JP4478818B2 - 低融点ガラス組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、P2O5系無鉛低融点ガラス組成物、特にプラズマディスプレイパネル(以下「PDP」という)背面板上に誘電体層及び隔壁を形成するのに適した上記ガラス組成物及びこれを利用して上記PDPの背面板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビジョン、コンピューター等の平面表示装置の分野においては、PDPが汎用されつつある。該PDPは、2枚の基板ガラス間に、隔壁にて仕切られた多数のセル(微小放電空間)を形成させ、各セル内表面に蛍光体を配し、該セル中に放電ガスを充填した構造を有しており、上記セル内の電極間放電によって放電ガスを励起し、その際発する紫外線により基底状態にある蛍光体を発光させて画像を形成させるものである。
【0003】
通常AC型PDPは、その前面ガラス基板の片面(背面基板と向き合う面)に複数の透明電極とこれを被覆する誘電体ガラス層と保護層とを設け、また背面ガラス基板の片面(前面基板と向き合う面)に、上記透明電極と直交するように複数のアドレス電極を形成し、該電極部分を含む基板上面全面を誘電体ガラス層で被覆し、非電極部分に相当する上記誘電体ガラス層上に、形成されるセル間でのクロストークを防止するための隔壁を設置し、最終的に該隔壁の側面及び底面に蛍光体を配置して製造されている。
【0004】
上記PDPの誘電体ガラス層や隔壁等の各要素の形成には、専ら低融点のガラスが粉末形態で用いられている。即ち、該低融点ガラス粉末を通常500〜600℃程度の温度で焼成メルトして一体化させている。該ガラス粉末としては、所望の低融点特性を満足し、しかもガラス特性を幅広く選択できることから、鉛を含有するPbO−SiO2−B2O3系ガラスが汎用されてきた。
【0005】
しかるに、上記ガラス材料は、この種PDPの各要素の形成用ガラスとしては優れた性質を有するものであったが、昨今の環境問題を考慮すると、有害な鉛成分を多量に含む点より、その利用は好ましくなく、回避すべきものである。更に、電極とガラス中の鉛成分との接触による不具合が発生するおそれがあったり、例えばサンドブラスト法による隔壁形成にこれを利用する場合には、基板上全面にガラスペーストを塗布し、乾燥し、その後ブラスト処理により上記ガラスのおよそ60%をブラスト材と共に廃棄しなければならないことを考慮すると、その廃棄処理には細心の注意が必要となり、しかもその利用がコスト上昇の原因ともなる不利がある。
【0006】
従って、PDP業界においては、上記鉛を含有するガラスに代替できる鉛成分を含まない低融点ガラスの開発が要望されており、この要望に合わせて、種々の鉛不含ガラスが、特に隔壁形成用ガラスとして提案、示唆されている。
【0007】
背面基板上のアドレス電極を被覆するための、鉛不含のガラス組成物は、未だその組成の詳細については具体的に検討はされていないが、例えば一般には、ビスマス系ガラスが示唆されている(特開平10−188825号公報、特開平10−302651号公報、特開平11−86736号公報参照)。これらは、ガラス成分としてのビスマスが、鉛と類似した性質をガラスに与えることを利用するものであるが、ビスマス化合物については、その毒性についてもなお不明な部分が多く残されており、また資源としても量が少なく高価であることから、今後益々量産されるであろうPDPの材料としての利用は得策とは考えられない。
【0008】
上記PDPの隔壁形成用の鉛不含のガラス組成物として提案された具体例としては、例えば特開平8−301631号公報のP2O5系ガラス、特開平9−283035号公報のZnO−BaO系ガラス、特開平10−167758号公報、特開平10−228869号公報のBi2O3−SiO2系ガラス、特開平10−188825号公報のBaO−B2O3−Al2O3系ガラス、特開平11−92168号公報のSiO2−Al2O3−B2O3系ガラス等が挙げられる。
【0009】
しかしながら、これらの各ガラスはいずれも尚、PDPの隔壁形成用ガラスとして要求される性能を充分に満足するものではない。
【0010】
P2O5系ガラスとしては、上記特開平8−301631号公報に記載のものの他、特開平5−132339号公報、特開平9−188544号公報等が知られているが、それらの組成はいずれも実質的にP2O5とZnOとを主成分としており、PDPの隔壁形成用ガラスに要求される耐水性等の性能についての組成上の考慮は払われていない。しかも、PDPの隔壁形成用ガラスとして提案された上記特開平8−301631号公報に記載のガラスは、その熱膨張係数があまりに高すぎ、そのため比較的多量の低膨張性無機フィラーの併用を必須とし、これによって、得られるガラス層はポーラスとなり、形成されるセル内の放電が不安定となり、PDPの寿命が短くなる不利が予想される。
