JPH1187581A - 金属基複合材料部品及びその製造方法 - Google Patents
金属基複合材料部品及びその製造方法Info
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- JPH1187581A JPH1187581A JP25271497A JP25271497A JPH1187581A JP H1187581 A JPH1187581 A JP H1187581A JP 25271497 A JP25271497 A JP 25271497A JP 25271497 A JP25271497 A JP 25271497A JP H1187581 A JPH1187581 A JP H1187581A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 変形や剥離等を伴うことなく加工性を改善さ
せることができる金属基複合材料部品及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 金属マトリックス2中に分散粒子3を含
有してなる金属基複合材料10と,金属基複合材料10
の表面に固着して配設された加工用部材5とよりなる。
加工用部材5は,熱膨張係数が上記金属基複合材料10
の熱膨張係数の±60%以内であると共に,ビッカース
硬さHvが150以下である。
せることができる金属基複合材料部品及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 金属マトリックス2中に分散粒子3を含
有してなる金属基複合材料10と,金属基複合材料10
の表面に固着して配設された加工用部材5とよりなる。
加工用部材5は,熱膨張係数が上記金属基複合材料10
の熱膨張係数の±60%以内であると共に,ビッカース
硬さHvが150以下である。
Description
【0001】
【技術分野】本発明は,金属マトリックス中に分散粒子
を含有してなる金属基複合材料の加工性を改善した金属
基複合材料部品及びその製造方法に関する。
を含有してなる金属基複合材料の加工性を改善した金属
基複合材料部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】例えば半導体装置等の電子部品において
は,放熱用のヒートシンク(放熱板)が配設される。か
かるヒートシンクとしては,金属マトリックス中に高熱
伝導性及び低熱膨張性を有する種々の材料を分散させた
金属基複合材料が広く用いられている。具体的には,例
えばアルミニウム合金中にSiC,AlN,BN,グラ
ファイト等の分散材を含有させた金属基複合材料等が知
られている。
は,放熱用のヒートシンク(放熱板)が配設される。か
かるヒートシンクとしては,金属マトリックス中に高熱
伝導性及び低熱膨張性を有する種々の材料を分散させた
金属基複合材料が広く用いられている。具体的には,例
えばアルミニウム合金中にSiC,AlN,BN,グラ
ファイト等の分散材を含有させた金属基複合材料等が知
られている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の金
属基複合材料においては,次の問題がある。即ち,上記
金属基複合材料をヒートシンクとして用いる場合には,
IC基盤等の電子部品を搭載するための面だし加工や穴
開け加工を金属基複合材料に施す必要がある。一方,上
記金属基複合材料は,熱的特性に優れているだけでな
く,非常に高硬度の材料でもある。そのため,金属基複
合材料への上記加工は非常に困難であり,加工コストも
高くなる。
属基複合材料においては,次の問題がある。即ち,上記
金属基複合材料をヒートシンクとして用いる場合には,
IC基盤等の電子部品を搭載するための面だし加工や穴
開け加工を金属基複合材料に施す必要がある。一方,上
記金属基複合材料は,熱的特性に優れているだけでな
く,非常に高硬度の材料でもある。そのため,金属基複
合材料への上記加工は非常に困難であり,加工コストも
高くなる。
【0004】これに対し,例えば特表平5−50835
0号公報に示されているごとく,アルミニウム基にSi
Cを分散させた複合材を製造するに際し,その表面にS
iCを含有しないAl合金だけのAl層を残存させる方
法がある。しかしこの場合には,Al層への加工性は若
干向上するものの,複合体部分との熱膨張率が大きく異
なるため,反りなどの変形や剥離,熱疲労破壊等を生じ
るという問題があり,十分な対策となり得ない。
0号公報に示されているごとく,アルミニウム基にSi
Cを分散させた複合材を製造するに際し,その表面にS
iCを含有しないAl合金だけのAl層を残存させる方
