JPWO2004078819A1 - ポリイソシアネート組成物、およびそれを用いた水性硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、一般式(I)(式中、Rは、低級アルキレンを表す)で表されるリジンエステルトリイソシアネートと乳化剤とを含むポリイソシアネート組成物等を提供する。
Description
本発明は、塗料、コーティング剤、インク、粘接着剤、レジスト材料、シーリング剤等の用途に有用な水に分散可能なポリイソシアネート組成物および当該ポリイソシアネート組成物を含有する水性硬化性組成物に関する。
近年、環境問題から揮発性有機溶剤の使用量の低減が求められる中、多くの分野で、ポリイソシアネートを含む有機溶媒系の組成物を水性化する試みがなされている。
例えば、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレングリコール、ポリイソシアネートとノニオン性基を含有するビニル系重合体等を組み合わせた水分散性イソシアネート組成物が報告されている(特許第2961475号明細書、特開2002−194237号公報参照)。
特開2002−194237号公報においては、ポリイソシアネートとして、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエートが開示されているが、実施例では、ヘキサメチレンジイソシアネートが開示されているのみである。
しかしながら、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のポリイソシアネートを使用するポリイソシアネート組成物は、水性アクリルポリオール等ポリオール成分との混合性が充分ではなく、これらを混合するためには高速撹拌機が必要、かつ混合に時間を要するという問題がある。
例えば、ポリイソシアネートとポリオキシアルキレングリコール、ポリイソシアネートとノニオン性基を含有するビニル系重合体等を組み合わせた水分散性イソシアネート組成物が報告されている(特許第2961475号明細書、特開2002−194237号公報参照)。
特開2002−194237号公報においては、ポリイソシアネートとして、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエートが開示されているが、実施例では、ヘキサメチレンジイソシアネートが開示されているのみである。
しかしながら、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のポリイソシアネートを使用するポリイソシアネート組成物は、水性アクリルポリオール等ポリオール成分との混合性が充分ではなく、これらを混合するためには高速撹拌機が必要、かつ混合に時間を要するという問題がある。
本発明の目的は、水分散性、保存安定性、硬化物の機械的強度、耐水性等に優れたポリイソシアネート組成物および当該ポリイソシアネート組成物を含む水性硬化性組成物を提供することにある。
本発明は、次の(1)〜(7)を提供する。
(1) 一般式(I)
(式中、Rは、低級アルキレンを表す)で表されるリジンエステルトリイソシアネートと乳化剤とを含むポリイソシアネート組成物。
(2) リジンエステルトリイソシアネートと乳化剤の割合が、重量比で5:95〜99.5:0.5である(1)に記載のポリイソシアネート組成物。
(3) ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度が25〜47重量%である(1)または(2)に記載のポリイソシアネート組成物。
(4) 20℃における粘度が25〜500cpsである(1)〜(3)のいずれかにに記載のポリイソシアネート組成物。
(5) 乳化剤がイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物またはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
(6) Rがエチレンである(1)〜(5)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物およびイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂を含む水性硬化性組成物。
一般式(I)中の基の定義において、低級アルキレンとしては、例えば、炭素数2〜8の直鎖または分枝状のアルキレン等があげられ、その具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン等があげられ、中でも、エチレンが好ましい。以下、一般式(I)で表されるリジンエステルトリイソシアネートを、単にリジンエステルトリイソシアネートと表現することもある。
本発明に使用されるリジンエステルトリイソシアネートは、特に限定されないが、公知の方法(例えば、特開2002−3462号公報等に記載された方法)により製造することができ、また、例えば、一般式(I)中のRがエチレンである2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートは、市販品として入手することもできる。
本発明に使用される乳化剤は、親水基と疎水基を併せもつ界面活性能を有する物質であれば、特には限定されない。この例として、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、ノニオン性乳化剤等の工業用に広く用いられる乳化剤、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物等があげられ、中でも、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物が好ましく、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物がより好ましい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸等またはそれらの塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート等があげられる。
カチオン性乳化剤としては、例えば、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等の四級ホスフォニウム塩等があげられる。
