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JPH119681A - 抗菌性導尿カテーテル - Google Patents

抗菌性導尿カテーテル

Info

Publication number
JPH119681A
JPH119681A JP9165978A JP16597897A JPH119681A JP H119681 A JPH119681 A JP H119681A JP 9165978 A JP9165978 A JP 9165978A JP 16597897 A JP16597897 A JP 16597897A JP H119681 A JPH119681 A JP H119681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urinary catheter
natural rubber
rubber latex
antibacterial
antimicrobial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9165978A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriko Kadota
典子 門田
Masahiro Seko
政弘 世古
Hideyuki Yokota
英之 横田
Masakazu Tanaka
昌和 田中
Kana Arimori
奏 有森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP9165978A priority Critical patent/JPH119681A/ja
Priority to US09/100,250 priority patent/US6191192B1/en
Priority to EP98111536A priority patent/EP0887373A3/en
Publication of JPH119681A publication Critical patent/JPH119681A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期にわたり優れた抗菌性が維持される抗菌性
導尿カテーテルを提供する。 【解決手段】 銀化合物または第4級アンモニウムもし
くは第4級ホスホニウムが表面に導入された天然ゴムラ
テックスからなる抗菌性導尿カテーテルであって、該天
然ゴムラテックスは銀化合物または第4級アンモニウム
もしくは第4級ホスホニウムと結合可能な化合物ととも
に分散された天然ゴムラテックスから成形された抗菌性
導尿カテーテル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性導尿カテーテ
ルに関するものである。さらに詳しくは、基材である天
然ゴムラテックスに抗菌性物質と結合可能な化合物を分
散させた天然ゴムラテックスから成型された導尿カテー
テルに、抗菌性物質である銀イオンまたは第4級アンモ
ニウムもしくは第4級ホスホニウムが主としてイオン結
合により表面に導入された抗菌性導尿カテーテルに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】生体内に留置する医療用具の一つである
導尿カテーテルはその使用に先立ち何らかの方法で消
毒、滅菌し使用されてきたが、長期にわたり使用する場
合がほとんどで使用中に導尿カテーテル自体の無菌性が
保たれないことがしばしばあり、改善が望まれている。
無菌性が保たれない理由はカテーテルの管腔内外を通し
て外界から細菌が侵入してくるためである。侵入してく
る細菌の中には尿の流れに逆らって上行してくる性質の
ものもあり、尿道炎、膀胱炎、腎盂腎炎などの感染症を
発生させる。
【0003】これまでの対策として抗生物質などを予防
的投与する化学療法があったが、この方法では抗生物質
を大量に投与するために、抗生物質の種類によっては副
作用の問題が避けられない。また一旦感染してしまうと
化学療法により、一時的に細菌の消滅がみられるが、そ
の後の耐性菌の出現による再感染が発症しやすいことか
ら安易な化学療法には問題がある。
【0004】最も有効な対策として導尿カテーテル全体
もしくはその表面に抗菌性を付与させる方法がある。
【0005】代表的な抗菌性物質として、金、銀、銅、
亜鉛などの重金属およびこれらの金属化合物がある。こ
れらは金属イオンの状態で極めて微量で細菌、真菌に対
する幅広い抗菌スペクトルを有する。これまでに、これ
ら金属化合物をマトリックス中に含有させ抗菌性を付与
した導尿カテーテルを製造することが試みられている。
【0006】また上記金属化合物以外にも抗菌性を示す
化合物として、カチオン系の抗菌性物質として第4級ア
