JPS629045A - 振動減衰装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は運動エネルギーを吸収して振動を減衰させる装
置に関し、特に、基礎と建物や機械等の構造物との間で
防振または除震装置と併用するのに好適な振動減衰装置
に関する。

〔従来技術〕

コンピューターや原子力設備等を収納する建屋をはじめ
各種の建造物を地震や振動の力から保護するため、振動
をきらう精密機械を除震支持するため、あるいは振動発
生源としての機械等を防振支持するなどの目的で、これ
ら構造物を弾性支持手段あるいは摺動手段を介して基礎
に対し変位可能に支持することが行われている。

このように構造物を変位可能に支持するに際しては、地
震や機械振動等のエネルギーを吸収し伝達される振動を
減衰させることが要請される。

この種の振動減衰装置は、基本的に、流体（水あめ状の
高粘度流体も含む）の粘性抵抗を利用した流体ダンパー
と金属等の塑性変形を利用した塑性ダンパーとに大別す
ることができる。

本発明は前者の流体ダンパーに属する。

流体ダンパーとしては、従来、第８図に例示するオイル
シリンダーや第９図に例示するせん断抵抗型のものなど
が提案されている。

第８図のオイルシリンダーは、オイル２１が充填された
シリンダ２２にオリフィス２３を有するピストンロッド
２４を嵌合させ、シリンダ２２およびピストンロッド２
４が相対運動する際にオリフィス２３で生じる粘性抵抗
により減衰力を得るものである。

しかし、このオイルシリンダーにあっては、ピスト７゜
ラド２４の移動方向にしか作用せず方向性があるため、
通常異なる方向に複数本のオイルシリンダーを設置する
必要があり、構造が複雑で所要スペースが大きくなり、
コストも嵩むという問題がある。

第９図のせん断抵抗型のダンパーは、容器２５に溜めら
れたアスファルトなどの水あめ状の粘性流体２６内に引
っかき部材２７を配置しておき、該引っかき部材２７と
容器２５との間の相対速度で生じる粘性抵抗を利用する
ものである。

しかし、このせん断抵抗型のダンパーでは、流体２６中
にごみや砂等の異物が混入しやすく、メインテナンスに
手間を要するなどの問題がある。

〔目的〕

本発明の目的はこのような従来技術の問題を解決でき、
構造がコンパクトで方向性がなく、しかも異物混入など
がなくメインテナンスが容易な振動減衰装置を提供する
ことである。

〔概要〕

本発明は、粘性流体を含んだ多孔質材をゴム状弾性材の
袋の中に密封して弾性袋体を形成し、該弾性袋体を平行
方向に相対変位可能な２つの面の間に予圧縮変形状態で
かつ転動可能な状態で保持する構成により、上記目的を
達成するものである。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第１図は本発明の一実施例に係る振動減衰装置の縦断面
を示し、第２図は第１図中の弾性袋体の未使用状態の縦
断面を示す。

第１図および第２図において、弾性袋体ｌは、粘性流体
２を含んだ多孔質材３をゴム状弾性材の袋４の中に密封
した構造を存している。

前記弾性袋体１は第１図に示すごと（平行方向に相対変
位（相対移動）可能な２つの面５．６の間に予圧縮変形
状態でかつ転動可能な状態で保持され、このように装着
することにより２つの面５．６間の振動（特に実線また
は点線の矢印で示す方向の振動）に対する減衰力を発生
する。

前記弾性袋体ｌ内に充填される多孔質材３としてはスポ
ンジ状の変形可能な材質のものを使用することが好まし
く、一体形あるいはブロック状の分割形のいずれでもよ
く、さらにはチップ状のものも使用することができる。

また、この多孔質材３に含ませる粘性流体２としては所
望粘度（一般には高粘度）のものが使用され、例えば高
粘度のオイル、あるいはアスファルトなどの水あめ状の
流動物質などを使用することができる。

第１図の振動減衰装置を基礎と構造物との間に使用する
場合は、例えば、下側の面５が基礎の上面をなし、上側
の面６が構造物支持用の基台または該構造物の底面をな
すようにして使用することができる。この場合、構造物
（その基台等を含む）の重量は別途設けた弾性支持装置
または摺動面で横方向相対移動可能に支持される。

