JPS6215327A - 高比重複合繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は高比重化された複合繊維に関するものであり、
さらに詳しくは鉛合金粒子を配合した熱可塑性重合体を
芯部とし、ポリエステル又はポリアミドを鞘部とした高
比重複合繊維に関するものである。

〔従来技術およびその問題点〕

漁網、ロープ、消波網に使用される繊維、裏地、カーテ
ンなどの衣料品、室内装飾用繊維として高比重繊維の出
現が強（要望されてきた。

そして、一部漁網に関しては、ナイロンを鞘、鉛金属を
芯とする複合繊維が実用化されている。

しかしながら、ナイロンを鞘部、鉛金属を芯部とする複
合繊維は、延伸時に金属部分が十分延伸されないため断
続状態となる結果、繊維形状が太細に不均一化するばか
りか、編網時のｌ熱系性が低下するなどの問題点があっ
た。

また、金属を含有する繊維部分の延伸が不十分となる結
果、繊維の強度も満足できるものではなかった。

一方、特開昭５９−１７２０号公報には繊維形態の均一
化を目的として、鉛合金等の高比重金属を芯、ポリエチ
レンテレフタレートを鞘とする複合未延伸糸を延伸する
際、３００℃以上の過熱水蒸気を噴出させるスチームジ
ェット方式の延伸が提案されている。

この方法によれば、ある程度均一な形状の延伸糸は得ら
れるものの、特殊な設備が必要となるとともに鞘成分が
加水分解を受け、糸の強度が低下するなどの問題があっ
た。

また、衣料用途に使用できる程度の細い繊維を得ること
は到底困難であった。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、繊維形態が均一で漁網、ロープ、消波
網に使用しうるのみならず、衣料用としても使用可能な
繊度の高比重複合繊維を提供することにある。

〔発明の構成〕

上記目的を達成する本発明の高比重複合繊維は、芯部が
微細な鉛合金成分を含有した、熱可塑性重合体であり、
かつ鞘部がポリエステル又はポリアミドであることを特
徴とするものである。

本発明の高比重複合繊維の芯部においては、熱可塑性重
合体と、鉛合金とが海島構造をなし、熱可塑性重合体が
海成分となり、鉛合金が島成分を形成している。また鉛
合金は、繊維軸に垂直な断面に対し、直径１μｍ以下で
あり、かつ繊維軸方向にたて長のすし状に分散し存在し
ていることが好ましい。

本発明の複合繊維の複合形態は特に限定されないが、芯
部と鞘部を同心円状に配置させたものが好ましい。

芯部が極端に片寄ったり、表面に露出するようなことが
あると、衣料用繊維として使用する際、染色ムラ等の問
題が生じ好ましくない。また、複合繊維の芯部と鞘部の
複合比は繊維軸に垂直な断面の面積比で芯部が５０％以
下であることが好ま゛しい。芯部が５０％以上になると
、繊維強度が低くなるばかりか、紡糸後の繊維の延伸が
困難となり好ましくない。

また、本発明における芯部を構成する鉛合金粒子と熱可
塑性重合体のうち、鉛合金粒子は熱可塑性重合体に配合
する際溶融状態にならないこと、および紡糸温度で溶融
状態であることが好ましい。

そのため鉛合金としては、鉛を５０重量％から９５重量
％含有している合金が好ましい。このような鉛合金とし
ては特に限定されないが、ｐｂ−５ｎ、　Ｐｂ−５ｂ、
　Ｐｂ−Ｂ１等の合金が好ましく、ハンダ合金、活字合
金（融点約２５０℃）などが好適に採用できる。

鉛合金を含有した熱可塑性重合体は複合紡糸温度で分解
せず、鉛合金の溶融開始温度以下で熔融状態となりうる
重合体であれば特に限定されない。

具体的に熱可塑性重合体としては、オレフィン系重合体
としてポリエチレン、ポリプロピレン、ビニル系重合体
としてポリスチレン、ポリエステル系重合体としてポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
、ポリアミド系重合体としてナイロシー６、ナイロン−
６６、その他ポリカーボネート系重合体などが使用しう
るほか、アイオノマ樹脂、ＡＳ樹脂などをあげることが
できる。またこれら重合体は、例えば軟化点を低下させ
る目的で共重合したものであってもよい。

熱可塑性重合体１００重量部に対する鉛合金の配合量は
、十分な高比重化と芯成分の極端な粘度の低下を防止す
ることから、５０〜４００重量部が好ましく、特に漁網
、ローブ、消波網等の用途分野では１５０〜３００重量
部が好ましい。また衣料用、室内装飾品等の分野を主た
る目的とする場合は、１００〜２５０重量部が特に好ま
しい範囲である。