【0011】
このように、現在、PDPの誘電体層や隔壁のための鉛不含のガラス組成物であって、従来汎用されてきた鉛を含有するPbO−SiO2−B2O3系ガラスに匹敵する性能を奏し得るものは、未だ開発されていない現状にある。
【0012】
また、昨今のPDPの背面板における要望、特に各要素(電極、誘電体、隔壁、蛍光体など)をできるだけ一括焼成して、工程数を減少し、ひいてはコスト低減をはかる要望(例えば、特開平10−334793号公報参照)をも考慮すれば、PDPの背面板用のガラス組成物(誘電体層用及び隔壁用)は、同一の低融点ガラスであるのが望ましいが、かかる要望に合致するガラス組成物は、未だ開発されていない現状にある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のPDP背面板の隔壁形成材料及び誘電体形成材料として汎用されてきた鉛を含むガラス組成物に代わって、毒性が問題とならず、しかも該鉛系ガラスと同等もしくはこれをも凌ぐ特性を発揮し得る新しい鉛不含の低融点ガラス組成物、及びこれを利用したPDP背面基板の製造技術(誘電体層及び隔壁の形成法)を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的より鋭意研究を重ねる過程において、上記PDPの各要素用のガラスに要求される性能として次のものを掲げ、かかる要求性能をできるだけ多く満足するガラス組成について、更に引き続き検討を行なった。
(1)軟化点が550℃以下であること、
(2)線熱膨張係数(ガラス単体)が75〜85×10-7の範囲であること、
(3)鉛、ビスマスをガラス成分として含有しないこと、
(4)誘電率が7.0以下であること、
(5)耐電圧が1KV以上であること、
(6)耐水性、耐アルカリ性等の耐薬品性に優れること。
【0015】
その結果、ZnO−SiO2−B2O系ガラス及びZnO−SiO2−B2O系ガラス中に、上記目的に合致するガラス組成を見出し、該ガラス組成物に係る発明を完成した(特願平11−30324号及び特願平11−30330号)。本発明者らは引き続く研究の結果、上記ガラスとは系統を異にするP2O5−Al2O3−B2O3系ガラス中にも、上記目的に合致するガラス組成が存在することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0016】
本発明によれば、無鉛低融点ガラス組成物であって、その組成が重量%で以下のものであることを特徴とするP2O5系低融点ガラス組成物が提供される。
P2O5 20〜40
Al2O3 10〜20
B2O3 20〜30
SiO2 0〜10
ZnO 0〜20
MgO 0〜10
CaO 0〜20
BaO 0〜15
SnO2 0〜 5
ZrO2 0〜 5
TiO2 0〜10
Li2O+Na2O+K2O 0〜10
F2 0〜 3
尚、F2は、原料フッ素化合物由来のガラス成分をF2に換算して表示するものとする。
【0017】
また本発明によれば、ガラス組成物中のP2O5/Al2O3重量比が3以下である上記ガラス組成物が提供される。
【0018】
また、本発明によれば、上記ガラス組成物60〜100重量%と無機顔料及び/又は無機フィラー0〜40重量%とからなる、PDPの背面板上に設けられたアドレス電極を被覆するための、誘電体層用ガラス組成物が提供される。
【0019】
また本発明によれば、上記ガラス組成物60〜100重量%と無機顔料及び/又は無機フィラー0〜40重量%とからなる、PDPの背面板上に設けられる隔壁を形成するための、隔壁形成用ガラス組成物が提供される。
【0020】
更に本発明によれば、PDPの背面板を製造する方法であって、パターン化したアドレス電極を設けた背面基板上に、上記ガラス組成物を用いて誘電体層を形成する工程及び上記ガラス組成物を用いて隔壁を形成する工程と共に、両ガラス組成物を焼成する工程を含むことを特徴とするPDPの背面板の製造方法、特に上記焼成が一度で同時に行なわれるPDPの背面板の製造方法が提供される。
【0021】
本発明に係わるガラス組成物は、上記構成としたことに基づいて、前記した要求性能を満足する。即ち、該組成物は、550℃以下の低温で基板ガラスに焼き付けることができ、所望の低熱膨張係数、透明性、誘電率、耐電圧、耐水性、耐アルカリ性等の耐薬品性を有するガラス皮膜を形成できる。
【0022】
