JPS5924271Y2 - 液量表示装置付き金属製真空二重ポツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、液量表示装置を持った、断熱容器としての
金属製真空二重ポットに関する。

この種ポットは、真空二重瓶の衝撃に弱いと云う最大の
欠点を解消でき、真空二重瓶に対するような保護構造を
本来必要としない。

しかし、金属製真空二重容器内に連通ずるよう立設され
る液量表示パイプを覆うカバーは、金属製真空二重容器
に対して施こされる外装体の一側に開設した縦方向の窓
を利用して取付けられている。

このため、金属製真空二重容器の保護構造を必要としな
い割に、真空二重紙穴ポットと大差ない複雑な構造であ
る。

この考案は、金属製真空二重容器の耐衝撃性を生かして
、同容器に前記表示パイプのカバーを直付けし、外装体
を省略した、構造および組立て共に簡単な液量表示装置
付き金属製真空二重ポットを提供することを目的とする
ものである。

第１図から第３図に示される実施例について説明すれば
、１は器体であって、ステンレススチール製内容器２と
ステンレススチール製の外装体を兼用する外容器３との
間が、真空断熱空間４とされている。

内容器２と外容器３との上端間には別のステンレススチ
ール製肩板５が設けられているが、この肩板５は容器２
と外容器３との何れかの上端に一体成形され得るもので
ある。

内、外容器２．３間に真空断熱空間４を形成する継ぎ目
６は、ろう接等既に知られる適当な接合手段により接合
すればよいし 真空断熱空間４を形成するには、前記継
ぎ目６の接合を真空空間内で作業することにより行える
。

場合によっては、大気中で継ぎ目６を接合した後、一部
に設けたチップから空間４内の空気を吸引除去して所定
の真空度とし、前記チップを溶融閉塞させるかろう材そ
の他の充填物を充填して閉塞させるかしてもよく、溶融
閉塞方式ではそれに適した材料や構成のチップを設けば
よい。

内容器２は、外容器３との間で真空断熱空間４を形成し
ない一重底部７が別体のステンレススチール板で形成さ
れ、その外周に保温ヒーター８および湯沸しヒーター９
が巻着されている。

１０はヒーター取付バンドであって、ヒーター８，９の
上から巻き付け、両端がビス１１により緊締されること
によってヒーター８，９を一重底部７外周へ圧着固定し
ている。

真空断熱空間４は一重底部７をも覆うよう同底部７より
下方へ垂下され器体裾部１２をなし、この裾部１２に器
体１とは別体の合成樹脂製底盤１３が装着されている。

一重底部７下面には湯沸しヒーター９の通電制御用サー
モスタット１４、保温ヒーター８の通電制御用感温リー
ドスイッチ（いわゆるＴＲ５）１５、および温度ヒユー
ズ１６等の温度制御部材が取付けられている。

一重底部７を含む器体１は、熱伝導性の低いステンレス
スチール製であるのと、真空断熱空間４を形成している
のとにより、充分な保温力を発揮する耐衝撃性に優れた
保温ポットをなしていて、湯沸しヒーター９により内容
液を所定温度・まで上げた後、その温度をよく保ち、保
温ヒーター８によって設定温度を維持するにも、それに
よる保温のための総電力消費量が節減される。

反面、前記温度制御部材は、一重底部７の温度が設定温
度以上になっている（例えば空炊時や、転倒状態のため
一重底７のヒーター巻着部に内容液がない状態のまま通
電している場合）にもかかわらずその感知が、ステンレ
ススチールの熱伝導性の低さのために遅れて、過熱の原
因となる。

このため、図示の電気ポットでは、各温度制御部材を、
ヒーター８，９の巻付は端部（低温側）から離してしか
もヒーター発熱部近くに集約配置し、ヒーター８，９発
熱時における一重底部７の温度上昇をなるべく早期に感
知し得べくしている。

そして、感温リードスイッチ１５は押え板１７によって
一重底部７下面に圧接した状態で支持し、温度ヒユーズ
１６は押え板１７と共にビス１８によって一重底部７下
面に取付けた支持脚１９に固定されている。

サーモスタット１４は、一重底部７下面へ直付けした取
付板２０に対しビス２１により取付けている。

底盤１３は、中央に保守点検窓２２が開設されていて、
支持脚１９に対しビス２３により着脱自在に支持される
蓋板２４で常時閉じている。

底盤１３の一側には、プラグ嵌合口２５が形成されてお
り、この嵌合口２５はマグネット吸着式のプラグ２６を
嵌着すべくされている。

器体１の上端には、用途に応じた形状の容器口２７が器
体１と別体に合成樹脂材で形成して取付けられている。

容器口２７は、一側に嘴状突出部２７ａを有する皿形を
なし、底部中央に器体１への給液口２７ ｂが開設され
、器体１上端にビス２８により円周上３等配位置で取付
けられている。

