JPS5948807B2 - 殺ダニ、殺虫組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はダニ類および（または）害虫類を防除するた
めの殺ダニ、殺虫組成物に関するものである。

ダニ類はカンキツ類、リンゴ、ナシ等の各種果樹、イチ
ゴ、ナス、スイカ等の野菜類、カーネーション、バラ、
キク等の花卉類、および茶等の葉に寄生加害し、これら
の農作物に多大の被害を４えている。

現在ダニ類の防除にはケルセン、シトラジン、テデオン
、ダニカット、ブリクトラン等の商標のもとに多数の殺
ダニ剤が市販され使用されている。

しかしダニ類の一世代の期間は短く、かつ年間の世代回
数も十数世代にのぼる。

従って防除回数も多くなり、他の害虫にくらべ抵抗性が
発達しやすく、その防除が大きな問題となっている。

そこで抵抗性の発達を回避するため、できる限り同一薬
剤の連用をさけ、作用機構の異なる薬剤のローテーショ
ンによる防除、あるいはそれらの混合剤による防除が考
えられている。

また前記の各種農作物にはダニ類以外に多くの害虫が寄
生加害するが、ダニ類と混虫類の間には大きな選択毒性
があり、両者に有効な薬剤はほとんどない。

そのため一般には殺ダニ剤に殺虫剤を混用してダニ類と
害虫の同時防除が行なわれている。

本発明は特定の薬剤を配合することにより、ダ千類およ
び害虫類の両方に対して相乗的な防除効果を発揮する殺
ダニ、殺虫組成物を提供することを目的とする。

本発明はＳ−［（２−メトキシ−５−オキソ−１，３，
４，−チアジアゾリン−４−イル）メチル〕０゜０−ジ
メチルホスホロチオロチオネー）（以下ＤＭＴＰと称ス
る）と、ｐ−クロロフェニルｐ−クロロベンゼンスルホ
ネート（以下ＣＰＣＢＳと称する）とを有効成分として
配合したことを特徴とする殺ダニ、殺虫組成物である。

ＤＭＴＰは次の（１）式 で表わされ、害虫に対する効力はあるが、ダニ類に対す
る効力は低い。

ＣＰＣＢＳは次の（２）式 で表わされ、ダニ類に対して物卵、殺成虫力ともある程
度の効力を示すが、害虫に対しては効力を示さない。

本発明ではこれらの薬剤を配合することにより、それぞ
れの欠点を相補い、しかも相乗的な殺ダニ、殺虫効果を
発揮させる。

ＤＭＴＰとＣＰＣＢＳとの配合比は重量比で１＝５〜５
：１の範囲が望ましく、特に１：２〜２：ｌの範囲がよ
い。

本発明の殺ダニ、殺虫組成物はこれら２種の有効成分を
混合して製剤することもできるが、これらの有効成分に
さらに担体、稀釈剤、界面活性剤、分散剤、その他の補
助剤等を配合して、水利剤、乳剤、粉剤、フローダスト
等に製剤することができる。

これらの製剤は直接散布するか、水で適当な濃度に稀釈
して散布し使用する。

使用濃度は２５０〜５００ ｐｐｍ で用いると良い効
果が得られる。

担体としてはタルク、カオリン、ベントナイト、ケイソ
ウ土、ホワイトカーボン、クレー、テンプン等、稀釈剤
としては水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シ
クロヘキサン、アルコール等が使用でき、界面活性剤、
分散剤としては市販のものが使用できる。

本発明の殺ダニ、殺虫組成分は他の殺ダニ剤、殺虫剤、
殺菌剤等と併用することもできる。

本発明の殺ダニ、殺虫組成物は相乗的な殺ダニ、殺虫効
果を有し、各有効成分単独使用の場合に比べて顕著な防
除効果を示す。

そしてその効果は長時間持続し、抵抗性が発達しにくい
。

特にノ・ダニ類に対する防除効果は高く、殺卵力、殺成
虫力ともに相乗的に増大する。

またカンキツ類のヤノネカイカラムシ、リンゴ、茶のコ
カクモンハマキおよび野菜の・・スモンヨトウ等の害虫
に対しても相乗的に殺虫効力が増大する。

次に本発明の好適な配合例をあげて説明するが、添加剤
および配合比は広い範囲で変更し５るものである。

なお配合割合はいづれも重量％で示す。配合例 ｌ 水
和剤 ＤＭＴＰ ２５％、ＣＰＣＢＳ ２５％、湿展剤と
してツルポール３５ ｓ −Ｌ （東邦化学ＫＫ答録商
標）３％、ディスクゾールＷＫ（第１工業化学ＫＫ登録
商標）３チ、補助剤としてカープレックス（塩野義製薬
ＫＫ登録商標）５チ、担体としてラジオライト（昭和化
学ＫＫ登録商標）３９係を均一に混合粉砕して水利剤と
する。

配合例 ２ 乳 剤 ＤＭＴＰ ２５％、ＣＰＣＢＳ ２５％、稀釈剤と
してキシレン４０％、乳化剤としてツルポール３００１
１０％を均一に溶解して乳剤とする。

配合例 ３７０−ダスト ＤＭＴＰ １０％、ＣＰＣＢＳ １０．％、補助剤
としてイソプロビルハイドロダンホスフェート２％カー
プレックス ３０チ、担体としてジ−クライト５Ｇ−９
０（ジークライト化学鉱業ＫＫ登録商標）４８％を混合
微粉砕しフローダストとする。

