JPS63117753A - 吸収性物品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、生理用ナプキン、紙オムツ、失禁者用パッド
等の吸収性物品に関するものである。

〔従来の技術と解決すべき問題点〕

本発明は吸収性物品に関するものであるが、基本的に同
様の考え方が可能な為、以下、吸収性物品の代表例とし
て生理用ナプキンを用いて説明する。

生理用ナプキンはその基本構成として、液透過性表面シ
ート、綿状パルプや吸収紙更に吸水ポリマー等からなる
吸収層、それに液不透過性防漏シートの３成分が用いら
れるのが一般的である。又、最近では、表面シートの下
側（吸収層の上側）にレーヨン繊維の集合体くクッショ
ン綿と略す）等が構成されるものも一般化されて来てい
る。

本発明はここに述べた如く、生理用ナプキン等に一般的
に用いられている、吸収層及びクッション綿の欠点を大
きく改善する事を目的とするものである。

先ず、綿状パルプは、経済的で柔軟性を有し、且つ高い
親水性を有する点で、吸収層として広く使用されている
。

しかし、綿状パルプの積繊体による吸水の殆どは、繊維
間（毛管）保持によるものであり、これらの積繊体は、
繊維間結合力を有していない為、圧縮の力が加わった時
容易に変形をおこしてしまい、繊維間が形成する毛細管
がこわれ、保水していた液が容易に放出されてしまうと
いった欠点を有している。また、該積繊体は、乾燥時に
おいては、ある程度の圧縮回復性を示すが、吸水時にお
いては全く示さないといった欠点を有している。これが
装着時における吸収層のヨレ、ヘタリを引き起こし、モ
レ発生の主原因となっている。従って上記欠点を改善す
る為、次の様な技術が開示されている。

（１）第４図に示す如く、吸収層３中もしくは非使用面
側に保形性を有する芯材４、例えば発泡フオーム等を構
成する事により吸収体の変形を防ぐ方法（実開昭５６−
６０９９）。

（２）第６図に示す如く、吸収層本体を弾性多孔体５　
（例えばウレタンスケルトンフオーム、バインダー等に
より接合されたポリエステル繊維・集合体等）で置き換
える方法（特開昭６１−２２３５４）。

しかしく１）の場合には構成体全体としての保形性は保
たれるが、第５図に示す如く吸収層自体は変形をうけ、
ヨレ、ヘタリを生じてしまう。

（２）の場合には、吸収体の変形−回復性は優れるが、
粉砕パルプと比べ、親水性が極端に悪くなる為、液引き
込み力、液保持力が充分なものではない。

また、第７図に示す如きクッション綿６は、表面シート
１に排泄された液を有効に内部に吸い込み吸収層３へ移
行させる事を主目的として使用される為、一般的にはレ
ーヨン繊維（時としてパルプ系）が用いられる。そして
排泄量が比較的少ない場合その効果も大きい反面、多量
排泄された時、前記綿状パルプの場合と同様、親水性大
なる為へクリを生じ、その結果、吸収層３と表面シート
１の間に、液を多量に含んだ層が形成され、容易に表面
シート上側に液が戻り、ドライネスの低下、更に横モレ
の原因となる欠点を有している。

そして、これら欠点についてもその改善案が、種々提案
されている。その例としてレーヨン繊維に代わり、合成
繊維を用いる方法、また、繊維集合体（トウ）を用いる
方法等が挙げられるが、これらはいずれも、親水性が低
い為、前述した表面シートからの液の有効な引き込みが
不十分であり、クッション綿との間で液が拡散せざるを
得す、ドライネスの悪化及び横モレの原因となる。

更に圧縮に対しても十分な改善が認められない為、装着
時の圧縮方向の圧力に対して容易に液が表面に戻るとい
った欠点は何ら改善されていない。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで、本発明者は、前述の問題点を解決すべく、鋭意
研究を進めた結果、本発明に到った。

即ち、本発明は、液透過性表面シート、液不透過性防漏
シート及び両シートの間に設けられた吸収層からなる吸
収性物品において、吸収層を構成する素材の少なくとも
一部が塊状繊維からなり、前記塊状繊維は乾湿強力比が
８０％以上の繊維を含有していることを特徴とする吸収
性物品を提供するものである。

