低融点ガラス粉末との反応性が低いものであればよい。溶剤は、化学的安定性、コスト、安全性、および、バインダー樹脂との相溶性を考慮して選択することが好ましい。溶剤には、たとえば、酢酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類を用いてもよい。また、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類を用いてもよい。また、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類を用いてもよい。また、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類を用いてもよい。また、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸のエステル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、ブタン酸メチル(酪酸メチル)、ブタン酸エチル(酪酸エチル)、ブタン酸プロピル(酪酸プロピル)、ブタン酸イソプロピル(酪酸イソプロピル)等の脂肪族カルボン酸のエステル類を用いてもよい。また、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート類;テルピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類を用いてもよい。また、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を用いてもよい。また、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類を用いてもよい。また、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレートアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル等のエステル類を用いてもよい。また、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤を用いてもよい。これらの溶剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
ガラスペーストにおける溶剤の含有率は、ペーストの可塑性又は流動性(粘度)が、成形処理又は塗布処理に適したものとなる範囲で調整される。
[PDPの製造方法]
以下に、PDP100の製造方法の一例について説明する。まず、前面板90の作製方法について説明する。
以下に、PDP100の製造方法の一例について説明する。まず、前面板90の作製方法について説明する。
平坦な前面ガラス基板101の一主面に、複数のライン状の透明電極103および黒色電極膜104を形成する。次に、黒色電極膜104上に銀ペーストを塗布した後、前面ガラス基板101全体を加熱することによって、銀ペーストを焼成し、バス電極105を形成する。このようにして表示電極102を形成する。
次に、表示電極102を覆うように、前面ガラス基板101の上記主面に、上述したガラスペーストをブレードコーター法によって塗布する。その後、前面ガラス基板101全体を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、次いで、560〜590℃の範囲の温度で10分間焼成を行う。このようにして誘電体層106を形成する。
次に、誘電体層106上に酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって成膜し、焼成を行い、保護層107を形成する。
このようにして、前面板90を作製する。以下に、背面板91の作製方法について説明する。
平坦な背面ガラス基板111の一主面に、銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、背面ガラス基板111全体を加熱して銀ペーストを焼成することによって、アドレス電極112を形成する。
次に、隣り合うアドレス電極112の間にガラスペーストを塗布し、背面ガラス基板111全体を加熱してガラスペーストを焼成することによって、隔壁114を形成する。隔壁114は、上述したガラスペーストで形成してもよいし、他のガラスペーストで形成してもよい。
次に、隣接する2つの隔壁114の間に、各色(R、G、B)の蛍光体インクを塗布する。次に、背面ガラス基板111を約500℃に加熱して上記蛍光体インクを焼成することによって、蛍光体インク内の樹脂成分(バインダー)等を除去して蛍光体層115を形成する。
次に、前面板90と背面板91とを封着ガラスを用いて貼り合わせる。その後、封止された空間の内部を高真空に排気したのち、希ガスを封入する。
このようにして、PDP100が得られる。なお、上述したPDPおよびその製造方法は一例であり、本発明はこれに限定されない。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
[無鉛ガラスの作製および評価]
本発明の無鉛ガラスおよび比較例の無鉛ガラスを作製した。表1および2に本発明の無鉛ガラス(実施例1〜24)の組成を示し、表3に比較例の無鉛ガラス(比較例25〜40)の組成を示す。
