JPS6345603B2 - - Google Patents
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- JPS6345603B2 JPS6345603B2 JP8556485A JP8556485A JPS6345603B2 JP S6345603 B2 JPS6345603 B2 JP S6345603B2 JP 8556485 A JP8556485 A JP 8556485A JP 8556485 A JP8556485 A JP 8556485A JP S6345603 B2 JPS6345603 B2 JP S6345603B2
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Landscapes
- Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
Description
本発明は液体中に含まれている鉄分に磁気を与
える磁化装置に係り、特に醸造用水等の液体中に
イオン状で混在している鉄分に磁気を与えて共有
結合させ、粒子を粗大化して次段の濾過系により
容易且つほぼ完全に除鉄できるようになした液体
中の鉄分の磁化装置に関する。 以下、醸造用水を例にして説明すれば、醸造は
醸造用水の水質如何によつて醗酵状態の良し悪し
が決定される。醸造用水として備えるべき条件
は、水道水の水質基準に準じることは勿論である
が、醸造製品の品質を著しく劣化させる鉄やマン
ガン等の金属含量と、清冽な水の条件を満足させ
るため有機物量等を特に低く抑えなければならな
い。酵母の生育に必要な鉄の量は使用する原料穀
物から充分に供給されるので、用水中に鉄を全く
含有しない水が醸造好適水とされている。すなわ
ち、好適水といわれる用水中の鉄の含有は
0.02ppm以下が望ましく、0.05ppm以上の鉄が含
まれている場合は鉄分とバクテリヤが結合して、
醗酵にとつて有害な雑菌が繁殖したりして製品が
劣化し易いので醸造界では完全な除鉄に腐心して
いるのが現状である。 用水中の鉄分は水酸化鉄のように微粒子で浮遊
状態にあるもの、イオン状の低分子量のもの、腐
植質等の有機物と結合して錯化合物の形態をした
高分子量のもの等、その形態はさまざまで、除鉄
法としては、現在水酸化第一鉄の除去を目的とし
た気曝法、砂濾過法、接触酸化法、水中の第一鉄
を塩素によつて酸化して水酸化第二鉄として除去
する塩素酸化法、薬剤を用いる凝集法、活性炭や
造粒炭を用いた濾過法、イオン交換樹脂処理法等
があるが、これらの単独の濾過法では充分なる除
鉄は望めないのが現状である。特に、低分子量の
イオン化した鉄の除去は極めて困難とされてい
る。近時、電磁石や永久磁石による除鉄法が開発
されているが、本発明は永久磁石によるイオン状
の低分子量の鉄の除去をより効率的に行えるよう
になした液体中の鉄分の磁化装置に関するもので
ある。これまでの永久磁石による液体中の鉄分の
磁化法は、単独の永久磁石に液体を流速を落とし
て通し磁気を与える方法が多く、液体中の鉄に充
分な磁化を与えることができなかつた。 本発明は、処理すべき液体を、所定の間隙を保
持して多数並列せしめた永久磁石体間を複数回に
わたつて反復通過させることにより極めて効率よ
く、液体中の鉄分に充分に磁化を与えることがで
きるようになした液体中の鉄分の磁化装置を提供
することを目的とするものである。 本発明を詳述すれば、一端開口部に液体の流入
口を穿設した蓋体を固定すると共に、他端開口部
に液体の流出口を穿設した蓋体を固定してなる外
筒と、この外筒内のほぼ中心に位置し、一端開口
部を前記蓋体に穿設した液体の流入口に接続させ
ると共に、周面に液体の通流孔を多数穿設してな
る内筒と、この内筒の外周部に間隙保持体を介し
て多数配列させた環状の永久磁石体と、前記内筒
内の液体の通流路を仕切る内仕切板と、前記外筒
と内筒の間に形成される液体の通流路を仕切る外