第３図（Ａ）、（Ｂ）は第１図の振動減衰装置の動作を
示す。

第３図（Ａ）の初期状態から、上側の面６が実線矢印方
向に移動するかまたは下側の面６が鎖線矢印方向に移動
するかして上下の面５．６間に相対移動が生じると、弾
性袋体１は矢印Ｘ方向に転動（上下面５．６との間でほ
とんどすべりを生じることなく転がること）し、その上
下の中央点Ａ１Ｂは第３図（Ａ）から第３図（Ｂ）のよ
うに移動する。

この転動の間、袋４内の粘性流体２は矢印Ｙで例示する
ように多孔質材３内を移動（流動）する。

この粘性流体２が多孔質材３内を移動する際の流動抵抗
（粘性抵抗）によって、２つの面５．６間の移動（通常
では振動）に対する減衰力が発生する。

第４図および第５図は、基礎７および構造物（またはそ
の基台）８のそれぞれに平滑面５．６を有する画盤９．
１０を固定し、これらの画盤の間に弾性袋体ｌを保持し
た状態を示す側面図および横断面図である。

しかし、これらの画盤９．１０は基礎７および構造物８
の面が良好な場合は省略することができる。

第６図および第７図は本発明による振動減衰装置を重量
支持用の弾性支持装置１１と併用する状態を模式的に示
す。

この場合の弾性支持装置１１は、例えば、ゴム状弾性材
と金属板などの補強板とを交互に積層した弾性支持体１
２の上下端にフランジ１３．１４が固着され、これらフ
ランジで上下の面６．５にボルト等で固定する構造を有
している。

上下の面６．５が地震や振動等で矢印方向に相対移動す
ると、弾性支持体１２および弾性袋体１が実線位置から
鎖線位置へ移動し、これらの動きによって効果的に割振
機能を発揮することができる。

第６図および第７図の支持装置によれば、方向性がなく
かつメインテナンス性が容易な振動吸収支持装置が得ら
れる。

以上説明した実施例によれば、粘性流体２を含んだ多孔
質材３をゴム状弾性材の袋４の中に密封して弾性袋体を
形成し、該弾性袋体を平行方向に相対変位可能な２つの
面５．６の間に予圧縮変形状態でかつ転動可能な状態で
保持したので、地震や振動等で２つの面５．６間に相対
運動が生じると粘性流体の流動抵抗が生じ、減衰力を発
生することができる。

また、弾性袋体１を挟持するだけの構造であるので、コ
ンパクトで部品点数が少なくしかも方向性がなく、さら
に、異物混入などがなくメインテナンスが容易であり施
工性にもすぐれた１辰動減衰装置が得られる。

なお、図示の実施例では弾性袋体１を球体にしたが、こ
れは半球状や円盤状など他の適当な形伏にすることもで
きる。

また、図示の実施例では２つの面が水平方向である場合
を示したが、本発明は垂直または傾斜した２つの面に対
しても同様に適用することができる。

さらに、室内に設置される比較的小型軽量の構造に対し
ても同様に通用することができる。

〔効果〕

以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、コン
パクトで方向性がなく、しかもメインテナンスが容易な
振動減衰装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る振動減衰装置の縦断面
図、第２図は第１図中の弾性袋体の未使用時の縦断面図
、第３図（Ａ）および第３図（Ｂ）は２つの面の相対移
動に伴う弾性袋体の挙動を例示する模式的縦断面図、第
４図は基礎および構造物に固定した画盤で弾性袋体を挟
持する場合を例示する側面図、第５図は第４図中の線Ｖ
−Ｖから見た横断面図、第６図は弾性支持装置と本発明
に係る振動減衰装置とを併用する場合を模式的に示す側
面図、第７図は第６図中の線■−■から見た横断面図、
第８図および第９図はそれぞれ従来の振動減衰装置を例
示する模式的縦断面図である。 １−・−弾性袋体、２−・−粘性流体、３−・−・−・
・多孔質材、４・−・・・−袋、５．６・・−・−２つ
の面。 代理人　弁理士　　大　音　康　毅 第１図　　　ＩＦ５図 第３　図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）粘性流体を含んだ多孔質材をゴム状弾性材の袋の
   中に密封して弾性袋体を形成し、該弾性袋体を平行方向
   に相対変位可能な２つの面の間に予圧縮変形状態でかつ
   転動可能な状態で保持して成る振動減衰装置。