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JPH1192364A - 糖尿病治療剤 - Google Patents

糖尿病治療剤

Info

Publication number
JPH1192364A
JPH1192364A JP25104697A JP25104697A JPH1192364A JP H1192364 A JPH1192364 A JP H1192364A JP 25104697 A JP25104697 A JP 25104697A JP 25104697 A JP25104697 A JP 25104697A JP H1192364 A JPH1192364 A JP H1192364A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diabetes
dihydroxydefostatin
defostatin
therapeutic agent
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25104697A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Kazuo Umezawa
一夫 梅澤
Tsutomu Sawa
力 沢
Takashi Yamashita
敬 山下
Mikiro Kitahara
幹郎 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Microbial Chemistry Research Foundation
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Microbial Chemistry Research Foundation, Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Microbial Chemistry Research Foundation
Priority to JP25104697A priority Critical patent/JPH1192364A/ja
Publication of JPH1192364A publication Critical patent/JPH1192364A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有効かつ安全な糖尿病治療剤を提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】 で表わされるデフォスタチンまたはその薬理的に許容し
得る塩を有効成分とすることを特徴とする糖尿病治療
剤、および式(II): 【化2】 で表わされる3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性
体またはその薬理的に許容し得る塩を有効成分とするこ
とを特徴とする糖尿病治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糖尿病治療剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、罹患人数の多い病気であり、
その数は年毎に増加している。また、慢性合併症として
網膜症、腎不全、心筋梗塞等の重篤な症状に進行する可
能性があり、早期に診断、治療を行う必要がある。
【0003】前記糖尿病の治療剤としては、例えば、イ
ンスリン、合成血糖降下薬等があげられる。
【0004】しかしながら、前記インスリンは、胃等で
分泌されるペプシン等のタンパク質分解酵素により失活
するため、該インスリンを経口投与することができない
という欠点がある。また、前記インスリンおよび合成血
糖降下薬の過剰投与は低血糖等の人体に有害な症状を引
き起こすという欠点がある。
【0005】また、わが国の糖尿病患者の95%以上をし
めるインスリン非依存型糖尿病(NIDDM )の治療剤とし
ては、スルホニル尿素薬、ビグアナイド薬、α- グルコ
シダーゼ阻害剤等の合成薬剤等があげられる。しかしな
がら、前記合成薬剤には、治療効果、安全性等の面で満
足できるものではないという欠点がある。
【0006】また、前記インスリン非依存型糖尿病に対
する新しい治療薬として、細胞表面にあるインスリン受
容体の活性化をおこない、インスリンの効果を増強する
ことを特徴とするインスリン作用の改善剤が近年開発さ
れており、チアゾリジン誘導体が有効成分として認めら
れているが、糖尿病治療剤として活性がより強くかつ安
全な物質の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、有効かつ安全な糖尿病
治療剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チロシン
ホスファターゼを阻害する物質が直接的にインスリン受