法がある。しかしこの場合には,Al層への加工性は若
干向上するものの,複合体部分との熱膨張率が大きく異
なるため,反りなどの変形や剥離,熱疲労破壊等を生じ
るという問題があり,十分な対策となり得ない。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,変形や剥離等を伴うことなく加工性を改
善させることができる金属基複合材料部品及びその製造
方法を提供しようとするものである。
されたもので,変形や剥離等を伴うことなく加工性を改
善させることができる金属基複合材料部品及びその製造
方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,金属マトリック
ス中に分散粒子を含有してなる金属基複合材料と,該金
属基複合材料の表面に固着して配設された加工用部材と
よりなり,かつ,上記加工用部材は,加工用マトリック
スと加工用分散材とからなると共に,熱膨張係数が上記
金属基複合材料の熱膨張係数の±60%以内であり,ビ
ッカース硬さHvが150以下であることを特徴とする
金属基複合材料部品にある。
ス中に分散粒子を含有してなる金属基複合材料と,該金
属基複合材料の表面に固着して配設された加工用部材と
よりなり,かつ,上記加工用部材は,加工用マトリック
スと加工用分散材とからなると共に,熱膨張係数が上記
金属基複合材料の熱膨張係数の±60%以内であり,ビ
ッカース硬さHvが150以下であることを特徴とする
金属基複合材料部品にある。
【0007】本発明において注目すべきことは,上記金
属基複合材料の表面には上記加工用部材を配設してなる
ことである。そして,最も重要な点は,上記加工用部材
は熱膨張係数及び硬度(ビッカース硬さHv)を上記特
定の値に限定していることである。
属基複合材料の表面には上記加工用部材を配設してなる
ことである。そして,最も重要な点は,上記加工用部材
は熱膨張係数及び硬度(ビッカース硬さHv)を上記特
定の値に限定していることである。
【0008】上記加工用部材における熱膨張係数が,上
記分散粒子の熱膨張係数の±60%の範囲を超える場合
には,金属基複合材料部分と加工用部材との熱膨張率の
差が大きくなり,反りや剥離を招くおそれがある。な
お,熱膨張係数の最適値は,界面のせん断強度と製造時
の温度差,弾性率の関係式から求めることができる。
記分散粒子の熱膨張係数の±60%の範囲を超える場合
には,金属基複合材料部分と加工用部材との熱膨張率の
差が大きくなり,反りや剥離を招くおそれがある。な
お,熱膨張係数の最適値は,界面のせん断強度と製造時
の温度差,弾性率の関係式から求めることができる。
【0009】また,上記加工用部材のビッカース硬さH
vが150を超える場合には,加工性の向上があまり望
めないという問題がある。そのため,上記加工用部材の
ビッカース硬さHvは,さらに20〜100の範囲にあ
ることが好適である。
vが150を超える場合には,加工性の向上があまり望
めないという問題がある。そのため,上記加工用部材の
ビッカース硬さHvは,さらに20〜100の範囲にあ
ることが好適である。
【0010】また,上記加工用部材の熱伝導率は,上記
金属基複合材料の熱伝導率の1/2以上であることが好
ましい。上記加工用部材の熱伝導率が金属基複合材料の
熱伝導率の1/2未満の場合には,金属基複合材料部品
全体の熱伝導率を大幅に低下させてしまうという問題が
ある。
金属基複合材料の熱伝導率の1/2以上であることが好
ましい。上記加工用部材の熱伝導率が金属基複合材料の
熱伝導率の1/2未満の場合には,金属基複合材料部品
全体の熱伝導率を大幅に低下させてしまうという問題が
ある。
【0011】また,上記加工用部材の配設方法として
は,後述するごとく金属基複合材料を製造する際に加工
用部材を金属マトリックスによって同時に鋳ぐるむこと
により金属基複合材料の表面に配置させる方法等,種々
の方法を採ることができる。また,加工用部材は加工用
マトリックスと加工用分散材とからなる。加工用分散材
としては,具体的には,例えば炭素繊維,黒鉛,発泡
体,及びそれらの成形体,焼結体,積層体等を適用する
ことができる。
は,後述するごとく金属基複合材料を製造する際に加工
用部材を金属マトリックスによって同時に鋳ぐるむこと
により金属基複合材料の表面に配置させる方法等,種々
の方法を採ることができる。また,加工用部材は加工用
マトリックスと加工用分散材とからなる。加工用分散材
としては,具体的には,例えば炭素繊維,黒鉛,発泡
体,及びそれらの成形体,焼結体,積層体等を適用する
ことができる。
【0012】また,上記金属基複合材料における分散粒
子としては,例えばSiC(炭化珪素),AlN(窒化