仕切板とからなり、流入口より内筒内に入つた液
体を前記環状の永久磁石体間を複数回にわたつて
通過させ液体中に含まれている鉄分の磁化を促進
するようにしたことを特徴とする液体中の鉄分の
磁化装置、である。 本発明によれば、永久磁石体相互の間に間隙保
持体が設けられることによつて液体の流速を常に
円滑に保つことができると共に、間隙保持体によ
つて設けられた永久磁石体間の間隙の最も磁場の
強いところを液体が均一にしかも磁場と直交する
ような状態で通流するので磁化効率が大である特
徴を有する。 本発明装置にて処理した磁化液は24〜48時間程
度経過すると磁場通過前の液体と比較して白濁し
てくる。この現象は液体中のイオン化している鉄
が磁気を帯びて粒子が大きくなつたことによるも
ので、この磁化液を次段階の濾過系により精密濾
過することによつて白濁した鉄の粗大粒子が除去
され、用水中の鉄の含有量を醸造好適水の
0.02ppm以下にまで除去することが可能となる。 以下、本発明の具体的構成を図示の実施例に基
づき詳細に説明する。 第1図は本発明装置の一実施例を示す縦断面図
であり、図中1は外筒を示す。2は当該外筒1の
一端開口部に固定した蓋体であり、当該蓋体2の
ほぼ中央部には液体の流入口3を穿設してある。
4は外筒1の他端開口部に固定した蓋体を示し、
当該蓋体4のほぼ中央部には液体の流出口5を穿
設してある。6は前記蓋体2と蓋体4を連結して
外筒1と蓋体2及び蓋体4をそれぞれ水密状に固
定する長尺状の固定棒、7は環状のOリング、8
は蓋体2の流入口3に螺着した接続部材、9は蓋
体4の流出口5に螺着した接続部材をそれぞれ示
すものである。 10は前記外筒1内のほぼ中心に位置する内筒
であり、その周面には液体の通流孔11を多数穿
設してある。内筒10の両端部外周にはそれぞれ
雄螺子を刻設してあり、一方の端部を蓋体2の流
入口3に刻設してある雌螺子に螺着すると共に、
他端部を抑え体12に刻設してある雌螺子に螺着
する。 13は内筒10の外周部に間隙保持体14を介
して多数配列させた環状の永久磁石体であり、そ
れぞれの永久磁石体13はS極とN極とが相対す
るように配設してある。間隙保持体14は、第2
図及び第3図に示す実施例の場合、永久磁石体1
3とほぼ同じ外径形状をもつており、その平坦面
にはくつかの突起15を両側に向け突設すると共
に、中心部に穿設した通孔16の内周縁にはいく
つかの爪17を折曲形成してなる。永久磁石体1
3相互の間に間隙保持体14が介在することによ
り、永久磁石体13同志の間には僅かな隙間18
が得られると共に、爪17が内筒10の外周面に
当接することにより永久磁石体13の内周面と内
筒10との間にも僅かな隙間19が生ずることと
なる。なお、間隙保持体14の構造は、第2図及
び第3図に示す実施例に限られるものではなく、
要するに相隣れる永久磁石体13同志の間並びに
永久磁石体13の内周面と内筒10の外周面との
間に僅かな隙間が生ずるようになしたものであれ
ば、たとえば網目状や波板状となしたものでもよ
いものである。 20は前記内筒10内にある液体の通流路21
を仕切る内仕切板であり、22は外筒1と内筒1
0の間に形成される液体の通流路23を仕切る外
仕切板である。 図示の実施例では、多数配列した永久磁石体1
3をほぼ二分する位置に外仕切板22を水密状に
固定すると共に、流出口5側にも外仕切板22を
水密状に固定して、通流路23を二つのブロツク
に区分するようになし、各ブロツクのほぼ中間位
置にあたる内筒10内にそれぞれ内仕切板20,
20を水密状に固定した構造となつているが、内
仕初板20及び外仕切板22の数や各ブロツクの
長さは適宜変更することができるものである。 なお、流出口5側に配置する外仕切板22は、
抑え体12の螺着により後端の永久磁石体13と
の間に挟まれ固定される。また、一方の端部を蓋
体2の流入口3に螺着した内筒10は外仕切板2
2,22によつて外筒1内のほぼ中心部に保持さ