次に本発明の殺ダニ、殺虫組成物の効果を試験例により
示す。

供試した薬剤は下記の配合例（重量％）に従って製剤し
た。

試験例 ｌ ニセナミハダニに対する防除効果試験 く ニヤナミハダニの寄生した４寸ポット植えナスに水
利剤の所定濃度（ＤＭＴＰ十ＣＰＣＢＳの濃度以下同じ
）の液５０ｍ１をスプレーカンで十分に散布し、経時的
に生息成虫数を調べた。

その結果を第１表に示す。

なお、比較のために市販の殺ダニ剤ケルｔン〔ローム・
アンド・）・−ス社登録商標−有効成分２．２．２−）
リクロローｌ、１−ビス（ｐ−クロロフェニル）エタノ
ール〕散布オよび無散布の場合の結果も併記する。

試験例 ２ ニセナミハダニに対する殺卵効力試験 温室内でインゲンの葉に座下させたニセナミハダニの卵
に乳剤の所定濃度液を１鉢当り３０ｒｎｌ散布ｔ〜 １
０日後に殺卵率を調べた。

その結果を第２表に示すとともに、濃度２５０ ｐｐｍ
の場合の配合比−殺卵率のグラフを第１図に示す。

なお第２表にはケルｔン散布の場合の結果も併記する。

試験例 ３ ニセナミ・・ダニに対する殺成虫効力試験温室内でイン
ゲンの葉に寄生させたニセナミハダニ成虫に水和剤の所
定濃度液を１鉢当り３０ｒＩｌｌ散布し、３日後に生死
虫数を調べ殺ダキ率を算出した。

その結果を第３表に示すとともに、濃度２５０ ｐｐｍ
の場合の配合比−殺ダニ率のグラフを第２図に示す。

なお第３表にはケルセン散布の場合の結果も併記する。

：試験例 ４ ミカン−・ダニに対する防除効果試験 ミカン・・ダニの寄生した４寸ポット植え夏柑実生に水
和剤の所定濃度液５０ｒｎｌをスプレーガンで十分に散
布し、経時的に生は成虫数を調べた。

結果を第４表に示す。

なおケルセン散布および無散布の場合の結果も併記する
。

試験例 ５ カンザワハダニに対する防除効果試験 カンザワハダニの寄生している茶樹に水利剤の所定濃度
液を１０アール当り４００を散布し、散布後経時的に生
息成虫数を調べた。

結果を第５表に示す。

なおケルセン散布および無散布の場合の結果も併記する
。

試験例 ６ ケルセン抵抗性ナミー・ダニに対する防除効果試験 ケルｔン抵抗性ナミハダニを寄生させたりリンゴ実生に
水和剤の所定濃度液５０ｒＩｘｌをスプレーガくンで十
分に散布し、散布後経時的に生息成虫数を調べた。

結果を第６表に示す。なおケルセン散布および無散布の
場合の結果も併記する。

試験例 ７ コカクモンバマキに対する殺虫効力試験 リンゴの葉を水利剤の所定濃度液に浸漬し、それをアイ
スカップに入れ、そこへコカクモンハマキの３令幼虫を
放ち、７２時間後に生死虫数を調べ、殺虫率を求めた。

結果を第７表に示すとともに、濃度２５０ ｐｐｍの場
合の配合比−殺虫率のグラフを第３図に示す。

なり比較のために市販の殺虫剤サイアノックス（住友化
学工業ＫＫ登録商標−有効成分ｐ−シアノフェニルジメ
チルホスホロチオネート）を使用した場合の結果も併記
する。

試験例 ８ ヤノネカイガラに対する殺虫効力試験 ヤノネカイガラ２令幼虫の寄生しているミカンの葉を水
利剤の所定濃度液に浸漬し、無処理区が成虫になったと
き、未成熟成虫、成虫数を調べ次式により発育率を算出
した。

結果を第８表に示す。成虫数十未成熟成虫数 発育率＠）ニ□×１００ 散布前史数 以上の結果より、ダニ類に対してはＤＭＴＰ単独の場合
は最初防除効果はあるが、時間の経過とともに急速に効
果が低減し、ＣＰＣＢＳ単独の場合は最初からあまり効
果がないのに比べ、両者配合の場合は顕著な防除効果が
あり、その効果が長時間持続することがわかる。

またその防除効果は両者の配合比が１：５〜５：１の範
囲がよく、２：ｌ〜１：２の範囲が特によいことがわか
る。

殺虫効果についても両者配合の場合は単独の場合に比べ
顕著な効果を示し、相乗効果が認められる。

以上本発明を説明したが、本発明の殺ダニ、殺虫組成物
はダニ類、害虫類の両方に対して顕著な防除効果を有し
、その効果の持続性も高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は試験例２の濃度２５０ ｐｐｍの場合の配合比
−殺卵率を示すグラフ、第２図は試験例３の濃度２５０
ｐｐｍの場合の配合比−殺ダニ率を示すグラフ、第３
図は試験例７の濃度２５０ ｐｐｍの場合の配合比−殺
虫率を示すグラフである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｉ Ｓ−Ｃ＜２−メトキシ−５−オキソ−１，３゜４
   −チアジアゾリン−４−イルツメチル）０，０−ジメチ
   ルホスホロチオロチオネートと、ｐ−クロロフェニルｐ
   −クロロベンゼンスルホネートトヲ有効成分として配合
   したことを特徴とする殺ダニ、殺虫組成物。 ２Ｂ−ＣＣメトキシ−５−オキソ−１，３，４−チアジ
   アゾリン−４−イル）メチル〕０．０−ジメチルホスホ
   ロチオロチオネートとｐ−クロロフェニルｐ−クロロペ
   ンセンスルホネートの配合比は重量比で１：５〜５：ｌ
   である特許請求の範囲第１項記載の組成物