ンモニウム塩がある。これらの化合物も細菌に対して強
い抗菌作用を示すことから、金属化合物同様マトリック
ス中に含有させ抗菌性を付与した導尿カテーテルに利用
することが試みられている。
【0007】銀系の抗菌性物質を導尿カテーテルに適応
したものとして、特公平6−34817に開示されてい
る方法がある。ここではプロテイン銀を配合したラテッ
クスをコーティングした導尿カテーテルを成形する方法
が記載されている。
【0008】カチオン性抗菌性物質を導尿カテーテルに
含有させたものとして、特公平3−64143に開示さ
れているものがある。この方法は導尿カテーテルの表面
に難水溶性の第4級アンモニウム塩を含むものである。
【0009】抗菌性の導入方法としては、基材に抗菌性
物質を分散させて加工する方法以外に、特公平3−10
341に開示されているように水溶性抗菌性物質の溶液
を導尿カテーテルに吸収させ、その後に抗菌性物質を難
水性化合物に変える方法がある。
【0010】また特表平4−502111に開示されて
いるように、天然ゴム製品の製造にあたって、リーチン
グ工程と硬化工程の間に抗菌性物質を導入する方法があ
る。さらに特公平2−24544に開示されているよう
に導尿カテーテルの表面に無水マレイン酸基を有する被
膜を形成させ、そのマレイン酸基を加水分解後抗菌物質
を結合させる製造方法がある。
【0011】このように細菌に対して強い抗菌性を有す
る化合物、例えばプロテイン銀や第4級アンモニウム塩
を天然ゴムラテックス中に分散させて加工した場合はラ
テックス中で長期に安定した分散状態を維持することが
困難であり、ラテックス粒子の凝集や抗菌性物質(特に
金属化合物)の沈降が起こりやすくコーティング層が不
均一になり安定した抗菌性が得られにくい。さらに、ラ
テックス中に抗菌性物質を分散させこれを塗布後加硫な
どの後処理工程で高温に暴露されることになり、抗菌性
物質が酸化あるいは熱分解し、銀の析出による黒ずみや
分解生成物による安定性の低下などの恐れが生じる。
【0012】基材に抗菌性物質を混ぜ込む以外の抗菌性
物質の付与方法について、抗菌性物質溶液を導尿カテー
テルに吸収させる方法では、基材への抗菌性物質の侵透
速度が遅く加工に幾日も時間を要するため、経済的な製
造方法とはいえない。またカテーテル表面に無水マレイ
ン酸の被膜をつくり抗菌性物質と結合させる方法では、
マレイン酸被膜をつくらせたり、加水分解したりなど加
工工程が多くなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なラテックス中に抗菌性物質を添加した場合の問題点を
解決して、優れた抗菌性を示し、しかも長期間にわたり
その抗菌性が維持されるような抗菌性導尿カテーテルを
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、抗菌性を有する物
質として銀化合物または第4級アンモニウムもしくは第
4級ホスホニウムを、導尿カテーテルの成型加工後の熱
処理の前もしくは後のいずれかにおいて導入せしめるこ
とにより抗菌性を付与すること、すなわち加工に先立っ
て基材中に直接、上記の抗菌性を有する物質を混ぜ込ま
ないことが有用であることを見出し、本発明に到達し
た。
【0015】すなわち、本発明は、以下のような構成を
有するものである。 (1)銀化合物が表面に導入された天然ゴムラテックス
からなる抗菌性導尿カテーテルであって、該天然ゴムラ
テックスは銀イオンと結合可能なアミノ酸残基を有する
化合物とともに分散された天然ゴムラテックスから成型
されたことを特徴とする抗菌性導尿カテーテル (2)第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウム
が表面に導入された天然ゴムラテックスからなる抗菌性
導尿カテーテルであって、該天然ゴムラテックスは第4
級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウムと結合可能
な化合物とともに分散された天然ゴムラテックスから成
型されたことを特徴とする抗菌性導尿カテーテル (3)銀化合物が硝酸銀もしくは酢酸銀である抗菌性導
尿カテーテル (4)第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウム
と結合可能な化合物が下記式[1]の構造であるの抗菌
性導尿カテーテル (5)銀イオンと結合可能なアミノ酸を有する化合物ま
たは第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウムと
結合可能な化合物とともに分散された天然ゴムラテック
スのpHが5以上である抗菌性導尿カテーテル (6)導尿カテーテル成型後に熱処理を行ない、かつ該
熱処理の前もしくは後のいずれかにおいて銀化合物また