容体のチロシンキナーゼの活性化を行なうことが期待さ
れ、糖尿病治療剤として有用であると考え、鋭意研究を
重ねた。その結果、従来、チロシンホスファターゼ阻害
活性(基質拮抗阻害)を有する免疫調節剤、抗腫瘍剤等
として知られるデフォスタチン(特開平6−25628
1号公報)が、糖尿病、特にインスリン非依存型糖尿病
に対して優れた糖尿病治療作用を呈するという、まった
く新しい事実を見出した。本発明は、かかる事実に基づ
いて完成されたものである。
【0009】即ち、本発明は、〔1〕 式(I):
【0010】
【化3】
【0011】で表わされるデフォスタチンまたはその薬
理的に許容し得る塩を有効成分とすることを特徴とする
糖尿病治療剤、および〔2〕 式(II):
【0012】
【化4】
【0013】で表わされる3,4−ジヒドロキシデフォ
スタチン異性体またはその薬理的に許容し得る塩を有効
成分とすることを特徴とする糖尿病治療剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の式(I):
【0015】
【化5】
【0016】で表わされるデフォスタチンは、公知の化
合物であり、特開平6−256281号公報やJ. Antib
iot.,1995, 46, 9, 1342-1346 に記載のストレプトミセ
ス属に属するストレプトミセス・エスピーMJ742−
NF5株(FERM P−13223)の培養により得
ることができる。また、培養物から回収された天然のデ
フォスタチンと同等のチロシンホスファターゼ阻害活性
を有するデフォスタチンを合成法により製造することも
できる(J. Chem. Soc. Commun. 1994, pp.437)。
【0017】また、本発明の式(II):
【0018】
【化6】
【0019】で表わされる3,4−ジヒドロキシデフォ
スタチン異性体は、デフォスタチンより培養液中での安
定性に優れた公知の化合物であり、J. Antibiot., 199
5, 48,12, 1460-1466 に記載の方法により製造すること
ができる。
【0020】前記デフォスタチンまたは前記3,4−ジ
ヒドロキシデフォスタチン異性体の薬理的に許容し得る
塩は、例えば、J. Antibiot., 1995, 48, 12, 1460-146
6 に記載の方法により製造することができる。
【0021】前記デフォスタチンまたは前記3,4−ジ
ヒドロキシデフォスタチン異性体の薬理的に許容し得る
塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウ
ム塩等のアルカリ金属塩等があげられる。該薬理的に許
容し得る塩は、単独で又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらの中では、生体適合性の観点から、
フェノール性水酸基のアルカリ金属塩が好ましく、特に
ナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。
【0022】前記デフォスタチンまたは前記3,4−ジ
ヒドロキシデフォスタチン異性体は、後述の実験例にお
けるマウス胎児由来の3T3−L1細胞を用いた実験結
果で示されるように、細胞障害を伴わない培養脂肪細胞
からのエピネフリン刺激による遊離脂肪酸の放出に対し
て顕著な抑制効果を示す。このことから、哺乳動物(ヒ
ト、ウマ、イヌ、ネコ等)の糖尿病治療剤として有用で
ある。また、前記デフォスタチンまたは前記3,4−ジ
ヒドロキシデフォスタチン異性体は、従来の薬剤より、
副作用が少なく、毒性が低く、安全性が高い化合物であ
り、例えば、デフォスタチンのLD50(50%致死量)
は、血液内投与で100mg/kg以上(ICRマウ
ス)であり、3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性
体のLD50(50%致死量)は、血液内投与で100m
g/kg以上(ICRマウス)である。
【0023】前記デフォスタチン、3,4−ジヒドロキ
シデフォスタチン異性体またはそれらの薬理的に許容し
得る塩は、単独で又は2種以上を混合して用いることが
できる。
【0024】前記デフォスタチン、3,4−ジヒドロキ
シデフォスタチン異性体またはそれらの薬理的に許容し
得る塩の投与量は、患者の症状、体重、年齢等により変
わりうるが、通常、成人1日あたり0.01〜1000
mg/kg程度が好ましく、これを1回または数回に分
けて投与することができる。
【0025】本発明の糖尿病治療剤が適用される糖尿病
としては、インスリン非依存性糖尿病において特に有効
であり、治療効果は顕著である。
【0026】本発明の糖尿病治療剤の剤型は、通常、治
療剤として用いるものであれば特に限定がない。かかる
剤型としては例えば、経口剤、注射剤、座剤、ハップ剤
等があげられるが、患者に対する身体的な負担の面か
ら、経口剤が望ましい。
【0027】また、本発明の糖尿病治療剤には、デフォ