該ガラス組成物は、従来のPbO−SiO2−B2O3系ガラスと同様に、粉末化後、必要に応じて白色顔料を混合してペースト化して、PDPの背面基板のアドレス電極上に塗布し、焼成して、誘電体ガラス層乃至は反射層を形成させることができる。また、本発明ガラス組成物は、粉末化、必要に応じて白色顔料又は黒色顔料、無機質フィラー粉末と混合し、ペースト化し、背面基板上に隔壁形状にパターニング後、焼成することによって、隔壁を形成させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる低融点無鉛ガラス組成物につき詳述する。本発明ガラス組成物は上記特定の組成(重量%、以下同じ)を有することを特徴とする。
【0024】
この組成において、P2O5成分は、ガラスのネットワークフォーマーであり、本発明ガラス組成物を形成するのに必須の成分であり、20〜40%の範囲内で配合される。またこれは耐薬品性(耐水性、耐アルカリ性等)、熱的特性を抑制するのにも必須の成分である。これが20%未満では安定したガラスが得られにくくなり、40%を越えると耐薬品性が劣り、ガラスの軟化点が600℃以上となる不利がある。
【0025】
Al2O3成分は、ガラスの分相を制御し、ガラスの軟化点、熱膨張係数を制御するための必須成分であり、10〜20%の範囲内で配合される。またこれは耐薬品性を向上させる効果も奏し得る。これが10%未満では、ガラスの急冷時に結晶化が起こり、失透しやすくなる不利があり、また耐薬品性を低下させ、水中にリン成分やアルカリ成分を溶出させてしまう不利もある。20%を越える配合では、ガラスの軟化点が600℃以上となる不利がある。
【0026】
P2O5/Al2O3の配合重量比は、両者の配合範囲から換算して1〜4の範囲にあるが、得られるガラスの軟化点、耐薬品性、熱膨張係数等を適切なものとするために好ましくは3以下、より好ましくは1〜2の範囲とするのがよい。
【0027】
B2O3成分はガラスを安定化させ、熱膨張係数を下げる効果があり、20〜30%の範囲内から適宜選択して配合される。これが20%未満では、ガラスが安定しにくくなり、逆に30%を越える場合は、ガラスの軟化点が600℃より高くなる不利がある。
【0028】
SiO2成分は、必須成分ではないが、10%までの範囲で配合することができ、これによってガラスの軟化点、熱膨張係数を制御することができる。
【0029】
ZnO成分も必須成分ではないが、20%までの範囲での配合によって、熱膨張係数を低下させ、ガラスの軟化点を低下させる効果を奏し得る。
【0030】
MgO成分も必須成分ではないが、10%までの配合によって、熱膨張係数を低下させ、ガラスを安定化させる作用がある。
【0031】
CaO成分も上記MgO成分と同様に、20%までの配合によってガラスを安定化させる作用を奏し得る。之等MgO及びCaO成分を多量に配合すれば、ガラスの分相が起こりやすくなる不利がある。
【0032】
BaO成分も、15%までの配合によって、ガラスの軟化点を低下させる作用を奏し得る。15%を越える配合では熱膨張係数が高くなりすぎる。
【0033】
SnO2成分は、5%までの量で配合することができ、これによってガラスの軟化点を低下させる効果があり、また酸化剤としてガラスの消色に効果がある。5%を越える配合の場合は、熱膨張係数が高くなりすぎたり、ガラス化が困難となる不利がある。
【0034】
ZrO2成分は、その配合によってガラスの耐熱性を向上させ得るが、5%を越える配合ではガラス化を困難とするため好ましくない。
【0035】
TiO2成分は、10%までの量で配合することができ、熱膨張係数を低下させる効果がある。10%を越える配合ではガラスの結晶性が増大し、軟化点も高くなる不利がある。
【0036】
Li2O、Na2O及びK2O成分(アルカリ成分)は、その総量が10%までの範囲で配合することができ、これによってガラスの軟化点を低下させ、ガラスの分相を抑制する働きがある。全10%を越える配合では、熱膨張係数が高くなりすぎ、ガラスの結晶性が増大し、また後の溶融ガラスの水中粉砕時にアルカリが溶出して工程の不具合を生じるおそれがある。
【0037】
F2成分は、通常フッ化アルカリ化合物、フッ化アルカリ土類化合物を原料としてガラス成分とされる。本明細書においては、便宜上、之等原料化合物をF2に換算してガラス中の含有量とする。かかるF2成分は、その配合によってガラスの軟化点を下げ、耐水性を向上させる効果を奏するが、3%を越える配合では、ガラスの粘性が低くなり、失透現象を生じる不利がある。
【0038】
本発明ガラス組成物は、上記各ガラス成分を提供し得る公知の各原料化合物を所定割合で組合せて利用することに基づいて、前記した特性、即ち、軟化点550℃以下、線熱膨張係数75〜85×10-7、誘電率7.0以下、耐電圧1KV以上、良好な耐水性、耐アルカリ性等の耐薬品性等を有するのである。
【0039】
