JPS6339768B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃機関の冷却水及び排熱を利用して
熱交換を行なう熱交換装置に関する。

内燃機関における冷却水の出側熱および排気ガ
スを用いて熱交換を行なうシステムがある。この
ように内燃機関の排熱回収装置として熱交換装置
を用いた例が第１図である。

第１図に示すように、内燃機関１に対し、該内
燃機関１の冷却水熱を利用する冷却水熱交換器２
および内燃機関１の排気ガスを利用する排気ガス
熱交換器３が設けられている。給水は給水配管４
を介して冷却水熱交換器２に供給され、熱交換さ
れた１次温水は１次温水配管５を介して排気ガス
熱交換器３に供給される。排気ガス熱交換器３に
よつて熱交換された２次温水は２次温水配管６を
介して取り出される。内燃機関１の冷却器と冷却
水熱交換器２の連結は冷却水配管７，８によりな
され、両者を冷却水が循還する構成をとる。ま
た、内燃機関１の排気ガスは排気ガス配管９を介
して排気ガス熱交換器３に供給され、該熱交換器
３より排気ガス配管１０を介して放出される。以
上の構成により、内燃機関１の運転時において
は、給水は２基の熱交換器を介して熱交換され、
２次温水配管６より取り出される２次温水は、温
水または水蒸気として取出される。

しかし、内燃機関を冷状態から起動する場合、
冷却水温を一定値以上まで加熱し内燃機関を急速
に暖機させる為には、冷却水熱交換器２の温水側
の流れを止める方法がとられる。ところが、排気
ガス熱交換器３の流れも止まる為に、排気ガス熱
交換器３中に最初から水の無い場合は排気ガス熱
交換器３は暖気する迄、空焚きされ排気ガス熱交
換器３の劣化を進め、暴発する危険を持つ欠点が
あつた。逆に排気ガス熱交換器３中に最初から水
の入つている場合は、暖機する迄に異常に加熱さ
れる危険を持つ欠点があつた。前記の欠点を防止
する為に、内燃機関が暖機する前から冷却水熱交
換器２と排気ガス熱交換器３を稼動させると、内
燃機関の冷却水の熱量の一部が熱交換される為に
暖機するまでの時間が長くなり燃料利用効率が低
下する欠点があつた。

また、暖機までの時間を短くする方法として
は、循還冷却水の総量を少なくする方法がある
が、冷却水系の熱容量が小さくなる為に、内燃機
関の負荷運転状態に於ける負荷変動等の外乱に対
して安定性が悪くなり、ハンチング等の不安定現
象を起こし易い欠点があつた。

本発明の目的は、内燃機関の急速な暖機を実現
しながら排熱回収装置の過熱劣化を防止する熱交
換装置を提供するにある。

本発明は、上記目的を達成するために、内燃機
関の循環冷却水を熱源として外部より導入される
被加熱水を加熱して導出させる冷却水熱交換器
と、前記内燃機関の排気ガスを熱源として前記冷
却水熱交換器より導出された被加熱水が導入され
再加熱して外部に導出させる排気ガス熱交換器と
を備えた熱交換装置において、前記循環する冷却
水の温度を測定する温度検知器と、該温度検知器
が予め定めた設定温度値以下にあるとき前記冷却
水熱交換器に対する給水をしや断する第１の弁
と、前記設定温度値以下にあるとき前記排気ガス
熱交換器より導出された被加熱水の外部への流出
を阻止する第２の弁と、該第２の弁が稼動すると
き前記排気ガス熱交換器より導出された被加熱水
を前期冷却水熱交換器の入側に帰還させる帰還系
とを具備するものである。すなわち、内燃機関の
排気ガス熱交換器で排気ガス排熱により加熱され
た温水を冷却水熱交換器に帰還させ、前記内燃機
関の循還冷却水を加熱するようにしたものであ
る。これにより前記内燃機関の冷却水総量を減ら
す事なく、急速な暖機を実現し、排気ガス熱交換
器の過熱を防止する事が出来る。

