JPS63116685A - 蒸留酒の品質改善法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ３発明の目的 産業上の利用分野 この発明は蒸留酒の品質を改善する方法に関するもので
ある。

従来の技術 弔蒸留で製造される酒類（焼酎、ウィスキー、ブランデ
ーなど）には高級脂肪酸及びそのエステル類が含まれて
おり、これらの成分は寒冷期に結晶化して綿状沈殿物を
析出したり、或いは酸化されて油臭の原因になったりし
て、商品価値を低ドさせる。高級脂肪酸及びそのエステ
ル類の除去法として現在性われている方法は、■冷却濾
過υ１、■活性炭吸着法の２つである。

■の冷却濾過法は、冷却により一■−記エステルが晶出
］７てくるのを利用して濾過除去する方法であるが、冷
凍機や大きな保温タンクが必要なため設備費が高く、晶
出が完全に終了するまで長時間を要するなどの欠点があ
る。

■の活性炭吸着法は、数百ＰＰｍの活性炭を加えて−１
−記エステルを吸着させ濾過除去するものであるが、活
性炭は吸着の選択性に欠けるため酒質（味、香り、色）
への影響が大きい。また活性炭を使い捨てにするためコ
ストがかかる。

発明が解決しようとする問題点 本発明は、蒸留酒の風味成分である低級脂肪酸及びその
エステルは残留させつつ、選択的に高級脂肪酸及びその
エステルを除去して蒸留酒の品質を改善することができ
、装置費が安く、かつランニングコストも安い方法を提
供することを目的とする。

口０発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明に係る蒸留酒の品質改善法は、脱アルミニウム処
理されたＹ型ゼオライト及びペンタシル型ゼオライトか
らなる群から選ばれる１種以」−のゼオライトよりなる
吸着剤に蒸留酒を接触させることを特徴とする。

脱アルミニウム処理されたＹ型ゼオライトは、Ｓ　ｉ　
０２　／ＡＱ、２０３モル比が１０以１−のものである
ことが好ましい。

ペンタシル型ゼオライトはＺＳＭ−５で代表されるハイ
シリカゼオライトであり、そのＳｉＯ２／Ａ１２０３モ
ル比が５０以Ｉ−のものであることが好ましい。

吸着剤の使用方法としては、蒸留酒に所定部を添加しバ
ッチ的に処理する方法又は固定床式で連続的に処理する
方法のどちらでも良い。処理温度は室温でよく、加熱冷
却は不及である。

吸着剤の使用量は、高級脂肪酸及びそのエステルの量に
もよるが、通常は蒸留酒に対］７て５００〜１１０００
ｐｐ程度の割合が好ましい。

どの方式でも使用済ゼオライ］・は適当な溶媒、例えば
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール又はアミルアルコール水溶液などに接触させて再生
し１１ｆ利用することができる。

しかし対象物が食品であるため、無害、無毒であるエチ
ルアルコール水溶液を用いることが望ましい。再生にエ
チルアルコール水溶液を使用する場合、そのアルコール
濃度は蒸留酒のアルコール濃度以上であり、できれば１
０％以上高いものであることが溶媒の使用量がより低減
されるので望ましい。高い方の制限はないが、６０％を
越えると危険物扱いとなり法規−にの制限を受けるので
、６０％以下が好ましい。

溶媒に接触させて使用済ゼオライトを再生する際の温度
は室温でよいが、温度を高めることにより再生時間を短
縮することができる。その場合の加熱温度としては６０
℃以下がエネルギー消費節減の面から好ましい。

なお固定床流通式吸着塔を用いる場合、再生液は蒸留酒
の吸着処理時とは逆方向に通液した方がよい。

高級脂肪酸及びそのエステルの物理的・化学的な性状を
あげると、 ａ、アルコールに対する溶解度の温度依存性が大きい。

ｂ、溶解度のアルコール濃度依存性が大きい。

Ｃ３長いアルキル基を持つため疎水性である。

などの性質を持つ。このうちａの性質を利用したのが冷
却法であり、Ｃの性質を利用したのが活性炭吸着法であ
る。活性炭の場合、疎水性の化合物だけでなく極性基を
持つ化合物も吸着してしまうため、味、香り、色に対す
る影響が非常に大きく使用液を誤ると酒質への影響が大
きい。本発明の吸着剤では疎水性の強いものを選択的に
吸着するために酒質への影響は小さい。

シリカッ多いゼオライトが疎水性を示すことは良く知ら
れている。しかし本発明に関して言えば、シリカが多く
てもフェリエライトや脱アルミニウムモルデナイトでは
全く効果がないのに、シリカがそれほど多くない脱アル
ミニウムされたＹ型ゼオライトが高い選択性を示すこと
から、疎水性の面からだけでは説明できない。

実施例１ 高温水蒸気処理により脱アルミニウムしたＹ型ゼオライ
ト（Ｓｉ０２／Ａす２０３モル比１４）の所定量を単蒸
留した焼酎（アルコール濃度４３ｖｏ１％）２００ｃｃ
に加えて室温で３０分攪拌［７た後、５Ｂ濾紙（東洋濾
紙）にて濾過した。

