JPS6240198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はエンジンに備えられるカムチエンのテ
ンシヨンガイド取付構造に関する。

（従来技術） 従来よりカムチエンのテンシヨンガイドは、テ
ンシヨンガイド専用の回動支軸に回動自在に支持
されている。従つて回動支軸専用の部材及び配置
スペースを必要としている。

（考案の目的） 本考案はテンシヨンガイド用の部品点数の削減
と、テンシヨンガイドの配置スペースの節約を目
的としている。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、エンジン
のバランサチエンガイドをクランクケースに固定
するための取付ボルトに、カムチエンのテンシヨ
ンガイドを回動自在に支持させたことを特徴とし
ている。

（実施例） 第１図は本考案を適用したエンジンの縦断側面
図であり、この第１図において、１はクランクケ
ース、２はシリンダブロツク、３はシリンダヘツ
ドであり、シリンダヘツド３には前後にカム軸ス
プロケツト４，４′が備えられており、各カム軸
スプロケツト４，４′はそれぞれ吸、排気弁用カ
ム軸（図示せず）に固着されている。ヘツド３内
にはまたアイドラー（スプロケツト）６が回動自
在に設けられている。

シリンダブロツク２内にはオートテンシヨナー
７が設けられており、テンシヨナー７の付勢ロツ
ド７ａによりテンシヨンガイド８を矢印Ａ方向へ
付勢している。テンシヨンガイド８は、その下端
部がバランサチエンガイド１０の後部の取付ボル
ト１１に回動自在に支持されている。即ちバラン
サチエンガイド１０の取付ボルト１１をテンシヨ
ンガイド８の回動支軸として利用している。バラ
ンサチエンガイド１０は上記取付ボルト１１と前
部の取付ボルト１２によりクランクケース１に固
着されている。

クランクケース１内のクランク軸１５部分に
は、カムチエン駆動スプロケツト１６及びバラン
サチエン駆動スプロケツト１７が固着されてい
る。クランクケース１内の前下部及び後上部には
バランサスプロケツト２０，２１がそれぞれ配置
されており、各バランサスプロケツト２０，２１
はそれぞれバランサ軸（図示せず）に固着されて
いる。カムチエン２３はカムチエン駆動スプロケ
ツト１６と両カム軸スプロケツト４，４′の間に
掛けわたされており、後側のカム軸スプロケツト
４′からカムチエン駆動スプロケツト１６へ戻る
間に、アイドラー６に噛み合うと共にテンシヨナ
ー７及びテンシヨンガイド８によりテンシヨンが
与えられている。

バランサチエン２４は両バランサスプロケツト
２０，２１間に掛けわたされると共に、その下側
の中央部分がバランサチエン駆動スプロケツト１
７に噛み合つている。

第１図の−断面を示す第２図において、バ
ランサチエンガイド１０の後部取付ボルト１１に
は、つば３７ａを有するスペーサ３７が嵌合して
おり、バランサチエンガイド１０はスペーサ３７
のつば部３７ａとボルト１１の頭部の間に締着さ
れている。スペーサ３７の右端縁はクランクケー
ス１の左端面に当接している。テンシヨンガイド
８はスペーサ３７の外周面に回動自在に嵌合して
いる。

バランサチエンガイド１０の上端にはテフロン
コーテイングを施したゴムガイド１０ａが設けら
れており、このゴムガイド１０ａは上向きの一本
の突起３８を有し、突起３８はバランサチエン２
４に噛み合つている。

バランサチエン駆動スプロケツト１７及びカム
チエン駆動スプロケツト１６は互いに一体物とし
て形成されている。

なお第１図の３０はアルミダイカスト製のたる
み規制ガイドであり、カムチエン駆動スプロケツ
ト１７の下方から後方を囲むような形状に形成さ
れると共に、ボルト３１，３１によりクランクケ
ース１に固着されている。規制ガイド３０の前端
部には、テフロンコーテイングを施した第１ゴム
ガイド部３４が固着されており、第１ゴムガイド
部３４は前側のバランサスプロケツト２０とバラ
ンサチエン駆動スプロケツト１７の間のバランサ
チエン２３部分に、後方から間隙ｄを隔てて対向
している。規制ガイド３０の後側の上端部にはテ
フロンコーテイングを施した第２ゴムガイド部３
５が固着されており、第２ゴムガイド部３５は、
カムチエン駆動スプロケツト１７と後側のバラン
サスプロケツト２１の間のバランサチエン２３部
分に下側から間隙ｄを隔てて対向している。