尚、本発明ガラス組成物は、上記各ガラス成分の所定量を必須成分として含有することを前提として、更に必要に応じて、他の適当なガラス成分を含有することもできる。この必要に応じて添加配合できるガラス成分及びその配合量は、得られるガラスの特性に悪影響を与えないもの及び範囲から適宜選択できる。該ガラス成分の具体例としては、例えばSnO、WO3、MoO3、Tl2O3、V2O5、La2O3等を例示できる。これらは一種又は二種以上用いることができ、その添加配合量は、いずれも3重量%以内であるのが望ましい。これらの配合は融着温度、耐薬品性の微調整に役立つ場合がある。
【0040】
PDP背面板の各要素を形成するに当たって、本発明ガラス組成物は粉末化される。該粉末化は常法に従うことができる。例えば本発明に従うガラス粉末は、以下のようにして製造することができる。即ち、まず前記成分組成となるように、各原料化合物を混合し、得られた混合バッチを約1150〜1250℃で溶融し、融液状ガラスを水冷ロールに挟んで冷却してフレーク状ガラスを得る。このガラスフレークをボールミル等の適当な粉砕機を用いて、湿式又は乾式粉砕し、湿式粉砕の場合は、次いで得られたスラリーより液分を除去し、乾燥することにより所望のガラス粉末を調製できる。尚、湿式粉砕を水中で行なう場合は、水分を濾去して得られるケーキ状物を低温で真空乾燥するのが特に望ましい。
【0041】
かくして得られる本発明のガラス組成物の粉末は、特に限定されるわけではないが、通常約0.1〜30μmの範囲の粒度を有しているのが望ましい。かかる粒度は慣用される方法、例えば粉砕工程の条件を適宜調整することにより容易に調整できる。また上記に従い得られる粉末粒子は、更に必要に応じて分級して、適当な粒度、より好ましくは約0.5〜10μmの範囲の粒度に調整することができる。
【0042】
以下、本発明ガラス組成物を用いてPDP背面板上のアドレス電極を被覆する方法及びこれに利用する誘電体層用ガラス組成物につき詳述し、次いで隔壁を形成する方法及びこれに利用する隔壁形成用ガラス組成物につき詳述する。
【0043】
尚、本発明に従い得られる各要素を有するPDPの代表例の概略図を図1に示す。以下の記載においては、該図1の符号を引用する。該図においては、AC型の前面ガラス基板(1)として、透明電極(2)(ITO膜)とバス電極(3)がパターニング配置され、この電極(3)が全面に亘って誘電体ガラス層(4)及び保護層(5)で被覆された基板を用いている。
(1) アドレス電極上への誘電体ガラス層の形成
アドレス電極上への誘電体ガラス層の形成は、基本的には従来より知られている各種方法に従うことができる。
【0044】
背面基板(10)上には、一般には、例えばシリコン酸化膜のパッシベーション膜上に前面基板(1)の透明電極(2)と直交する形となるようにストライプ状のアドレス電極(8)が、厚膜銀ペースト、厚膜アルミニウムペースト、Cr−Cu−Crのスパッタ膜等により形成され、該電極を被覆するように背面板全面に誘電体ガラス層(7)が形成される。
【0045】
この誘電体ガラス層(7)は、電極間のリークを防止するための絶縁層としての役目と放電時の輝度向上のための反射板としての役目を有するものであるため、該ガラス層には、輝度向上のために適当な無機顔料や無機フィラー等が配合されるのが好ましい。之等無機顔料等は、本発明ガラス組成物中にその適当量を添加することにより行ない得る。
【0046】
上記無機顔料としては、白色系無機顔料を例示できる。その利用によれば、放電発光時にPDPの背面を白色とすることによって光の反射を良好なものとして、PDPの輝度の向上をはかり得る。かかる白色系無機顔料としては、通常この種ガラス組成物に配合されることのよく知られている各種のもの、例えばTiO2(酸化チタン)系顔料や、ZnO(酸化亜鉛)系顔料等を例示できる。無機顔料の配合量は、得られるガラスの焼成皮膜の着色に必要な最小限に止めるのが好ましい。それは、無機顔料自体が本来焼成時にメルトしないものであり、その添加は焼成皮膜をポーラスなものとし、耐電圧を低下させる傾向があるためである。該無機顔料の配合量は、後記する無機フィラーとの総和として、通常、本発明P2O5系ガラス組成物重量の40重量%まで、より好ましくは30重量%までから選ばれるのがよい。
【0047】
また、本発明誘電体層用ガラス組成物中に添加配合することのできる無機フィラーとしては、一般に、この種誘電体ガラス層に、添加配合できることの知られている各種のもの、例えばAl2O3、SiO2、ZrO2、ZrSiO2、MgO等の焼成温度を調整するものや、β−ユークリプトタイト、β−スポジューメン、溶融シリカ、コージェライト等の得られるガラス層の熱膨張係数を微調整するためのものを挙げることができる。之等はその一種を単独で用いることもでき、また二種以上を混合して用いることもできる。それらの粒径は、一般には約0.1〜10μmの範囲から選ばれるのが好ましい。之等の無機フィラーの本発明ガラス組成物中への配合量は、これが増加するにつれて得られるガラス組成物の焼成皮膜がポーラスとなりまた耐電圧が低下する傾向にあるため、必要最小量とするのが好ましく、通常は、上記無機顔料との合計量として、ガラス組成物重量の40重量%まで、好ましくは30重量%までとされるのがよい。