れる。 本発明装置の使用にあたつては、先づ接続部材
8に原液管をつなぎ該原液管より内筒10内に処
理前の原液を供給する。原液は通流路21を通つ
て、第一の内仕切板20に向け流れるが、内筒1
0の周面には通流孔11が多数穿設してあるの
で、原液はこの通流孔11を通つて外筒1と内筒
10間にある通流路23内に入る。その際、原液
は永久磁石体13同志の間の隙間18を通り、永
久磁石体13の最大磁場(本実施例では、外径80
mm、内径40mm、厚さ10mmで360K/Gの永久磁石
体を使用)を扇状にしかも磁場に対し直交するよ
うに通過するので最も強く磁気を受けることにな
る。なお、間隙保持体14には前記したとおり爪
17が折曲形成してあるので、永久磁石体13と
内筒10の間にも僅かな隙間19が得られ、内筒
10の外周部の原液の円滑なる循環が図れるもの
である。 通流路23内に入つた原液は、外仕切板22に
よつて直進を阻まれ、再び永久磁石体13の間の
最大磁場を通つて、内筒10内の通流路21内に
戻る。そして、原液は外仕切板22を境にした第
二ブロツク内に入り、内筒10内の通流孔11を
通つて外筒1内の通流路23内を進み、後端の外
仕切板22により再度永久磁石体13間の隙間1
8を通つて内筒10内の最終の通流路21内に入
り、蓋体4に穿設した流出口5より磁化液となつ
て装置外に排出されるものである。 本発明によれば、原液は複数の最大磁場を扇状
にしかも磁場に対し直交するように円滑に通流す
ることができ、複数回の磁場の通過により短時間
に且つ確実に大量の磁気液が、塩素酸化法や薬剤
による凝集法等の除鉄のように水質を変えること
なく得られ、原液中のイオン状の低分子量の鉄を
高分子状の粒子となし、次段階の精密濾過にて容
易に除鉄することができるようになるものであ
る。以下に示す表1は、鉄分の含量がそれぞれ異
なる三種類の処理前の原水を対象として、セラミ
ツク濾過処理に直接かけた場合と、本発明装置に
より処理した後セラミツク濾過にかけて処理した
場合の鉄分の含量をそれぞれ比較したものであ
る。 なお、本実施例では外径80mm、内径40mm、厚さ
10mmで360K/Gの永久磁石体を用いた。表1に
示されるとおり、種別3の0.25ppm程度の原水中
の鉄分なら、本発明の永久磁石体間の磁場を二回
程度通過させた後セラミツク濾過一回の処理だけ
でも鉄分不検出の状態にまで鉄分を除去すること
ができる。 この鉄分の除去理論を考察すると、原水中に存
在するイオン型の鉄分が永久磁石の磁場の影響を
受け共有給合することによるものであり、共有給
合した場合の形態は表2のようになる。 共有結合済みの鉄分が永久磁石体間の磁場を通
過するときに受ける磁気によつて、その分子が更
に二個以上の形態を形成すると、少なくとも0.4μ
フイルター(直径4.0×10-7mm)の濾過能力より
も大となるので0.4μフイルターで除去される。こ
こでもし0.2μフイルター(直径2.0×10-7mm)を使
用して濾過を行なえば、共有結合済みの鉄分は全
て除去され、イオン型のみの鉄分だけが水中には
残留することになる。 次の表3は、原水を本発明の永久磁石体間を一
回通過させた後、0.2μフイルターで濾過を行なつ
た場合のFe2+の含有率を示したものである。 表3に示されるとおり、Fe2+の含有率は時間
が経過するほどその値は減少していることが分か
る。従つて、永久磁石体間の磁場を通過させた用
水はできるだけ時間の経過後に濾過を行なうこと
が望ましいことが分かる。 以上の試験結果を総合して考察すると、本発明
の永久磁石体間の磁場を用水が通過するとき、用
水中の鉄分の受ける影響は、Feイオンを共有
結合させる作用、共有結合済みのFeを集合さ
せる作用、上記及び以外の方法でFe2+を
集合体化させその径を巨大化させる作用、等が考
えられる。従つて、表1に示されるとおり、本発
明の永久磁石体間の磁場を用水を通流させた後、
0.2〜0.4μフイルターにより濾過することによつ