アルミニウム),BN(窒化硼素)等のセラミックス粒
子,W(タングステン),Mo(モリブデン)等の高融
点金属,グラファイト等の種々の材料を適用することが
できる。また,上記金属マトリックス用の金属として
は,例えばAl(アルミニウム),Cu(銅),Ag
(銀),Au(金),またはこれらの金属の合金を適用
することができる。
子としては,例えばSiC(炭化珪素),AlN(窒化
アルミニウム),BN(窒化硼素)等のセラミックス粒
子,W(タングステン),Mo(モリブデン)等の高融
点金属,グラファイト等の種々の材料を適用することが
できる。また,上記金属マトリックス用の金属として
は,例えばAl(アルミニウム),Cu(銅),Ag
(銀),Au(金),またはこれらの金属の合金を適用
することができる。
【0013】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明の金属基複合材料部品においては,金属基複合材料の
表面に上記加工用部材を配設してなる。この加工用部材
は,上記のごとく特定の熱膨張係数及び特定の硬度を有
している。そのため,反りや剥離等の不具合を伴うこと
なく加工性を向上させることができる。
明の金属基複合材料部品においては,金属基複合材料の
表面に上記加工用部材を配設してなる。この加工用部材
は,上記のごとく特定の熱膨張係数及び特定の硬度を有
している。そのため,反りや剥離等の不具合を伴うこと
なく加工性を向上させることができる。
【0014】即ち,上記金属基複合材料部品は,例えば
ビッカース硬さHvが2500にも達するような高硬度
の分散粒子を含有した金属基複合材料の表面に,ビッカ
ース硬さHvが150以下の硬度を有する上記加工用部
材を配設してある。そのため,面だし加工や穴開け加工
を行う場合には,高硬度の分散粒子を加工対象とするこ
となく上記加工用部材の厚みの範囲内において行うこと
ができる。 それ故,金属基複合材料部品の主体となる
金属基複合材料部分を従来と同様に維持したまま,加工
性を大幅に向上させることができる。
ビッカース硬さHvが2500にも達するような高硬度
の分散粒子を含有した金属基複合材料の表面に,ビッカ
ース硬さHvが150以下の硬度を有する上記加工用部
材を配設してある。そのため,面だし加工や穴開け加工
を行う場合には,高硬度の分散粒子を加工対象とするこ
となく上記加工用部材の厚みの範囲内において行うこと
ができる。 それ故,金属基複合材料部品の主体となる
金属基複合材料部分を従来と同様に維持したまま,加工
性を大幅に向上させることができる。
【0015】また,上記加工用部材は,その熱膨張係数
が上記金属基複合材料の±60%以内である。そのた
め,上記加工用部材は,上記分散材を含有してなる金属
基複合材料とほぼ同等の熱膨張特性を発現する。それ
故,温度が昇降しても反りや剥離を発生させることがな
い。したがって,本発明によれば,変形や剥離等を伴う
ことなく加工性を改善させることができる金属基複合材
料部品を得ることができる。
が上記金属基複合材料の±60%以内である。そのた
め,上記加工用部材は,上記分散材を含有してなる金属
基複合材料とほぼ同等の熱膨張特性を発現する。それ
故,温度が昇降しても反りや剥離を発生させることがな
い。したがって,本発明によれば,変形や剥離等を伴う
ことなく加工性を改善させることができる金属基複合材
料部品を得ることができる。
【0016】次に,請求項2の発明のように,金属マト
リックス中に分散粒子を分散させてなる金属基複合材料
と,加工用マトリックスと加工用分散材とからなると共
に上記金属基複合材料の表面に固着して配設してなる加
工用部材とよりなる金属基複合材料部品を製造する方法
であって,上記分散粒子と,上記加工用部材が上記金属
基複合材料の±60%以内の熱膨張係数とビッカース硬
さHvが150以下の硬さを有するよう選ばれた加工用
分散材とを準備し,次いで,鋳型のキャビティ内に,上
記分散粒子あるいはその成形体と上記加工用分散材とを
隣接配置し,次いで上記キャビティ内に上記金属マトリ
ックス用の溶融金属を高圧条件で鋳込むことを特徴とす
る金属基複合材料部品の製造方法がある。
リックス中に分散粒子を分散させてなる金属基複合材料
と,加工用マトリックスと加工用分散材とからなると共
に上記金属基複合材料の表面に固着して配設してなる加
工用部材とよりなる金属基複合材料部品を製造する方法
であって,上記分散粒子と,上記加工用部材が上記金属
基複合材料の±60%以内の熱膨張係数とビッカース硬
さHvが150以下の硬さを有するよう選ばれた加工用
分散材とを準備し,次いで,鋳型のキャビティ内に,上
記分散粒子あるいはその成形体と上記加工用分散材とを
隣接配置し,次いで上記キャビティ内に上記金属マトリ