両性乳化剤としては、例えば、酢酸ベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、イミダゾリウムベタイン、アミンオキシド等があげられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルのエチレンオキシド付加物、炭素数が5以上の長鎖アルコールのエチレンオキシド付加物、ノニルフェノール等のアルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、アルキルグルコシド等があげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセチル基等の活性メチレン基を含有する基等があげられ、中でも、ヒドロキシル基およびアミノ基が好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(アミノメチル)酢酸、2,2−ビス(アミノメチル)プロピオン酸、3−メルカプト−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(メルカプトメチル)酢酸、2,2−ビス(メルカプトメチル)プロピオン酸等、またはそれらの中のカルボキシル基を第三級アミンで一部あるいはすべて中和したもの等があげられる。その際に用いる第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等があげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するノニオン性親水性化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキシドまたはその末端ヒドロキシル基をアミノ基もしくはメルカプト基に変換した化合物等があげられる。ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等があげられ、ポリエチレンオキシドが好ましい。ポリアルキレンオキシドは、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにアルキレンオキシドを付加して得られ、数平均分子量は、200〜5,000であるのが好ましく、300〜1,500であるのがより好ましい。ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合物等のポリアルキレンオキシドの場合、エチレンオキシド含有量は50重量%以上であるのが好ましい。末端ヒドロキシル基のアミノ基もしくはメルカプト基への変換は、公知の方法により行うことができ、末端ヒドロキシル基のアミノ基への変換は、例えば、「モリソンボイド有機化学(中)、第3版、1977年、653頁および911頁」に準じて、末端ヒドロキシル基のメルカプト基への変換は、例えば、「フィーザー 最新有機化学 I、昭和39年、377頁」に準じて行うことができる。
疎水性ポリイソシアネートとしては、公知慣用の各種のアニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基等の親水性基を有しないポリイソシアネートを用いることができる。疎水性ポリイソシアネートの代表的なものとしては、[1]テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、[2]3−イソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート等の脂肪族トリイソシアネート、[3]1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−または1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−または2,6−ビス(イソシアネートメチル)ノルボルナン等の脂環式ジイソシアネート、[4]2,5−または2,6−ビス(イソシアネートメチル)−2−イソシアネートプロピルノルボルナン等の脂環式トリイソシアネート、[5]m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート等のアラルキレンジイソシアネート、[6]m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、[7]トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族トリイソシアネート、[8]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを結合して環化二量化したウレトジオン構造を有するポリイソシアネート、[9]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを結合して環化三量化したイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、[10]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート、[11]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを二酸化炭素と反応させることにより得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート、[12]アロファネート構造を有するポリイソシアネート等があげられ、中でも、疎水性脂肪族または脂環式ジもしくはトリイソシアネートが好ましく、リジンエステルトリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートがより好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応において、反応温度は、特に限定されないが、20〜120℃であるのが好ましく、40〜110℃であるのがより好ましい。イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの原料の割合は、(イソシアネート基のモル数)/(活性水素含有基のモル数)で1〜20とするのが好ましく、1〜10とするのがより好ましい。反応は、活性水素含有基がイソシアネート基と反応終了するまで続けるのが好ましい。この際、必要に応じて反応触媒を使用してもよい。反応触媒としては、有機スズ、有機チタン等のルイス酸、三級アミン等があげられる。
本発明のポリイソシアネート組成物では、リジンエステルトリイソシアネートと乳化剤の比(重量比)は、特に限定されないが、好ましくは5:95〜99.5:0.5で、より好ましく40:60〜90:10である。
本発明のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度(以下、NCO濃度と略す)は、好ましくは25〜47重量%、より好ましくは30〜45重量%である。
本発明のポリイソシアネート組成物は、無色、もしくは淡黄色であり、20℃における粘度は好ましくは25〜500cps、より好ましくは30〜400cps、さらに好ましくは50〜300cpsである。