鉛合金の配合量が５０重量部未満では、本発明の目的で
ある高比重化の点で不十分であり、４００重量部を越え
ると熱可塑性重合体への均一配合が困難となる。

また４００重量部を越えた配合では、紡糸する際に芯成
分の粘度が極端に低下し、芯部が不均一状態となり、繊
維形態が不均一化するばかりか、延伸する際に糸切れの
原因となる。

本発明において特に重要なことは、熱可塑性重合体と鉛
合金粉体の熱特性関係である。前述したように、鉛合金
粉体は熱可塑性重合体に均一に分散させる必要が有り、
このためには配合時溶融状態でないことが必要である。

鉛合金粉体の溶融開始温度以上で熱可塑性重合体に配合
すると分散状態が悪化し紡糸が困難となるばかりか、延
伸時に糸切れが多発する。従って、鉛合金の溶融開始温
度ＭＴｍ　　（℃）と熱可塑性重合体の軟化点ＰＴｓ　
　（℃）は次式を満足する必要がある。

ＰＴｓ　≦ＭＴｍ　−２０（℃） ＭＴｍとＰＴｓＯ差が２０℃未満では鉛合金粒子の分散
が不十分となる。鉛合金粒子の粒度は特に限定されない
が、３０メツシユより細か（、さらに好ましくは１００
メツシユより細かい方が好ましい。３０メソシユより粒
径が大きくなると、紡糸後の繊維の延伸が困難となるば
かりか、繊維強度の低下、繊維繊度の不均一化が起こり
好ましくない。

本発明における鞘成分を構成するポリエステルは、通常
の線状ポリエステルを意味し、特に限定されないが、例
えばテレフタル酸あるいはそのエステルを主たるジカル
ボン酸成分とし、グリコール成分として、エチレングリ
コールもしくはテトラメチレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエチレンテレフタレートおよびポ
リブチレンテレフタレートが好ましく使用できる。

このジカルボン酸成分の一部を、例えばアジピン酸、セ
バシン酸、ドデカンニ酸等のジカルボン酸またはそのエ
ステル、ｐ−オキシ安息香酸、ｐ−β−オキシエトキシ
安息香酸等のオキシカルボン酸またはそのエステルで置
き換えても良く、また脂肪族グリコールの一部を例えば
１．４−ビス（β−オキシエトキシ）ベンゼン、ビスフ
ェノールＡのビスグリコールエーテル、ポリアルキレン
グリコール等の主グリコール成分以外のグリコールで置
き換えても良い。

さらに、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、トリメリット酸、トリメシン酸等の鎖分岐剤を少割
合使用することも可能である。

また、通常のポリエステル樹脂と同様に酸化チタン、カ
ーボンブラック等の顔料のばか従来公知の抗酸化剤、着
色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が添加されても勿論良
い。

鞘部として使用するポリアミドとしては、通常の合成線
状のポリアミドを意味し、例えばナイロン−６、ナイロ
ン−１０、ナイロン−１１、ナイロン−１２、ナイロン
−６６、ナイロン−６１０およびこれらを主成分とする
共重合ポリアミドなどが挙げられる。これらのポリアミ
ドの中でも特にナイロン−６やナイロン−６６が好まし
い。

本発明の高比重複合繊維は好適には例えば、次のように
して製造される。すなわち、鉛合金粒子を熱可塑性重合
体にエクストルダーにより配合するか、熱可塑性重合体
の重合終了後に重合缶で混練することにより、ペレタイ
ズを調製する。このペレットを熱可塑性重合体の軟化点
温度以下で真空乾燥し芯成分とする。次に２台の押出機
を有する芯鞘複合紡糸機を用いて、一方の押出機へは前
記ペレットを供給し、他方の押出機へはあらかじめ通常
の方法により乾燥したポリエステル又はポリアミドを供
給し、紡糸温度２７０℃〜３００℃で芯鞘複合紡糸する
０次に通常の延伸機を使用し、延伸温度８０℃〜２００
℃、延伸倍率２，５〜４．５倍、巻き取り速度６００〜
４０００Ｉ／分で延伸できる。

〔発明の効果〕

本発明は前述したように高比重化を達成するために配合
する鉛合金粒子が紡糸後に芯部で熱可塑性重合体を海成
分とした島成分としてすし状に分散される結果、通常使
用されている延伸機でスムーズに延伸できるほか、衣料
用として使用しうる繊度の細い繊維も紡糸、延伸が可能
である。また得られる延伸糸の繊維形態も均一なものと
なる。