第２図は本発明の実施例を示す系統図である。
第２図においては、第１図で用いたと同一部材で
あるものには同一符号を付している。

内燃機関１に供給される冷却水の温度を検出す
る温度検出器１１を設ける。また、冷却水熱交換
器２の入側に２方弁１２を設け、排気ガス熱交換
器３の２次温水出側に分配３方弁１３を設ける。
さらに該分配３方弁１３より分岐し、２方弁１２
の出側に設けた合流配管１５に合流する帰還配管
１４を設ける。２方弁１２は温度検出器１１の出
力信号に基づいて制御装置１６により開閉制御
し、同様に分配３方弁１３は温度検出器１１の出
力信号に基づいて制御装置１７により開閉制御さ
れる。

温度検出器１１の温度検出値が設定値以下の場
合は２方弁１２を閉じ、分配３方弁１３は２次温
水配管６への流路を閉じ、排気ガス熱交換器３を
出た温水は帰還配管１４へ流れる様にする。

温度検知器１１で検知した水温が設定値以上の
場合は２方弁１２が開き、分配３方弁１３は帰還
配管１４への流路を閉じ、２次温水配管６へ流れ
る様にする。

第３図は本発明の他の実施例を示すもので、第
２図と同一部分は同一符号で示す。第２図の実施
例と異なるのは、第２図の分配３方弁の代わりに
２方弁１８、分流配管１９、逆流防止弁２０を用
いた点にある。

温度検出器１１で検出した水温が設定値以下の
場合は２方弁１８と１２を閉じ、排気ガス熱交換
器３により加熱された温水は分流配管１９を経て
帰還配管１４を流れ、冷却水熱交換器２でエンジ
ン冷却水を加熱する。温度検出器１１で検出した
水温が設定値以上の場合は２方弁１８と１２を開
き、給水配管４から供給した水は、熱交換器２及
び３で加熱され２次温水配管６に流れる。この
時、逆流防止弁２０の働きにより、熱交換器２及
び３を通らずに２次温水配管６に流れる事を防止
する。この実施例では、さらに、２方弁１８の開
度を調節する事により、配管６と配管４の流量比
を調節し、２次温水配管６から得られる出力温水
度調節の効果が達成される。

本発明によれば、内燃機関の排気ガス排熱回収
熱量を用いて内燃機関冷却水を加熱する事により
内燃機関の暖機を速やかに行う事ができ、冷却水
によつて排気ガス排熱回収装置を冷却し、過熱を
防止する事ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換装置の系統図、第２図は
本発明の実施例の系統図、第３図は本発明の他の
実施例の系統図である。 １……内燃機関、２……冷却水熱交換器、３…
…排気ガス熱交換器、４……給水配管、５……１
次温水配管、６……２次温水配管、７，８……冷
却水配管、９，１０……排気ガス配管、１１……
温度検知器、１２，１８……２方弁、１３……分
配３方弁、１４…帰還配管、１５……合流配管、
１９……分流配管、２０……逆流防止弁。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関の循環冷却水を熱源として外部より
   導入される被加熱水を加熱して導出させる冷却水
   熱交換器と、前記内燃機関の排気ガスを熱源とし
   て前記冷却水熱交換器より導出された被加熱水が
   導入され再加熱して外部に導出させる排気ガス熱
   交換器とを備えた熱交換装置において、前記循環
   する冷却水の温度を測定する温度検知器と、該温
   度検知器が予め定めた設定温度値以下にあるとき
   前記冷却水熱交換器に対する給水をしや断する第
   １の弁と、前記設定温度値以下にあるとき前記排
   気ガス熱交換器より導出された被加熱水の外部へ
   の流出を阻止する第２の弁と、該第２の弁が稼動
   するとき前記排気ガス熱交換器より導出された被
   加熱水を前記冷却水熱交換器の入側に帰還させる
   帰還系とを具備する熱交換装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記帰還系
   は、前記第２の弁を分配３方弁で構成し、該分配
   ３方弁と前記冷却水熱交換器の入側配管とを配管
   により連結して構成することを特徴とする熱交換
   装置。 ３ 特許請求の範囲第１項において、前記帰還系
   は、前記冷却水熱交換器の入側と前記排気ガス熱
   交換器の出側との間に配管を連結し、かつ該配管
   に前記冷却水熱交換器の入側から排気ガス熱交換
   器の出側への逆流を阻止する逆止弁を設けたこと
   を特徴とする熱交換装置。