尚、本発明において、乾湿強力比とは、ＪＩＳＬ　１０
６９記載の繊維の引張試験方法に従って単繊維の引張試
験を行い、標準時の引張強さＳＤ及び湿潤時の引張強さ
Ｓ−を求め、 乾湿強力比（％）−５Ｗ／５ＤＸ１００によって得られ
た値である。

本発明に係わる塊状繊維中の乾湿強力比８０％以上の繊
維の含有量は特に限定されず、その要求特性を考え選択
すれば良いが、実質的に２０重量％以上含有されている
ことが好ましく、５０重量％以上含有されていることが
更に好ましい。

乾湿強力比８０％以上の繊維の含有量が２０重世％未満
になると十分な圧縮抵抗が得られない。

塊状繊維中に含まれる乾湿強力比８０％以上の繊維以外
の繊維としては親水性繊維素材が挙げられる。つまり、
乾湿強力比が８０％以上の繊維素材（骨格繊維と略記す
る）の単独又は親水性繊維素材とから成る塊状繊維を用
いる事により、吸液性つまり親水性を低下させず、吸収
層に液を有効に移行させる事が可能で、且つ吸液後、圧
力が負荷されても液を表面に戻さない圧縮抵抗性を示す
ヘタリの少ない吸収層が得られる。

本発明に用いられる乾湿強力比が８０％以上の骨格繊維
としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ビニリデン、ナイロン、アクリル
、綿、麻等が挙げられ、更にポリエステル、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等の２成分から成る複合繊維等の単
独又は混合物も使用可能である。

又、中でも、圧縮弾性回復性の点でポリエステル、ポリ
エステル／ポリプロピレン、ポリエステル／ポリエチレ
ン複合繊維が好ましい。又、繊維径は特に制約を受ける
ものではなく、その要求特性に対応するものを選択すれ
ば良いが、一般的には１．５〜６デニ一ル程度が好まし
い。

１．５デニール以下では十分な圧縮抵抗が得られず、又
、６デニ一ル以上では、風合い的に硬さを感じる為好ま
しくない。

更に、繊維表面の油剤又はプラズマ等の表面改質等の処
理も圧縮抵抗の物性に影響を与えない範囲において、同
等制約を受けるものではない。

一方、親水性繊維素材としては、レーヨン、キュプラ、
綿状パルプ等の単独又は混合物が使用可能で繊維長、繊
維径等に制約はない。

又、塊状繊維の製造方法としては、繊維集合体を適度の
長さ、巾に切断（重量を目標にしても良い）し、塊状に
し、その骨格繊維が熱熔融性を示すものであれば、その
一部を加熱融着させるか、又は水葬膨潤、溶解性のバイ
ンダーを用い、いずれも塊状繊維を得る事が出来る。

本発明の塊状繊維の大きさは特に制限を受けるものでは
ないが、通常１ｍｍ〜６０ｍｍのものが好適に使用され
る。

本発明の吸収性物品において、この様な塊状繊維の構成
方法としては、０表面シートの下側に用いる方法、■他
の親水性繊維と混合して吸収層の全面に用いる方法、■
塊状繊維のみで吸収層を構成する方法等が考えられ、■
及び■の場合には、塊状繊維を吸収層重量の３〜８０重
量％程度用いたものが通常好適に使用されるが、本発明
がこれらに限定されるものでない事は言うまでもない。

〔実施例〕

次に、実施例をもって本発明の詳細な説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。

実施例−１ く塊状繊維を表面シートの下側（吸収層上部）に構成し
た場合（実施態様を第１図に示す）〉試験サンプルとし
て、第７図に示す如く、表面シート１、吸収層３、防漏
シート２、それに表面シート下側に構成されたクッショ
ン綿６からなる生理用ナプキンを用いた。

ここでの表面シートはポリエステル６５％、ポリエチレ
ン／ポリプロピレン複合繊維３５％で目付２０ｇ／ｍ”
のヒートボンド不織布を用いた。吸収層は、綿状パルプ
２ｇ、吸収紙１．５ｇ、吸水ポリマー０．３ｇから構成
した。

更に防漏シートは、防水紙（２５ｇ／ｍ２）のポリエチ
レン１０μラミネート物を用いた。

又、クッション綿６はレーヨン繊維を用いた物を比較品
とし、このクッション綿を表１に示す本発明の各種塊状
繊維と組み替える事によりその効果を検討した。レーヨ
ン綿６及び本発明における塊状繊維７はいずれも０．３
ｇ用いた。本発明の効果を確認する為、液戻り量の測定
を行った。結果を表２に示す。