【0048】
更に、上記無機フィラーの他の例としては、各アドレス電極上の誘電体ガラス層に蓄積される電荷を適度にリークして誤放電を防止するための、Ni、Cr等の金属微粒子を挙げることができる。之等の配合量は、各アドレス電極間の絶縁性を損うおそれのない範囲から適宜選択することができる。
【0049】
本発明誘電体層用ガラス組成物は、一般にはこれを有機ビヒクルと混合して適当なペースト状物として、上記アドレス電極を被覆する誘電体ガラス層の形成のために利用される。
【0050】
ここで、用いられる有機ビヒクルとしては、一般にこの種ガラスペーストに利用されている各種のもののいずれでもよく、これらは通常樹脂の溶剤溶液からなっている。該樹脂としては、セルロース系樹脂及びアクリル系樹脂が好ましいものとして例示できる。該セルロース系樹脂には、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース等が、アクリル系樹脂には、ポリブチルアクリレート、ポリイソブチルメタクリレート等が含まれる。上記樹脂は、一般には調整されるガラスペースト組成物中にその1種を単独で又は2種以上を併用して、合計量が0.5〜20重量%程度の範囲で配合されるのがよい。また該ガラスペーストには、更に必要に応じて、通常添加配合できることの知られている添加剤、例えば沈殿防止剤、分散剤、基板ガラスとの接着性向上剤等を適宜配合することができる。
【0051】
上記樹脂の溶剤溶液を構成する溶剤も通常知られている各種のものでよく、特に限定されない。一般には、樹脂の溶解性に優れ、粘稠性のオイルを形成し得るものが好ましい。これには中沸点及び高沸点のエステル系溶剤、エーテル系溶剤、石油系溶剤等が含まれる。具体例としては、例えばブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤、ブチルカルビトール等のエーテル系溶剤、ナフサ、ミネラルターペン等の石油系溶剤等が例示できる。之等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
【0052】
以下、上記ガラスペーストの調製とこれを用いた誘電体ガラス層の形成方法につき詳述すれば、まず上記樹脂を比較的高沸点の溶剤に溶解したオイル中に、所定量の本発明ガラス組成物を、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の分散機で分散させて、スラリー状乃至ペースト状物(ガラスペースト)を調製し、次いでこのガラスペーストを、例えばドクターブレード法、ロールコート法、スクリーン印刷法、テーブルコーター、リバースコーター、スプレー法等の各種方法に従い、アドレス電極を設けた背面基板上に塗布施工する。また、予め、本発明ガラス組成物にてドライなグリーンシートを形成させた後、このシートをアドレス電極を設けた背面基板上にラミネートすることもできる。
【0053】
上記の如くして背面基板上に形成されたガラス組成物は、次いで加熱炉中で、約500〜600℃の温度で焼成することにより、所望の誘電体層とすることができる。
【0054】
かくして得られる誘電体ガラス層は、通常膜厚20〜30μmとされ、この膜圧で充分な電気絶縁性及び放電特性を有する。その耐電圧は、通常1kV以上、誘電率は7.0以下である。特に、該ガラス層は、鉛不含のために電極とガラスとの反応がなく、このことからも優れた誘電特性を有している。
(2) 隔壁の形成
本発明ガラス組成物は、PDPの隔壁形成のための材料としても利用することができる。特に該ガラス組成物を構成するガラスは、鉛不含にもかかわらず、充分に良好な放電特性を有する緻密な隔壁を形成可能とする程度に軟化点が低く、しかも隔壁形成工程で用いられる各種薬品類にも充分に耐え得る優れた耐薬品性を有している。
【0055】
上記隔壁(6)は、各アドレス電極(8)に隣接する形で、多数形成され、各隔壁毎に赤、青、緑の蛍光体(9)がアドレス電極(8)上及び隔壁(6)側面に形成される。
【0056】
上記隔壁形成は、一般には、本発明ガラス組成物に必要に応じて適当な無機顔料及び/又は無機フィラーを配合して得られる隔壁材料を、例えばペースト状形態でPDP背面基板(10)上又は誘電体(7)上に、約100〜300μmの高さにパターニング施工し、これを常法に従い焼成することにより実施できる。
【0057】
本発明ガラス組成物は、PDPの背面基板上に単一の隔壁用層を形成させることもでき、また2層構造の隔壁用層を形成させることもできる。例えば形成される隔壁用ガラス層の大部分を発光輝度を向上させるために白色顔料を用いたものとし、該層の最上部分を黒色顔料を用いたものとする、いわゆるブラックストライプ的な隔壁用ガラス層とすることもできる。
