JPS5823105B2 - カテ−テルのガイドワイヤ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、たとえば血管などの体腔内にカテー□チルを
導き入れるにあたり、そのカテーテルを案内するガイド
ワイヤーに関する。

カテーテルを用いて所望の血管内に造影剤を注入し、そ
の血管の状態をレントゲン造影する方法が知られている
。

この方法において造影しようとする血管内に造影剤注入
用のカテ・−チルをあらかじめ挿入する必要があるが、
このカテーテルの挿入にあたっては、先に挿入したガイ
ドワイヤーを案内として行なっている。

しかし、従来量も広（用いられているガイドワイヤーは
、直線状のものかあるいはその先端部を彎曲させただけ
であり、いわば固定的なものであるから、血管の内部に
挿入したのち血管系の状態に適合した彎曲状態を調節す
ることができなかった。

したがって、特定の血管を選んでカテーテルを留置する
場合において、しばしば困難が生じた。

そこで、最近、血管内に挿入した後でも手元側において
操作することにより、先端部を自由に彎曲させ得るガイ
ドワイヤーが開発された。

すなわち、このガイドワイヤーは、可撓管の内・部に牽
引ワイヤーの先端を可撓管先端の一側壁に連結してなり
、その牽引ワイヤーを手元側において牽引することによ
り先端部を彎曲させるものである。

確かに、このガイドワイヤーによると、選択的血管造形
を容易に実施することが可能となったが、次のような欠
点がある。

（１）牽引ワイヤーによって可撓管の先端側壁を引（こ
とで彎曲させるため、その彎曲できる角度は９０°以内
であり、９０°近くはむしろ無理な角度であった。

（２）細い牽引ワイヤーを引張ることにより先端部を曲
げるため、その細い牽引ワイヤーが作業中しばしば切れ
ることがある。

（３）可撓管の途中が彎曲していると、その牽引ワイヤ
ーの牽引力が可撓管の先端部に伝わりにくいとともに、
より強い牽引を行なうとその牽引ワイヤーがさらに切れ
やすくなる。

（４）先端部の彎曲操作を行なうにあたって牽引力。

を加えるため、誤操作を招きやす（危険である。

本発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目
的とするところは、先端部の彎曲角度を大きくとれると
ともに、大きな操作力を必要とせず安全に使用すること
ができるカテーテルのガイドワイヤーを提供することに
ある。

すなわち、本発明はカテーテルに挿通可能な外径を有す
るとともに、少なくとも先端部を彎曲自在な構成とじた
案内用外管と、この外管の内部に進退自在に挿通された
矯正用パイプと、この矯正シ用パイプ内に貫挿され先端
を上記案内用外管の先端部に取着固定する芯金を設ける
とともに、該芯金の先端部に彎曲する特性をもたせ、上
記矯正用パイプを進退操作する手元操作部とを具備して
なるカテーテルのガイドワイヤーを提供するもので。

ある。

以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図中１はガイドワイヤ一部であり、このガイドワイ
ヤ一部１の基端には、操作部２が着脱臼。

在に取り付けられている。

上記ガイドワイヤ一部１は、第２図で示すように可撓性
の案内用外管３の内部に矯正用パイプ４が挿入され、さ
らに矯正用パイプ４の内部には芯線５を貫通させてなる
ものである。

上記案内用外管３は、密巻きの弾性コイルスプリング６
からなり、曲率半径６ｍｍで９０度彎曲させるには９．
１ｇの力を要する。

該弾性コイルスプリングの素線Ｉは直径０．１５ｍｍの
ステンレススチール製ワイヤーを使用する。

また、案内用外管３・の長さは１．５ ｍであって、そ
の外径は、使用するカテーテル８に挿通できる。

たとえば１．０ｍｍに形成されている。

さらに、案内用外管３の先端には、ハンダや銀ろうなど
のろう材からなる先端部材９を埋め込んでなり、この先
端部材９には芯線５の先端が埋め込み取着固定されてい
る。

上記矯正用パイプ４ば、たとえば内径０．３８ｍｍ。

外径０．５ ｍｍのステンレススチールによって長さが
１．３ｍ位に形成され、案内用外管３内を前後方向に独
立して移動できるように挿入されている。

又、矯正用パイプ４はテフロンを使用してもよい。

そして、この矯正用パイプ４は彎曲することができるが
、後述する芯線５の曲りぐせを矯正できるだけの腰の強
さをもっている。

また、矯正用パイプ４の基端部外周には、ストッパ１０
が突設されていて、矯正用パイプ４を前進させたとき、
ストッパ１０は案内用外管３の後端に当るようになって
いる。