は第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウムが導
入されてなる抗菌性導尿カテーテル
【0016】
【化2】
【0017】式[1]において、R1 、R2 は炭素数1
〜12のアルキル基、あるいはCn2n+1OHで示され
るnが1〜12の化合物を示す。なお、R1 、R2 はそ
れぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性導尿カテーテルに
おいて用いられる抗菌性物質は銀化合物または第4級ア
ンモニウム塩もしくは第4級ホスホニウム塩であること
を特徴とする(以下、銀化合物または第4級アンモニウ
ム塩もしくは第4級ホスホニウム塩を抗菌性物質と称す
る)。
【0019】本発明において、上記銀化合物は、溶媒へ
の溶解性がよい、分子量が小さいので反応性が高いとい
う点から、硝酸銀、酢酸銀のいずれかであることが好ま
しい。
【0020】本発明の抗菌性導尿カテーテルの基材であ
る天然ゴムラテックスに分散させる銀イオンと結合可能
なアミノ酸残基を有する化合物としては、例えばアミノ
酸モノマー、アミノ酸オリゴマー、アミノ酸ポリマー、
アミノ酸誘導体等が挙げられる。これらのうちの1種類
だけ使用しても、何種類かを同時に使用してもよい。
【0021】ここで、アミノ酸オリゴマーとはアミノ酸
残基数が2〜10のものをいう。また、アミノ酸ポリマ
ーとはアミノ酸残基数が11以上のものを指すのであ
り、アミノ酸残基数が11〜500のものが好ましく、
11〜200のものがさらに好ましい。具体的にはポリ
−L−グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。さら
に、アミノ酸誘導体とは、アミノ酸の一部が他の化合物
と結合したものをいうものであり、例えばステアロイル
−L−グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0022】本発明において、第4級アンモニウムおよ
び第4級ホスホニウムは、下記式[2]で示されるもの
が好ましい。
【0023】
【化3】
【0024】式[2]において、R1 、R2 、R3 は炭
素数1〜12好ましくは1〜8のアルキル基、または炭
素数6〜12好ましくは6〜10のアリール基、または
炭素数7〜20のアラルキル基を示す。R4 は炭素数1
〜25好もしくは3〜20、さらに好ましくは6〜20
のアルキル基を示す。R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞ
れ同じであっても異なっていてもよい。また、Aは窒素
原子もしくはリン原子であり、Xは塩素原子もしくは臭
素原子である。
【0025】上記の第4級アンモニウムおよび第4級ホ
スホニウムとしては、具体的に例えば、トリブチルラウ
リルアンモニウム、トリブチルミリスチルアンモニウ
ム、トリブチルセチルアンモニウム、トリブチルステア
リルアンモニウム、トリフェニルラウリルアンモニウ
ム、トリフェニルミリスチルアンモニウム、トリフェニ
ルセチルアンモニウム、トリフェニルステアリルアンモ
ニウム、ベンジルジメチルラウリルアンモニウム、ベン
ジルジメチルミリスチルアンモニウム、ベンジルジメチ
ルセチルアンモニウム、ベンジルジメチルステアリルア
ンモニウム、トリブチルラウリルホスホニウム、トリブ
チルミリスチルホスホニウム、トリブチルセチルホスホ
ニウム、トリブチルステアリルホスホニウム、トリフェ
ニルラウリルホスホニウム、トリフェニルミリスチルホ
スホニウム、トリフェニルセチルホスホニウム、トリフ
ェニルステアリルホスホニウム、ベンジルジメチルラウ
リルホスホニウム、ベンジルジメチルミリスチルホスホ
ニウム、ベンジルジメチルセチルホスホニウム、ベンジ
ルジメチルステアリルホスホニウムなどが例示される
が、式[2]によって示される構造の化合物であれば、
特にこれらに限定されない。また、これらの化合物を1
種類単独で用いても、複数種類を同時に用いてもよい。
【0026】本発明の抗菌性導尿カテーテルの基材に分
散させる第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウ
ムと結合可能な化合物である式[1]で示される化合物
とは、例えばジメチル−5−スルホイソフタレートナト
リウム塩、ジエチル−5−スルホイソフタレートナトリ
ウム塩、ジブチル−5−スルホイソフタレートナトリウ
ム塩、ジヘキシル−5−スルホイソフタレートナトリウ
ム塩、ジオクチル−5−スルホイソフタレートナトリウ
ム塩、ジ(6−ヒドロキシヘキサメチレン)−5−スル
ホイソフタレートナトリウム塩、ジ(6−ヒドロキシオ
クタメチレン)−5−スルホイソフタレートナトリウム
塩などの生体への安全性がすでに確認されているスルホ
ン酸塩である。これらのうち、1種類のみを使用して
も、2種類以上同時に使用してもよい。