ックス用の溶融金属を高圧条件で鋳込むことを特徴とす
る金属基複合材料部品の製造方法がある。
【0017】上記鋳型のキャビティ内への上記分散粒子
及び加工用分散材の配置は,それぞれ粉末状で配置した
後全体的に加圧して圧粉体とする方法や,分散粒子,加
工用分散材の両者又は一方を予め成形した状態で配置さ
せる方法等をとることができる。また,上記高圧条件で
の鋳造としては,例えば高圧鋳造法,ダイカスト,真空
ダイカスト等の種々の加圧鋳造法により行うことができ
る。
及び加工用分散材の配置は,それぞれ粉末状で配置した
後全体的に加圧して圧粉体とする方法や,分散粒子,加
工用分散材の両者又は一方を予め成形した状態で配置さ
せる方法等をとることができる。また,上記高圧条件で
の鋳造としては,例えば高圧鋳造法,ダイカスト,真空
ダイカスト等の種々の加圧鋳造法により行うことができ
る。
【0018】本製造方法によれは,金属基複合材料の表
面に上記加工用部材を固着して配設させた,加工性に優
れた金属基複合材料部品を容易に製造することができ
る。
面に上記加工用部材を固着して配設させた,加工性に優
れた金属基複合材料部品を容易に製造することができ
る。
【0019】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる金属基複合材料部品及びそ
の製造方法につき,図1〜図5を用いて説明する。本例
の金属基複合材料部品1は,図1に示すごとく,金属マ
トリックス2中に分散粒子3を含有してなる金属基複合
材料10と,金属基複合材料10の表面に配設された加
工用部材5とよりなる。
の製造方法につき,図1〜図5を用いて説明する。本例
の金属基複合材料部品1は,図1に示すごとく,金属マ
トリックス2中に分散粒子3を含有してなる金属基複合
材料10と,金属基複合材料10の表面に配設された加
工用部材5とよりなる。
【0020】なお,本例の加工用部材5は,図1に示す
ごとく,金属基複合材料10の表面において金属マトリ
ックス2によって鋳ぐるみ配置してある。また,加工用
部材5は,熱膨張係数が金属基複合材料10の熱膨張係
数の±60%以内であると共に,ビッカース硬さHvが
150である。
ごとく,金属基複合材料10の表面において金属マトリ
ックス2によって鋳ぐるみ配置してある。また,加工用
部材5は,熱膨張係数が金属基複合材料10の熱膨張係
数の±60%以内であると共に,ビッカース硬さHvが
150である。
【0021】金属基複合材料10は,アルミニウム合金
を金属マトリックス2として用い,これにSiC粒子を
分散粒子3として含有してなる。分散粒子3は,その熱
膨張係数が4×10-6/℃,熱伝導率が270W/m
K,ビッカース硬さHvが2100〜2800であり,
低熱膨張,高熱伝導,高硬度の粒子である。また,分散
粒子3の粒径としては10〜100μmのものを用い
た。
を金属マトリックス2として用い,これにSiC粒子を
分散粒子3として含有してなる。分散粒子3は,その熱
膨張係数が4×10-6/℃,熱伝導率が270W/m
K,ビッカース硬さHvが2100〜2800であり,
低熱膨張,高熱伝導,高硬度の粒子である。また,分散
粒子3の粒径としては10〜100μmのものを用い
た。
【0022】そして,この分散粒子3を金属マトリック
ス2に約65%の充填率となるよう分散させることによ
り,全体の熱膨張係数が7×10-6/℃,熱伝導率が2
00W/mK,ビッカース硬さHvが250の金属基複
合材料10が構成されている。一方,上記加工用部材5
中の加工用分散材50としては炭素繊維と黒鉛を用い,
これを成形体として上記のごとく金属マトリックス2に
より鋳ぐるみ配置してある。
ス2に約65%の充填率となるよう分散させることによ
り,全体の熱膨張係数が7×10-6/℃,熱伝導率が2
00W/mK,ビッカース硬さHvが250の金属基複
合材料10が構成されている。一方,上記加工用部材5
中の加工用分散材50としては炭素繊維と黒鉛を用い,
これを成形体として上記のごとく金属マトリックス2に
より鋳ぐるみ配置してある。
【0023】この加工用分散材としての炭素繊維および
黒鉛は,その熱膨張係数が6×10-6/℃であり,分散
粒子3の熱膨張係数の+50%であるという特性を有し
ている。また,そのビッカース硬さHvは50であり,
分散粒子3よりも十分に軟らかい。
黒鉛は,その熱膨張係数が6×10-6/℃であり,分散
粒子3の熱膨張係数の+50%であるという特性を有し
ている。また,そのビッカース硬さHvは50であり,
分散粒子3よりも十分に軟らかい。
【0024】次に,上記構成の金属基複合材料部品1の
製造方法につき説明する。本例の製造方法は,図2〜図