本発明の高比重複合繊維は漁網、ロープ、消波網として
使用しうるばかりでなく、各種衣料品および室内装飾品
などに使用することができる。衣料品および室内装飾品
としては、裏地、カーテンなどがあげられ、ソフトでド
レープ性を必要とする薄地の高級品で光じゃへい効果を
強く望まれる分野に好適である。

このほか本発明によれば、芯部に多量の鉛合金粒子をす
し状で配合しうる結果、制電性が向上し、衣料用として
下着分野への使用も可能である。

以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例により限定されるものではない。

なお実施例中の物性は次の様にして測定した。

〔ポリエステルの極限粘度〕

乾燥した試料をオルトクロロフェノール溶媒に溶解し、
オストワルド粘度針により２５℃で測定した値である。

〔軟化点〕

ポリマ・チップを加熱浴中に入れて２０℃／分の速度で
昇温し測定した。

〔溶融開始温度〕

ＤＳＣ法により測定した。（窒素下１０℃／分での吸熱
開始温度） 〔延伸糸の比重〕 比重ビン法により測定した。

〔実施例〕

実施例１ 芯部の熱可塑性重合体としてＡＳ樹脂（ライタツクＡ−
３３０ＰＣ：三井東圧化学■）３０重量部と、Ｐｂ７０
部５ｎ３０部の噴霧ハンダ粉、融点１９０℃〜２２０℃
、７０重量部をエクストルーダを用い、１５０℃にて配
合し径２〜３ｍｍ５長さ４〜５ｍｍの円柱状にチップ化
した後、回転式の真空乾燥機を用いて８０℃、１０時間
真空度１　ｍｍＨｇ以下で乾燥したものを使用した。

鞘部は極限粘度０．６３のポリエチレンテレフタレート
を回転式の真空乾燥機で１５０℃、５時間真空度１ｍｄ
ｇ以下で乾燥したものを用いた。

紡糸は鉛合金粉体配合ΔＳ樹脂の吐出孔とポリエチレン
テレフタレート吐出孔とが同心円構造をなしている口金
を用い、芯部と鞘部の吐出量を容量比で４０対６０、紡
糸温度２９０℃、紡糸速度１３５０ｍ／ｍｉｎで複合紡
糸を行ない、巻取り後、ホットロール温度１００℃、熱
板温度１５０℃、延伸速度９００ｍ／ｍｉｎで延伸し、
１００デニール、１８フイラメントの繊維を得た。

得られた繊維の強度は２．０ｇ／ｄ、比重１．９０で繊
維形態は均一であった。繊維強度が若干低目ではあった
が、衣料用として問題ないレベルであり、高次加工にお
ける行程通過性も特に問題ない繊維であった。

実施例２ 実施例１において鞘部のポリエチレンテレフタレートに
代えて、硫酸粘度２．４のポリ−（ε−カブラミド）を
使用し、紡糸温度を２７５℃で行なった結果、得られた
繊維の強度は２．５ｇ／ｄ、比重１．９９であり、繊維
形態は均一なものであった。なお繊維強度は衣料用繊維
として問題ないレベルであった。

実施例３．　４．　５ 前述の実施例１において、ＡＳ樹脂に代えて下に示す熱
可塑性重合体を使用した以外実施例１と同様に行ない、
表１の結果を得た。

実施例３　ポリスチレン：商品名　エスチレン（新日本
製鉄化学工業■） 軟化点　８０〜９０℃ 実施例４　メタクリル樹脂：商品名　ＰＡＲＡＰＥＴＥ
Ｈ（協和ガス化学工業■） 軟化点　９４〜１２５℃ 実施例５　アイオノマ樹脂：商品名　）ＩＩ−ＭＩＬＡ
Ｎ１５５５　（三井ポリケミカル■） 軟化点　６０〜９０℃ （以下余白） 表１ 得られた表１中の繊維形態はいずれも均一であった。な
おいずれの繊維も、衣料用室内装飾用カーテンおよび漁
網用などとして好適であった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、芯部が微細な鉛合金成分を含有した熱可塑性重合体
   であり、鞘部がポリエステル又はポリアミドであること
   を特徴とする高比重複合繊維。 ２、芯部が熱可塑性重合体１００重量部あたり、鉛合金
   成分を５０〜４００重量部含有してなる特許請求の範囲
   第１項記載の高比重複合繊維。 ３、鉛合金の溶融開始温度ＭＴｍ（℃）と熱可塑性重合
   体の軟化点ＰＴｓ（℃）が、次式の関係を満足する特許
   請求の範囲第１項、又は第２項記載の高比重複合繊維。 ＰＴｓ≦ＭＴｍ−２０（℃）