ビス２８は、容器ロ２７底部上面より挿入して、容器口
２７が置かれる器体１上面へ例えばスポット溶接して取
付けられた取付金具２９へ螺入し、容器口２７を器体１
上端へ締結している。

容器口２７の器体１上端への着座部には、器体１上端外
周段部３０と嵌合する位置決めスリーブ３１．および器
体１の上端開口３２とバッキング３３を介し気密嵌合す
る密嵌スリーブ３４が設けられ、容器口２７の位置決め
と、器体１との漏液防止状態での結合とを満足している
。

容器口２７は、嘴状突出部２７ ａとは反対の側に、容
器口２７を覆いかつ手動ベローズポンプ３５を装備した
蓋体３６が枢着３７されていて、蓋体３６は枢着３７部
とは反対の自由端側に、容器口２７に一体に設けられて
いる保合部３８と弾性的に係合して蓋体３６を閉じ状態
にするロックレバ−３９を有している。

４０はポンプ３５の押圧操作部材である。容器口２７の
給液口２７ ｂには、蓋体３６が閉じ状態にあるときポ
ンプ３５の吐出口３５ ａと器体１内とを連通させる給
気通路４１と、ポンプ３５が操作部材４０により押圧収
縮されて器体１内へ加圧空気を送り込んで内容液を加圧
するとき、それにより押し出されようとする内容液を器
体１外へ導く注出管路４２とを持った栓体４３が着脱自
在に装着され、閉じ状態にある蓋体３６による押圧を受
けて、バッキング４４を介し器体開口３２との間の気密
性が保たれ、またバッキング４５を介し給気通路４１と
ポンプ吐出口３５ ａとの間の接続部の気密性も保たれ
ている。

注出管路４２は、栓体４３から嘴状突出部２７ ａ上面
に沿って器体−側へ張り出している張り出し部４２ ａ
の張り出し端に、天板部にスプラッシュ防止用の空気抜
きパイプ４６を有する注出口４７が設けられ、嘴状突出
部２７ ａ先端底部の透孔４８から下方へ開口している
。

金属製真空二重容器そのものである器体１外には、ガラ
ス製の透明な液量表示パイプ４９が立設され、その下端
を一重底部７に対して、エルボ５０、横管５１．エルボ
５２、縦管５３を介し下方より接続５４し器体１内に連
通している。

表示ポイプ４９の上端は、器体１の真空断熱空間４形成
部より上方へ内容器２のみを延長して器体上端間口３２
を形成している一重容器口部としての開口壁３２ ａに
対し、エルボ５５、横管５６を介して接続５７され、下
端同様器体２内に連通している。

５８は器体１外周面にスポット溶接等して取付けられた
取付金具であって、その器体１外周面から浮き上ってい
る両翼５８ａに対し、表示パイプカバー５９をビス６０
によりビス止めして、カバー５９を器体１へ直付けして
いる。

前記エルボ５０ 、５２ 、５５をシリコンゴム等の可
撓材料で形成すれば、表示パイプ４９の取付けや器体１
への接続上、寸法誤差吸収や少々の揺動を許容しまた表
示パイプに対する衝撃を緩和する機能を奏し有利である
。

６１は表示パイプ４９の背後に配した液量目盛板であっ
て、カバー５９の表示窓５９ ａにおいて、パイプ４９
内に液がある範囲の目盛線６１ ａが光の屈折によって
水平になることで器体１内の水位を示す。

６２は表示窓５９ ａに貼着した透明な合成樹脂板であ
って、目盛板６１を接着板６１を接着保持している。

６３はビス隠し板である。表示パイプ４９は、上下端共
、器体１内に連通しているから、器体１内の液や空気か
１由に移動できる通路をなし、外部に連通ずることなく
器体１内と同一液位をなさせ、それを外部に表示する。

表示パイプ４９は外部に連通していないので、蒸気や熱
の放出通路とはならないうえ、器体１内が加圧状態とな
っても内容液流出や漏出も起らない。

第４図から第６図までの実施例は、器体１の上端フラン
ジ７１へ無理嵌めした上部環７２の一側に突設された保
持片７２ ａの保持孔７２ ｂと、底盤１３の上端−側
に突設された保持片１３ａの保持孔１３ｂとに液量表示
パイプ４９を挿通して保持し、パイプ４９背後に配され
る目盛板６１は、薄い金属板で形成して、上下端に突設
した取付爪６１ａ、６１ｂを、各保持片７２ａ、１３Ｈ
の小孔７２Ｃ９１３Ｃへ挿入すると共に突出端を折り曲
げることにより保持している。