【0058】
上記各層に応じて本発明ガラス組成物は、例えばTiO2(酸化チタン)、ZnO(酸化亜鉛)等の白色顔料や、CuO−Cr2O3、CuO−MnO−Cr2O3、Cr2O3−CoO−Fe2O3等の焼成黒色顔料を適宜添加配合して、隔壁用ペーストとすることができる。また、該ペーストには、その焼成時の隔壁の形状保持性向上のために、適当な無機フィラー、例えばアルミナ、シリカ等、好ましくはアルミナの適当量を添加することができる。更には、β−ユークリプトタイト、β−スポジューメン、溶融シリカ、コージェライト等のガラス層の熱膨張係数を調整する粉末も上記無機フィラーとして添加することもできる。上記無機顔料及び無機フィラーの添加量は、本発明ガラス粉末に対して通常総量が40重量%以下となる量、好ましくは30重量%以下となる量から選ばれるのがよく、この程度の添加配合では、焼成後の隔壁内部がポーラスとなって、放電特性や寿命に悪影響を与える弊害はない。
【0059】
本発明ガラス組成物を隔壁形成用ペーストに調製するに当たっては、該隔壁の形成方法に応じて、前記(1)の項において例示した有機ビヒクル、樹脂、溶剤及び添加剤のそれぞれが、その種類及び量を適宜選択して、同様にして使用できる。 また、調製されるペーストは、従来より慣用されている各種の方法、例えばスクリーン印刷法により直接塗布してパターニングする方法、ドクターブレード法、ロールコート法、スクリーン印刷法、テーブルコーター、リバースコーター、スプレー法、グリーンシートの転写等により塗布施工した後、公知の各種の方法、例えばサンドブラストによりパターニングする方法や、フォトリソ埋め込み方法、ガラスペースト中の樹脂に感光性樹脂を使用したフォトリソグラフィー方法、金型よりの転写方法、凸部を有するロールによる加圧法等のパターニング方法に従って隔壁形状とされ、次いで常法に従い、約550〜600℃程度の温度で焼成されて、所望の隔壁を形成できる。
【0060】
かくして形成される隔壁は、緻密性、強度、収縮率、耐薬品性等において、非常に優れたものである。
【0061】
従来のPDP背面基板の製造においては、上記アドレス電極上の誘電体層と隔壁とは、それぞれ別個に、ガラス材料(ペースト)塗布工程と焼成工程とを採用して形成されていたが、本発明では、同一組成のガラス材料を用いるため、両者のメルト開始の温度、熱線膨張係数、昇温−粘度曲線を容易に同一又は近似するものに調整でき、従って、同時に焼成しても、隔壁の一部欠損、反り返り、密着不良、蛇行等の不具合が発生するおそれを解消できる利点がある。本発明では特にこの同時焼成を可能としたことに基づいて、工程を簡略化でき、コストを大幅に削減でき、且つ製品の歩留まりを向上できる利点がある。
【0062】
更に、本発明ガラス組成物は、機械的強度、耐熱性、耐電圧性、放出ガス特性、加工性(寸法精度、成型の自由度)等に優れているので、表示伝導型電子放出素子を用いた表示パネルのスペイサーとしてや、また電界放出型電子放出素子を用いた表示パネルの陰極板上のエミッター間の絶縁層としても、有効に利用することができる。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を更に詳しく説明するため、実施例を挙げる。尚、例中、%はいずれも重量基準によるものである。
【0064】
【参考例1、実施例2〜5】
メタリン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硼酸、無水硼砂、含水硼砂、珪砂、亜鉛華、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ジルコン、炭酸リチウム、硝酸ソーダ及びリン酸カルシウムの各原料を、溶融後に表1に示す所定のガラス組成となる量で、それぞれ混合してバッチ原料混合物を調製し、1200℃で溶融した。取り出した溶融ガラスを水冷ロールに挟んで急冷して、フレーク状のガラスを得た。
【0065】
次いで、得られたガラスをボールミル中、アルミナボールを用いて水湿式粉砕し、得られたスラリーを乾燥、ふるい分けし、その後分級して、粒径0.2〜10μmの本発明P2O5系ガラス組成物粉末を得た。
【0066】
【比較例1及び2】
参考例1、実施例2〜5において、溶融後に得られるガラス組成が、下記表1に示される通り本発明範囲を外れるものとなるように、バッチ原料混合物を調製する以外は、同様にして、比較ガラス粉末を得た。
【0067】
【表1】
【0068】
上記で得られた本発明ガラス組成物粉末及び比較ガラス組成物粉末の特性を以下の通り試験した。
(1)線膨張係数