本発明のポリイソシアネート組成物は、溶剤を用いて使用してもよい。その際用いることのできる溶剤としてはイソシアネート基に対して不活性であるもので、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングレコールモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、2−ブタノン、4−メチルペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングレコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングレコールブチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、N−メチルカプロラクタム等があげられる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、長期間の保存または低温での保存において結晶化することがなく、また、高いせん断力をかけないで、単に手で攪拌するだけで容易に水の中で乳化させることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、塗料、コーティング剤、インク、粘接着剤、レジスト材料、シーリング剤等の用途に有用である。
次に、本発明のポリイソシアネート組成物およびイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂を含む水性硬化性組成物について説明する。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基としては、前記と同様のものがあげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂としては、水溶液タイプ、コロイダルディスパージョンやエマルジョン等の水分散液タイプ等の公知慣用の形態のものがあげられ、例えば、▲1▼酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、フルオロオレフィン系樹脂、シリコン変性ビニル系重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系重合体、▲2▼ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコン系樹脂等のビニル系重合体以外の合成樹脂類、▲3▼動物性たんぱく質、でんぷん、セルロース誘導体、デキストリン、アラビアゴム等の天然高分子等があげられ、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂に含まれるイソシアネート基と反応する活性水素含有基の量は、本発明の水性硬化性組成物の硬化性および得られる硬化物の耐水性の点から、水性樹脂の固形分1000g当たり、好ましくは0.01〜6モル、より好ましくは0.05〜4モル、さらに好ましくは0.1〜2モルである。また、これらの水性樹脂は、単独でまたは2種以上の混合物として使用してもよい。
本発明の水性硬化性組成物において、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基のモル数と水性樹脂に含有されるイソシアネート基と反応する活性水素含有基のモル数との比は、好ましくは0.1:1〜10:1、より好ましくは0.3:1〜5:1、さらに好ましくは0.5:1〜3:1である。
本発明の水性硬化性組成物の調製においては、高速攪拌機を使用してもよいが、手で攪拌することによっても該組成物を均一化することができる。
本発明の水性硬化性組成物は、顔料を含まないクリヤーな組成物として使用することができ、有機系または無機系の公知慣用の各種の顔料を配合して着色組成物として使用することもできる。
こうして調製される水性硬化性組成物は、塗料、接着剤、インク、防水材、シーリング剤、天然繊維、合繊繊維、ガラス繊維の如き各種繊維や紙の含浸処理剤、天然繊維、合繊繊維、ガラス繊維等の各種繊維や紙の表面処理剤等の各種の用途に用いることができる。特に、水性塗料として用いる場合、透明性、光沢などの外観、耐水性、耐溶剤性等に優れる塗膜が得られる。
また、本発明の水性硬化性組成物には、必要に応じて、各種用途に適した添加剤、例えば、界面活性剤、充填剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、造膜助剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤等の、公知慣用の各種の添加剤等をも配合することができる。
本発明の水性硬化性組成物は、水を蒸発させることにより硬化させることができ、室温〜加熱条件下で硬化させることができる。
本発明は、次の(1)〜(7)を提供する。
(1) 一般式(I)
(式中、Rは、低級アルキレンを表す)で表されるリジンエステルトリイソシアネートと乳化剤とを含むポリイソシアネート組成物。
(2) リジンエステルトリイソシアネートと乳化剤の割合が、重量比で5:95〜99.5:0.5である(1)に記載のポリイソシアネート組成物。
(3) ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度が25〜47重量%である(1)または(2)に記載のポリイソシアネート組成物。
(4) 20℃における粘度が25〜500cpsである(1)〜(3)のいずれかにに記載のポリイソシアネート組成物。
(5) 乳化剤がイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物またはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物である(1)〜(4)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
(6) Rがエチレンである(1)〜(5)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
(7) (1)〜(6)のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物およびイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂を含む水性硬化性組成物。
一般式(I)中の基の定義において、低級アルキレンとしては、例えば、炭素数2〜8の直鎖または分枝状のアルキレン等があげられ、その具体例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン等があげられ、中でも、エチレンが好ましい。以下、一般式(I)で表されるリジンエステルトリイソシアネートを、単にリジンエステルトリイソシアネートと表現することもある。
本発明に使用されるリジンエステルトリイソシアネートは、特に限定されないが、公知の方法(例えば、特開2002−3462号公報等に記載された方法)により製造することができ、また、例えば、一般式(I)中のRがエチレンである2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートは、市販品として入手することもできる。