【0027】上記の銀イオンと結合可能なアミノ酸を有
する化合物または第4級アンモニウムもしくは第4級ホ
スホニウムと結合可能な化合物の基材への配合は直接行
なってもよいし、あるいは分散剤などを加えボールミル
でよく分散させた状態で混合してもよい。
【0028】上記の銀イオンと結合可能なアミノ酸を有
する化合物または第4級アンモニウムもしくは第4級ホ
スホニウムと結合可能な化合物の基材への配合量はそれ
ぞれの種類や組み合わせにより異なるが、一般的には基
材に対して0.001〜50重量%であり、より好まし
くは0.01〜25重量%である。この場合、0.00
1重量%以下では結合できる抗菌性物質が少量過ぎて抗
菌性が十分発揮できない。一方、50重量%以上では基
材の物性が損なわれる可能性がある。
【0029】本発明における抗菌性導尿カテーテルの基
材となる抗菌性物質と結合可能な化合物ともに分散され
た天然ゴムラテックスは、成分の分散性の点から、pH
が5以上であることが好ましい。より好ましくはpH7
以上であり、さらに好ましくはpH7〜12である。
【0030】本発明における抗菌性導尿カテーテルへの
抗菌性物質の導入方法は導尿カテーテルの成型後に熱処
理を施し、該熱処理の工程の前もしくは後において上記
抗菌性物質の溶液に浸漬することを特徴とする。本発明
における導尿カテーテルの成型後に行なう熱処理の好適
な条件としては、50〜150℃で30分ないし24時
間である。
【0031】上記のような工程により得られる抗菌性導
尿カテーテルは、基材と抗菌性物質の分散性を考慮する
必要がなく、また抗菌性付与の工程がマイルドな処理条
件で行えるため、あらゆる抗菌性物質の適用が可能であ
る。また導尿カテーテル中の抗菌性能を必要とする表面
だけに効率よく抗菌性物質を化学結合させることから、
余分な抗菌性物質を必要とせず経済的であり、しかも抗
菌性物質が化学結合により結合しているため抗菌性を長
期間維持できるのである。
【0032】本発明における抗菌性導尿カテーテルに加
工する抗菌性物質の処理条件は、その種類や組み合わせ
により異なるが、一般的に0.01〜50重量%の水溶
液もしくは10〜20%メタノール水溶液が適当であ
る。より好ましくは0.1〜20重量%が適当である。
この場合0.1重量%以下では十分量の抗菌性物質がカ
テーテルに結合せず、また50重量%以上では化合物が
十分に溶解しない場合や、溶液自体の粘度が高くなり、
取り扱いにくくなるため適当でない。
【0033】上記の条件を満たした抗菌性物質溶液にカ
テーテルを浸漬する。その条件はカテーテル基材および
抗菌性物質に悪影響を及ぼさない範囲であれば制限され
ないが、通常は20〜100℃であり、30〜80℃が
特に好ましい、またこの場合振盪することが好ましい。
好ましい浸漬時間は浸漬温度により異なるが、例えば3
5℃の温度条件では、5分ないし1週間、好ましくは1
0分ないし3日間である。
【0034】本発明における抗菌性導尿カテーテルに結
合した抗菌性物質は導尿カテーテル基材中に分散させた
化合物と結合する前は水溶性であるが、導尿カテーテル
の基材に含有させた結合可能な化合物と結合した際にそ
の結合前と比較して水溶性が低くなる性質を示すことよ
り、抗菌性成分が使用中に尿などによって流されにくく
なり、長期の抗菌性が得られる。
【0035】以上のように、本発明の抗菌性導尿カテー
テルは、従来の抗菌性導尿カテーテルと比較してマイル
ドな条件で抗菌性物質をカテーテル管腔内外の表面に結
合させることができる。また、コーティング法とは異な
り、導尿カテーテル場合に一般に用いられるサイズであ
る8〜30Fr程度の内径および外径に仕上げることも
容易である。
【0036】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。な
お、本発明は実施例により特に制限されるものではな
い。
【0037】<実施例1>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部、ジメチル−5−スルホイソフタ
レートナトリウム10部を加え天然ゴムラテックス液を
調製した。天然ゴムラテックス液のpHは10であっ
た。
【0038】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥、その後流水中で1週間洗浄、乾燥して導尿カ
テーテルを作製した。上記導尿カテーテルを10%に調
製したトリブチルドデシルホスホニウムクロライド水溶
液中に浸漬して40℃、6時間振盪した。その後導尿カ
テーテルを水洗し70℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテ
ルを得た。
【0039】上記の抗菌性導尿カテーテルを長さ5cm
になるようにカットし、エチレンオキサイドガスによる