本発明の無鉛ガラスおよび比較例の無鉛ガラスを作製した。表1および2に本発明の無鉛ガラス(実施例1〜24)の組成を示し、表3に比較例の無鉛ガラス(比較例25〜40)の組成を示す。
表1,2,3では、組成を重量百分率で示している。ガラスの原料は、表1〜3に示す組成となるように混合した。混合された原料を白金ルツボに入れ、1100〜1200℃の電気炉中で1時間加熱して溶融させた。そして、得られた溶融ガラスを、真鍮板プレス法によって急冷し、ガラスカレットを作製した。
[ガラスの評価]
ガラスの軟化点は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定された第2吸熱ピークの値とした。ガラス転移点および線熱膨張係数は、カレットを再溶融して4mm×4mm×20mmのロッドを形成し、熱機械分析計を用いて測定した。比誘電率は、カレットを再溶融して50mm×50mm×厚さ3mmの板を形成し、その表面に電極を蒸着してLCRメータを用いて周波数1MHzにて測定した。ガラス安定性は、耐水性の評価、示差熱分析計によるエンタルピー変化の測定、および、X線回折法と光学顕微鏡とによる結晶の有無の観察、によって評価した。また、実施例および比較例のガラスの安定性も評価した。
ガラスの軟化点は、マクロ型示差熱分析計を用いて測定された第2吸熱ピークの値とした。ガラス転移点および線熱膨張係数は、カレットを再溶融して4mm×4mm×20mmのロッドを形成し、熱機械分析計を用いて測定した。比誘電率は、カレットを再溶融して50mm×50mm×厚さ3mmの板を形成し、その表面に電極を蒸着してLCRメータを用いて周波数1MHzにて測定した。ガラス安定性は、耐水性の評価、示差熱分析計によるエンタルピー変化の測定、および、X線回折法と光学顕微鏡とによる結晶の有無の観察、によって評価した。また、実施例および比較例のガラスの安定性も評価した。
評価結果、および総合評価を表1〜3に示す。なお、ガラス安定性に関する評価における「AA」、「A」、「B」、「C」の定義は、以下の通りである。
AA:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化は確認されず、またX線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
A:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認されたものの、X線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
B:ガラス化したものの、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認され、X線回折法では結晶に基づく回折ピークは観測されないものの、光学顕微鏡により結晶が確認されたもの;
C:ガラス作製時にガラス化しなかったもの。
AA:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化は確認されず、またX線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
A:ガラス化し、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認されたものの、X線回折法や光学顕微鏡による観察において結晶が確認されなかったもの;
B:ガラス化したものの、軟化点より高温の温度域でエンタルピー変化が確認され、X線回折法では結晶に基づく回折ピークは観測されないものの、光学顕微鏡により結晶が確認されたもの;
C:ガラス作製時にガラス化しなかったもの。
また、表1〜3において、総合評価は、軟化点が600℃未満、より好ましくは595℃未満であること、比誘電率は11以下であること、線熱膨張係数は60×10-7〜85×10-7/℃、より好ましくは65×10-7〜85×10-7/℃の範囲にあること、を目標基準とし、更にガラスとしての安定性を考慮して総合的に評価した。
なお、総合的な評価についての「AA」、「A」、「B」、「C」の定義は、以下の通りである。
AA:ガラスとして安定であり、かつ各物性値がより好ましい目標値の範囲内であり、各物性のバランスも取れている;
A:ガラスとして安定であり、各物性値は目標物性範囲内であるが、各物性値の少なくとも一つはより好ましい目標値の範囲外である;
B:ガラスとしては安定であるが、各物性値の少なくとも一つは目標値の範囲外である;
C:ガラス化せず、ガラス材料として無効である。
AA:ガラスとして安定であり、かつ各物性値がより好ましい目標値の範囲内であり、各物性のバランスも取れている;
A:ガラスとして安定であり、各物性値は目標物性範囲内であるが、各物性値の少なくとも一つはより好ましい目標値の範囲外である;
B:ガラスとしては安定であるが、各物性値の少なくとも一つは目標値の範囲外である;
C:ガラス化せず、ガラス材料として無効である。
表1および表2から明らかなように、実施例1〜24の各試料は、いずれも30〜300℃の温度範囲において60〜85×10-7/℃の線熱膨張係数を有し、軟化点が600℃以下であり、比誘電率は11以下であり、ガラスとしての安定性も良好であった。
特に、実施例3、5〜9、11、12、14〜16の無鉛ガラスは、上記諸物性のバランスが取れているとともに、ガラスとしての安定性も最も良好であり、優れた特性を示した。