本発明に使用される乳化剤は、親水基と疎水基を併せもつ界面活性能を有する物質であれば、特には限定されない。この例として、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、ノニオン性乳化剤等の工業用に広く用いられる乳化剤、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物等があげられ、中でも、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物が好ましく、イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物がより好ましい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸等またはそれらの塩、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート等があげられる。
カチオン性乳化剤としては、例えば、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等の四級ホスフォニウム塩等があげられる。
両性乳化剤としては、例えば、酢酸ベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、イミダゾリウムベタイン、アミンオキシド等があげられる。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルのエチレンオキシド付加物、炭素数が5以上の長鎖アルコールのエチレンオキシド付加物、ノニルフェノール等のアルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、アルキルグルコシド等があげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、アセトアセチル基等の活性メチレン基を含有する基等があげられ、中でも、ヒドロキシル基およびアミノ基が好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(アミノメチル)酢酸、2,2−ビス(アミノメチル)プロピオン酸、3−メルカプト−2,2−ジメチルプロピオン酸、2,2−ビス(メルカプトメチル)酢酸、2,2−ビス(メルカプトメチル)プロピオン酸等、またはそれらの中のカルボキシル基を第三級アミンで一部あるいはすべて中和したもの等があげられる。その際に用いる第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等があげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するノニオン性親水性化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキシドまたはその末端ヒドロキシル基をアミノ基もしくはメルカプト基に変換した化合物等があげられる。ポリアルキレンオキシドとしては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等があげられ、ポリエチレンオキシドが好ましい。ポリアルキレンオキシドは、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにアルキレンオキシドを付加して得られ、数平均分子量は、200〜5,000であるのが好ましく、300〜1,500であるのがより好ましい。ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドの共重合物等のポリアルキレンオキシドの場合、エチレンオキシド含有量は50重量%以上であるのが好ましい。末端ヒドロキシル基のアミノ基もしくはメルカプト基への変換は、公知の方法により行うことができ、末端ヒドロキシル基のアミノ基への変換は、例えば、「モリソンボイド有機化学(中)、第3版、1977年、653頁および911頁」に準じて、末端ヒドロキシル基のメルカプト基への変換は、例えば、「フィーザー 最新有機化学 I、昭和39年、377頁」に準じて行うことができる。
疎水性ポリイソシアネートとしては、公知慣用の各種のアニオン性基、カチオン性基およびノニオン性基等の親水性基を有しないポリイソシアネートを用いることができる。疎水性ポリイソシアネートの代表的なものとしては、[1]テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、[2]3−イソシアネートヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、リジンエステルトリイソシアネート等の脂肪族トリイソシアネート、[3]1,3−または1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−または1,4−ジイソシアネートシクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−または2,6−ビス(イソシアネートメチル)ノルボルナン等の脂環式ジイソシアネート、[4]2,5−または2,6−ビス(イソシアネートメチル)−2−イソシアネートプロピルノルボルナン等の脂環式トリイソシアネート、[5]m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート等のアラルキレンジイソシアネート、[6]m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−または2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、[7]トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族トリイソシアネート、[8]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを結合して環化二量化したウレトジオン構造を有するポリイソシアネート、[9]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを結合して環化三量化したイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート、[10]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート、[11]前記した各種のジイソシアネートもしくはトリイソシアネートを二酸化炭素と反応させることにより得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート、[12]アロファネート構造を有するポリイソシアネート等があげられ、中でも、疎水性脂肪族または脂環式ジもしくはトリイソシアネートが好ましく、リジンエステルトリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートがより好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応において、反応温度は、特に限定されないが、20〜120℃であるのが好ましく、40〜110℃であるのがより好ましい。イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物もしくはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの原料の割合は、(イソシアネート基のモル数)/(活性水素含有基のモル数)で1〜20とするのが好ましく、1〜10とするのがより好ましい。反応は、活性水素含有基がイソシアネート基と反応終了するまで続けるのが好ましい。この際、必要に応じて反応触媒を使用してもよい。反応触媒としては、有機スズ、有機チタン等のルイス酸、三級アミン等があげられる。
本発明のポリイソシアネート組成物では、リジンエステルトリイソシアネートと乳化剤の比(重量比)は、特に限定されないが、好ましくは5:95〜99.5:0.5で、より好ましく40:60〜90:10である。
本発明のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度(以下、NCO濃度と略す)は、好ましくは25〜47重量%、より好ましくは30〜45重量%である。
本発明のポリイソシアネート組成物は、無色、もしくは淡黄色であり、20℃における粘度は好ましくは25〜500cps、より好ましくは30〜400cps、さらに好ましくは50〜300cpsである。
本発明のポリイソシアネート組成物は、溶剤を用いて使用してもよい。その際用いることのできる溶剤としてはイソシアネート基に対して不活性であるもので、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングレコールモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、2−ブタノン、4−メチルペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングレコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングレコールブチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、N−メチルカプロラクタム等があげられる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、長期間の保存または低温での保存において結晶化することがなく、また、高いせん断力をかけないで、単に手で攪拌するだけで容易に水の中で乳化させることができる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、塗料、コーティング剤、インク、粘接着剤、レジスト材料、シーリング剤等の用途に有用である。
次に、本発明のポリイソシアネート組成物およびイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂を含む水性硬化性組成物について説明する。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基としては、前記と同様のものがあげられる。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂としては、水溶液タイプ、コロイダルディスパージョンやエマルジョン等の水分散液タイプ等の公知慣用の形態のものがあげられ、例えば、▲1▼酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、フルオロオレフィン系樹脂、シリコン変性ビニル系重合体、ポリビニルアルコール等のビニル系重合体、▲2▼ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコン系樹脂等のビニル系重合体以外の合成樹脂類、▲3▼動物性たんぱく質、でんぷん、セルロース誘導体、デキストリン、アラビアゴム等の天然高分子等があげられ、中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂に含まれるイソシアネート基と反応する活性水素含有基の量は、本発明の水性硬化性組成物の硬化性および得られる硬化物の耐水性の点から、水性樹脂の固形分1000g当たり、好ましくは0.01〜6モル、より好ましくは0.05〜4モル、さらに好ましくは0.1〜2モルである。また、これらの水性樹脂は、単独でまたは2種以上の混合物として使用してもよい。
本発明の水性硬化性組成物において、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基のモル数と水性樹脂に含有されるイソシアネート基と反応する活性水素含有基のモル数との比は、好ましくは0.1:1〜10:1、より好ましくは0.3:1〜5:1、さらに好ましくは0.5:1〜3:1である。
本発明の水性硬化性組成物の調製においては、高速攪拌機を使用してもよいが、手で攪拌することによっても該組成物を均一化することができる。
本発明の水性硬化性組成物は、顔料を含まないクリヤーな組成物として使用することができ、有機系または無機系の公知慣用の各種の顔料を配合して着色組成物として使用することもできる。
こうして調製される水性硬化性組成物は、塗料、接着剤、インク、防水材、シーリング剤、天然繊維、合繊繊維、ガラス繊維の如き各種繊維や紙の含浸処理剤、天然繊維、合繊繊維、ガラス繊維等の各種繊維や紙の表面処理剤等の各種の用途に用いることができる。特に、水性塗料として用いる場合、透明性、光沢などの外観、耐水性、耐溶剤性等に優れる塗膜が得られる。
また、本発明の水性硬化性組成物には、必要に応じて、各種用途に適した添加剤、例えば、界面活性剤、充填剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、造膜助剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤等の、公知慣用の各種の添加剤等をも配合することができる。
本発明の水性硬化性組成物は、水を蒸発させることにより硬化させることができ、室温〜加熱条件下で硬化させることができる。