スタチン、3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体
またはその薬理的に許容し得る塩以外にも必要により、
経口、経腸、その他非経口的に投与するために適した有
機または無機の固体または液体の任意の成分を含有する
ことができる。
【0028】前記任意の成分としては、例えば、結晶性
セルロース、ゼラチン、乳糖、ショ糖、澱粉、コーンス
ターチ、デキストリン、マンニット、ステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、植物性および動物性脂肪ならびに
油、ガム、ポリアルキレングリコール、アラビアゴム、
ペクチン等の賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯
臭剤、増量剤、着色剤、安定剤、等張剤、可溶化剤、分
散剤、溶解補助剤、乳化剤、保湿剤、酸化防止剤等があ
げられる。
【0029】製剤中の前記デフォスタチン、3,4−ジ
ヒドロキシデフォスタチン異性体またはその薬理的に許
容し得る塩の含有量は、剤型や基剤成分等によって異な
るので、一概には限定することができないが通常、製剤
中0.01〜100重量%であることが好ましい。
【0030】本発明の糖尿病治療剤は、一般に採用され
ている薬剤の調製方法によって製造することができる。
【0031】以上説明したように本発明の糖尿病治療剤
は、患者のインスリン感受性を改善する効果を有してお
り、糖尿病の中でも、特にインスリン非依存性糖尿病に
顕著な治療効果を呈する。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0033】製造例1〔3,4−ジヒドロキシデフォス
タチン異性体の製造〕 J. Antibiot. 1995, 48,12, pp.1460-1466に記載の方法
に従って3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体を
製造した。
【0034】まず、3,4−ジメトキシアニリン(アル
ドリッチ社製)5.02g(33mmol) をジクロロ
メタン100mLに溶解した後、該ジクロロメタン溶液
にピリジン2.9mL(36mmol)とトリフルオロ
酢酸(和光純薬工業(株)製)5.0mL(36mmo
l)を0℃条件下で添加して、2時間攪拌した。
【0035】ジクロロメタン100mLを該反応液に添
加し、有機層を1N塩酸100mLで洗浄後、硫酸ナト
リウムで乾燥させて真空エバポレーターを用いて乾固し
た。
【0036】シリカゲル(和光純薬工業(株)製、商品
名:ワコーゲルC−200)を装着したカラム(4cm
φ×20cm、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1
(容量比:v/v))で精製し、薄い黄色の粉末(1)
3,4−ジメトキシ−N−トリフルオロアセチルアニリ
ン4.53g(17.8mmol)を得た(収率53.
5%)。
【0037】(1)3,4−ジメトキシ−N−トリフル
オロアセチルアニリン4.53gをジメチルホルムアミ
ド10mLに溶解し、60%水素化ナトリウム(アルド
リッチ社製)0.7gとジメチルホルムアミド5mLと
の混合液に−23℃で滴下した後、0℃下で1時間該混
合液を攪拌した。ヨウ化メチル2.0mLを−23℃で
添加し、さらに20℃程度の室温下で1時間、攪拌し
た。
【0038】反応液全量を4℃に冷却した1N塩酸10
0mLに滴下し、酢酸エチル100mLで2回抽出し
た。生成したN−メチル化体をシリカゲル(和光純薬工
業(株)製、商品名:ワコーゲルC−200)を装着し
たカラム(3cmφ×30cm、展開液:ヘキサン/酢
酸エチル= 3/1 〜1 /1 (容量比:v/v)) で精製
し、(2)3,4−ジメトキシ−N−メチル−N−トリ
フルオロアセチルアニリン2.96g(11.0mmo
l)を得た。その収率は61.8%であった。
【0039】塩化アルミニウム(和光純薬工業(株)
製)2.53g(19.0mmol)とエタンチオール
19.0mLをジクロルメタン30mLに溶解し、0 ℃
で(2)3,4−ジメトキシ−N−メチル−N−トリフ
ルオロアセチルアニリン1.0gを添加し、5 時間攪拌
して(2)3,4−ジメトキシ−N−メチル−N−トリ
フルオロアセチルアニリンのメトキシ基を水酸基に変換
した。該溶液を真空エバポレーターを用いて乾固し、シ
リカゲル(和光純薬工業(株)製、商品名:ワコーゲル
C−200)を装着したカラム(3cmφ×30cm、
展開液:ヘキサン/酢酸エチル=5:1(容量比:v/
v))で精製し、(3)3,4−ジヒドロキシ−N−メ
チル−N−トリフルオロアセチルアニリンを得た。
【0040】アミノ基のニトロソ化を実行する前に、穏
やかな条件ではずすことのできるTBSO化により、
(3)3,4−ジヒドロキシ−N−メチル−N−トリフ
ルオロアセチルアニリンの水酸基の保護を行なった。
【0041】前記(3)3,4−ジヒドロキシ−N−メ
チル−N−トリフルオロアセチルアニリン507mg