ガラス粉末試料を棒状に加工成形し、600℃にて焼成し、所定長さに切断した後、理学電気株式会社製熱機械分析装置TAS−100を用いて、50〜350℃の温度範囲での伸び率を測定算出した。
(2)軟化点
ガラス粉末試料を白金セル中に投入し、上記装置を用いた示差熱分析により、常温〜700℃の温度範囲で軟化点を求めた。
(3)誘電率
酸化膜を形成させたステンレススチール板上に、ガラス粉末試料の層を印刷、焼成して作成(30〜50μm)し、該層上に直径18mmの電極を銀ペーストを用いて作成し、1MHz時の誘電率を横河ヒューレットパッカード株式会社製4197Aインピーダンス/ゲインフェーズアナライザーを用いて測定、算出した。
(4)耐電圧
Cr−Cu−Cr層を形成させたソーダライムガラス板上に焼成後の膜厚が20μmとなるようにガラス粉末試料のメルト層を形成させ、その上に銀電極層を形成させ、菊水電子工業株式会社製耐電圧試験器875A2を用いて、両電極間に電圧をかけリークする電圧を測定した。
(5) 耐薬品性
隔壁形成法の内でサンドブラスト法及びフォトリソグラフィー法においては、その工程中、マスク樹脂及びガラスペーストの現像、脱離にアルカリ水溶液が用いられるため、かかるアルカリ水溶液に対するガラスの耐性を以下の通り試験した。即ち、ガラス粉末試料を用いて、ソーダライムガラス板上に約20μmのガラス層を、印刷、焼成し、得られる焼成ガラスを10%炭酸ソーダ水溶液中に、30℃、10分間浸漬し、焼成ガラス層表面の変化を肉眼で観察し、以下の基準により評価した。
◎:変化なし、○:僅かにラスター色発生、×:白化
(6) クラック
2mm厚の高歪み点ガラス(線膨張係数84〜85×10-7)基板上に、ガラス粉末試料をペースト化、印刷して530〜550℃で焼成し、ガラス層−ガラス基板界面の状態を顕微鏡(倍率:50倍)にて観察し、以下の基準により評価した。
◎:クラックが全く観察されなかった、○:クラックが僅かに観察された、×:全体に亘ってクラックが観察された
得られた結果を下記表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
尚、上記(3)〜(6)の各試験において、本発明ガラス組成物粉末及び比較ガラス粉末は、それぞれ、ガラス粉末70%と、エチルセルロース3%及びポリイソブチルメタクリル樹脂2%をパインオイル95%に溶解した有機ビヒクル30%とを混練りしてガラスペーストとした。
【0071】
表2より、本発明ガラス組成物は、PDPの背面基板の誘電体ガラス層としての基本特性を全て満足しており、該ガラス層形成に有効利用できることが明らかである。
【0072】
【参考例6、9及び10、実施例7及び8】
参考例1、実施例3及び5のそれぞれで調製した本発明P2O5系ガラス粉末のいずれかに表3に示す無機顔料又は無機フィラーを添加して誘電体層用本発明ガラス組成物(ガラス混合物粉末)を得た。
【0073】
調製された各ガラス混合物粉末は、その75%を、α−ターピネオール90%にエチルセルロース8%及びポリイソブチルメタクリル樹脂2%を溶解した有機ビヒクル25%と乳鉢で混練りし、3本ロールで固形分を分散させてペースト状に調製して、誘電体層形成に利用した。
【0074】
【比較例3及び4】
参考例1で調製した本発明ガラス粉末に無機顔料及び無機フィラーを本発明範囲を外れる量で混合して比較ガラス組成物を調製した。
【0075】
調製された各ガラス混合物粉末は、その75%を、α−ターピネオール90%にエチルセルロース8%及びポリイソブチルメタクリル樹脂2%を溶解した有機ビヒクル25%と乳鉢で混練りし、3本ロールで固形分を分散させてペースト状に調製して、誘電体層形成に利用した。
【0076】
上記参考例6、9及び10、実施例7及び8、及び比較例3及び4で得た各試料につき、上記(3)及び(4)と同様にして誘電率及び耐電圧を測定した。
【0077】
結果を表3に併記する。
【0078】
【表3】
【0079】
表3より、本発明誘電体層用ガラス組成物の利用によれば、優れた特性を有するPDPの誘電体を形成できることが判る。
【0080】
【参考例11及び15、実施例12〜14】
参考例1、実施例3及び5のそれぞれで調製した本発明P2O5系ガラス粉末のいずれかに表3に示す無機顔料又は無機フィラーを添加して隔壁形成用本発明ガラス組成物を得た。
【0081】
調製された各ガラス混合物粉末は、その80%を、α−ターピネオール90%にエチルセルロース6%及びポリイソブチルメタクリル樹脂4%を溶解した有機ビヒクル20%と乳鉢で混練りし、3本ロールで固形分を分散させてペースト状に調製して、隔壁形成に利用した。
【0082】
【比較例5及び6】
参考例1で調製した本発明ガラス粉末に無機顔料及び無機フィラーを本発明範囲を外れる量で混合して比較ガラス組成物を調製した。
【0083】