それに対して、表3に示す比較例25〜40のガラスは、実施例の各試料に比べて比誘電率が高い、熱膨張係数が目標範囲にない、ガラスが不安定である、といった問題を有していた。そのため、比較例のガラスは、誘電体層を形成するガラスとして好ましくない。
[PDPの作製および評価]
以下では、PDPを作製して評価した結果を示す。
以下では、PDPを作製して評価した結果を示す。
[無鉛ガラス粉末の作製]
諸物性およびガラス安定性に優れる上記実施例3、5〜9、11、12、14〜16のガラスと同様の組成となるように原料を混合した。次に、混合された原料を、1100〜1200℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融した。その後、ツインローラー法によってガラスカレットを作製し、ボールミルによってガラスカレットを粉砕して粉末を作製した。
諸物性およびガラス安定性に優れる上記実施例3、5〜9、11、12、14〜16のガラスと同様の組成となるように原料を混合した。次に、混合された原料を、1100〜1200℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融した。その後、ツインローラー法によってガラスカレットを作製し、ボールミルによってガラスカレットを粉砕して粉末を作製した。
また、比較例として、本発明の無鉛ガラスではないガラスの粉末(比較例51〜53)および、誘電体材料として一般的に用いられている有鉛ガラスの粉末(比較例101)を用意した。
作製した実施例および比較例のガラス粉末の平均粒径は、1.5〜2.5μmの範囲にあった。これらのガラス粉末の組成および平均粒径を表4に示す。
[ガラスペーストの調製]
樹脂であるエチルセルロースと溶剤であるα−ターピネオールとを、その重量比が5:30となるように混合して攪拌し、有機成分を含む溶液を調製した。ついで、この溶液と表4に示す実施例のガラス粉末(実施例3、5〜9、11、12、14〜16)とを、重量比65:35で混合し、3本ローラーで混合および分散させてガラスペーストを調製した。同様に、上記溶液と比較例のガラス粉末(比較例51、52、53、101)を用いてガラスペーストを調製した。
樹脂であるエチルセルロースと溶剤であるα−ターピネオールとを、その重量比が5:30となるように混合して攪拌し、有機成分を含む溶液を調製した。ついで、この溶液と表4に示す実施例のガラス粉末(実施例3、5〜9、11、12、14〜16)とを、重量比65:35で混合し、3本ローラーで混合および分散させてガラスペーストを調製した。同様に、上記溶液と比較例のガラス粉末(比較例51、52、53、101)を用いてガラスペーストを調製した。
[PDPの作製]
厚さ約2.6mmの平坦なソーダライムガラス板(前面ガラス基板)の表面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
厚さ約2.6mmの平坦なソーダライムガラス板(前面ガラス基板)の表面上に、ITO(透明電極)の材料を所定のパターンで塗布し、乾燥した。次いで、銀粉末と有機ビヒクルとの混合物である銀ペーストをライン状に複数本塗布した後、上記前面ガラス基板を加熱することにより、上記銀ペーストを焼成して表示電極を形成した。
表示電極を作製したフロントパネルに、上述したガラスペーストをブレードコーター法によって塗布した。その後、上記前面ガラス基板を90℃で30分間保持してガラスペーストを乾燥させ、570〜590℃の温度で10分間焼成することによって誘電体層を形成した。
次に、誘電体層上に、酸化マグネシウム(MgO)を電子ビーム蒸着法によって蒸着したのち、焼成することによって保護層を形成した。
一方、以下の方法で背面板を作製した。まず、ソーダライムガラスからなる背面ガラス基板上に、銀を主体とするアドレス電極を、スクリーン印刷によってストライプ状に形成した。次に、誘電体層を形成した。次に、誘電体層上であって、隣り合うアドレス電極の間に、隔壁を形成した。隔壁は、スクリーン印刷と焼成とを繰り返すことによって形成した。
次に、隔壁の壁面と、隔壁間の誘電体層の表面とに、赤(R)、緑(G)、および青(B)の蛍光体ペーストを塗布し、乾燥・焼成して蛍光体層を作製した。
次に、作製した前面板と背面板とを、封着ガラスを用いて貼り合わせた。そして、放電空間の内部を高真空(1×10-4Pa程度)に排気したのち、所定の圧力となるようにNe−Xe系放電ガスを封入した。このようにして、PDPを作製した。
[PDPの評価]
作製したPDPについて、放電バラツキ(放電遅れ時間のバラツキ)の相対的な大きさを評価した。具体的には、比較例101の有鉛ガラス粉末を用いたPDPの放電バラツキを100%として、各PDPの放電バラツキを評価した。評価結果を表4に示す。また、ZnOの含有量と放電バラツキの相対的な大きさとの関係を図3に示す。
作製したPDPについて、放電バラツキ(放電遅れ時間のバラツキ)の相対的な大きさを評価した。具体的には、比較例101の有鉛ガラス粉末を用いたPDPの放電バラツキを100%として、各PDPの放電バラツキを評価した。評価結果を表4に示す。また、ZnOの含有量と放電バラツキの相対的な大きさとの関係を図3に示す。
図3に示すように、無鉛ガラスにおけるZnOの含有量が増加するに伴い、放電バラツキが低減した。ZnOの含有量が26重量%程度以上となると放電バラツキが大きく低下し、32重量%程度以上となると放電バラツキが低い値で安定した。