5に示すごとく,鋳型6を用いて高圧鋳造法により行う
方法である。即ち,まず図2に示すごとく,鋳型6のキ
ャビティ60内に,分散粒子3と加工用分散材部材50
とを隣接配置する。このとき,加工用分散材50として
は,上記炭素繊維を予め1mm厚みのシート状に成形し
たものを用いる。そして,加工用分散材50をキャビテ
ィ60の底部に載置し,その上に粉末状のSiCよりな
る分散粒子3を挿入する。
製造方法につき説明する。本例の製造方法は,図2〜図
5に示すごとく,鋳型6を用いて高圧鋳造法により行う
方法である。即ち,まず図2に示すごとく,鋳型6のキ
ャビティ60内に,分散粒子3と加工用分散材部材50
とを隣接配置する。このとき,加工用分散材50として
は,上記炭素繊維を予め1mm厚みのシート状に成形し
たものを用いる。そして,加工用分散材50をキャビテ
ィ60の底部に載置し,その上に粉末状のSiCよりな
る分散粒子3を挿入する。
【0025】次いで,図2に示すごとく,鋳型6内全体
をプレス装置68により加圧する。これにより,図3に
示すごとく,加工用分散材50の上方に分散粒子3の圧
粉体30を積層させた中間材101が得られる。このと
きの分散粒子3の圧粉体30は,約65%の充填率とな
るようにした。
をプレス装置68により加圧する。これにより,図3に
示すごとく,加工用分散材50の上方に分散粒子3の圧
粉体30を積層させた中間材101が得られる。このと
きの分散粒子3の圧粉体30は,約65%の充填率とな
るようにした。
【0026】次いで,図4に示すごとく,鋳型6のキャ
ビティ60内に,溶融状態のアルミニウム合金20を鋳
込む。そして,直ちに図5に示すごとく,プレス装置6
8により内部を約800kgf/cm2 に加圧し,15
分間保持した。次いで,冷却後上記鋳型6から取り出す
ことにより,図1に示すごとき金属基複合材料部品1が
得られた。
ビティ60内に,溶融状態のアルミニウム合金20を鋳
込む。そして,直ちに図5に示すごとく,プレス装置6
8により内部を約800kgf/cm2 に加圧し,15
分間保持した。次いで,冷却後上記鋳型6から取り出す
ことにより,図1に示すごとき金属基複合材料部品1が
得られた。
【0027】得られた金属基複合材料部品1は,上記の
ごとく,金属基複合材料10の表面に加工用部材5を鋳
ぐるみ配置してある。そのため,本例の金属基複合材料
部品1は,金属基複合材料10が本来持っている低熱膨
張性,高熱伝導性,高強度を保持しつつ,加工性を向上
させることができる。
ごとく,金属基複合材料10の表面に加工用部材5を鋳
ぐるみ配置してある。そのため,本例の金属基複合材料
部品1は,金属基複合材料10が本来持っている低熱膨
張性,高熱伝導性,高強度を保持しつつ,加工性を向上
させることができる。
【0028】即ち,金属基複合材料部品1に対して面だ
し加工や穴開け加工をを行う場合には,上記加工用部材
5を配設してある面に対して行う。これにより,加工用
部材5の硬度特性から容易に上記加工を行うことができ
る。さらに,上記加工用部材5は,その熱膨張係数が分
散粒子3の±60%の範囲内にあるので,熱履歴を受け
ても加工用部材5が反ったり剥離したりすることがな
い。また,本例によれば上記の優れた金属基複合材料部
品1を容易に製造することができる。
し加工や穴開け加工をを行う場合には,上記加工用部材
5を配設してある面に対して行う。これにより,加工用
部材5の硬度特性から容易に上記加工を行うことができ
る。さらに,上記加工用部材5は,その熱膨張係数が分
散粒子3の±60%の範囲内にあるので,熱履歴を受け
ても加工用部材5が反ったり剥離したりすることがな
い。また,本例によれば上記の優れた金属基複合材料部
品1を容易に製造することができる。
【0029】実施形態例2 本例においては,実施形態例1により得られた金属基複
合材料部品1(以下,本発明品という)の特性を,比較
品と共に定量的に評価した。比較品は,上記実施形態例
1において加工用部材5の配設を取りやめ,代わりに
0.1〜0.2mmのAl層を設けた。その他は実施形
態例1と同様である。
合材料部品1(以下,本発明品という)の特性を,比較
品と共に定量的に評価した。比較品は,上記実施形態例
1において加工用部材5の配設を取りやめ,代わりに
0.1〜0.2mmのAl層を設けた。その他は実施形
態例1と同様である。
【0030】まず,第1の評価は,本発明品及び比較品
の表面層のビッカース硬さHvの測定と,研削加工性に
ついて行った。その結果,表面硬度については,いずれ
もビッカース硬さHvが約93となり,Al合金の硬さ
とほぼ同等となった。また,研削加工性については,本
発明品については加工用部材5の存在によって非常に良
好であった。しかしながら,比較品については,薄いA