滅菌処理を施した。ブロース液(生理食塩水で50倍希
釈)によりおよそ1×105 個/mlの細菌数とした緑
膿菌懸濁液を調製して、この中に上記抗菌性導尿カテー
テルを浸漬して、37℃、24時間振盪培養した。培養
後の液中の菌数を塗沫法により計測して抗菌性を評価し
た。また同様の評価を大腸菌、黄色ブドウ球菌でも行っ
た。結果を表1に示した。
【0040】<実施例2>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部に2−メルカプトベンゾチアゾール
亜鉛塩0.5部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛1.
0部、ステアリン酸1.0部、タウリン10部を加え天
然ゴムラテックス液を調製した。天然ゴムラテックス液
のpHは10であった。次に、導尿カテーテル用浸漬型
を上記天然ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、1
0分)を1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70
℃、12時間乾燥、その後流水中で1週間洗浄、乾燥し
て導尿カテーテルを作製した。
【0041】上記導尿カテーテルを10%に調製したト
リブチルテトラデシルホスホニウムクロライド水溶液中
に浸漬し40℃、6時間振盪した。その後導尿カテーテ
ルを水洗し70℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテルを得
た。抗菌性評価は実施例1と同様の方法で行った。結果
を表1に示した。
【0042】<実施例3>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部に2−メルカプトベンゾチアゾール
ナトリウム塩0.5部、コロイド硫黄1.5部、活性亜
鉛1.0部、ステアリン酸1.0部、ステアロイル−L
−グルタミン酸二ナトリウム5部を加え天然ゴムラテッ
クス液を調製した。天然ゴムラテックス液のpHは10
であった。次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然ゴ
ムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を1.
6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃12時間乾
燥、その後流水中で1週間洗浄、乾燥し導尿カテーテル
を作製した。
【0043】上記カテーテルを5%に調製した硝酸銀水
溶液中に浸漬し37℃、3時間振盪した。その後導尿カ
テーテルを水洗し70℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテ
ルを得た。抗菌性評価は実施例1と同様の方法で行っ
た。結果を表1に示した。
【0044】<実施例4>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部に2ーメルカプトベンゾチアゾール
ナトリウム塩0.5部、コロイド硫黄1.5部、活性亜
鉛1.0部、ステアリン酸1.0部、ステアロイル−L
−グルタミン酸二ナトリウム5部を加えた後、この天然
ゴムラテックス液を塩酸でpH6.0に調整した。次
に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然ゴムラテックス
液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を1.6mmの厚さ
まで繰り返した。最後は70℃12時間乾燥、その後流
水中で1週間洗浄、乾燥し導尿カテーテルを作製した。
【0045】<比較例1>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックス液のpHは10であった。
【0046】次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然
ゴムラテックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を
1.6mmの厚さまで繰り返した。最後は70℃、12
時間乾燥、その後流水中で1週間洗浄、乾燥して導尿カ
テーテルを作製した。抗菌性評価は実施例1と同様の方
法で行った。結果を表1に示した。
【0047】<比較例2>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部、ジメチル−5−スルホイソフタ
レートナトリウム10部を加え天然ゴムラテックス液を
調製した。天然ゴムラテックス液のpHは10であっ
た。次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然ゴムラテ