以上の結果から明らかなように、本発明のPDPは、従来のPDP(比較例のPDP)に比べて放電バラツキが小さかった。そのため、本発明のPDPでは、アドレス期間において放電遅れが発生したとしても、アドレスパルスの印加タイミングを放電遅れ時間に合わせて遅延させたり、パルス幅を調整したりすることによって、確実にアドレッシングを行うことが可能となる。そのため、本発明によれば、良好な画像表示性能を有するPDPが得られる。
[保護層の評価]
表4および図3で示したサンプルについて、カソードルミネッセンス法による評価を行った。カソードルミネッセンス法(CL)とは、試料に電子線を照射し、そのエネルギーの緩和の過程で生じる発光スペクトルを検出し、発光スペクトルから試料中の欠陥の存在とその構造の情報を得る分析法である。具体的には、各サンプルについてカソードルミネッセンスを測定し、その結果に基づいて、保護層の特性との関連が大きい発光スペクトルと、放電バラツキとの関係を検討した。
表4および図3で示したサンプルについて、カソードルミネッセンス法による評価を行った。カソードルミネッセンス法(CL)とは、試料に電子線を照射し、そのエネルギーの緩和の過程で生じる発光スペクトルを検出し、発光スペクトルから試料中の欠陥の存在とその構造の情報を得る分析法である。具体的には、各サンプルについてカソードルミネッセンスを測定し、その結果に基づいて、保護層の特性との関連が大きい発光スペクトルと、放電バラツキとの関係を検討した。
各試料のスペクトルには、3つのピーク(それぞれ発光波長約410nm、約510nm、約740nm)が観察された。それらの各ピークの波長は、保護層のバンドギャップ内に存在する欠陥順位のエネルギーと相関を有する。したがって、発光波長約740nmのピークが大きいほど、保護層から放出される放電に寄与する電子の数が多く、そのため、放電遅れを抑制でき、かつ放電バラツキを抑える効果が期待できる。発光波長約410nmのピーク強度に対する発光波長約740nmのピークの相対強度を表4に示す。また、その結果をZnOの含有量に対してプロットした結果を図4に示す。
表4に示すように、実施例のガラスを用いたPDPは、比較例のガラスを用いたPDPよりも相対強度が高かった。また、図4に示すように、発光波長約410nmのピーク強度に対する発光波長約740nmのピークの相対強度は、ZnO含有量の増加に伴って上昇した。特に、ZnOの含有量が26重量%程度以上となると相対強度が大きく上昇し、32重量%程度以上となると相対強度は安定して緩やかに上昇した。このように、放電遅れを抑制するためには、ZnOの含有量を26重量%以上とすることが好ましく、32重量%以上とすることがより好ましい。
本発明は、プラズマディスプレイパネルに適用できる。
Claims (4)
- 表示電極とアドレス電極とを含むプラズマディスプレイパネルであって、
前記表示電極および前記アドレス電極からなる群から選ばれる少なくとも1つの電極上に形成された誘電体層を含み、
前記誘電体層は、以下の組成を有するガラスを主要構成要素とするプラズマディスプレイパネル。
SiO2:0〜15重量%
B2O3:10〜50重量%
ZnO:26〜50重量%
Al2O3:0〜10重量%
Bi2O3:2〜30重量%
PbO:0〜0.1重量%
RO:5〜38重量%
[ただし、ROは、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれる少なくとも1つの酸化物を示す。] - 前記誘電体層を覆うように形成された保護層を備え、
前記保護層がMgOを主成分として含む請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。 - 前記ガラスの30〜300℃における線熱膨張係数が、60×10−7〜85×10−7/℃の範囲にある請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 前記誘電体層が、前記ガラスの粉末と溶剤と樹脂とを含むガラスペーストを、前記少なくとも1つの電極を覆うように塗布したのち焼成することによって形成された誘電体層である請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004294756 | 2004-10-07 | ||
JP2004294756 | 2004-10-07 | ||
PCT/JP2005/018359 WO2006038621A1 (ja) | 2004-10-07 | 2005-10-04 | プラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2006038621A1 true JPWO2006038621A1 (ja) | 2008-05-15 |
Family
ID=36142694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006539299A Withdrawn JPWO2006038621A1 (ja) | 2004-10-07 | 2005-10-04 | プラズマディスプレイパネル |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20070172672A1 (ja) |
EP (1) | EP1829832A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2006038621A1 (ja) |