そして、ストッパ１０が案内用外管３の後端に当ったと
き、矯正用パイプ４の先端は、案内用外管３の先端部材
９には達せず、むしろ間隔ｌをあけるようになっている
。

しかして、矯正用パイプ４を奥まで差し込んだときでも
案内用外管３の最先端部分１１ばその矯正用パイプ４の
影響を受けることなく自由に彎曲できる。

すなわち、案内用外管３の最先端部分１１は、常に柔軟
な彎曲を行なうようになっている。

上記芯線５は外径は０．３ ｍｍであって、たとえば直
径０．０６ｍｍのステンレススチール製素線を１９本捩
り合せて構成され、先端部１２ば９０°以上に彎曲する
特性、つまり曲りぐせをもち、この曲りぐせについての
残留応力としては片持で円弧上に曲率半径６關で屈曲さ
せるとした場合９０での要する応力は１３．１．９であ
った。

第３図で示すように矯正用パイプ４を後退させると、そ
のパイプ４の先端から突き出した部分が自から彎曲し、
案内用外管３の先端部１３を彎曲させ得るようにたとえ
ば曲率半径６ｍｍの円弧で屈曲させるとした場合先端部
から約９朋の位置を基点として曲りぐせをつけている。

すなわち、芯線５の先端部１２の曲りぐせは、矯正用パ
イプ４で包囲することにより真直ぐに矯正できるが、そ
の矯正用パイプ４を引き抜けば、露出した部分から彎曲
し、その復元力によって案内用外管３の先端部１３を彎
曲させ得るものである。

したがって、矯正用パイプ４の進退量を調節することに
より、その外管３の先端部１３の彎曲量を調節すること
ができる。

また、芯線５の基端には、第４図で示すような係合片１
４が取付は固定されている。

この係合片１４の中心からの高さは、矯正用パイプ４の
高さと同じ（しである。

すなわち、上記カテーテル８を自由に挿通できるように
なっている。

一方、操作部２は、第５図で示すように構成されている
。

すなわち、操作部本体１５の前端部１６には後述する締
結用キャップ１Ｔを着脱自在に螺合する先端部１８を形
成してなり、この前端部１６には、矯正用パイプ４を挿
通する挿通孔１１９が形成されている。

また、挿通孔１９は矯正用パイプ４のストッパ１０も通
れるようにその内径を設定しである。

しかし、外管３の外径よシも小さく設定することにより
、その外管３は通ることができないようになっている。

また、上記締結用キャップ１７は、操作部本体１５の先
端部１６に螺合されるもので、このため先端部１６の外
周におねじ２０を形成するとともに、キャップ１７側に
ばめねじ２１を形成しである。

さらに、キャップ１７には、外管３を挿通できる貫通孔
２２が形成されていて、密に外管３を＝挿通できるよう
になっている。

そして、キャップ１７の内部には、締結用弾性リング２
３が収納されている。

締結用弾性リング２３ば、通常の状態での内径が上記貫
通孔２２と同じで外管３を挿通できるようになっている
。

さらに、この締結用り。ング２３は、そのキャップ１７
と先端部１６の間に介在し、締結用キャップ１７をねじ
込むことにより圧縮され、内径を縮少させ得るようにな
っている。

すなわち、キャップ１７を締め付ければ、外管３を締結
固定できる。

また、締結用キャップ１７の先端部には、ラウンドロッ
ク（登録商標）２４が形成されており、このテーパ部２
５にカテーテル８の係合部２６を嵌合するとともに、ね
じ状の係合突起２７に係合片２８をねじ込むことにより
、着脱自在に係止するようになっている。