て、たとえば醸造用水中の鉄分をその好適水とし
ての鉄分0.02ppm以下にまで濾過することができ
るものである。
える磁化装置に係り、特に醸造用水等の液体中に
イオン状で混在している鉄分に磁気を与えて共有
結合させ、粒子を粗大化して次段の濾過系により
容易且つほぼ完全に除鉄できるようになした液体
中の鉄分の磁化装置に関する。 以下、醸造用水を例にして説明すれば、醸造は
醸造用水の水質如何によつて醗酵状態の良し悪し
が決定される。醸造用水として備えるべき条件
は、水道水の水質基準に準じることは勿論である
が、醸造製品の品質を著しく劣化させる鉄やマン
ガン等の金属含量と、清冽な水の条件を満足させ
るため有機物量等を特に低く抑えなければならな
い。酵母の生育に必要な鉄の量は使用する原料穀
物から充分に供給されるので、用水中に鉄を全く
含有しない水が醸造好適水とされている。すなわ
ち、好適水といわれる用水中の鉄の含有は
0.02ppm以下が望ましく、0.05ppm以上の鉄が含
まれている場合は鉄分とバクテリヤが結合して、
醗酵にとつて有害な雑菌が繁殖したりして製品が
劣化し易いので醸造界では完全な除鉄に腐心して
いるのが現状である。 用水中の鉄分は水酸化鉄のように微粒子で浮遊
状態にあるもの、イオン状の低分子量のもの、腐
植質等の有機物と結合して錯化合物の形態をした
高分子量のもの等、その形態はさまざまで、除鉄
法としては、現在水酸化第一鉄の除去を目的とし
た気曝法、砂濾過法、接触酸化法、水中の第一鉄
を塩素によつて酸化して水酸化第二鉄として除去
する塩素酸化法、薬剤を用いる凝集法、活性炭や
造粒炭を用いた濾過法、イオン交換樹脂処理法等
があるが、これらの単独の濾過法では充分なる除
鉄は望めないのが現状である。特に、低分子量の
イオン化した鉄の除去は極めて困難とされてい
る。近時、電磁石や永久磁石による除鉄法が開発
されているが、本発明は永久磁石によるイオン状
の低分子量の鉄の除去をより効率的に行えるよう
になした液体中の鉄分の磁化装置に関するもので
ある。これまでの永久磁石による液体中の鉄分の
磁化法は、単独の永久磁石に液体を流速を落とし
て通し磁気を与える方法が多く、液体中の鉄に充
分な磁化を与えることができなかつた。 本発明は、処理すべき液体を、所定の間隙を保
持して多数並列せしめた永久磁石体間を複数回に
わたつて反復通過させることにより極めて効率よ
く、液体中の鉄分に充分に磁化を与えることがで
きるようになした液体中の鉄分の磁化装置を提供
することを目的とするものである。 本発明を詳述すれば、一端開口部に液体の流入
口を穿設した蓋体を固定すると共に、他端開口部
に液体の流出口を穿設した蓋体を固定してなる外
筒と、この外筒内のほぼ中心に位置し、一端開口
部を前記蓋体に穿設した液体の流入口に接続させ
ると共に、周面に液体の通流孔を多数穿設してな
る内筒と、この内筒の外周部に間隙保持体を介し
て多数配列させた環状の永久磁石体と、前記内筒
内の液体の通流路を仕切る内仕切板と、前記外筒
と内筒の間に形成される液体の通流路を仕切る外
仕切板とからなり、流入口より内筒内に入つた液
体を前記環状の永久磁石体間を複数回にわたつて
通過させ液体中に含まれている鉄分の磁化を促進
するようにしたことを特徴とする液体中の鉄分の
磁化装置、である。 本発明によれば、永久磁石体相互の間に間隙保
持体が設けられることによつて液体の流速を常に
円滑に保つことができると共に、間隙保持体によ
つて設けられた永久磁石体間の間隙の最も磁場の
強いところを液体が均一にしかも磁場と直交する
ような状態で通流するので磁化効率が大である特
徴を有する。 本発明装置にて処理した磁化液は24〜48時間程
度経過すると磁場通過前の液体と比較して白濁し
てくる。この現象は液体中のイオン化している鉄
が磁気を帯びて粒子が大きくなつたことによるも
ので、この磁化液を次段階の濾過系により精密濾
過することによつて白濁した鉄の粗大粒子が除去