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略称する)系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]50gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−400、日本油脂(株)製、平均分子量400]34gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。反応後、リジンエステルトリイソシアネート[LTI、協和発酵工業(株)製、NCO濃度47.2重量%]168gを加え、均一溶液になるよう攪拌した。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度35.5重量%、粘度200cps(20℃)であった。
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]50gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−1000、日本油脂(株)、平均分子量1000]85gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。反応後、リジンエステルトリイソシアネート[LTI、協和発酵工業(株)製、NCO濃度47.2重量%]675gを加え、均一溶液になるよう攪拌した。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度40.1重量%、粘度100cps(20℃)であった。
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにリジンエステルトリイソシアネート[LTI、協和発酵工業(株)製、NCO濃度47.2重量%]600gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−1000、日本油脂(株)製、平均分子量1000]90gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度39.4重量%、粘度250cps(20℃)であった。
比較例1
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]500gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−400、日本油脂(株)製、平均分子量400]75gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度17.0重量%、粘度3250cps(20℃)であった。
比較例2
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]500gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−1000、日本油脂(株)製、平均分子量1000]75gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度17.7重量%、粘度3500cps(20℃)であった。
試験例1 ポリイソシアネート組成物の水分散性の評価
200mLのビーカーに水70gと実施例1〜3および比較例1、2で得られた各ポリイソシアネート組成物30gを加え、23℃に保持して、マグネチックスターラーと回転子(全長30mm、直径8mm)を用いて、200rpmの攪拌速度で攪拌し、その分散挙動(◎:攪拌開始から10秒以内に均一に分散、○:攪拌開始から1分以内に均一に分散、△:攪拌開始から10分以内に均一に分散、×:分散するが、一部溶け残りあり、××:分散しない)を目視で評価した。評価結果を表−1に示す。
表−1に示す通り、実施例1〜3で得られたポリイソシアネート組成物は、水分散性に優れていた。
参考例 アクリル系樹脂エマルジョンの調製
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口セパラブルフラスコに水417.2gを入れ、窒素気流下、70℃まで昇温した後、アクアロンHS−10[第一工業製薬(株)製]10.8g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート11.3g、メタクリル酸メチル119.4g、アクリル酸ブチル176.5g、スチレン36.0gおよびメタクリル酸6.1gの混合物のうち、1/5に相当する量を一括添加した。その後、過硫酸アンモニウム0.8gを蒸留水80gに溶解させたものを投入した。初期重合後、70℃で安定したところで、残りの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、2時間熟成した。熟成終了後、28%アンモニア水溶液4.5gで中和し、不揮発分42.0重量%、固形分水酸基価13.5mgKOH/gであるヒドロキシル基含有アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
実施例4〜6および比較例3、4
実施例1〜3および比較例1、2で得られたポリイソシアネート組成物と、参考例で得られたアクリル系樹脂エマルジョンを用いて、NCO/OH=2/1(モル比)となるように各水性硬化性組成物を調製した。
試験例2 水性硬化性組成物の評価
実施例4〜6および比較例3、4で得られた各水性硬化性組成物を乾燥被膜の厚さが30μmとなるようにアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、温度23℃、湿度50%の条件で一週間硬化、乾燥させた。この硬化した塗膜について、以下のように、塗膜外観、ゲル分率、耐水性および機械的強度を評価した。
塗膜外観:目視にて評価した。
ゲル分率:ガラス板上に作成した塗膜をガラス板から切り取り、これを還流条件下のテトラヒドロフラン(THF)中に8時間浸漬した後、真空乾燥器を使用し、80℃、1.33kPa条件で6時間乾燥させ、ゲル分率を下記の式にて算出した。
ゲル分率(%)=(THF浸漬後の塗膜の重量)/(THF浸漬前の塗膜の重量)×100
耐水性:ガラス板上に作成した塗膜を脱イオン水に23℃、24時間浸漬し、塗膜の外観(◎:全く変化なし、○:ごくわずかに白化、△:かなり白化、×:著しく白化)を目視で評価した。
また、得られた水性硬化性組成物を乾燥被膜の厚さが200μmとなるようにアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、温度80℃、2時間の条件で硬化させた後、温度23℃、湿度50%で一日間乾燥させた。この硬化した塗膜について、以下のように、引張試験にて機械的強度を評価した。
引張試験:ガラス板より塗膜を剥がし、温度23℃、湿度50%で2日間乾燥させた。この塗膜からダンベル型の試験片を切り出し、JIS K7113に従い、以下の装置および条件にて破断点応力と破断点ひずみを測定した。
装置:AG−1オートグラフ(島津製作所)
ダンベル:2号形(標線間距離20mm)引張速度:300mm/分