(2.15mmol)を、ジクロロメタン15mLに溶
解し、2,6−ルチジン(和光純薬工業(株)製)1.
90mL(16.3mmol)tert−ブチルジメチ
ルシリル硫酸トリフルオロメタン(アルドリッチ社製)
1.78mL(7.74mmol) とを0℃下で添加し
た後、室温で12時間攪拌した。
【0042】反応液に4℃の冷水50mLを添加し、酢
酸エチル100mLで2回抽出した。シリカゲル(和光
純薬工業(株)製、商品名:ワコーゲルC−200)を
装着したカラム(3cmφ×30cm、展開液:ヘキサ
ン/酢酸エチル=20/1〜10/1(容量比:v/
v))で精製し、(4)3,4−ビス〔(tert−ブ
チルジメチルシリル)オキシ〕−N−メチル−N−トリ
フルオロアセチルアニリン390mg(1.0mmo
l)を得た。
【0043】(4)3,4−ビス〔(tert−ブチル
ジメチルシリル)オキシ〕−N−メチル−N−トリフル
オロアセチルアニリンのアミノ基のトリフルオロアセチ
ル基による保護を炭酸カリウムではずした。生成物
(4)3,4−ビス〔(tert−ブチルジメチルシリ
ル)オキシ〕−N−メチル−N−トリフルオロアセチル
アニリンを10mLの炭酸カリウム水−メタノール溶液
(7%炭酸カリウム:メタノール=2:5(容量比:v
/v)) に溶解し、室温で3時間攪拌した。反応液はジ
クロロメタンで抽出し、シリカゲル(和光純薬工業
(株)製、商品名:ワコーゲルC−200)を装着した
カラム(3cmφ×30cm、ヘキサン/酢酸エチル=
15/1〜10/1(容量比:v/v))で精製し、
(5)3,4−ビス〔(tert−ブチルジメチルシリ
ル)オキシ〕−N−メチルアニリン196mg(0.6
5mmol)を得た(収率65.0%)。
【0044】次に、硝酸ナトリウムを用いて、(5)
3,4−ビス〔(tert−ブチルジメチルシリル)オ
キシ〕−N−メチルアニリンのアミノ基のニトロソ化を
おこなった。(5)3,4−ビス〔(tert−ブチル
ジメチルシリル)オキシ〕−N−メチルアニリン196
mgをテトラヒドロフラン15mLに溶解し、1N塩酸
3mLと等モルの硝酸ナトリウム45mgとを0℃で添
加した。反応液を0℃で3時間攪拌した後、ジクロロメ
タン100mLで抽出、シリカゲル(和光純薬工業
(株)製、商品名:ワコーゲルC−200)を装着した
カラム(3cmφ×30cm、展開液:ヘキサン/酢酸
エチル=15/1〜10:1(容量比:v/v))で精
製し、(6)3,4−ビス〔(tert−ブチルジメチ
ルシリル)オキシ〕−N−メチル−N−ニトロソアニリ
ン182mg(0.5mmol)を得た(収率85.0
%)。
【0045】得られた(6)3,4−ビス〔(tert
−ブチルジメチルシリル)オキシ〕−N−メチル−N−
ニトロソアニリンを6mLのテトラヒドロフランに溶解
し、1.5mLのフッ化ナトリウム−フッ化水素酸緩衝
液(pH4.98)を0℃で加え、室温で24時間攪拌
した。反応液はクロロホルムで3回抽出し、有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥したのち乾固した。シリカゲル(和
光純薬工業(株)製、商品名:ワコーゲルC−200)
を装着したカラム(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=3
/1〜1/1(容量比:v/v))で精製し、3,4−
ジヒドロキシデフォスタチン92.1mg(0.5mm
ol)を得た(収率99.0%)。
【0046】また、デフォスタチンは、J.Chem.Soc.,Ch
em.Commun. 1994 pp.437に記載の方法で合成されたもの
を使用した。
【0047】実験例1〜3 デフォスタチンおよび3,4−ジヒドロキシデフォスタ
チンの糖尿病に対する効果を試験するための系として、
エピネフリン処理された培養脂肪細胞からの遊離脂肪酸
の放出抑制を調べる試験系を使用した( B.B.R.C., 995
, 14, No.3, pp.1095-1099) 。この系は、糖尿病に対す
る試験管レベルでの効果判定の系として感受性が高く、
放射性グルコースを使わない簡便な血糖降下の予測試験
法として知られている( Biol.Pharm.Bull. 1995, 18, p
p.719-722)。
【0048】細胞は、ヒューマンサイエンス研究資源バ
ンクより入手した3T3−L1細胞(HSRRB JC
RB9014)を用い、10%牛血清を添加したダルベ
ッコ変法MEM培地で、37℃、5%CO2 環境下で培
養継続したものを試験に使用した。
【0049】2 ×106 /mLの3T3−L1細胞を、牛
血清アルブミン(和光純薬工業(株)製)20mgおよ
びKRBバッファー(120mM NaCl、1.27
mMCaCl2 、1.2mM MgSO4 、4.75m
M KCl、1.2mMKH2 PO4 、24mM Ma
HCO3 、pH7.4)に溶解した薬剤(実験例1:デ
フォスタチン20μg/mL(10-4M)、実験例2:
3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体2μg/m
L、実験例3:3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異
性体20μg/mL)とともに、37℃,30分間前培
養した。
【0050】前記培養液に10-5Mのエピネフリンを加
え、さらに37℃で3時間培養し、氷冷水0.5mLを
添加して反応を止めた。遠心分離機を用いて1200r
pm. で10分間遠心分離し、FFAキット・ワコー
(和光純薬工業(株)製、商品名:NEFA−Cテスト
ワコー)を用い、細胞外液の遊離脂肪酸濃度の指標とし
て550nmの吸光度をタイターテック・マルチスキャ
ンモニター(フロー・ラボラトリー(株)製、商品名:
マルチスキャン・プラスMKII)で測定した。また、デ
フォスタチンおよび3,4−ジヒドロキシデフォスタチ
ン異性体のかわりにチロシンホスファターゼ阻害剤(リ
ンの類似体)として知られている酸化硫酸バナジウム
(和光純薬工業(株)製)を5×10-4Mで用いたもの
を陽性対照とし、細胞外液の550nmの吸光度を測定
した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実験例1〜3の結果より、デフォスタチン
および3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体の添
加により、エピネフリン単独時(薬剤なし)と比べ、3
T3−L1細胞からの遊離脂肪酸の放出が顕著に抑制さ
れた。
【0053】また、実験例1〜3および陽性対照の結果
より、実験例1〜3では約5分の1〜10分の1の濃度
で酸化硫酸バナジウムと同等の効果が発現されたことか
ら、デフォスタチンおよび3,4−ジヒドロキシデフォ
スタチン異性体の作用は、酸化硫酸バナジウムに比べは
るかに強いものであった。
【0054】尚、実験例1〜3における3T3−L1細
胞を顕微鏡観察したところ、いずれも細胞障害が生じて
おらず、実験例1〜3に見られる脂肪酸放出抑制が、細
胞障害性によるものではないことを確認した。
【0055】以上のことから、デフォスタチンおよび
3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体が糖尿病に
よる高血糖を改善するのに有効であることが強く示唆さ
れた。
【0056】
【発明の効果】本発明により糖尿病、特にインスリン非
依存型糖尿病に対する糖尿病治療剤が提供された。本発
明のデフォスタチンおよびその薬理的に許容し得る塩な
らびに3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性体およ
びその薬理的に許容し得る塩は、安全かつ有効に糖尿
病、特にインスリン非依存型糖尿病に対して治療効果を
有し、糖尿病による高血糖を改善することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 敬 兵庫県加古川市別府町別府899−1−101 (72)発明者 北原 幹郎 兵庫県神戸市北区鈴蘭台西町1−8−10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 で表わされるデフォスタチンまたはその薬理的に許容し
    得る塩を有効成分とすることを特徴とする糖尿病治療
    剤。
  2. 【請求項2】 式(II): 【化2】 で表わされる3,4−ジヒドロキシデフォスタチン異性
    体またはその薬理的に許容し得る塩を有効成分とするこ
    とを特徴とする糖尿病治療剤。
JP25104697A 1997-09-16 1997-09-16 糖尿病治療剤 Pending JPH1192364A (ja)

Priority Applications (1)

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JP25104697A JPH1192364A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 糖尿病治療剤

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JP25104697A JPH1192364A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 糖尿病治療剤

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ID=17216818

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JP25104697A Pending JPH1192364A (ja) 1997-09-16 1997-09-16 糖尿病治療剤

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