JPS6025071B2 - 放射線硬化型感圧性接着剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は感圧性の粘着テープまたはシートに用いられる
粘着剤用樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しく
は放射線硬化型液状オリゴマーと不飽和二重結合を有す
る粘着付与剤とを含有する放射線硬化型感圧性接着剤組
成物に関するものである。

従来公知の感圧性接着剤では所望の接着特性つまり被看
体に対する接着力と感圧性接着剤自身の凝集力等を発揮
させるために比較的高分子量、高粘度のいわゆる天然ゴ
ムや合成ゴムの高重合体を使用する必要がありこのため
有機溶剤中における溶液の状態として基材上に塗布しな
ければならなかった。

したがって使用した大量の溶剤を蒸発させるため塗布後
の乾燥工程に長時間を必要とする。しかも上記目的に使
用される溶剤は揮発性であって燃えやすく人体に悪、影
響を及ぼすものが、多いから、その使用がいまいま火災
発生の原因となったり、種々の公害問題を引き起す。ま
た経済的見地並びに上記公害防止の観点から、その設置
が不可避とされている溶剤回収装置は一般に高価であっ
た、かつ設備的に大な場所を必要とする。上記欠点を回
避するために近年感圧性接着剤の無溶剤化が検討されて
来た。その一つとして放射線硬化型感圧性接着剤が脚光
をあぴている。その理由は放射線硬化型感圧性接着剤で
は前述の溶液型感圧性接着剤の欠点である有機溶剤を含
んでいない、し、わる無溶剤化が可能でありあるいは含
んでも少量であること、さらに｛１） 活性エネルギー
線である放射線を用いるために硬化（重合）反応が早い
；■ 放射線が照射されている時だけ硬化反応が進行る
ため、ポットライフの調節が自由に出来る；｛３｝ 製
造の際、大きな乾燥炉を必要としない：などの特徴をも
っているためである。

ところが、この放射線硬化型感圧性接着剤の場合でも下
記の様な欠点がある。

つまり、一般に硬化（重合）反応は放射線照射後、発生
したラジカルより重合反応を行う不飽和二重結合へと進
行するが反応速度が早く過剰に架橋しやすし、。

（結果として、ガラス転移点が上昇する）それゆえ、形
成した皮膜は粘着性も少ないうえ「もろく重合収縮の極
端に大きな場合には亀裂を生じそのため満足すべき接着
力が得られない。一方、過剰の架橋を抑制するため、分
子内の不飽和二重結合量を減らすと局所的に反応が進行
し架橋の密な所が点在するだけで全体としては充分な凝
集力が得られない結果となる。

すなわち不飽和二重結合のみを調節し、接着力を低下さ
せることなく凝集力を維持することは非常に困難な状況
にあった。そこで接着力を得るための一手段して溶液型
感圧性接着剤で用いられている粘着付与剤の添加が考え
られる。

しかし放射線硬化型感圧性接着剤では一般に主成分とし
て液状のオリゴマ−を使用する。ところがオリゴマーが
低重合体のため均一に、充分架橋しないと粘着付与剤の
ような低分子量物（分子量が１ぴ以下）を保持できるほ
どの凝集力がない。その結果、被着体へ貼付けると凝集
破壊して、接着剤が転着する現象が生じる。そのため粘
着付与剤を全く使用できないかあるいは使用できても効
果が現われるほど多量には加えることができない状況に
あった。本発明はこのような状況に鑑み鋭意検討の結果
なされたものであって優れた接着力と凝集力を有しかつ
両者のバランスに優れた放射線硬化型感圧性接着剤組成
物を提供するものである。

然して、本発明の目的は、不飽和二重結合を有する粘着
付与性樹脂を粘着剤とし放射線照射により生じるラジカ
ル重合に粘着付与剤を関与させること、つまり粘着付与
剤が重合生成物と架橋し同時に可塑剤として働かせるこ
とによって接着剤の彼着体への転着を抑制しつつ接着力
の増加に有効に寄与させることにより達成される。

即ち本発明の要旨は有機溶剤が存在しないか「又は殆ん
ど溶剤が存在しない状態の比較的低分子量（分子量約１
０００〜５００００）の放射線硬化型液状オリゴマーを
主成分とする感圧性接着剤において、放射線重合をおこ
なう不飽和二重結合を有する粘着付与剤を１〜４の重量
％含有するることを特徴とする放射線硬化型感圧性接着
剤組成物にある。

本発明で用いられる粘着付与剤は活性水素を官熊基とし
て有する樹脂に不飽和二重結合をもつ付加反応性モノマ
ーあるいは生成物を付加させることにより得ることがで
きる。

以下にその例を示す。つまりロジンのカルボキシル基に
グリシジルメタアクリレートのェポキシ基を反応させる
ことにより、不飽和二重結合を付与させることができる
。

活性水素を官能基として有する樹脂としてはカルボキシ
ル基をもつガムロジン、ウッドロジン、トロール油ロジ
ン及びそれらの水添「不均化、重合などによる譲導体及
びコーパル、シェラックなど、又フェノール性水酸基を
もつテルベンフェノール樹脂、アルキルフヱノール樹脂
、フェノールによる変性キシレン樹脂などやェステル基
をもつロジン酸ヱステルなどが挙げられる。