煮仄ユ旦皇同定 試験サンプルに疑似血液Ｌｏｇを注入し、これに５０ｇ
／ｃｍ２の圧をかけた時に逆戻りした液を濾紙で吸い取
りこの重量を液戻り量とした。

表　−１試験に用いた素材 ｍ　１）　　ＪＩＳ　Ｌ　１０α逮占政の繊維の引張試
験方法に従って単繊維の引張り試験を行い、標準時の引
張強さＳＤ及び湿潤時の引張強さＳ悼を求め、乾湿強力
比（％）−詣／ＳＤ　Ｘ　１００を得た。

表　　　−２ 実施例−２ く塊状繊維を吸収層全体に構成した場合（実施態様を第
２図に示す）〉 ここで表面シート１及び防漏シート２は実施例−１と同
じものを用い、吸収層として塊状繊維７と綿状パルプ、
レーヨン、及びコツトン等の親水性繊維８を混合したも
のを用い混合体の重量が３．５ｇになる様にし、これに
吸水ポリマー０．３ｇを加え吸収層とした。この様にし
て得たサンプルを表−３に示す。

表　　　−３ 実施例−３ く塊状繊維のみで吸収層を構成した場合（実施態様を第
３図に示す）〉 ここで表面シート１及び防漏シート２は実施例−１と同
じものを用い、吸収層としては３．５ｇの塊状繊維７に
吸水ポリマー０．３ｇを混合したものを吸収層とした。

またこの時、構成素材の異なる塊状繊維同志の混合もし
くは積層も同時に行・７・　　　　　　表　　−４ 試験例−１ 次にこれらの効果を確認するため液戻り量及び動的最大
吸収量の測定を行った。

結果を表−５に示す。

丘災立１■皿定 実施例−１と同様の方法で行った。

螢　量　　　　の゛ 第８図に示す如く可動式女性腰部モデル９に第９図の様
に試験サンプル１１を装着させ、ショーツをはかせた後
、５０＋＊／ｗｉｎに相当する速度で歩行運動をさせな
がら滴下用チューブ１０により疑似血液を注入し、横モ
レを生じるまでに吸収した量を測定した。

表　　　−５ 以上より本発明品は圧縮抵抗性及び変形回復性に優れる
事から従来品と比べ表面への液戻り（表面ドライネス）
及び動的吸収！（防漏性）が大幅に向上する事が明らか
である。

〔作用及び効果〕

本発明の吸収性物品は、乾湿強力比が８０％以上の骨格
繊維を含有する塊状繊維を吸収層の少なくとも一部に構
成したものであり、吸液性つまり親水性を低下させず、
吸収層に液を有効に移行させる事が可能で、且つ吸液時
においても圧縮抵抗性及び変形回復性に優れるので、吸
収層が変形を受けてもヨしたり、ヘタリが生じたりする
事がないので、これらが主原因としておこる表面への液
戻りや横モレを著しく減少させる事が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図はそれぞれ本発明の吸収性物品の実施例
を示す断面図であり、第１図は吸収層上部に塊状繊維を
構成した生理用ナプキンの例、第２図は吸収層の全体に
塊状繊維を構成した生理用ナプキンの例、第３図は塊状
繊維のみで吸収層を構成した生理用ナプキンの例を示す
。 第４図は従来の保形片付き生理用ナプキンの断面図、第
５図はこの保形片付き生理用ナプキンにおいて吸収層が
変形した状態を示す断面図、第６図は吸収層として弾性
多孔体を用いた従来の生理用ナプキンの断面図、第７図
は従来の一般的生理用ナプキンの断面図、第８図は可動
式女性腰部モデルの斜視図、第９図は可動式女性腰部モ
デルに試験サンプルを装着した状態を示す斜視図である
。 １：液透過性表面シート ２：液不透過性防漏シート ３：吸収層 ４：保形片 ５：弾性多孔体 ６：レーヨンクッション綿 ７：塊状繊維 ８：１１水性繊維 ９：可動式女性腰部モデル １０：液注入チューブ １１：試験サンプル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．　液透過性表面シート、液不透過性防漏シート及び
   両シートの間に設けられた吸収層からなる吸収性物品に
   おいて、吸収層を構成する素材の少なくとも一部が塊状
   繊維からなり、前記塊状繊維は乾湿強力比が８０％以上
   の繊維を含有していることを特徴とする吸収性物品。