KR (1) | KR20070059006A (ja) |
CN (1) | CN1953941A (ja) |
WO (1) | WO2006038621A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008269863A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
JP2008303077A (ja) * | 2007-06-05 | 2008-12-18 | Central Glass Co Ltd | 絶縁性保護被膜材料 |
KR20090002873A (ko) * | 2007-07-04 | 2009-01-09 | 엘지전자 주식회사 | 플라즈마 디스플레이 패널 |
US8179043B2 (en) * | 2007-08-06 | 2012-05-15 | Panasonic Corporation | Plasma display panel free from yellowing |
JP5228821B2 (ja) * | 2007-11-21 | 2013-07-03 | パナソニック株式会社 | プラズマディスプレイパネル |
JP6794937B2 (ja) * | 2017-06-22 | 2020-12-02 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマ処理装置 |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US630992A (en) * | 1898-12-20 | 1899-08-15 | Alfred Shackleton | Non-refillable vessel. |
JP3800256B2 (ja) * | 1996-04-02 | 2006-07-26 | 日本電気硝子株式会社 | 絶縁用ガラス組成物 |
US6207268B1 (en) * | 1996-11-12 | 2001-03-27 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet, and pattern-forming method |
JP3904102B2 (ja) * | 1997-08-06 | 2007-04-11 | 日本電気硝子株式会社 | プラズマディスプレーパネル用誘電体形成材料 |
JPH1160274A (ja) * | 1998-03-31 | 1999-03-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 誘電体形成用ガラス粉末 |
JP3479463B2 (ja) * | 1999-01-29 | 2003-12-15 | 太陽インキ製造株式会社 | 光硬化型導電性組成物及びそれを用いて電極形成したプラズマディスプレイパネル |
JP2000226229A (ja) * | 1999-02-04 | 2000-08-15 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 誘電体形成材料及び誘電体形成ペースト |
JP2001048577A (ja) * | 1999-08-05 | 2001-02-20 | Nippon Electric Glass Co Ltd | プラズマディスプレーパネル用材料及びガラス粉末 |
JP4153983B2 (ja) * | 2000-07-17 | 2008-09-24 | パイオニア株式会社 | 保護膜、その成膜方法、プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 |
US6589894B1 (en) * | 2000-09-11 | 2003-07-08 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Composition containing lead-oxide free glass powder of low softening point useful for barrier rib in PDP |
JP3770194B2 (ja) * | 2001-04-27 | 2006-04-26 | 松下電器産業株式会社 | プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 |
TW548683B (en) * | 2001-10-23 | 2003-08-21 | Toray Industries | Dielectric paste and manufacturing method of plasma display |
US6787239B2 (en) * | 2001-11-30 | 2004-09-07 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrode material, dielectric material and plasma display panel using them |
DE60318517T2 (de) * | 2002-04-24 | 2009-07-23 | Central Glass Co., Ltd., Ube | Bleifreies niedrigschmelzendes Glas |