また上記樹脂と付加反応し得る放射線重合性不飽和二重
結合をもったモノマ−としてはグリシジル（メタ）アク
リレート、（メタ）アクリル酸「クロトン酸、無水マレ
ィン酸、２−ヒドロキシェチル（メタ）アクリレート、
ビニルイソシアネート、２−ヒドロキシエチルアクリレ
ートと２・４ートリレンジィソシアネートの反応生成物
、メチロール化アクリルアミドなが例示される。

これらのモノマ−では放射線重合反応速度からアクリル
系モノマーを用いることがより望ましい。この付加反応
はトリェチルアミンなどの第三アミンやトリエチルベン
ジルアンモニウムクロライドなどの第４アンモニウム塩
化物などの触媒およびハイドロキノンなどの熱重合禁止
剤の存在下に室温〜１４０ＣＯ程度の温度で約０．１〜
３独時間程度行なわれる。

この不飽和二重結合を付与した粘着付与剤は単独あるし
、は２種類の混合物として使用してかまわない。

又その量は１重量％〜４の重量％、好ましくは３重量％
〜２の重量％程度添加することが望ましい。１重量％以
下ではその効果が現われず又４の重量％以上では未反応
物が増加し凝集力が低下するためである。

一方主成分の放射線重合性不飽和二重結合をもつ液状オ
リゴマーとしては主鎖がアクリル酸アルキルェステルあ
るいはメタアクリル酸アルキルェステルの共重合オリゴ
マーをはじめポリオールアクリレート、ポリエステルア
クリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ポリアセタールアクリレートなどの不飽和二重結
合を１分子あたり少なくとも１つ以上側鎖あるいは末端
にもったアクリル系オリゴマー、さらにポリブタジエン
、ポリベンタジエン、ポリクロロプレン、ポリィソプレ
ンなどの反応性プレポリマーなどが挙げられる。

このオリゴマーは分子量約１０００〜５００００であり
各基材上に溶剤を使用せずに又は少量の使用で塗布でき
るような粘度（３０００、１ぴ〜１ぴセンチポィズ程度
）範囲のものである。なおこのオリゴマーの不飽和二重
結合は放射線重合反応速度の速さからアクリル系不飽和
二重結合がより望ましい。以上のような組成物に対して
場合によって塗工上で粘度を下げるために放射線重合性
の単官能あるいは多官能モノマーを添加したり必要に応
じて軟化剤、酸化防止剤、充填剤、顔料等を混入して放
射線硬化型感圧性粘着剤組成物が調整される。

本発明でいう放射線とは活性エネルギー線で、Ｑ線、３
線、中性子線、加速電子線のような電離性放射線並びに
紫外線をいう。電離性放射線の場合線量は０．１〜５０
Ｍｒａｄの範囲で使用できるが好ましくは０．５〜２０
Ｍｒａｄ程度である。

また紫外線の場合波長範囲は約１８仇ｍ〜４６仇肌であ
り適当な発生としては水銀アーク、低圧、中圧、高圧、
あるいは超高圧の水銀ランプが挙げられる。照射方法と
して特に注意を要する点としては照射雰囲気にある。

つまり空気中の酸素によりラジカルが阻害されるので場
合につては不活性ガスによる置換あるいは塗膜上をフィ
ルム等で被覆することが良いことがある。さらに硬化を
一層促進させるために、硬化促進剤を含有させることも
でき多くの場合、これは好ましいことである。

電離性放射線の場合、１・２−エタンジオ−ル、２・３
ージメルカプトプロパノールのごとき硫黄化合物、Ｐ−
ジクロルベンゼン、四塩化炭素などのハロゲン化物など
が挙げられる。紫外線の場合増感剤が使用できる。

増感剤としては例えばペンゾィン、ベンゾフェノンなど
のカルボニル化合物などが挙げられる。以上の硬化促進
剤の使用量は放射線硬化型感圧性接着剤１０傍協こ対し
て０．０１〜２碇部更に好ましくは０．１〜１碇郡の範
囲であるのがよい。

以下実施例をもって説明する。

但し、以下に於ける部は全て重量部を表わすものとする
。実施例 １ 損梓機、温度計、滴下ロ−ト、および窒素ガス吹き吹み
装置を付した四つ口フラスコにＱ−エチルヘキシルアク
リレ−ト７５部メチルメタアクリレート１５部、アクリ
ル酸１０部、およびＱ・Ｑ′−アゾビスィソブチロニト
リル４部からなる混合物を入れ、窒素気流中で燈拝しな
がら８０００にて塊状重合を８時間行ない粘度が１ぴセ
ンチポィズ（Ｂ型粘度計、３０００）の液状アクリル共
重合体を得た。