また、操作部本体１５の後端部２９には、芯線５の係合
片１４を着脱自在で、かつ回転しないように係止する係
止部３０が形成されている。

すなわち、芯線５を後方へ引いた状態でその係合片１４
が係止部３０に係止し、このため、第５図で示すように
一定の軽い張力が与えられる。

しかして、上記ガイドワイヤー１を使用するにあたって
は、まずセルディンガーテクニックによってガイドワイ
ヤー１の先端部１３を血管内に留置する。

次に第５図で示すようにカテーテル８をガイドワイヤー
１に挿入し、グランドロック（登録商標）２４にカテー
テル８の係合部２６を係止させる。

この時カテーテル８の先端は曲りぐせがつけられた芯線
５の先端部１２より操作部側にある。

そして外管３を締結用キャップ１７０貫通孔１９および
弾性リング２３にわたって挿通し、締結用キャップ１７
を締め付けて、弾性リング２３によって保持する。

なお、外管３は、挿通孔１９の内径よりも大きいので、
その挿通孔１９内に入り込むことがない。

また芯線５は操作部本体１５の後端部２９に達し、その
係合片１４を係止部３０に係止する。

したがって、芯線５は一定の軽い張力で引かれ真直ぐと
なっている。

一方、矯正用パイプ４は、ストッパ１０が外管３の後端
に当るまで前進させておく。

このとき矯正用パイプ４の後端部は操作部本体１５にお
いて露出し、この部分を手にもって進退させ得るように
なっている。

そして、例えば腎動脈３１にカテーテル８を導こうとす
る場合には、上記ガイドワイヤ一部１を大腿部から挿入
し、大動脈３１を通じて第８図で示すように腎動脈３２
の分岐部まで導き入れる。

この分岐部３３まで達したところで、前進させておいた
矯正用パイプ４を後退させると、矯正用パイプ４から芯
線５の先端部１２が露出し、その曲りぐせ特性によって
曲がり、第３図で示すように外管３の先端部１３をＵ字
状に彎曲させる。

なお、この彎曲量は矯正用パイプ４の進退量によって調
節できることは前述したとおりである。

また手元側の操作部本体１５を回わせば、これと一体に
ガイドワイヤ一部１を回転させることができる。

つまり、ガイドワイヤ一部１の向きを遠隔的に調整でき
る。

しかして、ガイドワイヤ一部１の先端部１３の状態をエ
ックス縁下で透視しながら、先端部１３の・彎曲量およ
び向きを調節し、腎動脈３２に向けて押し進めることに
より、その腎動脈３２に挿入することができる。

このようにして腎動脈の奥まで挿入したのち、カテーテ
ル８の係合部２６をラウンドロック（登録商標）２４か
ら外し、カテーテル８をガイドワイヤ一部１にそって進
める。

すなわち、外管３を案内としてカテーテル８を押し込み
、大動脈３１から腎動脈３２へと案内する。

ついで、カテーテル８の先端が腎動脈３２内まで導入さ
れたところで、ガイドワイヤ一部１をカテーテル８から
引き抜き、そのカテーテル８を通じて造影剤などの薬液
を注入するのである。

しかして、上記実施例の構成によれば、矯正用パイプ４
を進退操作させるだけで、ガイドワイヤ一部１の先端部
１２を自由に彎曲させ得るとともに、その彎曲量も調節
することができる。

しかも、芯線５の曲げぐせ特性を利用して彎曲させるた
め、ガイドワイヤ一部１の先端部１２を９０°以上にも
彎曲させることができる。

また、矯正用パイプ４を進退させるだけでよ（、その操
作に大きな力を加える必要がないので、操作性がよいと
ともに、部材が切断するような事態もなく、安全に使用
することができる。

また、上記構成によれば、矯正用パイプ４を芯線５に沿
って押し進めたり引き戻したりしてその矯正用パイプ４
を動かすことによりガイドワイヤー１の先端の曲る角度
を任意に変えるわけである−が、この場合、矯正用パイ
プ４の移動操作に伴つシてガイドワイヤー１の先端位置
は変動してはならない。

なぜならば血管の分岐点でガイドワイヤー１の先端部を
望む方向へ曲げようとした場合、ガイドワイヤー１の先
端部の位置がずれてしまっては所定の方向へ曲げて進め
て行くことができない。

そして、ここで仮に上記構成のうち案内用外管３がな（
、芯線５と矯正用パイプ４だけで構成したものとすると
、その矯正用パイプ４を芯線５に沿って押し進めること
は可能であるが、芯線５を残して、つまりガイドワイヤ
ー１の先端の位置を変。

動させることなく、矯正用パイプ４だけを引き戻すこと
は不可能である。

しかるに、本発明では特に矯正用パイプ４の外側に案内
用外管３を被嵌し、先端で芯線５とその案内用外管３と
を固定したので、矯正用パイプ４を引き戻すときにもガ
イドワ、イヤー１の先端部の位置が動かないように保持
できる。