され、用水中の鉄の含有量を醸造好適水の
0.02ppm以下にまで除去することが可能となる。 以下、本発明の具体的構成を図示の実施例に基
づき詳細に説明する。 第1図は本発明装置の一実施例を示す縦断面図
であり、図中1は外筒を示す。2は当該外筒1の
一端開口部に固定した蓋体であり、当該蓋体2の
ほぼ中央部には液体の流入口3を穿設してある。
4は外筒1の他端開口部に固定した蓋体を示し、
当該蓋体4のほぼ中央部には液体の流出口5を穿
設してある。6は前記蓋体2と蓋体4を連結して
外筒1と蓋体2及び蓋体4をそれぞれ水密状に固
定する長尺状の固定棒、7は環状のOリング、8
は蓋体2の流入口3に螺着した接続部材、9は蓋
体4の流出口5に螺着した接続部材をそれぞれ示
すものである。 10は前記外筒1内のほぼ中心に位置する内筒
であり、その周面には液体の通流孔11を多数穿
設してある。内筒10の両端部外周にはそれぞれ
雄螺子を刻設してあり、一方の端部を蓋体2の流
入口3に刻設してある雌螺子に螺着すると共に、
他端部を抑え体12に刻設してある雌螺子に螺着
する。 13は内筒10の外周部に間隙保持体14を介
して多数配列させた環状の永久磁石体であり、そ
れぞれの永久磁石体13はS極とN極とが相対す
るように配設してある。間隙保持体14は、第2
図及び第3図に示す実施例の場合、永久磁石体1
3とほぼ同じ外径形状をもつており、その平坦面
にはくつかの突起15を両側に向け突設すると共
に、中心部に穿設した通孔16の内周縁にはいく
つかの爪17を折曲形成してなる。永久磁石体1
3相互の間に間隙保持体14が介在することによ
り、永久磁石体13同志の間には僅かな隙間18
が得られると共に、爪17が内筒10の外周面に
当接することにより永久磁石体13の内周面と内
筒10との間にも僅かな隙間19が生ずることと
なる。なお、間隙保持体14の構造は、第2図及
び第3図に示す実施例に限られるものではなく、
要するに相隣れる永久磁石体13同志の間並びに
永久磁石体13の内周面と内筒10の外周面との
間に僅かな隙間が生ずるようになしたものであれ
ば、たとえば網目状や波板状となしたものでもよ
いものである。 20は前記内筒10内にある液体の通流路21
を仕切る内仕切板であり、22は外筒1と内筒1
0の間に形成される液体の通流路23を仕切る外
仕切板である。 図示の実施例では、多数配列した永久磁石体1
3をほぼ二分する位置に外仕切板22を水密状に
固定すると共に、流出口5側にも外仕切板22を
水密状に固定して、通流路23を二つのブロツク
に区分するようになし、各ブロツクのほぼ中間位
置にあたる内筒10内にそれぞれ内仕切板20,
20を水密状に固定した構造となつているが、内
仕初板20及び外仕切板22の数や各ブロツクの
長さは適宜変更することができるものである。 なお、流出口5側に配置する外仕切板22は、
抑え体12の螺着により後端の永久磁石体13と
の間に挟まれ固定される。また、一方の端部を蓋
体2の流入口3に螺着した内筒10は外仕切板2
2,22によつて外筒1内のほぼ中心部に保持さ
れる。 本発明装置の使用にあたつては、先づ接続部材
8に原液管をつなぎ該原液管より内筒10内に処
理前の原液を供給する。原液は通流路21を通つ
て、第一の内仕切板20に向け流れるが、内筒1
0の周面には通流孔11が多数穿設してあるの
で、原液はこの通流孔11を通つて外筒1と内筒
10間にある通流路23内に入る。その際、原液
は永久磁石体13同志の間の隙間18を通り、永
久磁石体13の最大磁場(本実施例では、外径80
mm、内径40mm、厚さ10mmで360K/Gの永久磁石
体を使用)を扇状にしかも磁場に対し直交するよ
うに通過するので最も強く磁気を受けることにな
る。なお、間隙保持体14には前記したとおり爪
17が折曲形成してあるので、永久磁石体13と
内筒10の間にも僅かな隙間19が得られ、内筒
10の外周部の原液の円滑なる循環が図れるもの