ついで１００ｏｏまで昇温しグリシジルメタアクリレー
ト５部、トリェチルベンジルアンモニウムクロラィド０
．５部、熱重合防止剤０．１部を添加してなる混合液を
滴下ロートにより３０分間かけて滴下し、同温度でさら
に約２．４時間反応続けることによって側鎖に二重結合
を持ったアクリル系の放射線硬化型液状オリゴマーを得
た。又健梓機、温度計、滴下ロートを付した三ッロフラ
スコにロジン系樹脂（荒川化学■商品名ポリベール）を
５碇部、トルェン５礎部からなる混合物を入れ燈拝しな
がら１００つ０にする。

次いでグリシジルメタアクリし−ト５部、トリェチルベ
ンジルアンモニウムクロラィド０．５部、熱重合防止剤
ｏ．１部からなる混合液を滴下ロートにより３０分間か
けて滴下し、同温度でさらに２独特間反応を続けること
によって不飽和二重結合を付与した粘着付与剤を得た。
このアクリル系放射線硬化型液状オリゴマー９礎部と不
飽和二重結合を付与した粘着付与剤Ｉ０部を混合し放射
線硬化型感圧性接着剤組成物を作成した。この組成物を
ポリエステルフィルム（東レ■商品名ルミラ＃２５）に
厚みが０．０１帆になるように塗布し加速電圧２０皿Ｖ
、ビーム電流１０ｍＡの電子線加速器を用い窒素雰囲気
下（酸素濃度５００脚）、９Ｍｒａｄの電子線照射をす
ることにより重合網状化し粘着テープを製造し、その特
性を調べた。結果を表１に示す。比較例 １ 実施例１のアクリル系放射線硬化型液状オリゴマーだけ
からなるポリエステルの粘着テープを実施例１と同機に
製造した。

その特性を表１に示す。比較例 ２ 実施例１のアクリル系放射線硬化型液状オリゴマー物９
５部と不飽和二重結合を付与していないロジン系粘着付
与剤（荒川化学■商品名ポリベール）５部からなる放射
線硬化型感圧性接着剤組成物を実施例１と同様にポリエ
ステルの粘着テープを製造した。

その特性を表１に示す。表 １ ＊，ｌｆイー′ｆナ
ープ牝什の比燐注）‘１｝ ＪＩＳ−Ｃ−２１０７に準
じて測定（彼着体：ＳＵＳ４３０ＢＡ 板）■ ６５０
０加熱促進試験を７日間行ない接着力の増加を％で示し
た。

｛３’ ベークライト板にて荷重５００夕「 ２０００
で３０分後のすれ距離を測定表１からわかる通り不飽和
二重結合を付与した粘着付与剤を添加した実施例１の場
合接着力が出やすく、一定の凝集力を持ち経時変化の少
ない粘着テープであることから優れた感圧性接着剤であ
ることが明らかである。

実施例 ２ 実施例１と同様にしてブチル・ァクリレート６０都エチ
ルアクリレート２の郭アクリル酸１碇部及びグリシジル
メタアクリレート１悦部からなるアクリル系液状オリゴ
マー９の部と実施例１と同様な方法で二重結合を付加し
たテルベン・フェノール樹脂系の粘着付与剤（安原油脂
■商品名ＹＳポリスター＃２１３０）１庇都からなる放
射線硬化型感圧性接着剤組成物を作成した。

この組成物を０．０６側厚のポリエチレンに０．００５
肌厚になるように塗布し、実施例１と同様に電子線を照
射し、表面保護用の粘着フィルムを製造し、その特性評
価を行なった。結果を表２に示す。比較例 ３ アクリルゴム（東亜ペイント■商品名トアアクロンＰＳ
−２２０）１０戊部と架橋剤として多官能性ィソシアネ
ート（日本ポリウレタン工業■商品名コロネートＬ）を
３部からなる感圧性接着剤を実施例２のように厚さ０．
０６肋のポリエチレンフィルムに０．００５側厚に塗布
し、１００００で３分間乾燥し、粘着フィルムを製造し
た。

表２ 粘着フィルムとしての特性比較 注）‘１｝′、（２｝′表１の（１｝、（２｝と同じ｛
３’′ 粘着フィルムを貼付レナたＳＵＳ板をＪＩＳＢ
７７７７に準じて８肌ェリクセン絞りを行ない１日後の
フィルムの自然剥離の状態を観察表２から、比較例３に
示す、通常の熱硬化型の粘着フィルムと同様な接着力を
示し、絞り性も良好であるばかりでなく、放射線硬化型
であるため凝集力がすぐれ、のため接着力の経時変化の
少ない表面保護用の粘着フィルムであることがわかる。

以上のように本発明による不飽和二重結合を付与した粘
着付与剤を含有する放射線硬化型感圧性接着剤組成物は
優れた接着力と、凝集力を兼ね具えた接着特性の優れた
感圧性接着剤を提供し得るものであり、工業的価値は非
常に大きいものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 有機溶剤が存在しないか又は殆んど溶剤が存在しな
   い状態の放射線硬化型液状オリゴマーを主成分とする感
   圧性接着剤組成物において、放射線重合をおこなう不飽
   和二重結合を有する粘着付与剤を１〜４０重量％含有す
   ることを特徴とする放射線硬化型感圧性接着剤組成物。