ックス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を1.6mm
の厚さまで繰り返した。最後は70℃、12時間乾燥、
その後流水中で1週間洗浄、乾燥し導尿カテーテルを作
製した。これを実施例1と同様の方法で抗菌性を評価し
た。結果を表1に示した。
【0048】<比較例3>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部を加え天然ゴムラテックス液を調
製した。天然ゴムラテックス液のpHは10であった。
次に、導尿カテーテル用浸漬型を上記天然ゴムラテック
ス液に浸漬、乾燥(80℃、10分)を1.6mmの厚
さまで繰り返した。最後は70℃12時間乾燥、その後
流水中で1週間洗浄、乾燥し導尿カテーテルを作製し
た。
【0049】上記導尿カテーテルを10%に調製したト
リブチルドデシルホスホニウムクロライド水溶液中に浸
漬し40℃、6時間振盪した。その後導尿カテーテルを
水洗し70℃で乾燥し、抗菌性導尿カテーテルを得た。
実施例1と同様の方法で抗菌性を評価した。結果を表1
に示した。
【0050】<比較例4>固形分濃度60%の天然ゴム
ラテックス100部にジメチルジチオカルバミン酸亜鉛
0.3部、コロイド硫黄1.5部、活性亜鉛3.0部、
ステアリン酸1.2部、ジメチル−5−スルホイソフタ
レートナトリウム10部を加えた後、塩酸でpH4.0
に調整したところ、ラテックス液は凝集し、これからは
表面の均一なカテーテルを作製することができなかっ
た。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明における抗菌性導尿カテーテル
は、カテーテル表面に銀化合物または第4級アンモニウ
ムもしくは第4級ホスホニウムのような抗菌性物質が存
在するため、抗菌性能は使用直後から優れており、しか
も抗菌性物質は基材中の化合物と結合し水に溶けにくく
なっているために長期にわたってその抗菌性が維持され
る。さらに上記のような抗菌性物質をイオン結合させる
ことにより、導尿カテーテルの内径、外径は変わらない
ため、規格通りの抗菌性導尿カテーテルの製造が可能で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 昌和 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 有森 奏 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀化合物が表面に導入された天然ゴムラ
    テックスからなる抗菌性導尿カテーテルであって、該天
    然ゴムラテックスは銀イオンと結合可能なアミノ酸残基
    を有する化合物とともに分散された天然ゴムラテックス
    から成型されたことを特徴とする抗菌性導尿カテーテ
    ル。
  2. 【請求項2】 第4級アンモニウムもしくは第4級ホス
    ホニウムが表面に導入された天然ゴムラテックスからな
    る抗菌性導尿カテーテルであって、該天然ゴムラテック
    スは第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホニウムと
    結合可能な化合物とともに分散された天然ゴムラテック
    スから成型されたことを特徴とする抗菌性導尿カテーテ
    ル。
  3. 【請求項3】 銀化合物が硝酸銀もしくは酢酸銀である
    請求項1記載の抗菌性導尿カテーテル。
  4. 【請求項4】 第4級アンモニウムもしくは第4級ホス
    ホニウムと結合可能な化合物が下記式[1]の構造であ
    る請求項2記載の抗菌性導尿カテーテル。 【化1】 (式[1]において、R1 、R2 は炭素数1〜12のア
    ルキル基、あるいはCn2n+1OHで示されるnが1〜
    12の化合物を示し、R1 、R2 はそれぞれ同じであっ
    ても異なっていてもよい)
  5. 【請求項5】 請求項1記載の銀イオンと結合可能なア
    ミノ酸を有する化合物または請求項2記載の第4級アン
    モニウムもしくは第4級ホスホニウムと結合可能な化合
    物とともに分散された天然ゴムラテックスのpHが5以
    上である請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性導尿カ
    テーテル。
  6. 【請求項6】 導尿カテーテル成型後に熱処理を行な
    い、かつ該熱処理の前もしくは後のいずれかにおいて銀
    化合物または第4級アンモニウムもしくは第4級ホスホ
    ニウムが導入されてなる請求項1〜5のいずれかに記載
    の抗菌性導尿カテーテル。
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