である。 通流路23内に入つた原液は、外仕切板22に
よつて直進を阻まれ、再び永久磁石体13の間の
最大磁場を通つて、内筒10内の通流路21内に
戻る。そして、原液は外仕切板22を境にした第
二ブロツク内に入り、内筒10内の通流孔11を
通つて外筒1内の通流路23内を進み、後端の外
仕切板22により再度永久磁石体13間の隙間1
8を通つて内筒10内の最終の通流路21内に入
り、蓋体4に穿設した流出口5より磁化液となつ
て装置外に排出されるものである。 本発明によれば、原液は複数の最大磁場を扇状
にしかも磁場に対し直交するように円滑に通流す
ることができ、複数回の磁場の通過により短時間
に且つ確実に大量の磁気液が、塩素酸化法や薬剤
による凝集法等の除鉄のように水質を変えること
なく得られ、原液中のイオン状の低分子量の鉄を
高分子状の粒子となし、次段階の精密濾過にて容
易に除鉄することができるようになるものであ
る。以下に示す表1は、鉄分の含量がそれぞれ異
なる三種類の処理前の原水を対象として、セラミ
ツク濾過処理に直接かけた場合と、本発明装置に
より処理した後セラミツク濾過にかけて処理した
場合の鉄分の含量をそれぞれ比較したものであ
る。 なお、本実施例では外径80mm、内径40mm、厚さ
10mmで360K/Gの永久磁石体を用いた。表1に
示されるとおり、種別3の0.25ppm程度の原水中
の鉄分なら、本発明の永久磁石体間の磁場を二回
程度通過させた後セラミツク濾過一回の処理だけ
でも鉄分不検出の状態にまで鉄分を除去すること
ができる。 この鉄分の除去理論を考察すると、原水中に存
在するイオン型の鉄分が永久磁石の磁場の影響を
受け共有給合することによるものであり、共有給
合した場合の形態は表2のようになる。 共有結合済みの鉄分が永久磁石体間の磁場を通
過するときに受ける磁気によつて、その分子が更
に二個以上の形態を形成すると、少なくとも0.4μ
フイルター(直径4.0×10-7mm)の濾過能力より
も大となるので0.4μフイルターで除去される。こ
こでもし0.2μフイルター(直径2.0×10-7mm)を使
用して濾過を行なえば、共有結合済みの鉄分は全
て除去され、イオン型のみの鉄分だけが水中には
残留することになる。 次の表3は、原水を本発明の永久磁石体間を一
回通過させた後、0.2μフイルターで濾過を行なつ
た場合のFe2+の含有率を示したものである。 表3に示されるとおり、Fe2+の含有率は時間
が経過するほどその値は減少していることが分か
る。従つて、永久磁石体間の磁場を通過させた用
水はできるだけ時間の経過後に濾過を行なうこと
が望ましいことが分かる。 以上の試験結果を総合して考察すると、本発明
の永久磁石体間の磁場を用水が通過するとき、用
水中の鉄分の受ける影響は、Feイオンを共有
結合させる作用、共有結合済みのFeを集合さ
せる作用、上記及び以外の方法でFe2+を
集合体化させその径を巨大化させる作用、等が考
えられる。従つて、表1に示されるとおり、本発
明の永久磁石体間の磁場を用水を通流させた後、
0.2〜0.4μフイルターにより濾過することによつ
て、たとえば醸造用水中の鉄分をその好適水とし
ての鉄分0.02ppm以下にまで濾過することができ
るものである。
【表】
析による。
【表】
第1図は本発明装置の一実施例を示す縦断面
図、第2図は間隙保持体の一実施例を示す平面
図、第3図は第2図のA−A断面図、第4図は永
久磁石体と間隙保持体の関係を示す断面図であ
る。 1:外筒、2:蓋体、3:流入口、4:蓋体、
5:流出口、6:固定棒、7:Oリング、8:接
続部材、9:接続部材、10:内筒、11:通流
孔、12:抑え体、13:永久磁石体、14:間
隙保持体、15:突起、16:通孔、17:爪、
18:隙間、19:隙間、20:内仕切板、2
1:通流路、22:外仕切板、23:通流路。
図、第2図は間隙保持体の一実施例を示す平面
図、第3図は第2図のA−A断面図、第4図は永
久磁石体と間隙保持体の関係を示す断面図であ