評価結果を表−2に示す。
表−2に示す通り、実施例4〜6で得られた水性硬化性組成物は、塗膜外観、耐水性、機械的強度等に優れていた。
比較例1
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]500gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−400、日本油脂(株)製、平均分子量400]75gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度17.0重量%、粘度3250cps(20℃)であった。
比較例2
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口のフラスコにHDI系イソシアヌレート型ポリイソシアネート[スミジュールN3300、住友バイエルウレタン(株)製、NCO濃度21.6重量%、不揮発分100重量%]500gおよびメトキシポリエチレングリコール[ユニオックス M−1000、日本油脂(株)製、平均分子量1000]75gを加え、窒素気流下、100℃で2時間反応させた。得られたポリイソシアネート組成物は、無色透明な液体であり、NCO濃度17.7重量%、粘度3500cps(20℃)であった。
試験例1 ポリイソシアネート組成物の水分散性の評価
200mLのビーカーに水70gと実施例1〜3および比較例1、2で得られた各ポリイソシアネート組成物30gを加え、23℃に保持して、マグネチックスターラーと回転子(全長30mm、直径8mm)を用いて、200rpmの攪拌速度で攪拌し、その分散挙動(◎:攪拌開始から10秒以内に均一に分散、○:攪拌開始から1分以内に均一に分散、△:攪拌開始から10分以内に均一に分散、×:分散するが、一部溶け残りあり、××:分散しない)を目視で評価した。評価結果を表−1に示す。
表−1に示す通り、実施例1〜3で得られたポリイソシアネート組成物は、水分散性に優れていた。
参考例 アクリル系樹脂エマルジョンの調製
攪拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した四つ口セパラブルフラスコに水417.2gを入れ、窒素気流下、70℃まで昇温した後、アクアロンHS−10[第一工業製薬(株)製]10.8g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート11.3g、メタクリル酸メチル119.4g、アクリル酸ブチル176.5g、スチレン36.0gおよびメタクリル酸6.1gの混合物のうち、1/5に相当する量を一括添加した。その後、過硫酸アンモニウム0.8gを蒸留水80gに溶解させたものを投入した。初期重合後、70℃で安定したところで、残りの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、2時間熟成した。熟成終了後、28%アンモニア水溶液4.5gで中和し、不揮発分42.0重量%、固形分水酸基価13.5mgKOH/gであるヒドロキシル基含有アクリル系樹脂エマルジョンを得た。
実施例4〜6および比較例3、4
実施例1〜3および比較例1、2で得られたポリイソシアネート組成物と、参考例で得られたアクリル系樹脂エマルジョンを用いて、NCO/OH=2/1(モル比)となるように各水性硬化性組成物を調製した。
試験例2 水性硬化性組成物の評価
実施例4〜6および比較例3、4で得られた各水性硬化性組成物を乾燥被膜の厚さが30μmとなるようにアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、温度23℃、湿度50%の条件で一週間硬化、乾燥させた。この硬化した塗膜について、以下のように、塗膜外観、ゲル分率、耐水性および機械的強度を評価した。
塗膜外観:目視にて評価した。
ゲル分率:ガラス板上に作成した塗膜をガラス板から切り取り、これを還流条件下のテトラヒドロフラン(THF)中に8時間浸漬した後、真空乾燥器を使用し、80℃、1.33kPa条件で6時間乾燥させ、ゲル分率を下記の式にて算出した。
ゲル分率(%)=(THF浸漬後の塗膜の重量)/(THF浸漬前の塗膜の重量)×100
耐水性:ガラス板上に作成した塗膜を脱イオン水に23℃、24時間浸漬し、塗膜の外観(◎:全く変化なし、○:ごくわずかに白化、△:かなり白化、×:著しく白化)を目視で評価した。
また、得られた水性硬化性組成物を乾燥被膜の厚さが200μmとなるようにアプリケーターを用いてガラス板上に塗布し、温度80℃、2時間の条件で硬化させた後、温度23℃、湿度50%で一日間乾燥させた。この硬化した塗膜について、以下のように、引張試験にて機械的強度を評価した。
引張試験:ガラス板より塗膜を剥がし、温度23℃、湿度50%で2日間乾燥させた。この塗膜からダンベル型の試験片を切り出し、JIS K7113に従い、以下の装置および条件にて破断点応力と破断点ひずみを測定した。
装置:AG−1オートグラフ(島津製作所)
ダンベル:2号形(標線間距離20mm)引張速度:300mm/分
評価結果を表−2に示す。
表−2に示す通り、実施例4〜6で得られた水性硬化性組成物は、塗膜外観、耐水性、機械的強度等に優れていた。
本発明により、水分散性、保存安定性、硬化物の機械的強度、耐水性等に優れたポリイソシアネート組成物および当該ポリイソシアネート組成物を含む水性硬化性組成物が提供される。
Claims (7)
- リジンエステルトリイソシアネートと乳化剤の割合が、重量比で5:95〜99.5:0.5である請求の範囲1に記載のポリイソシアネート組成物。
- ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基濃度が25〜47重量%である請求の範囲1または2に記載のポリイソシアネート組成物。
- 20℃における粘度が25〜500cpsである請求の範囲1〜3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
- 乳化剤がイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有するアニオン性親水性化合物またはノニオン性親水性化合物と疎水性ポリイソシアネートとの反応で得られる化合物である請求の範囲1〜4のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
- Rがエチレンである請求の範囲1〜5のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物。
- 請求の範囲1〜6のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物およびイソシアネート基と反応する活性水素含有基を有する水性樹脂を含む水性硬化性組成物。
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