したがって、定位置でガイドワイヤー１の先端部を任意
の角度に正しく湾曲させることができる。

なお、上記実施例では、矯正用パイプ４のスト４ツバ１
０が案内用外管３に当ったとき、その矯正用パイプ４の
先端は第２図で示すように最先端部分１１を残して位置
し、このため最先端部分１１は柔軟で血管内に差し込む
とき血管壁などを傷付けたりしない。

第９図のものは、矯正用パイプ４の先端部分２８に小コ
イルスプリング３４を接着し、腰を強くしたものである
。

たとえば柔軟な最先端部分１１の長さを３０ｍ１とした
い場合、矯正用パイプ４の先端部分２８から２０朋位の
長さの小コイルスプリング３４を設ける。

これにより柔軟な最先端部分１１の長さを長くとること
ができるので血］管の彎曲率が大の時適する。

以上説明したように本発明によれば、先端部の彎曲角度
を大きくとれ、かつ同じ位置で確実に彎曲させることが
できる。

さらに、その彎曲操作に大きな操作力を必要とせずに容
易かつ安全に使用することができる。

なお、本発明は、腎動脈−＼の挿入のみならず、たとえ
ば脳血管や冠動脈その他複雑な血管分岐部位・＼の挿入
が容易で、選択的血管造影その他局所的薬液治療や局所
的血液採取などにも利用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の全体を示す斜視図、第２図は
同じ実施例のガイドワイヤ一部の断面図、第３図は同じ
実施例の彎曲操作状態のガイドワイヤ一部の断面図、第
４図は同じ実施例の芯線の基端部を示す後面図、第５図
は同じ実施例の操作部を示す断面図、第６図は同じ実施
例の操作部の側面図、第７図は同じ実施例の操作部の後
面図、第８図は血管内のガイドワイヤ一部の状態図、第
９図は他の実施例のガイドワイヤ一部の先端部の断面図
である。 １・・・・・・ガイドワイヤ一部、２・・・・・・操作
部、３・・・・・・外管、４・・・・・・矯正用パイプ
、５・・・・・・芯線、６・・・・・・コイルスプリン
グ、７・・・・・・素材、８・・・・・・カテーテル、
９・・・・・・先端部材、１０・・・・・・ストッパ、
１１・・・・・・最先端部分、１２・・・・・・先端部
、１３・・・・・・先端部、１４・・・・・・係合片、
１５・・・・・・操作部本体、１６・・・・・・前端部
、１７・・・・・・締結用キャップ、１８・・・・・・
先端部、１９・・・・・・挿通孔、２０・・・・・・お
ねじ、２１・・・・・・めねじ、２２・・・・・・貫通
孔、２３・・・・・・弾性リング、２４・・・・・・ラ
ウンドロック（登録商標）、２５・・・・・・テーパ部
、２６・・・・・・係合部、２７・・・・・・係合突起
、２８・・・・・・先端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 途中で分岐する管状の体腔内にカテーテルを導びき
   入れるとき、そのカテーテルを案内するガイドワイヤー
   において、カテーテルに挿通可能な外径を有するととも
   に、少なくとも先端部を湾曲自在な構成とした案内用外
   管と、この外管の内部に進退自在に挿通された矯正用パ
   イプと、この矯正用パイプ内に貫挿され先端を上記案内
   用外管の先端部に取着固定する芯線を設けるとともに、
   該芯線の先端部に湾曲する特性をもたせ、上記矯正用パ
   イプを進退操作する手元操作部とを具備してなるカテー
   テルのガイドワイヤー。 ２ 上記案内用外管は密巻きの弾性コイルスプリ。 ングから形成してなることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項に記載のカテーテルのガイドワイヤ０ ３ 上記矯正用パイプの基端部に、この矯正用パイプを
   最も前進させたときその矯正用パイプ以外の部材に当り
   その前進を阻止して上記案内用外管の先端に上記矯正用
   パイプの先端より延出する柔軟な最先端部分を残すよう
   に規制するストッパを設けたことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載のカテーテルのガイドワイヤー。 ４ 上記案内用外管の柔軟な最先端部分の内部に補強用
   のコイルスプリングを内挿したことを特徴とする特許請
   求の範囲第１項に記載のカテーテルのガイドワイヤー。