調製された各ガラス混合物粉末は、その80%を、α−ターピネオール90%にエチルセルロース6%及びポリイソブチルメタクリル樹脂4%を溶解した有機ビヒクル20%と乳鉢で混練りし、3本ロールで固形分を分散させてペースト状に調製して、隔壁形成に利用した。
【0084】
上記参考例11及び15、実施例12〜14、及び比較例5及び6で得た各試料につき、上記(3)と同様にして誘電率を測定すると共に、以下の通り(7)隔壁の緻密性及び(8)隔壁の強度を測定した。
(7) 隔壁の緻密性隔壁形成用ガラス組成物試料を用いて、スクリーン印刷法にて250μm高さの隔壁パターンを形成し、580〜590℃で焼成後、断面を走査型電子顕微鏡にて観察し以下の通り評価した。
◎:充分にガラス化して発泡は認められない、○:ガラス化しているがやや発泡が認められる、×:発泡が顕著である。
(8) 隔壁の強度先端をナイフ状にしたウレタンゴム(硬度:70)を敷設したクロスカット試験器を用いて、隔壁形成用ガラス組成物試料にてストライプ状に形成させた隔壁10本に対して垂直に、荷重500g下にナイフを走らせ、隔壁表面の損傷の程度を、強度の指標として、以下の基準により評価した。
◎:全く損傷は認められない、○:1〜2本の隔壁のエッジ部分がかける、×:隔壁全体に亘って損傷が認められる。
【0085】
結果を表4に併記する。
【0086】
【表4】
【0087】
表4より、本発明隔壁形成用ガラス組成物の利用によれば、優れた特性を有するPDPの隔壁を形成できることが判る。
【0088】
【参考例15】
この例は、アドレス電極を設けた背面基板上に誘電体ガラス層と、パターン化した隔壁を形成し、乾燥後同時に焼成してPDPの背面基板を作成した例であり、以下の通り実施された。
【0089】
即ち、参考例6に示す組成の誘電体層用ペースト化物を、アドレス電極を設けた基板上全面にスクリーン印刷にて、乾燥膜厚35μmとなるように塗布し、乾燥後、その上に、参考例11に示す組成の隔壁形成用ペースト化物をスクリーン印刷を10回繰り返して、乾燥後に幅100μm、ピッチ250μm、高さ250μmとなるパターンを形成させた。次に最高温度570℃で10分間保持し、イン−アウト時間1時間を要して焼成した。
【0090】
その結果、隔壁の欠け、反り返り、密着不良、蛇行等の不具合は認められなかった。特に問題となる隔壁端部の応力集中に起因する密着不良による反り返りの不具合も全く認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガラス組成物が適用できるAC型PDPの概略図である。
【符号の説明】
(1):前面基板
(2):透明電極
(3):バス電極
(4):前面誘導体ガラス層
(5):保護層
(6):隔壁
(7):背面誘電体ガラス層
(8):アドレス電極
(9):蛍光体
(10):背面基板
Claims (6)
- 無鉛低融点ガラス組成物であって、その組成が重量%で
P2O5 20〜40
Al2O3 10〜20
B2O3 20〜30
SiO2 0〜10
ZnO 0〜20
MgO 3〜10
CaO 0〜20
BaO 7〜15
SnO2 0〜 5
ZrO2 0〜 5
TiO2 0〜10
Li2O+Na2O+K2O 0〜10
F2 0〜 3
であることを特徴とする、軟化点が550℃以下、50〜350℃での線熱膨張係数(ガラス単体)が75〜85×10−7 /℃、誘電率が7.0以下、耐電圧が1KV以上であるP2O5系低融点ガラス組成物。 - ガラス組成物中のP2O5/Al2O3重量比が3以下である請求項1に記載のガラス組成物。
- 請求項1又は2に記載のガラス組成物60〜100重量%と無機顔料及び/又は無機フィラー0〜40重量%とからなる、プラズマディスプレイパネルの背面板上に設けられたアドレス電極を被覆するための、誘電体層用ガラス組成物。
- 請求項1又は2に記載のガラス組成物60〜100重量%と無機顔料及び/又は無機フィラー0〜40重量%とからなる、プラズマディスプレイパネルの背面板上に設けられる隔壁を形成するための、隔壁形成用ガラス組成物。
- プラズマディスプレイパネルの背面板を製造する方法であって、パターン化したアドレス電極を設けた背面基板上に、請求項3に記載のガラス組成物を用いて誘電体層を形成する工程及び請求項4に記載のガラス組成物を用いて隔壁を形成する工程と共に、両ガラス組成物を焼成する工程を含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの背面板の製造方法。
- 焼成工程が両ガラス組成物を同時に焼成するものである請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの背面板の製造方法。
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