l層の下の高硬度の金属基複合材料10が直接的に影響
し,砥石摩耗量が増大するという結果となった。
の表面層のビッカース硬さHvの測定と,研削加工性に
ついて行った。その結果,表面硬度については,いずれ
もビッカース硬さHvが約93となり,Al合金の硬さ
とほぼ同等となった。また,研削加工性については,本
発明品については加工用部材5の存在によって非常に良
好であった。しかしながら,比較品については,薄いA
l層の下の高硬度の金属基複合材料10が直接的に影響
し,砥石摩耗量が増大するという結果となった。
【0031】また,第2の評価は,本発明品及び比較品
の表面層の熱膨張係数の測定を行った。その結果,本発
明品は9×10-6/℃であり,金属基複合材料の値であ
る7×10-6/℃とほぼ同等の良好な値となった。これ
に対し,比較品の表面層はAl層であるため22×10
-6/℃となり,金属基複合材料部分の約3倍という大き
な値となった。
の表面層の熱膨張係数の測定を行った。その結果,本発
明品は9×10-6/℃であり,金属基複合材料の値であ
る7×10-6/℃とほぼ同等の良好な値となった。これ
に対し,比較品の表面層はAl層であるため22×10
-6/℃となり,金属基複合材料部分の約3倍という大き
な値となった。
【0032】また,第3の評価は,本発明品の全体の熱
伝導率の測定をレーザフラッシュ法により行った。その
結果,本発明品の全体は190W/mKとなり,金属基
複合材料部分の熱伝導率(200W/mK)とほぼ同等
の良好な結果となった。
伝導率の測定をレーザフラッシュ法により行った。その
結果,本発明品の全体は190W/mKとなり,金属基
複合材料部分の熱伝導率(200W/mK)とほぼ同等
の良好な結果となった。
【0033】以上の結果から,本発明品(金属基複合材
料部品1)は,従来の金属基複合材料の優れた低熱膨張
性,高熱伝導性を維持しつつ,加工性の向上を図ること
ができることが分かる。
料部品1)は,従来の金属基複合材料の優れた低熱膨張
性,高熱伝導性を維持しつつ,加工性の向上を図ること
ができることが分かる。
【0034】実施形態例3 本例は,実施形態例1における金属基複合材料10に代
えて,分散粒子3としてW,Mo粒子を用い,金属マト
リックス2としてCu合金を用いた。また,加工用分散
材50としては,上記と同様に炭素繊維と黒鉛の成形体
を用いた。その他は実施形態例1と同様とした。
えて,分散粒子3としてW,Mo粒子を用い,金属マト
リックス2としてCu合金を用いた。また,加工用分散
材50としては,上記と同様に炭素繊維と黒鉛の成形体
を用いた。その他は実施形態例1と同様とした。
【0035】この場合には,実施形態例1における金属
基複合材料部品1よりも耐熱性に優れた金属基複合材料
部品を得ることができる。即ち,金属マトリックス2と
してCu合金を用いることにより,アルミニウム合金を
用いた場合よりも全体の耐熱性を向上させることができ
る。その他は,実施形態例1と同様の効果が得られる。
基複合材料部品1よりも耐熱性に優れた金属基複合材料
部品を得ることができる。即ち,金属マトリックス2と
してCu合金を用いることにより,アルミニウム合金を
用いた場合よりも全体の耐熱性を向上させることができ
る。その他は,実施形態例1と同様の効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,変形や
剥離等を伴うことなく加工性を改善させることができる
金属基複合材料部品及びその製造方法を提供することが
できる。
剥離等を伴うことなく加工性を改善させることができる
金属基複合材料部品及びその製造方法を提供することが
できる。
【図1】実施形態例1の金属基複合材料部品の構造を示
す説明図。
す説明図。
【図2】実施形態例1における,鋳型のキャビティへの
材料挿入手順を示す説明図。
材料挿入手順を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,中間材を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,溶融金属を鋳込んでい
る状態を示す説明図。
る状態を示す説明図。
【図5】実施形態例1における,キャビティ内を加圧し
ている状態を示す説明図。
ている状態を示す説明図。