る。 1:外筒、2:蓋体、3:流入口、4:蓋体、
5:流出口、6:固定棒、7:Oリング、8:接
続部材、9:接続部材、10:内筒、11:通流
孔、12:抑え体、13:永久磁石体、14:間
隙保持体、15:突起、16:通孔、17:爪、
18:隙間、19:隙間、20:内仕切板、2
1:通流路、22:外仕切板、23:通流路。
Claims (1)
- 1 一端開口部に液体の流入口を穿設した蓋体を
固定すると共に、他端開口部に液体の流出口を穿
設した蓋体を固定してなる外筒と、この外筒内の
ほぼ中心に位置し、一端開口部を前記蓋体に穿設
した液体の流入口に接続させると共に、周面に液
体の通流孔を多数穿設してなる内筒と、この内筒
の外周部に間隙保持体を介して多数配列させた環
状の永久磁石体と、前記内筒内の液体の通流路を
仕切る内仕切板と、前記外筒と内筒の間に形成さ
れる液体の通流路を仕切る外仕切板とからなり、
流入口より内筒内に入つた液体を前記環状の永久
磁石体間を複数回にわたつて通過させ液体中に含
まれている鉄分の磁化を促進するようにしたこと
を特徴とする液体中の鉄分の磁化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8556485A JPS61245815A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 液体中の鉄分の磁化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8556485A JPS61245815A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 液体中の鉄分の磁化装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61245815A JPS61245815A (ja) | 1986-11-01 |
JPS6345603B2 true JPS6345603B2 (ja) | 1988-09-09 |
Family
ID=13862305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8556485A Granted JPS61245815A (ja) | 1985-04-23 | 1985-04-23 | 液体中の鉄分の磁化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61245815A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63270593A (ja) * | 1987-04-30 | 1988-11-08 | Hitachi Elevator Eng & Serv Co Ltd | 水処理装置 |
JPH01189389A (ja) * | 1988-01-21 | 1989-07-28 | Hitachi Elevator Eng & Service Co Ltd | 磁気処理装置 |
JPS63296886A (ja) * | 1987-05-29 | 1988-12-02 | Hitachi Elevator Eng & Serv Co Ltd | 磁気処理装置のマグネツトストレ−ナ |
KR102692729B1 (ko) * | 2023-03-21 | 2024-08-06 | 김수현 | 농축산용 미네랄정제수 공급장치 |
-
1985
- 1985-04-23 JP JP8556485A patent/JPS61245815A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61245815A (ja) | 1986-11-01 |
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