分析はカスクロ法で行ない、吸着の選択性は低級脂肪酸
エステルであるカプリン酸エチルの除去率と高級脂肪酸
エステルであるバルミチン酸エチルの除去率から判定し
た。

なお原料中のカプリン酸エチルＬｌ　１５　ｐ　ｐ　ｍ
、パルミチンｍエチルは６ｐｐｍであった。

結果を第１表に示す。実施例１で用いた脱アルミニウム
されたＹ型ゼオライトではバルミチン酸エチルが選択的
に吸着除去された。又、油臭前駆物質であるＣ　Ｉｌ＋
不飽和脂肪酸エチルもパルミチン酸エチルと同様に除去
できた。

さらに、吸着処理後のゼオライト１ｇに１００ＣＣの６
０ｖｏ　１％エチルアルコール水溶液を加え、室温で３
０分攪拌した後、濾過、乾燥した。

乾燥後のゼオライ］・を用い再度吸着実験したところ、
再生前後で吸着性能は全く変化しなかった。

即ち完全に再生された。

実施例２ Ｓ　ｉ　０２　／Ａ１２０３モＪｌ／比８０（７）ＺＳ
Ｍ’−５を用い、実施例１と同じ方法で吸着試験を行な
った。第１表に結果を示す。

第１表に示すとおり実施例２で用いたＺＳＩ’１ｌ−５
ゼオライトではバルミチン酸エチルが選択的に吸着除去
された。ヌ、油臭前駆物質であるＣ　Ｉ１１不飽和脂肪
酸エチルもパルミチン酸丁−チルと同様に除去できた。

実施例１と同様にして使用済吸箔剤を再生し再使用した
が、再生前後で吸着性能は全く変化しなかった。

第１表 比較例１ 市販（７）Ｙ型ゼオ−ｙイト（Ｓ　ｉ　０２　／Ａｕ２
０３モル比４．８）を用い実施例１と同様の方法で吸着
実験を行なった。

第２表に示すとおり、脱アルミニウムしていないＹ型ゼ
オライトでは１１０００ｐｐ添加してもバルミチン酸エ
チルを全く吸着しなかった。

比較例２ 市販（７）　％　ルデナイｔ・（Ｓ　ｉ　０２　／Ａｎ
２０ｓ　モル比１０）を塩酸を用いて脱アルミニウムし
５ｉ０２／Ａｕ２０３比の高いモルデナイトを調製し、
実施例１と同じ方法で吸着実験を行なった。

ｆｔ５２表に示すトオリ、７０００ｐｐｍ使用したにも
かかわらずバルミチン酸エチルを殆ど吸着しなかった。

又、Ｓ　ｉ　０２　／Ａｌ２Ｏ５モル比を高くしてもパ
ルミチン酸エチル吸着能はそれほど向上せず、むしろカ
プリン酸エチルを吸着するようになった。

比較例３ ハイシリカゼオライトの１種であるフェリエライト（Ｓ
ｉ０２／Ａｌ２Ｏ３モル比−１７）を用いた場合も、第
２表に示すとおり、ごく僅かにバルミチン酸エチルを吸
着するだけであった。

比較例４ 比表面積９００　ｍ　２／　ｇ、２０〜５０メツシユの
やしから活性炭を用いた場合、第２表に示すとおり、バ
ルミチン酸エチルだけでなくカプリン酸エチルも除去し
てしまい選択性に乏しかった。

（以下余白） 第２表 なお、以」二に示した吸着処理を行なった試料及び未処
理試料を一５℃にＩＦ間保持し、濁りを目視比較したと
ころ、未処理試料及び比較例１〜３に示した吸着能の低
い吸着剤で処理した試料では濁りを生じたのに対し、実
施例１．２及び比較例４の試料では全く濁りは認められ
なかった。

ハ１発明の効果 ■綿状沈殿生成原因物質及び油臭前駆物質のみを選択的
に吸着するために酒質への影響が小さい。

■室温で吸着操作できるために、冷却濾過法に比ベエネ
ルギーが節約できる。

■冷却濾過法に比べ装置費が安い。

■固定床式で使えば、濾紙代が不要で人「も節約できる
。

■冷却濾過法に比へ処理時間が短い。（冷却濾過法では
低温で長時間保持し、結晶の生成を完全にしなければな
らない） ■吸着剤は容易に再生できるので、吸；？′ｉ剤費が安
い。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　脱アルミニウム処理されたＹ型ゼオライト及びペン
   タシル型ゼオライトからなる群から選ばれる１種以上の
   ゼオライトよりなる吸着剤に蒸留酒を接触させることを
   特徴とする蒸留酒の品質改善法。 ２　脱アルミニウム処理されたＹ型ゼオライトがＳｉＯ
   ＿２／Ａｌ＿２Ｏ＿３モル比１０以上のものである特許
   請求の範囲第１項記載の蒸留酒の品質改善法。 ３　ペンタシル型ゼオライトがＳｉＯ＿２／Ａｌ＿２Ｏ
   ＿３モル比５０以上のものである特許請求の範囲第１項
   記載の蒸留酒の品質改善法。 ４　吸着剤として使用するゼオライトが、蒸留酒を接触
   させた使用済ゼオライトをエチルアルコール水溶液に接
   触させて再生したものである特許請求の範囲第１項、第
   ２項又は第３項記載の蒸留酒の品質改善法。