1...金属基複合材料部品, 10...金属基複合材料, 101...中間材, 2...金属マトリックス, 3...分散粒子, 5...加工用部材, 50...加工用分散材, 6...鋳型, 60...キャビティ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 直久 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 砥綿 真一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 神谷 信雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 金属マトリックス中に分散粒子を含有し
てなる金属基複合材料と,該金属基複合材料の表面に固
着して配設された加工用部材とよりなり,かつ,上記加
工用部材は,加工用マトリックスと加工用分散材とから
なると共に,熱膨張係数が上記金属基複合材料の熱膨張
係数の±60%以内であり,ビッカース硬さHvが15
0以下であることを特徴とする金属基複合材料部品。 - 【請求項2】 金属マトリックス中に分散粒子を分散さ
せてなる金属基複合材料と,加工用マトリックスと加工
用分散材とからなると共に上記金属基複合材料の表面に
固着して配設してなる加工用部材とよりなる金属基複合
材料部品を製造する方法であって,上記分散粒子と,上
記加工用部材が上記金属基複合材料の±60%以内の熱
膨張係数とビッカース硬さHvが150以下の硬さを有
するよう選ばれた加工用分散材とを準備し,次いで,鋳
型のキャビティ内に,上記分散粒子あるいはその成形体
と上記加工用分散材とを隣接配置し,次いで上記キャビ
ティ内に上記金属マトリックス用の溶融金属を高圧条件
で鋳込むことを特徴とする金属基複合材料部品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25271497A JPH1187581A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 金属基複合材料部品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25271497A JPH1187581A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 金属基複合材料部品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1187581A true JPH1187581A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17241239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25271497A Pending JPH1187581A (ja) | 1997-09-01 | 1997-09-01 | 金属基複合材料部品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1187581A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004014746A (ja) * | 2002-06-06 | 2004-01-15 | Denki Kagaku Kogyo Kk | モジュール構造体とその製造方法 |
JP2004128451A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-04-22 | Toyota Industries Corp | 低膨張材料の製造方法及び低膨張材料を用いた半導体装置 |
JP2008311632A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-12-25 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 放熱部材及びその製造方法 |
JP2009248164A (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-29 | Denki Kagaku Kogyo Kk | アルミニウム−黒鉛−炭化珪素質複合体及びその製造方法 |
JP2012050987A (ja) * | 2009-03-10 | 2012-03-15 | Am Technology:Kk | 電気絶縁性を有する放熱基板 |
WO2015097766A1 (ja) * | 2013-12-25 | 2015-07-02 | 株式会社日立製作所 | 半導体装置および半導体製造方法 |
-
1997
- 1997-09-01 JP JP25271497A patent/JPH1187581A/ja active Pending
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