パイプ４９の上端は、駒形に屈曲して容器口２７の密嵌
スリーブ３４へ弾性嵌着７３シた弾性体横管７４に連結
し、器体１内に連通されている。

また下端は一重底部７の側部ヘエルボ５０および横管５
１のみを介して接続５４されている。

７２ｄ、１３ｄは、各保持片７２ａ、１３ａ部に一体成
形された目盛板挾持側壁である。

第７図から第９図に示されるものは、左右一対の取付金
具８１．８２を器体１外周面上下へ固着し、それらの先
端折曲片８１ａ、８２ａに、表示パイプカバ−５９裏面
に形成された下向き保合片８３を上方より係合させて、
カバー５９を器体１周面へ直付けしており、カバー５９
はその上端を容器口２７に押し付けられて取付金具８１
．８２との前記係合状態が保たれる。

目盛板６１は、器体１の周面へ貼着しており、粘着ビニ
ルテープとすれば便利である。

カバー保合片８３と取付金具折曲片８１ａ、８２ａとの
係合を前記とは反対の向きとし、底盤１３で抜は止めし
てもよい。

第１０図に示されるように、保合片８３の先端にフック
爪８３ ａを設ける等して、係合片８３と折曲片８１
ａ 、８１ ｂとを弾性係合するようにすれば、その保
合だけでもカバー５９を確固に保持できる。

この考案によれば、金属製真空二重容器の外壁を形成し
ている外容器が、ポット器体の外装体を兼用し、器体外
側に立設される液量表示パイプの表示パイプカバーを、
器体外面へ同外面に固着された取付金具により直付けし
たものであるから、真空二重紙穴の場合の瓶保護構造や
その１つであると共に金属製真空二重容器式のものでも
、表示パイプカバー取付は部としての窓部等を提供する
ために用いられる外装体、およびカバー取付窓部の開設
作業が要らなくなり、しかもカバーは器体外面へ取付金
具をもって簡単に直付けでき、構造および組立て共に簡
略化する。

従って製品コストも低減する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の縦断面図、第２図は要部の拡大横断
面図、第３図は一部の正面図、第４図は別の実施例の要
部縦断面図、第５図は要部の拡大横断面図、第６図は目
盛板一部の斜面図、第７図は他の実施例の要部縦断面図
、第８図は要部拡大横断面図、第９図は一部の分解斜面
図、第１０図は変形例の一部拡大縦断面図である。 １・・・・・・器体、２・・・・・・内容器、３・・・
・・・外容器、４・・・・・・真空断熱空間、４９・・
・・・・液量表示パイプ、５８・・・・・・取付金具、
５８ ａ・・・・・・翼、５９・・・・・・表示パイプ
カバー、５９ａ・・・・・・表示窓、８１．８２・・・
・・・取付金具、８１ａ、８２ａ・・・・・・折曲片、
８３・・・・・・係合片、８３ａ・・・・・・フック爪
。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）低熱伝導性金属よりなる内容器と、低熱伝導性金
   属よりなりかつ外装体を兼用する外容器との間が真空断
   熱空間とされた金属製真空二重器体の一側に、同器体内
   に連通ずる液量表示パイプが立設され、該液量表示パイ
   プを覆う表示窓付きのカバーを、前記器体表面に対し同
   表面へ固着されている取付金具により直付したことを特
   徴とする液量表示装置付き金属製真空二重ポット
2. （２）取付金具は、器体表面に封しろう接や溶接によっ
   て固着されている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   液量表示装置付き金属製真空二重ポット
3. （３）カバーは、取付金具に対してビス止めされている
   実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の液量
   表示装置付き金属製真空二重ポット
4. （４）カバーは、取付金具に対して引っ掛かり部を係合
   させて保持されている実用新案登録請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の液量表示装置付き金属製真空二重ポッ
   ト
5. （５）カバーと取付金具との係合は弾性係合とされてい
   る実用新案登録請求の範囲第４項記載の液量表示装置付
   き金属製真空二重ポット
6. （６）金属製真空二重器体は、ステンレススチール製で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項から第５項までの何
   れかに記載の液量表示装置付き金属製真空二重ポット。