バランサチエン駆動スプロケツト１７に対向す
る規制ガイド３０の部分は円弧状に形成されてお
り、さらに上記駆動スプロケツト１７の下側に対
向するように第３ガイド部３６が部分円弧状に設
けられている。即ち第３ガイド部３６はカムチエ
ン２３の下端部分に対して間隔d′を隔てて対向
し、カムチエン２３のスプロケツト１７からの脱
落を防止している。

（作用） クランク軸１５の矢印Ｒ方向の回転により、カ
ムチエン２３は矢印R₁方向へ移動して両カム軸
スプロケツト４，４′を回転駆動し、バランサチ
エン２４は矢印R₂方向へ移動して、両バランサ
スプロケツト２０，２１を回転駆動する。

テンシヨンガイド８はテンシヨナー７のロツド
７ａにより矢印Ａ方向に付勢されており、それに
よりカムチエン２３にテンシヨンを与えている。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、２種類のチエン
２４，２３のそれぞれのガイド１０，８を、共通
の取付ボルト１１で支持していることを最大の特
徴としているので、次のような利点がある。

(1) バランサチエンガイドの取付ボルトを、カム
チエンのテンシヨンガイドの回動支軸として利
用するようにしているので、テンシヨンガイド
取付用の専用部材を削減することができると共
に、部品コストも削減することができる。

より詳しく説明すると、バサランサチエン２
４をガイドするバランサチエンガイド１０の取
付ボルト１１を、バランサチエン２４とは別の
チエンであるカムチエン２３用のテンシヨンガ
イド８の支持部材（回転支軸）として利用して
いるので、テンシヨンガイド取付用の専用支持
部材（支持ピン等）が不要となり、カムチエン
用の部品点数の削減及びコストダウンを達成で
きる。

(2) カムチエン用テンシヨンガイド８の支持部材
（回動支軸）として、バサンサチエンガイド１
０の取付ボルト１１を利用しているので、テン
シヨンガイド８の回動支軸専用の配置スペース
を必要とせず、しかもテンシヨンガイド８とバ
ランサチエンガイド１０を近接配置でき、テン
シヨンガイド８の配置スペースの節約及びエン
ジンのコンパクト化を達成できる。

本考案の重要な利点を再度詳しく説明すると、
エンジン内の２種類の異なる動力伝達機構、即ち
カム駆動用チエン伝達機構とバランサ駆動用チエ
ン伝達機構とに関連しており、上記各伝達機構用
の各駆動スプロケツト１６，１７及びガイド８，
１０の取付け及び相互の配置関係等を工夫するこ
とにより、２種類の駆動用チエン伝達機構をコン
パクトに纒めると共に取付け用の部品点数を減ら
し、エンジンの小形化及びコストダウンを達成し
ている。

即ち同一の回転軸（クランク軸１５）にカムチ
エン駆動スプロケツト１６とこれと一体のバラン
サチエン駆動スプロケツト１７を固着し、そして
バランサチエン２４の内周側にバランサチエンガ
イド１０を配置し、バランサチエンガイド１０の
内周側からカムチエン２３に沿つて延びるように
テンシヨンガイド８を配置し、バランサチエンガ
イド１０を取付ボルト１１によりクランクケース
１に固着すると共に、上記取付けボルト１１にカ
ムチエン用テンシヨンガイド８を回転自在に支持
させているので、テンシヨンガイド８の取付け用
部材を省略できると共に配置スペースの節約にも
なり、エンジンの小形化及びコストダウンを達成
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用したエンジンの縦断側面
図、第２図は第１図の−断面図である。 １……クランクケース、８……テンシヨンガイ
ド、１０……バランサチエンガイド、２３……カ
ムチエン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同一の回転軸にカムチエン駆動スプロケツト１
   ６とこれと一体のバランサチエン駆動スプロケツ
   ト１７を固着し、１対のバランサスプロケツト２
   ０，２１にバランサチエン２４を巻き掛けると共
   に該バランサチエン２４に前記バランサチエン駆
   動スプロケツト１７を係合し、前記カムチエン駆
   動スプロケツト１６とカム軸スプロケツト４にカ
   ムチエン２３を巻き掛け、バランサチエン２４の
   内周側にバランサチエンガイド１０を配置し、バ
   ランサチエンガイド１０の内周側からカムチエン
   ２３に沿つて延びるようにテンシヨンガイド８を
   配置し、バランサチエンガイド１０を取付ボルト
   １１によりクランクケース１に固着すると共に、
   上記取付ボルト１１にカムチエン用テンシヨンガ
   イド８を回転自在に支持させたことを特徴とする
   カムチエンのテンシヨンガイド取付構造。