-
2005
- 2005-10-04 EP EP05790230A patent/EP1829832A4/en not_active Withdrawn
- 2005-10-04 US US10/599,134 patent/US20070172672A1/en not_active Abandoned
- 2005-10-04 CN CNA2005800156127A patent/CN1953941A/zh active Pending
- 2005-10-04 WO PCT/JP2005/018359 patent/WO2006038621A1/ja active Application Filing
- 2005-10-04 JP JP2006539299A patent/JPWO2006038621A1/ja not_active Withdrawn
- 2005-10-04 KR KR1020067019917A patent/KR20070059006A/ko not_active Application Discontinuation
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1829832A1 (en) | 2007-09-05 |
US20070172672A1 (en) | 2007-07-26 |
EP1829832A4 (en) | 2008-09-17 |
KR20070059006A (ko) | 2007-06-11 |
WO2006038621A1 (ja) | 2006-04-13 |
CN1953941A (zh) | 2007-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101178980B1 (ko) | 전극 피복용 유리 조성물 및 그것을 함유하는 유리페이스트 | |
US7834551B2 (en) | Plasma display panel and method of producing the same | |
JP4478818B2 (ja) | 低融点ガラス組成物 | |
CN101322215B (zh) | 等离子体显示面板 | |
JP2000226231A (ja) | 無鉛低融点ガラス組成物 | |
KR20020034925A (ko) | 전극 피복용 유리 및 플라즈마 디스플레이 패널 | |
JPWO2006038621A1 (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
JP2007246382A (ja) | プラズマディスプレイパネル用誘電体材料 | |
JP2000226232A (ja) | 無鉛低融点ガラス組成物 | |
JP2001130926A (ja) | プラズマディスプレイパネルの隔壁形成用ガラス組成物 | |
JP2011006322A (ja) | プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 | |
JP2001151532A (ja) | 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置 | |
JP2001089187A (ja) | プラズマディスプレイパネル誘電体用ガラス組成物 | |
JP2001002446A (ja) | プラズマ表示装置用誘電体組成物 | |
JP2007294321A (ja) | プラズマディスプレイパネル | |
US7745359B2 (en) | Composition for dielectric layer of plasma display panel and plasma display panel including the same | |
JP2007314376A (ja) | 電極被覆用ガラスおよびこれを用いたディスプレイ装置 | |
KR20030010416A (ko) | Ac-pdp용 투명 유전체 및 이의 제조 방법 | |
KR20090078252A (ko) | 플라즈마 디스플레이 패널 유전체용 조성물, 이를 포함하는플라즈마 디스플레이 패널 | |
JP2008037710A (ja) | ガラス組成物およびこれを用いたディスプレイパネル | |
JP2013080580A (ja) | プラズマディスプレイパネル用誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイパネル | |
JP2013080581A (ja) | プラズマディスプレイパネル用誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイパネル | |
JP2013080582A (ja) | プラズマディスプレイパネル用誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイパネル | |
JP2013080579A (ja) | プラズマディスプレイパネル用誘電体ペーストおよびプラズマディスプレイパネル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080909 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090312 |